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1、北半球上空の寒気と気圧配置の動向


 今日も北半球上空の寒気と気圧配置の動向から。
北半球アニメ190129
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 この一週間、追いかけ続けた-42℃以下の寒気を伴う寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)・・・
 ついに北半球で最も大きな寒気塊に成長し、極東に向かってシベリアを南東進し始めています。

 そんな状況の中、昨日気象庁から異常天候早期警戒情報(原本にリンク)が発表されました。


異常天候早期警戒情報190129

 北海道には「低温に関する異常天候早期警戒情報」。
 2月4日頃から約1週間、平年差を大きく下回る低温が続くおそれが高まってきたということ。

 一方、四国や九州南部 南西諸島方面には「高温に関する異常天候早期警戒情報」。
 こちらは2月2日頃から約1週間、平年を大きく上回る高温が続きそう・・・とのこと。

 北と西で両極端の気温傾向が予想されています

 ということは・・・現在シベリアを南東進中の巨大な寒冷渦・・・北日本限定で影響するということ??
 そこで向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データをチェックすると・・・

週間気温グラフ190129

 確かに気温の分布も西高東低?

 もっとも東~北日本への寒気の南下もアップダウンが非常に大きく、日本付近に寒気を運ぶ偏西風が短い周期で大きく蛇行することが想定されます。

 とすると・・・北の寒気と南の暖気がせめぎ合う東日本付近・・・
 激しい現象が発生する可能性も??

 あと一週間ほどで立春ですけど・・・
 寒気と暖気のせめぎ合いが、暖冬の特徴として当初声高に伝えられていた南岸低気圧として影響してくるのではないか?・・・注目していきたいと思います。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     


2、今日の空模様・・・冬型緩むけど・・・やっぱり一時的?


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の長野市街地・・・

菅平190129

 雪はチラチラ降る程度ですけど、しっかりと雪景色!
 アスファルトの路面も真っ白です(09時の長野市街地の積雪は7センチ)。
 (新潟県境の信濃町は117センチ。雪下ろし・・・どうしよう?)

 ただ・・・南の空はやや明るくて、雪雲の頂上(雲頂)が見える状態。
 冬型の気圧配置に伴う日本海側の天気の南端(日本海側から流れ込む雪雲の先端)が長野市の南側付近に位置していると思われます。

 ちなみに最低気温は-3.1℃(07時53分)。
 そんな今朝の実況ですが・・・

実況190129

 寒冷前線も閉塞して新低気圧に座を譲ろうとしている低気圧も東海上に抜け・・・
 まさに西高東低 冬型の気圧配置が完成した状態。

 等圧線が混雑して北西季節風が強まっている北陸以北中心に活発な雪雲が内陸奥深く(長野市の南側付近もですね)流れ込んでいることがわかります。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)と上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東~北日本を通過中。

 ということで・・・まさに午前中が冬型の気圧配置のピーク!

 ただ、朝鮮半島付近に好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が南下してきましたから、それほど長引くことはなさそうです。


昨日18時から今日06時までのレーダー画像
全国レーダー06時まで矢印掲載190129
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 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは今日これからの空模様・・・(今日は特別明々後日1日まで)

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM29日190129
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 実況でチェックしたように、-35℃以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)と上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東~北日本が南東海上に抜け・・・

 好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が北日本そして山陰に接近。
 天気は西から回復に向かうことが予想されています。

 このため地上でも・・・下段の図・・・冬型に特徴的な等圧線の縦型混雑エリアが東~北日本にかかるのも午前中が中心。
 北陸以北日本海側中心に風雪の強い状態が続きますが、夜にかけて次第に回復することが予想されています。

 また、西からは上空の気圧の尾根に対応して高気圧が東進。
 西日本は朝から、東日本も午後には冬晴れ優勢になるようです。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それでは以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ190129
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 紫色は下層雲。

 確かに全国的に回復に向かうことは確かですけど・・・

 北陸以北の日本海側は夜にかけても寒気を運ぶ北西風が優勢。
 日本海で発生した雪雲の流入が続き、平地で雪の目安=上空約1500m -6℃線の北上もかなり遅め。
 回復が遅れることが予想されています(むしろ十分の回復なく下り坂へ?)。

 また明日には日本海でも寒気を北に押し上げる南寄りの風が優勢になるものの・・・
 南西風の収束線が形成され(潜在的な前線の)降水帯も発生。
 早くも下り坂に向かうことが予想されています。


3、明日から3日間の空模様・・・01日にかけて再び冬型強まる!!


 ということで、明日は早くも下り坂?

 目まぐるしく変化する天気や気温・・・そして気になるシベリアの巨大寒冷渦・・・
 ということで、明日から3日間の空模様もザックリとまとめておきました。

GSM3日分190129
(図をクリックすると拡大します)

 明日夜にも上空の気圧の尾根は東海上へ。
 そして明後日からは早くも-45℃以下の強烈な寒気や寒冷渦が北日本へと南東進。
 北日本は再び寒波?(強い寒気という表現のほうがイイ??)に見舞われることが予想されています。

 加えて西~東日本にも、一段南側の偏西風強風帯に沿って上空の気圧の谷が南東進。
 北日本だけでなく、西~東日本も下り坂に向かうことが予想されています。

 このため地上では・・・寒冷前線が北日本を通過する明日夜遅くから北日本中心に西高東低 冬型の気圧配置が強まり・・・
 さらに1日にかけて-12℃以下の寒気が今季1~2を争う位置(北陸)まで南下することが予想されています。

 また西~東日本でも前線・・・あるいは前線上の南岸低気圧が東北東進(前線が北の寒気と西の暖気の境目の目安?)。
 冬型に伴う北風が押し下げた寒気によって、太平洋側でも高地中心に降雪になることが心配されます。

 そして立春にかけては???
 計算値がブレブレなので今日は作図をしませんでしたが、明日以降も可能な限り最新データを追いかけたいと思っています。


 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


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