いよいよ今年最後のブログ更新になりました。

 天気予報に携わる者の中には、「その土地の天気を理解するためには、最低でも2年間、毎日天気解析をし続けないとダメ」なんて言う人がいるのですが・・・
 長野にUターンしたKasayanも・・・実は、2年間毎日ブログを書き続けたらブログを止めると決めていました。

 そして昨年の元旦からこのブログを書き始め、1年目は366回休まずに更新することができたのですが・・・
 今年は母が亡くなったり、父が倒れたりして都合6日間休載をしてしまいました。

 したがって、当初の目標を達することができませんでしたので、少なくとももう1年このブログを書き続けることにいたします
 Kasayanは喪中なので新年のご挨拶はできませんが、来年も引き続きよろしくお願いいたします


 さて、今年は巳年・・・年だったわけですが・・・
 今年の天気を左右した最大の原因は、蛇年だけに偏西風の「蛇」行だったように思われます。

北半球実況30日131231

 この図は昨日21時の北半球上空約5500mの実況天気図ですが、年末も偏西風は大きく蛇行中
 このため、北極の寒気が日本方面に流れだす一方、ヨーロッパ方面には寒気が全く南下せず・・・一昨日は、ドイツのベルリンで日本から贈られた桜が暖冬のために咲きだしたというニュースがありました。

 偏西風の蛇行が地球温暖化の影響かという論議は気象学者におまかせしますが、少なくとも今年は偏西風の大きな蛇行に伴う激しい天気変化が多かった・・・というのがKasayanの印象。
 たぶん・・・来年もこの傾向が続くんでしょうけど、せめて気象災害の少ない一年になってほしいものです。
 

菅平131231

 では今年最後の天気チェックに入りますが・・・いつもと同様、今朝の長野市の様子から。
 ご覧のように曇り空ですが・・・最低気温は-1.2℃(04時34分)ですから、それほど冷え込んでいるわけではありません。

 そんな今朝の実況・・・

実況131231

 気圧配置は南西高北東低・・・いわゆる里雪型の冬型になっています。

 そして、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(偏西風の南側の蛇行域)が通過中なので・・・等圧線の間隔がやや広めにもかかわらず日本海側の雨(北陸沿岸中心)や雪(北日本中心)は、そこそこ活発になっているようですが・・・

 日本付近の偏西風は比較的東西に緩やかに流れているようですから、現在通過中の上空の気圧の谷が通過した後は、今日いっぱい天気の急変はないと思われます。


 では、明日元日にかけても穏やかな空模様が続くんでしょうか?
 まずは普通の天気図を使って、明日元日の夜にかけての気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう。

予想図アニメ131231
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 西高東低(南西高北東低) 冬型の気圧配置は今朝まで
 高気圧が四国沖方面に張り出してきます。

 このため今日大晦日は、冬型の天気分布が尾を引く日本海側で雨や雪が残る所もありますけど、広範囲で冬晴れの比較的穏やかな天気になると思われます。

 ただ、穏やかなのは今日の日中いっぱい
 今夜にかけて朝鮮半島方面に前線を伴った低気圧が進んできて・・・明日元日急速に発達しながら北海道方面に向かい・・・いきなり西高東低 冬型の気圧配置になってしまいます。

 また、低気圧が引き連れてくるように上空の強い寒気(年始寒波)も一気に南下
 寒気の先端では寒冷前線が活発化して雨(雪)雲の帯が発生・・・東~北日本を通過していくことが予想されています。

 上空の寒気が強いので、寒冷前線付近では大気の状態も非常に不安定
 前線通過時には、落雷や突風を伴って急に雨(か雪)が降り出し、日本海側ではそのまま大雪モードに突入することも考えられます。

 ちなみに明日朝9時の寒冷前線の位置はちょうど日本海沿岸
 このため日本海側では、初日の出の時間帯直後から天気が急速に悪化すると思われますから・・・初日の出を吹きさらしの稜線で迎えることの多い年末年始の冬山では遭難多発の条件が整ってしまうことになります。
 すでに入山している方々が、キチンと天気予報を理解して、適切な計画を立てておられるとよいのですが・・・


 それでは、専門の天気図で詳しく・・・今年最後のブログ更新ですから、明日夜までの天気変化をまとめておきました。

 まずは今日、大晦日の空模様から。

31日500図131231

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・午前中、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷が通過した後、日本付近には久々に好天パワー(高気圧を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根がやってきます

 このため地上では・・・下段の図・・・高気圧が張り出して冬型の気圧配置が弱まり降水域(青の点線内)も日本海沿岸の一部を除いて少なくなってきます。
 普通の天気図でチェックしたように、「比較的」穏やかな大晦日ということになるわけですが・・・

 再び上段の図・・・早くも次の上空の気圧の谷が朝鮮半島や九州付近に接近してくることが計算されています。
 つまり、穏やかな天気は今日いっぱい・・・今夜には下り坂に向かうことが予想されます。


 続いて、今日大晦日の上空の寒気の様子にも目を通しておきましょう。

31日500気温131231

 午前中、上空の気圧の谷が通過した後、上空(上段の図)地上付近(下段の図)ともに寒気が抜けていくことが計算されています。

 したがって、気温の面からも雨(雪)雲の成長が弱まり、穏やかな空模様になることがわかりますが・・・
 高い山で雪になる目安=上空約1500m 0℃以下の寒気は太平洋まで南下したままですから、さすがに暖かくはなりません。
 日射しがあるところでは過ごしやすい・・・といったところでしょう。


 それでは、下り坂を転がり落ちる?明日元日の空模様をチェックしていきましょう。

1日500図131231

 こちらも上段の図から。
 いきなり偏西風が大きく蛇行・・・午前中、上空の気圧の谷が通過した後、東~北日本方面に向けて、続けざまに上空の気圧の谷がやってくることが計算されています。

 つまり東~北日本には断続的に悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)が降り注ぐわけですから、地上付近では・・・下段の図・・・低気圧が急発達しながら北海道を通過して冬型の気圧配置になり、東~北日本中心に等圧線が大混雑・・・北西の季節風が強まり海は大シケになることが予想されます。

 また、日本海沿岸の降水が活発になり、断続的に降り注ぐ悪天パワーによって降水が長引くことが考えられます。


 では、降水が雨になるのか?雪になるのか?・・・元旦の上空の寒気の様子もチェックしておきましょう。

1日500気温131231

 強い寒気の流入は北陸以北限定。
 西日本への影響は少なめと思われますが、東~北日本では強い寒気が南下の南下によって雪(雨)雲が活発化することが想定されます。

 大晦日に雨や湿雪になっていた地域ではまとまった雪に変化・・・特に北海道には-42℃以下の年始寒波がやってきて・・・暴風雪になることも考えられます。


 で・・・そんな天気変化の引き金になるのが低気圧から延びる寒冷前線
 下段の図からすると・・・等圧線がやや混雑している-6℃ライン付近に位置していると思われますが・・・
 もう少し詳しく・・・気温に水蒸気の様子も加味した相当温位図という天気図もチェックしておきましょう。

1日相当温位131231

 寒冷乾燥空気と温暖湿潤空気(暖湿気=雨・雪の原料)がぶつかるところに前線が発生しますから・・・黄色の点線付近が寒冷前線帯

 元日09時に日本海沿岸接近し、夜には東海上に抜けるようですから・・・初日の出直後に急速に天気が悪化してくるということがよく分かりますよね。


 それでは、最後・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、MSMモデル(シミュレーション)で、大晦日~元旦にかけての空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ131231
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 大晦日は、上空の気圧の谷の通過に伴って風の収束線が発生・・・上昇気流が活発化する北陸や東北日本海側で雨が残ってしまうものの、その他の地域は晴天ベース
 穏やかな一日になりそうですが・・・

 今夜、日本海で寒冷前線の降水帯が急速に発達
 温暖湿潤空気と乾燥寒冷空気がぶつかる収束線が日本海沿岸に南下し・・・元日の午前9時頃に上陸することが計算されています。

 安全マージンを考えれば初日の出直後はかなりアヤシイ状態
 北アルプス南西側には、寒冷前線に吹き込む南西風の収束線まで発生して風雪が強まることが予想されますから・・・しつこいようですけど・・・冬山登山や山スキー・スノーボードいはくれぐれも注意していただきたいと思います。

 気象庁も「暴風雪と高波に関する全般気象情報」(「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」というニュース原稿のもとネタ)が発表しています。

気象情報131231

 台風並みの風も予想されていますから、最寄りの地域の府県天気予報もチェックして、安全で楽しい正月をお過ごしください。

 今年一年有難うございました

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
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     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2


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航海のための天気予報利用学バナー121212

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