気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

2015年05月

 Twitterでは、今日の記事の内容をひとことでまとめています。お時間の無い方・更新時間を知りたい方はご利用ください。https://twitter.com/kasayangw

西から高気圧に覆われ清々しい晴天域拡大。北日本は大気不安定傾向。週末と来週の空模様は?(150521)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??

 昨日の記事では、普通の天気図のアニメとコメントを掲載し忘れてしまいました
 記事をアップする際、原文と図のコピペを失敗・・・・

 ブログをお読みの方は????という状態だったと思います。
 Kasayanも、せっかく作ったアニメを掲載し忘れ・・・がっかり・・・・
 大変失礼いたしました










 昨夜は、Kasayanとしても予想外・・・近畿~東日本中心の広範囲の雷雨がありました。

 午前3時の実況ですが・・・

実況150521

 梅雨前線は南海上に南下しているものの、前線が「への字」になっている場所(キンク部)に近い関東付近に活発な雨雲の帯・・・
 まもなく東海上に抜けようとしていますが、関東南部に強い雨を降らせていることがわかります。

 この雨の原因・・・
 偏西風の蛇行に伴って南下してきた大陸の強い上空寒気の影響で、大気の状態が不安定になって・・・

 さらに西から接近中の上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)から降り注ぐ悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)も加わることで・・・

 前線キンク部から関東付近に流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が、活発な雷雲に成長したと思われます。

実況アメダス02時150521

 これは活発な雨雲の帯が関東甲信を通過した午前2時のアメダスの降水量風向・風速の観測結果ですが・・・

 南寄りの暖かく湿った風北よりの冷涼で乾燥した風収束線を形成・・・
 収束線の北側で降水が活発化しているようです(冷気の上を暖湿気が滑りあがる)。

 実はこの雷雨・・・昨日朝の段階では、ネガティブに天気チェックをするKasayanにも、これほど広範囲で活発なものになるとは予想できませんでした

実況分析MSMモデル150521

 これは気象庁が発表しているMSMモデル(スーパーコンピューターによる)の降水量の予測

 いずれも雷雨が活発になった今日21日午前0時の予想で、それぞれ昨日午前3時、昨日午前9時、昨日午後3時を初期値とするシミュレーションを比較したものです。

 実況を加味してはじき出される最新のシミュレーションほど、降水のエリアが拡大してくることがわかりますよね。

 各計算値を比較してみると・・・
 上空の寒気の流れ込みについてはかなりイイ予想がされていたようですけど・・・
 梅雨前線上のキンク部(「へ」の字部分=低圧部)が予想以上に発達したため、前線付近から流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の量が、新たな初期値毎に増えていったようです。

 台風などでは「最新の予報をコマメにチェックしてください」などと伝えられますけど・・・
 これからの季節、毎日のように発生する雷雨に関しても最新の情報を確認し、必要に応じて気象レーダーをチェックすることが必要・・・ということが実感できる出来事でした。

 また、Kasayanとしても・・・過剰と思われるデータの根拠をしっかりと考え、想定される最悪の事態に思いをめぐらせるとともに、最悪の事態について適切な表現をすることの大切さと難しさを感じた次第です。


 ということで・・・先にご紹介した実況のように・・・・
 関東付近の雨雲は東海上に抜けつつあって・・・西から高気圧の晴天域が拡大しているわけですが・・・

 ここからは今日の空模様・・・・

菅平150521

 Kasayanの住む長野市ほぼ快晴
 群馬県と長野県の県境に位置する菅平、根子岳の山頂付近に薄い雲がかかっている程度。

 空気も澄んでいて・・・

北アルプス150521

 残雪の北アルプスをハッキリと見ることができます。

 このまま気持ちのイイ空気に覆われ、穏やかな晴天が続いてくれるとイイんですが・・・

 まずは普通の天気図を使って、明日夜にかけての気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう(昨日はここでコピペに失敗しちゃったんですよね・・・ごめんなさい)。

予想図アニメ150521
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 明日にかけて・・・
 前線が南下し・・・西から大陸の清々しい空気を伴う高気圧が張り出して・・・上空の寒気は抜ける傾向。
 天気が回復し、五月晴れになることが読み取れますけど・・・

 高気圧の北側に位置する北日本方面の上空には、今日いっぱい強い寒気が残り・・・
 明日日中も、次の上空の寒気が足早に通過していく模様。
 さらに今夜から明日にかけて、低気圧や天気図に描かれない潜在的な前線帯(黄色の点線)が通過するため、大気の不安定な状態が続くと思われます。

 また、梅雨前線が停滞する南西諸島方面もぐずつき気味・・・・

 それでは今日の空模様・・・いつものように専門の天気図を使って、詳しくチェックしていきましょう。

500図150521
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)
 
 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・実況でチェックしたように、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、午前中、日本付近を通過
 夜にかけて東海上に抜けていくことがわかります。

 一方、上空の気圧の谷の後ろ側から、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が接近
 天気は西から回復に向うことになります。

 そしてこのような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・関東甲信付近の降水域も解消
 上空の気圧の尾根の接近に伴って、東シナ海に中心を持つ高気圧の晴天域が拡大してくるわけですが・・・

 上空の気圧の谷が最後に抜ける北海道付近には、今夜にかけても弱い降水域(青塗りエリア)が残ることがわかります。
 ということは・・・北海道ほどではないにしても、上空の気圧の谷の抜け方が遅い東北付近も回復が遅れるかもしれません(上段の図・・・午前中、西~東日本に遅れて東北日本海沿岸に上空の気圧の谷が接近します)。

 どのくらい回復が遅れるのか?・・・このあたりは後でご紹介するMSMモデル(スパコンのシミュレーション)で詳しくチェックしましょう。


 続いて、昨夜の雷雨をもたらした上空の寒気と、暑さをもたらす地上付近の暖気の様子にも目を通しておきましょう。

500気温150521
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)

 こちらも上段の図から・・・空模様の骨格と同じ上空約5700mの気温分布ですが・・・-21℃以下のこの時期としてはかなり強い寒気が太平洋側まで南下
 夜にかけて三陸沖に抜けていくことが予想されています。

 このため、東日本の大気の状態はそこそこ早めに安定してくると思われますが・・・北日本はジワジワと安定へ。

 また、地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)でも・・・下段の図・・・東~北日本を6℃以下の寒気(冷気)の谷が通過
 昨日までの暖かく湿った空気が、清々しい五月の空気に入れ替わります

 さすがに日射しが強いので、9℃以上の暖気が流れ込む西日本や東日本の太平洋側では25℃以上の夏日になるところが多いと思われますが、比較的すごしやすい暑さになると思われます。

 ただ・・・地上気温の上昇は、上空の寒気が抜ける傾向とはいえ、大気の状態が気になるところ・・・

SSI150521

 これはSSIという大気の安定度の指数

 少なくとも昼頃までは、寒気が通過する東~北日本中心に、大気の不安定な状態が続くようですから・・・

 乾燥した空気に入れ替わっていることもあって、昨夜のようなことはないと思いますが・・・上昇気流が強まりやすい山沿いの方は、心の片隅でアヤシイ雲に注意を払っておくのもイイかもしれません。


 それでは以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデルを使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ150521
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
 
 紫色は下層雲。

 東北日本海側のぐずついた天気は午前中まで
 北海道を残し、広範囲で清々しい晴天域が拡大してくる模様。

 南西諸島方面も、高気圧が前線を押し下げて、比較的晴れ間が広がるようですね。


 ということで・・・最後は週末と来週の空模様・・・
 気象庁発表の最新のGSMモデルをザッとご紹介しておきます。

GSM6コマ150521

 週末は西から下り坂・・・
 向こう一週間、いわゆる「変わりやすい天気」になって、高気圧の中心の位置次第で高温になる可能性も

 天気予報がハズレやすい季節が近づいています。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

    拡大500図150521 拡大500気温150521  
(クリックで原図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

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高温・晴天ベースも局地的ににわか雨や雷雨?(150520)


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 昨日夕方、7年に一度の御開帳開催中の善光寺の裏山で、こんな雲が見られました。


(HD画質・60倍速 インターバル撮影)

 画面中央やや左側に見える茶色の三角屋根が善光寺
 善光寺の裏山(三登山)から滝のように雲が流れ落ちていることがわかります。

 この雲・・・「三登山の逆さ霧」と呼ばれる雲で、この雲が現れると気温が下がり、季節によっては上着一枚羽織る必要があると伝えられています。

 というのも、三登山の裏側には飯綱高原・黒姫高原が連なっていて、その先は新潟県で・・・
 冷たい大陸や日本海の空気が、北風や海風によって長野県に運び込まれるとき、三登山を越えて長野盆地に落ち込むタイミングで発生する雲だから。

 海の無い長野県ですから、海風とは無縁と思われがちですけど、日本海まで車で1時間あまりの長野県北部の天気は海と密接な関係があります。

 肉眼ではただの雲も、インターバル撮影(1000枚程度の写真をパラパラ漫画のように動画にしたもの)すると、ダイナミックな天気変化が見えてきますから面白いですよね?


 さて、ここからはいつものように今日の空模様・・・

菅平150520

 今朝の長野市晴れ・・・ですけど白っぽい青空
 空気中に水蒸気が多いようで、今朝は北アルプスを見ることができません。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況150520

 昨日、奄美地方を梅雨入りさせた梅雨前線が南海上に停滞
 一方、日本海潜在的な前線を伴いながら低気圧が北東進中

 このため、台風7号から流れ込む暖湿気(雨の原料)と、前線に吹き込む暖湿気がぶつかる関東の南で雨雲が活発化していて・・・
 日本海でも潜在的な前線帯に対応する細長い雨雲が南下していることがわかります。

 もっともその他の地域は、雨雲にサンドイッチされ・・・(前線直下の南西諸島方面を除き)晴天域が広がっているようですが・・・

 衛星の水蒸気画像を見ると、日本海西部東シナ海を、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東進中

 南の上空の気圧の谷が前線の雨雲を、北の上空の気圧の谷が日本海の低気圧や潜在的な前線帯の雨雲を、それぞれ活発化させるだけならイイのですが・・・
 これらの雨雲が陸地にかかったり、新たな雨雲を発生させるようなら天気は下り坂ということになります。


 では、どうなるのか?
 まずは普通の天気図を使って、明日夜にかけての気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう。

予想図アニメ150520

  21日06時追記
  普通の天気図とコメントがすっぽり抜け落ちていました。
  別にコメントを書いているのですが、ブログにアップする際、コピペに失敗した模様。
  お読みいただいた方は???だったと思います・・・大変失礼いたしました。


500図150520
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・実況でチェックした上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が今夜にかけて西~北日本を通過する模様。
 ということは、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)が地上に降り注いで、天気は下り坂に向かいそうですが・・・

 地上では・・・下段の図・・・偏西風強風帯(水色の矢印)の南下するのに伴って・・・台風7号が足早に北東に進み、活発な降水域が三陸沖に離れることと・・・前線本体の降水帯が南西諸島方面に南下することは予想されているものの・・・
 陸地では、関東付近と北海道西岸付近に弱い降水域が予想されているに過ぎません

 何で???
 では、雨の原料になる暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子をチェックしておきましょう。

相当温位150520
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)

 日本付近・・・南海上の前線(黄色の点線)の南側には強い暖湿気(水色のエリア)が流れ込んでいて、前線付近で雨雲が活発化しているわけですが・・・
 前線の南下とともに、陸地は乾燥した空気に覆われ始めています。

 このため雨の原料が枯渇し、上空の気圧の谷の通過に伴い悪天パワーが降り注いでも、雨雲が発達できません
 このため、上空の気圧の谷が通過するにも関わらず、ほとんど降水域が予想されていないようですけど・・・

 図をよーく見ると・・・西日本の太平洋側と関東付近にだけ局地的に暖湿気が残ることが予想されています(海風等で運び込まれる可能性もあります)。
 また、北海道付近でも弱い暖湿気がぶつかり合う(等相当温位線が混雑)潜在的な前線帯が通過する模様。

 ちょうど、先にチェックした小さな降水帯と場所が一致するようですよね。


 続いて、上空の気圧の谷の通過と偏西風強風帯の南下に伴い日本上空に流れ込んでくる寒気の様子や、暑さをもたらす地上付近の暖気の様子にも目を通しておきましょう。

500気温150520
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)

 こちらも上段の図・・・空模様の骨格と同じ上空約5700mの気温分布ですが・・・
 今夜にかけて、上空の気圧の谷の通過に伴い、-12℃以下の寒気(平年よりやや低め)が太平洋沿岸まで南下することが予想されています。
 また、-24℃以下の寒気(平年より6℃も低め)のカタマリが北海道に上陸する模様。

 一方、地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)では・・・下段の図・・・日射しと相まって25℃以上の夏日をもたらす12℃以上の暖気が東北南部まで北上。
 30℃以上の夏日をもたらす可能性がある15℃以上の暖気西~東日本に流れ込むことも予想されています。

 そして・・・日本海から6℃以下の寒気(冷気?)も南下してきて、等温線が混雑(温度差大き目)・・・9~12℃ライン付近に潜在的な前線帯(黄色の点線)が発生し、太平洋側へと南下していくことがわかります。

 このため、-24℃以下の強い上空寒気が流れ込む北海道や、南下する潜在的な前線帯付近で大気の状態が不安定になると思われますが・・・

SSI150520

 SSIという大気の安定度の指数を見ても、北海道付近と関東・西日本太平洋側を中心に大気の状態が不安定になる模様。

 先にチェックしたように、暖湿気(雨の原料)の流れ込みが少ないので、大気の状態が不安定になっても、発生する雨雲や雷雲は・・・先にチェックした降水域のように、極めて局地的なものになると思われますけど・・・

 小さな雷雲はスーパーコンピューターとはいえ十分に計算しきれませんから、発生に関してはある程度安全マージンを大きめにとって考えておく必要があります。
 

 ということで・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(シミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ150520
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 紫色は下層雲。

 全体の傾向はアニメ中の書きこみをお読みいただければご理解いただけると思いますが・・・
 (東海上の雨のエリア・・・台風7号が早めに北東に進んだので海上に位置していますが、台風がもう少し北上していたら・・・関東で大雨になったかもしれませんね?)

 大気の状態が不安定になる地域のうち、強い上空寒気が流れ込む北海道付近以外では、ザッと見たところ、大した降水域は計算されていません

中部流線16時150520

 もっともアヤシイ場所と時間帯・・・午後4時の中部地方を拡大しておきましたが・・・降水域は関東北部にほんのわずかに計算されているだけ。

 ただ、安全マージンを考えれば、上昇気流が強まりやすい風の収束線付近をマークしておく必要はありそうです。

天気分布予報150520

 これは気象庁が発表している天気分布予報

 MSMモデルだけではなく、統計的な計算値や予報官の手直しが入った予報ですけど・・・こちらでは、局地的ですけど、大気の状態が不安定になるエリアに対応して、そこそこ広範囲に雨のエリアが予想されています。

 実際、これだけのエリアで傘が必要になるようなシッカリとした雨が降るとは思えませんけど、青塗りの地域の方は、最寄の地域の予報文にも目を通し、念のための対応はしておいたほうがイイかもしれません。

 
16時25分追記
 最新のMSMモデルでは、今夜遅く、関東甲信地方の広範囲でにわか雨又は雷雨になる可能性が高くなってきました。
 当初の予想より、北からの寒気、南からの暖湿気のせめぎあいが活発になる模様。
 空模様のイメージを修正してください。


 最後・・・日中は暑さが続きそうですから、向こう一週間の気温傾向を掲載しておきます。

週間気温グラフ150520

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
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     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
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 拡大500図150520 拡大500気温150520 拡大相当温位150520   
(クリックで原図が拡大します)

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前線南下し天気回復。北海道は大気不安定に。台風7号は小笠原へ(150519)


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 台風7号の直接・間接の影響は、小笠原を除いてなさそうですが、気になる方は以下のURLで進路のご確認を。

  気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
  米軍台風情報(日本時間換算 +9時間): http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 今日は台風が過ぎ去った後・・・明日から6日間の空模様を、気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってまとめておきました。
 
GSM6コマ150519

 台風6号、台風7号と、2週連続で台風が日本に接近しましたが、とりあえず向こう一週間は台風の接近は無さそう・・・

 でも・・・その代わりといってはナンですが・・・活発な太平洋高気圧によって本州まで北上していた(梅雨)前線が南西諸島に南下・・・そのまま停滞して・・・
 いよいよ沖縄や奄美方面で梅雨入りの発表があるかもしれません。

 一方、本州付近連続して通過する高気圧に覆われて晴天ベースの空模様が続きそうですが・・・
 高気圧の位置次第では南西風が暖かい空気を運び込み、ジメッとした蒸し暑い日が多くなるかも??

 いずれにしても、2つの台風が季節を一歩前に進めたようですね。

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 さて、ここからは今日の空模様・・・

野尻湖畔150519

 長野県と新潟県の県境付近、信濃町野尻湖畔雨上がり・・・
 森の木々の間をモヤが漂っています。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況150519

 西~東日本低気圧を伴った前線が停滞
 加えて、日本海を低気圧が北東進中

 このため前線付近で雨雲が活発化していて・・・低気圧東側では前線を超えて東北北部にまで雨雲が広がっています。

 衛星の水蒸気画像を見ると、太平洋沿岸の偏西風強風帯に沿って悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東進中
 前線の雨雲は、もうしばらく活発な状態が続くと思われますが、偏西風の蛇行に伴って、西から少しずつ南下すると思われます。

 また、大陸には悪天パワーの親分?といえる寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)があって、南側に上空の気圧の谷を伴いながら沿海州に南東進中
 日本海に偏西風の強風帯が南下し、日本海の低気圧は北東に進むと思われます。


 ということで・・・まずは普通の天気図を使って、明日夜にかけての気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう。

予想図アニメ150519
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 本州上の前線は、今夜にかけて南下する模様。
 低気圧も三陸沖に抜け、西から高気圧の晴天域が広がってくることが予想されています。
 したがって西から天気は回復・・・ということになりますが・・・

 関東付近で前線が「への字」(キンク部といいます)になっていますから・・・関東付近の回復はちょっと遅め?

 また、日本海の低気圧が北海道西岸方面に進むので・・・
 北海道付近は三陸沖の低気圧の雨雲とサンドイッチになって、今日も雨の降りやすい状態が続くと思われます。

 そして明日・・・大陸から大きな高気圧が張り出してくるので、晴天域が拡大
 広範囲で天気は回復に向かいますが・・・

 道北付近上空に寒気を伴った低気圧が通過するので、北海道は大気の状態が不安定に。
 また、南下した前線が停滞する沖縄方面では、平年の5月9日から遅れること10日間・・・いよいよ梅雨入りする可能性があります。

 
 ということで・・・いよいよ季節が一歩踏み出す今日の空模様・・・
 専門の天気図を使って、詳しくチェックしていきましょう。

500図150519
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)
 
 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・西日本の太平洋岸上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に通過し・・・偏西風の強風帯(水色の矢印)が南西諸島方面に南下することがわかります。

 このため地上では・・・下段の図・・・西日本から前線の降水帯が南下し、沖縄付近に停滞
 西~東日本には高気圧の晴天域が広がり始め・・・
 偏西風強風帯の南下に伴い・・・強風帯のつま先?でドリブルされ、台風7号が北東方向に速度アップすることが予想されています。

 また・・・再び上段の図・・・大陸の寒冷渦と上空の気圧の谷が沿海州に南東進
 このため・・・下段の図・・・日本海の低気圧降水域を伴いながら北海道西岸に進み、新たな低気圧が日本海に発生することが予想されています。

 ということで・・・天気は回復傾向も、北と南は下り坂


 続けて、寒冷渦に伴う上空の寒気・・・そして前線に流れ込む地上付近の暖(湿)気の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。

500気温150519
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)

 こちらも上段の図から・・・空模様の骨格と同じ上空約5700mの気温分布ですが・・・沿海州に南下してくる寒冷渦は中心に-24℃以下の(この時期としては)強い寒気を伴う模様。
 寒冷渦や上空の気圧の谷の接近とともに、北海道は次第に大気の状態が不安定になることが予想されます。

 一方地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)では・・・下段の図・・・東北南部まで12℃以上の暖気が流入
 西日本・東日本太平洋岸には、15℃以上の暖気が流れ込むことが予想されています。

 前線の雲が残り、日射しが弱くても、回復が進む西日本中心に気温上昇
 各地で30℃前後まで気温が上昇し、ムシムシのイヤーな暑さになることが考えられます。
 (早々に日射しが強まれば真夏日続出?)

SSI150519

 これはSSIという大気の安定度の指数ですが・・・

 15℃以上の暖気とともに水蒸気も流れこむ前線付近は大気の状態が不安定
 太平洋沿岸では雨雲が南に抜けるまで、落雷や突風にも注意

 一方、寒冷渦の接近とともに上空に寒気が流れ込み始める北海道も、今日の夜には西岸を中心に大気の状態が不安定になるようですね。


 それでは最後・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(シミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ150519
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 前線の降水帯が弱まりながら南下し・・・いよいよ沖縄付近に停滞

 西~東日本次第に回復傾向も、太平洋沿岸の回復はちょっと遅め

 そして、上空寒気が流れ込み始める北海道は、風の収束線付近や山岳風上斜面を中心に、不安定性の降水が続くようです。

 なお、台風からの暖かく湿った空気の流れ込みは東海上にそれそうですから・・・
 大雨は回避され、今回の雨はまずまずのお湿り・・・といったところでしょうか?

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      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
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 拡大500図150519 拡大500気温150519  
(クリックで原図が拡大します)

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前線東進、西から下り坂。台風7号の間接的な提供はわずか?(150518)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 ご存知のように台風7号「直接の影響」は小笠原諸島付近に限定されるようですが・・・

台風予想進路150518

  気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
  米軍台風情報(日本時間換算 +9時間): http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 気になるのは台風の「間接的な影響」・・・しばしば「台風から流れ込む暖かく湿った空気によって前線が刺激されて・・・大雨」というヤツ。

 「間接的な影響」があるとすれば、次第に(梅雨?)前線が日本にかかり始める今日~明日がピークになると思われますが・・・

 今日は、そんな台風の「間接的な影響」を中心に、天気チェックを進めたいと思います。

 ということで・・・まずはKasayanの住む長野市の空模様・・・

菅平150518

 今日は西から下り坂・・・といえども、長野市は高曇り
 上空に水蒸気が流れ込み始めたようですけど、下り坂の気配はまだしません。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況150518

 下り坂の主役・・・(本来なら梅雨)前線はまだ東シナ海付近で、前線の雨雲も九州付近にかかり始めた段階。
 東~北日本は、中心を東海上に移した高気圧に覆われ、曇りがちの晴れ・・・のところが多いようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると、東~北日本では好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が優勢
 すくなくとも午前中は、このまま晴天ベースの天気が続くところが多いと思われますが・・・

 西に目を向けると、西日本方面には雨の原料になる水蒸気(白いエリア)がタップリと流れ込み始めていることがわかります。

 また、南海上の台風7号の東側からは、もっとタップリの水蒸気が北上中
 この二つの水蒸気エリアが日本付近で合体すると大雨のおそれが高まるわけですが・・・
 実際はどうなるんでしょう???

 まずは普通の天気図を使って、明日夜にかけての気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう。

予想図アニメ150518
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
 
 (梅雨?)前線は、今夜東海付近まで東進。

 インド洋発、インドシナ半島~中国華南経由でやってくる暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)によって・・・前線付近や前線の南側を中心に雨雲が活発化し・・・
 東日本付近まで雨のエリアが進んでくることが予想されます。

 ただ、台風の位置は、関東から真っ直ぐ南側・・・小笠原諸島の南西海上に位置するようですから・・・
 仮に台風東側の強い暖湿気=雨の原料が真っ直ぐ北上してきたとしても前線帯に届かず、せいぜい関東の東岸をかする程度。
 さらに、予想進路図どおり、台風が北東に転向すれば、台風からの暖湿気の流れ込みは東海上にそれることに。

 ということは・・・「台風から流れ込む暖かく湿った空気によって前線が刺激されて・・・大雨」と伝えられる台風の「間接的な影響」は小さめ???・・・という感じがしてきます。

 そして、明日になると前線が海上に南下し、台風も北東に進むようですから・・・ますます前線は刺激されにくくなり・・・「間接的な影響」は少なくなると思われます。

 ホントにそうなるの?・・・専門の天気図を使って、詳しくチェックしていきましょう。

500図150518
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・実況でチェックした好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)は、今夜にかけて北海道まで北東進

 代わって、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、断続的に西~東日本を通過することがわかります。

 このため地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の谷が通過するたびに前線の降水域(青塗りのエリア)が活発化し、偏西風の強風帯に押し流されて東日本へと進んでくることが予想されています。

 ということで・・・少なくとも前線の雨が活発化してくることは確かですが・・・

 一方、南海上の台風7号は・・・上段の図・・・上空の太平洋高気圧の羽交い絞めから開放されて、徐々に北上の速度を上げ始めるようですが・・・まだまだ日本から遠い状態。
 下段の図・・・台風東側の暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)によって小笠原付近で降水帯が活発化・・・伊豆諸島付近に小さな降水域が発生する程度で・・・西~東日本の前線を刺激するような気配は見られません


 そこで・・・雨の原料になる暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子を、相当温位図という専門の天気図を使って、詳しくチェックしておきましょう。

相当温位150518
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)

 今日、西から延びてくる(梅雨?)前線の雨の原料になるのは、南西風に乗って流れ込むインド洋や(中国が埋め立てをしている)南シナ海生まれの暖湿気が主体(もっと活発になれば湿舌と呼ばれます)。

 台風から流れ込む暖湿気は伊豆諸島方面にジワジワと北上してきますけど、今日の段階では(梅雨?)前線に届かない模様。

 もちろん、前線の活発化による大雨は心配されますけど・・・前線と台風がセットになった大雨にはならないと考えられます。

 とりあえずホッ・・・
 もちろん台風が北東に転向し速度を上げる明日がどうなるのか?は、後でチェックするとして・・・

 大気の状態を不安定にして前線の雨雲をさらに活発化させるかもしれない上空の寒気や、暑さをもたらす地上付近の暖気の様子にも目を通しておきましょう。

500気温150518
(図をクリックすると、解説文のない色塗り後の原図が拡大します)

 こちらも上段の図から・・・空模様の骨格と同じ上空約5500mの気温分布ですが・・・上空の気圧の尾根(偏西風の北側への蛇行域)の通過に伴い、日本上空は気温が上昇傾向
 紀伊半島付近の上空の気温は-9℃前後が予想されていますが、この時期の(紀伊半島南端の)潮岬上空の平年の気温は-11℃くらいですから、寒気が南下しているというよりは暖気が流れ込んでいるといった状況。

 前線に向って、地上付近には暖かく湿った空気が流れ込みますけど、上空の寒気の影響で雨雲がうーんと発達するということはなさそうです。

 また地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)では・・・下段の図・・・西~東日本には12℃以上の暖気が流れ込みますが、その位置は昨日とほぼ同様
 昨日より気温が急上昇するということはなさそうですけど、湿った空気の流れ込みによって湿度が上昇し、体感的にはイヤーな暑さになるかもしれません。

SSI150518

 これはSSIという大気の安定度の指数

 前線付近やその南側を中心に大気の状態が不安定になるようですが・・・
 やはり、上空の寒気の流れ込みが無いので、(伊豆諸島の南側の)台風の暖湿気による大気不安定領域ほどは不安定にならないようです(オレンジではなく黄色主体)。


 それでは以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデルを使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ150518
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
 
 紫色は下層雲。

 前線の雨雲が・・・上空の気圧の谷の通過のタイミングで強まる風の収束線付近を中心に活発化し・・・東日本へと進んでくることがわかります。

 今日は、雨の降り出しのタイミングと、複雑な雨の降り方を、最寄の気象台発表の予報で・・・安全マージンを考えながらチェックしてくださいね(このアニメはあくまで予報チェックの参考用です)。

 また、気象庁が今朝発表した短期予報解説資料(プロ用の資料)には、以下のように書かれています。

短期予報解説資料抜粋150518

 大雨情報などは発表されていませんけど、注意報級の雨になるおそれはありますから御用心を。

 なお、台風7号がさらに北上する明日の空模様ですが・・・

GSM19日150518

 台風7号の「間接的な影響」はありそうですが・・・
 台風が北東に転じるため、関東南岸付近で一時的・・といったところ。

 台風と前線がセットになって雨雲がかなり活発化するのは、関東の東海上ということになりそうですね。
 (可能性は低そうですが・・・言い換えれば前線の位置と台風北上のタイミングがズレれば大雨のおそれも残ることになりますので・・・)

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
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      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

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拡大500図150518 拡大500気温150518 拡大相当温位150518 
(クリックで原図が拡大します)

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今日限定の五月晴れ。明日は西から下り坂。台風7号の「間接的な影響」も(150517)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 今日も最初は台風7号関連の最新情報から。

台風進路図比較150517

  気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
  米軍台風情報(日本時間換算 +9時間): http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 台風7号は明日18日(月)頃、速度を落としつつ北東に転向
 その後、足早に北上することが予想されていて・・・
 米軍(JTWC)、気象庁の予想進路図は、ほぼ一致していることがわかります。

 台風が転向点にさしかかるタイミングの予想はハズレ易い傾向にありますけど、とりあえず台風7号の「直接の影響」は(波高以外)なさそうですが・・・

 問題になるのが台風の「間接的な影響」
 台風から流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)によって日本付近の前線が活発化し、大雨になる心配があります。

GSMモデル150517

 これは気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)を作成する際に用いるGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)。

 昨日の記事に掲載した計算値と同様、明日18日(月)から西~東日本で前線が活発化し・・・
 台風の北東進に伴って活発な降水帯が東海上に抜けていくことが予想されています。

 もちろん、この予想は、台風が予想進路図通りに進んだら・・・ということが大前提になりますけど・・・

GFSモデル150517

 アメリカ気象機関(NOAA): http://mag.ncep.noaa.gov/model-guidance-model-area.php#

 アメリカの気象機関が発表しているGFSモデルという別のシミュレーションでも、ほぼ同様の結果がはじき出されています。

 どうやら明日夜から明後日にかけてが台風7号の「間接的な影響」による雨のピーク
 台風と前線の位置関係によっては大雨のおそれがあります。

 これでも気になる方は、ヨーロッパ中期予報センターのモデルもチェックしてみてくださいね。

 ヨーロッパ中期予報センター: http://www.ecmwf.int/

 なお、具体的に、どこで?どのくらいの雨になるの?ということについては・・・
 より確からしいデータに基づいた、今夜、あるいは明日朝の天気予報でチェックされることをおススメします。


 それではここから今日の空模様・・・

野尻湖畔150517

 今日、Kasayanは長野県と新潟県の県境付近に位置する信濃町、野尻湖畔の山小屋に来ています。

 深い霧に覆われていた昨日とは打って変わって、抜けるような青空
 新緑もますます緑を増していますが・・・

 今朝の最低気温は6.5℃(04時29分)。
 思わずストーブを焚いてしまいました。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況150517

 昨日の雨をもたらした前線は南海上へ
 
 東シナ海に中心を持つ高気圧に覆われ晴天域が拡大してきましたが・・・
 前線上に発生した低気圧に近い関東沿岸には弱い雨雲が点在しています。

 一方、北に目を転じると、北海道の北を低気圧が東進中
 低気圧に伴う雨雲が北海道にかかり始めていることがわかります。

 そして衛星の水蒸気画像を見ると・・・上空の浅い気圧の谷(長波長の谷)が日本海を北日本へと東進中
 そして北海道の北を悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)の親分?といえる寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が東進していることがわかります。

 ということは・・・西から高気圧の晴天域が広がってきても、北日本・・・特に北海道付近は天気悪め??

 まずは普通の天気図を使って、明日夜にかけての気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう。

予想図アニメ150517
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 確かに、今夜にかけて高気圧が東日本まで移動し・・・前線を南に押しやり、低気圧を東海上に遠ざけ・・・東北付近まで勢力を拡大してくることがわかりますが・・・

 北海道の北の低気圧・・・実は上空に-30℃以下の冬の寒気を伴っています。
 このため、低気圧自体は小さいですけど・・・その周辺では大気の状態が不安定に。
 北海道では、低気圧が北海道付近を通過する日中を中心に、局地的なにわか雨や落雷の発生が予想されます。

 また、高気圧の中心が東日本に進む・・・東シナ海付近は、すでに高気圧の後面・・・気圧の谷に
 大陸から前線が東進し、九州西岸に接近してくることがわかります。
 早くも西から下り坂・・・・

 そしてこの前線・・・明日の夜には近畿付近まで東進し・・・北上する台風7号から流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の影響で活発化・・・
 先にご紹介したGSMモデルのように降水域がまとまってくることになります。


 ということで・・・今日限定の五月晴れ・・・・
 専門の天気図を使って、詳しくチェックしていきましょう。

500図150517

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・空模様の骨格の主役は、今夜にかけて東日本付近へと進んでくる上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)。
 上空の気圧の尾根は好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持っていますから・・・・

 地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の尾根と一緒に高気圧が東進し、晴天域が拡大してきます。

 ただ・・・再び上段の図・・・道北付近を悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)の親分?=寒冷渦が通過
 寒冷渦とともにこれまた悪天パワーを持った上空の気圧の谷も通過していくことがわかります。

 このため、北海道付近では・・・下段の図・・・寒冷渦直下の低気圧が北寄りに通過するものの・・・降り注ぐ悪天パワーと上空の寒気による不安定な大気によってモクモクと湧き上がる雷雲の雨?と思われる降水域が予想されています。

 
 どうやら北海道付近だけあいにくの日曜日になってしまいそうですが・・・
 道北付近を通過する寒冷渦の寒気の様子・・・そして、暑さをもたらす地上付近の暖気の様子にも目を通しておきましょう。

500気温150517

こちらも上段の図から・・・空模様の骨格と同じ上空約5500mの気温分布ですが・・・寒冷渦の中心付近の気温は-30℃
 冬・・・仮に-30℃の寒気が北陸まで南下すると、北陸では広範囲で雪になりますから、季節外れの強い寒気といえます。

 とすると・・・地上の気温が高いこの季節・・・これだけの寒気が南下すると大気の状態が非常に不安定になると思われますが・・・
 地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)の気温を見ると・・・下段の図・・・これまた季節外れ・・・高い山では降水が雪になってもおかしくない0℃以下の寒気が北海道に流れ込むことが予想されています。

 ですから、下層寒気に緩和されて大気の状態はそこそこ不安定・・・という感じ?

 なお、強い日射しと相まって真夏日をもたらすような12℃以上の暖気西日本と東日本の太平洋側まで北上する模様。
 9℃ラインを境目に、西~東日本は夏日や真夏日に・・・北日本は五月らしい清々しい陽気になりそうです。

SSI150517

 ちなみに、こちらはSSIという大気の安定度の指数

 北海道付近・・・局地的には大気の状態がかなり不安定(オレンジ色)になりますが、概ね不安定の程度は”そこそこ”
 局地的なにわか雨、雷雨等が予想されます。


 それでは以上のチェックポイントを確認しつつ・・・解像度の高いMSMモデル(シミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

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 前線の降水帯が南海上で弱まり、晴天域が拡大
 北海道のにわか雨も、道北付近を通過する北西風の収束線付近に集中するようです。

 ただ・・・明日朝には、九州西岸に前線の雨雲がかかってくるようですね。     

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
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プロフィール

Kasayan

大昔、気象会社や東京の放送局で天気予報番組を作っていたこともありますが今は故郷長野で2回目の日本一周を夢見るただのヨット好き。山岳ガイドのタマゴたちと気象の勉強中。最近多くの時間を野尻湖畔の山小屋で過ごしています。

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