昨日午後の黒姫高原。
見渡す限りの田んぼや畑に5センチほど雪が積もり、ようやく冬らしい景色になりました。
この時期、早ければ畑の境目もわからない雪原になるのですが、今年は師走ギリギリでした。
昨日滑り込みセーフのタイヤ交換をしたKasayan・・・
うまい具合に雪道走行のリハビリとなりました。
1、向こう一週間の気温傾向(平年差)と、明日以降の空模様
今日から師走・・・気象の世界でも冬になります。
ということで、今年も毎日北半球上空の寒気の様子を追いかけ始めます!!
(1)向こう一週間の気温傾向と、次の寒気までの空模様
まずは向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データ。

今日明日は平年を大きく上回る高温傾向で推移するものの、明後日(火)からは全国的に低温傾向。
東~北日本を中心とする「寒波」(気象庁用語集:主として冬期に、広い地域に2~3日、またはそれ以上にわたって顕著な気温の低下をもたらすような寒気が到来すること。)と言ってもよさそうです。
では、この「寒波」をもたらす寒気の全体像を北半球上空の気圧配置と寒気の実況天気図(昨夜21時)を使って確認しておきましょう。

現在、日本付近では偏西風が北に蛇行。
これに伴い寒気が北上・・・するだけでなく暖気が流入。
グラフで見たように、今日~明日は平年を大きく上回る温かさが予想されています。
ただ-42℃以下の真冬の寒気がシベリアに流出し始めていて、上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)とともに日本方面に南東進していることがわかります。
これが明後日以降に予想されている「寒波」の原因になるようです。
(2)「寒波」までの具体的な空模様・・・気圧の谷通過のち西高東低 冬型!
続いて、「寒波」までの具体的な空模様は?
気温のアップダウンあるということは、寒気と暖気のせめぎあいによる悪天候の可能性大! 昨日に引き続き、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成にい用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、明日 2日(月)09時から4日(水)09時の空模様をチェックしておきました。
例によって詳細は図中の書き込みをお読みいただくとして・・・
明日2日(月)に深い気圧の谷が通過して強い暖湿気が流入。
気温上昇、そして全国的に荒れた天気になった後・・・
3日(火)には西高東低 北日本中心・・・というより北日本限定と言いたくなる気圧配置になり、これまた北日本中心?限定?で下層寒気が南下。
4日(水)にかけて東北以北の日本海側中心の雪になり、北海道では暴風雪や高波が続くことが予想されています(昨日の記事も参照)。
これだと・・・せっかく冬景色になった黒姫高原・・・冬枯れにもどってしまうかも??
まだ2シーズン目のスタッドレスタイヤも減ってしまう??
(3)低温が続く週末まで・・・特徴的な空模様
週間の気温傾向のグラフでは若干の気温上昇が予想されている07日(土)の空模様。
「条件が重なりすぎた場合」は熱帯低気圧による太平洋側の雪という超レアな現象も予想・・・というより妄想?されるので、昨日に引き続きチェックしておきました。
昨日のデータ(図にリンク)と比較すると、北日本を通過する冬の寒気を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)の通過のタイミングが若干遅れるものの・・・
西日本に上空の深い気圧の谷が接近することも、上空の太平洋高気圧の縁辺を低気圧?あるいは熱帯低気圧が北東進することも同様。
そして一番重要な関東付近への下層寒気(上空約1500m)の南下は・・・やや弱まる予想に。
「今日のところは」関東南部平野部の降雪の可能性が「低くなった」と言えそうです。
また、南の海上を北東進する低気圧・・・
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
他国のモデル(シミュレーション)もチェックしてみましたけど、熱帯低気圧か否かはまだ???状態です。
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
2、今日の空模様・・・気温上昇も西と北から下り坂!
それでは今日の空模様。
(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン
今日は新潟県境 信濃町 野尻湖畔からのブログ更新。

雪が積もった木々を透かして見える空はほぼ快晴。
屋根からは今季初のツララが下がりました。
最寄りの信濃町アメダスの最低気温は-4.5℃(03時29分)。
水道管の凍結を心配する気温です。
そんな今朝の実況ですが・・・

昨日の晴天をもたらした高気圧は東海上へ。
代わって北海道方面、そして九州方面に向けて前線を伴った低気圧が東進しています。
したがって西と北から下り坂?
衛星の水蒸気画像を見ると・・・
北日本の低気圧は寒冷渦と寒気を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)に対応しているようですが、東日本を東進中の低気圧についてはイマヒトツ。
素直に下り坂に向かうんでしょうか?
昨日19時から今日07時まで12時間のレーダー画像と07時の推計気象分布

(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル
それでは、今日これからの空模様・・・
気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。
全体としては、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東海上に抜け、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が通過するという「流れ」ですけど・・・
そう単純に気圧の尾根と気圧の谷が入れ分かるわけではなさそうです。
サハリンに進む寒冷渦や、先行して東日本を通過する上空の浅い気圧の谷のも考慮しつつ、図中の書き込みをお読みいただくとして・・・
※正直なところ、コメントでまとめるのがとてもメンドウなので・・・ごめんなさい。
このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・寒冷渦に対応する低気圧と前線が北日本を通過。
寒冷渦によって大気の状態が不安定になり、乱時間強雨や落雷、突風が心配されます。
また、ゆっくりと北東進する上空の気圧の谷に対応して低気圧と前線が九州方面へ。
低気圧東側に流入する暖かく湿った空気(暖湿気)によってこちらも大気の状態が不安になり、前線付近や山岳南斜面を中心とする短時間強雨・落雷、竜巻等の突風の発生が予想されます。
そして・・忘れちゃならないのが、上空の気圧の尾根に先行して東日本を通過する上空の浅い気圧の谷の影響。
東海沖に弱い気圧の谷(低圧部)が発生することで暖かく湿った南寄りの風の収束線が活発化。
沿岸に弱い降水域が予想されています。
これは上空約1500mの気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。
午前中、高気圧縁辺の暖かく湿った南寄りの風が東海沿岸に流入。
潜在的な前線帯(風の収束線)を形成することが予想されています。
また、低気圧が対馬海上付近を通過する夜になると、西日本の南岸にも暖かく湿った南風が流入。
大気の状態が不安定になることがわかります。
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ
それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・
解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

紫色は下層雲。
詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・
いずれにせよ北と西から下り坂に向かい(東日本沿岸のオマケの雨も?)、明日朝は広範囲で「12月の雨」になる模様。
ただ、のんびりとクリスマスに想いを馳せるような穏やかな雨にはならないようですね。