気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

2016年10月

 Twitterでは、今日の記事の内容をひとことでまとめています。お時間の無い方・更新時間を知りたい方はご利用ください。https://twitter.com/kasayangw

西~東日本は天気回復 気温上昇。北海道は下り坂。週末の天気 最新情報!(161026)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 1、週末から今季一番の寒気流入!

 (1)北極から流れ出し始めた冬の寒気

 昨日の記事で、今週末(30日頃)から一週間ほど「かなりの低温」が予想されるということをお伝えしたので、今日はその続報

 まずは、「かなりの低温」をもたらす寒気が今どこにあるのか?・・・北半球上空の「冬の」寒気の動きからチェックしていきましょう。
北半球寒気アニメ161026
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 23日(日)に北極からシベリアに流れ出した寒気(赤の点線内)が、中心に-42℃以下の寒気を伴い発達し始めていることがわかります。

 この寒気塊が北極を中心に反時計回りに吹いている偏西風に乗って、今週末にも日本付近へ
 冬の足音が急に大きくなることが予想されています。

 (2)今季一番の寒気が南下・・・週末の天気は??

 では、週末の空模様はどうなるのか?

 昨日に引き続き、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)の最新データをチェックしておきました。

GSM週末161026
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 昨日のデータとほぼ同様(予想が安定)。
 データを素直に読み解いてみると・・・

 29日(土)は東海上に低気圧が抜けて、西高東低 冬型の気圧配置が強まり始める段階
 広範囲で等圧線が南北に混雑し始め、高い山で雪になる目安=上空約1500m 0℃以下の寒気が西から南下
 日本海側で時雨れ、回復の早い太平洋側でも木枯らし一号が吹くことが予想されます。

 そして30日(日)・・・日本海に高気圧が張り出し、早くも冬型がゆるむものの・・・関東甲信北部まで0℃以下の寒気が南下
 気温が急降下するのはもちろん、日本海側の降水域が残る時間帯に寒気が南下してくれば、北陸以北の2000m級の山々では初冠雪になることが考えられます(高原では初氷?)。

 なお、その後も3日(文化の日)にかけても断続的に寒気が南下する模様。
 来週末には東北の平地でも降雪になる可能性が示唆されています(あくまでシミュレーション通りになれば)。

 来週の空模様については、金曜日にまとめてお伝えしたいと思っていますけど・・・
 どうやら今月最後の週末が、晩秋から初冬、秋から晩秋への季節の境目になりそうです。

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
 

 2、今日の空模様・・・北は冬型へ。東~西は高温でも回復不十分?

 それでは、ここから今日の空模様・・・

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 まずは予報のスタートライン・・・今朝の実況からチェックしていきましょう。

 Kasayanの住む長野市・・・

菅平1161026

 夜明け前に霧が出始め、長野駅前は幻想的な景色に。
 そして夜が明け始めると・・・

菅平2161026

 完全に霧に覆われ、視程は200mを切りました。
 昨日の雨で空気中の水蒸気が増え、今朝の冷え込みで霧が発生したと思われます。


(4Kタイムラプス動画:長野駅~菅平高原方面の霧の発生と動き)

 動きが感じられない霧もタイムラプス動画で見ると、善光寺平(長野盆地)内の空気に従い、生き物のように動いていることが分かります。

 10月末は、「鞭声粛々夜河を渡る」という一節で有名な川中島の合戦が行われた時期(1561年10月27日)。
 400年以上の時を経て、同じく霧の川中島を見ることができるというのは何か不思議な気がします。

 さて、そんな今朝の実況ですが・・・

実況161026

 日本付近は、東海上と大陸の高気圧に挟まれた気圧の谷
 北海道付近の低気圧から延びる寒冷前線が通過中で、北陸以北の日本海側を弱い降水帯が南下していることがわかります。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・?北海道方面では、寒気を運ぶ偏西風の強風帯(水色の矢印)に沿って、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷が、断続的に通過中
 北海道はもうしばらく下り坂が続く模様。

 一方、西~東日本では、偏西風の強風帯が東西にストレートに吹いていて・・・好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(偏西風の北側への蛇行域)らしきモノは見当たらないものの、これといって天気を崩しそうな上空の深い気圧の谷も見当たらず・・・
 天気は好天傾向・・・あるいは最悪でも今朝の空模様の維持が予想されます。

 (2)今日これからの空模様・・・気象庁GSMモデルでポイントチェック!

 それでは今日これからの空模様・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM161026
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・北海道方面には、今夜にかけて悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、-35℃以下の真冬の寒気を伴って接近することが予想されています。
 このため北海道方面では再び冬型の気圧配置が強まって、大気の状態も不安定に

 一方、西~東日本では、午前中、弱々しい好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の浅い気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への浅い蛇行域)が通過する模様。
 このため天気は一時的に回復に向かうと思われますが・・・

 にかけて西~東日本上空に偏西風の強風帯(水色の矢印)が延びてきて・・・・
 上空の浅い気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への浅い蛇行域)が断続的に通過する模様。
 西~東日本では、大崩れは無いにしても、上空の浅い気圧の谷が通過するタイミングで一時的に天気が崩れるかもしれません。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・寒気を伴う上空の気圧の谷の接近に対応して、気圧の谷と潜在的な前線帯(黄色の点線:風も収束)が北日本を通過し・・・北海道東岸で低気圧が発生することで再び西高東低 冬型の気圧配置に。

 等圧線が混雑して北西風が強まるとともに、潜在的な前線後面に平地で雪の目安=上空約1500m -5℃以下の寒気が南下
 北海道北西岸に予想されている降水域では、高い所から急速に雨が雪に変化すると思われます。

 一方、西~東日本は、上空の浅い気圧の尾根の通過に対応して天気は回復傾向
 また、太平洋上の高圧部から南西風が吹き込んで、(日射しと相まって25℃以上の夏日をもたらす可能性がある)上空約1500m 10℃以上の暖気が流入
 天気予報番組で連呼されているように、気温の急上昇も予想されます。

 ただ、夜にかけて上空の浅い気圧の谷が通過するタイミングで、(暖気とともに湿った空気を運ぶ)南西風が吹き込む太平洋側中心局地的な降水域が予想されています。
 思わぬ通り雨があるかもしれませんね?

 続いてそんな通り雨の原料・・・暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。

相当温位161026
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 寒冷前線(黄色の太い点線)の南下に伴い、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の流入域(水色の濃いエリア)も南下
 北から大陸の冷たく乾燥した空気が流れ込んでくるものの・・・太平洋沿岸には今夜にかけて暖かく湿った空気が残る模様。

 ここに上空の浅い気圧の谷が通過し、悪天パワーが降り注ぐことで、局地的に雨雲が発生すると思われます。

 東日本付近では比較的内陸まで暖かく湿った空気が残るようですから・・・日本海を東進する潜在的な前線帯が通過するタイミング(寒冷乾燥空気が優勢になるタイミング)で、関東甲信北部などの内陸部でも一雨あるかもしれません。

(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 では最後・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。
 
全国流線アニメ161026
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 北海道午後から雨風が強まり始め、寒気の南下とともに雨が雪に変化すると思われます。
 北西の風も強まりそうですから、吹雪く可能性も・・・・

 一方、西~東日本は、いったん回復するものの・・・上空の浅い気圧の谷の通過とともに、太平洋側を中心に西から局地的に降水域が活発化
 関東甲信北部では、潜在的な前線帯が通過するタイミングで小さな降水域が予想されています。

 ただ、西~東日本の太平洋側では日中そこそこ晴れそうですから、天気予報通り25℃以上の夏日になる所もありそうですね?

 なお、明日前線の降水帯が九州南部へ
 九州南部では朝から雨になる模様。
 この前線の雨・・・当初は本州上を通過する予想でしたが、北から張り出す高気圧が東進をブロックしてくれそう。
 明日は九州を除いて、今日より秋晴れ優勢ということになりそうです。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
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 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像):https://www.youtube.com/user/kasayangw

   拡大北半球161026拡大GSM週末161026拡大GSM161026拡大相当温位161026    
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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西から下り坂。降り出しは?週末から初冬の気配。木枯らし一号も??(161025)


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 1、異常天候早期警戒情報発表・・・週末から「かなりの低温」?

 (1)昨日発表された低温に関する異常天候早期警戒情報・・・寒気は北極生まれ!

 昨日、東海と九州南部・奄美・沖縄を除く広範囲の地域に、「低温に関する異常天候早期警戒情報」(原本にリンク)が発表されました。

短期予報解説資料161025

 このブログでは、週末の低温傾向について一昨日からお伝えしてきましたけど、気象庁も農作物の管理等に注意喚起をすべき状況まで確度が高まったと判断したようです。

 向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データをチェックしても・・・

週間気温グラフ161025

 3日連続、今週末から北日本中心に平年を大きく下回ることが予想されていて、特に北海道では平年を10℃前後も下回り、「寒波」と呼びたくなるような低温が予想されています。

 では、これほどの低温をもたらす寒気・・・現在はどこにあるのか???
 昨日に引き続き、北半球上空の寒気の様子をチェックしてみると・・・

北半球上空の寒気161025
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 現在、中心に-42℃以下の真冬の寒気を伴う寒気塊北極付近で成長中で・・・一部がシベリア方面に流れ出していることが分かります。

 このシベリアの寒気・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)をチェックすると、今週末にかけて北海道付近にやってくることが予想されています。

 (2)低温が予想される週末の空模様は?

 ということで、今週末の寒波は北極発シベリア経由の寒気のようですけど・・・具体的な空模様はどうなるのか?
 秋の行楽シーズン真っ只中・・・気になる方も多いでしょうから、週末の空模様もチェックしておきました。

GSM週末161025
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 29日(土)は西高東低 冬型の気圧配置が強まり始める段階

 昼前後から寒冷前線の降水帯が通過した後、(等圧線が南北に混雑することによって)強まる北風に乗って、降水が高い山で雪になる目安(地形の影響を受けにくい上空約1500m0℃以下の寒気関東甲信北部まで南下してくることが予想されています。
 関東甲信北部以北の脊梁山脈付近(志賀高原~谷川岳周辺~那須方面など)から初冠雪の便りが届き、夕方~夜には木枯らし一号の発表があるかもしれません。

 そして、30日(日)は、北日本中心の西高東低 冬型の気圧配置。
 北海道には、何が降っても雪になる-10℃以下の真冬の寒気が南下し、平地で雪の目安=-5℃以下の寒気東北北部まで南下
 雪の便りが津軽海峡を渡って、青森県付近から届くかもしれません。

 ということで・・・この週末は晩秋の寒さ
 少なくとも2000m級以上の山々は冬山だと考えて、無理な登山計画は立てないようにしてくださいね。

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 2、今日の空模様・・・西から下り坂。降り出しのタイミングは?

 それでは、ここから今日の空模様・・・

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 まずは今朝の実況からチェックしていきましょう。

菅平161025

 Kasayanの住む長野市最低気温は2.5℃(04時51分)。
 もちろん今季一番の冷え込みで、気象台からは初霜(平年比3日早、昨年比1日早)の発表もありました。
 
 いかにも放射冷却現象が強まりそうな快晴の朝。
 写真中の菅平高原では-4.7℃(03時11分)が観測されています。
 (でも08時過ぎには早くも高積雲が広がってきました)


(4Kタイムラプス動画:北アルプス表銀座 モルゲンロート)

 もちろん、透き通った空気を通して北アルプスもハッキリ!

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況161025

 高気圧東日本を南東方向に移動中
 高気圧の真下にあたる地域では放射冷却現象が強まり、今季一番の冷え込みになったようです。
 
 また、冬型の気圧配置が続き、降雪、強風、高波が続いていた北海道回復傾向
 東~北日本ではまずまずの空模様になっているようですが・・・

 高気圧の後面にあたる西日本気圧の谷
 まだ晴天域が優勢のようですけど、暖かく湿った南風が吹き込んでいる四国~紀伊半島付近では雨雲が発生し、東海~近畿に弱い雨を降らせているようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東進中
 東~北日本ではもうしばらく好天ベースが続きそうですが・・・

 朝鮮半島方面から、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が南東進中
 西から下り坂に向かうことが予想されます。

 (2)今日これからの空模様・・・気象庁GSMモデルでポイントチェック!

 では今日これからの空模様・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM25日161025
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・東~北日本を通過中の上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)は、午前中にも東海上に抜ける模様。
 このため午後には全国的に下り坂のステージに入り・・・

 今夜にかけては、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が弱まりながら(蛇行を浅くしながら)通過
 西から下り坂に向かうことが予想されています。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の尾根に対応して高気圧が東海上に抜け・・・

 日本海低気圧と潜在的な前線(黄色の点線)が東北東進
 上空の気圧の谷が弱まりながら先行するので、低気圧は弱まる傾向ですけど・・・
 低気圧や潜在的な前線帯には暖かく湿った南風が流入するため大気の状態が不安定になって、局地的な落雷や突風の発生が予想されます。

 また、東日本では低気圧の接近とともに、東海上の高気圧との間で等圧線が大混雑
 南寄りの風が強まることも考えられます。
 
 さらに、太平洋沿岸を通過する上空の浅い気圧の谷に対応して、暖かく湿った南風の入り口にあたる太平洋岸でも局地的に降水が活発化する模様。


 続いて、今日の雨の原料・・・暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。

相当温位161025
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 朝鮮半島付近から北陸沖へと低気圧が北東進するにつれて、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が東日本にも流入

 潜在的な前線帯(黄色の細い点線)に沿って大気の状態が不安定になり、雨雲が活発化することが予想されます。

 ということで、今日は西から下り坂・・・局地的にはチョッピリ激しい現象もありそうですけど・・・

 暖かく湿った空気の流入とともに西から気温が上昇
 西日本の日射しがある所では、25℃以上の夏日が予想され・・・・
 明日は東日本でも夏日になる所があるかも?

 まだまだ夏と冬がせめぎ合いを続けているようです。
 
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 では最後・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ161025
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 紫色は下層雲。

 今日は潜在的な前線に対応する風の収束線付近で降水が活発化
 
 日本海側の潜在的な前線帯と太平洋側の潜在的な前線帯が交互に通過するため雨の降り方を一言で表現するのは無理がある感じ。
 また、いわゆるピンポイント予報でも十分に降り方を伝えられない可能性も

 すでに朝から近畿付近で雨が降り出していますけど・・・その雨が東日本に早めに影響する可能性も考えておいたほうがイイかもしれません。

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 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
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  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像):https://www.youtube.com/user/kasayangw

   拡大北半球161025拡大GSM週末161025拡大GSM161025拡大相当温位161025    
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

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北海道は今日いっぱい冬。西~東日本は晴天拡大。今週末は一気に寒く??(161024)


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 1、今週末は冬の足音が・・・

 今日は、昨日の記事でもご紹介した向こう一週間の気温の傾向(平年差)の最新データから。

週間気温グラフ161023

 昨日のデータと同様、今週そこそこ気温のアップダウンがあった後、週末から東~北日本を中心に平年を下回る寒さが予想されています。

 となると、東日本も含めて気温がカックンと下がる30日(日)の空模様が気になるところ。
 そこで気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)をチェックしてみると・・・

GSM30日09時161023

 日本付近の気圧配置は、北日本中心西高東低 冬型

 等圧線の混雑に伴う北西の強風が、(高い山で雪の目安)上空約1500m 0℃以下の寒気関東甲信北部にまで運び込み、北海道には-10℃以下の寒気まで南下。
 今季一番の寒気の南下で、Kasayanの住む長野県でも志賀高原などで冠雪が観測される可能性があります。

 続いて、上空の気圧配置や偏西風の様子(上空約5500m)をチェックすると、偏西風は東西にストレートな流れ。
 上空の寒気が一気に南下してくるような南側への蛇行は予想されていません。

 ただ、北海道の北には、現在の北海道上空の寒気(-35℃以下)よりさらに強い-40℃以下の強い寒気の南下が予想されています。

 一方、上空の太平洋高気圧(サブハイなんて言います)が、この時期としては少々異例の位置・・・九州の南にまで張り出す模様。

 日本付近・・・冬の足音は確実に大きくなっているものの、夏の勢力=上空の太平洋高気圧も強すぎて、本格的な寒気の南下・・・季節の前進が阻止されているのかも???

 現在の北半球上空の寒気の様子をチェックしてみると・・・

北半球上空の寒気161023
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 北半球上空では、着実に冬の寒気(-30℃以下の寒気)が優勢になり始めています。
 そして、北極の寒気の多くがユーラシア大陸上に流れ出して、最終的に北海道方面にたどり着くパターンが出来上がっていている模様。

 GSMモデルの広範囲のシミュレーションをチェックすると・・・
 現在、北極圏で成長中の-42℃以下の真冬の寒気が、ロシアの北極海沿岸を南下中の寒冷渦(寒気を伴う上空の低気圧)とともにシベリアに南下し、今週末にも北海道の接近することが予想されています。
 北半球の冬は確実に前進中

 ただ・・・上空の太平洋高気圧はまだまだ活発(西よりに張り出す傾向)。
 これがラニーニャ現象の影響なのかは???ですけど・・・
 もしダムが決壊するように冬の寒気が南下してくるタイミングがあるとしたら、どうなるんでしょう???
 今後の上空の寒気、上空の太平洋高気圧の動向が気になるところです。
 

 2、今日の空模様・・・引き続き北と西は下り坂。東日本は?

 それでは、ここから今日の空模様・・・

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 まずは今朝の実況からチェックしていきましょう。

菅平161023


 今朝、Kasayanの住む長野市最低気温は6.0℃(05時14分)。
 今季一番ではありませんけど、菅平高原上空(写真左奥)はいかにも寒そうな透き通った空
 

(FHDタイムラプス動画:菅平高原の夜明け)

  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像):https://www.youtube.com/user/kasayangw

 今朝は、今季初めてエアコンの「暖房ボタン」を押してしまいました。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況161023

 北日本西高東低 冬型の気圧配置。
 北海道西岸には雪雲がかかり続けていて、すっかり冬になっています。

 そして東日本には、大陸から西高東低 冬型の気圧配置の一部を担っている高気圧が張り出していて晴天域が優勢
 こちらは秋真っ盛りで、東北方面では晩秋の気配が漂い始めたといったとことでしょうか?

 一方、高気圧の南側に位置する東日本太平洋側と西日本方面は、南海上の(台風22号崩れの)低気圧の影響を受け弱い気圧の谷(黄色の点線:等圧線の高気圧側への湾曲域)になっていて、南から暖気が流れ込みやすい状態

 このため、暖気とともに水蒸気も流入し、上昇気流が強まる場所では局地的に雨雲が発生
 東海付近に弱い雨雲が観測されています。

 このエリア・・・さすがに秋の気配はしているはずですけど、太平洋側では日射しの強さ次第ではまだまだ初秋の暑さすら感じられる状態(さすがに晩夏とは言えませんから)。
 日本付近では、まだまだ夏と冬のせめぎ合いが続いているようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・日本付近にはザックリと3本の偏西風の強風帯(水色の矢印)が停滞中

 これらが日本付近の3つの季節を形作っているようですけど、それぞれの偏西風に沿って、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が通過中
 寒気を伴うか否か?、蛇行が大きいか小さいか?・・・それぞれ影響は異なりますけど、今日の空模様に影響してくることが考えられます。
 
 (2)今日これからの空模様・・・気象庁GSMモデルでポイントチェック!

 ということで、今日これからの空模様・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM24日161023
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・津軽海峡付近に停滞する北西偏西風強風帯(水色の矢印)に沿って-30℃以下の冬の寒気が流れみ続け・・・
 悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に南東進
 北海道今夜にかけても冬の空模様の骨格が継続する模様。

 一方、西~東日本では、上空の気圧の谷が東海上に抜けた後、今夜にかけて好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が接近することが予想されています。
 このため西~東日本天気回復傾向

 ただ、最も南側の偏西風強風帯が停滞する九州~西日本南岸にかけては、上空の浅い気圧の谷断続的に通過する模様。
 大崩れは無いにしても、上空の浅い気圧の谷が通過するタイミングで一時的、局地的な下り坂が予想されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・空模様の骨格通り、北海道方面西高東低 冬型の気圧配置が続き・・・
 日中は、一時的に真冬の寒気・・・降るモノは間違いなく雪になる-10℃以下の寒気も南下することが予想されています(気象庁発表の短期予報解説資料(プロ用の資料)は、多い所で20センチの降雪を予想)。

 一方、西~東日本では、上空の気圧の尾根の接近に対応して、高気圧の晴天域の拡大する模様。

 もっとも、偏西風の強風帯が停滞する太平洋岸付近・・・弱い気圧の谷(等圧線の高気圧側への湾曲域)が予想されていて、局地的な降水域東海から四国へと西進することが予想されています。
 どうやら西~東日本の太平洋岸だけ、虫食いの通り雨がありそうです。

 では、虫食いの通り雨の原料・・・暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の流れ込みの様子もチェック。

相当温位161023
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 上空の浅い気圧の谷(偏西風の南側への浅い蛇行域)の通過するタイミングで、地上付近(上空約1500m)には、南から暖かく湿った空気(水色や灰色のエリア)が流入することが予想されています。
 このため局地的に雨雲が発達

 余談ですけど・・・
 普通の天気図だと等圧線の微妙な湾曲を読み取って、レーダーなどの実況と対応させながら予想する必要がありますけど・・・
 専門の天気図って、とっても便利ですよね?
 
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 それでは最後・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ161023
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
 
 紫色は下層雲。

 北海道の本格的な回復は、-6℃以下の寒気が抜ける今夜以降
 
 一方、西~東日本今日いっぱい高気圧の晴天域が優勢ですけど・・・

 高気圧の中心が南東海上に抜ける今夜以降は、太平洋沿岸の弱い気圧の谷が深まって小さな低気圧まで発生・・・西日本の南岸で降水域が活発化することが予想されています。
 さらに、高気圧後面・・・気圧の谷にあたる日本海西部でも降水域が活発化する模様。

 明日は早くも下り坂・・・
 向こう一週間の空模様を考えると(昨日の記事参照)、今日の晴天は大切に使っておいた方が良さそうです。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像):https://www.youtube.com/user/kasayangw

   拡大北半球上空の寒気161023 拡大GSM161023 相当温位161023    
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

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九州には元台風22号接近。北海道は再び冬型。東日本は?来週末に強い寒気襲来(161023)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 1、向こう一週間の空模様・・・次の週末は一気に初冬?

 今日はまず、向こう一週間の空模様から。

 気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってザックリとまとめておきました。

GSM6コマ161023
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 北日本断続的に西高東低 冬型の気圧配置に。
 降水が平地でも雪になる目安、(地形の影響を受けにくい上空約1500m-6℃以下の寒気周期的に流れ込み、冬型の気圧配置とともに北海道西岸付近に予想されている降水域は平地でも概ね雪になると思われます。
 もはや北海道では冬タイヤの季節になったといえそうですが・・・

 西~東日本では、週の前半高気圧の晴天域が優勢になるものの、西日本中心に弱い気圧の谷(低圧部:等圧線の高気圧側への蛇行域)に入りやすく、一時的に南から暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が流入。
 通り雨も予想される変わりやすい天気に。

 そして週の後半活発な前線や低気圧の降水帯が通過した後、週末には西~東日本も今季一番の西高東低 冬型の気圧配置になることが予想されています。
 広範囲で等圧線が南北に混雑して北寄りの風が強まり高い山で降水が雪になる目安、上空約1500m 0℃以下の寒気朝鮮半島まで南下。
 一気に季節が前進することになりそうです。

 向こう一週間の気温の傾向(平年差)をチェックしてみると・・・

週間気温グラフ161023

 周期的に冬型の気圧配置になる北海道は、平年を下回りつつも気温はアップダウン

 西~東日本は、高気圧の晴天域、前線に流れ込む暖かく湿った空気の影響で平年を上回る傾向ですけど、冬型が強まる29日(土)以降は急激に気温が下がることが予想されています。

 10月も終わりに近づいて、いよいよ冬の足音が大きくなってきました。

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 2、今日の空模様・・・引き続き北と西は下り坂。東日本は?

 それでは、ここから今日の空模様・・・

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 まずは今朝の実況からチェックしていきましょう。

野尻湖畔161023

 Kasayanは長野県と新潟県の県境付近、信濃町の野尻湖畔に来ています。

 紅葉は3割ほど進んでいるといった感じ。
 空は灰色の曇り空に覆われています。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況161023

 北日本西高東低 冬型の気圧配置が強まり始めたところ
 北海道の西岸には再び雪雲がかかり始めています。

 一方、九州方面には秋雨前線が北に盛り上がりながら接近中
 東シナ海の前線上の低気圧元台風22号ですから、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)がタップリ。
 活発な降水域を伴っています
 ということで、西日本は下り坂に向かいそうですが・・・・

 中間に位置する東日本・・・日本海側を除いて概ね晴れている所が多いようですけど・・・
 レーダー画像をよく見ると、日本海弱い雲の帯が南下中
 どうやら冬の空気と秋の空気の境目にあたる潜在的な前線帯の雨雲山陰~北陸~東北日本海側を南下しているようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると、北海道では悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が冬の寒気を伴って通過中
 これから冬型の気圧配置が強まる模様。

 また西日本にも上空の浅い気圧の谷が接近中
 こちらも、前線の雨が強まる模様。

 そして朝鮮半島付近でも上空の浅い気圧の谷が日本海に向けて東進中
 日本海を南下している潜在的な前線帯に影響するかもしれません。

 (2)今日これからの空模様・・・気象庁GSMモデルでポイントチェック!

 ということで、今日これからの空模様・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM23日161023
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・北日本では、今夜にかけても-30℃以下の冬の寒気を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に通過
 悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)が断続的に降り注ぎ、冬型の気圧配置が強まることが予想されます。

 また、九州付近では西北西の偏西風に沿って、上空の浅い気圧の谷断続的に通過
 上空の浅い気圧の谷が概ね南東海上に抜け切る夜にかけて下り坂の傾向が続くと思われます。

 加えて東日本でも、上空のかなり浅い気圧の谷が今夜にかけて断続的に南東進
 大崩れはないにしても、変わりやすい空模様が予想されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・北日本では西高東低 冬型の気圧配置が強まって、等圧線が大混雑
 強い北風に乗って、平地で雪になる目安=(地形の影響を受けにくい上空約1500m-6℃以下の寒気津軽海峡付近まで南下するため、北海道西岸中心に予想されている降水域は雪主体と思われます。

 また、九州方面では秋雨前線の降水帯とともに元台風22号の低気圧の降水域通過する模様。
 日中、低気圧に近い九州南部や奄美付近を中心激しい雨が降ることが予想されています。
 
 そして東日本・・・潜在的な前線(黄色の細い点線)の弱い降水帯午前中にも山陰~北陸に上陸
 上昇気流が強まりやすい日本海側の山岳北側斜面中心に冷たい雨を降らせ・・・
 夜にかけて北東から湿った空気が流れ込みやすい東海付近や関東甲信南部にも、局地的な雨を降らせることが予想されています。

 ということで、今日は行楽日和と言い切れるような秋晴れエリアは限られた運の良い地域に限られそうですけど・・・

 続けて、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。

相当温位161023
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子も加味した相当温位図という特殊な天気図。

 まず目につくのは台風22号崩れの低気圧が運び込む暖かく湿った空気(赤の点線付近)。
 九州南部~奄美付近を通過していくことが予想されています。
 低気圧や前線が通過するタイミングでは激しい雨が予想されますからご注意を。

 また、日本海では大陸生まれの冬の空気と秋の空気の境目・・・潜在的な前線帯が南下し、今夜にかけて弱まりながら太平洋に抜ける模様。

 上昇気流が強まる脊梁山脈付近(冬の大雪エリア)では時雨のような冷たい雨が降り・・・
 太平洋側では夜にかけて次第に雲が広がるとともに、弱い気圧の谷が発生する東海~関東甲信南部で弱い雨雲の発生も予想されます。

 また、潜在的な前線帯が通過した後は大陸生まれの寒冷乾燥空気が流入
 急に肌寒くなりそうですから、行楽は早め切り上げたほうがイイかもしれません。

 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 それでは最後・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。
 
全国流線アニメ161023
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 紫色は下層雲。

 詳しいことはアニメ中に書き込んでおきましたが・・・
 北は冬型に伴う雪西は台風崩れの低気圧による雨・・・そして東日本は日本海側で時雨模様
 今年の秋・・・暑さ寒さだけでなく空模様も日本付近に圧縮されている感じがします。

 Kasayan・・・今日はボチボチ山小屋の冬支度を始めたいと思っています。
 
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北と西で下り坂。九州は大雨!明日は東日本もアヤシイ??(161022)


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 今日、Kasayanは早朝から外出。
 週末の天気を把握するために必要(最小限?)な天気図は作図しましたけど、十分にコメントを書く時間がありません。

 昨日までの記事を参考に(昨日も一部時間切れになっちゃいましたけど)図中のコメントをお読みいただき、天気予報を具体的な空模様としてイメージするための参考資料に利用していただければ幸いです。

 1、今日の空模様・・・北と西は下り坂

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

実況161022

 東~北日本は高気圧の晴天域。

 九州南部には前線が停滞。
 元台風22号の熱帯低気圧から暖かく湿った空気が東シナ海に流れ込み、九州の西で雨雲が活発化して、大雨のおそれが高まり始めています。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・東~北日本に、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が接近中。
 東~北日本はしばらく好天ベースで推移しそうですが・・・

 (2)今日これからの空模様・・・気象庁GSMモデルでポイントチェック!

 今日これからの空模様・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM22日161022
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・好天パワーを持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東~北日本を通過しますが、遅くとも昼前には東海上に抜ける模様。

 代わって、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤い点線:偏西風の南側への蛇行域)が東北北部・サハリン付近を通過することが予想されています。
 このため北日本は下り坂。

 もっとも東日本、加えて近畿付近には、後続の小さな上空の気圧の尾根が断続的に通過することが予想されていますから、なんとか天気は持ちこたえると思われます。

 一方九州方面では、今夜にかけて上空の浅い気圧の谷が断続的に通過することが予想されています。
 一つ一つの上空の気圧の谷の影響は小さめですけど、悪天傾向が続く模様。
 明日にかけては、台風22号崩れの低気圧の渦が近づいて、ますます下り坂に向かうことが心配されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・北海道では再び西高東低 冬型の気圧配置が強まる模様。
 平地で雪を降らせるような(地形の影響を受けにくい上空約1500m)-5℃以下の寒気は抜けるものの、高い山で雪を降らせる0℃以下の寒気は残留するので、峠道などでは積雪がさらに増加することも考えられます。

 また、九州方面には前線の降水帯が停滞。
 九州南西部には前線のキンク部(への字部分:低圧部)が停滞して、活発な雨雲がかかり続ける可能性が示唆されています。
 同じ場所でまとまった雨が降り続くおそれがあるのでトータルの降水量に要注意!

 一方、近畿から東北にかけては、高気圧の中心が東海上に抜けるものの上空の小さな気圧の尾根のおかげで晴天域をなんとかキープ。
 暖かく湿った空気が流れ込む可能性がある関東沿岸部を除いてまずまずの秋晴れで推移すると思われます。


 続いて、大雨が心配される九州南部の雨雲の原料・・・暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。

相当温位161022
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 今夜から明日にかけて強い暖湿気(暖かく湿った空気)が強風とともに流れ込むことが予想されています。

 特に前線付近(黄色の点線)がかかる鹿児島県付近が要注意ということになりそうです。

 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

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全国流線アニメ161022
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 北と西で下り坂で・・・
 明日にかけては北の下り坂エリア(潜在的な前線の降水帯)が日本海沿岸に南下してくることが予想されています。

 ということは・・・明日は東日本も下り坂???

 3、明日の空模様

 そこで、明日日曜日の空模様・・・空模様の骨格にあたる上空の気圧配置もまとめて1枚の天気図に書き込んでおきました。

GSM23日161022
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 台風22号崩れの低気圧が九州南部を通過。

 どの程度北寄りを通過するのか???が、九州の大雨の分岐点。

 今夜冬型が強まり始める北海道では、明日朝までに平地の雪の目安、上空約1500m -6℃以下の寒気が流入するので北海道西岸では再び平地の雪が予想されます。

 そして・・・関東甲信南部・・・台風22号崩れの低気圧の東進に伴い暖かく湿った空気が流れ込んで・・・
 ひょっとすると夕方以降に通り雨があるかもしれません。
 まだまだアヤシイ予想ですから、富士五湖方面などに出かける予定の方は、明日朝の天気予報を再チェックしてくださいね。

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プロフィール

Kasayan

大昔、気象会社や東京の放送局で天気予報番組を作っていたこともありますが今は故郷長野で2回目の日本一周を夢見るただのヨット好き。山岳ガイドのタマゴたちと気象の勉強中。最近多くの時間を野尻湖畔の山小屋で過ごしています。

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