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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 昨日、膝のMRI撮影をして、とりあえず3月1日に前十字靱帯再建手術をすることになりました。
 それまでは膝に装具をつけて、傷ついた内側靱帯や筋力の回復を待つとのこと。
 「クララ立つのよ!!」状態のKasayan・・・無理し過ぎない程度に歩き始めます!!

 ところで昨日、初めて体験したMRI装置ですけど・・・
 30年以上前、Kasayanが大学で化学の勉強をしていたころ、有機化合物の立体構造を解析するために何度か使ったことがある核磁気共鳴(NMR)装置を医療用に応用した装置。

 小さなキャピラリー(ガラスのチューブ)に合成したサンプルを詰め、液体ヘリウムで冷やされた大きな超電導磁石の中に入れてスペクトルの分析をしていたのですが、まさか自分がサンプル?になって磁石の中に入ることになるとは想像もしていませんでした(切れた靱帯はブヨブヨ。膝に血液が溜まっていました)。

 磁石の中で、自分の体内の水素核や炭素核がすりこぎ運動(歳差運動:ゼーマン効果と言ったっけ?)を起こしている姿をイメージしていると・・・
 久々に物理化学や量子化学、分析化学の教科書を開いてみようなんていう気持ちになってきました(気象学も結局は物理と化学の応用編。物理と化学の勉強なくして深まりようがありません)。


 1、北半球上空の寒気・・・「これまで」と「これから」

 今日の天気予報では、気温の上昇が伝えられ、雪崩や融雪洪水に注意が呼びかけられています。

 暖かい正月から始まった1月も、2回の寒波を経て終わりを告げようとしていますので・・・
 元日から昨夜(28日21時)までの北半球上空の寒気と気圧配置の変化を動画にしてみました(左下に日付)。



 1月は北極に溜まった寒気が周期的にロシア方面に流れ出し、2回に渡って日本付近へと東進。
 記録的な暖冬だった昨年とは打って変わって、豪雪や荒れ模様の天気が続きました。
 (毎日1枚づつCGを手作りしていると、こんなワザ?も使えます。継続は力なり!)

 ただ・・・目の前には・・・
北半球上空の寒気アニメ170129
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 まだまだ-42℃以下の寒気が迫っています。

 今週は気温が高めに推移しそうですが、節分~立春前後に再び日本付近を強い寒気が通過する模様。
 まだまだ雪を心配する日々が続いてしまいそうです(Kasayanのスキーシーズンは終わってしまいましたけど・・・トホホ)。


 2、今日の空模様・・・西からジワジワ下り坂。夜からは荒れ模様?

 では、ここから今日の空模様・・・

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 Kasayanの住む長野市・・・

菅平170129

 白っぽいけど(上空に水蒸気が流入?)、ほぼ快晴の青空が広がっています。

 最低気温は-3.6℃(06時08分)で、平年より1℃ほど高め。

北アルプス170129

 昨日日中に引き続き、北アルプスの山々をハッキリと見ることができます。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況170129

 東~北日本中心に高気圧の晴天域が優勢。

 ただ、高気圧の後面に位置する西日本では・・・東シナ海の気圧の谷(黄色の点線)に流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の影響で曇り空が優勢。
 九州西岸では雨が降り出している所もあるようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると、大陸から強い寒気を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が南東進中(北半球上空の寒気アニメでチェックしましたよね?)。
 天気は西から下り坂に向かうと思われます。

(2)今日これからの空模様・・・気象庁GSMモデルでポイントチェック!

 では、今日これからの空模様・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。
 
GSM29日170129
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・確かに-40℃以下の寒気を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が南下してくるものの、その動きはゆっくり。
 先行する-40℃以下の寒気も北海道の北・・・サハリン付近へと進むことが予想されています。

 一方、西~東日本では・・・緩やかな偏西風の北側への蛇行域(上空の浅い気圧の尾根)が東海上に抜け・・・
 次第に西南西の偏西風の強風帯(水色の矢印)が強まってくることが予想されています。
 このため、天気が急速に悪化するわけではありませんけど・・・西から悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)が強まり始め、ジワジワと下り坂に向かうことが考えられます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・高気圧が南東海上に遠ざかり・・・
 東シナ海の気圧の谷と日本海西部に低気圧が発生。
 ジワジワと発達しながら北東に進み、夜にかけて低気圧から延びる前線が顕在化し、低気圧や前線付近で降水域が活発化することが予想されています。

 また・・・日本海に進む低気圧からも東西の潜在的な前線帯?と思われる降水帯が延び、次第に活発化。
 東日本に先行し、北日本で雨又は雪が降り出すことが予想されています。
 (0℃、-5℃ラインが北上し、太平洋側中心に気温も上昇。雪崩・落雪・融雪洪水等に注意)

 では、雨が強く降りそうな場所を細かくチェック!
 暖湿気=雨の原料が流れ込む様子を、気温に水蒸気を加味した相当温位図という特殊な天気図でチェックしておきましょう。

相当温位170129
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 午前中、暖湿気の流入域は東シナ海付近~九州西岸~日本海西部付近。
 潜在的な前線帯(黄色の細い点線)付近中心に大気の状態が不安定になって、前線が顕在化する夜にかけて雷や突風を伴って雨雲が活発化することが予想されます。

 また、弱い暖湿気が流れ込む日本海・・・上空にはそこそこの寒気が残っていて、地上でも昨日南下した暖気と寒気のぶつかり合いが激しくなることに(実線:等相当温位線が混雑)。
 日本海側でも、潜在的な前線付近で大気の状態が不安定になり、激しい現象の発生が心配されます。

 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 ということで・・・最後は、以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ170129
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 日中は西日本中心に下り坂で・・・活発な雨も低気圧や前線付近中心ということになりそうですけど・・・

 夜から明朝にかけては日本海から南下してくる寒冷前線付近を中心に降水が広範囲で活発化。
 -6℃ラインだけでなく、0℃ラインまで日本海に北上しているので、降るモノは活発な雨で、降水量もそこそこ増えるおそれ。

 つきなみですけど、大規模な雪崩(全層雪崩にも注意したほうがイイかも?)や屋根からの落雪、融雪による洪水等に注意が必要。
 また、こんな時は土砂災害(先日、富山県で発生しましたよね)にも注意が必要になるかもしれません。

短期予報解説資料170129

 これは今朝、気象庁が発表した短期予報解説資料(プロ用の資料)を抜粋したもの。

 「なだれや土砂災害の可能性について融雪量を考慮する必要がある」と書かれています。

 また、寒冷前線の上陸後、急速に寒気が南下してくる明日朝以降、降雪の強まりが予想されていますけど・・・
 雨から雪に変わった直後は湿った雪が優勢。
 電線着雪による停電や倒木等にも注意が必要になりそうです。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2


(4Kタイムラプス動画:冬型が緩んだ北アルプス北部)

 KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集):https://www.youtube.com/user/kasayangw

拡大GSM170129 拡大相当温位170129 
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

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