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梅雨入り間近?・・・北半球上空の気圧配置


 ここ数日天気予報番組では「西~東日本の梅雨入りが早まるかもしれない」という話が伝えられています。

 確かに、ここ数日の天気変化を見ていると、沖縄付近では梅雨とは思えない晴天傾向が続いている一方、梅雨入りした南西諸島の北側に位置する九州南部では梅雨のような空模様が続いて・・・
 あたかも沖縄が梅雨明けしたような気圧配置になっています。
北半球上空の寒気180524

 これは昨夜21時の北半球上空の気圧配置と気温、そして偏西風の様子。
 梅雨入り前・・・2か月ぶりに作図してみました。

 この図から直ちに梅雨入りのタイミングが読み取れるわけではありませんけど・・・

 日本の北では春先の寒気を運ぶ偏西風の強風帯(水色の矢印)が南北に「非常に大きく」蛇行中。
 このため、肌寒い日、暑い日・・・極端な気温変化が生じています。

 一方、南の海上・・・特に南シナ海方面で高気圧が発達中。
 そしてこの高気圧の西側では、インド洋~インドシナ半島~中国華南へと続く南西風が吹いていて、雨季をもたらすアジアモンスーンの暖湿気が日本付近に運ばれていることが考えられます。

 とすると・・・現在カムチャッカ半島付近に停滞している偏西風の北側への蛇行域(ブロッキング高気圧)がもう少し東に停滞し、南への蛇行域が緩やかに日本付近を覆うようになれば、暖湿気と冷涼乾燥空気が日本付近で東西方向に緩やかにぶつかるようになって、日本付近に梅雨前線が発生・停滞。
 少なくとも西~東日本で梅雨入することになります。

 気になるのは今後の上空の気圧配置。
 日本の梅雨入りに影響するヒマラヤの偏西風も例年より早めに強まっているようですから(このため遭難が多発したというニュースも耳にしています)、春先より少しだけ広い範囲に目配りしなくてはならない季節になりました。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


今日の空模様・・・天気回復傾向も、局地的ににわか雨や雷雨!?


 それでは、ここから今日の空模様


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝の長野市街地・・・

菅平180524

 新潟県方面から志賀高原~菅平高原に沿って雨雲の残骸・・・層積雲が南下中。

旭山180524

 市街地周辺の里山(川中島の合戦に使われた旭山城のある旭山)にも低い層雲がかかり、遠く千曲川の流域にはモヤがかかっています。

 最低気温は14.6℃(05時41分)で平年より3℃ほど高め。
 空気に暖かさと湿り気が感じられます。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況180524

 低気圧と前線、さらに東~北日本を東進している気圧の谷(低圧部)に伴う風の収束線の降水帯が東海上に抜けようとしています。

 一方、西からは高気圧の晴天域が広がり始めているようですけど・・・

 東日本では日本海側を中心に弱い降水域が観測されいて、低気圧北側の気圧の谷にまで流れ込んだ暖湿気(暖かく湿った空気=雨の原料)がタップリ残っていることを示しています。

 衛星画像を見ると、寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が本州上を東進中。
 この上空の気圧の谷が露払いになって、高気圧の晴天域が本格的に拡大してくると思われます。


 (2)予想天気図・・・実況天気図⇒予想天気図、天気予報の根拠は?


 ということで、これからの空模様・・・
 まずは普通の予想天気図のアニメを使って、天気変化を大雑把に把握しておきましょう。

予想図アニメ180524
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 西から高気圧が移動してくるものの、西日本上空に達するのは明日になってから。
 
 確かに、低気圧や前線、その北側の(気圧の谷の)潜在的な前線の雨のエリアが東海上に抜けて天気は回復傾向と言えそうですけど・・・
 上空の寒気(寒気を伴う上空の気圧の谷=偏西風の南側への蛇行域)が本州上を東進するため、雨上がり直後の水蒸気がタップリ残っている東~北日本中心に雲が取れにくく、局地的なにわか雨や雷雨も発生することが予想されています。

 そして明日・・・
 西~東日本はようやく完全に回復するものの、寒気は北海道方面に北上。
 高気圧北側から地上付近に流れ込む暖かく(やや)湿った空気と相まって大気の状態が不安定に。
 明日は北海道であいにくの空模様が予想されています。


 (3)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは目先、今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM180524
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・今日はシンプル・・・日中、それぞれ-10~-15~-20℃以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、東~北日本を通過して、夜には東海上に抜けることが予想されています。

 ただ、上空の気圧の谷後面には北西偏西風強風帯に乗って-15℃以下の寒気がコンスタントに流れ込み、気温はなかなか上昇しない模様。
 上空の気圧の谷後面で天気が回復して気温が上昇すると、大気の状態が不安定になることが心配されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・上空の気圧の谷の東進に伴い、低気圧や前線、北日本を通過中の気圧の谷の(潜在的な前線=風の収束線による)降水帯が東海上に抜け・・・
 西から高気圧の晴天域が拡大してくることが予想されています。

 また、晴天域の拡大とともに夏日の目安=10℃以上の暖気が東北まで北上。
 真夏日の目安=15℃以上の暖気が東海付近まで北上してくることが予想されています。

 とすると・・・やはり大気の状態が不安定になることが心配されるわけですけど・・・
 GSMモデルを見る限り、不安定な大気による降水域は予想されていません。

 そこで、気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図を見ると・・・

相当温位180524
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 確かに、低気圧や前線、潜在的な前線の東進に伴い、強い暖湿気の流入域も東海上に抜け、大陸の乾燥空気が優勢になることが予想されているので、降水気が予想されていないのもうなづけます。

 ただ、関東甲信付近にはそこそこ暖湿気が残る模様。
 気温の上昇によって、関東平野に湿った海風が流れ込むことも考えられます。

MSM日中180524
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これはGSMモデルより解像度の高いMSMモデルがはじき出した午後3時の予想

 寒気を伴う上空の気圧の谷が通過する午後、暖湿気の流れ込み(残留)が予想されている関東平野南部に、局地的な降水域が予想されています。

 重箱のスミをつつくようなことですけど、現在の予報技術ではギリギリの場面。
 空振りする可能性も、予想以上に拡大する可能性も含めて、アヤシイ雲行きに目配りしたい状況と言えそうです。



 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それでは以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ180524
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 北陸付近を最後に全国的な回復傾向の中、気象庁が予想している関東平野南部~東海東部のにわか雨や雷雨の可能性・・・
 まさに微妙なところですね。


 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html

拡大GSM180524 拡大相当温位180524 拡大MSM180524
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

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