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1、梅雨入り発表についてあれこれ


 昨日、西日本を飛び越し、関東甲信・北陸・東北南部で梅雨入りの発表がありました。

 西日本の週間予報(7日の週間予報の天気マークの並び)を見ると、曇りマーク優勢とはいえ傘マークは無し。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/    

 西日本だけ梅雨前線の影響を受けないということなんでしょうか?

 そこで、米国の気象機関(NOAA)発表のGFSモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーションを使って、向こう10日間(8日09時~17日21時)の空模様をチェックしてみました(インド洋も含め広範囲を見渡せるため)。

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(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 向こう10日間、アップダウンはあるものの、梅雨前線は沖縄付近に停滞する一方、南東方向から張り出す太平洋高気圧に押し上げられ、房総半島方面に接近する傾向もみられます。

 確かに、この状況を素直に解釈すれば、梅雨前線に近い状態が続く関東甲信や東北南部を梅雨入りさせて、西日本の発表を躊躇するのもうなずけるわけですけど・・・

 ただ・・・梅雨前線は南下するものの、西日本に全く雨が降らないわけではなく、周期的に不安定性の?降水域がかかることも予想されています。

 かつて、梅雨前線が南下したままでも連日不安定性の降水が予想される状態で梅雨入りの発表がされ・・・多くの解説者が「防災上の目的から梅雨入りの発表がなされていることから、梅雨入り発表と梅雨前線の位置とは無関係」と解説し、Kasayanも「そんなモンかな」と感じたことがありました。

 ですから、昨日の(避難勧告級の)梅雨前線による大雨と、今後の不安定性の降水の予想をもってもしても、あえて梅雨入り発表をしなかった西日本の予報官の「確信」をお聞きしたいという気持ちでいっぱい。

 どこかの新聞社でも取材してくれないかしらん?
 (梅雨入り発表は基準がなく予報官の胸先三寸で決定。気象解説者でも、取材または記者会見がなければ本当の理由がわからないのです。放送局にいれば取材電話を入れたところですけど・・・)

 ところで、西日本で梅雨前線が南下し続ける理由・・・地上の空模様の骨格といえる上空約5500m(500hPa)の偏西風強風帯の向こう10日間のアニメを作成しておきました。

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(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 梅雨前線を形成する2本の偏西風強風帯・・・インド洋からの温かく湿った空気を運ぶ偏西風とヒマラヤの北側の砂漠地帯からやってくる乾いた偏西風が西日本で大きく南に蛇行。
 東日本の南で合流する傾向が見られます。

 この蛇行の大きさと合流の位置が、こんな変則的な状況を形作っていると思われます。

 これ・・・エルニーニョ現象によって、上空の太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱いから?
 まさに先月末に発表された3か月予報(リンク)の内容とピッタリ!
 今年の夏もこんな状態が続いてしまうんでしょうか??

 一応・・いつものように、向こう一週間の気温傾向(平年差)もご紹介。

週間気温グラフ190608

 気温傾向は・・・西日本も含めて梅雨寒「傾向」・・・なんですけどね?


2、今日の空模様・・・梅雨前線南下、低気圧東進・・・だけど回復不十分


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の 長野市街地・・・

菅平190608

 どんより・・・という表現がピッタリの曇り空。
 雲底は里山の中腹より下・・・標高500m前後といったところ。
 北風に乗って、低い雲が新潟県方面(写真左側)から流れ込んでいるようです。

 最低気温は16.3℃(04時04分)。
 ここ数日、最低気温の変化は1.5℃以内に収まっていますけど、今朝はなんだか肌寒く感じられます。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況190608

 昨日の大雨をもたらした梅雨前線は太平洋に抜け、関東付近で新に発生した低気圧も東海上へ。
 太平洋側の大雨は終わり、回復に向かい始めているようです。

 一方、若狭湾沖には昨日の主役を演じた低気圧の残骸が。
 この低気圧から延びる潜在的な前線(風の収束線)の雨雲の帯が北陸付近に残っています。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・回復と思いきや・・・悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が・・・日本海を南東進、さらに太平洋岸を東進中。
 このまま回復しそうもありませんね?

昨日19時から今日07時まで12時間のレーダー画像と07時の推計気象分布

全国レーダー07時まで190608
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 ※沖縄・奄美付近・・・梅雨前線の活発な雨雲が・・・





 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM8日190608
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 日中、関東甲信から東北付近を-10℃以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が南東進。
 また、北日本を-10~15℃以下の寒気を伴った上空の気圧の谷が南東進。

 このため東~北日本は夜にかけて断続的に下り坂。
 大気の状態も不安定で推移すると思われます。

 一方、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根が山陰沖を東進。
 完璧ではありませんけど、西日本は回復に向かうことが予想されます。

 そして温かく湿った空気を運ぶ偏西風強風帯が停滞する沖縄付近。
 上空の気圧の谷が通過するたびに梅雨前線が活発化し・・・条件次第で大雨になることが心配されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の谷の通過に伴い、日本海側の降水帯が弱まりながら太平洋側へと南東進。
 昨日流れ込んだ残留暖湿気と上空寒気によって大気の状態が不安定になり、脊梁山脈や中部山岳の影響もあって、太平洋側ではあたかも夕立のような突然の雷雨になることが心配されます。

 また、北日本には低気圧の北側・・・温かく湿った空気が流入。
 寒気を伴う上空の気圧の谷と相まってこちらも大気の状態が不安定に。
 雷雨だけではなく、降雹などの被害も心配されます。

 そして南西諸島方面・・・もちろん梅雨前線が停滞。
 上空の気圧の谷が通過するたびに雨雲が活発化すると思われます。

相当温位8日190608
(図をクリックすると拡大します)

 これは上空約1500mの気温に水蒸気の様子も加味した相当温位図という特殊な天気図。

 東日本にたっぷり残った暖湿気が北風とともに太平洋側へと南下していくことが分かります。
 この暖湿気の北縁付近・・・潜在的な前線が形成され、潜在的な前線が通過するタイミングで雷雨になりやすい・・・と思われます。




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ190608
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 明日にかけても回復不十分。
 東日本南岸には小さな降水域が予想され続け、まさに梅雨空といったところ。
 
 明日日曜日の空模様も気になりますよね?


3、明日の空模様・・・明日も東日本中心、広範囲でにわか雨又は雷雨?


 ということで、明日の空模様

 こちらは今日の空模様を参考に図中の書き込みをお読みいただければ幸いです。

GSM9日190608
(図をクリックすると拡大します)

相当温位9日190608
(図をクリックすると拡大します)



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


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