北日本で暴風雪・・・その他の地域でも真冬に逆戻り・・・
この寒さいつまで?と考えている方も多いんじゃないかと思いますが・・・・
最新の計算値にもとづく向こう一週間の気温傾向を見ても・・・
やはり11日頃までは平年を8℃前後も下回る強烈な?寒さが続くことが予想されています。
そして10日頃にはカックンと低温が底を打つことが予想されていますけど・・・
10日のGSMモデル(スパコンのシミュレーション)を見ると、南岸低気圧すら寄せ付けない強い冬型が続いていて、北日本にはこの季節としては目を疑いたくなるような-40℃以下の上空寒気が南下。
関東付近にも-35℃以下の寒気が南下してくることが予想されています。
11日頃まで寒波が続く点については、計算値がずーっと安定していますから、やはり11日頃まではこの寒さや活発な雪が続く・・・と覚悟しなくてはならないようです。
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
さて、今朝の長野市ですが・・・
家々の屋根には粉砂糖のように薄らと雪が積もり、最低気温は-6.0℃(05時37分)を記録。
写真中央山の上に位置する菅平アメダスでは、-17.7℃(全国7位 06時24分)が観測されています。
そんな今朝の実況。
言うまでもなく気圧配置は西高東低 冬型。
活発な雪雲が日本海側で観測されていますが・・・
衛星の水蒸気画像を見ると、真冬の寒気を運ぶ偏西風の南側への蛇行域=悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷が西日本方面を通過し始めたことがわかります。
ということは・・・これからますます日本海側の雪雲が活発化することに。
また、天気図の等圧線をよーく見ると、日本海西部や関東沖には弱い気圧の谷(等圧線が高気圧側に湾曲し、周囲より相対的に気圧の低い場所)が出来ていて、降水(雪)帯が観測されているようですが・・・
上空の気圧の谷の通過によって、これら弱い気圧の谷の降水(雪)も活発化することも予想されます。
(南西諸島方面の降水については書き込みを読んでくださいね)
今朝の段階で寒さや雪にうんざりという方もいらっしゃるでしょうけど、これからますます状況は・・・
まずは普通の天気図を使って、明日夜までの気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
明日夜にかけても西高東低 冬型の気圧配置が続き・・・日本海側で雪が降り続き・・・太平洋側は寒い冬晴れが続く・・・ということは確かですが、状況は微妙に変化します。
まず、西高東低 冬型を固定化する軸?になっている北海道北側の低気圧ですが・・・・
今朝は960hPa、今夜は976hPa、明日夜は992hPaと、今朝をピークに次第に弱まることが予想されています。
とすると・・・冬型が弱まってくるんじゃないの?という気がしてきますけど・・・なかなかそうはいきません。
台風が弱まる際に暴風域が消えても強風域が拡大してしまうように、北海道付近に集中していた強風エリアが東日本方面まで拡大・・・海上のシケエリアも広がってしまうことが考えられます。
また、今夜をピークに上空寒気の南下はいったんおさまるようですが・・・偏西風が南北大きく蛇行するカタチから西から吹くカタチなって・・・大陸の寒気がコンスタントに日本付近に流れ込み続ける状態に変化。
日本海で活発な雪雲が発生し続けることも予想されます。
結局・・・北海道の北に停滞する低気圧が弱まっても、状況は好転する気配なし・・・・
その原因を、専門の天気図で詳しくチェックしていきましょう。
まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が北海道の北で完全に停滞。
コイツが冬型の気圧配置を固定化させる元凶?といえます(寒冷渦東側で寒冷渦の動きを止めるブロッキング高気圧も原因といえますけど)。
そして寒冷渦の周囲を反時計回りに悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(偏西風の南側への蛇行域)が断続的に通過するため、日本海の雪雲は強まったり弱まったりを繰り返しながら、まだまだ続き・・・
日本西部では弱い気圧の谷に伴う雪雲の帯が断続的に活発化することが予想されます。
このような空模様の骨格に対応して、地上では・・・下段の図・・・日本海側を中心に今夜にかけても降雪(青の点線内)が計算されているわけですが・・・
上空の気圧の谷の影響が太平洋側に及ぶタイミングで、関東沖の弱い気圧の谷も活発になって、降水(雪)が強まったり、今夜には低気圧まで発生したりすることが予想されています。
(南西諸島の潜在的な前線帯の降水域も活発化)
厳しい空模様が続くようですが・・・
寒さをもたらし、降るモノを雪に変える上空の寒気の様子にも目を通してみると・・・・
こちらも上段の図から・・・空模様の骨格と同じ上空約5500mの気温分布ですが・・・今日日中、日本を通過する上空の気圧の谷が-30℃以下(北日本は-39℃以下)の寒気を伴っているため・・・
上空の気圧の谷の悪天パワーによって活発化した雪雲や雨雲は、空高くまで発達。
特に日本海側では降雪がさらに強まり広域化することが考えられます。
また地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)でも・・・下段の図・・・降水が平地で雪になる目安=-6℃以下の寒気が今夜にかけても太平洋側まで南下。
太平洋側でも、関東沖の弱い気圧の谷の降水をはじめ、日本海側から雪雲が流れ込めば所々で雪・・・ということになります。
さらに、北陸以北には-12℃以下の寒気が流れ込み続けますから・・・雪は乾燥したフワフワの積もりやすい雪になって、積雪がグングン増加することも考えられます。
昨日来、ニュースでは北海道の暴風雪がクローズアップされていますけど・・・日本海側の大雪もあなどるわけにはいきませんね。
10時05分追記
昨夜21時の北半球の気圧配置と上空寒気の様子をまとめておきました。
上図と併せて参考にしてください。
それでは以上のチェックポイントを再確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(シミュレーション)で、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。
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紫色は下層雲。
必要なことはアニメ中に書き込んでおきましたが、今夜にかけて風の収束線がかかる場所を中心に、降雪が活発化することがよーくわかりますよね。
太平洋側にお住まいの方も、雪雲が流れ込みやすいタイミングや、収束線の降水(雪)の影響を受けやすいタイミングと天気予報と見比べて、予報の安全マージンを考えてみてください。
ちなみに、今朝発表された短期予報解説資料(プロ用の資料)の防災関連事項には以下のように書かれていますのでご参考まで。
なお、MSMモデルによる(地形の影響を受けにくい)上空約300mの風速の様子を見ると・・・
やはり今夜にかけて、オホーツク海の暴風エリアは縮小するものの、強風エリアが南に拡大してくることが予想されています。
天気予報で「低気圧が発達のピークを過ぎて・・・」という解説があっても、気を緩めるわけにはいきませんよね。
また、風が強まれば波が高くなるのは当然ですけど・・・
明日夜にかけても、北日本中心にシケ模様が予想されています。
(オホーツク海の流氷エリアは氷上の地吹雪になるんでしょうね)
こんな図を見ると、かつて船体着氷をたたき落としながら漁をした北洋サケマス漁船の話や、あの蟹工船の話を思い出しませんか?
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
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