1、台風24号最新データ!・・・予測の違いの原因は?
今日も台風24号の最新データから。
気象庁と米軍(JTWC)の進路予想をチェックすると・・・
両者はほぼ同様・・・いずれも先島諸島付近で北寄りに進む可能性を示唆しています。
もっとも、頻繁に更新される進路予想生ものなので、必ず以下のURLで新鮮な情報を確認していただくとして・・・
このブログでは、昨日に引き続き各国のモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、台風接近?通過?時の具体的な空模様をイメージしておきたいと思います。
まずは気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)。
(図をクリックすると拡大します)
気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
今日も29日(土)~1日(月)の空模様をまとめてみましたが・・・
進路予想(中心線)とは異なり、昨日の計算値と同様大陸へと西進し、強い暖湿気のカタマリとして秋雨前線と合体して大雨を降らせることが予想されています。
まあこれも一つのシナリオ・・・イヤな空模様であることに変わりはありません。
続いて、米国の気象機関(NOAA)発表のGFSモデル。
こちらも進路、進行のタイミングともに昨日の計算値とほぼ同様。
台風をブロックする上空の太平洋高気圧が弱まり、台風25号?と思われる次の台風が北上する中・・・
朝鮮半島付近に南下する寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)南側の偏西風強風帯(水色の矢印)に捕捉され、足早に北東進することが予想されています。
さらにヨーロッパ中期予報センター発表のモデル。
昨日の計算値より進行速度は約1日遅くなったものの進路はほぼ同じ。
計算値通りに推移すれば、米国GFSモデルと同様直撃することになります。
ということで、進路予想、他国のシミュレーションを見る限り、台風の接近・上陸も考慮すべき状況になってきたと言えそうです。
しかしモデル間の予想のバラツキの原因はなんでしょうか??
単純に考えれば、台風をブロックする上空の太平洋高気圧の張り出しと、寒冷渦とともに大陸から南下してくる上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が九州付近に接近するタイミングのバラツキが原因だと思われ・・・
また・・・テレビの天気予報でも似たような解説がありましたけど・・・
そもそも台風の進路は上空の太平洋高気圧の張り出しと偏西風の南下のタイミングに支配されるのが当たり前。
なぜ24号は、進路の予想(上空の太平洋高気圧の張り出しや偏西風の南下のタイミングの予想)が安定しないのか?ということのほうが疑問です。
これは昨夜21時の300hPa(上空約9700m)の気圧配置と偏西風の実況。
日本付近は、東の上空の太平洋高気圧と、西のチベット高気圧に挟まれた気圧の谷。
台風24号は、風の弱い谷の南側で速度を落とし発達しているわけですけど・・・
台風の東を見ると、上空の太平洋高気圧の南西側を-30℃以下の寒気を伴った寒冷渦(UCL)がゆっくりと北西進していることがわかります。
もしかすると・・・この寒冷渦が上空の太平洋高気圧の西への張り出しの予想を不安定にしている張本人なのかも?
(他に台風25号?の存在も考えられますが、一つの仮説として考えてみました)
今年の7月、台風12号が太平洋岸を東から西へと異例の西進をしたことは記憶に新しいと思いますが、このとき台風を西に運んだのが南海上に停滞する寒冷渦。
台風24号の進路にも寒冷渦が一枚かんでいるかもしれません。
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
2、今日の空模様・・・秋雨前線 の雨優勢
それでは今日の空模様。
(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン
今朝の長野市街地・・・
志賀高原や菅平高原はもちろん、盆地周辺の里山すら灰色の雨雲に隠れています。
最低気温は17.1℃(09時00分)。
さすがに半そででは肌寒く感じられます。
そんな今朝の実況ですが・・・
南海上に秋雨前線が停滞。
南東風に乗って強い暖湿気がれ込み、西日本沖の前線キンク部(への字部分」低圧部)付近を中心に雨雲が活発化しています。
また、大陸から秋の空気を運ぶ高気圧が南東進中。
秋の空気の先端に寒冷前線が発生し、雨雲の帯とともに北日本を通過していることがわかります。
そして衛星の水蒸気画像を見ると・・・西から悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が接近中。
天気はまだまだ下り坂で推移すると思われます。
昨日21時から今日09時まで12時間のレーダー画像
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)
(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル
それでは今日これからの空模様・・・
気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。
(図をクリックすると拡大します)
まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・実況でチェックした悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が・・・
-20℃以下寒気の先端に流れる偏西風強風帯と、それぞれ-15℃付近と-10℃付近に流れる偏西風強風帯に沿って、北日本、東日本、そして太平洋沿岸を北東進。
で、このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・北~東日本を寒冷前線の降水帯が南東進(最後に潜在的な寒冷前線として関東付近を通過。雷雨も?)。
また、太平洋沿岸を秋雨前線の降水帯が南下することが予想されています。
(図をクリックすると拡大します)
これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。
一日を通してそこそこ強い暖湿気が太平洋岸の秋雨前線に流れ込み続け・・・
北風に乗って太平洋側まで吹き込む冷涼な秋の空気の上を暖湿気が緩やかに滑りあがり、雨雲を日本海側まで拡大させることがイメージできます。
もっとも、次第に潜在化する寒冷前線の先端が通過する関東付近・・・
こちらは寒冷前線が通過する夕方以降、上昇気流が活発化して・・・シトシト雨が雷雨に変わるかもしれません。
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ
それでは以上のチェックポイントを確認しつつ・・・
解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。
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紫色は下層雲。
秋雨前線に対応する収束線の降水帯が南下して弱まることが予想されていますけど・・・
西から後続の上空の気圧の谷が接近し、九州南岸付近で再び収束線が活発化する模様。
また北日本を通過中の寒冷前線は比較的早く東海上に抜けるものの関東付近に爪痕を残すかも?
このような秋の長雨状態・・・少なくとも明後日にかけて続きそうです。
【オマケ】
気象庁GSMモデル(初期値24日21時)、29日21時の予想(500hPa・地上)を簡単にまとめたもの・・・もったいないのでUPしておきます。
九州北部、中国、近畿、東海、北陸が梅雨明け
九州北部、中国、近畿、東海、北陸が梅雨明け
九州北部、中国、近畿、東海
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 ・天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html
KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw