「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

中国オタク「鬼滅の刃はなぜ長引かずきれいに完結できたのだろうか?」「日本の大人気マンガってあそこで完結していれば本当に名作だったのにという作品は少なくないからね」

この週末に中国国内で「劇場版鬼滅の刃無限城編 第一章 猗窩座再来」の上映が始まったこともあってか、昨日の記事に続いて「鬼滅の刃」関連のネタのタレコミをいただいておりますので今回はそれについてを。

ちなみにこの記事をアップした時点での中国のネットの興収速報によると「劇場版鬼滅の刃」の興収は既に3.5億元(約77億円)を超え更に伸び続ける大ヒットになっている模様です。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトでおこ案われていた
「鬼滅の刃はなぜ長引かずきれいに完結できたのか?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


「鬼滅の刃」はなぜ長引かずきれいに完結できたのだろうか?
社会現象級の大人気マンガって普通は編集が完結させないものじゃないの?

その疑問は理解できる
日本の大人気或いは過去に大人気になったマンガって「あそこで完結していれば本当に名作だったのに」という作品は少なくないからね

引き伸ばして面白くなくなった作品に関しては編集側の意向による原因も、作者側の能力や失敗による原因もある
それに昔はともかく現代では作者の方が編集より強い、言ってみれば「人気になった作者の方が強い」場面が多い
「鬼滅の刃」はあまりにも大きく成功したから編集側は従うしかなかった

結構前から編集が大人気作品の作者に無理を強いれる時代ではなくなっている

分かりやすい所では「幽遊白書」後の冨樫だろうな
あの辺から作者側が本気でやめる、休載するといったら編集も逆らえなくなった

昔は「大人気作品はやめさせてもらえない」というのが定説だったけど、現代の環境では編集と作者の力関係がかなり変わっているからそうとは限らない

現代では業界、編集部が作家をコントロールできないという話は聞こえてくる
少年ジャンプだと「呪術廻戦」や「チェンソーマン」とかは編集が明らかにコントロールできていないわけだし「鬼滅の刃」に対しても編集部が何かできたわけではないのでは?

雑誌側も昔は雑誌と単行本しか大きく稼ぐ場所はなかったけど、今はネット配信も関連グッズもあるから連載をそこまで無理して続ける必要がないんだよ
もちろん人気作品の作者が続けたいというなら歓迎するだろうけど、無理に引き延ばさせることはない
その結果ストーリーが失速して作品の印象が悪くなる方が痛い

引き延ばすよりも完結を目指すタイプの作品と作者だったということだろう
「鬼滅の刃」がブレイクした時にワニの人はほとんどのストーリーを最初の編集者と作っていたわけだし、無限城まで人気を維持して完走したんだからそれ以上やれることはなかった

ワニの人は「鬼滅の刃」の後に漫画を描いていない、少なくとも商業では描いていないようだし編集がどうにかできるタイプではなかったんだろうね
出版社からすればアニメや関連商品などのビジネスを任されていれば商売としては問題無いわけだし

「鬼滅」の作者は漫画完結させた後は親の介護の方にいったんだっけ?
こっちに流れてくる話からは根本的に作品を強引に続けさせられる作家ではなかったという印象になるな

今のビジネス環境だと別に本編の連載続ける必要は無い
作品の人気が十分にあれば別の作者に描かせる外伝やアニメ、ゲームなどの別メディア展開などの派生作品で稼げる
そういう意味では「鬼滅の刃」は手頃な長さで大団円にした、使いやすい超大人気作品という言い方もできる

そもそも少年ジャンプだと長く続けても、新作を描いても人気出なければ打ち切られるわけだしね
「NARUTO」の岸本も新連載がコケて今は他人に任せた「BORUTO」が唯一動いている作品だし、それと比べると連載を完結させてある程度距離をとるワニの人は賢いやり方に見えたりする

「キメツ学園」もそれなりに人気があるのに打ち切りになったのを見ると、現在の編集側は続けるのも打ち切るのもあっさりと判断しているのでは

日本の少年マンガ雑誌の編集方針はその時の編集長次第でかなり変わるから一つの時期、一つの作品だけで判断するのは良くないと思う
「鬼滅の刃」の時の編集長の方針が作品完結、入れ替えに積極的だった可能性もあるぞ

これは「作者が完結させたかった」という話でしかない
最近の「呪術廻戦」の続編や「ジョジョ」の続け方を見ても、作者が描きたければ(そして人気が出るなら)続きは出る
しかし作者に描く気がなければそれまでだ

「鬼滅の刃」のような世界観の場合、続けるだけなら「BORUTO」のように子供や子孫世代の話をやればいいわけだしな

既に言われているが鬼滅の作者は最初に組んだ編集者とプロットを固めた際にストーリーの方向や内容、それを描くのに必要な巻数はほぼ決まっていたらしいし多少巻数が増えたくらいでほぼ予定通りだった
そのようなプロットを組んで進めるタイプの作者に蛇足な続きを描かせるのは難しいだろうし、続けさせるよりも大々的に宣伝して綺麗に終わらせる方が良い

しかし自分は「鬼滅の刃」の終盤の時期の少年ジャンプにおける扱いはそんなに良くないと感じたが……少なくとも大団円で勇退させようという空気は感じられなかった

それはそれで編集部側は「鬼滅の刃」の終了が既定路線として早い段階で決まっていたようにも見えるな

なんか勘違いしているような人も少なくないけど、「鬼滅の刃」の全23巻って別に短くはないぞ
週刊連載マンガとしては長編に入る方の長さだし、作者が終わらせると言えば終わらせられる長さだ

続けたい作者もいれば終わらせたい作者もいるし、少年ジャンプには「ONE PIECE」という続けたい作者の人気作品があるからな

この手の話でよく出る「ドラゴンボール」とは雑誌の状態も漫画家の仕事の環境も違う
映画の興収だけだと「鬼滅の刃」が圧倒的に見えるかもしれないが範囲は限定的
「ドラゴンボール」の当時の日本社会における経済効果の範囲があまりにも広過ぎたという事情がある

時代が変わったということさ
今では少年ジャンプ側が作品完結に口出しできる権利はそんなに無いし、大長編作品は「ONE PIECE」が連載中だから枠は埋まっている

無理に続けても現在休載が伸びている「葬送のフリーレン」みたいになりかねないしね
IP自体は劇場版が記録を作り続ける絶好調状態が続いているし、原作はあの時期に綺麗に完結させるのが関連商法を展開する上でも正解だった

少年ジャンプは「鬼滅の刃」の前に「ワールドトリガー」や「D.Gray-man」のような作者が体調を崩して作品が動かなくなってしまった作品があるし、冨樫の「HUNTER×HUNTER」が今みたいになっている原因は完結させずに無理をさせたせいだからね
人気が出る時に後押しする、無理させることはできても作品を終わらせると言われたらそこまでになるのではないかと

マクロな視点で見るとメディアの力関係が変わったからとも言える
ネットが発達して漫画雑誌のプラットフォームとしての役割はどんどん小さくなっている
それでも少年ジャンプは最大のプラットフォームの一つではあるが、雑誌連載に関しては昔のような影響力、拘束力はない

他に考えられるのは十分に稼いだ、成功したから作者が当面のモチベーションを失った、引き伸ばさずに作品を綺麗に終わらせるだけでいいと考えたとか?

その可能性も否定はできないね
現代の漫画業界で「それ以上はほぼ無いレベル」の成功だから名声もあり金銭的にも一生分は余裕で稼いでいて更に当面は関連商品による大きな収入が続くのがハッキリと見えているだろうし

昔の「やめさせてもらえない」という話も、結局は他の仕事の場所がない、収入の道が途切れる恐れからの話だったし、見方を変えたら「鬼滅の刃があのくらいの長さで完結できた」のはネットが発達してメディアや商売の手法が変化したという言い方ができるかも?

結局、「鬼滅の刃」は「名探偵コナン」みたいに作者は続けたい、雑誌も続けてもらわないと困るという作品ではないということだな
それに「鬼滅の刃」は編集側と打ち合わせて当初から完結を見据えた話作りをしていた作品だという背景もあるしね

編集部のせいで引き伸ばされて駄作になったというネタはよくあるけど、それに本当の意味で該当する作品は少ないと思う
少年ジャンプ系作品で「終わらせてもらえない」作品は「ドラゴンボール」くらいじゃないか?「聖闘士星矢みたいにアニメの人気がまだあってもあっさり打ち切られる作品の方が多い

この手の「あそこで終わっていればよかった作品」に関して混同されがちなのが、作者が完結させられなかった、作者が人気を維持できなかったというケースだ
編集側からの要求だけでなく漫画家側の問題、内容や体調が理由なこともかなりある
やはり大人気の連載作品が綺麗に完結するのはとても難しいことなのだろうね



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈における日本の雑誌連載に関するイメージや定番ネタなど、イロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国のオタクで『日本の雑誌連載を追いかけて作品を読む』ことをきちんと体験している人は少ないです。ネットに流れているデータや漢化組によるファンサブ翻訳、真面目な人でも電子版で読んでいますから」

「ですから日本の漫画雑誌におけるアニメ化される大人気作品の誌面における扱いや存在感、限られた誌面を奪い合う競争、その結果の連載打ち切りの原因やその影響に関する知識はあっても実感はそれほど無いです。また日本の漫画家個人に関する情報もあまり意識されていないので、作品完結の理由や背景に関してはどうしても中国の知識や感覚で想像する部分が多くなってしまいますね」

などといった話もありました。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「鬼滅の刃みたいに回想シーンの多いアニメってどう思う?」「好みが分かれる演出ではあるかと」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国国内では11/14から「劇場版鬼滅の刃無限城編 第一章 猗窩座再来」の上映が始まり興収に関してもかなり好調な雰囲気だとか。このブログを書いている時点で中国のネットに出ている速報では既に2億元(約44億円)を超えているようですし、今後どこまで伸びるのでしょうかね。
そして劇場版の勢いと共に中国オタク界隈では「鬼滅の刃」関連の話題が増えているのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「鬼滅の刃のように回想シーンの多いアニメ作品をどう思うか?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


「鬼滅の刃」みたいに回想シーンの多いアニメってどう思う?
私は劇場版はさすがに多過ぎ……と感じてしまったんだが

俺も回想シーンが引っかかるというのは分かる
早く話進めろ、バトルシーンを続けろ!と思った

一回だけならともかく、何度も発生するからね……戦闘シーンは爽快で素晴らしいのに

国内の劇場版「鬼滅の刃」の上映で一気に話題が増えたけど、劇場版に関しては回想シーンに対する不満も少なくない

回想シーンは「鬼滅の刃」の構造的な演出ではあるが、ライト層からすれば知ったことではないしな

メインの3人以外は回想シーンでキャラを掘り下げる作品なので最初からそういう演出の作品だと言ってしまうこともできる
しかし作品の情報知っていて「動きまくる爽快な劇場版アニメ」を見たくて来たような人はめんどくさくなるのも無理はない

日本のアニメにありがちな演出ではある
「NARUTO」も回想シーン多過ぎとか言われていたしね
「鬼滅の刃」は意識して繰り返しているのがそれ以前と違うし、引っかかる人はかなり引っかかるかと

映画館で「鬼滅の刃」を見るとやはりこの作品は映画館の画面と音響で見るのがいいと感じる
またそれと同時にこの画面の下にシークバーがあればもっと良かったのにとも感じる

好みが分かれる演出ではあるかと
私はめんどくさいと感じてしまうけど、興収の良さからしてそれが良いという人もいるんだろう
実際私が昨日行った見た映画館でも隣に座っている兄ちゃんは涙ぐんでたようだし

ほとんどの敵は倒される直前に回想シーンが入って背景説明になるからね
作品の特徴ではあるがそこの尺を長くして強調すると好みがかなり分かれるようになるのだろう

近頃は回想シーンの多さ、回想シーン演出ネタは「鬼滅の刃」みたいになってる気がする

主人公側はパワーアップ、敵側は死亡確定演出!

いや、そうとは限らない
「鬼滅の刃」でも柱キャラに死ぬ前の演出パターンはある

あの作品はモブキャラではない名有りのキャラにはほぼ回想シーンあったように思う
そして映画の方ではそれが更に引き延ばされていると感じた

これってufotable作品の癖では?
私の周りでは「またufotableか」みたいに言われている

あそこは「Fate」の時も「UBW」でアーチャーと士郎の対決で似たようなことやってるからな……

いわゆる走馬灯演出だし他の作品でも普通に使われている手法だけど、「鬼滅の刃」とufotableが組み合わさった結果、あの回想多過ぎ状態になったということか

走馬灯も使い方次第なんだけど、劇場版で連続して使われると「余計なもの」という印象が強くなる人が増えるのかもしれない

回想シーンの多さに関しては原作のせい、アニメ制作会社のせいと意見が一定しない
結局、どっちの問題なんだ?

作品と監督、制作側の方針次第としか……「Fate」の劇場版は回想シーンを短くしたり演出で見せ方を変えたりといったことはできていたし、原作の回想が長いからとかufotableが作ったからとかで断言することはできない

こういうの一般人の興味をひけないからダメなのに、なぜ制作側はやりたがるのか

その辺りどうなんだろうね
逆に一般向けでは分かりやすい、容易に感情移入できるやり方で、ある程度ネタバレを知っている、バトル演出や特殊効果などに期待しているオタクの方が嫌いがちなやり方だという話もある

少なくともシークバー動かしてどんどん視聴している人向けではないとは思ったかな!

そこはキャラクター重視な作品である以上仕方が無いのかもしれない
どこのファン向けにサービスするかというのもあるわけだし
人によっては回想シーンの視聴体験が目的ということもあるだろう

「鬼滅の刃」はキャラの内心をやたらと喋らせるやり方は作品知識のない一般向けとして強いという評価があるけど、回想シーンもその一環という見方もできる
「言われなくても把握できる」と考えている人からすれば何かと演出がくどい、スキップさせろとなるけどそれが現代の映画市場ではどの程度一般向けなのか……

あえてセリフにして説明するのが一般向けだと有効なのは間違いない
そのやり方で特に分かりやすいのは「俺は高校生探偵、工藤新一」が最初に来る死神小学生シリーズだろう
あれのおかげで作品を追いかけていない人間、作品のキャラはうろ覚えな人間でも映画だけ見て楽しむことができる仕組みになっている

上の方で「NARUTO」が言われているけど、それと比べたら「鬼滅の刃」の回想シーンはまだマシだと思う
「鬼滅の刃」は長さはともかく回想シーン自体は必要なのが分かるけど、「NARUTO」の時は話を引き延ばすための雑なやり方も混じっていたから「無くてもいい」のも少なくなかった

「NARUTO」のあれは戦う前に回想、戦ってる最中に回想、戦い終わってからも回想、存在しない回想というか妄想、同じような内容を繰り返し回想、そしてそれがストーリーとキャラの掘り下げにも対して効果が無かったからな……良好な視聴体験のためにシークバーの存在は必須だった

「ガンダムSEED」ではトールとニコルが何度死んだか……ただ昔の作品の回想は同じシーンの繰り返しだけど、そこまで長くはなかったから良くも悪くも「鬼滅の刃」とは印象が違う
当時「NARUTO」の回想が批判されていたのも引き延ばすために同じ回想シーンを何度も使いまわしていたのが主な理由だった

「Fate」も回想シーン多いけど、無ければ無いで困る
昔のスタジオディーン制作の方の劇場版とか説明抜きで話進め過ぎて感情移入する以前の問題だった

「スラムダンク」も劇場版の回想シーンで評価が分かれたのを思い出した
作品自体は良いけど回想シーンはスキップさせろみたいな話はそれなりに見かけた

当時は何で宮城の話ばかりなんだという文句に隠れていたけど、回想シーンよりもバスケの試合もっとやれという声はあったよね

「鬼滅の刃」が大ヒットしているわけだから、当面は回想シーン過多のような作品が流行りそう
あれはバトル系作品においてキャラの掘り下げをどうやるかという問題に対する回答の一つという言い方もできる

日常パートではキャラの過去に関して描くのは難しい、下手したら本編が迷走したように見えてしまうからなあ

言っては何だが「鬼滅の刃」の回想シーンは回想の終わりが決まっている、本編に戻ればほぼ死ぬのが確定しているからまだマシな方だ
作品によっては過去編を始めて本編が進まなくなる、作者が過去編描く方が楽しくなって本編のキャラの扱いが雑になるなんてことも珍しくない!



とまぁ、こんな感じで。
作品を見る人が増えると受けとり方の幅も広くなっていくようでイロイロな見方が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「『劇場版鬼滅の刃』の人気は事前の予想よりもかなり良いですし今年の中国国内市場における日本産映画の興収1位になるかもしれません。『シン・エヴァ』の興収は上映開始後2週間で約4000万元に達しましたがここから大きく伸びることは無いでしょう。やはりファンだけでなく一般層、中国語で言う『路人』な層が見に行くような作品と宣伝でないと中国市場で大ヒットするのは難しいですね」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


それからありがたいことに艦これイベントについての攻略情報や管理人の進行状況に関する質問をいただいておりますが、現在E2-3で沼っております。
ここだけは報酬目的で甲クリアといきたいのですが、ラストで10回連続失敗という状態なので頭を冷やすためにちょっと秋刀魚漁に逃避中です……

中国オタク「ウチの国の二次元界隈では脚フェチが多いと言われているけど、実際どうなの?」「中日では現実でも二次元でも脚フェチの育成環境に差がある」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では人気や好みのネタとして「中国では白髪キャラが好まれる」などといった話がありますが、そういった趣味嗜好に関してはイロイロな「有力とされる説」があるそうでそれに関する話題で盛り上がることもあるのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「中国の二次元界隈では脚フェチが多いという話」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ウチの国の二次元界隈では脚フェチが多いと言われているけど、実際どうなの?

綺麗な脚はあって困るものじゃないけど、白髪フェチと比べたらそこまで影響は無いような気がする

キャラの良さを語る際に顔の良さは真っ先に語られるけど脚の良さはそこまで目立たないからなあ

そりゃ脚より顔だよ

胸と比べたら脚はマイナーな嗜好では
胸に関しては今更言われないというのもあるし

脚フェチと言っても好みが細分化しているし、脚フェチと意識されてないジャンルもある

その辺りもハッキリしないんだよな
絶対領域とか黒タイツなんかも広義の脚フェチではあると思うが、どうなんだろう?

脚を強調する描写は昔からあったし昔の国産ネット小説でも美女キャラの容姿としての描写は結構見かけたから、脚については昔から普通に存在するフェチだと思うのだが

二次元だと脚フェチはまだ分かるが足の裏フェチはよく分からん

足の裏フェチはウチの国だとむしろ伝統的なフェチという説が……外国で昔の中国人の足の裏フェチ、纏足と絡んだ独特な性的嗜好みたいに紹介されているのを見たことがある

足の裏フェチはこの数年で急激に伸びているけど脚フェチと比べてどうなんだろう?

足の裏フェチはネタ、口癖みたいな所があるしさすがに脚フェチほどではないだろう
基本的には乳尻ふとももの順番じゃないの?
二次元だとその上に顔の良さが来るかもしれないが

良い、なんとなくエロいとは思うけど内心の欲望に従ったら乳と尻になるわな

脚フェチは多いけど、顔や胸と違って好みがあまり明確ではない
上で言われているタイツフェチや絶対領域好きなどもいるけど、見る側も描く側も好みがブレている

タイツフェチも本質的には脚フェチの一種だしそんなに細かく分けなくても良いのでは

手フェチに比べたらずっと多い!

そんな吉良吉影みたいな趣味を出されても困る

脚フェチ要素って国内だと描く側というか売る側は露出ができないから仕方なく選ぶ表現になってしまいがちなのも……だから個人的にはそこまで強烈なフェチは出ていない印象がある

中日では現実でも二次元でも脚フェチの育成環境に差がある
こっちでは寒いとミニスカートをはかない

なるほど。
日本では寒くてもJKはスカートはくし、それが短かったりするからね。こっちは制服もあるが日常的にはジャージになりがちだしタイツやストッキングに関しても日本みたいな細かさは無い。

こっちだと服装との組み合わせは確かに弱い気がする。そして欧米だと脚や尻に関しては線が出るのを更に気にしない、むしろアピールする要素になる。
あと脚フェチの話題のついでに聞きたいんだけど、ひざフェチみたいなのってどのくらいいるの?需要もその規模も自分にはよく分からない。

ウチの国のオタクの間ではそんなでもない
日本のオタクの反応を見ているとひざの裏や腋といったフェチの支持も少なくないようだが

脚フェチの具体的な規模は分からないけど、最近一番声がでかいのは確かだろう

でも最近は足の裏フェチがネタ込みで声が非常に大きくなっているので脚フェチがそこに埋もれている感もある

その手の話ってどこまでがネタでどこからが本気か分からないんだよな……今の環境だと美女の脚を見たいという連中がどれだけいるのかいよいよハッキリしなくなっている

脚フェチ自体は胸ほどじゃないけど昔からある好みだから、当然のものとしてそこまで大きな話題になっていなかったというのもありそう
本来は胸、尻の次くらいには需要があったはず

脚フェチの話題が少なかったというのには同意する
俺の好きな宝多六花のような「肉」のある脚の話題とか、彼女が脚の肉のネタ込みで話題になってから急に増えたけどそれ以前はさっぱりだった

そう言えば太い肉の脚と細い脚のどっちが人気なんだ
太い方はライザとか近年の流行で勢いがあるけど、国産ソシャゲを見ると細い方でアピールしている感じもするのだけど

太い方はエロ特化の方でマニア向けになっていると思う
国産向けだとやはり形の美しい方が好まれるかと

美しい脚はあって困る物じゃないけど脚フェチまで行くようなレベルの人間は少ないと思う
特に二次元では曲線美、服装や小物との組み合わせなど要求が細分化するし、良い脚が描かれていても組み合わせが悪くて批判されるのもありがちだ

二次元における脚フェチの増加、脚フェチ向けのコンテンツが増えているように感じられるのは、ネットにかかる規制のパワーが大き過ぎるからというのもあるだろう
その結果、我が国の二次元では「脚で発電」する状況が出現しているわけだ

抑圧によって深まるものもあるだろうけど、今の環境だとネットで見つける、広告でぶつけられるからどこまでその手の嗜好が育っているのか分からない

問題無くアピールできるのがそれだから、お色気アピールで売りたいソシャゲキャラがそっちばかりになったというのはあるだろうな

それで新しい性癖に目覚めた人間が増えたという話は?

昔から好きなガチ勢も、新たに目覚めたのもいるし、最初に見たのがそれだから性癖が固定されたのもいるだろう
しかし主流にはなりえないと思う

脚の強調はあって嫌な物ではないし、環境的に昔よりも「効果」はかなりあるけど組み合わせて使う要素なのは変わっていない

自分の場合正直に言えば有用なものではあるが、もっと好きな物はあるという感じだ



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈における各人のイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国では『絶対領域』などは面白い言葉というネタも含めて流行りましたが、脚フェチは勢力としては広く浅いものでしょう。そもそも中国では現実経由で脚フェチに目覚める機会が日本と比べて少ないのです。学生は基本的にジャージですし、若い女性も寒さ対策と健康重視で脚を出すようなおしゃれは都市部でも日本と比較するとかなり少なくなります。またストッキングやタイツなどの足に着用するおしゃれの幅も狭いです。探せば見つかるものではありますが、日常生活で不意にぶつかって目覚める機会は少ないのです」


「創作では武侠系作品などでも生足を強調したイラストはずっとあります。良い子の皆がそこで目覚めることもあります。しかしライザや宝多六花のような太い脚に関してはオタクの間でも好みとしてはあまり広がっていないように思えます。国産スマホゲーの二次元キャラを見ても脚の強調は胸や尻や露出の代用品、国外向けで規制が解除されたらそちらに流れがちです」

などといった話もありました。

趣味嗜好に関しては時代や環境により変化していく部分もかなりありますし、今後の中国オタク界隈、中国における二次元ジャンルの好みはどうなっていくのでしょうかね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本のオタクはこういうのが好き、みたいな属性の組み合わせってある?テンプレ的な組み合わせで」

中国オタク「中国人は白髪萌え、白髪フェチだというネタがあるがどう思う?」
(2019年の記事です)

中国オタク「中国人は白髪フェチというネタはどこから広まったのだろうか?いつの間にか定説として語られるようになっているのだが……」
(こちらは2022年の記事です)

中国オタク「『呪術廻戦』の禪院直哉の人気の理由が本当に分からない。誰か教えてくれ。助けてくれ」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈でもキャラの人気や評価は何かと話題になっていますし、連載雑誌などで行われる人気投票の結果もかなり気になる情報とされているそうです。
またキャラの人気に関しては納得できるものもあれば納得できないものもあるということで「なぜそうなったのか?」という方向で話題が盛り上がることもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「呪術廻戦の禪院直哉の人気の理由が分からない」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。(今回のやり取りには作品のネタバレが含まれておりますので一応お気を付けください)


私には「呪術廻戦」の禪院直哉の人気の理由が本当に分からない。誰か教えてくれ。助けてくれ。
最近演じる声優が発表されてまた盛り上がってるし、疑問がずっと続いていて……好き嫌いが分かれるみたいな解釈すらできなくてモヤモヤしている。

これは私も知りたい
例えば私も「ヒロアカ」の爆轟は嫌いだけど人気になる理由自体は分かるんだよ
でも禪院直哉は嫌な奴で敵にもなるのに大人気というのが何故なのかと……

こういう人気キャラって普通はアニメで人気が跳ね上がるのに、アニメに出ていないのに2024年の雑誌人気投票では5位、それも女性人気がスゴイというのが不思議

結局はそこだろう
女性人気が高いということだ
露骨な女性蔑視キャラなのに人気というのも不思議ではあるが

二次元作品では結局キャラデザ、顔が重要だからだよ
特に「呪術廻戦」は表紙を見ても分かる通り普通の美形が少ない

でもこいつ、本編だと顔面偏差値関係ないレベルでキモイ化物に変化してないか?

その通りだ
作品内で全然活躍していない、それどころか死んだと思ったらでかくてキモイ虫になる
そしてもう一度ぶっ殺されるというヒドイ扱いなのになぜあんなに人気高いんだろう

悪い男の方が人気になるというパターンだろ
男性からは嫌われるまでいかなくても特に支持も無いような美形悪役が女性に大人気になるのは昔からよくある話だ

上の方で爆豪と違って分からないという話が出ているけど、結局は同じ層に受けているんだと思う
こういう屑なキャラは特定の層に物凄く刺さる

キャラデザを見ると吊り目でそこそこ美形という好きな人には刺さるだろうという感じだが、キャラの中身がひど過ぎる
「ドブカス」という作中のセリフがそのまま自分を表しているというか

日本の人気投票に関してはいわゆる夢女子系のファンからの組織票が入った結果だと聞いたが……一人で数千票クラスの投票だからファン数自体は大したことがないとも

私が聞いた話では女性向けの薄い本でどれだけひどい目に遭わせても作者の精神的な負担にならない、ボロ雑巾にしても読者からも批判されないからそういう意味で人気が高いということだったし女性向けと言っても単純な夢女子向けではなさそう

ひどい目に遭う形で作者と読者の寵愛を受ける人気キャラというのが女性向け作品で結構あって、禪院直哉もそういうタイプなんだと思う
作中でも悲しい過去がある美形悪役とかではなく明らかに悪いヤツ、ボコボコにして問題無いクズな敵という描写でそういう扱いをやりやすくされている

夢女子に関してはどんなキャラにもつくとされているから断定はしない方が良いと思う
あと同人的な妄想としてはオリキャラ(メアリースー)がこういうキャラの理解者になる、そのオリキャラに対してはツンデレになるみたいなのはわりと定番だ

薄い本だと性転換本でこいつの需要があるというのは聞いたことがある
もしかして俺が本編の爆豪に対するヘイトのおかげで爆豪の母親NTR本を楽しく読めるようになっているのと似たようなものだったりするのか?

様々な要素はあるが、根本的な部分はシンプルに「悪い男」という需要だよ
過去の人気キャラを見ても、クズで女性蔑視なキャラは女性人気を獲得できないとは限らないわけで

いわゆる「悪い男」に関しては伏黒甚爾というもっとハッキリしたキャラがいるから違わないか?

俺もあの作品で人気になる「悪い男」なら伏黒甚爾だと思った
彼は美形で作品世界観でも別格の強キャラ、外伝では冷酷で非道なボスキャラ、本編ではクズだけどちょっと良い所見せて退場するし声は子安武人だしと人気になる要素は分かりやすい
そして伏黒甚爾と比べると禪院直哉の人気は尚更分かり難くなる……

禪院直哉の人気については作中での活躍は大したことが無い、勝ってないし敵になるし本当に嫌な奴だけで終わっているように思えるのも困惑する

それが良いんじゃないの?雑魚雑魚煽るだけなメスガキの男版みたいなもので、ボロボロにされる人間のクズを楽しむS気質の女性ファンがついているのではないかと

こいつの人気は五条悟のような強くてカッコいいから好きになる人、崇拝する人がたくさん出るというパターンとは違う
言ってみれば同人二次創作でひどい目に遭わせる、虐待して楽しむような方向の人気だ

確かにボロ雑巾みたいに扱うにはもってこいのキャラではあるな

禪院直哉の人気は一般層やライトなオタクからの支持ではない、オタクの中でもマニアックな、濃い集団からの支持なんだよ
人気投票で1位に入るのは厳しいが常に一定の支持が集まり、人気が下り坂になってきた時に予想外の上位入りをするような形での人気

日本のオタク界隈ではスッキリ倒される悪役、ネタとして扱えるキャラというのが人気獲得の大きな原動力になるケースはある
例えば「FGO」の蘆屋道満はストーリーの黒幕として悪事を繰り返しその果てにスッキリ倒されたが、その過程でネタキャラとしての地位も確立してユーザーからもライターからも歓迎される人気キャラになった

こっちに入ってくる時点で消えてしまった要素だけど、関西弁キャラというのもこいつの人気、存在感に貢献している
「人の心とか無いんか」というセリフは「呪術廻戦」由来のネットミームでは日本で一番広まっているものだし、本編以外のネタ要素としての人気もかなり高い

こいつの人気が五条悟が2.5条になって以降の日本の作品ファン界隈でネタと話題性を維持する原動力になっていたという説もあるんだよな……

これって「葬送のフリーレン」のアウラの謎の大人気と似たようなものじゃないか?
顔は良いけど中身はクズ、そういうキャラを公式ネタによって遠慮なくヒドイ目に遭わせられる、虐待できる遊びによる人気

アウラはアニメの描写の良さからの人気爆発だからちょっと違うような……でもネタ的な人気という意味では同じか?

アウラと同じで良いと思うよ
言ってみれば嗜虐的な欲望を満たす上で負担の無いキャラというやつ

彼に関してはストーリーから入って受け取る印象と、ファン界隈でネタ解釈を意識しながら追いかける印象と、ネタを知ってからストーリーを見るのでは印象が違う
日本ではネタ経由でキャラを把握した人間も多いから一般的な人気もかなり獲得している面があると思われる

確かに。連載当時の日本の作品ファン界隈では嫌な奴、悪役としての描写があまりにもハッキリとし過ぎているから逆にネタ扱いされていたし、その後に無様な目に遭うのが期待されていた。
そして実際にああいったやられ方をして読者は歓喜していたしキャラに対するある種の好感度?も上昇しているように感じられた

悪いヤツへの断罪や報復を徹底的に行った、悪いヤツが死んでスッキリしたで終わらないのは日本のオタク界隈の性癖だよね
そういう意味ではこっちのオタクは純情過ぎるのかもしれない



とまぁ、こんな感じで。
作品やキャラの人気のイメージも含めてイロイロな話が出ていました。
今回の発言は男性のオタクが多いと思われる場所でのやり取りなので、他の場所では別の受け取り方になっている可能性も高いのでご注意ください。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国では日本のネットにおける禪院直哉のネタキャラ人気はあまり把握できていないと思います。『人の心とか無いんか』ネタはあまり意識されていませんし、話す内容と関西弁キャラから発言だけだと『スナックバス江』の森田と区別がつかないというネタなども知られていません」

「逆に中国における五条悟関係のネタ、特に1/2になってからのネタは日本のネットではあまり知られていないようですね。当時は作品展開に不満をもったファンの暴走も合わせて五条悟ネタやネタ系のコラ画像が広い範囲で投下されていました」

「五条悟の『勝つさ』の画像などは完全に定着して中国のネットでは作品と関係ない所でもネタ画像として活用されています。これは日本のネットにおける『人の心とか無いんか』の画像よりよく見かけるような気がします」

などといった話もありました。

キャラ人気に関してはネットのネタ要素による印象の変化や拡散なども影響しますし、たまに日中での温度差がハッキリ出るようなキャラが出現しますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「日本では『鬼滅の刃』の黒死牟が縁壱より人気が高いようだがなぜだろう?こっちだと縁壱の方が明らかに人気が高いという印象なんだけど……」

11/16修正:爆豪勝己の名前を間違えておりました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「日本の異世界系は弱いから追放される展開が多いけど道徳的問題や殺伐とし過ぎで追放されることはあるの?」「悪役令嬢系は異世界の道徳問題による追放のテンプレ」

何やらPCとスマホの調子がいっぺんに悪くなってしまい現在ゴタゴタしているので、今回はありがたいことに以前いただいたものの後回しになっていたネタで。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本の異世界系作品では弱い、無能ではなく道徳的な問題や殺伐とし過ぎで追放される展開はどれくらいあるのか?」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の異世界系は弱いから追放される展開が多いけど道徳的に問題があるとか殺し過ぎとかで追放されることはあるの?
あるとしたらどのくらいあるんだろうか?

探せばあるだろうけどそんなに多くなさそう
少なくともアニメ化までいくようなレベルの作品には無いのでは

そういうのはアウトロー要素が強過ぎる主人公になってしまうし、現代だとメディアの規制基準に抵触したり、読者から反発が出たりといったリスクがあるから商業的な成功は難しいだろう

単純に人気出ないから使われないやり方だと思う
道徳的に問題があるから追放されるとか、見たい人がどれだけいるのかと

派手にやり過ぎて周辺の被害大き過ぎるから追放みたいなのはギャグにすれば行けるような気もするが……

道徳問題がパーティ内の不和の原因となって一時的にパーティ分裂、或いはメンバー変更した後にイロイロと合って元の組合せに戻るという展開なら昔からよくあった
でも追放系でいきなり道徳問題はどうだろう?

底辺からのし上がっていく冒険者、異世界転移転生系作品は道徳とか気にしている余裕が無い
むしろ周りの方が道徳的に問題あるのばかり、主人公が「良いヤツ」に見える展開にした方がおいしい

日本の作品で主人公が道徳的な問題を無視する、殺し過ぎる、非道なことをやり過ぎるというのはやると読者に嫌われるんだよ
昔日本に入った「霊剣山」では最初の主人公の金稼ぎが日本では「普通の人を騙して金を儲けるひどい主人公」として強い反発を受けて一気に評判が落ちた。
敵もだけど、無能な凡人を食い物にするのも日本では好まれないから追放される主人公の原因としてはあまり良くないのだろう

こっちの作品でも道徳的な問題での追放はあるけどそこまで使いやすいものではないな
手段を択ばず殺伐にやり続けるのは最初の問題解決としてはスッキリするけど問題の規模や内容も含めてインフレさせていく際に被害の規模も広がるし、作中でそれが何となく良い感じに評価される、読者が良い気分でいられるようにするのが普通のインフレと比べて相対的に難しくなっていく
短編や初動で爆発させるには良いけど、長編展開するには途中で方針転換するか最初の方だけにしておく方がやりやすい

日本の主人公は「やさしい」のが評価されるから道徳的にやらかすパターンは少ないだろうし、そもそもJRPG的な世界観で戦うような作品で殺伐さはむしろプラスになるのでは?

確かに
迷宮で生きるか死ぬかで戦う時にやさしさ発揮するとか殺せないアピールされても読者はついてこないよな

種族差別問題など現代基準の道徳と現地世界の道徳が違うことによる紛糾からの追放、例えば異種族、魔族と共存する展開での追放は見た記憶がある
主人公が魔族側の仲間になって、人類側がそもそも倫理的に問題があるという展開になるのはそんなに珍しくないと思う

死霊術士だから追放以前に人間社会でやっていけないみたいなパターンは違うか

どの作品か忘れたが、ギャグ系の作品で主人公がクズで追放パターンはあった気がする
結局はやり方次第だろうけど大人気のテンプレにまでなるのはやはり難しそう

現代の環境だと聖母キャラが嫌われる、すぐに批判を集めるから逆に主人公と敵対する側で出すことはできそう

しかし聖母キャラって長編だと敵役としてそんなに便利ではない
破滅させても主人公と読者がスッキリして終わりだし、次の敵やイベントにつなげにくい

以前どこかで勇者パーティだかギルドだかで女のメンバーに手を出し過ぎて追放された好色主人公という設定の話を見たことがあるのを思い出した
ネタ的にそんなに長く続けられないだろうけど、続きはどうなったのかな……

追放ではないかもしれないが、復讐と仇討ちにのめり込み過ぎているキャラ(主人公でも作中の強キャラでも)についていけずに仲間が離れる或いは自分から離れていく展開の作品はそこそこある

ここで言われているような話は特撮作品だとそれなりにある
でも異世界で俺TUEEEEEな作品だとあまり見ない
過激に虐殺する系は最初からそっちに振り切っている、そういう趣味の作品だとアピールしているので追放系と合わせるのは珍しいのでは?

これはポストアポカリプス系によくあるパターンだ
追放する側でもされる側でも書ける

異世界系だと道徳的に問題があって追放されるのは主人公ではなくサブの男性キャラや嫌がらせキャラとかじゃないか?
そして主人公と敵対、妨害した挙句に追放される、倒される

道徳を理由にするともめやすいというのも、追放系に道徳問題が少ない理由の一つでは
道徳って基準が人それぞれだし描写次第で印象も変わるから読者の受け取り方が一定しない
それに対して無能、役立たず扱い、有用性が理解されないので追放という展開に関しては分かりやすい基準を示せるのでスムーズに転落からの復讐、ざまあ展開にできる

道徳的に問題がある或いはそう誤解されたから追放、仲間と分かれるみたいなのは昔から定番の展開だし探せばありそうなのに、こっちで目に入る作品だと思いつかないな
やはり日本国内市場まで範囲を広げる必要があるのか?

西遊記の白骨の精の回とかでも使われているし、敵の陰謀によるパターンもあるね
しかし私の記憶でも異世界系作品の追放スタートとしては珍しいような気がするな

追放系って報復する、更に強くなって上の立場になって「もう遅い」「間違っていたのはお前達の方だ」とやるのが最大の爽快ポイントだからね
戦闘や冒険がメインの評価基準になるなら道徳や殺し過ぎよりも強さ、有能さの方が分かりやすくて使いやすい

バトル要素が無い作品、女性向け作品は道徳的な問題、不義密通関係による追放や婚約破棄はあるんじゃないか?

私もそう思う
悪役令嬢は日本の異世界における道徳問題による追放のテンプレだ
婚約破棄の口実になりがちないじめや不義密通は道徳関係の問題とも言うことができる

道徳が問題として意識され追放の口実として機能するのってある程度豊かで落ち着いた環境、世界観が必要だからね。冒険者とかの成り上がり展開はあまり相性が良くない。
逆に王侯貴族が中心になる悪役令嬢モノでは使い勝手が良い。

世界観や設定次第ではあるが婚約関係の破棄、上位の貴族令嬢を追い落とす上で道徳的な理由というのは有効だろうし、読者側としても納得しやすい理由になりそうだ

そういう意味では魔王倒した勇者を陰謀で陥れるパターンもあるね
ただその場合は追放ではなく牢屋に閉じ込めたり処刑したりという展開になるから追放とはまた違うかもしれない

ここまでの話を見た感じだと、道徳に問題あるから追放は悪役令嬢系作品が幅広く対応しているから男性主人公の俺TUEEEEEだとあまり出てこないということなのだろうか

分かりやすいタイトルで「卑怯者だと勇者パーティを追放されたので働くことを止めました」という作品はあった。確かコミカライズもされていたはず。
追放された後に冒険者ではなく別の職業、別の場所で成功して見返すというパターンなら男性向けでも行けると思う

道徳や殺し過ぎ問題で追放される系は魔王を倒した後の勇者の処理問題が構造としては近い気がする
不要になった武人を政治的、人間関係的に陥れて追放する展開だと話作りやすいわけだしね

バトル系作品だと道徳問題の後にどう話を続けていくか、追い出した連中に復讐するとか成功と没落の対比を提示するとかの後の展開が難しくなる
主人公のオリジンに道徳問題で追放されたという要素があるから戦闘力、有能さを強調するタイプであってもそこを無視できない

同意する
それなら最初から能力を軽視される、理解されないとかの方がやりやすいだろう
強くなる、成功するのがそのまま復讐と重なるわけだし

悪役令嬢系の場合、人間関係や地位の獲得或いは修復がメインになるわけだし道徳問題との相性が良いのは何となく分かる気がする



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈でのイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「近年の中国オタク界隈では『聖女』というのはほぼ皮肉、批判的な意味で使われる言葉になっていますし、日本語でいう『敵にも理由があった』『実は気の毒な過去があった』として許される展開は特に嫌われます」

「道徳的な問題のあるキャラとその処理に関する不満はそのまま作品や作者の価値観に対する批判につながりやすいので、現在の中国のネットでもあまり使いやすいものではないと思います。ですから今の国産中華ファンタジー作品では悪いヤツはハッキリと悪い、主人公に言いがかりをつけてくるような展開になりがちですし、すぐに殺伐とした殺し合いになったりします!」

などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

2016年の記事ですが上のやり取りにある「霊剣山」の主人公に対する日中の受け取り方の違いについての話があります。
中国国産アニメの主人公はなぜ平気で一般人を騙すのか

11/10修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「ようやく映画館でシン・エヴァを見たがシンジとアスカはなぜあの形で終わってしまったんだ……今更だろうけど俺の心の安定のために皆の解釈を教えてくれ」

中国国内では10/31から「シン・エヴァ」の上映が始まり、やっと「シン・エヴァ」を映画館で見れたという中国オタクの人も少なくないそうです。
ありがたいことに中国国内における「シン・エヴァ」の反応に関する質問やネタのタレコミをいただいておりますので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「シン・エヴァにおけるシンジとアスカの関係」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ようやく映画館でシン・エヴァを見たがシンジとアスカはなぜあの形で終わってしまったんだ……既に語り尽くされている今更な話だろうけど、俺の心の安定のために皆の解釈を教えてくれ

気持ちは理解できるが、俺達はその感情を抱えながらやっていくしかないんだよ!

既に何度も語られているが、国内での映画上映によってまたダメージ受けてるのが増えてるようだな

庵野が作っている限りシンジとアスカが普通にくっつく、甘いラブコメをするのは無かったろうからなあ

アスカとトウジが真希波にシンジをNTRされたという同人ネタが笑えない公式展開……!

なぜこんなにもバッドエンド感が強いのか
デウス・エクス・マキナで強引に終わらせたハッピーエンドみたいな場面で終わったのに

そりゃあエヴァに期待して追いかけ続けた俺達の方はバッドエンドみたいなものだからだよ

俺は映画館を出た時にはたくさん言いたいことがあったが、宿舎に帰ってきた時には庵野に対する文句しか残らなかったよ!

この十数年の間でレイのファンは徐々に離脱していったが、ここに来てアスカのファンがダメージと共に消えて行っているように感じられる

劇中で「好きだった」という言葉が出てきた時点でアスカルートはもう終わったというのが明らかだ
しかし見ている側としては納得できない

旧劇場版はアスカエンドだぞ?既にルートは終わっているから今回は別ヒロインというわけさ!

あの世界の中でアスカに対して父親的な役割、保護者的な立場をとれるキャラになれそうなのが成長したケンスケだけだったからでは
加地は死んでいるし、ネルフの人間は他人のことを考える余裕が無い
トウジはヒカリとくっつくし、ならケンスケという選択になる

生き残った男性キャラの中でアスカの父的な役割にあっているのはケンスケくらいだろうしね
新キャラはシンジ向けで使ってしまったから使い難かったろうし

私はTV版のアスカのシンジに対する感情には辟易していたから劇場版の終わり方でも構わないと思った
シンジにはアスカを救えないのだから二人がくっつくのは破滅エンドしかなかった
破滅しない終わり方にするにはシンジに新ヒロイン、アスカに父性のある相手役というのは無難な所ではあるが……

ストーリー的には消去法とはいえ、旧劇場版の扱いや人間関係を考えるとまだマシな方ではある
あの世界観で他人のことを考えられる人間になれるのは成長した子供世代のキャラ、トウジやケンスケくらいだろうしな

TV版だと大した描写は無いけど、外伝作品だと描写にぶれはあるがケンスケはアスカが好きというのがハッキリと出ていることが多い。
負け犬幼馴染なアスカをケンスケが慰めるような展開もそれなりにあったし、劇場版のあれも落としどころとしてはそこまで意外でもない
納得できるかは別だけどね!

何がヒドイって、シンジだけが子供のまま十数年の時間が経っているというのがまずヒドイ展開だ。破の時の盛り上がりはなんだったのかと。
リアルではガイナックスの終焉と版権問題など、庵野秀明とエヴァに多くの困難が降りかかっていたからシンジが良い具合に成長してハッピーエンドなんて無理だったのだろうけど、作品として残るのがアレでは批判自体は仕方ないとも思ってしまうよ。

作中時間で14年一気にスキップして場所も第3新東京市以外にした結果、おかしな部分がたくさん出ている
アスカの扱いもその一つだから適当に流しておけばいい
公式で複数の世界線があるのを肯定しているわけだしな

「Q」以降の路線変更だか迷走だかは擁護できんよ
映画館で私は最後のシンジが真希波に連れていかれるシーンもなんだか冷めた気分で眺めていた
あれで自分にとってエヴァは終わったと感じたし、アスカとケンスケに関してもそういう風にぶん投げたかと考えるだけ

何て言うか……私にとってあの終わり方は妙にバッドエンドルートに思えるものだった
私がアスカファンだからというのではなく、あのシンジは「破」までのシンジではないというのを強く感じたから

アスカとレイのカップリングに勝者を作らない、新加入のヒロインを劇場版でくっつけるというのはエヴァというIPにとっては最高の選択だ
しかし古いファンにとっては唾棄すべきものだ

最後の全員帰っていく、エヴァの無い世界で無関係な人になっていくというのも悪くはない
碇シンジと真希波マリ、綾波レイと渚カヲル、式波アスカとケンスケのカップリングもね
そして私がずっと好きだったのは惣流であって式波ではない
だから悪くは無いんだ……

公式側も結構解釈としての逃げ道を用意しているけど、ファン側のダメージ減少に大して貢献していないように見えるのは興味深い

シンジが長年眠っていたこと、惣流ではなく式波だから「あのアスカ」ではないことなどの材料はあるんだけどね
それにケンスケはエヴァでは珍しくシンジに対して距離を尊重してくれるキャラで新劇場版では更にそこが大人として成長した描写もあったんだが

新劇場版の式波なアスカがクローンだというのを考えると、そのままシンジとくっついたらそれはそれで問題になった気がする

旧劇場版のアスカはどうなったのかでモヤモヤは残りそうだしな

「シン・エヴァ」は改めてアスカはお前たちの嫁じゃない、誰の嫁になろうがお前たちには関係ないというのを突き付けてきたのだろう
現実に帰れというのは昔のオタク向け作品でよくある展開だし、エヴァはまさにそれが正しいとされた時代に始まった作品なわけで

それ以前に考えてみれば成長した俺達がアスカと結婚したいと思うか、レイと結婚したいと思うかという話が……
昔は確かに好きだったけど今の自分の感覚で好きになれるかは別の話になってきている

既に言われ尽くしているがアスカに必要な役割がシンジにはできないし、シンジに必要な役割がアスカにはできない
そして新劇場版でシンジには真希波があてがわれたが、アスカにはこれまでそういう存在が無かった

言ってみれば昔の作品によくある、最終回付近で急に成立しまくるサブキャラ、負け犬キャラの公式カップリングみたいな所もかなりあると思う

ケンスケが若い時の庵野秀明によく似ている、だからアスカとくっ付けたという話はどうなんだ?

それをいったらエヴァのキャラは大体庵野秀明の分身という解釈が可能だよ
ケンスケはその中でも庵野要素は薄い方だ

最近急に「庵野が自分を投影しているケンスケ」みたいな話が増えてきているのには何とも言えない気分になる
他にもあれは本来のケンスケではなく着ぐるみのようなもの説とか
昔はシンジが庵野秀明が皮をかぶった存在みたいに言われていたのだが

当時のガイナックスには成熟した大人、人生経験や正しい道理をもった大人がいなかった
そんな中で生まれた庵野秀明の分身、投影的なキャラであるシンジとアスカがくっつくのはやはり不可能だったのだろう



とまぁ、こんな感じで。
場所によって熱くなったり、淡々としていたりと中国オタク界隈でも「シン・エヴァ」に関してはイロイロな受け止め方があるようでした。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「レイのファンは今の中国オタク界隈ではあまり目立たちません。昔のように女神と崇拝する人は見かけなくなりました。アスカのファンはまだ元気な人がいますし、国内の『シン・エヴァ』の上映で再度ダメージを受けている人も見かけます。そんなアスカファンが今後どうなるのかは私も分かりません」

「私は映画館での体験をしてみて日本のエヴァファンが急に静かになった理由が分かりました。『シン・エヴァ』とは昔からのファンがエヴァを卒業するイベントだったのですね」

などといった話もありました。

私も「シン・エヴァ」を見てからはエヴァに関する感情が妙に落ち着いたような所がありますし、様々な意味で区切りになるような作品なのでしょうね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「日本では『アスカがシンジを好き』が説明不要な正解なのか?」「こっちでも基本的にそれが正解では?」「好きと言ったら逆に理解不足だと突っ込まれる部分だろう」

中国オタク「日本の作品の勇者に関して教えてくれ。『俺は勇者になる』は分かるが『俺は勇者だ』はちょっと分からない」「『俺は勇者だ』の方が正しいことは多いはず」

中国オタク界隈では日本のアニメやマンガ、ゲームなどに出てくる定番要素に関する話題で定期的に盛り上がったりしているそうですが、そういった定番要素の中には中国に入る作品の変化や情報の蓄積により印象や解釈が変化していくものもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「勇者は職業なのか称号なのか分からなくなってきた」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の異世界系作品の勇者に関して教えてくれ
今更な話だけど「俺は勇者になる」というのは分かるが「俺は勇者だ」というのがちょっと分からない
「勇者」は職業なのか称号なのか、よく考えたら分からなくなってきて

そこは作品次第だからなあ……

俺も勇者の定義に関しては自信がない
勇者の元ネタとされる「DQ」にも勇者が目立たない作品があるしね

恐らく「俺は勇者だ」の方が使い方として正しいことは多いはず
日本の勇者は主人公専用職業で後からなる、なれるものではない設定が多い

確かに
私は最近「DQ」のリメイク版1、2を遊んでいるけど、あの勇者の概念って「3」から出たものでそれ以前はあまり確固たるイメージは無かったようだ

「DQ」も長いシリーズだから勇者の設定も様々な種類があるからな。
「1」は勇者の子孫だから勇者、「2」は勇者の子孫と王家の身分が組み合わさるのと勇者内で各キャラの能力が特化されている。
そして「3」は他の職業のスキルも使える万能型主人公で勇者の能力に関しては「3」の影響が非常に強い。
まぁ現代の異世界作品に出てくる勇者に関しては「勇者とは神に選ばれた特別な民」だと思っておけば大体問題無いよ

「勇者」はゲーム的な高級職くらいに思っておけばいいかと
作品内の称賛に関してもその職業にクラスチェンジできているから強いはず、だからスゴイみたいな文脈も多いだろうしね

異世界の「勇者」って基本的には職業なので「俺は聖騎士だ」みたいなのが多い
JRPG、それも「ドラゴンクエスト」からの概念だからそれをベースにした日本の異世界特有の概念とも言える

そうなのか
アニメそんなに見ていない俺でも日本の作品は「勇者」という言葉を使うのが大好きだと感じているのだけど

私も混乱するのは理解できるよ
「葬送のフリーレン」とかを見ても分かるように称号、尊称としての「勇者」も少なくない

確かに日本の作品の「勇者」って当初は職業なんだけど、今では勇者を単純な職業として扱うことは少なくなっている
ある種の名声を伴った称号になっていることの方が多い

俺もそっちで考えていた
冒険者の中で大きな功績がある人間に対する尊称みたいなものだと

「騎士」も職業なのか地位なのかハッキリしないときはあるし、そういうものなんだろう

英語の訳でも「Hero」「Champion」「Braver」と安定しない言葉だしね
中国語は漢字そのままでもってこれるけど馴染みのない言葉だから受け取り方に個人差が出る

自分で言うか他人に言われるかでも違ってくる
しかし「俺は勇者だ」に対するヘンな印象については何となく理解できる

日本の異世界の勇者って「英雄」の呼称である場合と、ハイレベルな能力が保証された職業或いは戦士の場合がある

そっちの解釈か
私は「神に選ばれて魔王特攻をする使命のあるキャラ」という認識が強い

ゲームなら職業、ユニットの一種でいいけどアニメやマンガ、ラノベの場合は作品次第だ
能力の他にリーダー的な役割になっていることも少なくないので地位的な意味が強い職業の場合も……

ビジュアル的な所から判断するという方法もある
宝珠付きのサークレット装備で手袋、マントなどがあれば「DQ」系のテンプレ勇者、勇者の身分や名声と職業としての勇者の強い能力を持っているキャラと見ればそれほど外れないはず

「DQ」の影響としては主人公専用の職業として扱われていることも多かったというのがある
だから英雄、主役的な存在或いは主人公に叩き落される存在としての「勇者」が異世界ではよく出てくる

日本の勇者は職業として始まったものだけど、今の異世界では尊称的な部分がかなり大きくなっているかと
勇者が強い、或いは強くなれる主人公的な万能系職業という意味もあるけど、それより前に名声が来る感じかな

勇者が聖騎士みたいな職業という例えは合っている部分もあれば間違っている部分もある
最も影響が大きいと思われる「DQ」だと雷系魔法が勇者専用魔法

イメージ的には光魔法が勇者専用っぽいが……

光魔法がそうなっていることもあるよ
ただこれは私の見た範囲の話ではあるけど勇者専用魔法が光魔法ではない作品の方が多い
光魔法は神官や僧侶、聖女や聖騎士などのクラス専用魔法とされることも多い

そういえば日本のファンタジー作品って勇者の他に聖騎士も普通にいるよな

尊称として強調されていなければ強めの職業、作中登場人物の共通認識としてのレアな職業と思っておけばいいと思う
性能的には全パラーメータの成長率が高く、妙な補正がやたらとかかる強化型魔法剣士

そうそう、装備や条件付き発動の特殊能力など世界観による補正もついているね
みんな大好きな「ランス」の勇者の世界人口死滅率によって爆発的に上がる補正も、この世界に選ばれた勇者に対する補正を悪趣味に尖らせたものだ

日本語に昔から「勇者」という言葉自体は存在したようだが、現在のファンタジー世界の職業の「勇者」の意味を創造したのは「DQ」だ
だから異世界系作品で勇者という言葉が出たら多かれ少なかれ「DQ」の、剣で戦い魔法も使えて単体、全体の強力な斬属性攻撃が使えて全体全回復魔法が使える勇者の影響を受けていることになる

能力は時代やシリーズ作品によって違うしそれなりに幅がある
昔の「DQ」系のテンプレイメージだと、剣装備で火球魔法と小治癒魔法が使えて、大技で電撃攻撃があるといった所で、性能的には恐らく元ネタの一つ「ウィザードリィ」の侍とロードを合体させたものだった

私は「ファイアーエムブレム」から日本のファンタジー世界観のゲームに入ったので、勇者は単純な剣斧が使える上級歩兵というイメージが……

「FE」は傭兵の上級職だっけ
その場合は名声を得た傭兵という感じだろうか

「FE」の第一作が出た時期を考えると、「FE」の勇者は雑に剣歩兵の上級職を決めたようにも見えるね。
敵側の一般勇者も結構出てきたし、当時はまだ勇者のイメージも今のように固まってはいなかったのかもしれない。近年のシリーズでは「勇者」ではなく「ブレイブヒーロー」という名称に変更されている。

現在の異世界における勇者に関しては強さもだけど、「特別な存在」「神などの何かによってえらばれた存在」など、言ってみれば「凡人」とは違う存在に関する記号という面がかなりあると思う
「DQ」における勇者は当初プレイヤーの分身としてデザインされた存在だから、作品の主人公ポジションだという記号として便利なんだよ
そして現在の異世界ではそういったテンプレを主人公がチートでぶっ壊すのが流行りだから、傲慢な敵キャラや主人公を引き立てるための踏み台になりがち

なるほど……そういう意味では現在の日本の二次元において勇者とは悪役、失敗するキャラの属性として良い扱いにはならない職業、称号ということにもなっているのか



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の認識なども含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「『ドラゴンクエスト』のような選ばれし者としての勇者は現在の中国では話のロジックとしては理解できても主人公としてはあまり好まれないと思います。中国のネット小説でも特別な主人公はとても好まれますが、神や天に選ばれる勇者よりも自分が特別な方法を発見する、伝授されるような展開の方が好まれます」

「好き嫌いは別として、現在の日本の異世界系作品に多い、主人公と対立或いは主人公の邪魔をしてくるような勇者の方がキャラクターの設定としては理解しやすいという言い方もできます」

などといった話もありました。

私は塊を転がすのに忙しいので「ドラクエ1&2」はまだ買ってないなのですが、今回のリメイクはどうなんでしょうかね。
私にとって「3」は基本さえ押さえていれば楽しめるのは確実でしたが、「1」と「2」はリアルタイム世代ではないので思い出補正もありませんし、聞こえてくる評判も両極端なので実際に買うまで分からなそうです。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「二次元の勇者は世界を救った後に王にならないことが多いけど、なぜだろう?魔王を倒して救った国の王になるというのも定番の展開だと思うのだけど……」

こちらは2013年の記事です。
中国オタク「勇者って結局どんな存在なの?パラディンみたいなもんでいいのか?」

中国オタク「メイドは二次元ヒロインの重要属性だけどヒロインとして勝ったメイドキャラってどれくらいいるの?」「負け犬イメージは無いが勝つイメージも無い」

今回はありがたいことに以前教えていただいたものの後回しになっていたネタで。

オタク文化のアイコンの一つにもなっているメイドですが、中国オタク界隈でもメイドに関する知識やイベント経験は順調に積みあがっているそうですし、二次元作品におけるメイド属性に関する議論が盛り上がることもあるのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「メイドはヒロインとして勝てるのか?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


メイドは二次元ヒロインの重要属性の一つだけどヒロインとして勝ったメイドキャラってどれくらいいるの?勝ち負け以外で一番人気になったとかでも良いので知りたい

確かにメイドが勝つハーレム系作品ってすぐに思いつかないな

「エマ」みたいに最初からメインヒロインが確定しているならともかく、恋愛でかつパターンか……何があったろうか?

言われてみれば負け犬になるイメージはあまり無いけど、勝てるイメージもあまり無い

一番人気で良ければ「リゼロ」のレムが近年最も有名なキャラじゃないか?
ストーリー上で勝っているかはまぁ、その……

メイドガイる=主人であるお嬢様キャラがいるということでもあるし、その時点でイベント的には不利になるからね

メイドとくっつく=その主人の下になる、そこまでいかなくても管理対象になるわけだからメインルートとしては扱い難い
そして貴族、お坊ちゃんキャラが主人公の場合、メイドは幼なじみの亜種だ

ヒロインではなく主人公がメイドの立場なら勝てるけど、スレ主が言いたいであろうことからは外れるか

自分の中だとヒロインレースにおけるメイドキャラは「かぐや様は告らせたい」の早坂愛みたいに良い所までいくけど主人のお嬢様キャラなど別キャラに譲ることが多くなる印象

そこで自分を強く出す、自分を優先するのはメイドとして解釈違いになりかねないし難しい所だよね

「まよチキ」はメイドがメインヒロインで勝者じゃなかったっけ?

俺もこのテーマでは「まよチキ!」を思い付いた
でもあの作品って主にメイドじゃなくて男装執事の方では……?

言われてみれば俺も「ハヤテのごとく!」のマリアなど、好きなメイドキャラは思い付くるが党争の勝者みたいのはちょっと出てこないかも

「死神坊ちゃんと黒メイド」のように最初からメイドがアピールされていれば勝つ!

近年の正室固定系ハーレムだとそうなるね
でも昔だとギャルゲーの分岐ルートくらいでしか勝ちはなかったと思う

ハーレム系作品を探せば見つかりそうではあるが、同年代ヒロインが中心の作品だとメイドは難しい
既に言われているようにお嬢様キャラとセットになるわけだし

作者側からすればお嬢様とメイドをセットにした方が何かと得で便利だろうしね

「メイカさんは押しころせない」みたいに最初から勝利が確定している作品は見るけど、競争で勝てるメイドヒロインはすぐに思いつかないな

最初からメインヒロイン扱いとか、メイド特化とか作者の寵愛を受けるポジションだと強い
しかし複数ヒロインの一人だと目立たなくなって厳しい

昔から「円盤皇女ワるきゅーレ」の真田さんみたいに存在感のあるメイドヒロインはいるが、便利なサブキャラになりがち

エロゲーなどの、メイドジャンルの作品なら強い
当然の話ではあるが

エロゲーやエロ漫画などではシチュエーション固定で読者への説明も簡単に済ませてエロシーンに突入できるからとても強い
しかし長編ストーリーになると難しい

日本の作品にありがちな「偽後宮」は最後に一人だけ選ばれる展開だ
そしてその際にお色気要因、種類を増やすための数合わせ要因的なキャラは選ばれない
気の毒だが「メイド」はそのお色気要因、数合わせ要因になりがちな属性なのだよ

「アウトブレイク・カンパニー」はメインヒロインがメイドだったし、異世界転移系の初期パートナーとしてのメイドからの勝ち組ヒロインはありそう

メイドジャンルで思いついたがエロゲーの「河原崎家の一族」のような館と名家を舞台にした作品ならメイドがヒロインとして勝てるのではないかと

エロゲーならヒロイン全員メイドみたいなのも定期的に出ているね

メイドという属性の前提に身分、階級の違いというのがあるから婚姻関係になった時点でメイド属性が消えるからヒロインとして勝つのは困難だ
結婚してエンディングということにはできるけど、その後の作品展開としては使い勝手が悪過ぎる

言い方は悪いが、メイド属のキャラって付属品になりがち
人気が出ることはあってもストーリーの中心、着地点にはなれない

いると便利、活躍させやすいキャラではある
しかし女性キャラ主人公でもメイドより主人のお嬢様が主人公な作品の方が多いように、舞台装置としての良さの方が目立つ

メイドで勝てるのは少ないけど、奴隷から正室にクラスチェンジして勝つヒロインはかなり多い気がする

その意見には同意する
いつのまにかメイドではなく奴隷がハーレム系の重要ポジションになってきた気もする

異世界で下からのし上がっていく場合、最初からメイドヒロインを出すのは難しい
上の方で異世界転移系の初期パートナーとしてのメイドについて言われているけど、日本の異世界作品におけるそのポジションは奴隷キャラが担当していて、メイドはあったとしても奴隷のサブ属性になっていると思う



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の認識なども含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国オタク界隈でメイドは眼鏡のような不要論が主流の嫌われ属性ではありませんが、積極的に好きだと言われるような人気属性でもないです。中国では流れてきた成人向けマンガに出てくるメイドキャラを見て目覚めてしまう人は昔から定期的に出ていますしイベントでメイド系のキャラのコスプレが目立つことも少なくありません。しかしメイドのヒロインが大好きだという集団を意識する機会はあまり無いかもしれません」
などといった話もありました。

実の所、私自身はオタク分野におけるメイドに関してはあまり詳しくありません。私の中国に留学していた時期に爆発的に拡大したジャンルなので、当時日本に帰ってきたら自分の感覚が完全に遅れているのを強く感じました。
そんな訳で中国オタク界隈のメイド関連のやり取りについてもずっと自信が無いままだったりします。

とりあえず、こんな所で。
今回は私もあまり自信が無いのでいつも以上にツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「スーパー戦隊が終了らしい。50年続いたのに終わってしまうのか……」「特撮シリーズはストーリーが評価されても玩具が売れなきゃダメなジャンルなんだよ」

先日スーパー戦隊シリーズが今期で終了するという報道がありましたが、ありがたいことにこの件に関する質問やネタのタレコミをいただいておりますので今回はそれについてを。

近年の中国オタク界隈では特撮ジャンルの存在感が増していますし、中国国内向けの正規配信も比較的安定していることから一昔前と比べて日本の特撮に注目する人は増えているそうで「スーパー戦隊終了」の報道に衝撃を受ける人も出ている模様です。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「スーパー戦隊が終了」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


スーパー戦隊が終了らしい。
50年続いたのに終わってしまうのか……

突然過ぎるよ!
俺の中では三代特撮シリーズの中で一番安定している印象もあったんだが

バンダイの資料だと仮面ライダーと比べて収益がかなり低かったし、消えるなら戦隊シリーズということになるのだろうけど……うーむ

私は今オタクの歴史の転換点を目の当たりにしているようだ
しかしこういうのは体験したくなかったな

突然の話だし、なんだか信じられない。日本のニュースでは続報が出てないし公式発表もないからまだ様子見だ!

日本の主要メディアの各所で報道されているからほぼ間違いなさそう

この件を最初に報じた共同通信は日本のメディアの大手でかなり権威のある所だからほぼ確定じゃないかな……

しかしようやくこっちでもシリーズの正規配信が出てファンの間の知名度や知識も上がってきていたのにね

戦隊シリーズは別に赤字じゃなく儲かっていたんじゃないの?
ストーリーの質は安定しているし評価も高いと聞くが

特撮シリーズはストーリーが評価されても玩具が売れなきゃダメなジャンルなんだよ
それが原因で子供向けな内容に路線変更された作品は少なくない

戦隊シリーズのロボと五人分の武器のフォーマットは今の時代に合わないのかね

今はソシャゲに子供の金も吸い取られているからね……
あと日本の知り合いから聞いた話だと、日本の玩具売り場で特撮ジャンルはどんどん縮小していてスーパー戦隊は特に売れない、場所を取るから厳しいということだった

他の人も言及しているバンダイの資料にあるIPごとの売上げで見ると「スーパー戦隊」は「ウルトラマン」の約1/2、「仮面ライダー」の約1/5しかない
アニメIPとの比較だと「NARUTO」の1/4、近年苦戦していると言われている「プリキュア」と同レベルでそれと比べても低い

バンダイの財務資料を見ると特撮が儲かってないのが分かるよね
そして「ガンダム」「ONE PIECE」「ドラゴンボール」が凄過ぎるIPなのに驚く
なんで「ドラゴンボール」が現代でも売上げ伸び続けてるんだ……

その3つの強さには俺も驚いたが、特撮関係の順位については想像の範囲内ではあった
「仮面ライダー」は現在の特撮の中心、「ウルトラマン」は中国で人気が高いけど日本ではそこそこレベル、そして「戦隊シリーズ」は知識の中の存在だ

こっちでは五色戦隊ネタは知っていても、スーパー戦隊そのものをきっちり見ていた人は少ないからね

俺も断片的なネタは知っていてもシリーズ通して見ているわけではないしな……

かつてメタルヒーローが消えたようにスーパー戦隊も消えるのか
俺達が愛した「ビーロボカブタック」を今の日本人に話すと「知らない」と返ってくるようになってしまうのか!?

言われてみれば……将来的に俺が見た戦隊シリーズ作品が「ビーロボカブタック」みたいになる可能性もあるということ?
(訳注:「ビーロボカブタック」は過去に中国のテレビで放映されてかなりの人気になったそうです。よろしければ過去記事の中国オタク「中国でしか人気が無い、中国で大人気だけど日本では人気が無いと『思い込んでいた』作品について語ろう」などもご参照ください)

結局は儲からないから消える、ということなんだろうか
しかし上で言及されていたバンダイの資料によると「プリキュア」と同じくらいなのになぜ「プリキュア」は打ち切られないんだ?

1000億円以上稼いでいる「ガンダム」「ドラゴンボール」「ONE PIECE」と比較すると同じくらいに見えるかもしれないが、「プリキュア」は「戦隊シリーズ」より10億円以上稼ぎが上だ
あと「プリキュア」は昔ファンだったお母さんとその子供が戻ってきているから上昇傾向が出ているという事情もあるとか

そもそも「プリキュア」は女児向け市場のIPだから特撮市場とは稼ぐ場所が完全に違うし、日本の女児向け市場を独占している状態という言い方もできる
それに対して特撮市場は「ライダー」「ウルトラマン」「戦隊」で同じ市場を奪い合っているし、今ではどれも財団Bの傘下だ
「ライダー」と「ウルトラマン」は日本国内市場とアジア地区の日本国外市場である程度住み分けできるが、戦隊は日本国内で潰し合いになってしまう

「プリキュア」は映画が作りやすいし売りやすいんだよ。日本映画市場におけるアニメ映画の強さも有利な材料だ。
それに対して特撮は映画の制作コストが高くスーツや着ぐるみの問題などで過去の人気キャラ資産の活用がアニメと比べて簡単じゃない。過去作のキャラを使うコストがアニメと比べてかなり高いという問題がある。

特撮は制作コストの違いというのも無視できないよな……制作コストはかつて「ウルトラマン」が中断した主な原因の一つだ
実写、着ぐるみ、昔ならば特撮模型現代ではCGというコストが膨らむ要素が絡む

こう言っては何だけどライダー関連でシリーズ終了の危機みたいなネタはよく出ていたけど、戦隊シリーズの方で突然現実になってしまうとは思いもしなかった
儲かっていないというデータを見れば理解はできるんだが、私の心がどうも納得してくれない

そもそも仮面ライダーやウルトラマンでさえ消えていた時期があるし、特撮の御三家シリーズが常に続いていたわけではない
戦隊シリーズが儲からなくなったら終了或いは中止になるのもあり得ない話ではなかった

ずっとIPとして稼ぎ続けてきたのがスーパー戦隊だけど、現代の最新環境には適応できなかったということか

ニュースではレッドが戦隊不倫したのがとどめになったという話も出ているが、そういう役者の方の事件で作品にダメージが出たことは過去になかったの?

普通にあるよ
例えば地獄大使などを演じていた潮健児は戦隊シリーズでも重要な敵ボスを演じていたんだけど「バトルフィーバーJ」に出演中に麻薬で捕まって降板したとかがある

特撮シリーズは子供向けということもあってかスキャンダルが表に出難いジャンルだったから今回の報道はダメージがでかいという見方もある
あと今回の不倫事件は売上が落ちている中での発覚、現代のネット環境と作品配信ビジネスに関する影響の大きさなど昔とは違う部分も多いので昔は大丈夫だったとはいかないのかもしれない

特撮の出演者に関する事件で影響が大きかったのだと「ウルトラマンコスモス」の主役が傷害と恐喝で逮捕された事件とかがある
これは結局誤認逮捕だったと後に判明したが、放映当時は最後の方を番組打ち切りと総集編でしのぐという惨事になり平成第二期が数年止まった

正直に言って私の中では「ウルトラマン」のシリーズ中断頻度を考えるとスーパー戦隊シリーズはよく続いていたという印象になる
一度止めて仕切り直し、IP活用法の整理とかもアリなのでは

逆に言えば特撮シリーズで唯一中断が無かったシリーズだから、日本の特撮界隈の衝撃が大きいのかもしれないな
これは恐らくこっちの特撮ファンは実感できないだろう

国内の特撮界隈の原点って「恐竜戦隊コセイドン」だし、昭和ウルトラマンが長く続いてその後は「ティガ」、「ゼロ」最近は「Z」で増えたライト層の存在感が強い
ライダーはオタク中心なマニア向け、そして戦隊シリーズはファン層が形成されたのは本当に最近の話だからなあ

個人的な印象だとこっちで戦隊シリーズの話題が増えたのは「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」から
それ以前は井上敏樹関係で話が出るくらい?だから「ジェットマン」最終回の結城凱ネタとか妙に通じる



とまぁ、こんな感じで。
今の中国オタク界隈の特撮に関するイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「作品によってはシリーズ存続問題に関しては中国のファン界隈で話題になることがありますし、私も『遊戯王』や『ポケモン』などでもアニメが終わるかもしれない、終わるという話題に関する議論は度々体験しています。しかし戦隊シリーズに関して中国国内ではそういった危機があまり意識されていなかったように思います。これは中国国内における戦隊シリーズの人気と知名度の低さの表れだったという見方もできるかもしれません……」
などといった話もありました。

戦隊シリーズの合体ロボなどは「ウルトラマン」や「仮面ライダー」と比べて中国に展開するのが難しそうですし、やはり今の時代の環境では厳しいのでしょうかね。
中国でも中国名「変形混合」こと「トランスフォーマー」は売れていますし、戦隊系含む合体ロボの海賊版玩具がよく売られていた時期もあるようですが、現代中国の子供の人気や保護者の考えからするとやはり難しい気も……

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「中国でしか人気が無い、中国で大人気だけど日本では人気が無いと『思い込んでいた』作品について語ろう」

中国オタク「特撮ネタを今更追いかけているんだが、特撮の主人公側の装備のセキュリティってどうなってるの?盗まれる奪われる話多過ぎない?」


11/2修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「最近、人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになるという設定が非現実的に思えるようになってきた……」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では日本の作品における定番の設定に関する話題で盛り上がっているそうですが、その際に中国オタクの面々の認識の変化が反映されるような議論になることもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになるという設定が非現実的に思えるようになってきた」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近、人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになるという設定が非現実的に思えるようになってきた……

「ガンダム」に限らず昔の作品の定番設定ではあるが、確かにそれは感じる
全世界的に高齢化しているし、インドですら人口増加率に陰りが見えてきた

「ガンダム」に関しては数十年前の作品だから仕方が無いけど、現在の感覚だと科学技術が発展して生産力も増えて人口も爆発的に増加するという考えはなんだか無邪気に思えてしまうよ

技術が発展して生産力が上がり人口も増え続けるというのは昔の作品の未来予測の一つになっていくのかもしれない
まあその時期の国産作品を見るとなんでも科学技術の発展で解決できる自然改造だって簡単だというパターンだったりするけどね……

そういう感覚はなかなか消えないし、主なターゲットを上の世代にするならその感覚で作品を作り続けても当面は問題無いだろう
こっちでも人口に関して数十年前の感覚でいる人は少なくないわけで

増え過ぎて大変なことになるというのはまだいい
ずっと増え続けると考えている方が問題だ

それはそうだ
ウチの国も人口増え続けるものだと思っていたし増えていることになっていたしどうするのかと

まだ人口は多いと考えている人はかなりいる
昔より目立たなくなったけど中国には膨大な市場があるアピールをする人間は普通に見かける

その膨大な市場って一人当たりの使う金は少なくても人口が多いから稼げる、その後使う金も増えるという話だからね
そして実際に大きく増えたのは手続きに関するコストと中国独自のめんどくさいリスクだったという

人口増加の扱いに関しては、SF作品は作られた時代に見えている範囲の未来でしか書けないという例の一つなのだろう
人口増加に関する不安、危機意識は昔と今では全然違う
俺の子供の頃は子供は量よりも質、集中した良い教育が正しい空気だった

その手法自体は正解ではある
今は学費や親の余裕の関係で量よりも質、リソース集中型以外に選択の余地が無いから……
社会が発展して技術が進歩すると親の世代の生活と結婚の難度が上がるし子供を増やしても自分の家、子供が勝てないなら意味が無いというのを皆意識してしまう
これに関する予測自体は昔にもあったのかもしれないけど、昔は実感が無かったということなのだろう

受験戦争が激しいアジア圏特有の問題かと思いきや、世界的にそうなっているからなあ
私はウチの国もいずれ落ち着くだろうとは思ってはいたが想像よりもはるかに早かったし、日本の二次元作品の設定が追い付かないのも無理はないと思う

まぁ人口問題に関してはその世界観独自のある種の設定や思考実験として見ればまだ普通に楽しめる
藤子不二雄のSF短編作品もストーリーや発想として面白いのと、当時はそういう考えだったのかという点で面白いのがあったりするしね

でも「ガンダム」を見ていると未来の重要な場所になるのはインドみたいに今の現実とリンクしそうな要素が出てくることもある
もちろん制作当時の意図とは違うのだろうけど

近年のシリーズは地球よりもコロニーの方が上流階級だという設定や解釈が出てきたり、昔の設定でもいずれコロニー側が中心の宇宙戦国時代になる、技術や生産力が歪んでいくという部分があるのもちょっと面白い

SF要素に限らず昔の作品で人口増加問題が大きく、いつまでも続くものとして扱われているのって、IPとしての価値が高い昔の名作がベビーブームに重なる時代に大成功した作品という側面もあるのかもしれない

自分もきちんと調べたわけではないが、ベビーブーム世代の成長と消費が重なったというのはありそうな話に思える
もちろん昔は娯楽が単純でそこまで競争が激しくない、成功した作品が人気を独占しやすかったというのもありそうだが

いや人口爆発問題ってそんなに前のものではないぞ?
比較的最近まで人口増えすぎ、地球がもう持たないみたいな話は多かった

10年くらい前はまあ人口爆発による国や世界の危機の方が主流の考えだったよな
地球人口70億に、そしてそれ以上に!みたいな言論も珍しくは無かった

そうそう、十数年前の新聞とか調べてみればハッキリ分かるよね
ウチの国の主流メディアだって我が国の人口は過剰だ、計画出産計画生育が必要だ、それでどうにか2050年には安定する!
みたいな論調だった。なお実際は

10年くらい前の新聞を見ると人口に関して楽観的過ぎると思えてしまうし、ガンダム所じゃないのは確かだ
実際はその時点で対策をとっても遅すぎたレベルなのに

むしろ日本の作品の場合、少子高齢化が進んでいるのに人口増えすぎて宇宙に人が移住する作品を作り続けていたという話になるのではないかと

それに関しては日本以外の国の人口が爆発している(ように見えた)のに加えて、日本社会が問題はあれど安定した方向で少子高齢化問題が進んでいるというのもありそう

それでもアフリカなんかは食糧問題さえ解決すれば人口が増大して発展する潜在力はあるわけだし場所によってはまだ有効だろう
アフリカにこっちの企業が進出して工業化を進めているのだってそれを期待してのものだ

そのアフリカでも近年ナイジェリアで出生率の低下、少子高齢化の傾向が出ているからなあ……人口が増え続ける期間や条件、それを現代社会の環境で成立させる難しさも見えてきている
そのうち「人口が増えすぎたから宇宙にコロニーを作る」というのは古いSF的な概念になっていくのかもしれない

科学技術が発展して生産力が向上しても人口が思ったより増えないというのが現実的になるということなら、あの支配している広さ、星の数のわりに妙に人口が少ない「銀英伝」の方が正しく見えたりするのだろうか?

銀英伝の帝国はよく分からん農奴制度が成立しているからどうなんだろう

あの作品の農奴ってすぐにSF的軍事兵器や戦艦の人員になれたりするスゴイ農奴だし……それかSF的な軍事教育システムがあったりするのかもしれない!

右肩上がりでGDPを上げても大多数の民衆の負担は重くなるばかりだし出生率も下がる、人材も流出するし流出した先で人口が増えるわけでもないという夢の無い未来

実際に技術が発展するとリソースの奪い合い、競争の激化が発生して優秀な人間以外は稼げなくなっていく

未来はAIで人間の仕事が減るから仕事しないで良いみたいな話も、結局は人間の稼げる部分が減る、その減った残りの部分の奪い合いになってるからな
そして親にとって子供が成功できるように育成するコストは上がっていくし、教育内容が環境変化に対応できないリスクも昔よりも段違いに高くなっているから人口増え無くなるのは分かる

私も結婚して子供を作らなきゃいけないという考えはあるけど将来の費用を考えるとな……まぁ自分はそれ以前の家が無いから結婚できない段階で止まっているが!

結局の所、生産力の向上では生産関係の問題を解決することはできない!
ところで生産力と生産関係の矛盾を解決する流れはどこ……?



とまぁ、こんな感じで。
現代の環境と昔からの変化に関してイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「近年の国内では人口が多くて強い国、或いは強い国になるというイメージだけでなく人口が多くて負担や問題が大きくなるというイメージもかなり出てきているように思えます」
などといった話もありました。

個人的な印象になりますが、近頃は上のやりとりにもあるような人口を絡めた中国市場の大きさの話を中国オタク界隈でも見かけることが少なくなっているようにも感じるので、人口関連の認識が一昔前と比べて変化しているのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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日本からだと存在そのものを疑われる事も有った北京の漫画喫茶B3は現地の制度変更や地価高騰の影響で伝説の彼方の存在となってしまいましたが、中の老板は相変わらず活発に動いてらっしゃいます。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

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