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 下図は、一昨日(9日)に発表された一か月予報の解説資料(PDF全文にリンク)。

1か月予報200111
(図をクリックすると拡大します)

 「大陸の気圧が平年より低く、東海上の気圧が平年より高い」という西高東低 冬型の気圧配置を打ち消すような傾向が記載されています。

 このため、寒中から立春にかけても高温傾向の継続することが予想されているわけですけど・・・
 (このブログをお読みの方なら、偏西風の蛇行が平年と異なるため・・・と推測できますよね)

 ニュースでは、全く雪の無いスキー場の映像や雪を使った冬の行事の開催に四苦八苦する様子が映し出される中、Kasayan的には反動の大豪雪や季節外れの大雪を心配しています。

 というのも・・・冬の間に大雪や寒波で地球の温度調節が行われなければ、もっと大げさな、例えば梅雨の豪雨や記録的な冷夏によって温度調節をする必要が生じるところ・・・さすがにそんなことは滅多に起こらないから。

 ただ・・・西日本豪雨や台風19号の被害を考えると、暖冬も想定を超えたところまで達しているのかな?と心配になってしまいます。

 冬は残り一か月半あまり・・・・何が起こるんでしょうね?????





1、北半球上空の寒気と、向こう一週間の気温傾向


 今日も北半球上空の気圧配置と寒気の実況天気図(昨夜21時まで7日間)のアニメから。
北半球アニメ200111

 季節は寒に入り、例年なら-42℃以下の紫のエリアが北日本に南下して寒波をもたらしてもおかしくないんですけど・・・・

 今回も-42℃以下の寒気は日本のはるか北を素通り。
 北日本にも、-30℃前後の、本来なら山陰付近まで南下してもおかしくない寒気しか流れ込まない状況が続いています。

 いつものように向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データをチェック(昨日の計算値と比較)しても・・・

週間気温グラフ200111
(図をクリックすると拡大します)

 来週、北海道でようやく平年並みに戻るものの、西~東日本はブレ幅を想定しても高値安定。

 寒中らしく寒波が訪れる気配も見られません。

 このような記録的な状況に、暖冬を喜んでいた豪雪地帯の方々も、さすがに問題意識をもたれたのではないでしょうか?
 冬だけではなく日本の四季を考えれば、降るべき時に平年並みに降ることが必要だと思います。



 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/   


2、今日の空模様・・・気圧の谷が通過するけど影響は局地的??


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の 長野市街地・・・

菅平200111

 早朝は霧に覆われ、雲と霧の境目が分からないまま善光寺平(長野盆地)一杯に白いモノが溜まっていたものの、07時過ぎから青空が広がり始めました。

北アルプス200111

 基本、空気は澄んでいて、他の山とは別格に白い北アルプスはハッキリと見えます。

 最低気温は平年より1℃ほど高い-3.0℃(05時41分)。
 雪のない景色と相まって、寒中という気がしません。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況200111

 日本付近・・・三陸沖の高気圧と大陸の高気圧に挟まれた気圧の谷?気圧の鞍部??
 ということは・・・今日は下り坂??

 衛星の水蒸気画像を見ると、冬の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が日本海を南東進中。

 これに対応して低気圧と潜在的な寒冷前線も日本海を南東進中。
 このため、北陸以北はこれから下り坂、そして大気の状態が不安定になりそうです。

 また、(水蒸気画像)東シナ海方面にも上空の気圧の谷が南東進中。
 これに対応して東シナ海に発生した気圧の谷(黄色の破線)には暖湿気と寒気が流入。
 潜在的な前線が発生し、前線の雨雲の一部が九州に接近していることが分かります。

 したがって、北と西から下り坂ということになりそうですけど・・・具体的な空模様は??

昨日21時から今日09時まで12時間のレーダー画像と09時の推計気象分布

全国レーダー08時まで200111






 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それではこれからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM11日200111
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 今日の下り坂のポイントは、-30~35℃以下の寒気を伴う上空の気圧の谷(ピンクの点線:偏西風の南側への蛇行域)が北陸以北を通過するということ。

 このため地上では・・・下段の図・・・この上空の気圧の谷に対応して、北海道付近と日本海を潜在的な前線帯(黄色の点線:風の収束線)を伴った低気圧(気圧の谷)が通過が予想されていて・・・
 低気圧の上陸時や潜在的な前線帯の通過時を中心に、不安定な大気による雷を伴った雪や雨、突風等の激しい現象の発生が予想されます。

 一方、西~東日本では・・・再び上段の図・・・午前中、上空の浅い気圧の谷(正渦度極大値)が九州南部付近を通過するものの、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が、ピンク色の上空の気圧の谷を追うように東進する模様。

 午前中、九州南部付近を潜在的な前線の雨雲が通り過ぎるものの、西~東日本は夜にかけて概ね冬晴れ優勢で推移することが予想されています。

 そして・・・沖縄付近には南岸低気圧が発生。
 明日の太平洋側への影響が気になりますよね??




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ200111

 紫色は下層雲。

 詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 今日は北陸以北中心の下り坂が予想されていますけど、雨や雪の影響は風の収束線に沿って局地的。

 収束線が通過するタイミングで天気が急変するので、いわゆる時系列予報やピンポイント予報は、収束線が通過するブレ幅も想定し、気象レーダーと併用するのがイイかも?

 そして明日・・・南岸低気圧が北上するタイミングの関東南部の気温は-2~-4℃。
 降雪も視野に入れる必要がある気温ですけど・・・





3、あすの空模様・・・南岸低気圧の影響は?


 それでは、南岸低気圧の通過が予想されている明日の空模様

GSM12日200111
(図をクリックすると拡大します)

 こちらも詳細は図中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 昨年1月までのように、降雪を予報官の目視で観測していたのなら、「関東南部(都心部)の雪の可能性は低い」と言いやすかったのですが、今期は機械による自動観測。

 横浜の初雪が観測された昨年12月7日の03時頃の気温はなんと7℃以上。
 上空約1500mの気温は-2℃前後、上空約5500mの気温は-15℃前後という従来では信じられないような高温でした。

 極端に湿度が低かったから?・・・等の理由も考えられましたけど・・・
 その後の東京の初雪時の状況や今朝の埼玉の初雪時の状況(最低気温3.2℃、上空約1500mの気温-3℃前後、高気圧後面の気圧の谷における降雪)ということから考えると、明日、関東南部でも雪になる可能性は十分にあると思います。

 今回積もるか積もらないかといえば、積もる条件が整っているとは言えません。
 ただ従来のように「雪にならない」という表現ではなく「雪(みぞれを含む)になるけど積もる心配はない」という表現を多用すべき状況になったと思います。

 ※関東平野山沿いや山梨方面、長野県中南部ではベタベタ雪の積雪も想定したいところ。
  3連休に中央高速を利用するなら、交通情報のチェックを忘れないようにしてくださいね。



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


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