気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

上空の気圧の谷

 Twitterでは、今日の記事の内容をひとことでまとめています。お時間の無い方・更新時間を知りたい方はご利用ください。https://twitter.com/kasayangw

年越し寒波最盛期!正月寒波?最新データ!!お天気放談 最終回(211231)


・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 読みにくい、難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報よりずっと多くの情報が得られる・・・はず?
   


 「気象予報士Kasayan番外編」のTweetから。.

 このブログを書き始めて今日でちょうど10年。
 とうとう最終回?の日を迎えることになりました。

 この一週間 あれこれ綴ってきましたけど、最後は「これから」のこと。

 このブログ自体は「10年間の(Kasayanの目を通した)気象の記録」なのでそのまま保存。
 そしてこれからは「気象に絡めたKasayanの備忘録的行動記録」になるんだろうな・・・たぶん・・・と思っています。

 Kasayanも今年で還暦になったので、やりたいことに身体がついてくるのも残り10年(10年以下かもしれませんけど)、それ以上は未知数。

 残された10年、「気象に絡めたKasayanの備忘録的行動記録」として残るであろ最優先事項は「ヨットで2回目の日本一周をすること、そして大陸に渡ること」に関係することになるんだろうと思います。

 2000年の1回目の航海(自己紹介や航海日誌を掲載したHP)はヨット好きの気持ちを満足させること、そして自分の命をかけて気象予報士としての腕試しをするという目的がありました。

 あれから20年、第2回目の航海の目的は、国外も含め1回目の航海で行くことが出来なかった地域を旅すること、そして「海から見た日本の気象を記録し、気象の分野と沿岸航海のための気象的水路誌(パイロットチャート)を作成する」ということ。

 このブログを書き続けることができた最大の原動力は、衰える中で実施する2回目の航海を無事に遂行するため「気象に関する感性を磨くこと」と言っても過言ではありません。

 コロナの影響で2年前からストップしてしまった準備作業(家庭のこと、資金のこと、ヨットのことなど)を徐々に進めていきたいと思っています。

 そしてもう一つ「気象に絡めたKasayanの備忘録的行動記録」に記録したいと思っているのが、生まれ育った長野県の気象に関して番組企画も含めて10年間蓄積してきた資料や1000本近く撮影した空のタイムラプス動画。
 再調査、追加調査も含めて、書き貯めたいと思っています。

 中部山岳を抱える長野県・・・農業や林業を始め、登山やスキーのために気象を勉強したいと考えておられる方々のお役に立てるものに仕上げたいという気持ち・・・そして、久々に一冊の本を書き上げる準備をしておきたいという気持ちから。

 というわけで、人様にお読みいただける内容として継続するかは??ですけど、毎日更新は無くても何かしら・・・タイムリーかは分かりませんけど・・・お役に立つかどうかも自信は持てませんが・・・少なくとも「面白い」「興味が沸く」と思っていただけるような情報は共有できるよう努めたいと思っています。

 ということで・・・今日のブログ記事を書く前の挨拶?はここまで。
 (いつもの流れで推敲することもなく書き綴ったので・・・ある意味本音そのものです)

 今までお付き合いいただきありがとうございました。
 まだお付き合いいただけるのでしたら、これからもよろしくお願いいたします。





1,北半球上空の寒気・・・年越し寒波 真っ最中


 それでは毎日更新最後の北半球上空の気圧配置と寒気の様子から。

 今日は12月1日~30日 の北半球上空の気圧配置と寒気の様子をアニメ化しておきました。
北半球アニメ211231

 昨日の記事に書かせていただいた通り「毎日決まった時間にアニメを作成してUPするという訳にはいきませんけど、少なくとも気象の世界の冬が終わる2月末日までは作図し続けるつもりです」。

 また、本日のTwitterには、こんなことも書かせていただきました。

 天気図が掲載されているアニメの原図も含めて、放送で使用することを前提に原図(JPEG又はPSDファイル)を無料で差し上げます。

 もちろん加工は自由、そしてクレジットも不要です。

 寒気だけの図についてはすべてKasayanの手作りですから著作権上も問題ありません(フリー)し、解像度的にも地デジOK(実はこのアニメ4年前まで4年間 公共の電波に乗っていました)。

 CG作成に悩んでいる地方局の気象予報士の方・・・遠慮なくご連絡ください。

 【追記】
 当該アニメは少なくとも2月末までTwitterにて毎日更新予定。
 このブログには不定期に「まとめ」を掲載したいと思います。

 (あれこれ余計なことも呟いているアカウント)

 (ブログの更新をお伝えするアカウント)


 続いて気になる向こう一週間の空模様・・・北半球の寒気アニメを見て気になるのは、騒がれている年越し寒波だけでなく、「次の寒気」がいつ来るのか?どのように来るのか?ですよね?

週間天気図211231
(図をクリックすると拡大します)

 年越し寒波の寒気は2日頃に東海上へ。

 ただすぐさま次の寒気(寒冷渦)が日本付近に南下し「正月寒波」に??

 帰省に冬山・・・寒波の影響 慎重考慮願います!!


 ちなみに、この図も1度だけ(2回かな?)長野県のローカルテレビ局の天気コーナーに登場したことが有ります。

 視聴者が拒絶反応を示すか示さないかは「解説者次第」。

 天気図を取り除いて表示するという方法もありますけど、(このブログを解説者の方がご覧になっているのであれば)できればそのまま天気予報番組で使ってみてはいかがでしょう?

 視聴者の方々の中にも、(案外?)ぜひ使って欲しいという方がいらっしゃいますよね???
 (※この図を使った時、20分以上のコーナーの後半ほど視聴率が上がりました)


2,今日の空模様・・・暴風雪、大雪の年越しも?


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の長野市街地・・・

 そんな今朝の実況

実況211231
(図をクリックすると拡大します)

 今日はこの図を掲載しつつ、こんなことをTweetしました。

 「冬型の気圧配置と強い寒気の組み合わせだけが大雪の原因だったら日本海側では一様に広範囲の大雪になるはず。

 JPCZなら若狭湾付近だけ?

 そうなっていない理由に仮説を立てられることが大切だと思います。」

 そんな仮説をお伝えすることで、異論がある方にとっても「たたき台」として利用していただければ・・・と考えて続けてきました。

 「たたき台」になっていれば良かったのですけど・・・ガタガタする踏み台程度だったかも?







 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM31日211231
(図をクリックすると拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は地上気圧と降水量と地形の影響や日変化の少ない上空約1500mの気温の様子

 例によって詳細は図中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 「悪天パワーを持つ上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)」という定型文を使ってきました。

 分かりにくかったかもしれないので・・・山岳ガイドのタマゴたちに上空の気圧の谷について説明するときのフレーズを・・・

 「高速道路の急カーブを思い起こして!カーブの入り口ではブレーキを踏むので車間距離が短くなるよね。反対にカーブの出口ではアクセルを踏んで車間距離が広がるよね。・・・それと同じ、偏西風の蛇行域の西側=急カーブの入り口では空気が圧縮されるけど、蛇行域の東側=急カーブの出口では空気が膨張(発散)されるんだよね。これに対応して、蛇行域西側の地上では上空で圧縮された空気が発散(高気圧が発達)され、東側の地上では上空で発散された空気を補うように空気が収束する(低気圧が発達)するんだよね」

 悪天パワーはこれだけじゃありませんけど、なんとなくイメージしていただければ・・と思います。

 長々と分かりにくい解説??を続けて申し訳ありませんでした。

 【おまけ】
 年越し寒波が続く元旦の空模様・・・作図だけしておきました。

GSM01日211231
(図をクリックすると拡大します)

 もはやKasayanの余計なコメントなどいらないですよね??







 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ211231

 紫色は下層雲。

 こちらも詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 今やこのようなアニメがネット上でいくらでも見ることが出来ます。

 そんなとき、ぼんやりと雨や雪のエリアを見るのではなく、このアニメのような視点でご覧いただければ、今まで以上に深読みができるかと??

 ぜひチャレンジしてみてください。


 というわけで・・・ついに最後の時が来ました。

 といってもブログ自体は継続する・・・はず。

 とりあえず正月3日間、10年振りに朝からゆっくりと酒を飲んで過ごしたいと思います。
 たくさんいただいたメールやコメントを読み直しながら・・・

 ありがとうございました。

かさやんべや211231

  【2022元旦追記】

ブログ年賀状220101

 コメント欄への書き込み、メールありがとうございました!!!!!!

 今年の目標・・・遊び人の気象予報士に徹すること(今まで通りということ?)!



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): https://apps.ecmwf.int/webapps/opencharts

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 「可能な範囲」で返信いたします。

  ※当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています。
  ※当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。
  ※私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。



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年越し寒波スタート!日中 冬型完成、夕方から雪雲活発化!新年の空模様は?(211230)


・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 読みにくい、難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報よりずっと多くの情報が得られる・・・はず?
   


 「気象予報士Kasayan番外編」のTweetから。.

 買い物にでかけたついでに、時々 気象レーダーの様子を見ています。

 合成で用いられる気象庁のレーダー網とは無関係な開発研究用の気象レーダー。
 数年前 に画像を見せていただいてから、独りぼっちのレーダーが気になって・・・。


 さて、いよいよこのブログも明日で毎日更新終了。
 現在のような趣旨・内容での更新も明日で終わるつもりです。

 で・・・今日も昨日までの続き。

 昨日は、気象に関する情報(予報ではありません)をお伝えする立場で綴りましたが、今日は「Kasayan自身が天気予報のヘビーユーザー、農業や漁業、アウトドアの方々と同じ立場に立っていた」ということについて綴りたいと思います。

八戸写真211230
(写真をクリックすると拡大します)
 
 この写真は21年前、Kasayanが26ft(約8m)の小さなヨットで半年かけて日本一周をした際、八戸の港で「突ん棒漁」を生業とする漁船に1週間以上も横抱きさせていただき、台風をやり過ごしたときの写真。

 以前もこのときの様子について書いたことが有りますけど・・・この期間、毎日のように(時には1日2回)天気図やノートPC(Windows95 アナログ携帯とモデム接続でした)を片手に漁船の船長と作戦会議?を開いていました。

 当然ですけど、漁師さんは経験だけでなく観天望気、土地勘、いずれをとってもプロ中のプロ。

 ましてや房総半島沖から襟裳岬沖までを漁場とし、モリ一本でカジキを採っているような方々ですから、三陸のヤマセのパターンや北緯40度線 を境界とする天気変化など、気象予報士といえども天気について教えてもらうことのほうが多かったように思います。

 しかし・・・Kasayanの出番がなかったというわけではなく、作戦会議?には欠かせない存在になっていました。

 というのは、彼らの情報源であるテレビやラジオ(今ではスマホでしょうね)から得た気象情報を出漁判断に結びつけるための「翻訳作業」「加筆作業」が、彼らと同様 海上で生活していたKasayanの役割だったから。

 言い換えれば、一般的に入手できる気象情報をもとに彼らの「背中をそっと押したり」、「人差し指と親指で背中を少しだけ引っ張る」ことが・・・すなわち気象情報を「腑に落としてあげる」ことが”海の仲間”として受け入れてもらえた最大の要因だったから・・・だと思っています。

 で・・・このような機会を何度か経てKasayanが感じていたのは、気象情報を腑に落とし、行動に移してもらうための「翻訳作業」「加筆作業」が必要になる、また求められるのはなぜだろう?ということでした。

 そして気付いたのは「”その”予報が出された理由・背景」が十分に伝えられておらず、「予報の確からしさ、命をかけて良いのか悪いのか?、どの程度信頼したら良いのか」という肝心な判断に足るだけの解説がなされていない・・・ということでした。

 また、その傾向は近年GPVデータ(雨や風のアニメ)が多用されるようになってより顕著になってきたと感じています(共通限度である気圧配置がすっぽりと抜けているので何も伝わらない)。

 この状況、漁業に限らず、農業や林業、登山やマリンレジャーにおいても同様。

 ・・・というわけで、このブログでは異常なまでに「理由」にこだわってきたという次第。
 また、視聴者の立場から天気予報解説者に(届きもしない小さな)声を挙げてきました。

 この点、(ブログ冒頭にも書いていますが)ブログは読み飛ばすことができるメディア。
 あえて回りくどくコメントし、図には強引なまでに理由を描き込んできましたけど、ひとりでやるには結構しんどいんですよね。

 ・・・今日も長々書いてしまいましたが、これも明日で終わり。
 明日はこれからの事を書きたいと思います。 

 ※昨日もコメント欄への多くの書き込み、直接のメールをいただき大変ありがとうございます。
  返信できていませんが、すべて大切に読ませていただいております。





1,北半球上空の寒気・・・年越し寒波、いよいよスタート


 まずは日課の北半球上空の気圧配置と寒気の様子から。

 今日は12月1日~29日 の北半球上空の気圧配置と寒気の様子をアニメ化しておきました。
北半球アニメ211230

 詳細はアニメ中の書き込み(描き込み)をお読みいただければ・・・

 この図ですが、この冬の寒気の動向はここ数年と異なっているのでは?という疑問を持っています。

 毎日決まった時間にアニメを作成してUPするという訳にはいきませんけど、少なくとも気象の世界の冬が終わる2月末日までは作図し続けるつもりです。

 内容的にも、ひと様にご覧いただける代物になるとは限りませんが、備忘録的にブログに掲載したりTweetさせていただきたいと思っています。

 で・・・年越し寒波目前ということで・・・

 気になるこの先の空模様・・・週間予報作成用の天気図を使って、1日~6日の空模様を簡単にまとめておきました。

週間天気図211230
(図をクリックすると拡大します)

 2日頃に冬型が緩んでも、寒気が十分に北上する間もなく次の冬型へ?

 低温傾向、多雪傾向が続きそうで・・・orz・・・状態のKasayanです。
(雪下ろしについては。スノーシューと、冬季限定のメイプルシロップ採取にはBestですね!)。


2,今日の空模様・・・日中冬型完成、夕方以降 雪雲完成?


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の長野市街地・・・

 雪道歩き・・・楽しいんですよね・・・いくつになっても。

 ただ、前十字靭帯再建手術をした左ひざが・・・orz

 そんな今朝の実況

実況211230
(図をクリックすると拡大します)
 
 初冬・冬本番・厳冬期それぞれの寒気を運ぶ偏西風強風帯に対応して3階建てで気圧の谷が通過。

 気圧の谷が東海上に抜ければ冬型完成。

 そのタイミングで・・・強い寒気が南下し始め、年越し寒波本番に!

 予報のスタートラインが見えなければ、スタート(予報のチェック)なんてできませんよね?







 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM30日211230
(図をクリックすると拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は地上気圧と降水量と地形の影響や日変化の少ない上空約1500mの気温の様子

 こちらも詳細は図中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 冬型を完成させる上空の気圧の谷(薄ピンクの点線:偏西風の南側への蛇行域)、冬型を強めるとともに雪雲を発達させる上空の気圧の谷(濃ピンクの点線:偏西風の南側への蛇行域)という分け方をしてみましたが、異論があって当たり前。

 その考え方で未来の空模様を考え、実況で答え合わせしてピッタリだったものが正解・・・だと思っています。

 また、何度か書いたことが有りますけど、この図、上空の気圧の谷を描き込み過ぎ・・・本来なら。

 だけど、自分が考えた上空の気圧の谷「だけ」の図を作ったら「そう考えたという思考過程」が分かりません。

 実は恥を忍んで「ここに上空の気圧の谷の存在を疑った」ということを表現すべく多すぎるほど沢山の点線を描き込んできました(へぼい答案をさらしているようなモンです)。

 目的は・・・多くの方の「たたき台」を提供したかったから。

 特に ひとりポツンと地方の放送局に送り出された気象予報士の方のお役に立てていたのなら嬉しいのですけど(送り出した罪深い立場だった者として)。







 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ211230

 紫色は下層雲。

 こちらも詳細はアニメ中の書き込みをお読みください。


 ということで、今日のブログ更新はこれで終わり。

 あれこれ書き綴ってきましたが、あらかじめ作文するとカッコつけてしまいそうで・・・通常のバタバタの更新の中で思いつくまま書き綴り、ろくに読み直しもせずにUPしています。

 ですから・・・お題目のようで申し訳ありませんが、誤字脱字、意味不明・・・ありましたら好意的に解釈していただければ幸いです。



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): https://apps.ecmwf.int/webapps/opencharts

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 「可能な範囲」で返信いたします。

  ※当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています。
  ※当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。
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低気圧と前線通過し年越し寒波の冬型へ!(211229)


・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 読みにくい、難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報よりずっと多くの情報が得られる・・・はず?
   


 「気象予報士Kasayan番外編」のTweetから。.

 川中島の合戦が500年近く前だとしても、地球の歴史としては瞬きよりも短い時間。

 晩秋に繰り広げられた合戦の際も飯綱山に旗雲がたなびいていたはずだと思います。


 さて、このブログの毎日更新終了まで今日を含めて残り3日。
 今日も昨日からの続きを書き綴らせていただきたいと思います。

 ブログを書いていたことで、TVにレギュラー出演することになったKasayan。
 出演開始わずか9か月で番組降板を申し入れたわけですけど・・・

 「気象情報が主役。キャラクターを前面に出した構成や演出をしないと約束していただけるのなら、出演を継続したい」ということでTV局と和解。

 大昔、「ニュースステーション」や「やじうまワイド」(古すぎますね)でやりたくてもやれなかった深く切り込んだ天気予報・・・
 「ブログと同じ自ら作成した図や大きなホワイトボード(Kasayanボードと呼ばれていました)を使い、20分近く自らが解説する」というカタチで実現させていただきました。
 (そんな勝手をやらせていただいた放送局には非常に感謝しています)

 最終的に気象コーナーのタイトルをこのブログと同じ「Kasayanのお天気放談」と命名。

 内容の難易度を大きく振りながら視聴者の関心事を検討し(時系列の視聴率と難易度を番組構成表と照らしながら綿密にデータ収集)、4年間にわたってレギュラー出演を続けたのち、満足するデータが得られたので4年前に自ら降板しました(その後、西日本豪雨や台風19号でピンチヒッターの出演はしましたけど)。

 このブログでは既存の天気予報解説に毒を吐き続けたKsayanですけど、実はこんなデータに基づいて自分なりに若い気象予報士の方々にアドバイスしていた(余計なお世話ともいう)・・・というのが理由・本音です。
 (そんなデータを公開したいのはやまやまですが、視聴率という放送局の極秘次項が絡むので、エッセンスだけお伝えした次第)

 で・・・なんでそんなアドバイスをしていたかということ・・・

 どのブログでもそうですけど、ライブドアブログにもアクセス解析が付いていて、企業名などのドメインは大雑把に分かるのですが、このブログを訪問していただいた方の多くは各県の県庁や市役所などの公的機関(たぶん防災関連の部門?)、そして驚くことに放送局。

 アドバイス(余計なお世話?毒吐き?)をしていたのは、十分に経験を積ませてもらえないまま地方の放送局に送り出されたり、大舞台に放り出された若い気象予報士の姿を思い浮かべていたからです。

 もちろんそれと同時に、Kasayan自身が天気予報のヘビーユーザー、うるさい視聴者としての立場で、農業や漁業、アウトドアの方々と同じ立場に立っていたから。

 ・・・・残り2日、もう少しだけお付き合いいただければ幸いです。

 ※連日、コメント欄への書き込み、直接のメールをいただきありがとうございます。
  返信できていませんが、すべて大切に読ませていただいております。





1,北半球上空の寒気・・・年越し寒波の寒気はも目の前!!


 まずは日課の北半球上空の気圧配置と寒気の様子から。

 今日は12月1日~28日 4週間の北半球上空の気圧配置と寒気の様子をアニメ化しておきました。
北半球アニメ211229

 残り2日、内容はアニメ中の書き込み(描き込み)をお読みいただくとして、今日はこの図の種明かしを。

 ご存知のとおり、アニメに使っている図はAUXNという名称の気象庁が発表している天気図で、専門の天気図が掲載されているサイト(一例をリンク)を開けば誰でも無料で手に入れることが出来ます。

 その図にPhotoShopというソフトを使って着色し、マークやコメント等を描き込んでアニメ化しているだけですから、作画ソフトさえ使えれば誰でも作ることが出来ます(メンドウでなければ)。

 で・・・この図、実は20年以上前、久米さんが出演されていた時代のニュースステーションに登場していたのです(もちろんこの図そのものではありませんけど)。

 今ではGPVデータ(スパコンの生データ)そのものをコンピューターが自動で加工し放送に利用するのがほとんどですけど、「手作りすることで分かること」「手作りだからこそ伝わるもの」があると信じて続けている(いた)次第です。

 この図・・・この冬の記録的な寒波の傾向を保存すべく、毎日公開は別として作図は続けるつもり。
 いずれ、興味のある方に無償でお譲りするつもりです。

 なお、気になる目先の「年越し寒波の様子」。

GSM年末年始211229
(図をクリックすると拡大します)

 こちらも詳細は図中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 この図の原図はウェザーニューズ社が安価で(350円/月 たぶん。株主優待だと無料)で公開している気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)。

 昔の同僚が社内でとっても偉くなっていたりするので、10年前に「ブログで公開させて欲しい」と申し入れ、快諾をいただき、株主優待で使用し続けています。

 なお、ネットでは このような生データや情報をそのまま引用?して(貼り付けて)コメントされる方が多いですけど、Kasayanにはそのまま利用するのは「人のふんどしで・・・」的な感覚があって、必ず自分の「意思」「考え」「解釈」を掲載することを旨としてきました。

 そもそも全く無名の気象予報士であるKasayanが生データや気象庁の情報を貼り付けただけでコメントしていたら「天気予報ごっこ」になってしまいますよね?


2,今日の空模様・・・正月寒波の幕開け?気圧の谷と前線通過!


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の長野市街地・・・

 化学科の学生だった大学生のころ、卒業研究で理論化学と実験系の化学を選択するにあたり、迷わずに実験系・・・それも朝から晩まで、夏休みも冬休みも無く実験が非常にハードな有機化学(生物有機化学)の研究室を選んでしまったKasayan。

 コンピューターのシミュレーションが主流の気象の世界において、自らの目で見て自らの体で感じることを大切にしてきたつもりです。

 その最たるものがヨットでの日本一周。

 いい歳して毎日 長野の空気を体感しています。

 で・・・そんな今朝の実況

実況211229
(図をクリックすると拡大します)

 予報は「可能性」を伝えるもの、実況は「現実」「実際にあったこと」「覆せないもの」。

 実況を解釈できないまま予報を考える・・・なんてことはあり得ないと思っています。

 そこでいつも強引に・・・かなり無理やり短時間で・・・ない頭、老いた頭で考えている次第。

 異論もあったことでしょうけど、「たたき台」としてご自分の考えをまとめるための資料にしていただけたのなら嬉しいです。







 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM29日211229
(図をクリックすると拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は地上気圧と降水量と地形の影響や日変化の少ない上空約1500mの気温の様子

 こちらも詳細は図中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 いきなりですけど、このブログ・・・広告が多くて申し訳ありませんでした。

 実はブログを書くにあたって必要な費用は広告で賄おうとしていたから。

 日々1万PV、台風などの異常時には最大4万PV/日のアクセスをいただいたおかげで、必要な費用はすべて広告費用で賄うことができました。

 とはいえ、まさに千日回峰行・・・お金では賄えない労力があったというのも本音です。

 飲んで午前様になっても・・・温泉旅館に泊まっても・・・早朝に出発・出航する際も・・・朝の番組に出演(作図込み)する際も・・・その分早く起きるのは・・・です・・・orz







 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ211229

 紫色は下層雲。

 こちらも詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 最近、TVの天気予報でも同じアニメが使用されるようになりました。

 でも・・・こんな描き込みをしたほうが「見えてくるモノ」がありますよね?

 ただ放送局でそれをやろうと思うとかなり大変なこと。

 もう少し省いたもので構わない(そのほうがイイに決まっている)ので、アニメへの書き込みを実現し、効果的に解説できたらいいのにな・・・なんて思い続けています。

 やればできるはずですけど(アニメから1枚を抜き取って描き込みをして再びアニメに加える)。


 ということで、今日はブログの裏話的なことばかりで申し訳ありませんでした。

 今日も誤字脱字・意味不明・・・ご容赦ください(好意的に解釈してください)。

 どなたか同じようなブログを続けていただければ嬉しいのですけど(アドバイスはします)、私のようなアホはなかなかいらっしゃらないですよね?



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

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 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): https://apps.ecmwf.int/webapps/opencharts

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 「可能な範囲」で返信いたします。

  ※当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています。
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冬型ゆるむも すぐに下り坂?(211228)


・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 読みにくい、難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報よりずっと多くの情報が得られる・・・はず?
   


 「気象予報士Kasayan番外編」のTweetから。.

 押し迫ったタイミングで抜歯なんかして何かあったら・・・なんて心配していたのですが、ひと晩たって痛みも無し。

 なんとか年を越せそうです。


 さて、このブログの毎日更新終了まで今日を含めて残り4日。
 昨日からの続きを書き綴らせていただきたいと思います。

 このブログを書き続けることによって「分かりやすい天気予報」とは難しことを省くことでないと確信したKasayanですけど、それが一般的なTVの天気予報に当てはまるとは限りません。

 これをTVの天気予報で試してみたいな・・・という気持ちが沸いてきましたが、そう簡単に一度辞めたTVの世界に戻るわけにもいきませんし、そもそも二度とTV局の下請けのような仕事なんかしたくない(TV局に頭を下げる仕事なんかするまい)と思っていました。

 しかし・・・ブログをきっかけに昔の同僚から「長野の予報作成のお手伝いをしてもらえないか」という依頼があり、ヨットで日本一周するために仕事を放り出して迷惑をかけた手前あれこれお手伝いをしていたのですが・・・そのうち「長野のローカルTV出演してもらえないか」という依頼が。

 30代のKaseayan・・・TV出演をしたい(お天気キャスターという名前の仕事をしたいと思っている)気象予報士ならヨダレが出るような番組の出演依頼もキッパリ断って裏方に徹し、絶対にカメラの前に立つことはないと誓っていたのですが・・・

 悩んだあげく、「”このブログの内容に忠実なOA”ができるのなら1クールだけ出演してみよう」という気持ちになりました。

 なんとしても気象予報士が欲しかったTV局は、”このブログの内容に忠実なOA”という要求の意味も理解しないまま出演を決定。
 毎日はさすがにメンドウなので、週に一回 金曜日 2時間の情報番組中の15分の天気コーナーからスタートしました。

 このブログに掲載している図をそのまま使い(フォントだけ商用の放送局オリジナルのフォントに入れ替え)、難しい内容にも果敢に踏み込んだ放送を始めたとたんに高視聴率をGet。

 視聴率がとれるとわかるなり、いきなり2時間中 5分、20分、10分の3回 計35分の天気コーナーが出来上がり、コーナーが押すと30分近くも天気について喋りまくるという恐ろしい状況になりました(まるで授業のようでした)。

 ただ視聴率がとれるとわかると、放送局は情報内容ではなく出演者のキャラクターに注目して他の企画でも視聴率を取ろうとしてきます。

 しかし・・・もちろんそれはKasayanの本意ではありません。
 そこで放送開始から約9か月後、ためらうことなくプロデューサーに「可及的速やかに降板させて欲しい」と申し入れるに至りました。

 天気図だけでなくTVの天気予報に関しても毒を吐き続けたKasayanですけど・・・
 実はこのブログの裏ではTVに関して結構生々しい営みもあったのです。
 (TV出演しているなんてブログには一切書きませんでしたけど。結構大変でした。)

 ・・・明日に続かせてください。





1,北半球上空の寒気・・・年越し寒波の寒気は目の前、正月寒波に補給される寒気が・・・


 まずは日課の北半球上空の気圧配置と寒気の様子から。

 今日は12月1日~27日の北半球上空の気圧配置と寒気の様子をアニメ化しておきました。
北半球アニメ211228

 クリスマスから始まった年末寒波も終盤に。
 -42℃以下の寒気塊が北海道の東に抜けようとしています。

 ただ大陸では、今回ほど大きくはありませんけど年越し寒波をもたらす-42℃以下の寒気塊が寒冷渦として熟成中(今回の寒気が日本の北で再熟成して合流するかもしれませんけど)。

 さらにはるか遠く、西シベリアでは1月8日頃?正月寒波に加勢する「かもしれない」寒冷渦が発達し始めています(今季 西シベリアでこれだけ大きな寒冷渦ができるのは初めて)。

 まだまだ寒波の襲来が続きそう・・・orz
 というわけで、気になるこの先の寒気の様子・・・

 本当は模式的に寒気塊を描き込みたかったのですが時間切れ。
 米国GFSモデル(北半球アニメと同じ上空約5500mの気圧配置と偏西風の様子)だけアニメ化しておきました(描き込みのないのはとても不本意なんですけど)

GFSアニメ211228

 今回の寒波をもたらした寒気塊が年越し寒波と正月寒波の序盤をもたらし、現在西シベリアで発達中の寒冷渦が北極圏でパワーアップしてから日本付近に落ちてくる・・・というシナリオ?

 まだまだ先のこと・・・ひとつの物語として把握して、とりあえず明後日(30日(木))に発表される1か月予報を待ちたいと思います。


2,今日の空模様・・・冬型は緩むけど、すぐに下り坂?


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の長野市街地・・・

 望遠で雪尺の目盛りが読めるのはなかなかイイ感じ。

 長野市街地・・・10時前からキラキラと日光が差し込んできました。

 そんな今朝の実況

実況211228
(図をクリックすると拡大します)

 例によって詳細は図中の書き込み(描き込み)をお読みいただくとして・・・

 簡単にまとめると、寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)は東海上に。

 一方 大陸からは好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東進中。

 冬型の気圧配置が弱まり、大陸から高気圧が張り出してくることが予想されますし・・・TVの気象解説でもそんなことが伝えられていたと思います。

 ただ・・・問題は上空の気圧の尾根がやって来ても、南岸、北陸付近、北日本、それぞれ異なる温度の寒気(暖気)を運ぶ偏西風の強風帯が停滞し続けるということ。

 偏西風強風帯のわずかな蛇行(ゆらぎ)によって、地上に気圧の谷(低圧部)が発生し、局地的な崩れ・・・崩れなくても回復が不十分・・・があるかもしれません。

 高気圧が張り出せば回復・・・ということは誰にでもわかること。

 そうならない可能性が今日のポイントになりそうです。

 【おまけ】


 最後の毒?・・・というより若い気象予報士へのエールだと思ってください。
 (Twitterなんかでは、今後も毒を「思わずTweetしてしまいました」ってことが有りそうですけど)







 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM28日211228
(図をクリックすると拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は地上気圧と降水量と地形の影響や日変化の少ない上空約1500mの気温の様子

 こちらも詳細は図中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)のすぐ後ろを、地上の気圧の谷が追いかけすぐに下り坂に。

 北半球のアニメでご覧いただいたように、年越し寒波の寒気は年末寒波と同じ寒気塊の育ち。
 もともと一体のものだったので、間髪入れずに下り坂に向かうようです。







 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ211228

 紫色は下層雲。

 こちらも詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 いったん回復する山陰も今夜には下り坂。
 明日未明には収束線の雨雲が通過。

 降らない地域でも南風の吹き込みとともに気温が上昇。

 今回 急激に積雪が増加した地域・・・特に西日本では融雪による被害、食べかけのかき氷のようなべちゃべちゃの雪による交通障害、そして雪崩・・・雪が止んでも心配なことばかり。

 年越し寒波への備えがありますけど、雪下ろしや除雪で事故のないようご注意ください。

 そして年末年始に冬山登山・・・特に中部山岳の3000m級の山々を予定している方・・・
 絶対に生きて帰ってくださいね!!

 ということで、今日も更新が遅くなり申し訳ありませんでした。



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
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 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
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 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): https://apps.ecmwf.int/webapps/opencharts

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 「可能な範囲」で返信いたします。

  ※当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています。
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寒波のピークは過ぎるけど・・?年越し寒波そして正月寒波??(211227)


・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 読みにくい、難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報よりずっと多くの情報が得られる・・・はず?
   


 「気象予報士Kasayan番外編」のTweetから。.

 ブログ記事にも書きましたが、今回の冬型・・・いわゆる山雪傾向(脊梁山脈風上側中心)の降雪になるように見えて、平地でも降雪が多くなるかも?と「疑問」を抱えていました。

 で・・・地域によって状況が異なる 広角打法?の降雪になっているように思えるのですが・・・実際はどうなるのか?

 (長野県北部に住む)Kasayanにとっては(気圧配置に対して)少々珍しい降雪パターンになっています。


 ところで・・・書き始めから間もなく10年になるこのブログ、無休更新は今日を含めて残り5日ということになりました。

 昨日もコメント欄に多くのお言葉をいただき、嬉しさと申し訳なさと様々な感情が脳内を行き来しています。
 (お一人つづ返信することができず申し訳ありません。すべて読ませていただいています。)

 そんなお言葉の中に、このブログに内容(難易度の程度)についてコメントされていた方が多かったので、今日はこのあたりについて・・・・

 実はこのブログ、比叡山の千日回峰行の気象予報士版のような側面があったと同時に、(Kasayanにとっては)壮大な実験でもありました。

 それは、TVの天気予報に関わっていたKasayanにとってずっと疑問に感じていた「分かりやすい天気予報 解説」というモノの本質。

 ニュースや経済情報では「日銀短観」とか「デフォルト」などという専門用語がほぼ説明なしに使われているのに対して、天気予報ではワイドショーであれニュースであれ、単独の天気予報番組であれ「トラフ」「シア―ライン」などという言葉は使われません。

 使われるとしても、解説者が理科の授業のようにこれ見よがしに言葉の意味を説明する程度。

 「分かりやすい天気予報」とは難しい内容を省くことなのか?・・・これが最大の疑問でした。

 そこでこのブログでは、「分かりにくい、難しい内容」でも、天気予報の成り立ちを理解するために必要であれば可能な限り作図しコメントするというスタンスで10年間書き続けてみました。

 大昔、Kasayanの担当番組に出演していた気象予報士でないお天気お姉さん(乾貴美子さんや伊藤由希子さんなど懐かしい方々)やスタッフに「今日 放送する天気予報のポイント」を伝えるため、視聴者以上、気象予報士未満のレベルでブリーフィングをしていたのですが、まさにその内容が基準。

 もちろん10年を経て「分かりやすい天気予報」とは省くことではない・・・というのが結論でした。

 そしてブログだけではなく、実際にTV放送でも実験を行いました。

 ・・・明日も もう少し詳しく(つづく)





1,北半球上空の寒気・・・早くも次の寒気が・・・


 まずは日課の北半球上空の気圧配置と寒気の様子から。

 今日は12月1日~26日の北半球上空の気圧配置と寒気の様子をアニメ化しておきました。
北半球アニメ211227

 今回の寒波・・・寒冷渦(低マーク)が悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)化して-42℃以下の寒気を日本付近に運び込むというストーリーですけど・・・

 もう少し広い範囲で見ると、カムチャッカ半島付近に寒冷渦が形成され、結局 これが寒気を引き込むという比較的「ありがち」な状況に落ち着いています。

 で・・・昨夜から通過中の上空の気圧の谷が東海上に抜ければ、今回の寒波もピークが過ぎることに。

 ただ、大陸では・・・次の寒気(寒冷渦)がまとまり始めています。

週間気温グラフ211227

 ご存知のように、これは向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データ。

 今回の「年末寒波」が明日(28日)で終わっても、次の寒気がすぐさま南下。

 30日から「年越し寒波」が始まることが予想されています。

 そして、西日本ではひと呼も吸置かずに正月寒波が続くことに???

 北半球の寒気がまとめて日本付近に流れ出す傾向・・・いつまで続くんでしょうか?

 30日(木)に発表される今年最後の一か月予報が気になります。


2,今日の空模様・・・寒波ピークは過ぎるけど・・・


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の長野市街地・・・

 とはいえ、雑念だらけのKasayan・・・orz

 で、そんな今朝の実況

実況211227
(図をクリックすると拡大します)

 例によって詳細は図中の書き込み(描き込み)をお読みいただくとして・・・

 やはり等圧線の傾きは南北縦型・・・北風がストレートに雪雲を脊梁山脈まで運び込む(込みやすい)山雪傾向なのですが、複数の偏西風強風帯が日本付近に停滞。

 偏西風強風帯に沿って悪天パワーを持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が南下してくるのですが、その足並み(位相)が揃いそうであまり揃わない感じ。

 このため、等圧線があちこちで湾曲して弱い気圧の谷(低圧部)を形成。

 低圧部ではやや西に傾いた形で風の収束線と降雪帯が発生し、局地的・一時的に平野部でも降雪が活発化・・・いわゆる里雪傾向になっていたりします。

 (ジジイのKasayanには)雪の降り方を単純に把握しきれない難しい雪の降り方・・・です。

 【おまけ】


 西寄りの風が雪雲を運び込むため、北アルプスや北信五岳が西側の長野県北部への雪雲の流入を阻止。

 妙高山の両脇を抜けた雪雲が収束したり、関田山脈北斜面にぶつかって新潟県上越の山沿いに活発な降雪をもたらしているのではないかと・・・?







 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM27日211227
(図をクリックすると拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は地上気圧と降水量と地形の影響や日変化の少ない上空約1500mの気温の様子

 こちらも詳細は図中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 日本付近を通過する寒気を伴う上空の気圧の谷・・・寒気とともに通過位置が次第に北東方向へと移動することが分かります。

 今日通過する上空の気圧の谷(濃ピンク)で冬型の気圧配置のピークが過ぎ、回復に向かうことになりそうですけど・・・
 まだまだ後続の上空の気圧の谷が南下中。

 スパっと回復することなく、明日にかけても冬型の影響が残ることになりそうです。







 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ211227

 紫色は下層雲。

 大変申し訳ありませんが、こちらも詳細はアニメ中の書き込みをお読みください。


3,明日の空模様・・・北日本中心に冬型の影響残る


 というわけで、今日は特別明日の空模様

TW用GSM28日211227
(図をクリックすると拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置と寒気の様子。
 下段の図は地上気圧と降水量と地形の影響や日変化の少ない上空約1500mの気温の様子

 さすがに時間切れ・・・チェック事項を書き込むことは出来ませんでしたが(以前はもっと早く描けたんですけど、最近はあれこれ考えることが多くてなかなか・・・)。

 冬型は緩むけど、北日本中心に影響が残る・・・というのが大雑把すぎるポイント。

 今日の空模様を参考にご自分で考えて、最寄りの地域の天気予報を具体的な空模様としてイメージするための参考にしていただければ幸いです。

 
 ということで・・・今日もバタバタの遅いブログ更新になりました。
 もうじき終わりだというのに・・・誤字脱字、意味不明・・・ありましたらご容赦ください。



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プロフィール

Kasayan

大昔、気象会社や東京の放送局で天気予報番組を作っていたこともありますが今は故郷長野で2回目の日本一周を夢見るただのヨット好き。山岳ガイドのタマゴたちと気象の勉強中。最近多くの時間を野尻湖畔の山小屋で過ごしています。

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