気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

2019年07月

 Twitterでは、今日の記事の内容をひとことでまとめています。お時間の無い方・更新時間を知りたい方はご利用ください。https://twitter.com/kasayangw

猛暑と雷雨が続く中、南の海上はにぎやかに!(190731)


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 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??
   


 関東甲信地方は、29日(月)の梅雨明けをまたいで3日連続の雷雨発生!

 夏山シーズン真っ盛りの長野県では、関東甲信地方の中でも特に雷雲が発生・発達、遅くまで残る傾向が続いていて、とても「梅雨明け十日」の安定した空模様とは言えない状況が続いています。


(4Kタイムラプス動画。長野駅付近から南、菅平高原~美ヶ原高原方面)

 昨日も県内では警報が発表される雷雨に。

 朝は湿り気タップリの白っぽい空・・・
 気温が上昇するとともに、空気中の水滴が水蒸気になって青空が広がり始めたものの・・・
 午後からは積乱雲が発達!
 レースのカーテンのような中下層の雲の上に、積乱雲の頭(カナトコ)が見え隠れする空模様になりました。



1、暑さいつまで?台風は来るの?・・・厳しい暑さと台風、最新情報!


 梅雨明けしてしまった地域では、梅雨のことなどすっかり忘れて猛暑の話題でもちきりに。

 まあ、(今朝の段階で)梅雨が続いている東北北部も近々梅雨明けするでしょうから・・・
 今日も最初は、目先気になる高温の様子、そして連日お伝えしている来週の?台風に関する最新データをチェック。


 (1)昨夜から今夜、明日夜にかけての空模様を天気図で概観


 まずは昨日21時の実況天気図⇒今日21時の予想天気図⇒明日21時の予想天気図を使って、現状と目先の空模様を概観しておきましょう。

天気図アニメ190731
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 太平洋高気圧の南側で、不気味な?低気圧が西進中。
 また、領有権争いでホットな南シナ海では、今夜までに台風7号が発生・・・大陸に進むことが予想されています。

 連日お伝えしているように・・・賑やかな太平洋高気圧の向こう側、南の海上では台風まで発生することになりました。

 一方、太平洋高気圧の尾根(黄色の破線)が南に停滞し・・・太平洋高気圧が真上まで北上してこない日本付近は、引き続き南西風が吹き込みやすい状態。
 このためパッと見、暖かく湿った南西風が吹き込んで大気の状態が不安定になり、にわか雨や雷雨の発生しやすい状態が続いているように思われますが・・・

 天気図をよ~く見ると、九州付近で高気圧の尾根が北に張り出す傾向が見られ(天気図に描かれない新たな高気圧の中心ができるということ)、関東沖に発生が予想されている新たな高気圧の中心との間(四国沖)に気圧の鞍部(低圧部)の発生を想定することができます。

 とすると・・・太平洋上の暖湿気の流れに変化が生じ、暑さの質(体感)やにわか雨や雷雨の発生・発達の程度に微妙に変化が生じることも考えられます。
 重箱のスミをつつく(つつき破る?)ような見方ではありますけど・・・



 (2)さらに賑やか、南の海上・・・台風発生の可能性はますます高く!


 ということで、賑やかな南の海上の未来の空模様・・・
 一昨日、昨日と同様、各国のモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)がはじき出した、来週8月7日(水)21時の空模様を比較してみました。

台風モデル比較190731
(図をクリックすると拡大します)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 昨日と同様、いずれのモデルも太平洋に二つの台風ないし熱帯低気圧を予想。
 進路や発達の程度は引き続きばらついているものお、「来週の半ばには台風モードで戦々恐々とする可能性が高い」ということは言えそうです。

 しつこいようですけど、いったんスタートしてしまうと天気チェックが困難、あるいはおろそかになりがちな長期の縦走登山、長期のヨットクルージングなどは、南の海上の情報に注意してくださいね!




 (3)さらに賑やか、南の海上・・・台風発生の可能性はますます高く!


 続いて、南の海上に尾根(軸)を持つ太平洋高気圧の微妙な変化による「暑さの質」や「にわか雨・雷雨」の可能性について。

 昨日の記事では、テレビの解説でも伝えられている「上空のチベット高気圧と太平洋高気圧の2枚重ね」について(オマケで)ご紹介しましたが、2枚重ねの状態はまだまだ続く模様。

 ただ・・・本来2枚重ねが続く場合、上空の乾燥した熱風が吹き降りてくるため、ジメジメの暑さというより乾いたジリジリの暑さになるはず。
 でも、そうなっていないのは、先の天気図でご紹介したように太平洋高気圧の尾根(軸)が南海上にあって、湿った南西風が陸地に吹き込みやすいから・・・と考えらえます。

相当温位3コマ190731
(図をクリックすると拡大します)

 これは今日から3日間の、上空約1500mの気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という、暖かく湿った空気の様子を表示した特殊な天気図。

 太平洋高気圧の尾根が南海上に位置しているため、太平洋高気圧から吹き下ろす乾燥熱風領域も尾根に沿って海上に予想されていることが分かります。
 このため、九州方面を迂回した暖湿気が太平洋側から陸地に流れ込んで、ムシムシの暑さとにわか雨や雷雨をもたらしているわけですけど・・・

 この点、明後日にかけて乾燥熱風領域が(高気圧が北に張り出す)西日本の西部、さらには日本海沿岸に拡大してくることが予想されています。

 ということは・・・ムシムシの暑さがジリジリの暑さに変化するかも??

 もっとも、乾燥した熱風と強まる日差しで昇温が強まれば強まるほど、内陸で上昇気流が発達(ヒートローを形成)するとともに湿った海風の流入も活発化することに。
 全体的ににわか雨や雷雨の発生エリアは縮小(局地化)するものの、太平洋高気圧が陸地の真上に張り出してこない限り、局地的な激しい雷雨は継続すると考えておいたほうがよさそうです(中部山岳を含む)。

 なお、別途北海道には3日連続、大陸から乾燥空気が(帯状に)流れ込み続けることが予想されています。

 この帯状のエリア・・・晴天時に猛暑日をもたらす(850hPa:上空約1500m)20℃エリアとピッタリ一致。
 北海道の記録的な暑さは、上空の高気圧2枚重ねではなく、今年の5月26日に北海道で記録的な高温が観測されたときと同様、大陸で加熱された乾燥空気が太平洋高気圧の北縁に沿って北海道に流れ込んでいるためと考えらえます。

 とすると・・・北海道の高温は、大陸からの暖気の流れが止まるまで続くことになりそうですね。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     


2、今日の空模様・・・今日もやっぱり猛暑とにわか雨又はや雷雨!!


 それでは今日の空模様・・・・


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の 長野市街地・・・

菅平190731

 梅雨明けしたというのに・・・昨日に引き続き・・・というより昨日以上に水蒸気タップリの白い空。
 菅平高原はもちろん、里山すらモヤの向こうに隠れています。

 今朝の最低気温は24.4℃(05時14分)でギリギリ熱帯夜を回避。
 これからの暑さ、そしてタップリの水蒸気がモクモクの積乱雲に変身するのが気になります。

 で・・・そんな今朝の実況ですが・・・

実況190731

 真夏と初夏を分ける元梅雨前線が北海道の北に停滞。

 前線南の真夏エリアでは、冒頭でご紹介したように、南海上から太平洋高気圧に覆われ、暖湿南西風が吹き込みやすい状態。
 今日も朝からアヤシイ小さな雨雲がポツポツと現れたり消えたりしています。

昨夜15時から今日07時までのレーダー画像と07時の推計気象分布をアニメ化
 
全国レーダー07時まで190731
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
 
 ※今日は少し長め、雷雲の発達初期の15時から16時間のレーダー画像をアニメ化してあります。
  上空の太平洋高気圧の下降気流により「局地的に発生」した雷雲が、次第に組織化しています。





 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM31日190731
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 舐めるように天気図をみれば、あれこれ考えどころはありますけど・・・
 シンプルに考えると状況にあまり変化はありません。

 西~東日本は、今日も上空の太平洋高気圧のコアに覆われ、乾燥した熱風が吹き降りる下降気流エリア。
 もちろん高温で・・・湧き上がる雷雲も強くなければ下降気流に踏み潰されてしまう状態(昨日並かそれ以上に局地化?)。

 一方、北海道には大陸の暖気を運ぶ南西偏西風が停滞。
 好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)も停滞するものの、-5℃以下の寒気に対応して前線帯が停滞。
 高温の割にはハッキリしない空模様になると思われます。

 そして上空の太平洋高気圧の南側・・沖縄方面には、北海道の北と同じ(太平洋高気圧の東側を延々旅してきた)-5℃以下の寒気が西進。
 大気の状態が不安定になることが予想されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・西~東日本は、南から太平洋高気圧に覆われて猛暑の夏空が継続。
 夜にかけては、上昇気流が強まりやすい山沿いや海風の収束線中心(局地化の典型)に、にわか雨または雷雨と思われる降水域が予想されています。

 また、道北中心に前線の降水帯が予想されているとともに、降水帯の南側に大陸から続く猛暑をもたらす暖気の「川」が予想されています。

 そして沖縄付近・・・不安定性の降水が予想されています。




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ190731
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

GSMMSM比較190731
(図をクリックすると拡大します)

 今日も雷雲が本格的に発達し始める15時の空模様を、気象庁GSMモデルとMSMモデルで比較。

 比較するようになってから初めて「両者の予想がほぼ一致」。

 MSMモデルで予想されている(松本付近の熱的低気圧・ヒートローに吹き込む)海風の収束線付近を中心に、両者が予想する降水域で雷雲が発生・発達して・・・
 上空3000mの西南西風と西北西風に雨雲が流される様子をイメージしながら、最寄りの地域の天気予報を確認するのがおススメです。

 ※連日、ブログを書いて読み直す時間がありません。
  誤字脱字、意味不明・・・ありましたがご容赦ください。



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
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KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


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 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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大気不安定継続!雷雨エリアに変化??南の海上 最新データ!(190730)


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 昨日も午後から活発な雷雨が発生!

 早朝05時から夜20時まで15時間、長野駅付近から南、菅平高原~美ヶ原高原方面の空模様をタイムラプス撮影してみました。


(4Kタイムラプス動画 30秒 長野駅付近から南 菅平高原~美ヶ原高原方面)

 同時間帯のレーダー映像で分かるように、発生した雷雲はゆっくりと南東進。
 つまり・・・カメラの前で発生するものの次第に遠ざかることに。

 このため、2日連続「迫力のない積乱雲の映像」になってしまいました・・・orz



1、今日も気になるのは・・・厳しい暑さと台風ですよね?


 昨日は関東甲信地方で梅雨明け。
 いわゆる中部山岳地帯も梅雨明けしたということで、お花畑満開の3000m級の夏山登山も最盛期を迎えることになります。

 この時期・・・昔は「梅雨明け十日」と言って、「雷雨も少なく、台風の接近も少ない」夏山登山に適した安定した夏空が続くと言われていたのですが、ここ数年はにわか雨や雷雨が多く、とても安定した夏空が続くとは言えない空模様になっています

 今年はどうなのか?気になる所ですよね??


 (1)梅雨明け十日の空模様は?・・・西日本だけ??


 とりあえず梅雨明け直後・・・昨日21時から明日21時までの気圧配置の変化をチェックしておきました。

天気図アニメ190730
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 確かに梅雨前線は跡形もなくなり、東に中心を持った太平洋高気圧に覆われ続けることが予想されています。

 ただ・・・昨日と同様、太平洋高気圧の軸(黄色の点線:尾根)は南の海上。
 高気圧の西側の縁を回って、暖かく湿った空気が流れ込みやすくなっているのが分かります。

 このため、西~東日本は明日にかけても大気の状態が不安定。
 「梅雨明け十日」とはとても言えない、にわか雨や雷雨の発生しやすい状態が続ように思われます。

 ただ・・・今夜にも、太平洋高気圧の軸が九州付近で途切れ、明日にかけて途切れた場所(気圧の鞍部)が東に移動することが予想されています。
 (いわゆるクジラの尾型の気圧配置に近づいてくる感じ)

 このため太平洋高気圧の縁を回って九州方面から流れ込んでいた暖湿気が、気圧の鞍部で近道して太平洋側から流入することになり・・・
 明日以降、にわか雨や雷雨の発生しやすいエリアが東日本に限定されてくるかもしれません。

 とすると・・・西日本はムシムシの夏からジリジリの夏に変化。
 東日本はムシムシの夏が継続してにわか雨や雷雨の発生が継続してしまう??

 厳しい暑さは別として、とりあえず西日本だけは「梅雨明け十日」を期待できるかもしれません。

 ※ごめんなさい・・北日本は太平洋高気圧の北縁にあたり暑い南西風が吹き込み続ける可能性大。
  高温傾向がしばらく続いてしまうかも??



 (2)にぎやかになってきた南の海上・・・台風発生の可能性は??


 続いて、もう一つ気になることは・・・太平洋高気圧の南側で低気圧が発生し、にぎやかになり始めた南の海上のこと。
 夏休みのレジャーを吹っ飛ばしてしまう台風発生の可能性をチェックしておきましょう。

高層実況29日21時190730
(図をクリックすると拡大します)

 これは昨日(29日)21時の高層実況天気図

 テレビの天気予報では、太平洋高気圧と上空のチベット高気圧の2枚重ねになって厳しい暑さになります・・・なんて伝えられていますが・・・ここで注目したいのは、日本の南東海上のこと。
 相対的に上空の気圧の谷が形成されていて、2か所ほど「L」スタンプを打たれた低気圧が解析されていることが分かります。

 この低気圧がそのまま台風になる・・・なんていうことは分かりませんけど・・・この低気圧の北側に北海道上空と同じー6℃以下の寒気が南下していることが気になるところ(チベット高気圧と同じ高さでは-20℃以下の寒気が南下しています)。

 暖かい南の海に寒気が南下してくれば、モクモクと水蒸気が湧き上がって発生するスコールの雨雲がより発達し・・・まとまれば台風になる可能性大。
 (上空のシアにもよりますけど)。

 ということで、気になるこの海域の未来の空模様(8月7日)を、気象庁・米国気象機関(NOAA)・ヨーロッパ中期予報センターのシミュレーション(モデル)を使ってチェックしておきました。

台風モデル比較7日190730
(図をクリックすると拡大します)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 昨日の記事でご紹介した天気図(同じく7日)にも、同心円状の発達した低気圧が予想されていましたけど・・・
 もはや誰が見ても台風・・・ですよね?・・・が、南の海上を跋扈する様子が予想されています。

 さすがに、進路云々を考えられる状況ではありませんけど、南の海上に熱帯低気圧や台風が発生する可能性が高まっている・・・ということは言えそうです。

 まだ先のことですけど、いったんスタートしてしまうと天気チェックが困難、あるいはおろそかになりがちな長期の縦走登山、長期のヨットクルージングなどは、南の海上の情報に注意していただきたいと思います。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     


2、今日の空模様・・・引き続き、にわか雨や雷雨が発生!


 それでは今日の空模様・・・・


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の 長野市街地・・・

菅平190730

 梅雨明けしたというのに、思いっきり白っぽい青空。
 水蒸気タップリ・・・ムシムシ感いっぱいの空模様になっています。

 最低気温は21.7℃(04時52分)。
 09時には27℃を超えてきました。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況190730

 引き続き、東から張り出す太平洋高気圧が優勢。
 記事冒頭でチェックしたように、太平洋高気圧の軸(黄色の点線:尾根)が南の海上にあるため、太平洋側から暖かく湿った南西風が吹き込みやすい状態が続いています。

昨夜19時から今日07時までのレーダー画像と07時の推計気象分布をアニメ化

全国レーダー07時まで190730
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 ※日本海から暖湿気が流れ込んで北海道では不安定性の雨雲が発生。
  暖湿気の通り道にあたる南西諸島や西~東日本太平洋側にも不安定性の雨雲が点在しています。





 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM30日190730
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 今日も北から・・・

 好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が北海道を通過。
 直後を、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が追いかけるので、北海道は一時的に回復傾向。

 一方、西~東日本は上空の太平洋高気圧に覆われ続け、夜には上空の太平洋高気圧のコアに覆われ、上空から熱帯由来の熱風が吹き降りてくることが予想されています。
 ※南の海上は上空の気圧の谷(低圧部)で、-5℃以下の寒気が南下することが分かります。

 このため地上でも、東から張り出す太平洋高気圧が優勢。
 また、上空の太平洋高気圧の中心が南の海上に位置しているのに対応して、太平洋高気圧の軸(黄色の点線:尾根)は引き続き南の海上。
 暖かく湿った南西風が吹き込み続けることが予想されています。

 ただ、等圧線の張り出し具合をよく見ると、四国の南付近で軸(曲線の頂点)がズレていることが分かります。
 このため四国の南付近が、いわゆるクジラの尾型の太平洋高気圧の尾っぽの付け根に(気圧の鞍部)なって、暖かく湿った南西風の通り道になる模様。
 今日、予想されているにわか雨又は雷雨と思われる降水域は四国~関東甲信になっていることと対応してるのが分かります。

相当温位190730
(図をクリックすると拡大します)

 これは上空約1500mの気温に水蒸気の様子も加味した相当温位図という特殊な天気図。

 暖湿気の流入の様子が分かると同時に、九州方面では高気圧吹き下ろしの乾燥した空気のエリアが拡大することが予想されています。
 ムシムシの夏からジリジリの夏へ??




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ190730
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 ポイントはアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 一昨日から、にわか雨又は雷雨の予想・・・MSMモデルよりGSMモデルのほうが実況に忠実。
 MSMモデルの予想は過少気味の状態が続いていました。

GSMMSM実況比較16時190729
(図をクリックすると拡大します)

 これは、昨日16時の実況とGSMモデル・MSMモデルの予想を比較したものですが・・・

 明らかにGSMモデルの予想が実況に近いことが分かります。

 そこで、GSMモデルとMSMモデルの今日15時の予想を比較してみると・・・

15時GSMMSM比較190730
(図をクリックすると拡大します)

 昨日までと正反対・・・暖湿気が流れ込むであろう太平洋側(南ア・秩父付近)の降水がGSMモデルに予想されていません。

 上空の太平洋高気圧のコアに覆われ、積乱雲のタマゴが高気圧の下降気流に踏み潰されるとしても少々過少な感じ・・・

 今日はMSMモデルを参考にイメージを組み立てておいたほうが無難かもしれません。

 また、上空(約3000m)の風・・・弱そうですけど、MSMモデルでは5m/s前後の西風は吹く予想。
 とりあえず、西の空のご注意を!

 【19時30分追記
 昨日までとは逆転・・・今日はMSMモデルのほうが実況に忠実だったようです。
 (特に太平洋側)

 今日(30日)17時 GSMモデル・MSMモデル・気象レーダー比較

.GSMMSMレーダー比較190730
(図をクリックすると拡大します)



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
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西~東日本 今日も大気不安定!気になる次の台風は??(190729)


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 昨日、熱帯低気圧が通過した後、午後から局地的に雷雨が発生しました。


(4Kタイムラプス動画 30秒 長野駅付近から南 菅平高原~美ヶ原高原方面)

KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw

 久々に防水カメラに外部電源を供給し、12時から19時30分まで7時間半の菅平高原~美ヶ原高原方面の空模様を撮影(同時間帯のレーダー画像もアニメ化)。
 
 菅平高原や美ヶ原高原方面に湧き上がった「積乱雲がカメラから遠ざかっていく」という”迫力のない動画”が取れました・・・orz

風と雨13時190728
(図をクリックすると拡大します)

 というのも、湧き上がった雨雲を押し流す上空3000mの風が北西風だったから。
 ※上図は昨日13時のレーダー画像と上空の風の様子

 今日も似たような空模様が続きそうですが・・・今日の撮影・・・どうなりますやら??



1、今日も気になるのは・・・梅雨明け、そして厳しい暑さと台風ですよね??


 昨日は東海地方で梅雨明けの発表があったものの、関東甲信地方では「激しい雷雨の発生を考慮してか?」梅雨明けの発表は見送られました。

 だとすると・・・今日も雷雨の発生が予想されていますから、再び梅雨明け発表は延期??なんて考えてしまいますけど、「もはや予報官の胸先三寸」といったところでしょう(Kasayanと同様「石橋を叩いて落とす?」予報官なのかもしれません)。

 そんなことを考えながら・・・今日から明日にかけての実況・予想天気図をチェックしておきました。

天気図アニメ190729
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 元台風6号の温帯低気圧が遠ざかるとともに、西~東日本中心に太平洋高気圧に覆われ始めていますけど・・・

 明日にかけて、太平洋高気圧「山」の「尾根」は南の海上。
 太平洋高気圧から吹き出す南西風が太平洋の暖かく湿った空気を陸地に運び込む状況が予想されています。
 このため西~東日本は大気の状態が不安定・・・にわか雨や雷雨が発生しやすい状態が続くと思われます(この状態、予報官はどのような考えるんでしょうね?)。

 また、太平洋高気圧の南側では対流活動(上昇気流域)が活発化。
 今朝の実況天気図から(アヤシイ?)低気圧が解析されるようになり、今夜の予想天気図からフィリンピンの西の海上に熱帯低気圧が予想され始めています。

 太平洋高気圧「山」の「尾根」が本州上まで張り出せば、見事な?夏の気圧配置になって、(ジメジメではなく)ジリジリの夏空に。
 また、台風や熱帯低気圧も容易に近づけないんですけど・・・何かイマヒトツの気圧配置・・orz

 にわかに騒がしくなってきた南海上の「未来の空模様」も気になるのが普通でしょうから、各国のモデルの予想期間の最大公約数?の240時間先、8月7日(水)21時の空模様を比較しておきました(あくまで「計算値」にすぎませんのでご注意を)。

台風モデル比較190729
(図をクリックすると拡大します)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 今の段階でバタバタする必要は「まったくありません」けど・・・
 この時期はアウトドアレジャーの最盛期。

 長距離縦走など長期間の夏山登山(親不知からの北ア縦走なんてイイですよね?)とか、長期間のクルージング(伊豆諸島巡りや瀬戸内海の島巡りもイイですよね?)を予定している方は、天気チェックの際、最寄りの地域の予報だけでなく、必ず南海上の様子にも気配りをしていただきたいと思います。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     


2、今日の空模様・・・今日もにわか雨や雷雨は局地的?GSM・MSMどちらが有利??


 それでは今日の空模様から・・・・


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の 長野市街地・・・

菅平190729

 昨日の朝は青空と縦型(モクモク系)の雲が優勢だったのですが・・・

 昨日の雷雨を経て、再び縦型・横型(層状系)混在の空模様。
 青空はほとんど見えていません(この状況を予報官が見たら悩みそう)。

 最低気温は23.0℃(05時00分)。
 08時には早くも25℃を超えてきました(湿度81パーセント)。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況190729

 冒頭の天気図アニメでご紹介したように、西~東日本中心に太平洋高気圧に覆われていて・・・
 太平洋側から暖かく湿った南西風が吹き込みやすい状態。

 さらに、日本海でも暖かく湿った南西風が北海道に向けて北上しやすい気圧配置になっています。

 また、日本付近は南から上空の太平洋高気圧に覆われていて、少なくとも西~東日本ではこの状態がすぐに解消するような状況にありません。

 とすると・・・やはり今日もにわか雨や雷雨が発生??
 では、どこで?どの程度??

昨夜19時から今日07時までのレーダー画像と07時の推計気象分布をアニメ化

全国レーダー07時まで190729
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 ※日本海への暖湿南西風の流入と上空の気圧の谷の通過に伴い、北陸では朝から雨になっているようです。





 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM29日190729
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 北から順に・・・北海道では、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東海上に抜け・・・
 -5℃以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の浅い気圧の谷(正渦度極大値)が断続的に通過。
 下り坂、そして大気の状態が不安定になることが予想されます。

 一方、西~東日本は上空の太平洋高気圧(高度5880m)に広く覆われるものの・・・従来のように上空の太平洋高気圧が地上の太平洋高気圧の張り出しの目安になっておらず・・・
 代わりに上空の太平洋高気圧のコア(高度5910m)が地上の太平洋高気圧の張り出しに目安に。

 加えて、上空の太平洋高気圧のコアの北縁には緩やかな流れが形成され、弱い悪天パワーを持った上空の浅い気圧の谷(正渦度極大値)が断続的に北陸~北関東・東北南部を南東進。
 さらに太平洋側上空には、-5℃以下の(上空のコア東側を回り込んで南下してきた)寒気が流れ込むことが予想されています。

 このため日本海側・・・太平洋側・・・ともに大気の状態が不安定。
 上空の太平洋高気圧のコアに覆われ下降気流優勢の中、局地的に積乱雲(雷雲)が発生することが想定されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・寒気を伴う上空の気圧の谷の通過に対応して、北海道を(寒冷前線のような)暖湿南西風の収束線の降水帯が通過。
 つきなみですが、短時間強雨・落雷、竜巻等の突風の発生が心配されます。

 また、西~東日本では、上空の太平洋高気圧のコアに対応して太平洋高気圧が張り出すものの、高気圧「山」の「尾根」は(当然ですが予想天気図と同様)南の海上。
 暖かく湿った空気が流れ込み、昇温がピークを迎える午後、広範囲でにわか雨や雷雨と思われる降水域が予想されています(図は21時なので、降水域が太平洋側に流された後の様子)。

相当温位190729
(図をクリックすると拡大します)

 これは上空約1500mの気温に水蒸気の様子も加味した相当温位図という特殊な天気図。

 昨日同様、太平洋側、日本海側、双方から暖湿気が流れ込みやすい状況。

 したがって、広範囲で・・・それも(風が弱いので)山岳風上斜面というより・・・上昇気流が強まりやすい山岳南?斜面や、(海風等の)風の収束線を中心に、(上空の太平洋高気圧の下降気流にも押しつぶされないだけの)上昇気流が特に活発なエリアで局地的ににわか雨や雷雨が発生する様子がイメージされます。




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ190729
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 北日本に予想されている暖湿南西風収束線に沿った降水帯についてはGSMモデルとほぼ同様。

 一方、昨日と同様、西~東日本の不安定性の降水域は、GSMモデルからイメージされる降水域ほど広範囲に予想されていません。

 MSMモデルとGSMモデルの15時の予想を比較してみると・・・

15時GSMMSM比較190729
(図をクリックすると拡大します)

 MSMモデルの予想はかなり局地的・・・になっていることが分かります。
 
 で・・・天気図をよーく見ると・・・天気図上、予想されている熱的低気圧(ヒートロー:昇温によって発生する局地的・一時的な小さな低気圧。海風を強め・集める作用を持っています)の位置や下図に違いが・・・

 GSMモデルは北関東や長野県中部に発生した熱的低気圧付近や、海風が収束する南ア・秩父付近で降水が強まり、上空の風に乗って緩やかに南下する傾向を示唆しているのに対して、MSMモデルは北関東と山梨県付近で発生する熱的低気圧付近でのみ活発な降水を予想していることが分かります。

 ちなみに、雨雲を押し流す風、地面付近、上空約1500mの暖湿気の流入については両者ほぼ同様。

 この点、昨日は解像度の高いMSMモデルよりGSMモデルのほうが実況に忠実でしたが・・・

28日16時GSM MSM比較190728
(図をクリックすると拡大します)

 ※昨日昼前のNHK(全国ネット)の天気予報では、MSMモデルを使って解説。
  雨雲の流れる方向についても補足説明がなかったため、関東平野での雷雨について、
  大きな誤解を生じたと思います。
  雷雨の発生予想をモデルで解説する場合、補足説明なく単一時間の予想を使うのは不適当だと思います。
 
 今日はどちらの予想に近いでしょうか??

 ちなみに午前中に関しては、GSMモデルの太平洋側の降水の予想がやや過剰。
 この流れからすると、今日はMSMモデルのほうが優勢と思われますけど・・・熱的低気圧の発生位置が少々気に食わない・・・

 安全を見ればGSMモデルからイメージしておくのがイイんじゃないかと思います。

  【14時35分追記
 本日もGSMモデルのほうが、明らかに実況に忠実。

GSMMSM実況比較14時190729
(図をクリックすると拡大します)

 なぜMSMの予想が過少なのか?理由を考えないと・・・



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
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 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
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KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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熱低去っても太平洋高気圧の張り出しイマイチ!大気の状態不安定!!(190728)


・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??
   


 台風6号は、上陸して熱帯低気圧になり、上空の太平洋高気圧に踏み潰され、中部山岳を超えてもシッカリと渦を巻き、最後まで熱帯低気圧らしく?振舞っていました。

 その理由・・・今後の台風の影響をイメージする上でよく考えておいたほうがイイかもしれません。

GIFアニメ中部レーダー190728
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)


1、梅雨が明けて気になるのは・・・厳しい暑さと台風ですよね??


 関東甲信地方の梅雨明けを混乱させた台風6号・・・
 すぐに熱帯低気圧に逆戻り・・・そして温帯低気圧化しながら東海上に抜けようとしています。

 そして天気予報番組では・・・週間予報の天気マークと気温を指して「夏空、そして厳しい暑さが続きます」なんて伝えられています。

 でも・・・具体的にどうなるのよ?
 週間予報を作成する資料で、向こう一週間の天気や気温の傾向をチェックしておきました。

週間高層天気図190728
(図をクリックすると拡大します)

 これは明後日から6日間の高層天気図

 左側の図は地上の空模様の骨格といえる500hPa(上空約5500m)の気圧配置と梅雨前線に対応する偏西風強風帯の様子。
 右側の図は、地形や日変化のい影響を受けにくい850hPa(上空約1500m)の気温の様子が描かれています。

 で・・・一番のポイントは・・・

 (左側の図)西~東日本がず~っと上空の太平洋高気圧(高度5880m)に覆われ続けるということ。
 8月1日にかけては道南まで上空の太平洋高気圧に覆われるため、梅雨前線が道北付近まで北上し、西~東日本はもちろん北日本の広範囲でも夏空になることが予想されます。
 ※前線帯が停滞しやすい北海道は道北中心に雲や雨の多い状態が継続。

 また、北に張り出した上空の太平洋高気圧北縁に沿って北日本に暖気が流入(右側の図)。
 北海道でも猛暑になることが心配されます。

 ということで・・・Kasayan的には少々腑に落ちないこともあるんですけど・・・概ねこんなことが読み取れます。

週間6コマ190728
(図をクリックすると拡大します)

 これは高層天気図に対応した明後日から6日間の地上の気圧配置と24時間の降水域

 確かに東海上から太平洋高気圧に覆われ夏空が予想されていますし・・・
 北海道には北上した梅雨前線の降水域が断続的にかかり続けることが予想されています。

 ここでKasayanが心配しているのは・・・

 まず、上空の太平洋高気圧の北への張り出しの割には、地上の太平洋高気圧の西への張り出しの軸(東西方向の尾根)の位置が低すぎるのでは??ということ。
 高気圧の西への張り出しの軸が太平洋沿岸より南になると、暖かく湿った南西風が吹き込んで大気の状態が不安定に。
 夏山登山、アウトドアレジャーの最盛期に連日の雷雨になってしまうことが心配されます。

 次に太平洋高気圧の南側にベッタリと降水域が予想されているということ。
 モクモクと雲が湧き上がる証拠ですから、そこにアレ?が発生しても不思議ではありません。

 いずれも取り越し苦労ならイイんですけど、突然沸いた(計算上はずっと予想されていましたけど)台風6号のように、何があるかわからないのがエルニーニョ現象直後の天候。
 用心深く追いかける必要がありそうです。

 なお・・・向こう一週間の気温傾向(平年差)は以下のようになっています。

週間気温グラフ190728

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
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2、今日の空模様・・・にわか雨や雷雨は組織的?それとも局地的??


 それでは今日の空模様から・・・・


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の 長野市街地・・・

菅平190728

 菅平高原方面(写真左奥)では・・・昨夜の雨が蒸発し、まるで「背の低い入道雲」のような雲が里山の稜線を覆っています。

 早朝、広がっていた青空には、気温の上昇とともに元気な積雲が浮かび始め・・・
 信州も梅雨明け!!と言えそうな空模様になっています。

 今朝の最低気温は22.4℃(03時54分)。
 08時には25℃を超えています。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況190728

 台風6号崩れの熱帯低気圧が東海上に抜けようとしていて・・・
 北日本では、寒冷前線が北海道の東に抜けたところ。

 これらの悪天要素が完全に抜けきってしまえば、東から(西日本の南側を回り込むように)張り出す太平洋高気圧に覆われる状態です(熱低部分がくびれているので、形だけはクジラの尾型に似ていますよね)。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・西から好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(偏西風の北側への蛇行域)が接近中。
 期待通り?太平洋高気圧に覆われ・・・足踏みしていた梅雨明けの発表もありそうですが・・・どうなりますやら??

昨夜19時から今日07時までのレーダー画像と07時の推計気象分布をアニメ化

全国レーダー07時まで190728
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 ※台風が熱帯低気圧に変化しても、中部山岳を超えるまではシッカリと渦を巻いていました。
  当初、上空に寒気が流れ込むような中途半端な台風でしたが、最後は台風らしく(熱低らしく)!
  このような振る舞いには少々驚きました。





 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM28日190728
(図をクリックすると拡大します)

  まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 空模様の骨格は比較的シンプル・・・

 熱帯低気圧は上空の気圧の谷に取り込まれて温帯低気圧化しながら東海上へ。

 北日本を通過していた寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)も東海上に抜け・・・

 代わって、上空の太平洋高気圧が津軽海峡付近まで張り出し、北海道には好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が接近。

 天気は一気に回復傾向・・・夏空優勢の空模様の骨格が予想されています。

 ただ・・・このような空模様の骨格に対応する地上の空模様はシンプルではありません。

 下段の図・・・西~東日本は、上空で上空の太平洋高気圧(高度5880m)どころか上空の太平洋高気圧のコア(高度5910m)にも覆われているものの・・・・地上の太平洋高気圧にはイマヒトツ覆われておらず、縁辺の暖かく湿った南西風が吹き込みやすい状態。

 熱帯低気圧が残していった暖湿気と新たに太平洋から流れ込んだ暖湿気、そして晴天による昇温によって、大気の状態が不安定に・・・
 にわか雨又は雷雨と思われる降水域が予想さています。

 上空の太平洋高気圧(強い下降気流域)に覆われるため、にわか雨や雷雨は局地的になることも想定されますが・・・それにしてもかなり広範囲の降水域?
 計算値をどう評価して良いのか??悩むところ・・・・

 この点、太平洋高気圧とは無関係に上空の気圧の尾根の影響を受ける北海道・・・
 こちらは、かなりイイ感じに晴れそうです。

相当温位190728
(図をクリックすると拡大します)

 これは上空約1500mの気温に水蒸気の様子も加味した相当温位図という特殊な天気図。

 残留する暖湿気、日本海側から流れ込む暖湿気、そして太平洋から流れ込む暖湿気・・・
 暖湿気の量はタップリ。

 これに対して、太平洋高気圧の下降気流と昇温がどのように作用するのか?悩ましいところです。




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ190728
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 暖かく湿った南西風が吹き込む太平洋側の降水はイマヒトツ。
 太平洋側でも活発な降水を予想しているGSMモデルとは少々傾向が異なります。

 一方、日本海から流れ込む暖湿気の影響で日本海側の降水は比較的活発・・・
 上層に南下する寒気の影響も考えられますが・・・どうなんだろう??

 いずれにしても、太平洋側、日本海側、いずれにおいても(広範囲でないとしても)局地的に激しい雷雨が発生してもおかしくない状況(局地的な雷雨が移動することはありますが)。

 夏山登山、アウトドアレジャー・・・楽しみたい時期ですけど、「多分大丈夫だろう」ではなく「・・・だから大丈夫」というように、理由を考えて行動していただきたいと思います。

  17時追記
 MSMモデルよりGSMモデルのほうが実況に近い予想になっていました。
 解像度が高いといってMSMモデル通りになるとは限らないのが難しいところです。

28日16時GSM MSM比較190728
(図をクリックすると拡大します)



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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台風6号の影響 最新データ!(190727)


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(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??
   


 昨日の新潟県境 信濃町 野尻湖畔。

野尻湖畔26日ロング190727
(クリックすると写真が拡大します)

 パーフェクトは青空とはいかないものの、梅雨らしい横型(層積雲系)の雲より、夏らしい縦型(積雲系)の雲のほうが優勢。

 久しぶりに30℃を越えたので、湖水浴やディンギー、ウィンドサーフィンが大盛況。

野尻湖畔26日190727

 ディンギーが一斉に艇庫から運び出され、湖畔は色とりどりのハル(船体)でにぎやかになりました。

 カーステレオには、ボサノバがピッタリ。


1、熱帯低気圧 最新データ!・・・上陸早々、熱帯低気圧になったとしても・・・



 (1)熱帯低気圧 ・・・今夜には再び熱帯低気圧に?


 これは昨夜19時から今日07時までのレーダー画像と07時の推計気象分布をアニメ化したもの。

全国レーダー07時まで190727
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 台風6号本体の雨雲が紀伊半島にかかり始めていて・・・

 気象庁からは、台風6号が07時頃、三重県南部(熊野?尾鷲付近??)に上陸したとの発表がありました。

天気図アニメ190727
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 これは昨夜21時の実況天気図⇒今夜21時の予想天気図⇒明日夜21時の予想天気図をアニメ化したもの。

 テレビやネットでご存知のように、台風6号は今夜までに熱帯低気圧(風速17m/s未満)に戻り、明日の夜にかけて関東の東海上に抜けることが予想されています。

 したがって、頻繁に更新される台風や熱帯低気圧の位置は、以下のURLでコマメにチェックしていただくのが一番!

 気象庁台風進路予報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/ 
 米軍(JTWC)進路予報: https://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html

 このブログでは、台風6号あるは熱帯低気圧が通過に伴う具体的な空模様をチェックしていきたいと思います。


 (2)太平洋高気圧の南側・・・熱帯の海では対流活動が活発???


 ただ・・・その前に・・・先にご紹介した明日夜の予想天気図には、今日も気になる「Lマーク」。
 明日21時の予想天気図のフィリピン東方海上に予想されている低気圧について少しだけ・・・

 Kasayan的には、この低気圧ががすぐさま熱帯低気圧になるとか、台風になるとかいうことに興味があるわけではなく・・・
 日本付近に張り出してきた太平洋高気圧の南側で対流活動(モクモクと湧き上がる雲の活動)がどうなっているか?ということが気になっています。

 そこで、過去から現在までの衛星画像を見たり、コンピューターのシミュレーションを見たり・・・

 10日先、8月5日の各国のスパコンの計算値を見ると・・・

モデル比較190727
(図をクリックすると拡大します)

 まだ先のこと・・・計算値のバラツキが大きく、台風が発生する?しないを含めて未来の空模様を語ることはできない状態ですけど・・・

 平年並みか否かはわかりませんが、太平洋高気圧の南側では対流活動が活発化する気配。
 熱帯低気圧や台風が発生してもおかしくない状況になっている可能性は高そうです。

 来週は早くも8月・・・梅雨明け十日とは言いませんが、せめて一週間くらいは安定した空模様が続いて欲しいですよね?

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     


2、今日の空模様・・・台風の影響、東海~中部山岳中心に


 それでは今日の空模様から・・・・


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の新潟県境  信濃町 野尻湖畔・・・

野尻湖畔190727

 木々を透かして見る空は夏色の青空。
 これから台風の影響を受けるなんて想像できないほど。

 今朝も夜明けとともにヒグラシの大合唱がありました。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況190727

 ご存知のように、台風6号が紀伊半島付近を北上中。
 台風本体の雨雲の加え、暖湿気の通り道になっている東海~関東沿岸には、山岳風上斜面、南風の収束線中心に活発な雨雲が観測されています。

 また、活発化した太平洋高気圧に押しあげられて梅雨前線が北海道付近に停滞。
 道北中心に(台風より?)活発な雨雲が観測されています。

 で・・・台風を足早に連れ去る偏西風強風帯は、梅雨前線とともに北海道付近まで北上中。
 台風は引き続きノロノロと進むことになりそうですが・・・?





 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM27日190727
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 上空の太平洋高気圧(高度5880m)の縁に沿って、台風はノロノロと東海付近を北東進。
 やがて、上空の太平洋高気圧(下降気流域)に覆われ上空の渦が不明瞭になり・・・熱帯低気圧化しながら、上空の太平洋高気圧のコア(高度5910m)の北縁に沿って長野県付近を東進することが予想されています。

 一方、北海道には乾燥・暖湿 両偏西風強風帯が停滞し、-5℃以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に東北東進。

 上空の太平洋高気圧の張り出しとともに暖湿偏西風強風帯が弱まるものの、梅雨前線の停滞が続き、上空の気圧の谷の通過に伴い雨雲が活発化する状況が続きそうです。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・台風?熱帯低気圧の同心円状の等圧線が不明瞭に。
 台風6号は(寒気の流入が無いので)熱帯低気圧化しつつ03時の進路予想とほぼ同様のコース・・・長野県付近へと北東進することが予想されています。

 一方、北海道付近・・・梅雨前線の降水帯は次第に弱まってくることがわかります。
 そして・・・日本海には猛暑をもたらす暖気が流入。
 台風一過?の猛暑、酷暑が心配されます。




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ190727
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 台風の動きが遅いので、台風「らしい」影響を受けるのは近畿~東海、そして中部山岳付近のみ。
 
 台風が持ち込んだ暖湿気や太平洋高気圧縁辺から暖湿気が流れ込むため、他の地域でも不安定な大気によるにわか雨や雷雨の発生が心配されますが・・・
 上空の太平洋高気圧(下降気流域)が強まるため、暖湿風の収束線や山岳斜面など上昇気流が活発化する地域中心に、メリハリのある(馬の背を分ける?)雨の降り方になると思われます。

中部流線19時から4時間190727
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
 
 これは各地で花火が行われる(Kasayanの居る野尻湖畔でも花火大会があるんです。なんと)19時から22時までの様子を1時間毎にアニメ化したもの。

 長野県の花火・・・どこに行ってもあいにくの空模様・・・orz

 一般に長野県を台風が東進するとき、長野県西部の3000m級の山々で台風(熱低)が分裂したり、東にジャンプすることが多いんですけど・・・

 今回も岐阜県に低圧部が取り残され、熱帯低気圧へと弱まりながら乗鞍岳付近の山を乗り越え長野県内へ。
 さらに長野県内に低圧部を残しつつ美ヶ原・八ヶ岳・秩父を越え関東平野に抜けることが予想されています。

短期予報解説資料190727

 これは気象庁発表の短期予報解説資料を抜粋したもの。

 やはり東海や関東甲信で降水量が増える模様。
 局地的にはさらに多くなることも想定したほうがイイかもしれません。


3、明日の空模様・・・熱帯低気圧 ゆっくり関東東進 明日朝がピーク?


 続いて明日の空模様・・・・

GSM28日190727
(図をクリックすると拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は、普通の天気図と同じ地上気圧と地形の影響を受けにくい上空約1500mの寒気の様子。
 
 熱帯低気圧は夜にかけて東海上へ。

 上空の太平洋高気圧がさらに張り出し、西~東日本は、上空の太平洋高気圧どころか上空の太平洋高気圧のコアに覆われてしまうことが予想されていいるため、熱帯低気圧は下降気流に踏み潰されてしまう(消滅)かもしれません??

 ただ、熱帯低気圧が持ち込んだ暖かく湿った空気は中部山岳などにこそぎ落とされ、本州上に残ることに。
 また、太平洋高気圧縁辺から吹き込む温かく湿った南西風も加わるので、昇温する西~東日本は大気の状態が不安定。
 広範囲で激しい雷雨が発生することが心配されます。

 一方、上空の気圧の尾根の接近に伴い回復する北日本・・・
 太平洋高気圧の縁に沿って、大陸で加熱された猛暑をもたらす暖気が流入。
 北海道もエゾ梅雨が明け、いきなり猛暑になりそうです。

相当温位190727
(図をクリックすると拡大します)

 これは今日21時と明日21時の上空約1500mの気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 台風が持ち込む暖湿気に加えて、太平洋高気圧縁辺から強い暖湿気が流入。

 明日は関東甲信付近、そして西日本南岸を中心に大気の状態が不安定になるため、落雷や突風、降雹等の発生が心配される状況です。



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


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 可能な限り返信いたします。

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プロフィール

Kasayan

大昔、気象会社や東京の放送局で天気予報番組を作っていたこともありますが今は故郷長野で2回目の日本一周を夢見るただのヨット好き。山岳ガイドのタマゴたちと気象の勉強中。最近多くの時間を野尻湖畔の山小屋で過ごしています。

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