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気が付いてみれば大晦日。3月に入院してブログの更新が途切れたかと思えば、ライブドアブログ OF THE YEAR 2017 職人賞をいただくなど、Kasayanにとっては荒れ模様?激動の?一年でした。今日は「終わりよければすべてよし」の一日にしたいと思います。
北半球上空の寒気流出・・・正月寒波接近中!
まずは寒波の全体像・・・北半球上空の気圧配置と寒気の動向(実況)から。
昨夜21時まで6日間の天気図に着色し、アニメ化してあります。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
現在、日本付近は東海上に抜けた寒気と大陸を南下中の寒気に挟まれた状態。
今夜以降大陸の寒気が南下して、正月寒波が始まることが予想されます。
一方、北米大陸のトランプ寒波?は北大西洋に抜け始めたところ。
また、北極付近に溜まった-42℃以下の寒気が、ここにきてシベリア方面に流れ出し始めたことが分かります。
で、これらの寒気・・・現時点で日本からう~んと離れていますけど・・・
気象庁発表の最新のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を見ると、再び日本の北が北半球上空の寒気の集積場?になる可能性が出始めています。
来年も北半球上空の寒気の様子・・・作図を続けていこうと思います。
元日の空模様と、三が日後の南岸低気圧?について
では正月寒波の影響はどうなるのか?
大晦日の空模様をチェックする前に、明日元日の空模様と、三が日明けに予想されている南岸低気圧の影響についてまとめておきました。
(1)元日の空模様
まずは明日、元日の空模様。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)
停滞する低気圧を軸にして、今度は本州東方の低気圧が発達しながら北上する模様。
西高東低 冬型の気圧配置が強って・・・
上空では-30℃以下の寒気が三陸沖まで流出。
地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)では、強まる北風に乗って津軽海峡より南側で寒気が急速に南下し・・・
津軽海峡より北では東から暖気が流入し、相対的に気温が高めで推移することが予想されています。
このため、北陸~東北日本海側では、冬型に伴う活発な降雪に。
一方北海道では、地上と上空の温度差によって大気の状態が不安定になり、雷とともに横殴りの湿った重い雪が予想されます。
ということで、太平洋側は晴れますけど冷たい北風が吹き抜ける「いかにも冬」な元日に。
若狭湾から雪雲のが流れ込む名古屋方面ではチラチラと雪が舞うかもしれません。
一方、北陸以北の日本海側は正月寒波の降雪がスタート。
正月早々、大雪への対策が必要になりそうです(冬山は厳重注意)。
(2)5日(金)の南岸低気圧・・・Uターンの足への影響に気を付けて
では、東京の週間予報に雪マークが登場した5日(金)の空模様。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)
昨日に引き続き(昨日の記事参照)安定して?南岸低気圧が予想されています。
地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)の-5℃以下の寒気は昨日より若干南下気味。
計算値を素直に読み取れば、5日午前中に関東南部で降るモノがあれば、平地でも雪になると思われます。
ちなみにヨーロッパ中期予報センターも同様の予測。
一方、米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデルでは、降水域が海上を東進する弱い低圧部が予想されているだけ。
現時点では雪になる可能性が高いと考えて、余裕を持ったUターンの計画を立てておきたいところです。
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
今日の空模様・・・西から次第に下り坂!海や山は荒れ模様!
それでは、ここから今日の空模様。
(1)予報のスタートライン・・・実況
今朝の長野市・・・
灰色の空ですが、高層雲を透かして太陽が見えています。
最低気温は-2.3℃(05時06分)で、平年並みといったところ。
今朝は東京で初雪が観測されたようです。
そんな今朝の実況ですが・・・
衛星の水蒸気画像を見ると、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東日本を東進中。
このため東~北日本は、東海上の低気圧と日本海の低気圧に挟まれた高圧部になっていて、日本海側の雪雲も久々に少なくなっています。
一方、上空の気圧の尾根の西側では下り坂。
冬の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴った上空の気圧の谷が朝鮮半島付近に進み、日本海西部を低気圧が発達しながら北東進しています。
このため低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、上空寒気と相まって大気の状態が不安定に。
寒冷前線がかかる山陰付近や暖湿気が流れ込み始めた九州南部~四国付近に雨・雪雲が観測されています。
ということで、今日は西から下り坂。
大晦日ですから、いつ頃?何が降るのか?がいつも以上に問題になります。
(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル
では、今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)
日本海を-30℃以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)がゆっくりと北東進。
今夜までに-35℃以下の寒気の先端で、上空の気圧の谷がカットオフ(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離されること)することが予想されています。
また、太平洋沖を流れる偏西風強風帯に沿って、上空の気圧の谷が断続的に東北東進することも予想されています。
このため地上では・・・下段の図・・・日本海の上空の気圧の谷にドリブル?されて、低気圧が発達しながら北東進。
寒冷前線の降水帯が山陰~東日本をなめるように通過していくことが予想されています。
また、太平洋沖を通過する上空の気圧の谷に対応して四国沖に低気圧が発生。
ゆっくりと発達しながら、降水域とともに関東沖に進むことが予想されています。
ただ、平地で雪を降らせる-5℃以下の寒気の南下はとてもゆっくり。
寒冷前線の降水帯が通過した後、今夜にかけて四国付近まで南下する模様。
ということで、今日降るモノは、標高の高い地域を除いて概ね雨。
標高の高い地域も、北海道付近でも、比較的湿った重い雪になると思われます。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)
日本海の低気圧まで暖かく湿った空気が流れ込みますけど、それほど強さを強調するほどのモノではありません。
ただ、上空には-30℃以下の立派な?冬の寒気が南下。
相対的に大気の状態が不安定になるので、一時的な雨だとしても落雷や突風等に注意をする必要がありそうです。
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ
ということで、最後は以上のチェックポイントを確認しつつ・・・
解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
紫色は下層雲。
こうやって見ると、活発な降水域は前線に対応する風の収束線付近限定といった感じ。
長く降る雨ではなさそうですけど、ピリッとメリハリのある強いモノになる可能性もあります。
降り出しの時間と止む時間、降るモノが雨なのか雪なのか?、雨の後の気温の下がり具合は?
そんなことを気にしながら最寄りの地域の天気予報をチェックして具体的な空模様をイメージし、無事に年越しをしていただきたいと思います。
ということで、今年のブログ更新はこれで終わり。
誤字脱字、意味不明?なブログにお付き合いいただき有難うございました。
来年もよろしくお願いいたします・・・
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 ・天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
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気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html
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