「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

中国オタク「日本の高校生キャラは皆金持ちに見える……」「日本の高校生ってどれくらいお金を使うのだろうか?」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

日本の学生生活に関しては中国オタク界隈でも何かと気になる人が多いようですが、日本の作品における描写がどこまで現実の日本社会を反映しているのか、話の都合で誇張或いは省略されているのは何なのかといった話題で盛り上がることもよくあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「日本の高校生キャラは金持ちに見える」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の高校生キャラは皆金持ちに見える……話の都合だというのは分かるんだが

言いたいことは理解できる
でも現実はそんなに金があるわけではない、物価の上昇で学生も厳しいとも聞くが

ちょっと前の日本の飲食店やカラオケは良い設備の所でも相対的にかなり安かったからな
私が日本留学していた時は助けられたよ

日本の高校生ってどれくらいお金を使うのだろうか?
親が出してくれる所と、学生キャラが出している部分の違いも気になる。
通学の電車、食事や飲み物、放課後のお菓子とか全部足したら1000円近くなるだろうし、喫茶店やラーメン屋などに行くと更に跳ね上がるはず

中日で物価や消費習慣が違うというのは分かるが、10年前の私が高校生の時だった頃とか週100元(約2000円)くらいで食事含めてやりくりしていたんだけどな

さすがに今は中国国内でも高校生が食事込みで週100元は厳し過ぎる
あと日本は交通費に関しては学割定期があるし、実家暮らしの高校くらいまでは親が出すから高校生の個人的な出費には普通含まれない

高校生はちょっと分からないけど、今は都市部の大学生なら月の生活費は2000〜3000元(約40000〜60000円)って所じゃないか?
私の場合、特に無駄遣いしなければ2000元ちょっとで済む けど調子に乗ると3000元言ってしまうかな。周りもそんな感じだ。

日本の学生はバイトするからな
時給1000円もらえるなら足りないことは無いのだろう

でも部活をやってる学生キャラまで放課後に買い食いしたりラーメン食ったりしているからな
金あるんだなーと思ってしまうよ

学校によっては高校生でもバイト禁止だったりするしね!
それに関しては作品の都合による誇張や省略というケースも多いのだろう

逆にこっちの昔の100元/週くらいとそんなに変わらない2000円〜3000円/週の高校生という設定が出てくるようなキャラはどうやって過ごしているのかと気になる。
日本の物価では食費だけでも足りなそう。

たぶんそういうのは食費、交通費、文房具や部活関連など学校関連費用は基本的に親が負担しているというパターンだろうね
日本は高校生はほぼ全て実家住まいなので朝晩は家で食べる、昼も弁当を持っていくから基本的には必要ないといったことになるし、もし突発的な費用が必要になるなら親に行って出してもらうというのが一般的なはず

高校生じゃないけど、子供の頃に見たアニメで小学生のキャラ達がマクドナルド(日本の作品特有の偽マクドナルドだけど)に子供だけで入って食事をするシーンはかなり衝撃だった、子供だけでいいの?というだけでなく本当に金持ってるなこいつらという意味でも

子供だけでというのはダメだけど、今は国内でも長期休暇の時期はマクドナルドに中高生かなり増えるけどね
安くないと感じられても、国内だと学生が使える場所としてはマクドナルドやKFCよりコスパが良い所はなかなか無い

日本の物価の高さが気になる
こっちでは2.5元(約50円)のコーラが日本では120円するんだろ?
旅行先ではなく学生の消費として考えるときつそう

今は日本の自動販売機のコーラは瓶だと180円だよ。ただスーパーとかでは安売りしていて私のよく行くスーパーだと120円くらいかな?
この数年で日本もインフレが進んだのでここで討論している皆の感覚の30%〜50%くらいは高くなっていると思った方が良い
アニメの描写は古いものも多いから自動販売機で気軽に買うシーンがたくさんあるように見えるだろうけど、今の日本では若い学生も飲み物はちょっと安くなるコンビニで買うし自動販売機の利用は減っている

日本のアニメに出てくる高校生キャラってほとんどは大都市の住民、それも中流家庭がほとんどだからな
農村の学生という設定だったらそんなに金をもってないし、描写も変わるはず

日本は都市と農村の差はウチの国と比べたら小さいよ
もちろん最低賃金などを見れば差はあるけど断絶した差というほどではない
そもそも部活や習い事、学習塾に特に問題なく行ける時点でどのキャラも金のある家の子供だという話があるから、都市と農村みたいな区別で考えるのは正しくない

上の方で部活の話が出ているけど、日本の学校生活の前提として部活や部活以外のスポーツをやっている学生はかなり裕福な家の子供だという事情があるんだよな
だから買い食いやファストフートとかはお小遣いで出せる、問題無いという見方ができる

同意。学生生活の雑費は部活にかかっている費用を考えれば大したことないという前提がある。
部活は特待生になれば優遇があるとはいえ基本的には道具、場所、移動に金がかかるし趣味ではなく上にいくならコーチ代もかかるからな。
日本では野球は実は金がかかる、親の負担が大きい部活として有名だしサッカーも野球ほどではないが金はかかる。そして最近話題の「メダリスト」のフィギュアは子供にやらせるものとしては最も金のかかるスポーツの一つだとか

日本もアメリカの都市部の消費に比べたら安いとも言える
中国国内はレベルはともかく、日常的な消費はまだ安い方ではあるから

中国は高校生がそんなにお金使える場所が無いからね!
特に寮住まいだと学校の売店で無駄遣いするかどうかだし、それをやらなければ高校生でもかなり節約できる!

ウチの国の高校生も金を使うのはたくさん使うからなあ
俺が高校の時に、クラスメートに買い物しまくりカラオケとかにも頻繁に行くような金遣いの荒いのがいて、学食で昼飯に飲み物をつけるかで悩む自分と同じ国の人間とは思えなかったよ

ウチの国でも自分の行く所でも学生がお金を使って遊んでいる、今の学生は金持ってるみたいな話は珍しくない
高校生が毎日そういう金の使い方をしているわけではないんだろうけどね

同意する
「高校生がいつもいる」という話は「同じ高校生がいつもいる」という話ではない
アニメだと同じキャラで時間を飛ばしてシチュエーションだけが連続するから、いつも金を使っているという印象になることもあるのだろう

作者側も舞台装置として使っているだけで、学生キャラの懐具合まで細かく考えていないと思われる

きちんと考えている作品もあるんだろうけど、大体は「学校帰りにファミリーレストランや喫茶店で飲み物やスイーツを注文しながら語り合うキャラクター」というのが必要だから使っているくらいだよね
学生の懐具合にリアリティを持たせても話が面白くなるわけではないし

実写だと登場人物が頻繁にタクシーを使うから金持っているように感じられるのも似たような話だろうな

こういうのは日本円を人民元に換算して考える人が多いので混乱する
物価だけでなく購買力や日常的な消費の傾向が国、世代ごとに違うので単純に考えてはいけない

同意する
例えば学生だと日本では学生寮に入ることは珍しくて、学生は実家住まいや一人暮らしになる、しかし日本は学生向け物件が多いので一人暮らしのコストはそこまで高くならないといった話がある
高校生にしても部活の後に入るような若者向けの店は安いとかね

でもそういう店も随分と高くなっているらしいね
今の日本ではマクドナルドでも結構高いので学生が毎日集まることもなくなっているのだとか

日本のマクドナルドはハンバーガー1個が60円になっていた時代があるけど、その時期に制作された作品は学生が毎日通っても問題なかったんだろうな



とまぁ、こんな感じで。
今の中国の感覚も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国では高校生が気軽に使える場所、遊べる場所というのが少ないので日本の高校生キャラの放課後は楽しそう、お金ありそうという印象が強くなります。中国もお金を出せばできることは多くなりますが、ほとんどの学生はお金をたくさん使えませんし、日本のような若者向けのコスパが良い楽しい場所というのもあまり無いのです」
などといった話もありました。

最近は日本でもインフレが進んでいますし、今の学生世代がどんな金銭感覚で放課後を過ごしているのかは私もイマイチ分かりませんね。
直接間接イロイロと話を聞いた感じでは私の学生時代と比べてメリハリをきかせた、頭の良いお金の使い方をしているという印象にもなるのですが。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「男性向け作品の『敗犬』な男キャラで皆の記憶に残っているキャラって誰かいる?」「男性向け作品で印象的な恋愛敗者の男性キャラというのは案外難しいかもしれない」

中国オタク界隈では負けキャラ、特に恋愛で負けたキャラに関して
「敗犬」
という言葉を使うのが定着しているそうですが、
ありがたいことに以前の記事
中国オタク「近頃は『敗犬』なキャラが人気、ネタ共に強くなっているような気がするけど、皆の心に残った『敗犬』なキャラを教えてほしい」
に関連して、追加で「敗犬」ネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「男のキャラで皆の記憶に残っている敗犬キャラは?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本語の負け犬から来ている「敗犬」という言葉は恋愛敗者という意味で使われているけど、男性向け作品の「敗犬」な男キャラで皆の記憶に残っているキャラって誰かいる?
女性キャラに関して語られているので逆に気になってきた。

女性向け作品を探せばたくさん出てきそうだけど、男性向け作品で該当するキャラということでいいのか?

そうだね。
ただ男性人気も高くて男性のオタクの記憶に残っているということなら女性向け作品でも構わないよ

男性向け作品で印象的な恋愛敗者の男性キャラというのは案外難しいかもしれない
昔の作品を探せば出てくるんだろうけど、近年の男性向け作品はハーレム、そこまでいかなくてもヒロインレースになっていて男性同士の競争になる作品はそれほど多くない

強さに関しては敗犬なベジータだけど、女関係だと敗犬なのはヤムチャだろうか

NTR作品の主人公で有名なのを探してみるのはどうだろう?
例えばNTR扱いで有名になっている「凪のあすから」の主人公はわりと有名な敗犬ではないかと

金庸作品はわりとそういうのいるけど、二次元だとすぐに出てこないな

ナルトの敗犬シーンは印象に残っているな
サクラに対しては最初から望みが無いのは皆分かっていたけど、ヒドイ話だと思ったのも確かだ

サクラに関してはロック・リーも……

「スラムダンク」の桜木花道は恋愛的には敗犬だから良いというタイプのキャラかもしれない

「マギ」の練白龍はわりと印象に残っているキャラじゃないかと

「ダーリン・イン・ザ・フランキス」は敗犬なキャラがたくさん出てくるという意味で個人的にはかなり好きだけど、それが批判の原因にもなっている……分かるけど。

近頃の作品で敗犬ネタで有名なのだと「バック・アロウ」のカイ・ロウダンとか?

少女マンガだけど「ちはやふる」の太一は典型的な敗犬キャラだと思われたが最終的には勝ってしまったので自分の中では妙に印象に残っている

「クロスアンジュ」のエンブリヲは最後の徹底的な負け方がとても評価できる敗犬キャラだと思う

「犬夜叉」「うる星やつら」「めぞん一刻」と高橋留美子作品は大体そんな感じのキャラが出ているような?
「らんま1/2」に関しては女乱馬や響良牙など判断に迷うので保留

「めぞん一刻」の三鷹瞬は良い敗犬キャラだったね
この時期の男性向け恋愛マンガを探したら敗犬キャラもたくさん出てきそうだけど、こっちでも有名なキャラはあまりいないだろうね

「ベルセルク」のグリフィス
間違いなく男性向け作品だよね!

「Fate」の間桐慎二
感情的な面で士郎、凛どちらに対してもある敗犬的な感情のめんどくささが良い感じだ

思い付くキャラはそれなりにいるけど、皆の記憶に残るようなキャラは本当に少ないかも?
二次元限定じゃなければ「ハリー・ポッター」のスネイプなんかは例としてとても良いと思うのだけど

改めて考えてみた結果、思い出した
「オナニーマスター黒沢」の黒沢翔は今で言う敗犬的なキャラだった気がする

まだリディ少尉が出ていないとは!

ガンダムだったらコウ・ウラキも
でも恋愛的には敗犬のままでいた方が良かったのではないかと思えたり

もう昔の作品になってしまったが、「神無月の巫女」の彼は当時NTR展開も含めて伝説扱いされていたなあ

昔の作品といえば、「あの夏で待ってる」は最終回の描写を読み違えて敗犬主人公な展開だと思い込んでいた人が結構いたように思う

「涼宮ハルヒ」の古泉は本編だけだと判断に迷うが、「消失」の話からするとやっぱり敗犬キャラなんだろうな

男性向けだと本当に思いつかなかったので「さらざんまい」の陣内燕太とかはダメかな?

男同士はさすがに……でも私もなかなか思いつかない
「マクロス7」のガムリンまで遡ってしまった

「マクロスプラス」は三角関係の全員が少しずつ敗犬っぽいことになっているのが面白い

恋愛に勝てなかったということなら上杉和也

死んでるから勝負以前の問題では?

いや、死ぬ前もずっと敗犬状態だよ。浅倉南の心はずっと達也の方にある中で甲子園を目指していたわけだから。
あと「タッチ」は新田明男もこのテーマに該当するな。

ドラえもんはたぶんネコ型ロボットだけど恋愛イベントはほぼ敗犬



とまぁ、こんな感じで
近頃の中国オタク界隈でよく知られている作品やキャラなども見えてくる話が飛び交っていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国では恋愛関係で主人公の邪魔になるキャラはとても嫌われますし、主人公が不利な展開になるとすぐにNTR関係の話や評価にされてしまうので、恋愛要素のある作品で恋のライバルな男性キャラは出さない、出すとしても不安定な関係の話を引きずらないようにした方が良いと思ってしまいます」
などといった話もありました。

私も今回の記事をまとめるまであまり意識していませんでしたが、近頃の男性向け作品は当て馬の男性キャラというのをあまり見かけなくなりましたね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「主人公や敵の強キャラについてくる役立たずキャラ、問題を起こす子供キャラの需要ってどこにあるんだろう?ああいうのを好きだという人はほぼいないと思うのだけど……」

中国では「無能なキャラや足を引っ張る仲間キャラが日本の比ではなく嫌われる、敵よりもそっちで炎上することが多い」といった話もあるそうですが、ありがたいことにその話や以前の記事
中国オタク「峰不二子が日本のオタクに人気が高い理由がよく分からない。明らかにオタクが嫌う要素ばかりに見えるのだけど……」
などに関連して、ネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「主人公や敵の強キャラについてくる役立たずなお供キャラの需要」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


主人公や敵の強キャラについてくる役立たずキャラ、問題を起こす子供キャラの需要ってどこにあるんだろう?
ああいうキャラを好きだという人はほぼいないと思うのだけど……

いわゆるホームズとワトソンみたいな引き立て役、持ち上げる役じゃないの?

ウチの国の伝統で言えば関羽と周倉みたいなものだろう
主人公の近くには細かいことをこなす手下がいる

でも周倉は普通に強いし役立たずなキャラではないと思うが……二次元作品の子供キャラ、場を乱す仲間キャラは主人公にとってマイナスになるやらかしをする、その結果敵よりも嫌われる存在になりがち

ワトソンは足引っ張ったりしないよね。有能な助手や相棒ならまだ分かる。
役に立たないどころか問題を起こすキャラ、嫌われるキャラをなぜ出すのか?
一つの作品だけなら判断ミスだろうけど、少なくない数の作品で似たようなことが行われている

うーむ、ギャップ萌えとか?あとは習慣的にとりあえずキャラのバリエーションを出すために設定してしまうとか
俺TUEEEEEに特化するのは作者にとっては案外勇気がいる
作った作品や幼稚だとか含蓄が無いといった批判を怖がる、或いは自分が作っている作品は現実的で含蓄が無ければいけないと思っている作者は少なくないから

実際はそこまで弱くない、無能ではない、状況や運が悪かったみたいなケースもある
でも長編だと出番の関係でやらかすエピソードも増えるし印象に残ってしまうんだよね

主人公と同じかそれ以上に強いキャラ、有能なキャラと組ませると主人公を引き立てられなくなるからな
二人とも強い、有能な作品もあるけどそういうのは別ジャンルになるし

作劇モデルの一種ではある。かっこ良くて強い、有能なキャラに間抜けなキャラを組み合わせる。それによって強さが更に引き立つしマイナス部分を他に押し付けられる。
しかし現代のネットで作品の討論が行われる、ヘイトが増幅される環境と相性が悪いのも確かだ。

昔ならスルーされていたけど現代は愚かなキャラに対するいら立ち、批判が凄い勢いで増幅されるからね……

キャラデザや見せ方次第では不快にならない、逆に人気になることもある
ただ少年マンガや子供向けアニメだとあまり人気になることはないかな……

魔法少女のマスコットキャラもその一例だし、見せ方と役割の持たせ方次第だろう

役立たずキャラについては分からないが、子供キャラに関しては視聴者を感情移入させる対象としての計算があったとよく言われる
でも実感としてはヒーローやカッコイイ強キャラに感情移入しても、横にいて邪魔になる子供キャラに感情移入する子供はいなかったように思うのだが……

そういうキャラってどこまで需要があったんだろうね?
主人公の言うことを聞かない、反発して問題を起こす、戦いでは足手まといということで私が子供の頃は既に嫌われキャラだったし、ネットを見てもそういうキャラは嫌われがちだが

ああいったキャラには主人公や敵の人気強キャラの外付けスピーカー、外付けイベント発生装置という役割がある
ただその役割に徹して不快ではないタイプのキャラは珍しいのも確かだ
ヒーローの足を引っ張る、出番を削るというのは観客にとっては結構なマイナスになるということを見過ごした結果批判が出た作品とキャラも少なくない

主人公を戦いや謎解きだけに集中させるのが役割だし、いないと困る存在ではある
しかし作品を見ていると話しの焦点になる戦いや謎解き以外の必要性があまり見えてこないことも多いので「いらない」「なぜ出した」みたいになりがち

ギャグ担当という役割もあるね
それにヒーローや敵の人気キャラが強過ぎる、シリアスばかりだと話を作り難い。特に長編作品は強いだけではキャラが薄くなってしまうし、失敗した際に発生するヘイトが主人公に直撃してキャラ人気や作品評価が落ちてしまうこともある。
無能な見方はそういったリスクを緩和する効果もある。

不快に感じさせるのはギャグ描写、イベント発生の流れを制作サイドが失敗しているからというのもあるかと
子供向けだからと雑にやっている、制作側の感覚が古びていて若い世代、その時代の子供の感覚とズレているという場合もあると思われる

これはテンプレとしては中世の騎士と従者から来ている組合せだよ
昔から武装した主人に付き従って雑用、荷物持ちをする存在がいる。

いわゆるドン・キホーテとサンチョみたいなものだろうな
騎士の場合は従者、日本の武士の場合は中間と言ったかな?
地位、身分が下の存在だからアニメやマンガではそのまま使えないので部下、子供などにそういった役割をあてることになるんだよ

ああいうキャラは元々嫌われるのが前提で出していることも多い
主人公がピンチに陥る原因を作るのも大事な役割だ

見ている側ではなく話を作る側にとって需要があるんだよね
話を動かす原因を作る役割として使いやすいから存在し続けている

雑用担当の部分に関しては人気キャラに負担させたくない悪い部分、交渉や騙し合いの役目を負担させる汚れ役というのもあると思われる

同意する
ここで議論されるようなキャラで上手くいった方のキャラの中には他のキャラとの交流や格を下げそうな交渉、ヘイトタンクを担当させ強キャラの方を超然としたキャラにしているケースだろう
「犬夜叉」の殺生丸と邪見はその形で上手くいったる方だし、古い作品だと例えば「北斗の拳」のケンシロウとバットも作中ではそういう役割分担の時があった

「犬夜叉」の邪見も「北斗の拳」のバットもそういう役に立つときが無いわけじゃないけど、個人的には大体はこいつの出番を作るくらいなら別のキャラの活躍を見たいという方が多かった
話を作るとか尺を稼ぎたいといった制作側の都合の方が大きい気がする

そもそも子供の時ってヒーローがずっと画面に出ている方が喜ぶからな
制作側が実際の子供の感覚とズレていたケースも少なくないのだろう

解説や驚愕のリアクションをする観客は必要だから……戦うだけ、技を出すだけではダメなんだよ

俺は人気よりも使いやすさというのが主な理由だと思う
イベントの導入としては非常に便利なのは間違いないし、だから昔から使われている
そういうキャラが問題を起こす、危機に陥ったのを主人公がカッコよく解決するのが古代の伝説から続くテンプレだ

良いこと思い付いた、このサブキャラの方を強キャラにして主人公にしたら面白くなるんじゃないか!?
主人の目的によって問題にぶつかる、イベント発生される側にすれば行動原理も簡単になる。西へ聖典をとりに行くとか長い話に出来て使いやすそう!

それはいいな、ギャグ担当が足りないいから豚っぽいキャラもサブキャラに追加しよう!

そして結局は話の都合でヘイトを稼ぐ展開が増えていくと……
無能な部下キャラ、仲間が許容される理由としては主人公に対する忠誠のアピールというのもあるから、ある種の上下関係があった方が良いように思えるな
もちろんストーリー本体の出来の方がはるかに重要だけど、私は気分よく見ていられるように娯楽作品にはキャラのヘイト管理にも気を配ってほしいとは考えてしまうんだよね

このモデルの分析に関して、日本は昔兄弟が多いのが普通だったので視聴者の子供は感情移入するのが活躍するカッコイイ主人公、役立たずな子供キャラは普段子守を押し付けられている弟や妹だったから共感された、その後少子化に伴って兄弟のいる子供が減って共感が得られなくなって消えていったという話をみたこともあるな



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の認識も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国のオタクは無能なキャラもですが、未熟な子供キャラも嫌います。これは現実で熊孩子などと呼ばれるクソガキを目にする、実際に被害を受けた経験のある人が多いのも原因の一つでしょう。例えば日本では通じないでしょうが『小学生』というのが中国では効果のある罵倒になっています」
などといった話もありました。

特定のタイプのキャラが「好まれない」「嫌われる」という話に関してはその原因となる要素や受け止め方に関して日中でちょっとした違いがあることも珍しくありませんし、調べられそうな所があれば調べてみたくなりますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「『メダリスト』のMVに本物の『金牌得主』来ちゃった……」「羽生結弦がフィギュアがテーマの作品に出てくるとか凄過ぎて逆に非現実的だ」

先日米津玄師さんが歌う「メダリスト」のオープニング主題歌「BOW AND ARROW」の羽生結弦さん出演によるMVが公開されましたが、ありがたいことにこの件に関して複数の質問とネタのタレコミをいただいておりますので今回はそれについてを。

米津玄師 Kenshi Yonezu - BOW AND ARROW (YouTube)

羽生結弦さんは中国でも非常に人気が高いですし、「メダリスト」は中国国内向けの配信も行われていますから中国オタク界隈もこのMVに関してかなりざわついている模様です。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「羽生結弦出演のメダリスト主題歌MV」
などに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


「メダリスト」のMVに本物の「金牌得主」来ちゃった……
(訳注:「メダリスト」の中国語タイトルが「金牌得主」です)

まわりがざわついているので何かと思ったら想像を超えたものが流れてきた
フィギュアがテーマの作品に羽生結弦が出てくるとか凄過ぎて逆に非現実的だ

とても良いね!
スケートと二次元って近いようで遠いから、妄想したことはあるけど現実に直接的なコラボが来るとは思わなかった

こんなに効果的なMVが他にあるだろうか?
MV見たらメダリストが見たくなって、メダリストを見たらまたMVを見たくなってMVに仕込まれた原作ネタに気付き、またメダリストを見たくなる

羽生結弦が作品に対してどう思っているのかは分からないが、主題歌を作った米津玄師と同じく作品に対する理解の深さを感じられるMVだ

このMVのおかげでアニメも単行本の販売数も伸びる
ここまでプラスしかない、好き嫌いが分かれないMVを私は他に知らない

第二期の発表はまだないけど、これはもうアニメ第二期確定だろう
MVというか広報活動で第二期を確信するのは自分のオタク人生の中で初めてだよ!

日本では評価高いし原作売れているから第二期はほぼ確定っぽいね。そこにこのMVだから更に勝ちに来たのかもしれない。
少なくとも第二期は予算が豊富になるはず。

自分の方に流れてくる話は原作の方が良い、原作の動きを再現できていないというものばかりだったからてっきりアニメ化失敗案件だと思っていたが、MVをきっかけに見たら出来自体はかなり良いな……

この作品に関して、私は自分に合わなかった「ハチミツとクローバー」みたいな感じだろうと思ってスルーしていたからMVは作品を見る良いきっかけになった。これは評価されるだけある面白い作品だね!

原作の方が良いという話は理解できるけど、アニメもクオリティ的にはシーズン上位レベルではあるよ?
原作読み込んでいないにわかな自分にはアニメがちょうどいいみたいな感じでもあるし

しかし米津玄師と羽生結弦を起用する時点で作品の予算どうなってんだよ……予算そっちにとられて作画崩壊みたいなことも発生していないようだし……

原作も現実のフィギュアスケートもよく知らないんだけど、この作品の夜鷹純って羽生結弦がモデルなの?

キャラとしてはかなり違うかな。日本人でフィギュアスケートの金メダリストというなら羽生結弦になるけど、活躍の度合いの参考にしたくらいじゃないかと。
でもMVでは夜鷹純(或い狼嵜光の方かも?)の演技からと思われる部分はある。

OPがフルバージョンだとほぼSPの長さになるから大会でこの歌を使う選手が出るんじゃないかとネタにしていたら、公式が私達のネタをはるかに超えるものを出してきた……こんなの妄想でも考え付かなかったよ!

俺はENGI制作のアニメだから爆死するものだと思って全然意識してなかったのに、こんなことになるなんて……

俺もそうだったから驚いた。原作は評価高くてもアニメはダメだろうと。
でもよく調べたら主題歌にハチP引っ張ってきているし、そこから更に別分野のガチな「大物」が関わるとは……

本当に驚いた。これが人脈の力というやつか。

私もショック死するレベルだったよ
ENGIにこんな必勝カードがあったなんて

米津玄師は引っ張ってきたんじゃなくて飛び込んできた方だな。
本人が原作ファンで、アニメ化の情報を聞いて曲を作らせてくれと売り込みに行った。

原作のファンだったのが米津玄師で、米津玄師のファンだったのが羽生結弦という流れでこんなMVが出現してしまった模様

この作品のアニメはファンと推しと創作の多重構造になっているのが、何とも言えない良さがある
でも最新の段階で羽生結弦は予想外過ぎるよ!!

原作者が主役声優のファンで、自分が漫画家になって成功して主役をやってもらうのが夢だったというのが最初の段階で、それをかなえただけでもスバラシイ話なんだがそこから更に広がり続けているのが良いよね
日本の二次元界の夢の広がりを見ているようだ

こっちのweiboとかでもランキング急上昇して何事かと思ったわ
羽生結弦なら納得ではあるが、MV出演もそれはそれでで驚いたよ!

作品を追いかけていたらこんなサプライズに出会えるなんて……ファンやっていて本当に良かった

これは恐らく二次元関連のファンの活動という意味では頂点の一つになるだろう

同意せざるを得ない。
MVに関しても構成に原作の技を入れて再現しているし、原作再現という意味でも頂点かもしれない

自分はスケート詳しくないからよく分からんけど、やはり原作を取り入れた演技だったのか

そうだね。FSSpは原作で主人公がやっているし、他にも原作の各キャラの演技を連続で取り込んでいる。
原作はストーリーも面白いけど競技のルールを学べる作品としても面白いから、原作や今後のアニメの該当部分を見てからこのMVを見ると更に深い所が見えてくるはず。

羽生結弦の演技が入ると
「今に見なよ きっと君の眩しさに誰もが気づくだろう」
という歌詞が更に心に響くなあ

私は以前「もし現実の女性選手でなら誰が……」と考えたことはあるけど羽生結弦は考えたことも無かったよ!

アニメ特有のスピード感と強調があるから女性選手で探すのは案外難しい気もする
日本の選手以外で探すなら……うーむ……ロシアの選手とか現在の世界情勢だと使うの難しいだろうし……

すごい強い羽生結弦とすごい強い米津玄師が組むのは本当に強過ぎる。アニメ見ないような知り合いも作品見始めているし、このMVで作品がアニメ界隈を飛び出してしまった感がある。
あとこのMVに関して「さすがに米津玄師もフィギュアスケートはできなかったので本物を連れてきた」というネタには笑った



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈にもかなりの衝撃が走っているようでした。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「羽生結弦さん出演のMVは本当に驚きました。中国では日本ほど『誰がどの作品のファン』という情報は広まっていないので、メダリストという作品が関係者の推しによって拡大し続けているという背景に関してはそこまで意識されていません。でもこのMVと一緒にその情報も広まりだしているので今後中国国内の空気もかわっていくかもしれません」
などといった話もありました。

「メダリスト」に関しては中国国内向けの配信がやや遅れて始まったこともあってか中国オタク界隈ではマニア層からの評価がこれまでは多かったようですが、このMVの影響がどういった方向に波及するのかも気になりますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本の作品は補助やタンク追放し過ぎ」「日本のゲーマーは補助やタンクの役割を重視しないという話はどこまで本当なの?」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

近頃日本のネット小説のコミカライズ作品が増えてきていることもあり、中国にも日本のネット小説出身の作品がかなり入っているようで、日本のネット小説のテンプレ展開に関する知識も蓄積されている模様です。

しかし日本のネット小説のテンプレ展開は日本独自の背景によって構築されたものもありますし、中には中国の感覚では引っかかるものもあるそうで、時折日本のネット小説のテンプレに関する議論で盛り上がったりすることもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「日本の作品は補助やタンク職業のキャラを追放し過ぎ」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のゲーマーは補助やタンクの役割を重視しないというのはどこまで本当なのだろうか?補助やタンク追放され過ぎだろ……

確かに日本の作品は補助やタンク追放し過ぎだよな

あれは家庭用ゲームの方のJRPGで考える人が多いからというのが原因だったかな?
JRPGはレベルを上げて万能キャラにするというのが共通する攻略法なので、最終的には万能キャラで揃えることになる

JRPGは補助系がそこそこ重要なゲームはあるけど、回復アイテムでなんとかできるからタンクや回復はそこまで必須ではないからね

タンクの価値の違いなどが分かりやすいけど、ギルドから追放ネタのでるようなファンタジー世界観に影響を与えたゲームが中日で違う
こっちでは主に「WOW」とかのMMOだが、日本だとDQやFFだ。

でも日本の異世界系二次元作品はMMOっぽい皮をかぶっているし、ゲームネタでも「VRMMO」といういかにもMMOな名前と設定を出してくるしで、混乱させてくる箇所多過ぎ!

盾の勇者とか話術士とかテイマーとか状態異常使いとかブラックスミスとか、勇者パーティを追放されるのはタンクや補助系だよね。あとヒーラーも扱いは良くない。
でも普通のゲームならヒーラーや補助系は必須だしギルドでも主力として引く手数多だ。

MMOなら日本にも「FF14」とかがあるはずなのに、タンク軽視なのは不思議

そうか?国内の「FF14」界隈見てもタンクの扱い良くはないぞ?
あとFFシリーズ全体で見て、タンクが人気キャラ、重要なキャラだった作品ってあるのか?シリーズの顔になっているクラウドもセフィロスもタンクじゃないし、ジョブチェンジのある作品でも最終的には高火力ジョブが強い。

「FF」でタンクが導入されたのはMMO化された後で、それ以前のJRPGとしての人気を築いた時代の作品にはタンクという概念自体が存在しない。
一応ナイト職がタンクに近くて「4」主人公のセシルが現代のタンク的な能力はあるんだけど、聖騎士だから回復魔法が使えて物理攻撃の主力でもある万能職だったな。

この話題見て思いついた疑問なんだが、日本人は若い頃に「クロスゲート」とか遊んでないの?あれはスクウェア・エニックス開発だから日本でも大人気だと思っていたんだが……
ああいった作品を遊んでいればタンクや補助軽視で追放みたいなネタは出ないはずなのに

日本では大多数が遊ぶのは家庭用ゲーム機のJRPGの方、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」とかなので共有されるRPGのお約束がこっちとは違うんだよ。こっちの常識が日本では通じないし、その逆もある。
この辺は日本の作品のパーティ追放からの強くなって復讐という話の流れ自体は理解できても、きっかけになるテンプレ展開が引っかかる原因の一つだろう。

ウチの国のゲーマー界隈を見ても必要性は叫ばれるがタンクやバッファーは待遇よくないし、やりたがる人はそこまでいないんだよな……ただ異世界系のギルド、その世界では現実的に命がかかった状況で回復や補助を追放するのは意味わからんが

最初の方や追放シーンの画像だけ回ってきてイメージが蓄積されている節もあるが、代わりのもっと有能な回復や補助が入るというパターンも結構ある
扱いとして共通するのはその世界では弱いとされている職業、そして実際にその世界で一般的とされている環境では活躍できない主人公という点だろうか

ああいう追放の流れは「不遇な主人公」と「価値を分かっていない愚かな同僚や上司」という構造だし、日本でも分かりやすいネタなのでは
異世界系の別ジャンルで例えるなら、悪役令嬢系作品にある突然の婚約破棄のようなツッコミ所満載、明確に愚かな悪役といった感じの
別に日本のゲーマーが補助系を軽視しているというわけでもないだろう

必要なのは有能なタンクや補助系であって無能ならいらない、出ていけという現実でもよくある身も蓋も無い話では

「弱いから出ていけ」ではなく「使えないから出ていけ」の方が読者の感情移入させられるし話も作りやすいからね

プロゲーマーの間でもヒーラーや補助系蔑視の傾向は感じられるし、日本の異世界作品におけるギルドの追放展開って実は現実的なのではないだろうか?

補助系やヒーラー系はゲーム内では弱者グループになっているし、実際「爽快感が無い」「失敗したら罵倒される」などの問題はこっちにもある
追放とは別の意味で嫌になる扱いなのは否定できない

タンクの活躍やバフデバフ、ヒーラーの重要性って上手くいかなかった時の分析と犯人捜しの時に見えてくるもので、普段の画面だと皆が見ているのは誰がDPS高いかだしね

PVPだと評価システムや目立ち方からどこの国でも補助系蔑視の傾向はあるけど、日本の異世界系のようなPVE形式の戦いなのにPVP的なタンクや補助、ヒーラー蔑視の考えになるのはよく分からん

むしろPVEだから補助やヒーラー蔑視になるのでは
速度、周回効率、そしてインフレによってダメージディーラー以外は蹴り出されていく

まぁこっちでも追放展開は一時期かなり流行ったし、タンクや補助系が特別な有能さを演出しやすいのは理解できなくもない
単純な強さだけだと他の作品との違いが無くて埋もれるしね

ネトゲも攻略から周回の繰り返しになると手順省略が進むからタンクもバフもヒーラーも減らしていくので居場所がなくなるというのはある
ただそういう話とは別に、ふわっとしたイメージで作られたであろう日本の異世界はMMOの皮をかぶったJRPGという印象を受けるね

ファンタジー的世界観、RPG的世界観と言ってもテンプレ要素が中日で微妙に違うからな
基本のパーティ構成だってウチの国は3人、日本だと4人だ

その4人もJRPGスタイルだとタンク役いないからね
「ドラゴンクエスト」でもタンク的な役割の出来るキャラはいるが、最終的には攻撃参加するのが第一線に残る

MMO基準で考えるから引っかかるのではないかと
異世界系作品はゲーム的世界観が多いけど、基本的にはシステムではなくキャラの活躍とストーリーが重視される
こっちの中華ファンタジーで言えば、仙人や武侠の強いキャラにタンクや補助だけやってるキャラがどれだけいるか、人気が出るかという問題として考えてみるといい

MMOでもゲーム次第ではタンクやバフデバフ外すし、結局は環境に合った高火力のキャラ、クラスがいるかどうかになるし、近年のソシャゲだと防御はたまに役に立つけど大体無効化されるバランスになりがち

周回要素のあるゲームだと、タンクやヒーラーを活躍させなければならないバランスだと嫌がられるし、たまに出てくる高難度で必要になるとしても、日常的に使われるのは火力がある万能キャラだ
外側の事情で言えばバフはともかくタンク系は基本的に性能でガチャが回らないので扱いは悪くなりがち
更に言えばストーリーでも防御キャラは敵の強さを強調する引き立て役にされがちだから印象も微妙になる

ガチャを回すソシャゲ遊んでいると実感できるが、インフレしていく中で必要とされるのはDPSになるし、敵の火力もインフレするのでバフデバフの役割は薄れるし、タンクはもっと明確にインフレについていけなくなる或いは入れてパーティの火力を落としたくないから入れない(追放)みたいになっていく

強力な防御系特殊能力を無効化、敵の特殊能力を無効化する能力を無効化する能力、とかも出るのでバフデバフ、タンクの価値はすぐに落ちる
ただダメージディーラーなキャラもインフレに追いつけなくなるので、補助やタンクだけ追放されるのではなく補助もタンクもダメージディーラーも全部追放されるのが正しいな!

MMOでも高難度でタンクや補助回復が必要になるとしても、その前提として高いDPSを維持できるキャラが複数必要になるわけだから、単純に地位が高くて偉いとは言えない
そして普通の周回だと高火力を並べるのが楽なわけだから使わなくなる、追放みたいになるのもありえないというわけではないのかも

正直に言えば俺も家庭用ゲーム機のRPGをやる時は補助系職業連れて行かない、或いは連れて行くのを忘れることが頻繁にあるし、後から攻略見て補助系の上手い使い方を知って編成に戻したりするので実は追放するギルド側みたいなことを結構やっているような気がする



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国のゲーム関連の空気やイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国のゲーマーは実はタンクやヒーラー、バッファーを積極的にやる人は少ないです。その働きを称賛することはありますが、自分が代わりにやろうとか、良い装備を渡そうみたいなのはやりません!」

「皆やりたいのは攻撃ですし需要の関係から補助やヒーラーの地位は相対的に高くなっています。ただ私の実感として、タンクは活躍する場所の少なさなどから地位が低いように思えます」

などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
私はMMORPGはプレイした経験があまりないので、今回はいつも以上にツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「峰不二子が日本のオタクに人気が高い理由がよく分からない。明らかにオタクが嫌う要素ばかりに見えるのだけど……」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので、今回はそれについてを。

今の感覚では人気の理由が分かり難い昔の大人気作品というのがあるかと思いますが、中国オタク界隈では「昔のアニメで現在の日本でも人気が高く何かと話題になる作品」に関して、その人気の理由を考察して盛り上がることもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「峰不二子が日本のオタクに人気が高い理由が分からない」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


峰不二子が日本でオタクに人気が高い理由がよく分からない。明らかにオタクが嫌う要素ばかりに見えるのだけど……

オタクに人気があるのは遊んでそうなキャラ、セクシーなキャラでも一途みたいな組み合わせになるよね

遊んでいて恋愛経験豊富、小悪魔系で魅力的なキャラがいるのは分かるが、殿堂入りするような人気キャラになっているのは確かに不思議だ
日本のオタクも別格の存在として扱っている節がある

言っては何だけど、誰とでも寝るけどルパン三世とだけは寝ないキャラだよね
これで人気が出るのか……

切り抜きとかだとそう見えるかもしれないが、原作の設定や雰囲気だと別にやってないわけじゃないという感じだよ?
自分の肉体も武器にしているキャラだから

人気になった時代が違う、峰不二子が人気を築いたのはオタクに優しいギャルという概念があった時代ではないのさ

名作の有名ヒロインだから、現代のオタク向け作品の基準で考えたらダメだ

そもそもの疑問なんだが「ルパン三世」の峰不二子が人気だったことなんてあるのか?
作品人気を勘違いしているだけじゃないか?

日本ではアニメの人気女性キャラランキングだと常連だよ
特に時期や世代を区切らないようなランキングだと上位に入って来るので、知名度が圧倒的に高いし嫌われてもいないキャラなのは間違いないかと

時代が違うとしか言えない
昔の日本社会、高度成長期〜バブル時代の人気ヒロインだから価値観も違う

景気が良いときは峰不二子のような女性キャラが人気になる
言ってみればバブル経済期の繁栄を謳歌した日本の縮図のようなキャラなので、景気が落ち込んだその後の日本でもノスタルジーと共に人気を維持したわけだな

ほとんどの人は峰不二子と結婚したいとは思わんだろうけど、冒険に出てくる女性キャラとしては非常に魅力的なのは間違いない
誰と活躍するか、どこで活躍するかも含めて考えてみたら人気の理由も分かると思うよ

盗賊としての実力があって活躍する、ストーリーを動かすような女キャラなんだから普通に人気は出るだろうし「ルパン三世」という作品は日本の国民的人気作品だからキャラの人気も高くなるだろ

日本における峰不二子の人気に関しては現代では古さが感じられるキャラデザや服装が昔は非常に尖ったものだったことも考慮しておかないと
今の感覚では分からないけど、当時としては希少なエロさ、カッコ良さを持った女性キャラクターだったのと、それを見て性癖を歪まされた日本の元子供達の存在を忘れてはならない

峰不二子の人気に関しては男性人気だけでなく女性人気も高いという特徴があるので男性オタ向けの人気属性で判断するのはどうかと……

そう言えば「日本社会でフェミニズム的な方向からも非常に人気が高く評価されている、それが峰不二子」と持ち上げられている話を見たことがあるな

それもどうなんだろう?現代のLGBTやこっちでも凄いことになっている上野千鶴子の方向とはまた違うキャラだし……
私は浮気する恋愛脳のキャラではなく、自分があって男を利用するしその際に美女であることも武器にする強い女というのが男女ともに人気が高い理由になっていると聞いたこともあるのだが

ラブコメの相手になるキャラでも、そういう作品に出てくるキャラでもないし……それに成人した女性キャラだから

峰不二子はNTRだなんだで騒ぐ二次元の空気とは別の所にいるキャラ
最初からそういうキャラだと提示されているので逆に安心して推せる

例えるなら外から介入して邪魔する、美味しい所をもっていく愉悦系キャラかな?
でもそれで痛い目を見ることもあるし、邪魔する相手は主人公に限らないのである意味バランスはとれている
現代作品だと「悪い女」でも主人公に様々な恩恵、サービスを提供してくれるキャラばかりだから今では珍しいタイプかもね

二次元から離れて考えてみるといい
いわゆる「悪い女」なキャラで、日本では過去の名作における活躍と一緒に、二次元に限らないある種の原典的なキャラになっているんだよ
日本では「峰不二子のような」という形容詞が使えるくらいの名声がある

古い作品、古いキャラの人気は当時そういうのが人気だったくらいに思っておくのが良い
今の感覚で理解できない、現代環境基準で制作されたものと比較して質が悪いなどで批判したりバカにしたりする人はいるけど、それで人気が消えるわけじゃない

こう言っては何だが「ルパン三世」ってオタク向けではなく大衆向けの作品なんだよ。特に原作はハードボイルド要素が強め。峰不二子に関してもオタク向けのヒロイン人気とか考慮されずにデザインされている。
今の感覚で人気が出るように思えなくても、作品が出た当時の環境での読者層視聴者層からはそれで人気が出てアニメも大ヒットしてその後の作品に大きな影響を与えたし、その結果アニメジャンルにおける有名(=知名度と人気が高い)女性キャラとしての地位を確立したから今でも評価されている。

峰不二子って二次元における「悪い女」の始祖みたいなものだからね
ルパンにとって峰不二子は特別な相手ではあるがルパン自身は好色なキャラだから峰不二子以外の女も追いかける、峰不二子にとってもルパン三世はある種特別な存在ではあるがそれとは別に違う男の傍にいて利用したりロマンスがあったりという関係だから貞節を期待できるキャラでもない、
ルパン三世における立ち位置としては女版のルパン三世とも言えるような感じかな?こういうタイプの女性キャラにも人気キャラは普通にいる

峰不二子は設定上は絶世の美女で、大泥棒のルパン三世が永遠に追い続けるお宝、浪漫の象徴とも言える
現代では彼女の人気はキャラデザやストーリー上の役割よりも、記号や象徴的な存在としての意味の方が大きくなっているので好き嫌いとは別の所の人気とも言えるのではないかと

峰不二子みたいなキャラはハッピーエンドで主人公と結婚して……となったら魅力が消えるキャラなので二次元にありがちなカップリングで考えたら人気は理解し難いと思う

大体の所で、「昔から人気の高い作品の有名なセクシーな女性キャラで、日本社会では人気が高い」と考えておけばいいよ
二次元における古典的なセックスシンボルとしてのキャラだから設定もキャラデザも現代の感覚では分からないのも仕方が無い

そもそも「ルパン三世」って大人向けも含めた一般向け路線の作品だし、その中で峰不二子はお色気キャラ、昔の実写映画やドラマに出てきたセクシーなライバルというタイプだからオタク向けで考えると分からないのも当然だ

この話題を追いかけているうちに不安になってきたんだが、峰不二子っていわゆる「007」のボンドガール的なキャラじゃなかったの……?

ボンドガールとはちょっと違うな
レギュラーキャラだし、ルパン三世やルパン一味に恋愛感情を抱くゲストキャラは大体別にいる

活躍するし人気もあるけど、主人公と甘い話になるようなヒロインとは違うんだよね
もちろんエピソードによってはそういうのが無いわけではないけど、近年のTV特別編では作品ごとのヒロインは峰不二子とは別に出てくる

TVSP版の累計で30人くらいヒロインがいると聞いたことがある
峰不二子とは別枠で

ヒロインじゃなくてレギュラーキャラで、人気を語るのはヒロインとしてではなくルパン三世、次元大介、石川五右衛門、それから銭形幸一と並べて見るべき
例えば宮崎駿の「カリオストロの城」だと峰不二子とは別にヒロインとしてクラリスが出てきたが、こっちは日本のオタクが好む要素完全武装で日本の伝説的ヒロインの一人にもなっている

原作だとルパン三世は「危険な男」で峰不二子は「悪い女」だったのでバランスはとれていた
でもアニメ版が長く続いている作品なのもあってか、ルパン三世と峰不二子の関係の解釈についてはその時の監督や脚本次第でかなりブレがある
普通にルパンに惚れているという解釈をしているエピソードもあるので今の時代に作品を通じて人気の理由を探ろうとすると逆に分かり難い
ちなみに「良い泥棒」「女の子を守る騎士」になったのは宮崎駿がジブリアニメでやるような原作を独自解釈と改変したことによる影響が大きく、「カリオストロの城」の「緑ジャケット」のルパンは別物という扱いをされることもあるということだ



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の知識も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「正直に言えば、私はルパン三世の思い出補正も含めた日本での評価、特にオタクからの評価はよく分かりません……その後の様々な作品でルパン三世の各キャラを元ネタにしたキャラが生産され続けているのは分かるのですが」
などといった話もありました。

それにしても今回の記事をまとめていて改めて気になったのですが、今の日本国内で「ルパン三世」を見るようになるルートってどうなっているんでしょうかね。TVの特別編で何とかなるんでしょうか?私が子供の頃は夕方にTVでやってた再放送アニメでいつの間にか刷り込まれていたのですが……

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「ウチの国のオタクの間で賛否両論な作品を知りたい。評論サイトや日常的なやり取りでは主に否定的な話ばかり目について分からないんだ……」

ありがたいことに以前
「中国では作品評価で批判的な意見と低評価がすぐに優勢になるように感じられますが、そういった意見が目立つ中でも実はその作品を好き、楽しんでいる人が結構いるような作品を知りたいです」
という質問をいただいていたのですが、先日これに関係しそうなネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「中国で賛否両論な所がある作品」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ウチの国のオタクの間で賛否両論、たまに称賛する人、好きな人もいるような作品を知りたい
評論サイトや日常的なやり取りでは主に否定的な話ばかり目について分からないんだ……

賛否両論というなら「Re:CREATORS」をあげよう
評論関係では罵倒ばかりだがこの作品を嫌いになれないという人もいまだに見かける

俺は「Re:CREATORS」を新番で追いかけている時は主人公が大嫌いだったけど、今考えてみるとそこまで嫌う必要はなかった気もしてくる
そして残るのは惜しかった作品という感想だね

「仮面ライダービルド」は普通の意味で賛否両論だな
中盤以降で評価が分かれる

「けものフレンズ」は「2」をどう受け止めるかという点が賛否両論かもしれない
「1」だけだったら名作で良いんだけどね……

「無職転生」はこのテーマに合うかと思ったが、賛否が両極端過ぎてちょっと違う気もしてきたな。ハーレム要素、浮気問題など合わない人は本当に合わないので、最初から見ない方が幸せだと思う。

二極化な賛否両論というなら「メカクシティアクターズ」が個人的には印象深い

去年の「終末トレインどこへいく?」はファンの規模はそんなでもなかったけど、議論は両極端で妙に加熱していた覚えがある

「屍鬼」は称賛の方が多いけど、実際に見たら微妙、自分は好みじゃないという人も少なくないという作品ではないかと

「天国大魔境」は世界観はこっちの好みだけどキャラの関係、特に例のイベントで予想通り賛否両論というか炎上状態になったなあ

このテーマで思いついたのはアニメ版ポケットモンスターのXYと新無印
当時は本当に荒れたけど、普通に楽しんでいた人もいたんだよね

「響け!ユーフォニアム3」
将来、進路といった外側の世界、現実的な話が入るとやっぱり賛否両論になるね

この手の話題だとなんにでも当てはまる「ガンダムSEED DESTINY」を出しておかないといけないね

「ダーリン・イン・ザ・フランキス」は文句言っている人は多いけど、今でもゼロツーの人気が高いのを考えると人気はあるんだろうな……と思える

近年だと「呪術廻戦」だろうか
五条悟が死んでからウチの国では批判の声ばかりになってしまったが、キャラは好きという人は相変わらずいる

「進撃の巨人」やワの国以降の「ONE PIECE」とか

長編の有名作品は大体否定的な評価が目に付くんだよな……現代の環境ではリアルタイムで追いかけて盛り上がりを体験しないと肯定的な印象になるのは厳しいのかもしれない

長編作品はどこかで失速するし、作品が好みの展開を維持してくれるわけではないからね。ずっと好きでいられる作品の方が珍しい。
そしてウチの国のオタクは自分の好みでなくなった際には作品を攻撃する側にまわりがちだ。

ファンの熱が爆発して好みと作風が合っていた層以外も引き寄せてしまった作品は結果として賛否両論になり、そこから更に終盤のまとめ方も批判されて否定的な評価で語られ、低スコアになってしまうことが多いような?

あるある
最近の作品だと「Ave Mujica」がそうなりそうだが、昔からアイドル系、特に続編はそういう評価になりがち

続編は人気になった前作から更なる期待をしてみている人、前作の評判を聞いて「人気になる作品を最初から追いかけたい」と見始めた人が多数派になるからね
でも日本のアイドルアニメって、シーズンごとにメンバーも作風も変化する、前作と同じようにやってくれることは無いからこっちでは不満が爆発することに

逆に新作アニメが不作だとか作品数自体が少ない時も、普通なら埋もれていたような作品に人が流れ込んだ結果、合わない人まで見て文句が増えて荒れたりする
最近だと「夜のクラゲは泳げない」が国内の規制関係で新番配信が混乱していた時期に何とか配信された作品なのでヘンな荒れ方になった

「ダンガンロンパ」の「3」関連は賛否両論だね
個人的な印象では日本の方が否定的に評価されている節があるのは興味深い

「聲の形」
当時は賛否両論だったし、今では価値観問題とかで叩く評価の方が目に付くけど、アニメとしての演出はとても良いしキャラもストーリーも問題提起や受け手が考えるという意味では良い作品ではある

「シャドウバース」は何かと批判されネタにされてはいるけど、普通に楽しんでいる人はいるし「ちいかわ」をこっちに広めるなど影響力の大きさを感じる部分もかなりある

「ワンダーエッグ・プライオリティ」は今となってはダメな終わり方をする作品といった批判が目立つけど、私にとっては好きな作品ではあるし好意的に語る人は普通にいる

ウチの国は終盤、終わり方の影響が本当に大きいので終わり方に失敗した作品は大体否定的に語られ続けることになる
でも実際はを終わり方がダメでもその作品は嫌いじゃないという人はいるのよね

終わり方に関しては不満が増幅、爆発しやすいよね
「進撃の巨人」とかも良い終わり方とは言えないのは確かだが、ファンは全員あの作品の終わり方が大嫌いみたいな空気で語られるのはどうかと思う
なんだかんだでアニメのクオリティも全体的なストーリーも普通に一流の作品ではある

そういう意味で考えると上の方で出ている「SEED DESTINY」はウチの国だとちょっと珍しい評価の変遷をした作品かもしれない
当初はキャラ人気、MS人気で世代を代表する人気作品だったけど、その後は作品の評価が落ちて行って今ではネタ扱いでまともに評価されない空気すらある



とまぁ、こんな感じで。
近頃の中国オタク界隈での評価も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国では終わり方に失敗した作品はとても嫌われます。日本のオタク界隈のようにストーリーがダメでもキャラは良いのでそこを楽しむ、面白かった時期のストーリーで作品を語るというのは珍しいです」

「終わり方、終盤の展開がダメだとされた作品は忘れ去られるならまだ良い方で、一度有名になったことのある作品はずっとダメな作品、駄作として語られ続けることになります……」

などといった話もありました。

今回名前の挙がっていた作品は、中国オタク界隈では否定的な方向で語られがちな作品ですが、何かと記憶に残っている人、自分は嫌いではないという人が出てくる作品ですし、それなりの数の好意的なコメントを拾うこともできるので、
「中国でも人気が高い」
という文脈でどこまで語って良いのか悩むこともありますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「評価は微妙だけど実は自分に対する大きな影響、作品の好みや性癖などに影響のあった作品に付いて語ってみないか?」

中国オタク「評価が低い、駄作扱いされているけど自分は好きな作品について語ってみよう」

中国オタク「日本では『アスカがシンジを好き』が説明不要な正解なのか?」「こっちでも基本的にそれが正解では?」「好きと言ったら逆に理解不足だと突っ込まれる部分だろう」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

先日日本のネットで話題になっていたアニメの描写と視聴者側の理解について、「アスカがシンジを好き」ということなどに関して、中国の方でもちょっとした話題になっているそうです。

「アスカがシンジを好きだとわからない」「ジオンがコロニーを落としたとわからない」あとひとつ”日本アニメ三大わからない”はなにか、「ヒンメルのフリーレンへの好意」(togetter)

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「アスカがシンジを好きだというのは正解なのか」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本では「アスカがシンジを好き」が説明不要な正解なのか?日本のネット上でそれが「一から説明しないとダメか?」なという案件としてネタになっていたんだが……
皆そう思っていた?俺は「好き」と断定するには難しいと思っていたんだけど。

こっちでも基本的にそれが正解では?
戦争になりそうな案件でもあるが……!

そこは好きと言ったら逆に理解不足だと突っ込まれる部分だろう

でもシンジは真希波マリとくっついたから、昔戦っていた連中は故郷に帰ってしまったという説が

アスカがシンジを好きなのが分からない人間って彼女がいたことないんだろうな

間違いではないけど正しくもない気がするなあ
好きという感情はあったんだろうけど、他に依存とか嫉妬とか自惚れとかのドロドロしたものもかなり混ざるというか

アスカって実は加持さんが好きなんだぜ?

そっちは憧れや父性を求めた感情の方じゃないか?

「アスカは加持さんが好き」という異世界おじさんネタは普通に正しいだろ
アスカがなんでシンジを好きになるんだ?
「好きじゃない」方が説明不要な案件だろう

青春年代の男女が学校や訓練でずっと一緒、寝食含む共同生活をやっているというなら別におかしくないし、TV版も中盤辺りまではシンジの好感度が上がるイベントや好きだなんだを意識しているシーンもある。
シンジに勇気があったらくっつくという展開はあり得たし、ファンの多くにとってそういう妄想も普通だった。

私は昔18禁や青年向け作品、少女マンガだとそういう展開どころか子供ができるみたいな話もありそうだと考えていたな
ただ後になってから考えてみると、その場合は愛情の無い肉体関係みたいなアレンジも入りそうな予感がついて回るようになった

ネタではなく、俺は普通にアスカがシンジを好きというのが分からんのだが
アスカが好きなのは加持さんじゃないの?

アスカの加持に対する感情はエレクトラコンプレックス的なモノ、成熟した男性に対する憧れがかなり混じっているからこっちも好きと言い切るのは難しい気がしないでもない

私は惣流の方は二人の間に男女の愛情は見えてこない、式波の方は「アスカがシンジを好き」というのがハッキリ出ていると感じられた
そしてシンジとの恋愛を整理してケンスケとくっ付けたというのはキャラクターの感情の推移としては無理のないものではある
ファンの心理は別として!

旧作のアスカが心を閉ざした状態になる前はシンジを好き、好きだと感じさせる描写はあっただろ
フラグもイベントもあったけど、シンジの成長と同じように無意味になっただけで

シンジがD型装備無しでマグマに突っ込んでアスカを救うシーンとか、分かりやすいアスカがシンジを好きになる展開だよな

TV版だと精神汚染を受けるシーンの独白で描写されているシーンとかもそうだよね。なぜ分からないのか。

エレクトラコンプレックスと関係してようと女性が加持のような成熟した、自分を受け止めてくれそうな男性を好きになるのは当然だ
アスカがシンジを好きだと思い込む方がオタクの妄想こじらせていて痛い

この話題のややこしい所はカップリング問題と直接的に関係していることだ
解釈次第でカップリングの強さ正しさが変動すると考えるのもいるので強引な解釈どころか記憶の改竄まで発生している……

記憶か……今となっては旧作、貞本義行のマンガ版、新劇場版と混じっているのでよく分からなくなっているかも……
自分の解釈をあえて言うなら、アスカにとっては恋愛感情も含まれる依存対象としての選択肢の最初にあるのが加持、次がシンジだったという感じだろうか

このテーマでちょっと考えてみたが、自分の中のイメージとしてはアスカが好きなのは加持であってシンジではなかったというものになっている
普通なら恋愛のフラグが立つエピソードの回も見てはいるんだけど、終盤や終わり方を考えるとイベントはあったけど恋愛にはならなかったみたいな認識だな

シンジとアスカに限らず、作者の意識と視聴者が作品を通じて認識するものがズレる、作者が伝えたと思っていたことが伝わっていないみたいなのはありがちだよね

こういう話題を見ていると、「説明セリフが多過ぎ」という文句が出たとしても制作側が説明セリフを使いたがるのも理解できるという気分になる

視聴者側が公式の解釈に納得しない、理解を拒むこともある
エヴァファンの中にあるアスカのイメージが複雑、個人差のあるものになっているから「アスカがシンジを好き」というのは前提条件から議論を始めないとダメなのかもしれない

アスカがシンジを好きというのは間違いない
しかしエヴァという作品では二人がくっつくのかどうかはまた別の話だったということさ
カップリングではこの辺りが混同されがち

シンジとアスカの関係で難しいのはシンジ側も大きな問題抱えていること、周りの大人キャラにまともな大人がいないというか、加持も含めてあの世界にまともな大人はいないということだろうな
二人の間に恋愛感情自体はあるとしても「好き」という簡単な言葉で終わらせられるほど良いものじゃない

俺は戦争したいから言っちゃうけど、シンジがアスカとくっつくのは無理だと思う
シンジと真希波マリのカップリングが一番良いと思う

まぁオリジナルの世界観ではシンジと幸せになれるのはアスカでもレイでもないし、アスカがシンジを好きで幸せになるにはシンジ自身の設定を変更して、アスカにツンデレ強化と幼なじみ設定を載せないとダメだからな

俺は一通り見たのはTV版だけど「アスカがシンジを好き」と感じることは全くなかったね
ちなみに国内で放映されたTV版は恋愛要素があるようなシーンは修正或いは削除されていたのを知ったのはかなり後になってからだ

「きみは良い人だね」

そっちは「CCさくら」が有名な方で、エヴァの恋愛関係の修正はキスシーンが「踊りましょう」になっている方だな
シンジの布団に入って来るシーンも修正されてセリフはつまみぐいした話になっていた



とまぁ、こんな感じで。
中国のエヴァ事情も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「エヴァに関しては長い間ファンをやっている人も多いですし、中国のファン界隈に蓄積された中国語の情報もたくさんあるので(公式だと思い込んでいる二次創作情報も含まれます!)、アニメだけを見て解釈を確定させる人は逆に少ないかもしれませんね」

「説明してもらわないと分からなかった部分と言えば、私はまだオタクではなかった頃、『となりのトトロ』のEDの流れや出てくるイラストの意味がよく分からなかったですね。たぶんハッピーエンド的なものだろうとは思っていたのですが……」

などといった話もありました。

ガンダムに関しては私も子供の頃はZガンダムの各陣営の目的を理解していなかったというのがありますし、日頃はあまり意識しない、関連作品にも手を出していないような作品に関しては訂正の機会がないまま誤解しているじゃないかと不安になることもありますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国国内で放映された日本のアニメの削除修正事情に関しては当ブログの過去記事もよろしければご参照ください。

中国オタク「ウチの国で少年少女は『好き』と愛を囁くことはできない……字幕で感謝や良い人認定の言葉にされてしまう」

中国で放映されたエヴァ、「天鷹戦士」の改変箇所

中国で放映されたエヴァ、「天鷹戦士」珍訳&追加シナリオ

中国オタク「日本のアニメ作品が終盤になって急いで話を進める、キャラを大量退場させがちなのは何故だろう?」

ありがたいことに以前の記事
中国オタク「リコリス・リコイルも進撃の巨人も、なぜ俺が追いかけた作品はどれも微妙な展開になって評価が急落していくんだ!良い終わり方にならないんだ!」
に関連したネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では作品の評価において、キャラよりもストーリーが重視される傾向があるという話がありますが、近頃は作品の終わり方の良し悪しが作品のその後の評価にかなり影響を与えるそうです。

またそういう背景もあってか、自分の期待通りではなかった作品の終わり方を引きずる人や、なぜそうなってしまったのかという話題で熱くなる人も少なくないのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「日本のアニメ作品が終盤の展開が大急ぎになりがちなのはなぜか?」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のアニメ作品が終盤になって急いで話を進める、キャラを大量退場させがちなのは何故だろう?

マンガの長期連載作品が終盤ぐだぐだになる、ヘンな終わり方になるのとはまたちょっと違う感じだよね

皆話数があと少ししか残っていない時期に、「メインストーリー進めてなかった」と気付いて急いで話を進めて雑にたたんだ……みたいな作品を見た経験はあるはずだ
そしてなぜこの過ちが繰り返されるのか

世の中計画通りに進められることばかりじゃないのさ!どこかが遅れる、止まる、そしてスケジュールが狂うなんてのはありがち
でも長期休暇の宿題を最後の数日で慌ててやるような展開は正直勘弁してほしい

今期の新作アニメも「既に半分以上過ぎているはずなのにこれちゃんと終わるの?」と不安になる作品が幾つもあるからな……

最初はフォーラムの話題を独占するレベルだった「Ave Mujica」のファンがそれで頭抱えているよな
私も何度か通った道だから生暖かく見守っている

比較的分かりやすい原因としてはでは制作側と視聴者の感覚のズレが考えられる
制作側が十分に伏線を張ったから話を大きく動かしても良いと思っていても、視聴者側は準備不足や説明不足だと思っているとか、話がそんな方向に話が転がるとは思っていなかった、望んでいなかったみたいなのはよくある

アニメの話数が少ない、10話くらいだと最後の方はどうしても駆け足で強引にならざるを得ない所は出るのだろう

一話でおさまるような日常パート、サブイベントは描きやすいしウケの良い話ができるが、そっちをやってばかりだとメインストーリーに使える話数が少なくなる
脚本家もやりやすい方、楽しい方を優先するからメインストーリーを進めるとか不人気メインキャラを掘り下げるのが後回しになっていくのさ

現実ベースでも三国志があんな感じなわけあし、俺は最後で減速しても物凄い面白い部分があれば良いという考えだが、ストーリー重視だとやはり最後、特に終わり方が評価に与える影響は大きいよね

直接的な原因はストーリー編集能力だし、12話程度では短すぎるということだ
これが24話や48話なら最後の方で慌てて終わらせることもなくなる

俺は管理能力が足りないというのが主な原因だと思う。2クール作品、分割4クール作品でもグダグダになった作品はある。
もちろんこの手の問題はケースバイケースだし、能力の他に資金と時間というリソースも関係するから現場で上手くやるのは簡単ではないのかもしれないが。

同意する
前半に時間を使い過ぎて後半で鍵となるような重要エピソードをきちんとやれなかったみたいな展開は10話でも50話でも発生するからストーリーの長さだけの問題ではない

納期の問題というケースも考えられる。話数に余裕があるから話を作る余裕があるとは限らない。作業工程が狂うとストーリー部分にもしわ寄せが来るし、その逆だってある。
脚本が遅くて総集編連発になり最後もグダグダになった「SEED DESTINY」とかは有名。

メインストーリーを進める自信が無くて楽なサブストーリーに逃げてしまうからだろう
俺は「あと何話かあればもっとマシになった」みたいな評価の作品は、実際に数話増えても上手くいかないはずだと信じている

打ち切られたからというのもある
マンガだけでなくアニメでも打ち切りとそれに伴う強引な終了は珍しくない

でも近年主流の1クール作品では打ち切りよりもスケジュール管理ミス、脚本の能力不足の方が原因としては大きくないか?

同感だ。近頃はここで議論されているようなものを感じる作品が明らかに増えている。
プロジェクト管理の問題なのか、脚本の問題なのか、予算不足なのかはまちまちだが……

最初にリソース投入して人を集めて後になるほどグダグダ、最後は無理やり終了みたいなのは昔からあったよ
あと長編作品でも終盤になると急にキャラが死にまくるシリアス鬱展開になるのは珍しくない

総集編が複数回入るような作品だと、本編を計画通りにやる余裕ないんだろうな……と思ってしまうね

でも途中で野球やサッカー回とか水着回とか無駄な話をやるくらいなら本編をちゃんと進めろよと思ってしまうよなあ

日本のクリエイターには美少女や筋肉を描く欲望を満たすことによって他の仕事も頑張れるタイプがいるらしいが、それと同じように野球回を描かないと頑張れないクリエイターが存在するのだろうか?

最近増えたという人もいるけど、私は近頃の日本のアニメは完成させてから納品する作品が増えているので終盤の混乱は減っているような気もするんだが
(それが面白いかどうかは別として!)

アニメは作者一人が全部コントロールするようなものでもコントロールできるものでもないし、実際にプロジェクトのどこから火が上がるかはやってみるまで分からない
謎のスポーツ回やサービスの水着回も問題発生しなければ余裕がある、或いは余裕を作るためのエピソードだった可能性はある

でも麻枝准作品とかを見ていると、主な原因は主導している人間や脚本にあるのでは?という印象になって来るのだが……

確かに麻枝准といえば中盤の本編関係ない話と終盤に突然始まる鬱展開悲劇的展開かもしれない

麻枝准の作品に関してはギャルゲー時代の構成を引きずっているのでは
Keyの作品はギャグ路線の共通ルート、個別ルートに入ってからの恋愛パート、終盤の泣かせようとする急展開の組合せだが、アニメだと原作よりも更に急な展開という印象になりがち

それにしても「話数が足りないから」か……昔の50話くらいある時は話数が多過ぎて逆に引き延ばさないといけないから本編関係ないアニメオリジナル回や魔改造追加エピソードをやったりしていたんだけどね……

アニメ制作陣が最初から最後まで計画していると思うな
ガンダムとかライブ感で話作って最終回が近付いたから強引に終わらせたような作品が続いているんだぞ!

制作側も行き当たりばったり、ライブ感で話を作ってたりするし、制作作業に入った時点では最後の着地点を明確には決めていない(或いはいつでも変えられるふわっとした計画)ことも案外あると聞くし、上の方で言われている休みの宿題を最後にまとめてやるという例えが案外近いのかもしれない

今はどうだか知らないけど、昔の長編アニメは打ち切りの判断が突然出ることもあった。
その場合は急いで話をたたむことになるし、ここで議論されているテーマのようなことになったりもする
そして例えば初代ガンダムのようにそれで成功した作品もある

これは日本のアニメに限った話ではないけど、長編作品を最初から最後まで計画通りに進められた作品はそんなに無いし、商業作品だと外的要因での変更も珍しくない。だから最後の方で強引にストーリーの決着をつけることになる。
個人的にはアニメよりも特撮にそういうのが多い気はする。

特撮は玩具売上げや制作予算次第で方針転換が発生するし、最後の展開に負の影響が集中してしまう……

特撮とか全体的な流れを決めないで脚本を積み重ねていくことも多いらしいね
虚淵玄が「鎧武」で全体の構成決めて話を書こうとしたらそれは特撮の流儀ではないと否定されたのは有名な話

その話はまた続きがあって、やってみたら悪くないということで近年の特撮では普通に全体の構成を作って制作していくやり方も入っているらしい
なおスポンサー都合による路線変更の方が優先されるルールに関しては変わっていない模様

今は少ないけど昔の1年続くような長編アニメは視聴者やスポンサーと玩具市場の反応を見ながら方針を決定していく作品も多かった
その場合はギリギリまで人気獲得のためにあがくことになるし、メインストーリーの優先順位は後の方になる
だから最後の方になってから大急ぎで話を進める、キャラを無慈悲に「整理」する作品も出た

日本のアニメって人気を見ながら話を作るけど、同時にネット小説とかとは違ってずっと続けることはできない、終わりの時期が決まっているという事情もある
だから最終回が見えている時期になると慌てて話を進める作品が出てくるのだろう



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈におけるイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国オタク界隈では、今の日本のアニメ作品は終わり方が雑、きちんとした仕事をしていない作品が多いという人も増えています。これに関しては作品の質以外にもストーリーを追いかけながら作品について語る、ストーリーの解釈や予想を楽しむのが一般的になっている現代の視聴環境も影響しているのでしょう。昔の作品に関しては最初から最後までテレビ放映や海賊版を買って(長編はディスク枚数が多くて高いです。それに業者はセット販売以外やりたがらないので、途中までしか入っていない或いは作られていないTV長編作品を買ったら悲惨でした)きちんと追いかけられた人も、その内容に関して深く語った経験のある人も多くないので……」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本のネット小説で歴史系作品はアニメ化されたりしないの?ウチの国みたいな歴史ネタ関係の難しさはないと思うのだが」

ありがたいことに以前いただいたものの後回しになっていたネタがあるので、今回はそれについてを。

中国の娯楽作品では歴史要素が何かと人気になってきましたし、それは中国オタク界隈でも変わりませんし、日本の歴史系作品に手を伸ばす人も少なくないようです。またそういう背景もあってか、日本の歴史系作品の扱いに関する話題で盛り上がることもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「日本のネット小説で歴史系作品はアニメ化されないのか?」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のネット小説で歴史系作品はアニメ化されたりしないの?ウチの国みたいな歴史ネタ関係の難しさはないと思うのだが

二次元では歴史系ネット小説のアニメ化って滅多にないよな
小説媒体で商業出版されるような作品があるのは知っているけど、アニメ化まで行くような作品はほぼ見つからないような……

ネット小説と歴史ネタは商業作品とじゃ相性が悪いんだよ。
ウチの国のネット小説も規制以外の理由もあって歴史系は映像化されない。

小説だと妄想しやすいマニアックな時代、地域、人物は何かと便利だけど、一般向けの部分が大きくなる商業アニメで使うには難しい題材だ
あと人気の時代を使うと今度はネタがかぶる

でも日本の作品が頻繁に織田信長を本能寺で焼いているのを見ると、ネタによってはかぶっても問題無さそうな気もする
例えば国内では歴史ネタのネット小説、特に三国時代や宋〜明末くらいの時代のはたくさんあるしね(映像化されないけど!)

国内だと歴史系作品の映像化は「敏感」な問題が関係するから、二次元の問題とはちょっと違うのでは

それも関係するけど、たぶんそれ以上に需要や制作コストという共通する部分の問題が存在する
マンガや小説とは相性が良いので勘違いしてしまうが歴史は二次元というかアニメと相性が良くない
大作の実写作品と比較されてしまうので作画に手を抜けないのがとてもつらい

低コストで作るなら、動かすなら実写の方が良いとなるんだろう。
異世界系と違って現実の歴史だと実写の方が楽
日本の戦国時代や幕末なら日本のセット、日本人の役者をそのまま使える

アニメだと「全部描いて動かす」必要があるのが厳しい
歴史だけでなく、現代の警察モノとかアニメより実写を使った方が結果的にコストが安くクオリティが高くなるジャンルは存在する

なるほど
ウチの国だと昔歴史トリップ系作品が規制されたという事件があったし、ネット小説で定番ジャンルのわりに映像化れないのもそういうものだと納得していたが商業的な理由もあるわけか

こっちだと歴史改変ネタはどんな方向でも難しい、特に歴史虚無主義のレッテルはられたら審査通らないという難しさはあるが、それとは別に歴史系作品の制作コストの高さが大きなリスクとして認識されているんだよ。
映像作品の需要は大きいけど、制作コストに関してはどんどん厳しくなっているのもコストが膨らみがちな歴史ネタにとっては厳しい。これはどこの国も変わらない。

そもそも男性向けの歴史系作品、俺TUEEEEな作品は一般向けだと難しいんだよ
俺TUEEEEな妄想ネタそれをやるなら異世界、こっちなら中華ファンタジー世界でやるのが無難だ

正統派の作品ならやってやれなくもないけどコストが高くなるし、ネット小説の俺TUEEEEEE+内政系+戦記物みたいな方向だと異世界系の人気作品の方が商業的には歓迎されるよね

こっちでもそうだけど歴史系作品は女性向けの方が商業的に強いので、そっちなら日本の二次元でもアニメ化まで行く作品は出るんじゃないかな?
日本産中華ファンタジーがアニメ化されているから、その流れで日本の歴史系のも出てきそう

同意する。
女性向けはローコストでも需要を満たせれば稼げるし、その際に歴史系はテーマとしてかなり強いので、日本のネット小説系作品でアニメ化されるとしたら女性向けになると思う。
正直に言えば、私の好みに合うような歴史系のアニメは出ないだろうと諦めているよ。

歴史系は男性向けでヒットを狙うには扱いが難しいんだよね
予算をかけたクオリティでなければ評価されないけど、投資のわりにリターンは少ないジャンルだから……

かと言って大作路線で女性向け要素を入れると本来のターゲットの男性層から反発が出るリスクが高まる。これは恐らく日本でも変わらない。
この間の徳川家康の大河ドラマはこれをやって大爆死した模様。

そもそもの理由として、日本のネット小説やラノベでは歴史系作品はそこまで人気が高くない。主流なのは結局異世界ファンタジーだ。
母数が少ないので商業化作品も少ないし、アニメ化まで行く作品も少ないということになる。

だがジャンルとして確立されているのにコミカライズより先に行かないのはやはり不思議に思える……上でも言われているようにウチの国のような難しさがあるわけでもないはずなのに。

国内だと上からではなく下から燃えるようなジャンルだからなあ
歴史ネタは解釈も含めた正しさにこだわる人が少なくないので異世界みたいにふわっとやるのは難しい。日本における大河ドラマの評価を見ても、歴史考証や史実解釈はかなり重視されている。しかしネット小説作品はその辺雑だ。

映像化向きの原作が無いというのも理由としてありそう
歴史系のネット小説、特にトリップ系作品で求められるのは主に歴史改変展開だし、歴史をそのままなぞるような作品は歓迎されないし、歴史を変えられない主人公は無能、いる意味が無いという評価にもなりがちだから人気が出ない
しかし歴史改変レベルまでやると映像コストが上がるし、特定のファン層以外に刺さらなくなるので異世界系の俺TUEEEEEのような人気は期待できなくなる

上の方でも言われているが歴史系のネット小説は戦いの規模が大きく舞台となる場面や地域も広いから視聴者が求める画面クオリティの水準を超えるのが難しい
これは宮廷だけで大体終わらせられる女性向けと比べて結構なマイナス要素だ

日本のアニメで女性向けの中華ファンタジー作品がそこそこアニメ化されているのもそういう所だろうね
ただこっちの感覚だと求めるレベルというか、中国の歴史ドラマ的なリアリティが求められるから「薬屋のひとりごと」みたいにアニメでがっかりみたいなことになる

たぶん日本の戦国時代アニメなら私達は問題点に気付かないのだろう
でも「私達の感覚で問題ない」レベルでは日本の視聴者は許してくれないはず

やるとしたらFGOみたいに歴史上の人物をキャラとして使う形じゃないかな?
歴史上の人物をネタとして組み合わせた伝奇、異世界系作品はそれなりにあったはず

日本の歴史トリップ系のアニメもそれなりにあるし、やってやれないことはなさそうなんだけどなー

日本のトリップ系の歴史作品で近年映像化されたのは「JIN-仁-」、「信長協奏曲」、「信長のシェフ」などがあるな
ただこれはラノベ原作ではなくマンガ原作なのでここのテーマとはちょっと違うかも?

その辺りを見ていくと日本の場合はネット小説からコミカライズ、更に実写化というのもあり得るのかな?
今の所日本のネット小説は異世界系、女性向けが圧倒的に強いから歴史系での大人気作品は出ていないようだけど

他にアニメ化のルートとして考えられるのは女体化した歴史系作品だろうか?
日本の戦国時代、それから中国の歴史関係では三国志がそうなっているしね。

結局、現代の環境では歴史をそのまま活用するような作品の映像化はアニメに限らず難しいということなのだろう。
もしやるとしても、異世界系や「娘化」など別の二次元系作品のテンプレと組み合わせて当たった作品になりそうだ。



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国における歴史ネタの作品の扱いも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「歴史系ネタの作品は中国では明代などを中心にトリップ系作品の人気ジャンルとなっていますし、テンプレを活用して手堅く人気を獲得できるというイメージもあります。しかし歴史上の人物や事件の解釈、その改変に関して読者の需要やイメージから外れると批判が爆発、炎上しやすいジャンルになっています。これは場合によっては価値観の問題以上に難しい問題かもしれません。昔と比べて歴史関係の情報は増えていますが、私はフォーラムの議論を見ていると正しい、好まれる解釈の範囲は狭まっているようにも感じられます」
などといった話もありました。

考えてみれば私も歴史系作品は自分の好みの解釈から外れ過ぎると見るのをやめてしまうことがありますし、今の時代に大当たりするのは難しいジャンルなのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

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「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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