このブログはPCに最適化されています。 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版を表示」するよう設定願います。 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず?? |
1、週末から今季一番の寒気流入!
(1)北極から流れ出し始めた冬の寒気
昨日の記事で、今週末(30日頃)から一週間ほど「かなりの低温」が予想されるということをお伝えしたので、今日はその続報。
まずは、「かなりの低温」をもたらす寒気が今どこにあるのか?・・・北半球上空の「冬の」寒気の動きからチェックしていきましょう。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
23日(日)に北極からシベリアに流れ出した寒気(赤の点線内)が、中心に-42℃以下の寒気を伴い発達し始めていることがわかります。
この寒気塊が北極を中心に反時計回りに吹いている偏西風に乗って、今週末にも日本付近へ。
冬の足音が急に大きくなることが予想されています。
(2)今季一番の寒気が南下・・・週末の天気は??
では、週末の空模様はどうなるのか?
昨日に引き続き、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)の最新データをチェックしておきました。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)
昨日のデータとほぼ同様(予想が安定)。データを素直に読み解いてみると・・・
29日(土)は東海上に低気圧が抜けて、西高東低 冬型の気圧配置が強まり始める段階。
広範囲で等圧線が南北に混雑し始め、高い山で雪になる目安=上空約1500m 0℃以下の寒気が西から南下。
日本海側で時雨れ、回復の早い太平洋側でも木枯らし一号が吹くことが予想されます。
そして30日(日)・・・日本海に高気圧が張り出し、早くも冬型がゆるむものの・・・関東甲信北部まで0℃以下の寒気が南下。
気温が急降下するのはもちろん、日本海側の降水域が残る時間帯に寒気が南下してくれば、北陸以北の2000m級の山々では初冠雪になることが考えられます(高原では初氷?)。
なお、その後も3日(文化の日)にかけても断続的に寒気が南下する模様。
来週末には東北の平地でも降雪になる可能性が示唆されています(あくまでシミュレーション通りになれば)。
来週の空模様については、金曜日にまとめてお伝えしたいと思っていますけど・・・
どうやら今月最後の週末が、晩秋から初冬、秋から晩秋への季節の境目になりそうです。
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
2、今日の空模様・・・北は冬型へ。東~西は高温でも回復不十分?
それでは、ここから今日の空模様・・・
(1)予報のスタートライン・・・今朝の実況
まずは予報のスタートライン・・・今朝の実況からチェックしていきましょう。
Kasayanの住む長野市・・・
夜明け前に霧が出始め、長野駅前は幻想的な景色に。
そして夜が明け始めると・・・
完全に霧に覆われ、視程は200mを切りました。
昨日の雨で空気中の水蒸気が増え、今朝の冷え込みで霧が発生したと思われます。
(4Kタイムラプス動画:長野駅~菅平高原方面の霧の発生と動き)
動きが感じられない霧もタイムラプス動画で見ると、善光寺平(長野盆地)内の空気に従い、生き物のように動いていることが分かります。
10月末は、「鞭声粛々夜河を渡る」という一節で有名な川中島の合戦が行われた時期(1561年10月27日)。
400年以上の時を経て、同じく霧の川中島を見ることができるというのは何か不思議な気がします。
さて、そんな今朝の実況ですが・・・
日本付近は、東海上と大陸の高気圧に挟まれた気圧の谷。
北海道付近の低気圧から延びる寒冷前線が通過中で、北陸以北の日本海側を弱い降水帯が南下していることがわかります。
衛星の水蒸気画像を見ると・・?北海道方面では、寒気を運ぶ偏西風の強風帯(水色の矢印)に沿って、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷が、断続的に通過中。
北海道はもうしばらく下り坂が続く模様。
一方、西~東日本では、偏西風の強風帯が東西にストレートに吹いていて・・・好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(偏西風の北側への蛇行域)らしきモノは見当たらないものの、これといって天気を崩しそうな上空の深い気圧の谷も見当たらず・・・
天気は好天傾向・・・あるいは最悪でも今朝の空模様の維持が予想されます。
(2)今日これからの空模様・・・気象庁GSMモデルでポイントチェック!
それでは今日これからの空模様・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)
まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・北海道方面には、今夜にかけて悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、-35℃以下の真冬の寒気を伴って接近することが予想されています。このため北海道方面では再び冬型の気圧配置が強まって、大気の状態も不安定に。
一方、西~東日本では、午前中、弱々しい好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の浅い気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への浅い蛇行域)が通過する模様。
このため天気は一時的に回復に向かうと思われますが・・・
夜にかけて西~東日本上空に偏西風の強風帯(水色の矢印)が延びてきて・・・・
上空の浅い気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への浅い蛇行域)が断続的に通過する模様。
西~東日本では、大崩れは無いにしても、上空の浅い気圧の谷が通過するタイミングで一時的に天気が崩れるかもしれません。
で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・寒気を伴う上空の気圧の谷の接近に対応して、気圧の谷と潜在的な前線帯(黄色の点線:風も収束)が北日本を通過し・・・北海道東岸で低気圧が発生することで再び西高東低 冬型の気圧配置に。
等圧線が混雑して北西風が強まるとともに、潜在的な前線後面に平地で雪の目安=上空約1500m -5℃以下の寒気が南下。
北海道北西岸に予想されている降水域では、高い所から急速に雨が雪に変化すると思われます。
一方、西~東日本は、上空の浅い気圧の尾根の通過に対応して天気は回復傾向。
また、太平洋上の高圧部から南西風が吹き込んで、(日射しと相まって25℃以上の夏日をもたらす可能性がある)上空約1500m 10℃以上の暖気が流入。
天気予報番組で連呼されているように、気温の急上昇も予想されます。
ただ、夜にかけて上空の浅い気圧の谷が通過するタイミングで、(暖気とともに湿った空気を運ぶ)南西風が吹き込む太平洋側中心に局地的な降水域が予想されています。
思わぬ通り雨があるかもしれませんね?
続いてそんな通り雨の原料・・・暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)
寒冷前線(黄色の太い点線)の南下に伴い、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の流入域(水色の濃いエリア)も南下。北から大陸の冷たく乾燥した空気が流れ込んでくるものの・・・太平洋沿岸には今夜にかけて暖かく湿った空気が残る模様。
ここに上空の浅い気圧の谷が通過し、悪天パワーが降り注ぐことで、局地的に雨雲が発生すると思われます。
東日本付近では比較的内陸まで暖かく湿った空気が残るようですから・・・日本海を東進する潜在的な前線帯が通過するタイミング(寒冷乾燥空気が優勢になるタイミング)で、関東甲信北部などの内陸部でも一雨あるかもしれません。
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!
では最後・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
紫色は下層雲。
北海道は午後から雨風が強まり始め、寒気の南下とともに雨が雪に変化すると思われます。
北西の風も強まりそうですから、吹雪く可能性も・・・・
一方、西~東日本は、いったん回復するものの・・・上空の浅い気圧の谷の通過とともに、太平洋側を中心に西から局地的に降水域が活発化。
関東甲信北部では、潜在的な前線帯が通過するタイミングで小さな降水域が予想されています。
ただ、西~東日本の太平洋側では日中そこそこ晴れそうですから、天気予報通り25℃以上の夏日になる所もありそうですね?
なお、明日は前線の降水帯が九州南部へ。
九州南部では朝から雨になる模様。
この前線の雨・・・当初は本州上を通過する予想でしたが、北から張り出す高気圧が東進をブロックしてくれそう。
明日は九州を除いて、今日より秋晴れ優勢ということになりそうです。
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像):https://www.youtube.com/user/kasayangw
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