気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

2017年12月

 Twitterでは、今日の記事の内容をひとことでまとめています。お時間の無い方・更新時間を知りたい方はご利用ください。https://twitter.com/kasayangw

大晦日~元日 下り坂。次第に強い冬型へ(171231)


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・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??
   


気が付いてみれば大晦日。3月に入院してブログの更新が途切れたかと思えば、ライブドアブログ OF THE YEAR 2017 職人賞をいただくなど、Kasayanにとっては荒れ模様?激動の?一年でした。今日は「終わりよければすべてよし」の一日にしたいと思います。

北半球上空の寒気流出・・・正月寒波接近中!


 まずは寒波の全体像・・・北半球上空の気圧配置と寒気の動向(実況)から。
 昨夜21時まで6日間の天気図に着色し、アニメ化してあります。
全国流線アニメ171231
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 現在、日本付近は東海上に抜けた寒気と大陸を南下中の寒気に挟まれた状態。
 今夜以降大陸の寒気が南下して、正月寒波が始まることが予想されます。

 一方、北米大陸のトランプ寒波?は北大西洋に抜け始めたところ。
 また、北極付近に溜まった-42℃以下の寒気が、ここにきてシベリア方面に流れ出し始めたことが分かります。

 で、これらの寒気・・・現時点で日本からう~んと離れていますけど・・・
 気象庁発表の最新のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を見ると、再び日本の北が北半球上空の寒気の集積場?になる可能性が出始めています。

 来年も北半球上空の寒気の様子・・・作図を続けていこうと思います。
 

元日の空模様と、三が日後の南岸低気圧?について



 では正月寒波の影響はどうなるのか?
 大晦日の空模様をチェックする前に、明日元日の空模様と、三が日明けに予想されている南岸低気圧の影響についてまとめておきました。


 (1)元日の空模様


 まずは明日、元日の空模様

GSM1日171231
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 青森県付近で低気圧が発達のピークを迎えて停滞。
 停滞する低気圧を軸にして、今度は本州東方の低気圧が発達しながら北上する模様。
 西高東低 冬型の気圧配置が強って・・・

 上空では-30℃以下の寒気が三陸沖まで流出。
 地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)では、強まる北風に乗って津軽海峡より南側で寒気が急速に南下し・・・
 津軽海峡より北では東から暖気が流入し、相対的に気温が高めで推移することが予想されています。

 このため、北陸~東北日本海側では、冬型に伴う活発な降雪に。
 一方北海道では、地上と上空の温度差によって大気の状態が不安定になり、雷とともに横殴りの湿った重い雪が予想されます。

 ということで、太平洋側は晴れますけど冷たい北風が吹き抜ける「いかにも冬」な元日に。
 若狭湾から雪雲のが流れ込む名古屋方面ではチラチラと雪が舞うかもしれません。

 一方、北陸以北の日本海側は正月寒波の降雪がスタート。
 正月早々、大雪への対策が必要になりそうです(冬山は厳重注意)。


 (2)5日(金)の南岸低気圧・・・Uターンの足への影響に気を付けて


 では、東京の週間予報に雪マークが登場した5日(金)の空模様

GSM5日171231
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)では・・・
 昨日に引き続き(昨日の記事参照)安定して?南岸低気圧が予想されています。

 地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)の-5℃以下の寒気は昨日より若干南下気味。
 計算値を素直に読み取れば、5日午前中に関東南部で降るモノがあれば、平地でも雪になると思われます。

 ちなみにヨーロッパ中期予報センターも同様の予測。
 一方、米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデルでは、降水域が海上を東進する弱い低圧部が予想されているだけ。

 現時点では雪になる可能性が高いと考えて、余裕を持ったUターンの計画を立てておきたいところです。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


今日の空模様・・・西から次第に下り坂!海や山は荒れ模様!


 それでは、ここから今日の空模様


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝の長野市・・・

菅平171231

 灰色の空ですが、高層雲を透かして太陽が見えています。
 最低気温は-2.3℃(05時06分)で、平年並みといったところ。

 今朝は東京で初雪が観測されたようです。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況171231

 衛星の水蒸気画像を見ると、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東日本を東進中。
 このため東~北日本は、東海上の低気圧と日本海の低気圧に挟まれた高圧部になっていて、日本海側の雪雲も久々に少なくなっています。

 一方、上空の気圧の尾根の西側では下り坂。
 冬の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴った上空の気圧の谷が朝鮮半島付近に進み、日本海西部を低気圧が発達しながら北東進しています。

 このため低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、上空寒気と相まって大気の状態が不安定に。
 寒冷前線がかかる山陰付近や暖湿気が流れ込み始めた九州南部~四国付近に雨・雪雲が観測されています。

 ということで、今日は西から下り坂。
 大晦日ですから、いつ頃?何が降るのか?がいつも以上に問題になります。


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 では、今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM31日171231
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東海上に抜け・・・

 日本海を-30℃以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)がゆっくりと北東進。
 今夜までに-35℃以下の寒気の先端で、上空の気圧の谷がカットオフ(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離されること)することが予想されています。

 また、太平洋沖を流れる偏西風強風帯に沿って、上空の気圧の谷が断続的に東北東進することも予想されています。

 このため地上では・・・下段の図・・・日本海の上空の気圧の谷にドリブル?されて、低気圧が発達しながら北東進。
 寒冷前線の降水帯が山陰~東日本をなめるように通過していくことが予想されています。

 また、太平洋沖を通過する上空の気圧の谷に対応して四国沖に低気圧が発生。
 ゆっくりと発達しながら、降水域とともに関東沖に進むことが予想されています。

 ただ、平地で雪を降らせる-5℃以下の寒気の南下はとてもゆっくり。
 寒冷前線の降水帯が通過した後、今夜にかけて四国付近まで南下する模様。
 ということで、今日降るモノは、標高の高い地域を除いて概ね雨。
 標高の高い地域も、北海道付近でも、比較的湿った重い雪になると思われます。

相当温位171231
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは、気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 日本海の低気圧まで暖かく湿った空気が流れ込みますけど、それほど強さを強調するほどのモノではありません。
 ただ、上空には-30℃以下の立派な?冬の寒気が南下。

 相対的に大気の状態が不安定になるので、一時的な雨だとしても落雷や突風等に注意をする必要がありそうです。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 ということで、最後は以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ171231
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 こうやって見ると、活発な降水域は前線に対応する風の収束線付近限定といった感じ。
 長く降る雨ではなさそうですけど、ピリッとメリハリのある強いモノになる可能性もあります。

 降り出しの時間と止む時間、降るモノが雨なのか雪なのか?、雨の後の気温の下がり具合は?
 そんなことを気にしながら最寄りの地域の天気予報をチェックして具体的な空模様をイメージし、無事に年越しをしていただきたいと思います。

 ということで、今年のブログ更新はこれで終わり。
 誤字脱字、意味不明?なブログにお付き合いいただき有難うございました。
 来年もよろしくお願いいたします・・・
 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
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 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
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拡大GSM5日171231拡大GSM1日171231拡大GSM171231拡大相当温位171231 
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 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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今日は回復も明日から下り坂。正月寒波とその後は?(171230)


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年の瀬ともなると、なんだかんだとKasayanもバタバタ。
ブログの更新が遅くなってしまい申し訳ありません。

北半球上空の寒気流出・・・振り返ってみれば3波型??


 まずは寒波の全体像・・・北半球上空の気圧配置と寒気の動向(実況)から。
 昨夜21時まで6日間の天気図に着色し、アニメ化してあります。
北半球上空の寒気アニメ171230
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 北半球上空の寒気・・・今月前半まで、寒気の大半が日本の北に集まっていましたが、この2週間でその位置が北米大陸にシフトしています。

 そして・・・同じく今月前半まで、寒気の流出域は日本の北と北米の2か所・・・いわゆる2波型の傾向(極端に暑い、極端に寒い)になっていたのですが・・・
 ここにきて、日本付近と北米、そしてシベリア西部の3か所・・・いわゆる3波型の傾向(そこそこ寒さと暑さが分散)が見え始めたように思います。

 とすると、今後は極端な天気変化・・・少しは収まるのでは???なんてことを考えたくなってしまいますが・・・どうなりますやら?

 目先はシベリアを東進中の寒気・・・週間予報で予想されている正月寒波の影響が気になります。


年末年始の空模様と、三が日後の南岸低気圧?について


 ということで、正月寒波の影響はどうなるのか?
 また、連日お伝えしているように、正月明けの5日(金)頃に予想されている南岸低気圧で東京周辺でも雪が降るのか??

 ・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってチェックしておきました。


 (1)年末年始の空模様


 まずは正月寒波のスタートライン・・・年末年始の空模様。
 今日は明日大晦日まる一日と、元旦の空模様をまとめておきました。

GSM年末年始171230
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 あくまで「計算値を素直に読み取れば」ということですけど・・・

 大晦日らから元旦にかけて二つ玉低気圧が通過して大晦日は西から下り坂。
 西日本は朝から、東日本は午後から雨や湿った雪が降り出します。

 そして元旦は北日本で荒れ模様の天気に。
 西~東日本は西高東低 冬型の気圧配置が強まって日本海側では雪が降り始め、太平洋側では冷たい北風が強まり始めると思われます。

 ということで・・・いずれにしても「良い天気」と言える空模様ではありません。

 もっとも、この時期は年末年始の登山、海でも昔はジャパン・グアムヨットレースなんていうイベントがあったくらいで、寒い中でも(駅伝やサッカーだけでなく)山に海にスポーツが盛んです。
 
 ただ・・・海でも山でも遭難が発生してきました。

 この二つ玉低気圧を見ると、ヨットレース中、クルーザーヨットのキール(バラスト)が脱落して沈没したり、復元するはずのヨットが復元せず、ライフラフとで漂流中に有名なヨットデザイナーの方を含む多くの方が亡くなった事故を思い出します。
 (今回は一体型ではなく分散型の二つ玉だと思われますが、荒れる可能性十分にあります)

 また、二つ玉低気圧の中で数えきれないほどの登山者が冷たくなってきたのはご存じの通り。

 どうしても山に登りたい方、海に出たい方は、自分に都合よく気象情報を解釈しがち(Kasayanも含めて)。
 多くの場合、それは誤っていますから、自分がそんな思考に陥っていないか?冷静に考え直していただきたいと思います。


 (2)三が日明けの南岸低気圧・・・Uターンの足への影響は?


 続いて、5日(金)に予想されている南岸低気圧の影響。

GSM5日171230
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 昨日に引き続き、2日連続で南岸低気圧の通過が予想されています。

 関東甲信の標高の高い所では湿った雪。
 関東上空も-5℃前後の寒気が予想されていますから、地上気温が2℃前後まで下がることを条件に都心でも雪になると思われます。

 ちなみに外国のモデルを見ると・・・

GFS5日171230

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 ヨーロッパ中期予報センターが南岸低気圧を予想。

 週末7日(日)までお休みの方にとっては、Uターンのタイミング?の南岸低気圧。
 コマメに情報をチェックして、必要があればスケジュールの練り直しをしてくださいね。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


今日の空模様・・・冬型の気圧配置の緩みはダラダラ?北陸付近一時的に雪強まる!


 それでは、ここから今日の空模様
 更新時間が遅くなったので、突貫工事で更新させて下さい・・・ごめんなさい!


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝の長野市・・・

菅平171230

 昨夜の雪が薄っすら・・・でも、空は青空優勢。
 最低気温は-3.6℃(07時05分)。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況171230

 北日本中心の西高東低 冬型。

 でも、西から好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が接近中。

 高気圧が張り出し、天気は西から回復に向かいそうですが・・・


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM30日171230
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は、普通の天気図と同じ地上気圧と地形の影響を受けにくい上空約1500mの寒気の様子。

 上段の図・・・好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東進。
 悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を冬の寒気を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)を東海上へと追いやることが予想されています。

 下段の図・・・このため、西から高気圧が移動。
 冬晴れエリアが東日本まで拡大してくることが予想されています。

 また、北日本にも高気圧の影響が及び始めるようですけど・・・
 冬の寒気を伴った上空の気圧の谷の位置に対応して、東北北部~北海道にかけては夜も等圧線が混雑気味。
 北風の強い状態が継続し、雪の残る所もあるようです。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 ということで、最後は以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ171230
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 紫色は下層雲。

 概ねGSMモデルと同じ予想。
 東北北部の日本海側と北海道の西岸は十分に回復しないまま夜になり・・・
 明日には早くも下り坂に向かうようです。

 その他の地域も明日は西から下り坂。
 今日の晴天・・・有効に使いたいところですね。


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 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html

拡大GSM年末年始171230拡大GSM5日171230拡大GSM171230 
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)


(4Kタイムラプス動画:寒気トラフ通過に伴い一時的に雪雲活発化。昨日夕方)
  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


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 可能な限り返信いたします。

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今日いっぱいで寒波終了、明日は貴重な晴天。三が日明けは南岸低気圧?(171229)


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Kasayanも昨日が仕事納め。仕事の後に打ち上げがあって頭がボーッ・・・
ブログ更新もなかなかはかどりません。なんとか作図は終えましたので、今日のコメントは超少なめでお許し下さい。

寒波のピーク過ぎる・・・正月寒波準備中も、北米が北半球の寒気の中心に??



 (1)北半球上空の気圧配置と気温の動向・・・正月寒波準備中!


 まずは寒波の全体像・・・北半球上空の気圧配置と寒気の動向(実況)から。
 昨夜21時まで6日間の天気図に着色し、アニメ化してあります。
北半球上空の寒気アニメ171229
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 12月下旬になって、北半球の寒気の中心が日本の北から北米大陸にシフト。
 寒波が襲来しているといっても、日本付近の寒気はかなり弱まってきたようです。

 また、寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が北海道の東に抜け、今回(今年最後の)寒波も終わろうとしています。

 もっとも、正月寒波になるであろう寒気がシベリアを東進中。
 北極圏で成長中の-42℃以下の寒気塊も加わって勢力を強めるのか?が注目されるところです。


 (2)正月寒波の後は「典型的な」南岸低気圧???


 で・・・気になる正月寒波の影響ですけど、テレビの天気予報でも詳しく伝えられていますから、今日のところは様子見にさせていただいて・・・

 一昨日は南岸低気圧、昨日は東日本を横断する低気圧・・・が、予想されていた1月5日(金)の空模様の最新データをご紹介しておきたいと思います(昨日、一昨日の記事参照)。

GSM5日171229
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 今日、最新のデータでは、再び南岸低気圧の通過が予想されています。

 それも北から十分に寒気を引き込み、関東甲信越の広範囲に雪を降らせるような・・・「雨になるか雪になるのか微妙」なんていう言い訳が出来ないほど典型的な南岸低気圧。

 「計算値通りになれば」Uターンの足に影響することは必至です。

 ちなみに、米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデルでは南岸低気圧は予想されておらず・・・
 ヨーロッパ中期予報センターのモデルには、気象庁GSMモデルに近いカタチで南岸低気圧が予想されています。

 まだまだ「来年の話」ですけど注目する必要がありそうです(Kasayanの仕事始めの日なんですよね・・・orz)。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
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今日の空模様・・・冬型の気圧配置の緩みはダラダラ?北陸付近一時的に雪強まる!


 それでは、ここから今日の空模様


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝の長野市・・・

菅平171229

 冬晴れの朝。
 もちろん放射冷却ビンビンで、今季最低の-7.3℃(07時02分)が観測されています。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況171229

 北日本中心の西高東低 冬型の気圧配置が継続。
 北陸以北の日本海側には引き続き雪雲が観測されています。

 衛星の水蒸気画像を見ると、相変わらず北陸付近に冬の上空寒気を運ぶ偏西風強風帯(濃い水色の矢印)が停滞。
 この偏西風強風帯の北側を、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に南東進して、冬型の気圧の配置や降雪を長引かせていると思われます。


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM29日171229
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・今夜にかけても、偏西風強風帯(水色の矢印)によって北陸以北に真冬の寒気が南下。
 夜には、-40℃前後の寒気の中心を伴った上空の気圧の谷が北陸北を通過することが予想されています。

 このため地上では・・・下段の図・・・夜にかけても、北日本中心の西高東低 冬型の気圧配置が継続。
 北陸以北の日本海側には断続的に降水(雪)域がかかり続けることが予想されています。

 また、寒気を伴う上空の気圧の谷が接近・通過する夕方以降、地上の気圧の谷(黄色の点線)に沿った降水(雪)帯が日本海側に上陸し、一時的に降雪が強まることを示唆しています。

 今回の冬型・・・西から上空の気圧の尾根が接近し、緩む気配は見えますけど・・・
 今日いっぱいは続くと考えておきましょう。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 ということで、最後は以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ171229
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 MSMモデルでも、寒気を伴う上空の気圧の谷の接近・通過に対応して、夕方以降、北陸を中心に降雪の強まりが予想されています。

 また、新潟以北では明日朝も降雪が続く模様。
 今年最後の寒波・・・結構しぶといようですね。


 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
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 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
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拡大GSM5日171229 拡大GSM171229 
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

(4Kタイムラプス動画:冬型に伴う雪雲の流入 長野市南部 42時間連続撮影)
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 可能な限り返信いたします。

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ピークは過ぎても冬型続く。正月三が日「後」も荒れ模様?(171228)


・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
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・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??
   


現在寒波襲来中!・・・正月寒波準備中!



 (1)北半球上空の気圧配置と気温の動向・・・寒気、北米にシフト?


 まずは寒波の全体像・・・北半球上空の気圧配置と寒気の動向(実況)から。
 昨夜21時まで6日間の天気図に着色し、アニメ化してあります。
北半球上空の寒気アニメ171228
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 現在寒波の真っ最中・・・強い寒気が東~北日本に流れ込んでいます。

 ただ、ここ一ヶ月、北半球上空で最も優勢だった日本の北の寒気塊がたった2日間で衰弱。
 代わって北米大陸の寒気が優勢になり、西シベリアでも正月寒波となるべく寒気の流出が活発化しています。

 そろそろ北半球の空気の流れ・・・ダイナミックに変化し始めるんでしょうか?


 (2)正月三が日の天気は冬型だけど・・・その後 、週末Uターンの空模様は?


 ということで、正月寒波の影響が気になるところ。

 もっとも、三が日の空模様はテレビの天気予報でも伝えられるようになりましたし、昨日の記事にも掲載したので・・・
 三が日の後、Uターンラッシュが予想される週末(4日~6日)の空模様をチェックしておきました。

GSM1月4日以降
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 昨日の計算値には(昨日の記事参照)南岸低気圧が予想されていて、関東など太平洋側の降雪が心配されましたが・・・

 最新の計算値では、4日(木)から5日(金)にかけて低気圧が本州上を横断することに。
 低気圧には南から暖気が吹き込むので、降るモノは高地を除いて雨になると思われます。
 
 そして6日(土)にかけて西高東低 冬型の気圧配置が強まる模様。
 今回と同レベルの強い寒気が南下して、北陸以北の日本海側を中心に大雪になることが示唆されています。

 南岸低気圧による太平洋側の交通機関への影響が無くなったのは何よりですけど、日本海側の多雪地帯ではいったん雨が降った後の新たな積雪が予想されるため、落雪や雪崩の危険性や融雪等による障害が心配されます。

 また、屋根の上の雪が雨を含んで重くなり、6日以降の降雪も加わることで、家屋等への影響も心配されます。

 三が日明けに予想される低気圧が南岸低気圧であろうとなかろうと、豪雪地帯にはあまり嬉しくない空模様になりそうですね。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


今日の空模様・・・冬型に伴う降雪、ピークは過ぎたけれど・・・


 それでは、ここから今日の空模様


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝の長野市・・・

善光寺171228

 昨日から断続的に雪が降ったり止んだり・・・
 市街地ではチラチラと舞う程度になって、善光寺周辺では早朝から除雪をする姿が見られました。

 08時現在、長野市の積雪は20センチ。
 最低気温は-2.5℃を観測しています。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況

 高気圧が近畿付近まで張り出していて、日本海の雪雲も若狭湾以北が主体。

 衛星画像を見ると、冬の上空寒気を運ぶ偏西風強風帯が能登半島から関東付近に停滞していて、その北側を悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に南東進中。

 ということで・・・今朝の気圧配置は「東~北日本中心の」西高東低 冬型の気圧配置。
 少しずつ西から冬型がゆるみ始めたようです。


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM28日171228
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・午前中、バラバラと?悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)と-30℃以下の寒気を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が(冬型が続く)東~北日本を南東進。
 回復傾向とはいえ、上空の気圧の谷が通過するタイミングで雪雲が発達・・・降雪が活発化すると思われますが・・・

 夜にかけてほぼ同じ場所に偏西風の強風帯(水色の矢印)が停滞するものの、上空の気圧の谷が浅くなり、通過する回数も減り始めるようです。

 このため地上では・・・下段の図・・・夜にかけても西高東低 冬型の気圧配置が続くものの、等圧線の間隔が少しだけ開き始める模様。
 北西の季節風も少しずつ弱まるので、地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)の寒気も少しだけ北上することが予想されています。

 そして問題の降水(雪)ですが・・・こちらも計算上は弱まる気配が見えますけど、まだまだ誤差範囲かも??
 弱まるとしても、脊梁山脈越えや峠や谷筋を抜ける雪雲が弱まる程度かもしれません。

 また、西から高気圧の晴天域が広がり始める・・・気配は読み取ることが出来ます。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 ということで、最後は以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ171228
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
 
 紫色は下層雲。

 やはり東~北日本中心の冬型の気圧配置が続く模様。
 今日いっぱいは北西方向から比較的ストレートに雪雲が流れ込み、北西風を受け止める脊梁山脈中心の山雪型の降雪が続くと思われます。

 ただ、明朝には日本海西部で北西風の収束線が発生。
 雪雲の帯が能登半島の西側に流れ込み、北陸西部の平野中心の里雪型の降雪に変わることが示唆されています。

 冬型が弱まるといっても、雪雲を押し流す風の風向や風速の強まりによっては、まだまだシッカリと降る可能性は残っています。
 もうしばらく雪の降り方に要注意・・・ですね。


 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html

拡大GSM新年4日以降171228 拡大GSM171228 
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


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今日が寒波のピーク?新年6日までの空模様(171227)


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現在寒波襲来中!・・・次の寒波は正月寒波?



 (1)北半球上空の気圧配置と気温の動向・・・正月寒波、準備中


 まずは寒波の全体像・・・北半球上空の気圧配置と寒気の動向(実況)から。
 昨夜21時まで6日間の天気図に着色し、アニメ化しておきました。
北半球上空の寒気アニメ171227
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 日本付近には、昨日から強い寒気が南下していますけど、この24時間で-42℃以下の寒気のエリアが急速に縮小していることが分かります

 ご存じのように、地上では急速に発達した爆弾低気圧が北海道の北で停滞中。
 上空の寒気が低気圧を急発達させる(位置)エネルギーとして消費されたと思われます。

 ということで、今回の寒波は今日がピーク?
 在庫の寒気を消費しながら30日(土)頃には東に抜けることが予想されています。

 ただ、(年始・新春?)正月寒波になると思われる寒気塊が、早くも西シベリアで成長中。

週間気温グラフ171227

 これは向こう一週間の気温の傾向(平年差)の最新データ。

 昨日までのデータと同様、30日(土)~31日(日)にかけて気温が上昇した後、西日本から正月寒波と思われる気温の低下が予想されています。


 (2)新年第一週の空模様・・・元日から強い冬型、その後は南岸低気圧??


 そんな寒波が予想されている新年第一週の空模様を、気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってザックリとまとめておきました。

GSM正月6コマ171227
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 元日から西高東低 冬型の気圧配置が強まりますが、ピークを迎えるのは3日頃。
 東~北日本は4日も尾を引きそうですから、新年は長く厳しい冬型の洗礼から始まることになりそうです。

 そして、週末の6日~7日まで正月休みで・・・Uターンは週末当たりになんて考えている方も多いと思いますけど・・・

 驚くなかれ、「計算値通りに推移すれば」5日(金)~6日(土)にかけて南岸低気圧が通過。
 上空約1500m 0℃ラインの位置からすると、関東平野でも雪になる可能性を(現時点で)排除することが出来ません。

 厳しい冬型直後の南岸低気圧・・・日本海側も太平洋側も雪の可能性がある正月になるかもしれません。

GSM正月500図6コマ171227
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは新年6日までの上空約5500mの気圧配置と寒気、偏西強風帯の予想

 3日までの強い冬型は、中心に-40℃以下の強烈な寒気を伴った寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が、ゆっくりと北日本を通過するから。

 南岸低気圧も、次の寒冷渦が南下する直前に太平洋沿岸で強まる偏西風の強風帯と、偏西風強風帯上を東進する上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)によるものと考えられます。

 つまり偏西風の大きな蛇行が原因。
 偏西風の大きな蛇行の原因が温暖化なのか、ラニーニャ現象なのか・・・Kasayanには分かりませんけど・・・ここ数年で最も厳しい空模様の正月になるかも???なんて感じています。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
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今日の空模様・・・冬型に伴う降雪、今日がピーク?


 それでは、ここから今日の空模様


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝の長野市・・・

菅平171227

 久々の本格的な雪。
 午前9時現在、7センチの積雪が観測されています。

 最低気温は-3.3℃(06時29分)で、これぞ長野の冬といった空模様。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況171227

 誰が見ても西高東低 冬型の気圧配置。
 日本海沿岸には雪雲がビッシリ観測されています。

 等圧線の並びに注目すると・・・
 北陸以北は等圧線が南北縦型・・・山雪型(脊梁山脈中心に大雪)の気圧配置。
 一方、山陰付近は弱い気圧の谷の影響で等圧線が東西に斜め気味・・・里雪型(日本海側平野部中心に大雪)の気圧配置。
 朝鮮半島付近から若狭湾にかけて雪雲の帯(JPCZ:日本海寒帯気団収束帯)が見られます。

 衛星の水蒸気画像を見ると、真冬の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が太平洋に抜けようとしているところ。

 昨日からの雪雲の流入方向をチェックしてみると・・・



 どうやら上空の気圧の谷が抜けたタイミングで、北陸以北の雪雲の流れ込みが里雪型に変化(西から北西に変化)したようです。


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM27日171227
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・午前中、-30℃以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が太平洋に抜けた後・・・

 日本付近は北西の偏西風強風帯の場として落ち着く模様。
 サハリンの東に停滞するカットオフロー(偏西風から切り離された低気圧:今回は中心に寒気のコアが無く西側に強い寒気を伴う)を反時計回りに回る上空の気圧の谷が断続的に通過して、周期的に雪雲を強めることが予想されています。

 このため地上では・・・下段の図・・・カットオフロー(切離し低気圧)直下で、低気圧が発達のピークを迎えたまま停滞。
 実際は少しずつ弱まり始めていると思われますけど、等圧線の混雑具合を見れば、全国的な大荒れの天気に目立った変化はなさそうです。

 また、西高東低 冬型に伴う日本海側の降雪も、-35℃以下の寒気がコンスタントに流入するので夜にかけて活発なまま。
 上空の気圧の谷が通過するタイミングで、降り方が強まったり、地吹雪になると思われます。

 さらに、-10℃以下の寒気が太平洋側まで南下。
 広範囲で厳しい寒さになり、Kasayanの住む長野県内でも最高気温が氷点下の真冬日になるかもしれません。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 ということで、最後は以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

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全国流線アニメ171227
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 紫色は下層雲。

 上空の気圧の谷の通過や偏西風強風帯の位置の変化に対応して風の収束線(黄色の点線)の位置が変化し、雪の降り方も微妙に変わることになりそうですけど・・・

 そんな微妙な変化が分からないほど、明日にかけて活発な降雪が続きそうです。

 スキー場には降って欲しいけど・・・
 年の瀬に雪かき仕事・・・増やさないで!!

気象情報171227

 気象庁発表 「暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報」(リンク:「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」というニュース原稿のもとネタ)の防災事項を抜粋しておきました。

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プロフィール

Kasayan

大昔、気象会社や東京の放送局で天気予報番組を作っていたこともありますが今は故郷長野で2回目の日本一周を夢見るただのヨット好き。山岳ガイドのタマゴたちと気象の勉強中。最近多くの時間を野尻湖畔の山小屋で過ごしています。

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