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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 今日は金曜・・・早朝からKasayanが仕事でバタバタする日。
 コメントは少なめ?・・・でも、図は充実??
 誤字脱字、意味不明?・・・ご容赦ください。

 1、台風5号、台風9号、最新データはさらに混迷!?

 台風5号と6号・・・予想進路図を見ても、昨日から大きな変化はありません(今朝の段階です)。

 気になる方は以下のURLで最新の情報をチェックしていただくとして・・・

  気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
  米軍(JTWC)台風情報: http://www.usno.navy.mil/JTWC/
  米軍(JTWC)台風情報(予備): https://www.nrlmry.navy.mil/tc_pages/tc_home.html

 今日も、気象庁発表のGSMモデル、米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデル、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)発表おモデル(いずれもスーパーコンピューターによるシミュレーション)の最新データを比較しておきました。

モデル比較地上170728

 今日はまとめてご紹介!

 気象庁GSMモデルは4日金)以降、台風5号を北上させ、昨年の台風10号を思い出させるようなコースを予想しています(あくまで不確定な計算値ですから過度な心配は不要です)。

 一方、米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデルは、昨日より台風9号を発達させるとともに、台風5号の動きを遅くし、伊豆諸島東側を北上させています。
 どうやら台風9号を発達させる予想が台風5号の動向に影響を与えている模様。

 そしてヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)のモデル・・・
 台風9号を朝鮮半島方面に進め、台風5号を九州方面に北西進させています。

 ということで・・・各シミュレーションが自分勝手??な予想をはじき出し、混迷は深まるばかり。
 ただ・・・その理由を考察できなければ、単に計算値を比較しただけですし、今後の着目点を見出すことが出来ません。

 そこで、地上の空模様の骨格といえる上空約5500m(500hPa)の気圧配置や偏西風の予想・・・
 台風が動き始める4日までの変化の様子を比較してみました。

モデル比較上空170728

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 図と図中の書き込みをお読みいただくほうが分かりやすいと思いますけど・・・

 台風9号の発達や位置と連動するする西日本付近上空の高気圧の位置や強まりの予想の相違によって・・・
 上空の高気圧に行く手をブロックされる台風5号の進路が影響されたり・・・
 台風を足早に押し流す偏西風の蛇行の深さや位置に相違が生じて、台風の進路を全く異なるものにしていると考えられます(あくまでKasayanの考え方です)。
  (※簡単にまとめてしまえば、”台風9号が成長させる高気圧の位置と強さ次第”・・・)

 とすると・・・各モデルの予想がバラツイているとしても、上空の高気圧と偏西風の蛇行の深さの変化傾向に着目していれば、早めに進路の可能性を読み取る(感じ取る?)ことができるかも?

 明日以降もこのあたりに着目し、時間が許す限り最新のデータを追いかけてみたいと思います。
 
 ところで・・・

 天気予報番組の多くが、混迷する予想進路図を表示して「まだまだ台風の行方が分からない」「コマメなチェックを」と連呼する中・・・
 (番組の時間も必要ですけど)台風の進路が混迷している”理由”や、台風の動向に影響を与える”着目点”を分かりやすく伝えている番組をいくつか目にしました(Kasayanが目にしたのは2番組でした)。

 短時間しか与えられていなくても10秒あればキーワードをつなげて「解説」することが出来ます。
 どこまで深掘りして(考えて)解説しているか?あるいは解説しようとしているか??
 向こう一週間で解説者の真価が問われるような気がします。
 
 
 2、週末と来週の空模様・・・連日雷雨も・・台風の影響次第??

 金曜恒例の週末と来週の空模様。
 今日はおもいっきりシンプルにご紹介したいと思います。

 (1)週末の空模様

 まずは明日土曜日の空模様。

GSM29日170728

 台風5号と、東海上の高気圧縁辺から暖湿気(暖かく湿った空気=雨の原料)が流れ込み、東~北日本中心に(潜在的な前線帯に沿って)降水帯が活発化。
 午前中からにわか雨や雷雨の発生しやすい状態になることが予想されています。

 明後日日曜日。

GSM30日170728

 ほぼ同様の状況が継続。
 台風5号の位置次第でにわか雨や雷雨の強まる地域、程度が変化するかもしれません。

 先島諸島方面や台湾方面そして小笠原は暴風雨・大しけ・・・これは確かでしょうね。

 (2)来週の空模様

 続いて月曜日以降の空模様。

GSM来週170728
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 (別のモデルを使用している)予想進路図と同様、GSMモデルでも台風5号が小笠原付近に停滞する模様。

 週末に引き続き、東~北日本では連日のように朝から降水域が予想されています。
 台風の進路次第で状況は変わるはずですけど・・・現時点では”東~北日本中心に雨の降りやすい状態が続き、地域によっては大雨に注意!”という天気変化を想定しておく必要がありそうです。

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


 3、今日の空模様・・・梅雨前線弱まるも大気の状態不安定!

 それでは、ここから今日の空模様。

 (1)予報のスタートライン・・・今朝の実況

 Kasayanの住む長野市・・・

菅平170728

 長野盆地(善光寺平)にフタをするような層積雲。

 最低気温は23.8℃(05時28分)。
 風が弱いため昨日より若干蒸し暑く感じられます。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況170728

 梅雨前線は本州上で途切れていますが、潜在的な前線帯(黄色の点線)が東北~北陸付近に停滞していて、小さな雨雲が帯状に点在していることがわかります。

 そして・・・小笠原に向かう途中の台風5号が関東付近に(一時的に)最接近。
 台風北側と東海上の高気圧縁辺の暖湿気(暖かく湿った空気=雨の原料)が東寄りの風に乗って本州東岸に流入し始めています。

 一方、北海道方面には大陸の寒気(冷気)を運ぶ偏西風強風帯(水色の矢印)に沿って悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷が接近中。
 これから北日本中心に下り坂に向かうことが予想されます。

 (2)今日の空模様・・・気象庁発表GSMモデル

 それでは今日これからの空模様・・・
 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってチェックしておきましょう。

GSM28日170728
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・-5℃以下の寒気を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、東北北部以北を断続的に通過。
 悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)によって下り坂に向かうとともに、大気の状態が不安定になることが考えられます。

 一方、西~東日本は上空の太平洋高気圧に覆われ、九州方面では高気圧の中心が停滞する模様。
 西~東日本は高気圧の熱風下降気流域になり、雨雲が踏み潰される状態。
 下降気流を打ち破るだけの強い上昇気流が発生する場所で局地的な雷雨があると思われます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して、地上では・・・下段の図・・・寒気を伴う上空の気圧の谷の通過に対応して、道東を中心に前線の降水帯が活発化。
 暖かく湿った南東風の流入によって大雨になることも想定されます。

 一方、上空の太平洋高気圧に覆われる西~東日本の降水域は限定的。
 特に・・・Kasyanの住む長野県付近だけ降水が活発化することが分かります。

相当温位170728
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは上空約1500m・・・気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 今夜にかけて東海上の高気圧縁辺の暖湿気が道東付近に流入するとともに・・・
 長野県付近では暖かく湿った北西風と、暖かく湿った南東風が収束することが予想されています。

 前線の降水が活発化するのはもちろん、風の収束によって上昇気流が強まる長野県付近・・・
 高い山による風の強制上昇も加わって複雑な雨の降り方(場合によってはあまり雨雲が発達しない可能性も?)になることが考えられます。

 ただ、この状態を見れば・・・雷雨が局地的になることを期待しつつ、激しい雷雨の発生を優先して考えるべきだと思います。

 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ!

 それでは、以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ170728
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 今日は道東と三陸で前線の大雨に要注意。
 明日朝は北陸や山陰でも雨が強まる可能性があります。

 一方、夕立が予想される関東甲信付近・・・
 GSMモデルより降水域が小さめに予想されています。

 ちょうど昨日の夕立と同じレベル。

 ただ、今日は昨日より暖湿気の流入が強まる模様。
 さらに台風からの東風と日本海からの北東風が収束することも考えられます。

 もう少し活発な降水域を拡大してイメージする必要があると思います・・・ネガティブ思考のKasayanとしては・・・

 ということで・・・今日はこのへんで。
 繰り返しますけど、書きっぱなしですので、誤字脱字、意味不明・・・ご容赦ください。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

 KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集):https://www.youtube.com/user/kasayangw

拡大来週170728拡大GSM170728拡大相当温位170728
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

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