何やらPCとスマホの調子がいっぺんに悪くなってしまい現在ゴタゴタしているので、今回はありがたいことに以前いただいたものの後回しになっていたネタで。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本の異世界系作品では弱い、無能ではなく道徳的な問題や殺伐とし過ぎで追放される展開はどれくらいあるのか?」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
日本の異世界系は弱いから追放される展開が多いけど道徳的に問題があるとか殺し過ぎとかで追放されることはあるの?
あるとしたらどのくらいあるんだろうか?
探せばあるだろうけどそんなに多くなさそう
少なくともアニメ化までいくようなレベルの作品には無いのでは
そういうのはアウトロー要素が強過ぎる主人公になってしまうし、現代だとメディアの規制基準に抵触したり、読者から反発が出たりといったリスクがあるから商業的な成功は難しいだろう
単純に人気出ないから使われないやり方だと思う
道徳的に問題があるから追放されるとか、見たい人がどれだけいるのかと
派手にやり過ぎて周辺の被害大き過ぎるから追放みたいなのはギャグにすれば行けるような気もするが……
道徳問題がパーティ内の不和の原因となって一時的にパーティ分裂、或いはメンバー変更した後にイロイロと合って元の組合せに戻るという展開なら昔からよくあった
でも追放系でいきなり道徳問題はどうだろう?
底辺からのし上がっていく冒険者、異世界転移転生系作品は道徳とか気にしている余裕が無い
むしろ周りの方が道徳的に問題あるのばかり、主人公が「良いヤツ」に見える展開にした方がおいしい
日本の作品で主人公が道徳的な問題を無視する、殺し過ぎる、非道なことをやり過ぎるというのはやると読者に嫌われるんだよ
昔日本に入った「霊剣山」では最初の主人公の金稼ぎが日本では「普通の人を騙して金を儲けるひどい主人公」として強い反発を受けて一気に評判が落ちた。
敵もだけど、無能な凡人を食い物にするのも日本では好まれないから追放される主人公の原因としてはあまり良くないのだろう
こっちの作品でも道徳的な問題での追放はあるけどそこまで使いやすいものではないな
手段を択ばず殺伐にやり続けるのは最初の問題解決としてはスッキリするけど問題の規模や内容も含めてインフレさせていく際に被害の規模も広がるし、作中でそれが何となく良い感じに評価される、読者が良い気分でいられるようにするのが普通のインフレと比べて相対的に難しくなっていく
短編や初動で爆発させるには良いけど、長編展開するには途中で方針転換するか最初の方だけにしておく方がやりやすい
日本の主人公は「やさしい」のが評価されるから道徳的にやらかすパターンは少ないだろうし、そもそもJRPG的な世界観で戦うような作品で殺伐さはむしろプラスになるのでは?
確かに
迷宮で生きるか死ぬかで戦う時にやさしさ発揮するとか殺せないアピールされても読者はついてこないよな
種族差別問題など現代基準の道徳と現地世界の道徳が違うことによる紛糾からの追放、例えば異種族、魔族と共存する展開での追放は見た記憶がある
主人公が魔族側の仲間になって、人類側がそもそも倫理的に問題があるという展開になるのはそんなに珍しくないと思う
死霊術士だから追放以前に人間社会でやっていけないみたいなパターンは違うか
どの作品か忘れたが、ギャグ系の作品で主人公がクズで追放パターンはあった気がする
結局はやり方次第だろうけど大人気のテンプレにまでなるのはやはり難しそう
現代の環境だと聖母キャラが嫌われる、すぐに批判を集めるから逆に主人公と敵対する側で出すことはできそう
しかし聖母キャラって長編だと敵役としてそんなに便利ではない
破滅させても主人公と読者がスッキリして終わりだし、次の敵やイベントにつなげにくい
以前どこかで勇者パーティだかギルドだかで女のメンバーに手を出し過ぎて追放された好色主人公という設定の話を見たことがあるのを思い出した
ネタ的にそんなに長く続けられないだろうけど、続きはどうなったのかな……
追放ではないかもしれないが、復讐と仇討ちにのめり込み過ぎているキャラ(主人公でも作中の強キャラでも)についていけずに仲間が離れる或いは自分から離れていく展開の作品はそこそこある
ここで言われているような話は特撮作品だとそれなりにある
でも異世界で俺TUEEEEEな作品だとあまり見ない
過激に虐殺する系は最初からそっちに振り切っている、そういう趣味の作品だとアピールしているので追放系と合わせるのは珍しいのでは?
これはポストアポカリプス系によくあるパターンだ
追放する側でもされる側でも書ける
異世界系だと道徳的に問題があって追放されるのは主人公ではなくサブの男性キャラや嫌がらせキャラとかじゃないか?
そして主人公と敵対、妨害した挙句に追放される、倒される
道徳を理由にするともめやすいというのも、追放系に道徳問題が少ない理由の一つでは
道徳って基準が人それぞれだし描写次第で印象も変わるから読者の受け取り方が一定しない
それに対して無能、役立たず扱い、有用性が理解されないので追放という展開に関しては分かりやすい基準を示せるのでスムーズに転落からの復讐、ざまあ展開にできる
道徳的に問題がある或いはそう誤解されたから追放、仲間と分かれるみたいなのは昔から定番の展開だし探せばありそうなのに、こっちで目に入る作品だと思いつかないな
やはり日本国内市場まで範囲を広げる必要があるのか?
西遊記の白骨の精の回とかでも使われているし、敵の陰謀によるパターンもあるね
しかし私の記憶でも異世界系作品の追放スタートとしては珍しいような気がするな
追放系って報復する、更に強くなって上の立場になって「もう遅い」「間違っていたのはお前達の方だ」とやるのが最大の爽快ポイントだからね
戦闘や冒険がメインの評価基準になるなら道徳や殺し過ぎよりも強さ、有能さの方が分かりやすくて使いやすい
バトル要素が無い作品、女性向け作品は道徳的な問題、不義密通関係による追放や婚約破棄はあるんじゃないか?
私もそう思う
悪役令嬢は日本の異世界における道徳問題による追放のテンプレだ
婚約破棄の口実になりがちないじめや不義密通は道徳関係の問題とも言うことができる
道徳が問題として意識され追放の口実として機能するのってある程度豊かで落ち着いた環境、世界観が必要だからね。冒険者とかの成り上がり展開はあまり相性が良くない。
逆に王侯貴族が中心になる悪役令嬢モノでは使い勝手が良い。
世界観や設定次第ではあるが婚約関係の破棄、上位の貴族令嬢を追い落とす上で道徳的な理由というのは有効だろうし、読者側としても納得しやすい理由になりそうだ
そういう意味では魔王倒した勇者を陰謀で陥れるパターンもあるね
ただその場合は追放ではなく牢屋に閉じ込めたり処刑したりという展開になるから追放とはまた違うかもしれない
ここまでの話を見た感じだと、道徳に問題あるから追放は悪役令嬢系作品が幅広く対応しているから男性主人公の俺TUEEEEEだとあまり出てこないということなのだろうか
分かりやすいタイトルで「卑怯者だと勇者パーティを追放されたので働くことを止めました」という作品はあった。確かコミカライズもされていたはず。
追放された後に冒険者ではなく別の職業、別の場所で成功して見返すというパターンなら男性向けでも行けると思う
道徳や殺し過ぎ問題で追放される系は魔王を倒した後の勇者の処理問題が構造としては近い気がする
不要になった武人を政治的、人間関係的に陥れて追放する展開だと話作りやすいわけだしね
バトル系作品だと道徳問題の後にどう話を続けていくか、追い出した連中に復讐するとか成功と没落の対比を提示するとかの後の展開が難しくなる
主人公のオリジンに道徳問題で追放されたという要素があるから戦闘力、有能さを強調するタイプであってもそこを無視できない
同意する
それなら最初から能力を軽視される、理解されないとかの方がやりやすいだろう
強くなる、成功するのがそのまま復讐と重なるわけだし
悪役令嬢系の場合、人間関係や地位の獲得或いは修復がメインになるわけだし道徳問題との相性が良いのは何となく分かる気がする
とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈でのイメージも含めてイロイロな話が出ていました。
ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「近年の中国オタク界隈では『聖女』というのはほぼ皮肉、批判的な意味で使われる言葉になっていますし、日本語でいう『敵にも理由があった』『実は気の毒な過去があった』として許される展開は特に嫌われます」
「道徳的な問題のあるキャラとその処理に関する不満はそのまま作品や作者の価値観に対する批判につながりやすいので、現在の中国のネットでもあまり使いやすいものではないと思います。ですから今の国産中華ファンタジー作品では悪いヤツはハッキリと悪い、主人公に言いがかりをつけてくるような展開になりがちですし、すぐに殺伐とした殺し合いになったりします!」
などといった話もありました。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
2016年の記事ですが上のやり取りにある「霊剣山」の主人公に対する日中の受け取り方の違いについての話があります。
中国国産アニメの主人公はなぜ平気で一般人を騙すのか
11/10修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本の異世界系作品では弱い、無能ではなく道徳的な問題や殺伐とし過ぎで追放される展開はどれくらいあるのか?」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
日本の異世界系は弱いから追放される展開が多いけど道徳的に問題があるとか殺し過ぎとかで追放されることはあるの?
あるとしたらどのくらいあるんだろうか?
探せばあるだろうけどそんなに多くなさそう
少なくともアニメ化までいくようなレベルの作品には無いのでは
そういうのはアウトロー要素が強過ぎる主人公になってしまうし、現代だとメディアの規制基準に抵触したり、読者から反発が出たりといったリスクがあるから商業的な成功は難しいだろう
単純に人気出ないから使われないやり方だと思う
道徳的に問題があるから追放されるとか、見たい人がどれだけいるのかと
派手にやり過ぎて周辺の被害大き過ぎるから追放みたいなのはギャグにすれば行けるような気もするが……
道徳問題がパーティ内の不和の原因となって一時的にパーティ分裂、或いはメンバー変更した後にイロイロと合って元の組合せに戻るという展開なら昔からよくあった
でも追放系でいきなり道徳問題はどうだろう?
底辺からのし上がっていく冒険者、異世界転移転生系作品は道徳とか気にしている余裕が無い
むしろ周りの方が道徳的に問題あるのばかり、主人公が「良いヤツ」に見える展開にした方がおいしい
日本の作品で主人公が道徳的な問題を無視する、殺し過ぎる、非道なことをやり過ぎるというのはやると読者に嫌われるんだよ
昔日本に入った「霊剣山」では最初の主人公の金稼ぎが日本では「普通の人を騙して金を儲けるひどい主人公」として強い反発を受けて一気に評判が落ちた。
敵もだけど、無能な凡人を食い物にするのも日本では好まれないから追放される主人公の原因としてはあまり良くないのだろう
こっちの作品でも道徳的な問題での追放はあるけどそこまで使いやすいものではないな
手段を択ばず殺伐にやり続けるのは最初の問題解決としてはスッキリするけど問題の規模や内容も含めてインフレさせていく際に被害の規模も広がるし、作中でそれが何となく良い感じに評価される、読者が良い気分でいられるようにするのが普通のインフレと比べて相対的に難しくなっていく
短編や初動で爆発させるには良いけど、長編展開するには途中で方針転換するか最初の方だけにしておく方がやりやすい
日本の主人公は「やさしい」のが評価されるから道徳的にやらかすパターンは少ないだろうし、そもそもJRPG的な世界観で戦うような作品で殺伐さはむしろプラスになるのでは?
確かに
迷宮で生きるか死ぬかで戦う時にやさしさ発揮するとか殺せないアピールされても読者はついてこないよな
種族差別問題など現代基準の道徳と現地世界の道徳が違うことによる紛糾からの追放、例えば異種族、魔族と共存する展開での追放は見た記憶がある
主人公が魔族側の仲間になって、人類側がそもそも倫理的に問題があるという展開になるのはそんなに珍しくないと思う
死霊術士だから追放以前に人間社会でやっていけないみたいなパターンは違うか
どの作品か忘れたが、ギャグ系の作品で主人公がクズで追放パターンはあった気がする
結局はやり方次第だろうけど大人気のテンプレにまでなるのはやはり難しそう
現代の環境だと聖母キャラが嫌われる、すぐに批判を集めるから逆に主人公と敵対する側で出すことはできそう
しかし聖母キャラって長編だと敵役としてそんなに便利ではない
破滅させても主人公と読者がスッキリして終わりだし、次の敵やイベントにつなげにくい
以前どこかで勇者パーティだかギルドだかで女のメンバーに手を出し過ぎて追放された好色主人公という設定の話を見たことがあるのを思い出した
ネタ的にそんなに長く続けられないだろうけど、続きはどうなったのかな……
追放ではないかもしれないが、復讐と仇討ちにのめり込み過ぎているキャラ(主人公でも作中の強キャラでも)についていけずに仲間が離れる或いは自分から離れていく展開の作品はそこそこある
ここで言われているような話は特撮作品だとそれなりにある
でも異世界で俺TUEEEEEな作品だとあまり見ない
過激に虐殺する系は最初からそっちに振り切っている、そういう趣味の作品だとアピールしているので追放系と合わせるのは珍しいのでは?
これはポストアポカリプス系によくあるパターンだ
追放する側でもされる側でも書ける
異世界系だと道徳的に問題があって追放されるのは主人公ではなくサブの男性キャラや嫌がらせキャラとかじゃないか?
そして主人公と敵対、妨害した挙句に追放される、倒される
道徳を理由にするともめやすいというのも、追放系に道徳問題が少ない理由の一つでは
道徳って基準が人それぞれだし描写次第で印象も変わるから読者の受け取り方が一定しない
それに対して無能、役立たず扱い、有用性が理解されないので追放という展開に関しては分かりやすい基準を示せるのでスムーズに転落からの復讐、ざまあ展開にできる
道徳的に問題がある或いはそう誤解されたから追放、仲間と分かれるみたいなのは昔から定番の展開だし探せばありそうなのに、こっちで目に入る作品だと思いつかないな
やはり日本国内市場まで範囲を広げる必要があるのか?
西遊記の白骨の精の回とかでも使われているし、敵の陰謀によるパターンもあるね
しかし私の記憶でも異世界系作品の追放スタートとしては珍しいような気がするな
追放系って報復する、更に強くなって上の立場になって「もう遅い」「間違っていたのはお前達の方だ」とやるのが最大の爽快ポイントだからね
戦闘や冒険がメインの評価基準になるなら道徳や殺し過ぎよりも強さ、有能さの方が分かりやすくて使いやすい
バトル要素が無い作品、女性向け作品は道徳的な問題、不義密通関係による追放や婚約破棄はあるんじゃないか?
私もそう思う
悪役令嬢は日本の異世界における道徳問題による追放のテンプレだ
婚約破棄の口実になりがちないじめや不義密通は道徳関係の問題とも言うことができる
道徳が問題として意識され追放の口実として機能するのってある程度豊かで落ち着いた環境、世界観が必要だからね。冒険者とかの成り上がり展開はあまり相性が良くない。
逆に王侯貴族が中心になる悪役令嬢モノでは使い勝手が良い。
世界観や設定次第ではあるが婚約関係の破棄、上位の貴族令嬢を追い落とす上で道徳的な理由というのは有効だろうし、読者側としても納得しやすい理由になりそうだ
そういう意味では魔王倒した勇者を陰謀で陥れるパターンもあるね
ただその場合は追放ではなく牢屋に閉じ込めたり処刑したりという展開になるから追放とはまた違うかもしれない
ここまでの話を見た感じだと、道徳に問題あるから追放は悪役令嬢系作品が幅広く対応しているから男性主人公の俺TUEEEEEだとあまり出てこないということなのだろうか
分かりやすいタイトルで「卑怯者だと勇者パーティを追放されたので働くことを止めました」という作品はあった。確かコミカライズもされていたはず。
追放された後に冒険者ではなく別の職業、別の場所で成功して見返すというパターンなら男性向けでも行けると思う
道徳や殺し過ぎ問題で追放される系は魔王を倒した後の勇者の処理問題が構造としては近い気がする
不要になった武人を政治的、人間関係的に陥れて追放する展開だと話作りやすいわけだしね
バトル系作品だと道徳問題の後にどう話を続けていくか、追い出した連中に復讐するとか成功と没落の対比を提示するとかの後の展開が難しくなる
主人公のオリジンに道徳問題で追放されたという要素があるから戦闘力、有能さを強調するタイプであってもそこを無視できない
同意する
それなら最初から能力を軽視される、理解されないとかの方がやりやすいだろう
強くなる、成功するのがそのまま復讐と重なるわけだし
悪役令嬢系の場合、人間関係や地位の獲得或いは修復がメインになるわけだし道徳問題との相性が良いのは何となく分かる気がする
とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈でのイメージも含めてイロイロな話が出ていました。
ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「近年の中国オタク界隈では『聖女』というのはほぼ皮肉、批判的な意味で使われる言葉になっていますし、日本語でいう『敵にも理由があった』『実は気の毒な過去があった』として許される展開は特に嫌われます」
「道徳的な問題のあるキャラとその処理に関する不満はそのまま作品や作者の価値観に対する批判につながりやすいので、現在の中国のネットでもあまり使いやすいものではないと思います。ですから今の国産中華ファンタジー作品では悪いヤツはハッキリと悪い、主人公に言いがかりをつけてくるような展開になりがちですし、すぐに殺伐とした殺し合いになったりします!」
などといった話もありました。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
2016年の記事ですが上のやり取りにある「霊剣山」の主人公に対する日中の受け取り方の違いについての話があります。
中国国産アニメの主人公はなぜ平気で一般人を騙すのか
11/10修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。
