関東甲信地方は、29日(月)の梅雨明けをまたいで3日連続の雷雨発生!
夏山シーズン真っ盛りの長野県では、関東甲信地方の中でも特に雷雲が発生・発達、遅くまで残る傾向が続いていて、とても「梅雨明け十日」の安定した空模様とは言えない状況が続いています。
(4Kタイムラプス動画。長野駅付近から南、菅平高原~美ヶ原高原方面)
昨日も県内では警報が発表される雷雨に。
朝は湿り気タップリの白っぽい空・・・
気温が上昇するとともに、空気中の水滴が水蒸気になって青空が広がり始めたものの・・・
午後からは積乱雲が発達!
レースのカーテンのような中下層の雲の上に、積乱雲の頭(カナトコ)が見え隠れする空模様になりました。
1、暑さいつまで?台風は来るの?・・・厳しい暑さと台風、最新情報!
梅雨明けしてしまった地域では、梅雨のことなどすっかり忘れて猛暑の話題でもちきりに。
まあ、(今朝の段階で)梅雨が続いている東北北部も近々梅雨明けするでしょうから・・・
今日も最初は、目先気になる高温の様子、そして連日お伝えしている来週の?台風に関する最新データをチェック。
(1)昨夜から今夜、明日夜にかけての空模様を天気図で概観
まずは昨日21時の実況天気図⇒今日21時の予想天気図⇒明日21時の予想天気図を使って、現状と目先の空模様を概観しておきましょう。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
太平洋高気圧の南側で、不気味な?低気圧が西進中。
また、領有権争いでホットな南シナ海では、今夜までに台風7号が発生・・・大陸に進むことが予想されています。
連日お伝えしているように・・・賑やかな太平洋高気圧の向こう側、南の海上では台風まで発生することになりました。
一方、太平洋高気圧の尾根(黄色の破線)が南に停滞し・・・太平洋高気圧が真上まで北上してこない日本付近は、引き続き南西風が吹き込みやすい状態。
このためパッと見、暖かく湿った南西風が吹き込んで大気の状態が不安定になり、にわか雨や雷雨の発生しやすい状態が続いているように思われますが・・・
天気図をよ~く見ると、九州付近で高気圧の尾根が北に張り出す傾向が見られ(天気図に描かれない新たな高気圧の中心ができるということ)、関東沖に発生が予想されている新たな高気圧の中心との間(四国沖)に気圧の鞍部(低圧部)の発生を想定することができます。
とすると・・・太平洋上の暖湿気の流れに変化が生じ、暑さの質(体感)やにわか雨や雷雨の発生・発達の程度に微妙に変化が生じることも考えられます。
重箱のスミをつつく(つつき破る?)ような見方ではありますけど・・・
(2)さらに賑やか、南の海上・・・台風発生の可能性はますます高く!
ということで、賑やかな南の海上の未来の空模様・・・
一昨日、昨日と同様、各国のモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)がはじき出した、来週8月7日(水)21時の空模様を比較してみました。
(図をクリックすると拡大します)
気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
昨日と同様、いずれのモデルも太平洋に二つの台風ないし熱帯低気圧を予想。
進路や発達の程度は引き続きばらついているものお、「来週の半ばには台風モードで戦々恐々とする可能性が高い」ということは言えそうです。
しつこいようですけど、いったんスタートしてしまうと天気チェックが困難、あるいはおろそかになりがちな長期の縦走登山、長期のヨットクルージングなどは、南の海上の情報に注意してくださいね!
(3)さらに賑やか、南の海上・・・台風発生の可能性はますます高く!
続いて、南の海上に尾根(軸)を持つ太平洋高気圧の微妙な変化による「暑さの質」や「にわか雨・雷雨」の可能性について。
昨日の記事では、テレビの解説でも伝えられている「上空のチベット高気圧と太平洋高気圧の2枚重ね」について(オマケで)ご紹介しましたが、2枚重ねの状態はまだまだ続く模様。
ただ・・・本来2枚重ねが続く場合、上空の乾燥した熱風が吹き降りてくるため、ジメジメの暑さというより乾いたジリジリの暑さになるはず。
でも、そうなっていないのは、先の天気図でご紹介したように太平洋高気圧の尾根(軸)が南海上にあって、湿った南西風が陸地に吹き込みやすいから・・・と考えらえます。
これは今日から3日間の、上空約1500mの気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という、暖かく湿った空気の様子を表示した特殊な天気図。
太平洋高気圧の尾根が南海上に位置しているため、太平洋高気圧から吹き下ろす乾燥熱風領域も尾根に沿って海上に予想されていることが分かります。
このため、九州方面を迂回した暖湿気が太平洋側から陸地に流れ込んで、ムシムシの暑さとにわか雨や雷雨をもたらしているわけですけど・・・
この点、明後日にかけて乾燥熱風領域が(高気圧が北に張り出す)西日本の西部、さらには日本海沿岸に拡大してくることが予想されています。
ということは・・・ムシムシの暑さがジリジリの暑さに変化するかも??
もっとも、乾燥した熱風と強まる日差しで昇温が強まれば強まるほど、内陸で上昇気流が発達(ヒートローを形成)するとともに湿った海風の流入も活発化することに。
全体的ににわか雨や雷雨の発生エリアは縮小(局地化)するものの、太平洋高気圧が陸地の真上に張り出してこない限り、局地的な激しい雷雨は継続すると考えておいたほうがよさそうです(中部山岳を含む)。
なお、別途北海道には3日連続、大陸から乾燥空気が(帯状に)流れ込み続けることが予想されています。
この帯状のエリア・・・晴天時に猛暑日をもたらす(850hPa:上空約1500m)20℃エリアとピッタリ一致。
北海道の記録的な暑さは、上空の高気圧2枚重ねではなく、今年の5月26日に北海道で記録的な高温が観測されたときと同様、大陸で加熱された乾燥空気が太平洋高気圧の北縁に沿って北海道に流れ込んでいるためと考えらえます。
とすると・・・北海道の高温は、大陸からの暖気の流れが止まるまで続くことになりそうですね。
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
2、今日の空模様・・・今日もやっぱり猛暑とにわか雨又はや雷雨!!
それでは今日の空模様・・・・
(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン
今朝の 長野市街地・・・
梅雨明けしたというのに・・・昨日に引き続き・・・というより昨日以上に水蒸気タップリの白い空。
菅平高原はもちろん、里山すらモヤの向こうに隠れています。
今朝の最低気温は24.4℃(05時14分)でギリギリ熱帯夜を回避。
これからの暑さ、そしてタップリの水蒸気がモクモクの積乱雲に変身するのが気になります。
で・・・そんな今朝の実況ですが・・・
真夏と初夏を分ける元梅雨前線が北海道の北に停滞。
前線南の真夏エリアでは、冒頭でご紹介したように、南海上から太平洋高気圧に覆われ、暖湿南西風が吹き込みやすい状態。
今日も朝からアヤシイ小さな雨雲がポツポツと現れたり消えたりしています。
昨夜15時から今日07時までのレーダー画像と07時の推計気象分布をアニメ化
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
上空の太平洋高気圧の下降気流により「局地的に発生」した雷雲が、次第に組織化しています。
(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル
それでは、今日これからの空模様・・・
気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。
舐めるように天気図をみれば、あれこれ考えどころはありますけど・・・
シンプルに考えると状況にあまり変化はありません。
西~東日本は、今日も上空の太平洋高気圧のコアに覆われ、乾燥した熱風が吹き降りる下降気流エリア。
もちろん高温で・・・湧き上がる雷雲も強くなければ下降気流に踏み潰されてしまう状態(昨日並かそれ以上に局地化?)。
一方、北海道には大陸の暖気を運ぶ南西偏西風が停滞。
好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)も停滞するものの、-5℃以下の寒気に対応して前線帯が停滞。
高温の割にはハッキリしない空模様になると思われます。
そして上空の太平洋高気圧の南側・・沖縄方面には、北海道の北と同じ(太平洋高気圧の東側を延々旅してきた)-5℃以下の寒気が西進。
大気の状態が不安定になることが予想されます。
で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・西~東日本は、南から太平洋高気圧に覆われて猛暑の夏空が継続。
夜にかけては、上昇気流が強まりやすい山沿いや海風の収束線中心(局地化の典型)に、にわか雨または雷雨と思われる降水域が予想されています。
また、道北中心に前線の降水帯が予想されているとともに、降水帯の南側に大陸から続く猛暑をもたらす暖気の「川」が予想されています。
そして沖縄付近・・・不安定性の降水が予想されています。
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ
それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・
解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
紫色は下層雲。
詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・
今日も雷雲が本格的に発達し始める15時の空模様を、気象庁GSMモデルとMSMモデルで比較。
比較するようになってから初めて「両者の予想がほぼ一致」。
MSMモデルで予想されている(松本付近の熱的低気圧・ヒートローに吹き込む)海風の収束線付近を中心に、両者が予想する降水域で雷雲が発生・発達して・・・
上空3000mの西南西風と西北西風に雨雲が流される様子をイメージしながら、最寄りの地域の天気予報を確認するのがおススメです。
※連日、ブログを書いて読み直す時間がありません。
誤字脱字、意味不明・・・ありましたがご容赦ください。
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 ・天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html
KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw
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