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 昨日朝、長野・新潟 県境にかかる信越大橋から見た妙高山

妙高山191210

 木々の枝には薄っすらと積雪。
 また、妙高山の裾野には長野県と新潟県を行き来する空気の流れ(海風・陸風)に沿って層雲が発生。

 黒姫・妙高高原を飾り付ける白い気象現象と、抜けるような上空の青空のコントラストに、車を停めてしばし見とれてしまいました。




1、北半球上空の寒気と、向こう一週間の気温傾向(平年差)・・・なぜ高温続く?


 今日も北半球上空の気圧配置と寒気の実況天気図(30日21時~昨夜21時)のアニメから。
北半球アニメ191210

 ここ一週間ほど、北海道付近に停滞していた寒気塊が東海上へ。
 日本付近では偏西風が北に蛇行し、南風に乗って暖気が北上しやすい状態になりました。

 この点、シベリアにはまだ寒気塊が残っていますが、これまでの寒気に比べればかなり小さめ。
 明後日あたり日本付近に南下してくるはずですが、影響は小さく一時的なもので済むと思われます。

 一方、北極海上空は寒気放出傾向から蓄積傾向に転じた模様。
 一時的に日本付近より気温が上昇しましたが、ここにきて-42℃以下の寒気も観測されるようになりました。

 向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データをチェックすると・・・

週間気温グラフ191210

 現在シベリアで南東進中の寒気塊が訪れる明後日12日(木)・・・やはり気温が低下するものの、東~北日本限定。
 西日本は平年を大きく上回る状態が継続し、東~北日本の低温もたった1日で終わることが予想されています。

 ということで・・・全体的に見ると、向こう一週間は平年を大きく上回る状態が継続。
 昨日気象庁は、全国に高温に関する早期天候情報(リンク)を発表し、農作物の管理等に注意をよびかけました。

早期天候情報191210






 (2)なぜ高温が続く?・・・上空の気圧配置と偏西風(空模様の骨格)の動向


 それにしても、なんで平年を大きく上回る高温傾向が続くんでしょう?

 地上の空模様や気温の骨格といえる上空の気圧配置、そして冬の寒気を運ぶ偏西風の様子などを、週間予報作成用の向こう一週間の高層天気図を使ってまとめておきました。

週間高層天気図191210
(図をクリックすると原本にリンクします)

 左側の図は、地上の空模様の骨格といえる 500hPa(上空約5500m)の気圧配置。
 冬の寒気を運ぶ偏西風強風帯と上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)の様子を描き込んでおきました。
 右型の図は、地形や日変化を受けにくい上空約1500mの気温分布。
 平地降雪の目安 -6℃以下、高い山の雪の目安 0℃以下のエリアを色分けしておきました。

 で・・・向こう一週間の高温の理由は一目瞭然!
 日本付近には、上空の気圧の谷が通過して周期的に寒気が南下してくるものの・・・
 冬の寒気を運ぶ偏西風強風帯はせいぜい北海道付近までしか南下してきません。

 これに対応して、上空約1500m(地上付近)の寒気も周期的に南下してくるものの、平地で雪を降らせるような寒気の南下も東北付近まで。
 まともに雪が降りそうなのは東北北部・・・いや?・・・北海道限定と言っていいかもしれません。

 ではなんで冬の寒気を運ぶ偏西風の南下が弱いのか??

 すぐに温暖化の影響なんて思い浮かべる方も多いと思いますけど・・・
 たとえ一週間でも地球にとっては一瞬のことで、Kasayanには分かりません。
 高温傾向を帳消しにするような反動(北極で寒気が蓄積され始めていますよね?)を心配しつつ、長期予報の最新データを追いかけることしかできません。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/   


2、今日の空模様・・・気圧の谷の影響は局地的?


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今日の長野市街地・・・

菅平191210

 最低気温は-0.8℃(06時55分)で平年並みですけど、日差しの強さと志賀高原~菅平高原の稜線にかかるモヤの様子はまるで春先のよう。

北アルプス191210

 かすかにモヤった空気を通してみる北アルプスも、雪解けの頃の姿に似ています。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況191210

 日本付近は、東シナ海と三陸沖の高気圧に挟まれた気圧の谷?あるいは気圧の鞍部?

 衛星の水蒸気画像を見ても、日本付近は東西2本の上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)に上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が挟まれていることが分かります。

 03時現在、気圧の鞍部(関東甲信北部付近)の北側では低気圧と潜在的な寒冷前線(気圧の谷)が東進中。
 活発な雨雲が北日本にかかり始めていることが分かります。

 一方、気圧の鞍部の南型では気圧の谷(黄色の破線)に冷湿・暖湿両性質の空気が流れ込んで雨雲が発達中。
 関東南部では冷たい雨が降っているようです(09時過ぎには概ね東海上に)。

 とすると・・・上空の気圧の谷の東進に伴って雨や雪のエリアも東海上に抜けることになりそうですけど・・・素直にそうなりますでしょうか?

昨日20時から今日08時まで12時間のレーダー画像と08時の推計気象分布

全国レーダー08時まで191210







 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM10日191210

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 実況でチェックした悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)は、足並み(位相)が揃い切らないまま、午前中にも東海上に抜ける模様。

 代わって好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が日本付近を通過していくようですが・・・かなり足が速い!
 早くも後続の上空の(浅い?)気圧の谷が日本海や(ピンク)、太平洋岸を北東進することが予想されています。

 このため地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の谷に対応する、(前線になりきれない)潜在的な前線(風の収束線)の降水帯が北日本を通過。
 また、関東沿岸の気圧の谷に発生した風の収束線の降水域が東海上に抜け・・・

 上空の気圧の尾根に対応する高気圧が東シナ海から移動してことが予想されています。

 ただ・・・先行して日本海を北東進する後続の上空の気圧の谷(ピンク)に対応して後続の潜在的な前線(南西風収束線)の降水帯が北海道方面へ。
 先行する潜在的な前線の降水帯も東北北部に残ることが予想されています。

 また、上空の気圧の尾根が先行し、九州に移動する高気圧も次第に弱まる気配が見られます。

 ということで、西日本はまずまずの晴天で、寒気の北上と相まって気温も上昇。
 東~北日本は、潜在的な前線や風の収束線の影響で、局地的、比較的短時間の雨や雪がありそうです(北海道も雨や湿雪主体)。

 ※本当は相当温位図もチェックすると潜在的な前線の位置がハッキリするんですけど・・・
  時間切れ。






 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ191210

 紫色は下層雲。

 降る場所よりも降らない場所のほうが多いですけど、黄色の点線付近にお住まいの方は、「ギリギリ大丈夫」なんていう見方をしないで、予報文の「所により雨」「所により雪」「・・・雷を伴う」等の文字をチェックするのがおススメ。

 そして・・・明日も日本海側は似たような空模様が続きそうですよね?



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


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