猛暑と身の回りのゴタゴタが重なってグダグダな状態が続いております。
それからありがたいことに攻略情報もいただている艦これイベントですが、管理人は現在E4をだらだらと進めており今回は甲甲乙甲乙になりそうな気配です。
それはさておき、ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。
中国オタク界隈では日本の作品の定番要素についての考察で盛り上がったりしているそうですが、中には改めて現在の感覚で見ていくと昔の印象とは違ったものになる要素もあるのだとか。
中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「正義の味方」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
日本の作品でよく出てくる正義伙伴(正義の味方)という言葉だけど、ああいう言い回しが使われるようになったのにはどんな背景があるんだろうか?
やはり元ネタになった作品、影響の大きかった作品みたいなのはあるの?
元ネタか……文学とか宗教、民間芸術とかを遡ったら出てくるのだろうか。それとも比較的最近の作品なのか。
「仮面ライダー」とかじゃないの?
二次元だとFateでもよく出てくるというか、テーマとして扱われてはいたが概ね流れ的にはその辺りに思える。
元が子供向けの特撮ヒーローで、その影響を受けて憧れるキャラが二次元の作品に出てくる。ただ二次元だと扱いは微妙。ウチの国のオタクの間だとハッキリ言って評価されない、嫌われる属性だった。
でも最近はウチの国でも特撮の人気が高くなっているから昔よりマシになっているようにも感じる。
「正義の味方」はFateとかでかなり強調して使われるけど、皮肉な意味の方が強い感じだしな
現代の作品だと「正義の味方」が良い意味で使われることは少ないのではないかと。ふわっとした正義と単純な悪者という作品は厳しいし、正義を口実に何かするのは胡散臭い。
まぁそこはファンタジーでパラディンや教会組織、異世界で勇者が悪役や踏み台になりがちなのと似たようなものだろう。
特撮系作品だとまだわりとマシな意味で使われているはずだけど、仮面ライダーでも平成だと明確な「正義の味方」タイプは少ないかもしれない。
自分は特撮を見ていないから正義の味方という言葉をハッキリ意識するようになったのは「Fate」からかな。それまでも見かけていなかったわけじゃないはずだけど……
私は「ブギーポップは笑わない」の霧間凪からだった。
子供向け作品ならともかく、ある程度現実的な世界観の作品だと道化的な扱いになるのは避けられない属性だと思う。中二病的な価値感だと、正義をかかげることはバカにされるから。
奈須きのこはブギーポップの影響を受けたと聞くし「Fate/stay night」もその流れなんじゃないかな。そしてブギーポップの前には仮面ライダーなどの特撮ヒーロー作品がある。
元ネタは特撮で、背景としては仏教関係も入っているというのを以前見た気がする。誰も正義そのものになることはできないがその手助けになることはできる……とかだったかな?
影響に関しては特撮ヒーロー系と見て間違いないだろう。日本社会ではアニメやマンガ以前に子供向け作品で影響が大きかったのは特撮で、特撮の影響を受けた人間によって広がったのが日本の二次元界隈だから。
正義を名乗るには格が足りない、説得力が無いみたいな部分もあるのでは。
個人ヒーローでも組織に属するヒーローでも、設定ではそんなに強くない、立場が下の方というのはあるだろうしね
確かに雑に正義を掲げるようなスタンスよりも「正義の味方」の方が汎用性はありそうだな……
天使だとか宗教勢力による絶対的権威ではないのも興味深いね。
日本でも警察ドラマが大人気だった時代があると聞いていたから私は警察関係のネタかと思っていたが、そうでもないのか。
特撮などのヒーロー系作品の基本的なターゲットが子供だからというのも理由だろう。正義の「味方」なら子供でもできそうだと感じるし上手い言葉だよ。
私がこの言葉を初めて見たのは藤子不二雄作品、たぶん「ドラえもん」だったかな……?
実はのび太本人がタイムマシンで演じていたというネタの。
俺もたぶん同じのが初めて見たのだ。あれ元ネタは仮面ライダーなんだろうけど、ガキの自分は正義の味方という言い回しも含めて不思議に感じた。
ストーリー自体はロジックもオチもしっかりしていて理想的な展開の短編コメディだったね。
あれはたぶん仮面ライダーじゃなくて更に昔の「月光仮面」が元ネタだと思う。
あと中国語版では「正義伙伴蒙面侠」と訳されていたけど日本語だと「正義の味方セルフ仮面」で「セルフ」(self)という自分自身だというネタも含めた名前になってる。
その「月光仮面」が最初に正義の味方という言葉を使った作品だよ。1958年の作品。
実写テレビドラマのヒーローなので特撮とは別ジャンルだが、日本の仮面ヒーローの元祖なので仮面ライダーなどの源流と言うこともできる。
正義の味方という言葉自体はもっと昔の、1947年から始まった「黄金バット」で使われているから月光仮面が元祖ではないよ。
正義の味方がいつから使われていたかは私も知らないけど広めて定着させたのは「月光仮面」と見ても問題無いだろう。社会現象レベルの大人気になった作品で、決め台詞や主題歌で「正義の味方」という言葉が強調されているから。
正義の味方の原作、脚本の川内康範が仏教徒で月光菩薩からのアイデアで主人公や「正義の味方」のスタンスを創作して、劇中の「正義の味方」の言葉の使われ方にも仏教の考え方が入っている。
その後の使われ方でどこまで残っているかは分からないが、よく言われる宗教的な背景については恐らくこの辺りから来ている。
どの作品が最初というのはハッキリしないが、今の二次元の正義の味方ネタの流れとしては初期の特撮ヒーロー作品で多用されて広まり、その影響で型月作品のような作品でも使われるようになったということで良いの?
それで問題無いと思う。あと特撮に限った話ではなく、ヒーロー系で全般で使われる言葉だったようだ。昔のアニメやマンガでもよく見かける。
日本の二次元界隈で長年の蓄積により形成されたイメージに関してはその見方でも良いはず。
現代の作品では現実的ではない、あやふやなイメージの正義の味方を目指してしまったキャラは出てくる例えばFateなら切嗣はそれに失敗する場度エンド、士郎は各ルートや赤アーチャーの姿で矛盾を突き付けられることになる。
正義の味方は異世界ネタの「勇者」よりはマシな扱いだと思うよ。
正義の味方を冷笑することもあるけど、矛盾や現実的な問題を認識しつつ理想として掲げたり取捨選択する展開があるから。
背景に関してはイロイロとあるけど、現在の使われ方に関して大雑把に言えば自分自身が正義だとするのは傲慢過ぎるという考え方があるんじゃないかな。
大体そんな感じだろうね。
実際日本の作品では自分が正義と言うヒーローはあまりいない。やってること自体はそういうヒーローとそんなに変わらないけど。
「俺が正義だ」という「サクラ大戦」の大神一郎のようなキャラは珍しいわけか。
恐らくそうだろうけど探せば見つかるくらいだと思う。常にネタ不足でキャラかぶりを避けたがるジャンルだから。
正義の味方という言葉の源流である特撮作品でも自分が正義というのはいる。「巨獣特捜ジャスピオン」は主題歌でも自分が正義だとアピールしてる。
特撮ヒーローは司法組織や平和維持組織の系列という扱いが多いし、作中世界観的に正義の執行者という立場をとれるので自分=正義になりそうなもんだが、そうじゃないのか。
仮面ライダーを見れば分かるけど戦闘行為が社会のルールからは外れるので警察と友好関係ではない個人だったり、司法組織とは別の超法規的な存在だったりすることも多いから何とも言えない。
まぁアメコミでもYour Friendly Neighborhoodな有名ヒーローがいるからね……
とまぁ、こんな感じで。
時折妙に詳しい人も出現しながらイロイロな方向に話が飛んでいました。
ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「最近は少し落ち着いていますが昔は中国のオタクは大学生から本格的に活動し始める人が多かったのと、昭和ウルトラマンのような子供向け作品がとても嫌われていたので『正義の味方』の概念やそれを目指すキャラに対してはかなり批判的な扱いをされていました」
「昔の中国で衛宮士郎が伊藤誠と並んで人渣(人間のクズ)と言われてとても嫌われていたことの主な原因は06年版のアニメの頭が悪くて無能な熱血キャラという演出でしたが、正義の味方という概念が見下されていた当時の中国のオタクの空気が影響していた部分もあったのかもしれません」
などといった話もありました。
十数年程前の中国オタク界隈における衛宮士郎に対するヘイトはすさまじいものがありましたが、少し時間が経った今の感覚で考えてみると当時はあまり意識されなかった部分が見えてくるのも興味深いですね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
中国オタク「衛宮士郎の蔑称『土狼』って昔とてもよく使われていたらしいがどんな感じだったの?」
それからありがたいことに攻略情報もいただている艦これイベントですが、管理人は現在E4をだらだらと進めており今回は甲甲乙甲乙になりそうな気配です。
それはさておき、ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。
中国オタク界隈では日本の作品の定番要素についての考察で盛り上がったりしているそうですが、中には改めて現在の感覚で見ていくと昔の印象とは違ったものになる要素もあるのだとか。
中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「正義の味方」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
日本の作品でよく出てくる正義伙伴(正義の味方)という言葉だけど、ああいう言い回しが使われるようになったのにはどんな背景があるんだろうか?
やはり元ネタになった作品、影響の大きかった作品みたいなのはあるの?
元ネタか……文学とか宗教、民間芸術とかを遡ったら出てくるのだろうか。それとも比較的最近の作品なのか。
「仮面ライダー」とかじゃないの?
二次元だとFateでもよく出てくるというか、テーマとして扱われてはいたが概ね流れ的にはその辺りに思える。
元が子供向けの特撮ヒーローで、その影響を受けて憧れるキャラが二次元の作品に出てくる。ただ二次元だと扱いは微妙。ウチの国のオタクの間だとハッキリ言って評価されない、嫌われる属性だった。
でも最近はウチの国でも特撮の人気が高くなっているから昔よりマシになっているようにも感じる。
「正義の味方」はFateとかでかなり強調して使われるけど、皮肉な意味の方が強い感じだしな
現代の作品だと「正義の味方」が良い意味で使われることは少ないのではないかと。ふわっとした正義と単純な悪者という作品は厳しいし、正義を口実に何かするのは胡散臭い。
まぁそこはファンタジーでパラディンや教会組織、異世界で勇者が悪役や踏み台になりがちなのと似たようなものだろう。
特撮系作品だとまだわりとマシな意味で使われているはずだけど、仮面ライダーでも平成だと明確な「正義の味方」タイプは少ないかもしれない。
自分は特撮を見ていないから正義の味方という言葉をハッキリ意識するようになったのは「Fate」からかな。それまでも見かけていなかったわけじゃないはずだけど……
私は「ブギーポップは笑わない」の霧間凪からだった。
子供向け作品ならともかく、ある程度現実的な世界観の作品だと道化的な扱いになるのは避けられない属性だと思う。中二病的な価値感だと、正義をかかげることはバカにされるから。
奈須きのこはブギーポップの影響を受けたと聞くし「Fate/stay night」もその流れなんじゃないかな。そしてブギーポップの前には仮面ライダーなどの特撮ヒーロー作品がある。
元ネタは特撮で、背景としては仏教関係も入っているというのを以前見た気がする。誰も正義そのものになることはできないがその手助けになることはできる……とかだったかな?
影響に関しては特撮ヒーロー系と見て間違いないだろう。日本社会ではアニメやマンガ以前に子供向け作品で影響が大きかったのは特撮で、特撮の影響を受けた人間によって広がったのが日本の二次元界隈だから。
正義を名乗るには格が足りない、説得力が無いみたいな部分もあるのでは。
個人ヒーローでも組織に属するヒーローでも、設定ではそんなに強くない、立場が下の方というのはあるだろうしね
確かに雑に正義を掲げるようなスタンスよりも「正義の味方」の方が汎用性はありそうだな……
天使だとか宗教勢力による絶対的権威ではないのも興味深いね。
日本でも警察ドラマが大人気だった時代があると聞いていたから私は警察関係のネタかと思っていたが、そうでもないのか。
特撮などのヒーロー系作品の基本的なターゲットが子供だからというのも理由だろう。正義の「味方」なら子供でもできそうだと感じるし上手い言葉だよ。
私がこの言葉を初めて見たのは藤子不二雄作品、たぶん「ドラえもん」だったかな……?
実はのび太本人がタイムマシンで演じていたというネタの。
俺もたぶん同じのが初めて見たのだ。あれ元ネタは仮面ライダーなんだろうけど、ガキの自分は正義の味方という言い回しも含めて不思議に感じた。
ストーリー自体はロジックもオチもしっかりしていて理想的な展開の短編コメディだったね。
あれはたぶん仮面ライダーじゃなくて更に昔の「月光仮面」が元ネタだと思う。
あと中国語版では「正義伙伴蒙面侠」と訳されていたけど日本語だと「正義の味方セルフ仮面」で「セルフ」(self)という自分自身だというネタも含めた名前になってる。
その「月光仮面」が最初に正義の味方という言葉を使った作品だよ。1958年の作品。
実写テレビドラマのヒーローなので特撮とは別ジャンルだが、日本の仮面ヒーローの元祖なので仮面ライダーなどの源流と言うこともできる。
正義の味方という言葉自体はもっと昔の、1947年から始まった「黄金バット」で使われているから月光仮面が元祖ではないよ。
正義の味方がいつから使われていたかは私も知らないけど広めて定着させたのは「月光仮面」と見ても問題無いだろう。社会現象レベルの大人気になった作品で、決め台詞や主題歌で「正義の味方」という言葉が強調されているから。
正義の味方の原作、脚本の川内康範が仏教徒で月光菩薩からのアイデアで主人公や「正義の味方」のスタンスを創作して、劇中の「正義の味方」の言葉の使われ方にも仏教の考え方が入っている。
その後の使われ方でどこまで残っているかは分からないが、よく言われる宗教的な背景については恐らくこの辺りから来ている。
どの作品が最初というのはハッキリしないが、今の二次元の正義の味方ネタの流れとしては初期の特撮ヒーロー作品で多用されて広まり、その影響で型月作品のような作品でも使われるようになったということで良いの?
それで問題無いと思う。あと特撮に限った話ではなく、ヒーロー系で全般で使われる言葉だったようだ。昔のアニメやマンガでもよく見かける。
日本の二次元界隈で長年の蓄積により形成されたイメージに関してはその見方でも良いはず。
現代の作品では現実的ではない、あやふやなイメージの正義の味方を目指してしまったキャラは出てくる例えばFateなら切嗣はそれに失敗する場度エンド、士郎は各ルートや赤アーチャーの姿で矛盾を突き付けられることになる。
正義の味方は異世界ネタの「勇者」よりはマシな扱いだと思うよ。
正義の味方を冷笑することもあるけど、矛盾や現実的な問題を認識しつつ理想として掲げたり取捨選択する展開があるから。
背景に関してはイロイロとあるけど、現在の使われ方に関して大雑把に言えば自分自身が正義だとするのは傲慢過ぎるという考え方があるんじゃないかな。
大体そんな感じだろうね。
実際日本の作品では自分が正義と言うヒーローはあまりいない。やってること自体はそういうヒーローとそんなに変わらないけど。
「俺が正義だ」という「サクラ大戦」の大神一郎のようなキャラは珍しいわけか。
恐らくそうだろうけど探せば見つかるくらいだと思う。常にネタ不足でキャラかぶりを避けたがるジャンルだから。
正義の味方という言葉の源流である特撮作品でも自分が正義というのはいる。「巨獣特捜ジャスピオン」は主題歌でも自分が正義だとアピールしてる。
特撮ヒーローは司法組織や平和維持組織の系列という扱いが多いし、作中世界観的に正義の執行者という立場をとれるので自分=正義になりそうなもんだが、そうじゃないのか。
仮面ライダーを見れば分かるけど戦闘行為が社会のルールからは外れるので警察と友好関係ではない個人だったり、司法組織とは別の超法規的な存在だったりすることも多いから何とも言えない。
まぁアメコミでもYour Friendly Neighborhoodな有名ヒーローがいるからね……
とまぁ、こんな感じで。
時折妙に詳しい人も出現しながらイロイロな方向に話が飛んでいました。
ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「最近は少し落ち着いていますが昔は中国のオタクは大学生から本格的に活動し始める人が多かったのと、昭和ウルトラマンのような子供向け作品がとても嫌われていたので『正義の味方』の概念やそれを目指すキャラに対してはかなり批判的な扱いをされていました」
「昔の中国で衛宮士郎が伊藤誠と並んで人渣(人間のクズ)と言われてとても嫌われていたことの主な原因は06年版のアニメの頭が悪くて無能な熱血キャラという演出でしたが、正義の味方という概念が見下されていた当時の中国のオタクの空気が影響していた部分もあったのかもしれません」
などといった話もありました。
十数年程前の中国オタク界隈における衛宮士郎に対するヘイトはすさまじいものがありましたが、少し時間が経った今の感覚で考えてみると当時はあまり意識されなかった部分が見えてくるのも興味深いですね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
中国オタク「衛宮士郎の蔑称『土狼』って昔とてもよく使われていたらしいがどんな感じだったの?」