気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

2017年06月

 Twitterでは、今日の記事の内容をひとことでまとめています。お時間の無い方・更新時間を知りたい方はご利用ください。https://twitter.com/kasayangw

梅雨前線 北上!西~東日本 明日にかけて大雨モード。週末と来週の天気は?(170630)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 昨夜から長崎県の壱岐に線状降水帯が停滞し、50年に一度の記録的な大雨になっているという情報が発表されました。

 この大雨・・・昨日朝の段階で予想されていたのか?というと・・・

予想実況比較170630

  残念ながら昨日03時初期値のMSMモデルに、壱岐付近の線状降水帯は予想されていません。

 もっとも、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(偏西風の南側への蛇行域)の接近に伴い、南西風の収束線(上昇気流域)が形成されることは予想されていました。

 近年、MSMモデルをはじめGSMモデルなど、スーパーコンピューターの予想の素晴らしさには目を見張るものがあります。
 このため、天気予報番組でも、”解説”とは名ばかりで、実際はスーパーコンピューターのシミュレーションを読んでいるだけの解説・・・怪説?も多くなってきたと感じています。

 でも・・・・「それだけでイイのか???」
 そんな解説を見るたびに疑問を感じていましたけど、やはりイイわけがありません。

 このブログではMSMモデルに風の収束線を加筆したり、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置をお伝えしているわけですけど・・・
 スーパーコンピューターのシミュレーションが独り歩きしてしまわないよう、さらなる工夫が必要だと感じています。

 11時35分追記
 50年に一度の大雨を記録した壱岐に停泊中のヨットから電話がありました。
 キャビンへの水漏れが分かるような大雨だったそうです。
 港内は流れ出た泥水でまっ茶色とのこと。


 ということで、今日は金曜・・・いつものように、週末と来週の空模様からチェックしたいと思います。

 1、週末の空模様・・・北陸周辺で大雨のおそれ??

 では週末の空模様・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、ザックリとまとめておきました。

 まずは明日土曜日の空模様。

GSM1日170630

 上空の太平洋高気圧(オレンジエリア)が九州北部まで張り出し、日本海側に押し上げられた梅雨前線の降水域が、夜にかけて弱まることが予想されています。

 もっとも、午前中は悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(偏西風の南側への蛇行域)が通過する北陸を中心に活発な降水が予想されていて・・・
 シミュレーション通りになれば、地域によっては警報が発表されるようなまとまった雨になることも考えられます。

 また、夜にかけて道北には潜在的な寒冷前線?を伴う低気圧が接近する模様。

 これまでは鹿児島県や四国南岸など、太平洋側で大雨になりやすかった雨の降り方・・・
 今日も含めて、いよいよ日本海側にシフトしてきたと言えそうです。

 続いて、明後日日曜日の空模様。

GSM2日170630

 上空の太平洋高気圧(オレンジエリア)が、朝鮮半島まで張り出す模様。

 このため、暖かく湿った空気が朝鮮半島方面に向かうようになって、日本海に流れ込む暖かく湿った空気が減ってくるので・・・
 上空の太平洋高気圧北側で「へ」の字になった梅雨前線の降水帯・・・
 午前中、北陸付近で一時的に活発化した後、急速に弱まることが予想されています。

 そして、上空の太平洋高気圧に覆われた太平洋側を中心に夏空が拡大。
 ムシムシして気温が上昇し、熱中症要警戒モードに??
 さらに夏の風物詩??・・・所々でにわか雨又は雷雨があるかもしれません。
 

 2、来週の空模様・・・早くも梅雨末期の大雨モード?

 続いて、月曜日以降・・・来週の空模様をチェック。

GSM来週170630
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 画像が小さいので画像をクリック・・・拡大してご覧いただきたいのですが・・・

 連日のように梅雨前線の活発な降水帯が日本海に停滞。
 3日(月)~4日(火)にかけては北陸や東北の日本海側の地域に「警報級の大雨になるかもしれない」という情報が発表されています。

 そして5日以降・・・上空の太平洋高気圧が少しずつ弱まる模様。
 梅雨前線が再び南下し、西~東日本の広範囲でまとまった雨・・・
 シミュレーション通りになるとすれば、梅雨末期の「ような?」大雨の可能性も。

 確かに来週はムシムシした暑さが続いて熱中症警戒週間?になるとは思いますけど、Kasayanとしては大雨警戒モードのほうが優先されるべき状況ではないかと思います。

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


 3、今日の空模様・・・大雨エリア 次第に東へ?

 それでは、ここから今日の空模様。

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 Kasayanの住む長野市・・・
 昨日の夕方、急に南風が強まったかと思うと、横殴りのに激しい雷雨になりました。

 降り出しの様子・・・タイムラプス撮影した動画がこれ・・・・


(4Kタイムラプス動画。長野駅付近から南東 松代~菅平高原方面)

 KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集):https://www.youtube.com/user/kasayangw

 突然の雨でカメラを壊してしまう寸前!
 横殴りの雨を身体で防ぎながら、慌ててカメラを撤収することになりました。

 そして一夜明けた今朝・・・

菅平170630

 引き続きどんより・・・里山すら低い雲に煙り、水蒸気タップリといった空模様になっています。

 最低気温は20℃(03時49分)。
 ムシムシした梅雨の朝になっていますけど・・・そんな今朝の実況。

実況170630

 ご存じのように、上空の太平洋高気圧が西日本で北に張り出し、梅雨前線が日本海まで北上。

 そこに悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(水蒸気画像の赤い点線:偏西風の南側への蛇行域)が接近し、前線の降水帯が活発化。
 さらに、東シナ海を北上中の小さな熱帯低気圧の暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)も加わって、西日本の前線帯付近で激しい雨が降っています。

 また、前線の南側・・・九州や四国でも、暖かく湿った南風がぶつかる山岳風上斜面を中心に小さくても活発な雨雲が発生。
 今朝は西日本中心の大雨モードになっているようです。

 で・・・日本付近の偏西風・・・まだまだ本州上に東西比較的ストレートな形で停滞中。
 活発な雨のエリア・・・前線のキンク部(「へ」の字部分:低圧部)とともに東へと進んできそうですけど・・・?

 (2)今日の空模様・・・気象庁発表GSMモデル

 今日これからの空模様・・・

 こちらも気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしていきましょう。

GSM30日170630
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は、普通の天気図と同じ地上気圧と地形の影響を受けにくい上空約1500mの寒気の様子。

 ・・・ここまで書いて・・・今朝は特に仕事がバタバタしていたので、時間が無くなってきちゃいました。
 大変申し訳ありませんが、ここからは超走り書きで!!

 ポイントは上空の太平洋高気圧北側の偏西風強風帯に沿って、断続的に上空の気圧の谷が通過。

 そのタイミングで、梅雨前線が活発化するとともに、活発な降水域が東進。

 そんな傾向・・・熱帯低気圧の動きとも絡め、できるだけ時系列的に読み取っていただければ幸いです。

相当温位170630
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が、西日本経由で次第に東日本にも流れ込み始める様子をイメージしていただければOK。

相当温位拡大170630

 そして暖湿気のほとんどが、インド洋生まれではなく、生粋の?太平洋生まれで・・・
 熱帯低気圧運送会社?によって運び込まれたモノらしい・・・ということも読み取れます。

 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 では、以上のチェックポイントを確認しつつ・・・解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージ。

全国流線アニメ170630
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 アニメ中の書き込みをお読みいただきたいのですが・・・

 活発な雨のエリア・・・東に進みながら小康状態になるものの・・・
 明日朝には、再び西~東日本の広範囲で活発化することをイメージしていただければOK。

 風の収束線付近・・・活発な降水域が予想されていなくても、要注意・・・でしたよね?

 なお、このような状況を踏まえて、気象庁から「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」(リンク:「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」というニュース原稿のもとネタ)が発表されています。

 全文引用しておきますので、ご参考まで。

気象情報170630

 最後は走り書き・・・誤字脱字はもとより意味不明になっているかもしれませんけど、ご容赦ください。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

 KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集):https://www.youtube.com/user/kasayangw

拡大GSM来週170630拡大GSM170630拡大相当温位170630
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

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北日本は晴天ベースも西~東日本 広範囲でにわか雨。週末は大雨と暑さに注意?(170629)


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 1、上空の太平洋高気圧と週末の空模様、そして台風3号は?

 (1)上空の太平洋高気圧・・・最新実況

 今日も、梅雨前線の位置に影響する上空の太平洋高気圧の動向(実況)から。

サブハイアニメ170629
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 作図をはじめて6日間、いよいよ上空の太平洋高気圧が九州上陸。
 梅雨前線を北へ北へと押し上げています。

 (2)週末の空模様

 で・・・このまま上空の太平洋高気圧が北に張り出し、梅雨前線を押し上げたとすると・・・気になるのは週末の空模様。

 気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、ザックリとまとめておきました。

GSM週末170629

 土曜、そして日曜日にかけて上空の気圧の谷が朝鮮半島まで張り出す模様。

 津軽海峡より南側は日射しと相まって30℃以上の真夏日をもたらす(地形の影響を受けにくい上空約1500m)15℃以上の暖気に覆われ、局地的には35℃以上の猛暑日も?

 また、梅雨前線が停滞する山陰~北陸~東北南部では、太平洋高気圧縁辺の西よりの風が優勢に。
 西から流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の影響で、前線付近や西風の収束線、そして山岳風上斜面を中心に激しい雷雨の発生が心配されます。
 
 また、仮に局地的に前線が活発化・・・同じ場所に停滞するようになれば、大雨になる可能性も?
 
 Kasayan的には、猛暑より土砂災害や洪水に結びつきやすい日本海側の雨の降り方が気になっています。
 (新潟に出かける予定もあるからだったりして・・・)

 (3)台風3号?の発生は??

 続いて、連日お伝えしている台風3号?らしき低圧部の最新データ。

台風3号モデル比較170629

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 唯一、台風らしき挙動を予想していた米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデルの予想も、不明瞭な低圧部へとトーンダウン。
 目先、台風の発生等を過大に心配する必要はないと思われます。

 ただ、日本近海のヨットセーリングを考えるなら、台湾の東海上付近から目を離すことが出来ません。

  米軍(JTWC)台風情報①:   https://metoc.ndbc.noaa.gov/web/guest/jtwc


 2、今日の空模様・・・梅雨前線はにわか雨・雷雨前線に??

 それでは、ここから今日の空模様。

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 Kasayanの住む長野市・・・

菅平170629

 今朝もドン曇りの空。
 周辺の里山すら灰色の雲に隠れています。

 最低気温は19.5℃(05時42分)。
 湿度の高さを感じますが、風が通ると涼しく感じられます。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況170629

 梅雨前線・・・引き続き九州南部を軸に太平洋側に停滞していますが、雨雲は弱まっている様子。

 衛星の水蒸気画像を見ると、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が西日本を東進中。
 このため、前線の活動が鈍くなっていると思われますが・・・

 上空の気圧の尾根のすぐ後ろでは、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東進中。
 これに対応して、東シナ海の前線キンク部(「へ」の字部分 低圧部)の雨雲も活発化しながら東進し・・・西から下り坂に向かうと思われます。

 ただ・・・衛星の水蒸気画像・・・もう少し広い範囲をチェックしてみると・・・

北半球水蒸気170629

 太平洋の暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)は、東シナ海で急カーブして梅雨前線の南側へ。
 上空の太平洋高気圧の張り出しに伴い、南海上の空気が乾き始めているように見えます。

 また、インド洋発、インドシナ半島経由の暖かく湿った空気は・・・(上空の太平洋高気圧の張り出しと偏西風強風帯の位置の変化に伴って?)コースを北寄りに変え、朝鮮半島付近を経て沿海州そして北海道方面に向かう模様。

 梅雨前線、どうやら週末にかけて弱まることになりそうですね(冒頭でお伝えした週末の空模様・・・降水は局地的ですよね)。


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表GSMモデル

 では、今日これからの空模様・・・

 気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしていきましょう。

GSM29日170629
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・引き続き上空の太平洋高気圧が北に張り出し、偏西風強風帯は北側に蛇行。

 それでも偏西風の強風帯に沿って、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の浅い気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に西~東日本の日本海側を弓なりに通過していくことが予想されています。

 一方、北日本は、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)の通り道。
 概ね好天ベースで推移することが予想されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・梅雨前線の降水帯は、断続的に通過する上空の浅い気圧の谷に対応して途切れ途切れになって西~東日本を東北東進。
 結局、広範囲ににわか雨又は雷雨をもたらすことが予想されています。

 一方、上空の気圧の尾根が通過する北日本・・・今日も高圧部の晴天域優勢で推移することが分かります。

相当温位170629
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 梅雨前線(黄色の太い点線)の北上は、非常にゆっくりで・・・上空の太平洋高気圧が張り出す九州方面だけで北上するようですが・・・

 昨日に引き続き、日本海側には梅雨前線を越えて流れ込んだ暖かく湿った空気による潜在的な前線も停滞。
 上空の浅い気圧の谷が通過するタイミングで、梅雨前線から離れた日本海側(脊梁山脈周辺)でも降水が活発化すると思われます。

(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 では、以上のチェックポイントを確認しつつ・・・解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。 

全国流線アニメ170629
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 上空の気圧の谷の接近・通過に伴い、梅雨前線に対応する風の収束線が「へ」の字になって降水域が活発化。

 次第に明日にかけて東日本へと進んでくることが分かります。

 また、後続の上空の気圧の谷の接近によって、明朝は九州方面で再び雨が強まる模様。

 このように周期的に雨が強まりながら、週末にかけて梅雨前線は日本海へ。

 しばらくの間、いわゆるピンポイント予報(時系列の予報)が全く役立たない空模様が続くことがイメージできますよね??

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       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

 KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集):https://www.youtube.com/user/kasayangw

拡大GSM170628 拡大相当温位170628
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

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西~東日本 太平洋岸中心の梅雨空。台風3号の可能性は?(170628)


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 今朝6時半過ぎ、山口県の北西に浮かぶ角島沖を航行中のヨットと、伊豆諸島三宅島に停泊中のヨットから立て続けに電話がありました。

 いずれも知り合いのヨットマンで、天気や潮流、入港する漁港に関する相談事。

 早朝、全く同じタイミングで電話があったことに何か不思議なものを感じるとともに、ふつふつと長距離航海への欲求が高まってきました。


 1、上空の太平洋高気圧 梅雨前線を押し上げ始める

 今週末にも梅雨前線を日本海側まで押し上げることが予想されている上空の太平洋高気圧。

 週末の空模様と上空の太平洋高気圧の様子については、昨日の記事をご覧いただくとして・・・
 今日は23日(金)から昨日までの動向をチェックしておきたいと思います。

サブハイアニメ170628
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 週末25日(日)までは、大陸から南下してきた寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が日本海~北日本に居座り、上空の太平洋高気圧の北上を阻止していましたが・・・

 一昨日26日(月)、として昨日27日(火)と、いよいよ上空の太平洋高気圧の北への張り出しがスタートしたことが分かります。

 天気予報番組で連呼されているように、週末にかけて梅雨前線は日本海に北上。
 週末は各地に梅雨明け直前のような雷雨、週明けは梅雨明けのような夏空になる模様。

 明日以降は、天気予報番組で伝えられている暑さだけでなく、梅雨前線の南側に流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)によって激しい雷雨が発生する可能性に着目し、最新データを追いかけてみたいと思っています(Kasayan的には、暑さだけが強調され過ぎているような気がしますので)。
 

 2、台風3号発生の可能性は?・・・米国GFSモデル続報

 続いて昨日の記事でご紹介した台風3号・・・発生の可能性について。

 昨日は、米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデルと気象庁発表のGSMモデルが、7月6日頃、台湾の東海上に台風3号???かもしれない低圧部を予想していましたが・・・
 今日、気象庁発表のGSMモデルに低圧部らしきモノは見当たりません(ヨーロッパ中期予報センターのモデルも)。

 もっとも、米国GFSモデルは・・・

GFS台風3号アニメ170628
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 太平洋高気圧の縁に沿うようにして、アヤシイ低圧部?が北東進することを予想しています。

 来週にかけて上空の太平洋高気圧が北に張り出すということは・・・フィリピン東方の対流活動がさらに活発化するということですから・・・いつ台風が発生してもおかしくない状況といえますけど・・・
 残念ながらこれらの情報だけで台風の発生について云々することはできません。

 もっとも、足の遅いヨットの日本近海における航海計画を立てるためには、そろそろ台風が発生した場合とそうでない場合の両パターンをイメージし始めたいところ。
 
JPWC衛星画像170628

 米軍(JTWC)のサイトを見ても、まだ安心していられそうですけど・・・どうなりますやら??
 まだ様子見をするしかなさそうです。
 
      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


 3、今日の空模様・・・梅雨前線の影響 ジワジワ強まる

 それでは、ここから今日の空模様。

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 Kasayanの住む長野市・・・

菅平170628

 昨夜強まった雨は止んでいるものの、里山(標高700m前後)の山頂付近も層雲に覆われる曇り空。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況170628

 
 梅雨前線の位置も日本海の高気圧の位置も、昨日朝とほぼ変わらず・・・
 前線北側の雨雲の範囲も、昨日と大きな違いはありません。
 さらに衛星の水蒸気画像を見ても・・・偏西風の流れや渦、水蒸気の流入域・・・いずれもほぼ同様。

 ただ・・・「ほぼ変わらず」「大きな違いはありません」という表現・・・全く同じ空模様ではないということを含んでいます。

 (2)今日の空模様・・・気象庁発表GSMモデル

 ということで、今日これからの空模様・・・

 気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしていきましょう。

GSM170628
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・午前中と夜の気圧配置を見比べても、大きな違いはありませんけど・・・

 まず目につくのは、上空の太平洋高気圧が紀伊半島先端、潮岬付近まで張り出すということ。
 そして上空の太平洋高気圧に押し上げられて、梅雨前線に対応する上空の偏西風強風帯(水色の矢印)が、太平洋岸から瀬戸内まで北上することがわかります。

 これに伴って、偏西風強風帯に沿って東進する上空の気圧の谷(赤い点線:偏西風の南側への蛇行域)の通過位置もジワジワと北上する模様。
 上空の気圧の谷の悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)が地上降り注ぐ位置・・・海上から陸上主体に変化してくると思われます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の谷の通過に対応して、午前中、一時的に梅雨前線が活発化。
 降水域が北に拡大する模様。

 ただ、日中は太平洋高気圧の張り出しによって降水域はは小康状態へ。
 東シナ海を北東進する上空の気圧の谷と、北陸付近に南下する上空の気圧の谷の影響によって、夜遅くから明日にかけて再び活発化すると思われます。
 (かなり微妙な状況をあえて時系列的にコメントしているだけなので・・・あくまで目安)

相当温位170628
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 上空の太平洋高気圧の北への張り出しとともに、強い暖湿気(濃い水色エリア)の流入域も、西日本の沿岸部まで北上。

 また、梅雨前線北側に流れ出す暖湿気によって、東日本の日本海側にも引き続き潜在的な前線帯が停滞することが分かります。

 ということで西日本・・・一時的に降水が弱まるタイミングはありますけど、明日にかけてますます梅雨らしく。
 そして梅雨前線から遠い東日本の日本海側でも、昨夜のように、上空の気圧の谷が通過するタイミングで一雨あることが想定されます。

 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 では、以上のチェックポイントを確認しつつ・・・解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。 

全国流線アニメ170628
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 コメントがとても難しい空模様ですけど・・・

 今日午前中、上空の気圧の谷の通過に伴い前線北側の降水域が活発化。
 夜にかけていったん小康状態になるものの・・・
 東シナ海から接近・通過する上空の気圧の谷の影響によって、夜中には九州~四国方面で前線の収束線が渦を巻くように北上(大きなキンク部を形成)。
 降水域が活発化することが分かります。
 
 ということで・・・今日の空模様・・・
 単純に「梅雨前線の影響で、太平洋側を中心に雨の降りやすい空模様が続きます」と言ってしまえば簡単ですけど・・・あえて時系列的にコメントしようとして分かりにくいコメントになってしまいました(ごめんなさい)。

 気象庁が発表している短期予報解説資料(プロ用の資料)を抜粋して掲載しておきますので、口直しにお読みいただければ幸いです。

短期予報解説資料抜粋170628

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

 KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集):https://www.youtube.com/user/kasayangw

拡大GSM170628 拡大相当温位170628
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

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梅雨前線 周期的に活発化。週末は北陸中心に大雨?その後 台風3号発生??(170627)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??











 1、週末の空模様・・・北陸~東北で大雨も?そして台風3号発生?

 (1)北に張り出し始めた上空の太平洋高気圧(サブハイ)

 このブログでは、24日(土)から「今週末の太平洋高気圧の北への張り出しと梅雨前線の北上」についてお伝えしてきました。

サブハイアニメ170627
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 実況を見ても、昨日から上空の太平洋高気圧が北に張り出し始めたことが分かります。

 そして・・・月曜日を待っていたように多くの天気予報番組でも、同様の情報が伝えられるようになりましたから・・・
 このブログでは、日本海側まで梅雨前線が北上したことによる影響・・・
 気になる今週末の空模様と来週の空模様に注目することにしました。

 (2)週末の空模様・・・北陸付近で大雨も??

 まずは週末の空模様。
 いつものように、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってザックリとまとめておきました。

GSM週末170627
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 1日(土)より2日(日)と、上空の太平洋高気圧(オレンジエリア)が北に張り出すことが予想されていて・・・

 梅雨前線は朝鮮半島付近まで押し上げられ、北朝鮮付近が降水のピークエリアに。
 (大雨になれば政情への影響が気になりますね)

 北西方向から梅雨前線が停滞する北陸や東北南部付近では、梅雨の雨のイメージ=一様に雨が降り続くのではなく・・・激しい夕立のイメージ=非常に活発な降水域(活発な雷雲)が局地的に停滞するような雨の降り方になることが予想されています。

 かつて日本海側でも、梅雨前線の停滞と強い暖湿気の流入によって甚大な災害が発生していますけど、その原因の多くは同じ場所に活発な降水帯が停滞すること。
 そんなことが起らないことを祈りつつ、明日以降も最新の情報を追いかけたいと思います。

 (3)来週は台風3号発生??・・・進路は上空の太平洋高気圧次第

 続いて、来週の空模様。
 気になる空模様をピックアップしてご紹介したいと思いますが・・・一番気になるのは台風のこと。
 今年はすでに2号まで発生していますから、発生すれば3号ということになります。

台風3号モデル比較170627

 これは7月6日(木)の空模様・・・米国の気象機関(NOAA)発表のGFSMモデルと、気象庁発表のGSMモデルを比較したもの。

 いずれも、台風3号?あるいは熱帯低気圧??と思われる低気圧を台湾付近に予想しています。

 今週末、上空の太平洋高気圧が北に張り出すのは、フィリピン東方~マリアナ諸島方面の海面水温が平年より高くなり、対流活動が活発だから。
 赤道北側の偏東風の蛇行等によっては、いつ台風が発生してもおかしくありません。

 仮に台風が発生すれば、梅雨前線の活動や位置にも大きな影響が予想されますから、追いかけるべき最新情報・・・また一つ増えてしまいました。

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 2、今日の空模様・・・梅雨前線の影響 小康状態?

 それでは、ここから今日の空模様。

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 Kasayanの住む長野市・・・

菅平170627

 どんよりとした曇り空で・・・太陽の輪郭すら見えません。

 標高2000m級の山々が見えませんから、雲底は2000m以下。
 下り坂の空模様を暗示しています。
 
 そんな今朝の実況ですが・・・

実況170627

 引き続き南岸に梅雨前線が停滞。

 昨日は日本海の高気圧が梅雨前線を南に押し下げ、少ないながらも青空を見せてくれましたけど・・・
 今日は高気圧が北日本へ。
 梅雨前線がやや北上し、太平洋側ほど雲が厚く、西~東日本の太平洋岸では所々で雨が降っているようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると、日本付近の偏西風強風帯は東西にほぼまっすぐ。
 悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の浅い気圧の谷(偏西風の南側への蛇行域:正渦度極大値)が断続的に偏西風強風帯上を東進し、接近・通過のタイミングで、局地的に前線が活発化すると思われますが・・・

 (2)今日の空模様・・・気象庁発表GSMモデル

 今日これからの空模様・・・

 こちらも気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしていきましょう。

実況27日170627
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・今夜にかけて上空の太平洋高気圧は伊豆諸島南部~種屋久方面にまで張り出したまま。
 梅雨前線に対応する太平洋岸の偏西風強風帯が、ほぼ同じ場所に停滞することが分かります。

 そして、偏西風強雨帯上を・・・悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、ちょうど九州~関東の距離と同じ間隔(約1000Km)で断続的に東北東進。
 比較的長周期で梅雨前線が活発化・・・海上主体の降水帯が内陸に影響してくると思われます。

 一方、北海道の北では-15℃以下の寒気を伴う寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が停滞。
 地上にも寒気が流れ込んでいるものの、日射しによる昇温次第では、道北を中心に大気の状態が不安定になると思われます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・梅雨前線本体は引き続き海上に停滞。
 日中は太平洋側中心に曇り空優勢の空模様が続きそうですが・・・

 上空の浅い気圧の谷の通過に伴い、夜になると、西~東日本の内陸にも降水域が発生。
 梅雨空感?が増してくると思われます。

相当温位170627
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 強い暖湿気(濃い水色エリア:雨の原料)の流入域は梅雨前線(黄色の太い点線)の南側。
 強風とともにドンドン暖湿気が流れ込む伊豆諸島方面では、雨雲がかなり活発化模様。

 そして東日本の太平洋側にも一日を通してそこそこの強さの暖湿気が流入。
 曇りベースで推移した後、上空の浅い気圧の谷の接近・通過に伴い、潜在的な前線帯(黄色の細い点線)付近でに雨雲が発生・・・にわか雨をもたらすと思われます。

 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 では、以上のチェックポイントを確認しつつ・・・解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。 

全国流線アニメ170627
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 上空の気圧の谷の通過に対応して梅雨前線上のキンク部(低圧部)が活発化。
 周期的に降水が強まる様子が分かります。

 そして今夜から明日にかけて、やや北寄りを通過する上空の気圧の谷に対応して、西~東日本の内陸で降水が活発化。
 明日朝にかけては、とりあえず梅雨らしい空模様が続くようですが・・・

 梅雨前線が少しずつ北上する明日の空模様・・・気になりますけど、詳しくは明日。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

 KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集):https://www.youtube.com/user/kasayangw

拡大GSM週末170627拡大GSM170627拡大相当温位170627
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

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梅雨前線 小康状態?やはり週末 梅雨前線 日本海へ!(170626)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??











 1、梅雨前線の北上・・・続報!

 梅雨前線を北に押し上げる上空の太平洋高気圧(サブハイ)と、梅雨前線の様子。

 まずは23日(金)21時から昨日25日(日)21時までの実況から。

サブハイ実況アニメ170626
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 大きさに多少の変化はありますけど、北への張り出しの位置はほぼ同じ・・・比較的安定しています。
 このため、上空の太平洋高気圧のやや北側に梅雨前線が停滞し、週末の太平洋側に梅雨空をもたらしたわけですけど・・・

 気になるこの先の様子・・・28日(水)から3日(月)までの予想を最新のデータでチェックしておきました。

週間500図170626

 ここ数日、毎日のようにお伝えしてきたように・・・
 上空の太平洋高気圧が西日本中心に安定して北に張り出し、梅雨前線を日本海まで押し上げ、3日(月)には、あたかも西~東日本で梅雨明けしたような気圧配置が予想されています。

 西日本ではいきなり梅雨明けのような夏空に?
 梅雨入りの遅れた北陸や東北では、まさかの梅雨末期のような雨の降り方??
 梅雨がないと言われる北海道でも梅雨空に???

 気まぐれの気圧配置ならイイですけど、この傾向が安定してしまうと・・・ちょっと・・・

週間気温グラフ170626

 これは向こう一週間の気温の傾向(平年差)をグラフにしたもの。

 気圧配置を見ると、上空の太平洋高気圧に覆われる西日本ほど暑くなるように思えるのですが、太平洋高気圧縁辺の南西風が吹き込みやすい北日本ほど平年を大きく上回ることが予想されています。
 
 このトレンドが大雨被害が多発する梅雨末期の空模様にどのような影響をもたらすのか?
 さらに梅雨明けのタイミングや、台風3号の発生・進路にも関係してくるのか?
 正直なところ、Kasayanには教科書に書かれていこと以上は全く分かりません。

 ただ、兆候をいち早くつかむべく注意深く追いかけていきたいと思っています。

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


 2、今日の空模様・・・梅雨前線の影響 小康状態?

 それでは、ここから今日の空模様。

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 Kasayanの住む長野市・・・

菅平170626

 色の濃い青空と、巻雲、巻層雲、そして2000m以上の山々の稜線にかかる層雲の白が絶妙のコントラストを見せていましたが、08時には一面の高層雲に覆われ、影も見えなくなりました。

 最低気温は15.5℃(03時58分)。
 比較的過ごしやすい朝を迎えています。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況170626

 引き続き、九州南部・・・種子島や屋久島方面を軸に梅雨前線が停滞。
 大陸生まれの乾燥した高気圧が日本海を南下しているため、梅雨前線の降水帯は海上主体で・・・
 日本海側には晴れのエリアも広がってきたようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・梅雨前線上空の偏西風強風帯は引き続きストレートに太平洋沖に停滞。
 強弱の変化はあれど、ほぼ同じ位置に梅雨前線が停滞すると思われます。

 また、サハリン付近では悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)の親分といえる寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が停滞。
 寒冷渦の南側・・・北日本には寒気を伴う上空の気圧の谷が断続的に南下し、大気の不安定な状態が続くと思われます。

 ということで・・・今日は同じ場所に停滞する梅雨前線・・・活発化する要素があるのか?ないのか??がポイント。

 (2)今日の空模様・・・気象庁発表GSMモデル

 では、今日これからの空模様・・・

 こちらも気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしていきましょう。

GSM26日170626
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・今日いっぱい、サハリン付近に-15℃以下の寒気を伴う寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が停滞。
 さらに、道北北部には、-10℃以下の寒気を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に南東進。

 北海道を中心に、引き続き悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)が降り注ぎ、大気の状態も不安定になることが予想されます。

 一方、西~東日本・・・梅雨前線に対応する偏西風強風帯が停滞するものの、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った(小さめの)上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東北東進。
 梅雨前線は停滞するものの、雨雲は小康状態で推移すると思われます。

 ただ、夜にかけて九州北部や山陰に-10℃以下の寒気塊を伴う上空の気圧の谷や切離低気圧(寒冷渦類似)が接近。
 次第に大気の状態が不安定になることが想定されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・オホーツク海では寒冷渦直下の低気圧が停滞。
 道東を中心に不安定性の降水を思われる弱い降水域が予想されています。

 また、今夜にかけても梅雨前線が九州南部を軸にして太平洋沖に停滞。
 ただ、上空の気圧の尾根の通過に対応して日本海の高気圧が勢力を南に強め、梅雨前線の降水帯は南に押しやられることが分かります。

 その代わり・・・といってはナンですが、沖縄付近は太平洋高気圧縁辺の暖湿南風の通り道に。
 大気の状態が不安定になって、雨の降りやすい状態になるようです。

相当温位170626
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 強い暖湿気(濃い水色エリア:雨の原料)の流入は、南海上の梅雨前線(黄色の点線)付近まで。
 日本海側を中心に大陸生まれの冷涼で乾燥した空気が流れ込んでくるようです。

 ただ、午後になると、九州付近と関東付近に暖湿気が流入。
 日本海から流れ込む冷涼で乾燥した空気とぶつかり合い、局地的な雨雲を形成することが想定されます。

 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 では、以上のチェックポイントを確認しつつ・・・解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ170626
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 はやり今日いっぱい、梅雨前線の降水帯は海上主体。
 どちらかといえば小康状態と言えそうです。

 ただ、九州南部や伊豆諸島方面では局地的に降水が活発化する模様。
 
 また、関東付近では北寄りの風と暖かく湿った南寄りの風の収束線が発生・・・徐々に北上することが予想されています。

 小康状態とはいえ、局地的な雨には要注意。
 そして明朝からの前線の活発化に備えたいところです。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
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       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
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プロフィール

Kasayan

大昔、気象会社や東京の放送局で天気予報番組を作っていたこともありますが今は故郷長野で2回目の日本一周を夢見るただのヨット好き。山岳ガイドのタマゴたちと気象の勉強中。最近多くの時間を野尻湖畔の山小屋で過ごしています。

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