気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

GFS

 前ブログの容量が一杯になってしまったので、2012年1月から当ブログに移転しました。
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台風10号の進路と影響は、寒冷渦との位置関係次第?(160827)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 1、台風10号の今後の進路と影響は?

 天気予報番組だけでなくニュースでも、上陸が濃厚になってきた台風10号の進路や影響が伝えられるようになっています。

 気象庁発表の台風進路図を見ても、米軍(JTWC)が発表している進路図を見ても・・・

JTWCとGMS160827
(進路予想は頻繁に変わります。最新の情報を以下のURLで必ずチェックしてください)

     気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
     米軍(JTWC)台風情報①:   https://metoc.ndbc.noaa.gov/web/guest/jtwc
    米軍(JTWC)台風情報②:  http://www.nrlmry.navy.mil/tc_pages/tc_home.html
    (米軍の予想は世界標準時で記載されています。日本時間換算には+9時間してください) 

 情報更新のたびに若干東寄りに進むコースも発表されていますけど・・・予報円の中心を進んだとすれば、概ね関東周辺に上陸する可能性が高いことがわかります。

 では、具体的にどのような影響があるのか??
 気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)の最新データをチェックしておきました。

GSM6コマ160827
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 上段の図は、地上の空模様の骨格といえる上空約5500mの気圧配置
 下段の図は、普通の天気図の原図といえる地上の予想気圧配置に、降水量と風の予測が表示したもの。
 
 上段の図を見ると・・・・
 台風10号は、朝鮮半島-10℃以下の寒気とともに南下してくる寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)南東側の偏西風強風帯(水色の矢印)に流され、関東南東海上まで進み・・・
 その後、寒冷渦の渦巻く風に引き込まれ、日本海へと北西進することが分かります。

 また下段の図を見ると・・・
 明日にも台風10号北側の暖かく湿った東寄りの風西日本に流れ込み始め・・・
 対馬海峡付近では(上段の図でチェックした)寒冷渦南東側の-5℃以下の上空寒気の下にも流れ込むことが予想されています。
 このため西日本の西部では大気の状態が不安定になり、降水域が活発化
 台風の東進に伴い活発な降水域も次第に近畿方面へと東進し、晴天と猛暑が続いていた西日本に、反動のような大雨を降らせることがわかります。

 そして、台風が上陸する頃には、全国的に等圧線が大混雑
 台風を中心に反時計回りの風が強まり関東甲信~東北を中心に、横殴りの激しい雨になることが予想されています。

 ちょっとリアルな感じで書いてしまいましたけど・・・気象庁や米軍が発表している予想進路図通りに台風が進んだ場合には、概ねこんなカタチで空模様が変化していくと思われます。


 2、進路予想の鍵を握るのは「寒冷渦」の位置??

 ただ・・・台風がノロノロ進んでいる段階や、台風が大きく方向を変えるタイミングで、予想が大きく変化することが多々あります。
 例えればエスカレーターに乗る際、タイミングを失って予定していたステップ(偏西風)に乗れず、一段下のステップ(偏西風)に乗ってしまうようなイメージ。

 となると・・・他国が発表しているモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)も気になります。

 まずは、最近テレビでおなじみのヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)のモデル

ヨーロッパ中期予報センター160827

 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 これは地上の気圧配置と地形の影響を受けにくい上空約1500mの風速を表現したものなので、雨の様子はわかりませんけど・・・
 気象庁発表のGSMモデルとほぼ同様のコースを、ほぼ同様のタイミングで通過し、上陸する頃から強風のエリアが全国的に広がることが予想されています。

 ということは・・・現時点で台風の影響は、気象庁発表のGSMモデルを素直に読み取って、進路図の予報円の範囲内で安全マージンを考えておけば良さそうですが・・・

 ただ、一昨日から独自の??見解を示し始めたアメリカの気象機関(NOAA)が発表しているGFSモデルは、今日も一貫して独自の道を歩んでいます。

GFS6コマ160827

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global

 下段の図・・・GFSモデルは3日連続、台風10号が本州の東海上に進むことを予測。
 昨日までは関東東岸付近に停滞したり、三陸方面に北上することを示唆していましたが、今日にいたっては関東沿岸にチョッピリ停滞した後、そのまま東に遠ざかることを予測しています。

 というのも・・・上段の図・・・気象庁のGSMモデルと寒冷渦の位置を比較してみると、気象庁のGSMモデルでは寒冷渦を山陰沖まで南下させているのに対し、アメリカのGFSモデルでは寒冷渦を北朝鮮付近に停滞させていることが分かります。

 したがって、寒冷渦の位置(大きさも?)が台風を北西に引き込むチカラの差になって、台風進路に大きな相違をもたらしていると思われます(Kasayanの勝手な見解ですけど)。

 そもそも寒冷渦は、偏西風が蛇行し過ぎて、本来の偏西風の流れから取り残されたはぐれ者?
 フラフラとゆっくり進む傾向がありますから、位置の予測が変化することもしばしばです。
 ということは・・・台風が(寒冷渦に引き込まれて)北西に転向するタイミングで、予想進路に大きな変化が生じ・・・予想される影響にも大きな変化があるかもしれません。

 現時点では台風が北寄りに進路を変え始める29日(月)の日中がそのタイミング?
 拍子抜けになるのか?ガチンコの防災モードになるのか??・・・とても気になるところです。
 
      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


 3、今日の空模様・・・寒冷前線の影響注意!夜遅くには西日本でもボチボチ・・?

 では、ここから今日の空模様

菅平160827

 Kasayanの住む長野市雨模様
 午前7時過ぎから止み間が多くなっています。

 最低気温は20.7℃(06時11分)。
 大陸の冷涼な空気を運んでくれる北東の風が吹き込んで、ちょっぴり涼しく感じられます。

 そんな今朝の実況・・・予報のスタートラインですが・・・

実況160827

 気圧配置は昨日とほぼ同様
 昨日は寒冷前線として解析されていた前線が、停滞前線に姿を変えて太平洋側に抜けようとしています

 このため、山陰~北陸~東北南部~道東にかけて雨雲の帯がかかり、北日本中心に活発な雨が降っているようですが・・・
 この前線・・・北側にそこそこ冷涼で乾燥した空気がありますから、都合よく解釈すれば秋雨前線?とも言えるかもしれません?

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・日本海に偏西風の大きな蛇行域があって、偏西風強風帯(水色の矢印)の北側には冷涼で乾燥した空気(白くないクリアなエリア)が流れ込んでいることが分かります。
 この乾燥した空気と、偏西風強風帯南側の水蒸気(白いエリア)がぶつかって前線の雨雲が活発化しているわけですけど・・・

 北陸付近では、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東進中
 北日本ではもうしばらく前線の雨に注意をする必要がありそうです。

 ということで、今日これからの空模様・・・こちらも気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、詳しくチェックしていきましょう。

GSM27日160827
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・午前中-5℃以下の寒気を伴った上空の気圧の谷山陰~北陸~北日本を通過
 午後は同じく-5℃以下の寒気を伴った上空の浅い気圧の谷が、北陸付近を通過することが予想されています。

 一方、南の海上は風の弱い状態
 台風10号は、上空の太平洋高気圧の縁をノロノロ東進することになりそうですが・・・

 このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・午前中前線の降水帯活発なまま東海上へ
 上空の気圧の谷との対応が悪くなり、夜にかけて次第に弱まることが予想されています。

 ただ、上空の浅い気圧の谷が通過し、前線(黄色の点線)の延長線北側に位置するはずの中部地方・・・夜になってもしっかりと降水域が予想されています。

 どうしてなんだろう??
 雨の原料といえる暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子もチェックしてみると・・・

相当温位160827
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 どうやら、中部地方・・・台風北東側の南東風と、東海上の低気圧西側の北東風がゆるやかに収束する場所にあたって、南から局地的に暖かく湿った空気が流れ込むようです。

 この暖かく湿った空気の上を、寒気を伴った上空の浅い気圧の谷が通過するわけですから・・・大気の状態は不安定傾向
 いったん雨が弱まっても、上空の気圧の谷が通過するタイミングで再び雨(雷雨?)が活発化することになりそうです。


 それでは最後・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ160827
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
 
 紫色は下層雲。

 詳しいことはアニメ中に書き込んでおきましたけど・・・
 Kasayanの住む長野県付近だけ最後まで雨が残ってしまいそうです。

 そして、いよいよ明日未明・・・対馬付近では、台風北側の暖かく湿った下層南東風と、朝鮮半島に南下してくる寒冷渦の上空寒気による不安定性の降水域が活発化することが予想されています。

 西日本では大望の雨・・・降り過ぎないことを祈るしかありません。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

  KasayanのYouTubeチャンネル(雲映像): https://www.youtube.com/user/kasayangw

拡大GSM6コマ160827 拡大GSM160827 拡大相当温位160827
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

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台風10号の動向は?台風12号?はとりあえず発生せず??今日も局地的に雷雨のおそれ(160825)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 昨日、台風12号の発生が予想されている天気図を見て、「見なければ良かった」、「見なかったことにしよう」という気持ちになった・・・なんて書きましたけど・・・
 今朝発表された天気図を見たら、思わず「見なくてもよかったじゃん!」。

 というのも・・・・

JTWC台風熱低GMS160825

 発生が予想されていた台風12号?・・・発生が見送られ、少なくとも明日までは熱帯低気圧のまま推移することが予想されていたから(熱帯低気圧といっても台風より風速が弱いだけで、台風並みかそれ以上に大雨を降らせる能力は持っていますけど)。

 米軍(JTWC)の予想進路図には「Final Warning」とまで書かれていて、今後の進路についてはノーマークになっています。

 とりあえずホッとするニュースですが、台風10号は相変わらず南西諸島の東で迷走中
 気象庁の予想進路図も、米軍(JTWC)の予想進路図も、台風10号をUターンさせ、東日本沖に北東進することを予想しています(更新毎に予想が変化する予想進路図は以下のURLで必ずチェックしてください)。

     気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
     米軍(JTWC)台風情報①:   https://metoc.ndbc.noaa.gov/web/guest/jtwc
    米軍(JTWC)台風情報②:  http://www.nrlmry.navy.mil/tc_pages/tc_home.html
    (米軍の予想は世界標準時で記載されています。日本時間換算には+9時間してください)

 では、台風10号の北東進によってどのような影響があるのか?
 また、「予想が不確か」であるとしても、予想進路図の先・・・上陸の可能性はあるのか???
 まずは、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、向こう一週間の空模様をチェックしておきましょう。

GSM6コマ160825
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 地上の空模様(地上気圧・降水量・風)に、台風の進行を阻止する上空の太平洋高気圧と、台風を押し流す偏西風の様子(上空約5500m)を書き込んでおきましたが・・・

 週末27日(土)頃寒冷前線の活発な降水帯が日本海側に南下し・・・朝鮮半島方面に南下してくる寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)によって西日本西部を中心に大気の状態が不安定になり、大雨のおそれがある・・・という点は、昨日までの計算値とほぼ同様

 また29日(月)以降寒冷渦の南下に伴い東シナ海まで南下する偏西風に乗って台風が関東甲信付近に北上・・・大荒れの天気をもたらしながら本州を横断し、朝鮮半島方面に北西進することについても昨日の計算値と大きな変化はありません

 このようにGSMモデルはいたって安定して同じデータをはじき出しているわけですが・・・
 一方、アメリカの気象機関(NOAA)が発表しているGFSモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)をチェックしてみると・・・

GFS6コマ160825

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global

 昨日までは東海付近に上陸を予想していましたが・・・
 今日は関東にも上陸することなく、本州東岸沖を北東進することが予想されています。

 いったいなんで???
 そこで、地上の空模様の骨格にあたる上空約5500mの気圧配置と偏西風の予想もチェックすると・・・

GFS500図6コマ160825

 気象庁発表のGSMモデルと同様、寒冷渦の南下とともに偏西風の強風帯(水色の矢印)も南下し、台風が北東に押し流されることが予想されていますが・・・

 寒冷渦本体の(北西方向に)渦を巻く偏西風の強風帯ではなく、渦の外側の偏西風に流されるため、やや東寄り・・・上陸せずに本州東岸を北東進する予想になったと思われます。
 
 台風の東進を阻止する東海上の上空の太平洋高気圧の張り出しの程度が100キロ~200キロ弱めになったため・・・ともいえそうですが・・・
 いずれにしても、昨日まで上陸することで足並みをそろえていた各国のモデルに乱れが生じ始めたことは確かです。

 さらに、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)のモデルもチェックしてみると・・・

ECMWF6コマ160825

 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 こちらは、引き続き上陸を示唆しているものの、上陸地点が昨日の近畿付近から関東付近に変化
 アメリカのGFSモデルと似た「傾向」が現れています。

 こうなると、「どれを信じていいのかわからない?」という方がいらっしゃいますが(実際、このような質問のメールをいただくことが多いです)・・・・

進路図気象庁160825

 現在の各モデルのバラツキは、気象庁発表の予想進路図の予報円の範囲内の話。

 モデルを見比べても、それは誤差範囲を云々しているだけですから・・・
 「どのモデルも正しく」、実際にいずれかのモデル通りに推移したとしても、それは台風10号に限って偶然?予測と実況が一致しただけ・・・と考えるべきです。

 現時点では、気象庁発表のGSMモデルが予想している影響が「予報円の範囲で」どの程度ズレるのか?を考えて、空振り覚悟で台風対策をするしかありません。

 どのモデルが正しいのか?ということではなく・・・
 予報円の範囲内で「シミュレーションがどのような”傾向”を見せ始めているのか?」
 また、「台風の通過によってどのような影響があって、どの程度安全マージンをとるべきなのか?」を考えるための参考資料にしてくださいね。
 (東寄りに進む傾向が出始めていますから、これに「期待」するのは当然ですけど)
 
 スーパーコンピューターが発達しても、残念ながら現時点ではこれだけ誤差があるのです。
 
      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


 それでは、ここから今日の空模様

菅平160825

 今朝の長野市・・・青空優勢ですが、気温の急上昇とともに山々の上には、早くも雲が沸き始めています
 残念ながら北アルプスは沸き上がった雲に隠れて見ることができず。
 
 そんな今朝の実況ですが・・・

実況160825

 気圧配置昨日の記事に掲載した天気図とほぼ同様

 熱帯低気圧東側から(東海上の高気圧西縁にあたる)本州東岸にかけて・・・
 そして、南西諸島東側で迷走する台風10号の北側に、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の通り道ができていることがわかります。
 このため、太平洋側・・・暖かく湿った空気の通り道に沿って、局地的に雨雲が活発化しているわけですが・・・

 衛星の水蒸気画像を見ると、北海道付近を除いて、日本付近にこれといって強い偏西風は吹いていません
 天気変化はゆっくり・・・というかあまり変化することなく、日本海側中心に晴天優勢の空模様が続くと思われます。

 ただ、日中の気温上昇によって大気の状態が不安定になり、暖かく湿った空気の流れ込みやすい場所を中心に雷雨の発生が予想されるわけですが・・・


 今日これからの空模様・・・こちらも気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、詳しくチェックしていきましょう。

GSM25日160825
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・北海道を、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に通過するようですが・・・一昨日に寒冷前線通過後、北海道の空気は乾燥傾向
 大きな影響はないと思われます。

 一方、その他の地域は、東西に分断された上空の太平洋高気圧に挟まれているものの・・・気圧の谷というよりは気圧の鞍部(稜線?)。
 こちらも大崩れはないと思われますが・・・

 このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・日本付近は東から張り出す高気圧に辛うじて覆われ、晴天優勢の空模様が予想されています。

 ただ、高気圧の南縁辺から流れ込む台風10号と熱帯低気圧の暖かく湿った空気によって大気の状態が不安定になるため、西~東日本に局地的な降水域が予想されています。
 昨日ほど上空に寒気が流れ込みませんから、昨日ほど広範囲に雷雨が発生することはないと思われますが・・・実際はどうなりますやら??

 一方、台風10号に近い南西諸島・・・北東方向から暖かく湿った空気が流れ込んで、大気の状態は不安定
 晴天ベースで推移するものの、断続的に雷雲が流れ込んで、スコールのような雨を降らせることが考えられます。


 続いて、雨の原料・・・暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。

相当温位160825
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 高気圧南側(台風10号の北側)から西~東日本に流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気)が強まる模様。
 暖かく湿った空気を運ぶ南東風がぶつかる山岳風上斜面中心に雷雲が活発化することが予想されます。

 また、流れ込んだ暖かく湿った空気は、日本海の乾燥温風(熱風?)エリアとぶつかり潜在的な前線帯(細い黄色の点線)を形成
 沿海州から南下してくる寒冷前線(日本海西部から流れ込む暖湿気と大陸から南下する冷涼乾燥空気がぶつかる場所)に先行して、明日以降日本海側に雨を降らせることが予想されます。

 ということで、今日のところは太平洋から流れ込む暖かく湿った空気によって、どこで雷雨が発生するのか?だけ注意していれば良さそうですけど・・・・


 最後は以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ16825
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 今日の雷雨西日本の太平洋側と、東日本の山沿い中心?
 昨日と比較して降水エリアがずいぶん小さくなっています。

 ただ、日本海からは2本の活発でシャープな降水帯が南下
 明日は北日本の日本海側から下り坂・・・場合によっては荒れ模様になるかもしれません。

 なお、今日の関東甲信付近

中部流線160825

 17時の予想を拡大しておきましたけど・・・山沿い(それも山国長野県内にあっても山沿い)中心の降水が予想されています。
 (関東西部の南東風収束線もちょっとアヤシイですけど・・・)

 この降水域がどれだけ平地に降りてくるのか?
 雨雲を押し流す上空の風が弱いようですから予測は困難・・・実況重視ということになりそうです。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

 【オマケ】
 昨日、長野地域に大雨警報を発表させた雨雲の様子(インターバル撮影映像+レーダー画像)。



  KasayanのYouTubeチャンネル(雲映像): https://www.youtube.com/user/kasayangw

拡大GSM6コマ160825 拡大GSM160825 拡大相当温位160825
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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台風6号北海道へ。西~東日本は雷雨エリア拡大。台風7号?の動向は??(160814)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 今日は夜明け前に出発しなければなりません。

 ブログは超簡易更新・・・
 昨日の記事に掲載した図の最新データを使って可能な限り作図しましたので、昨日の記事のコメントを読みながら・・・・今日、明日、(遅れに遅れて)の空模様、そして今日中に発生すると思われる台風7号?の動向についてイメージしていただければ幸いです。

 まず、まもなく発生する台風7号?の動向。

 気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)。

台風7号GSM160814
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 データには誤差がありますから他国のシミュレーションと比較。

台風7号モデル比較160814

 ヨーロッパ中期予報センターのモデルは、ブログの更新時間が早いので昨日09時初期値の古いデータ。
 以下のURLで最新の情報を確認してください。

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 また、現在北海道方面に接近している台風6号も含めて、予想進路は以下のURLでチェックしてください。

     気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
     米軍(JTWC)台風情報①: http://www.usno.navy.mil/JTWC/
     米軍(JTWC)台風情報②:
   https://metoc.ndbc.noaa.gov/web/guest/jtwc
    (米軍の予想は世界標準時で記載されていますので日本時間換算には+9時間してください)


 以下は今日(14日)の空模様の予想。

 気象庁GSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)の予想から。

GSM14日160814
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 上段の図(地上の空模様の骨格といえる上空約5500mの気圧配置)と、下段の図(地上気圧・降水量・風)を対比させつつ、空模様を立体的に把握してください。

 昨日の記事に掲載した図やコメントをご覧いただければ着目点がわかるはずです。

 続いて、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の流れ込みの様子を、相当温位図という特殊な天気図でチェック。

相当温位160814
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 昨日より西~東日本への暖湿気の流入が強まる模様。

 最後は、以上の図でイメージした空模様を、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って具体的にイメージ。
 今日09時~明日09時の予想。

全国流線アニメ160814
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 風の収束線、山岳風上斜面中心に雷雨が発生する様子などをイメージしてください。

中部流線160814

 17時の中部山岳付近の様子を拡大。

 昨日より広範囲で雷雨が予想されています。

 なお、明日15日09時・15時のMSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)も掲載。

MSM15日160814

 日本海から低気圧の降水域も南下し、今日よりさらに広範囲で雷雨の恐れ。

 以上のデータは、あくまでシミュレーションですから、以下のURLで気象庁の予報等を確認する際、頭上の空模様をイメージするための参考資料として使ってくださいね。

 バタバタの更新ですので、誤りがあるかもしれませんがご容赦ください。
 それでは出かけてきます(04時30分)。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

拡大GSM台風7号160814拡大GSM160814拡大相当温位160814
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

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関東平野西部山沿いを除き安定した登山日和。台風6号の動向とその後は?(160811)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 今日は第一回目の「山の日」
 ただでさえ夏山シーズン真っ盛りですから、入山されている方も多いことでしょう。

 ただ、盆休みを山で過ごそうとしている方の多くは台風6号の影響を気にしているはず。
 そこで今日も、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)の最新データを使って、向こう一週間の空模様をまとめておきました。

GSM6コマ160811
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 台風6号は、昨日温帯低気圧に変わった台風5号より東寄りを北上
 活発な降水域や等圧線グルグルの強風エリア海上主体ですから、波の高まり以外直接の影響は小さいと思われます。

 ただ、台風6号の通過に伴い、太平洋側で暖かく湿った南寄りの風が強まり始める模様。
 太平洋側から日本海側へと、日を追う毎ににわか雨・雷雨エリアが拡大していくことが予想されています。

 そして盆も終わる16日(火)頃から、南の海上を熱帯低気圧あるいは台風7号と思われる低気圧が北上
 低気圧の動きについては計算結果をそのまま採用するわけにはいきませんけど・・・
 少なくとも太平洋側に流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が強まって、にわか雨・雷雨エリアがさらに拡大するとともに、日本海~北日本に停滞する前線の降水帯が活発化することは考えられます。

 ということで、盆休み後半の登山は、雷雨の発生を見越した柔軟な登山計画を立てられることをおススメします。

 なお、他国(アメリカ(NOAA)ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF))のモデルは・・・

台風6号モデル比較160811

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
 
 台風6号の動向に関しては気象庁発表のGSMモデルとほぼ同様
 「現時点では」GSMモデルでイメージした空模様で、盆休みの計画を立てても良いと思います。

 ただ、台風6号が”どれだけ本州東岸に接近して北上するか?”によっては、東岸に近い中部山岳付近の空模様が変化すると思われます。

 以下のURLで最新の進路図を確認し、イメージした空模様を修正してくださいね。

     気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
     米軍(JTWC)台風情報①: http://www.usno.navy.mil/JTWC/
     米軍(JTWC)台風情報②:
   https://metoc.ndbc.noaa.gov/web/guest/jtwc
    (米軍の予想は世界標準時で記載されていますので日本時間換算には+9時間してください)

 そして気になる台風7号?又は熱帯低気圧の動向。

台風7号モデル比較160811

 アメリカの気象機関(NOAA)のGFSモデルは、気象庁のGSMモデルとほぼ同様の空模様を予想していますが、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想はワケワカメ・・・

 今のところ、”盆休み以降は台風や熱帯低気圧がボコボコと多発する可能性がある”と考えておくしかなさそうです。

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


 さて、ここからは今日「山の日」の空模様

菅平160811

 Kasayanの住む長野市曇り空
 昨日、(南岸で激しい雷雨のあった)関東方面から流れ込み始めた湿った空気の影響を受けているようです。
 (午前8時頃から晴れてきました)

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況160811

 日本付近は、日本海の乾燥した高気圧に覆われ晴天優勢

 ただ、東海上の前線の延長線に位置する関東の南には活発な雨雲の帯が停滞していて、関東付近も曇り空
 また沖縄付近は、熱帯低気圧に吹き込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の通り道になっているため、断続的に小さな雨雲が流れ込んでいます。

 これだけ見ると、今日は南東進する日本海の高気圧に覆われ、概ね晴天で推移しそうですけど・・・

 今日これからの空模様・・・こちらも気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、詳しくチェックしていきましょう。

GSM11日160811
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・西日本は、西から張り出す上空の太平洋高気圧(サブハイなんて言います:どちらかといえば上空9500m付近のチベット高気圧の影響が強い)に覆われ、今日も乾燥した熱風が吹き降りるエリア
 上空の太平洋高気圧は、夜にかけて中部地方まで勢力を拡大する模様。
 今日の西~東日本、ムシムシとした日本の夏空というより、砂漠の乾いた青空がイメージされます。

 一方、東~北日本は、-5℃以下の寒気を運ぶ北西偏西風のエリア
 ただ、断続的に通過していた上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東海上に抜けて、天気を崩す要因は見当たりません。

 ただ、天気図をよーく見ると、上空の太平洋高気圧東側縁辺に沿って、日中上空の浅い気圧の谷が関東甲信付近を南下することがわかります。
 この上空の浅い気圧の谷が「山の日」の中部山岳付近に影響するのか?が気になります。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・今夜にかけて、日本付近は黄海付近、日本海、オホーツク海の高気圧に覆われ晴天ベース
 上空の太平洋高気圧の下降気流によって雷雲も押しつぶされ、降水域もほとんど予想されていません

 ただ・・・上空の太平洋高気圧縁辺に位置し、朝、晩ともに上空の浅い気圧の谷が通過する関東付近では、東海上の前線の降水帯が接近したまま
 夜にかけて関東平野西部山沿いには小さな降水域も予想されています。

 どうやら「山の日」とは少々縁遠い(都会の日が似合う?)関東では、暖かく湿った東寄りの風が吹き込み、イマヒトツの空模様になりそうですが・・・


 続いて、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。

相当温位160811
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

 日本海の高気圧から乾燥した北寄りの風が吹き込むので、今日の夕立は極めて局地的
 海風が暖かく湿った空気を運び込む場所や、暖かく湿った空気がぶつかり合う(収束する)場所で小さな雷雲が発生する程度だと思われます。

 ただ、関東付近には、上空の浅い気圧の谷の通過や気温の上昇に伴って東から暖かく湿った空気が流れ込むことが予想されています。

 これが関東付近のみのイマヒトツの空模様と、関東平野西部の山沿いに降水をもたらす原因。


 それでは、関東付近のイマヒトツの空模様に注目しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ160811
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 GSMモデルと同様、暖湿南東風の通り道になる沖縄付近と、関東付近だけイマヒトツ

 「山の日」ですから、関東甲信付近(17時の予想)を拡大しておきました。

中部流線160811

 東から暖かく湿った空気が流れ込むため、関東平野では下層雲がかかり続け・・・
 東風がぶつったり、収束する南アルプスや秩父・丹沢方面に弱い降水域が予想されています。

 安全を考えるなら八ヶ岳方面も含めて、これらの山に出かける方は、アヤシイ雲に注意していただきたいと思います。

      府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
     府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

拡大GSM6コマ160811 拡大GSM160811 拡大相当温位160811
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

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台風5号関東に最接近。西日本は猛暑続く!次の台風?と向こう一週間の空模様は??(160808)


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 また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしていますが、難しいと思われた方は飛ばし読みして、理解できる図だけをお読みください(これがブログの良いところ)。
 それでも、普通の天気マークの天気予報だけをチェックするより、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??










 今日は台風5号が関東に最接近
 もちろんこのブログでも詳しく検討するつもりですが・・・・

 その前に、気になる「盆休みの天気」「次の台風?」から。
 まずは、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、チェックしていきたいと思います。

GSM6コマ160808
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 明日9日(火)~11日(山の日)にかけては、日本海を東進する高気圧に覆われ概ね晴れ
 大陸生まれの乾燥した高気圧と、台風西側に流れ込む乾燥した空気に覆われ、にわか雨や雷雨もかなり局地的になることが示唆されています。

 そして12日(金)~14日(日)にかけても東海上に中心を持つ高気圧の晴天域に覆われる模様。
 ただ、高気圧の南側では暖かく湿った南東風が優勢になるため、太平洋側の山岳地帯中心ににわか雨や雷雨の発生域が拡大してくることが予想されています。
 (14日頃、北海道を寒冷前線が通過することも予想されていますよね)

 で・・・気になる次の台風?又は熱帯低気圧?ですけど・・・
 とりあえず南の海上に停滞することが予想されているので、「シミュレーション通りに推移するのであれば」盆休みへの影響はないと思われます。

 ただ、まだまだ先のことですから、「シミュレーション通りに推移」しないことだってあります。
 そこで、アメリカの気象機関(NOAA)のシミュレーションもチェック。

GFS6コマ160808

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 
 日本付近が、日本海と東海上の高気圧に覆われ続けることについては、気象庁のGSMモデルとほぼ同様
 概ね晴天で推移すること・・・そして次第に雷雨が発生しやすくなること・・・なども同様に考えられます。

 ただ、南海上の台風又は熱帯低気圧の位置は、GSMモデルよりやや西寄り
 西寄りに位置するからといって、そんなことが問題にならないと思われるかもしれませんけど・・・

 気象庁のGSMモデル上には見えなかった別の台風又は熱帯低気圧が伊豆諸島方面へと北西進することも予想されていることがポイント(気象庁の別の天気図FEAS16などにはキチンと予想されています)。

 一般に2つの台風が接近する場合、藤原の効果といって台風が迷走する可能性がある・・・なんて言われますけど、それぞれの台風が反時計回りに動くことがほとんど。
 とすると、軸になる台風の位置が西寄りになるのか?東寄りになるのか?によって、東海上から北西進してくる台風又は熱帯低気圧のコースの進路がイヤーな方向に向かうことが心配されます。

 いずれにしても、現時点では新しい計算値をチェックし続けるしかありませんけど・・・
 念のためヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)発表のモデルもチェック。

ECMWF6コマ160808

 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 気象庁発表のGSMモデルと、アメリカの気象機関発表のGFSモデルほぼ中間くらい??という感じ。
 いずれにしても、台風5号が過ぎ去った後でないとシミュレーションが安定しないかもしれませんが・・・

 とりあえず「現時点では」、(台風又は熱帯低気圧の影響が心配される)沖縄方面を除き、盆休みに台風の影響はなさそうと考えて、計画を立てても良さそうです。

 なお、盆休み後の17日(水)のシミュレーションを比較してみると・・・

次の台風モデル比較160808

 モデル毎のバラツキが大きすぎて、あれこれ検討する以前の段階。

 ただ、考えられる最悪のシナリオは、1999年夏の再来??・・・台風が小笠原付近に停滞し、暖かく湿った空気が東日本に流入し続け、連日の大雨になること(Kasayanが六本木の放送局に連日泊まり込みになった因縁の台風)。
 そんなことにならないことを祈りつつ、今後の情報に注目していきたいと思います。
 
 おっと・・・忘れそうになりましたが、向こう一週間の気温の傾向(平年差)もチェックしておきました。

週間気温グラフ160808

 北日本も含め、盆休み一杯は平年並みか高めの厳しい暑さが続くようですね。

     気象庁台風情報: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
     米軍(JTWC)台風情報①: http://www.usno.navy.mil/JTWC/
     米軍(JTWC)台風情報②:
   https://metoc.ndbc.noaa.gov/web/guest/jtwc
    (米軍の予想は世界標準時で記載されていますので日本時間換算には+9時間してください)

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)


 さて、ここからは今日の空模様

菅平160808

 今朝の長野市は、ほぼ快晴
 空気が乾燥していているのでしょうか?・・・長野市東側の2000m級の山々の稜線もハッキリ見えます。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況160808

 台風5号関東の東海上に向けて北北西進中
 外房方面では、数ミリの弱い雨が降っていているだけですけど風は強め
 銚子などでは、未明から10m/sを越える北寄りの風が吹いています。

 ただ、関東東岸以外は概ね晴れ(熱帯低気圧に近い沖縄は断続的な雷雨)。
 衛星の水蒸気画像を見ると、日本海には帯状の乾燥エリアが観測されていて・・・台風付近で上昇した暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が、熱風の下降気流になって吹き降りているようです。


 ということで、今日これからの空模様・・・
 まずは普通の天気図で、明日夜にかけての気圧配置の変化を、大ざっぱにチェックしておきましょう。

予想図アニメ160808
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)

 本州東岸を北北東進する台風5号の影響ですが・・・今日は関東東岸が中心
 明日は北日本の太平洋側中心になる模様。

 また、北西進する熱帯低気圧の影響を受ける沖縄付近では大気の不安定な状態が続き、断続的な雷雨に。

 一方、朝鮮半島方面から南東進する高気圧に覆われ、西日本は引き続き猛暑の夏空が続くと思われます。

 では、このような空模様の変化をもっと具体的に。
 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って詳しくチェックしていきましょう。

GSM8日160808
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・台風5号は、東海上の上空の太平洋高気圧(高度5880m:サブハイ)の西側に沿って、ゆっくりと北北東進
 関東の東海上は今日いっぱい大荒れになることが予想されます。

 一方、北日本には、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、-5℃以下の寒気を伴い断続的に接近・通過
 大気の状態が不安定になるとともに、周期的に天気が悪化すと思われます。

 一方、両者のいずれの影響も受けにくい西日本には、夜にかけて上空の太平洋高気圧が張り出す模様。
 今日も好天ベースで推移すると思われますが・・・

 このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・台風のグルグル巻きの等圧線は関東付近にかかるものの、活発な降水域は海上主体
 今夜にかけても関東の雨は千葉県や茨城県の沿岸だけで、台風の影響は北寄りの強風と高波のみ・・・といことが予想されます。
 というのも、台風の北西側の北風が、(実況でチェックした)日本海の乾燥空気を引き込むからだと思われますが・・・

 晴天でも海は荒れ模様という今日の関東の海。
 御察しの通り、海の事故が心配されます。

 また、北海道方面では、寒気を伴う上空の気圧の谷に対応して寒冷前線が通過
 短時間の強い雨や落雷突風の発生が想定されています。

 一方、西日本方面は・・・やはり猛暑の晴天優勢
 にわか雨程度は期待したくなるところですけど・・・高温に伴う雷雨・にわか雨と思われる局地的な降水域が予想されているだけですね。
(レジャーシーズン真っ盛りの沖縄方面。上空の低気圧に対応して熱帯低気圧が北西進するため、暖かく湿った南東風が吹き続け、雷雲の断続的な流入が予想されています)


 続いて、気温の水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図もチェック。

相当温位160808
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 台風の北上に伴って、日本付近では、暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)エリアと、乾燥熱風エリア混在しているのがわかります。

 北から流れ込む乾燥エリアの隣には暖湿気エリア・・・
 今日、高温に伴う雷雨が発生するとしても、非常に予想が難しい状態ですけど・・かなり局地的なものになる可能性大。

 ただ、台風が本州東岸の沿って北上するのに伴って、日本海側からの暖湿気の流入が強まる傾向が読み取れますから、暖湿気がぶつかる東日本の脊梁山脈付近で、次第に雨雲が活発化
 そして、脊梁山脈で雨を降らせた暖湿気が、強烈な暖気になって太平洋側に吹き降りることで(フェーン現象)猛烈な暑さになることが予想されます。

 台風の被害・・・普通は雨や風の被害が主体ですけど、5号の場合は猛暑による被害(荒れた海に誘われてしまうということも含めて)が主体になるかもしれません。


 ということで・・・以上のチェックポイントを確認しつつ、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ160808
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 紫色は下層雲。

 詳しいことはアニメ中に書き込んでおきましたけど・・・

 日本海からの暖湿気の流入による雨は夜中に活発化
 フェーン現象は夜でも続きますから・・・
 太平洋側の各地・・・今日は熱帯夜エリアが拡大し、寝苦しい夜になるかもしれません。

 そして最後は今日の沿岸の波の予想

沿岸波浪予想160808
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 本州東岸は4m以上のシケ模様。
 暑さに誘われ、荒れた海に近づかないようにしてくださいね。

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      (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

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     府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
      (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
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拡大GSM6コマ160808拡大GSM160808拡大相当温位160808拡大波浪予想160808
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

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