・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??
   

 

関東甲信地方、一昨日(9日)の夕立と昨日(10日)の夕立の違い?


 西日本の大雨の後、関東甲信地方では2日連続激しい雷雨がありました。

 特に激しかったのはKasayanの住む長野県。

中部レーダー07101100~07110100 昨日レーダー180711
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 左側のアニメーションが昨日(10日)のレーダー動画、右側は雷雲が一昨日の17時に雷雲が最も広範囲で発生したタイミングのレーダー画像。

 両者の違いは一目瞭然。

 一昨日は(ほぼ)南から流れ込む暖湿気(暖かく湿った空気=雨の原料)によって雷雲が発達。
 暖湿気の入り口にあたる静岡県の比較的標高の低い山岳風上斜面で雷雲が活発化しているのた特徴的です。
 そして、盆地や谷筋に沿って流れ込んだ南風が山岳を挟んで収束したり、日本海から吹き込む北寄りの海風とぶつかって雷雲を発生させたわけですが・・・これに対して・・・

 昨日は、(やや北寄りに)西から流れ込む暖湿気によって、主に関東甲信北部の北部山沿い中心に雷雲が発達。
 一昨日のように、静岡県の山岳南斜面ではそれほど雷雲が発生していません。
 また、発達した雨雲が上空約3000mの西風に乗って東に進んでいることがわかります。

相当温位180710相当温位180709

 これは一昨日(右側)と昨日(左側)の記事に掲載した(気温に水蒸気の様子を加味した)相当温位図という特殊な天気図。

 一昨日の暖湿気の流れ込みの方向が南であるのに対して、昨日は西。

 昨日は太平洋岸に太平洋高気圧から吹き降ろす乾燥・熱風エリアが予想されていたため、一昨日のように南からの暖湿気の流れ込みが少なくなると考え、雷雲の発生エリアが一昨日より少なくなる可能性も考えられたのですが・・・

 実際は西(長野県付近では若狭湾や富山湾など)から流れ込む暖湿気によって、関東甲信北部で土砂災害警戒情報が発表されるような激しい雷雨になりました。

 で・・・気象庁が発表しているGSMモデル、MSMモデル(いずれもスーパーコンピューターによるシミュレーション)がどのような降水域を予想していたのか?については昨日・一昨日の記事をご覧いただくとして・・・

 今日も雷雲が発生するのか??

関東気象情報180711

 今朝、関東甲信地方には「大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報」(リンク「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」というニュース原稿のもとネタ)が発表されています。

 ということで、Kasayanも昨日までの経験則を踏まえて今日の夕立の様子・・・考えてみたいと思います。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


今日の空模様・・・梅雨前線 再び南下!影響は?


 それでは、ここから今日の空模様


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝は新潟県境 信濃町 野尻湖畔からのブログ更新。

野尻湖畔180711

 木の葉を透かして見る空は明るい白・・・曇り空になっています。

 空気は水蒸気感たっぷり。
 気温は22℃で不快ではありませんが、しっとりと肌にまとわりつくような空気感がします。
 これで気温が上がったら・・・とは考えたくない状況ですけど・・・・

 そんな今朝の実況

実況180711

 引き続き梅雨前線は津軽海峡付近に北上したまま。
 前線上の低気圧が道南を東進中で、低気圧の東側・・・道東付近で雨雲が活発化しています。

 また、低気圧から南西方向に前線の雨雲の帯が伸びていて、前線付近と前線前面 2本の降水帯が南下中。
 この降水帯が通過する(気温も上がる)日中、前線の延長線上で何が起こるのか?が気になります。

 衛星の水蒸気画像を見ると、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷が北日本へと南東進中。

 台風8号の影響は徐々に薄らいできますけど・・・・
 今度は梅雨前線の動向が気になります。


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM180711
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・(台風の影響も北海道の雨も回復傾向なので)一番のポイントは北東方向から南西方向に延びるー5℃以下の寒気の帯の後ろから、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が南下してくるということ。

 これに伴い梅雨前線が南下し・・・上空の気圧の谷の影響で降水が活発化し・・・寒気の影響で大気の状態も不安定になることが心配されます。

 もっとも、上空から熱風を吹き降ろす上空の太平洋高気圧は(台風8号の影響で)朝鮮半島方面まで(異常なほどに)張り出していますから、上空の太平洋高気圧と寒気を伴う上空の気圧の谷、両者の影響の住み分け?をどう考えるのかが難しいところ。

 このような空模様の骨格に対応する地上の空模様は・・・下段の図・・・梅雨前線が南下して弱まる・・・という形しか読み取れません(-5℃以下の寒気の帯に対応して関東甲信で降水が活発?)。

GSM300図180711
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これはさらに上空・・・300hPa(上空約9700m)付近の気圧配置と気温の様子。

 500hPa(上空約5500m)とは異なり、太平洋上には上層寒冷低気圧と呼ばれるー30℃以下の寒気を伴う低気圧が南下中。
 また、関東甲信北部以北は、上空の気圧の谷になっていて、大陸から寒気が南下しやすい場所になっていることがわかります。

 一方、東シナ海から西日本にかけてはチベット高気圧が張り出してくる模様。

 空模様の骨格のさらに骨格は・・・関東甲信付近を境に西と東で空模様が異なることを示唆しています。

相当温位180711
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 さらに気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図もチェック。

 昨日同様、南海上には太平洋高気圧吹き降ろしの乾燥熱風帯が予想されていますけど・・・
 異なるのは、いったん朝鮮半島まで北上した暖湿気が梅雨前線帯(黄色の点線)に沿って日本海側から流れ込んでくるということ。

 一般的に前線は温度差によって活発化すると言われるものの、梅雨前線の発達には水蒸気密度差も強く寄与しているのですが・・・
 このような北西方向からの暖湿気の流れ込み方では、北日本から南下してくる冷涼乾燥空気の上に暖湿気が滑りあがり、雨雲を発達させにくくなります。

 このため(一昨日・昨日とは異なり)前線の降水自体はGSMモデルの予想通り弱まるはずですけど・・・
 不安定な大気による雷雲の発生については寒気の南下に伴い強まる傾向。

 いったいどうなるのかしらん???


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それでは以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ180711
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 確かに梅雨前線は南下しつつ不明瞭になるようですが・・・
 関東甲信や北陸付近には局地的に活発な降水域が予想されています。

 また、上昇気流を引き起こす風の収束線も発生する模様。

関東甲信拡大180711

 関東甲信付近を拡大してみると・・・

 予想されている降水域は一昨日・昨日より小さめかつ弱め。
 暖湿気の流入方向だけでなく、雷雲を押し流す上空約3000mの風も、これまでとは一転北寄りの風が予想されています。

 統計的な手法に基づくデータを見ると、これでも十分に注意すべきだけの雷雲が発生するようですけど・・・この状況からすると、実際どうなるかは????といったところ。

 もちろん、最悪の状況を考慮しておく必要がありますけど、仮に予報通り、気象情報通りに雷雲が発生しなくても「非常に難し状況だった」「発生していたら災害につながったかもしれない状況だった」と考えて、「心配して準備したけど何もなくてよかった」といえるようにしていただきたいと思います。

 14時30分追記

 13時30分までのレーダー画像をアニメ化。

2018.07.11 0700~1330
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 14時30分に至っても静岡県付近を中心に「かなり太平洋寄り」の局地的な雷雨。
 昨日の同時刻(先のご紹介したアニメ)には広範囲で雷雲が発生していましたから、昨日と状況が全く異なることがわかります。

 ただ、これからどうなるのか???が問題。


台風8号に続く台風は?・・・台風発生のラッシュも??


 更新時間が遅くなってしまったので、簡単に・・・

 これは昨夜21時初期値の米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデル(右側が上空約5500mの天気図、左側が地上気圧配置・3時間降水量)をアニメ化したもの。

GFSアニメ180711 GFS500図アニメ180711
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
 
 20日(金)にかけて日本付近は上空の太平洋高気圧(高度5880m)に覆われるのに対して、その南側・・・フィリピン付近やマリアナ諸島付近では台風と思われる低気圧が続々と発生することが予想されています。

 あくまで計算値にすぎませんけど・・・心配なので、気象庁、ヨーロッパ中期予報センターの予想もチェック。

台風モデル比較18071
(図をクリックすると拡大します)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
 
 南の海上に目配りをしなくてはならない状況・・・ですね・・・orz

  今朝は朝からバタバタして更新が遅くなりました・・・申し訳ありません。

九州北部、中国、近畿、東海、北陸が梅雨明け
九州北部、中国、近畿、東海、北陸が梅雨明け
九州北部、中国、近畿、東海

 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html

拡大GSM180711 拡大相当温位180711 拡大GSM300図180711 
 (図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

航海のための天気予報利用学バナー121212