「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

2006年04月

北京にメイドカフェ出現か!?

身内に不幸があったので連休はそっちにかかりきりになりそうな気配です。
私が中国に行っている間でなかったのが不幸中の幸いとでもいうべきでしょうか。

それはともかく、4月末から5月中旬にかけて北京日本文化センターでJAPANIMATION展が開催されるそうです。
詳しいところは
ココ
ココ
を。

その中ではガンダム展にも興味をひかれますが、何より驚いたのが5月13日に再現されるという日本のメイドカフェ「MAID in Japan café」
確かに、日本のカルチャーって言えばカルチャーだよなぁとある意味感心してしまいました。
「エマ」が中国で結構受け入れられていますし「メイド」というものについては中国オタクの間でも一定以上の理解は有ると思います。この「メイド」が日本経由の「メイド」なんでメイドカフェについても問題なさそうといえばなさそうです。
先日日本に研修旅行に来た中国オタクチームも
「秋葉原に行ってメイドカフェに行く」
というのを一つの目標にしていましたから、結構需要は有りそうです。

メイドカフェをそもそも中国語で何て言うのか。
(直訳で女僕珈琲店?それともそのままmade cafeと英字表記?それとも別の訳が?英国式服務とかそういうのでもなさそうですし)
店員は日本人か中国人か?
(そもそもサービスは中国語なのか日本語なのか)
中国語なら
「お帰りなさいませご主人さま」とか「行ってらっしゃいませご主人様」
等の基本的な言い回しはどうなるのか?
(たぶん「歓迎您回来,主人」と「請您走好,主人」じゃないかとアドバイスをもらいました)
といった疑問はつきません。

そういうわけですから、開催のおりには是非見に行ってみて、報告してくれると嬉しいです。>ヒゲ店長&R山さん&北京での同学の皆&大学のサークルのツワモノ達

5月1日からGW…ではなくて

中国の習慣を引きずったままで、うっかり5月1日も休みのつもりでおりました。
日本だと1日のメーデーは休みじゃなかったのですな。
中国だと労働節の1週間休暇ですが日本でも似たようなものだとタカをくくって具体的な日取りをスカーーンと忘れていました。
そんな訳で私内部におけるGWの有り難味がちょっと薄れてしまいました、うむ。

それで、中国では労働節の休暇に合わせて色々なイベントが有ると思いますが私が日頃ネタ元にしている捜狐の動漫ページでも7日間連続でアニメ関連の特集を組んでいます。
ココ

7日間それぞれ別の作品を扱うようなんですが、その作品は
聖闘士星矢
鋼の錬金術師
ヒカルの碁
ドラえもん
クレヨンしんちゃん
頭文字D
灼眼のシャナ

この中でちょっとウケてしまったのが、
聖闘士星矢特集での「聖闘士シャワーシーン特集」。聖闘士星矢のキャラのシャワーシーンを描いた絵を集めた様ですがやはり中国でもソッチ方面での人気が高いようですね。

それと、灼眼のシャナの特集が目を引きます。壁紙集というのが原作小説のイラストをスキャンしたものだったりするのはまぁ、ご愛嬌。
しかしこの作品、結構人気が出ているみたいですね。
日本でもトップクラスの人気を誇っている他の作品と一緒に特集されています。
ストーリー関連での評価はまちまちですが、絵やキャラクターへの評価が高いみたいです。
4月から始まったアニメで灼眼のシャナと同じ絵師が担当しているからと「涼宮ハルヒの憂鬱」へスイッチした人もいるみたいですし。

まぁ何はともあれ、GWということで。イロイロと。

ウイニングイレブンの大会in中国

中国で流行している日本製のゲームで一番人気はどれか?
という話になるとまず出てくるのがコナミのウイニングイレブンシリーズです。
中国語だと「実況足球」。
中国のゲーマーの間で「実況」と言えばだいたいこのゲームを指すと思ってもらってもいいです。
このゲームのファンは非常に多く、腕に覚えの有る人間が集まってちょっとしたゲーム大会を開くなんて事もあるそうです。
大会の規模は大学内だったり、都市だったり。北京の大学生による大会なんてのも有ったそうです。
「どこそこの大学には○○という名手がいる」
とかなんとかいう話が飛んでたりも。

それで、そういった大会関連のネタをアップしているところが無いかと探していたらちょうど南方動漫网に有りました。
コレ

広州でやった大会のようですが、結構な規模ですね。
ゲーム大会の様子も面白いんですがそこに集まった参加者の様子もなかなか。

このシリーズ、最近は中国語版もしっかりと作っていますからその辺も人気の原因なのかもしれません。もうすぐウイニングイレブンの最新作「ウイニングイレブン10」もでますからこのシリーズの人気はまだまだ続きそうですね。

2006年度中国唯一の輸入アニメはテニスの王子様?

朝日新聞に
「アニメ国産」中国必死 脱・下請けへ優遇
という記事が。

記事にもあるように中国が国産アニメを保護する政策の中で打ち出した中に海外作品の輸入規制があります。
確かに以前はやたらと輸入アニメが流れていましたが最近ではそういった輸入ものを見た記憶が無いです。
2005年度に至っては日本製のアニメは輸入されていません。
そんな厳しい状況の中ですが、今年は「テニスの王子様」が輸入されるようです。
例によって輸入許可の基準は分かりませんが、何はともあれこの作品が中国ではどんな受け取り方をされるか個人的にかなり興味があります。

テニスの王子様は海賊版作品や海賊版グッズは既にかなりの数が入っています。
コスプレ大会の会場でも作中で主人公たちの所属する青春学園略称「青学」のジャージを着た人が結構います。中国のコスプレグッズの定番になっているかと。
そんな感じで一定のファンはいると思いますが、正規ルートの放映で視聴者は更に大きく増えると思います。
コアなファンでなくいわゆる「普通の」ファンが増えた時そういった人達はテニスの王子様をスポーツモノと見るのか、美少年モノと見るのか、はたまたギャグとして見るのか。
日本では読者の斜め上を常に突っ走る作品として既に揺ぎ無い評価を確立していますが(?)中国での評価は如何に。


それから、記事に関連して思ったのですがやはり中国国産アニメの未来はまだまだ大変だなーと。
今のところ所詮子供向けだからと粗製濫造されたアニメがやたら目に付くのなんかが厳しいところでしょうか。
まず、予算も時間も無いという問題が有りますが、予算と時間が足りないのはどの国も一緒です。
それこそ宮崎アニメとかディズニー作品でもない限り金と時間に糸目をつけないなんてのは不可能でしょう。
日本でも予算と時間の都合で手抜きで作られたようなアニメが少なくないです。作画の崩壊したアニメもありますし。そんな状況の中でもいい作品は出てきます。
今のところ一番厳しいのは製作サイドの「プロ意識」というか、熱意の問題ではないかと思います。海賊版や規制等のせいで作っても正当に評価されない、クリエイターに金銭的及び精神的な利益がきちんと還元されないなど製作側を取り巻く厳しい環境が中国アニメの製作サイドの足を引っ張っています。
この辺りが中国アニメにおける一番のネックに見えたりします。

ただ、最近は結構いい作品も出てますし、以前ネタにした中国国産漫画原作の夢里人の様な作品もありますから確実に前進はしていると思います。
とりあえず、私は玉石混合の「玉」になれる作品がそのうち出るんじゃないかと気長に待とうと考えております。

中国には三国志マニアがどれだけいるのか?

今週末はHSKですが、例によって五道口の辺りは混雑しているのでしょうかね。
昔は気軽に入れる店も少なかったのでテストが終わった後やテストの有る週末はどこでご飯にしようか迷いました。
最近は選択肢も増えてそんなでもないんでしょうか?

それはそれとして、三国志の商標問題を追っかけてる時に感じたんですが中国には日本ほどの強烈な三国志マニアというかオタクって少ないように思えます。
その辺りが中国の三国志コンテンツの発展が芳しくない理由かと思ったりも。
日本人の中国のイメージの根底にはやはり三国志の影響があると思いますし、私も中国に行く時は「三国志の国に行くのか」とかなんとか考えてました。

それで実際中国に来てみて感じたのはなんというか、「違和感」でした。
中国人と話していてそこそこ三国志の話は通じるし、テレビでは三国志の大河ドラマもやっている(ちょうど三国演技が製作された頃でした)、無錫の三国城にも行った、それでも何か違っているといいますか。
この感じが、自分でもうまく言葉に纏められないんですが……
うーん、とりあえず今頭に浮かんだ違いでは、登場人物への入れ込みの差でしょうか。日本の三国志マニアは三国志の武将への入れ込み方が良くも悪くもスゴイ。

三国志って極端な言い方をすれば非常に強力なキャラクターものだと思います。
三国志の登場人物はどれも強烈な個性を持っていますし、ドラマもあります。
日本の場合武将やドラマへの接し方が違うんじゃないでしょうか。

光栄のゲームの三国志シリーズにしてもあれはゲームそのものの面白さよりも
「三国志という舞台で思い入れのある武将を動かす」
というのに面白さを感じている人が多いんじゃないでしょうか。
舞台さえ整えてもらえればあとは脳内で勝手に自分のストーリーを構築できるとでもいいますか。
私が小学生の頃98で三国志をやってた時なんぞは
「実際は揃ってからそんなに活躍しなかったし全員一緒に戦ったことも無い蜀の五虎将を大活躍させるぜ、ヒャッホゥ」
とかそんな感じで遊んでた記憶があります。
で、今は「袁家の人材をちゃんと活用して天下を狙うぜヒャッホウゥ」とか。
……昔の自分と大して変わってないのに気づいてしまいましたがまぁそんな感じで。

なんかぐだぐだになってしまいましたが、私は中国と日本では三国志に対するスタンスに差があるように思えてなりません。
同じ作品が好きだから感じ方も一緒ってわけではないんでしょうね。
作品を受け取る側の背景も違いますし。
えー、とりあえず日中の三国志マニアについて、意見募集中でございます。
ついでに中国にだって三国志マニアはいるぞ!という方、というか日中問わず三国志を熱く語れる方も募集しております。

5月末に中国(北京)国際大学生アニメーションフェアが開催

5月の25日から28日の間、
中国伝播大学で中国(北京)国際大学生アニメーションフェアが開催されるそうです。

具体的な内容は国内外から作品を公募したAniwow!2006。
(各部門の優勝者には6000元の賞金だそうです。)
また受賞作品の公開や海外の国際アニメフェアの作品の上映も行う模様。
また、ドイツの初期の頃の実験的作品が上映されるそうですがこれはちょっと興味あります。アニメ最初期の頃のドイツ作品は実験的な面白い作品があるとか聞いたことがあるので。
他にはアニメ関連の講演や交流プログラムなど。

基本的に「硬い」内容のプログラムが多いみたいですが、中国でこういったアニメについての体系的な催し物って少ないでしょうし結構面白いことになりそうですね。

オンラインゲームに実名制を導入

国家新聞出版総署から、現在議論中の「ネットワークゲーム実名制方案」が6月前に出るという発表があったそうです。
具体的にはユーザー登録において身分証のデータの提供を行う、保護者からの問い合わせに対する応答、公安が身分証の認証を行いもし虚偽の身分証を使って登録していた場合ユーザーのレベル、アイテム、経験値を抹消する、等の内容からなっています。
私はこれを見た時は「ゲーム内でも実名で遊ばないといけないのかしらん?」という疑問を持ちましたがそこまではやらないようですね。ただ、実際の性別とは違うキャラクターの登録はどうなるのかということや、他のユーザーが別のユーザーの登録情報を参照できるのか等の問題は今のところ分かりません。

オンラインゲームは中国でも大きな社会問題となっており、例によってそれらへの対応として作られた方案といった印象を受けますね。
当然締め付けには反対の声が上がり、関係者やユーザーは混乱しているようです。
現状では身分証明書の真偽の見分け方や未成年者の区別について等の具体的な方法や効果も示されていませんし混乱が出るのは仕方ないですね。
長時間のゲームへの没頭を防ぐために導入された、遊ぶ時間によって取得経験値が変わるというか減っていく「グリーンゲーム制度」も不発だったようですしこれが具体的にどの程度の効果出るのかは今のところ不明瞭です。

ゲーム内のアイテムへのユーザーの所有権の問題、ゲーム内のアイテムや通貨を現実のお金で売買するRMT(リアルマネートレード)、更にはRMTを使って海外サーバーのゲームへ出稼ぎに行く「ゴールドファーマー」等オンラインゲームの問題は山積みです。
それらの問題に対して、とりあえず制度を作ってしまう!というのは中国らしいといえばホントに中国らしい。
ゲームのユーザーや会社からしてみるとマイナスというか、面倒になる事の方が大きいような気もしますが(例えば登録データにより、ゲームユーザーに対してプレイ時間やプレイ可能なゲームの制限を行う)これも一つの解決方法なのかと思えたりも。

この方案について、身分証の真偽の確認等の具体的な手続きなど疑問も多いですし、
(ネットでどばーーーっと身分証の番号やデータって拾えます。中国の「ラグナロクオンライン」なんかは身分証の登録が必要なんですがこういった「拾えるID」を使った登録が後を絶たないそうです)
とりあえずは具体的な内容の発表待ちですね。

ただ、個人的にはゲームが手軽に遊べないのはイヤだと言うのが正直なところです(笑

4月アニメの中国での評判(?)

今年は4月スタートのアニメがとんでもない数になっており、チェックが大変な今日この頃ではないでしょうか?
私は早々とチェックを諦めて興味が湧いたのだけ見てます。
具体的には「涼宮ハルヒの憂鬱」と「吉永さん家のガーゴイル」。
原作が始まった当初から購読しており、今回のアニメ化もかなり嬉しかったです。
作品の出来もなかなかですし、まずは一安心。

中国のオタクの間でも4月の大量のアニメには悲鳴が上がっているようです。

さすがに、これ全部はチェックできねぇ!
どれから字幕つければいいんだ!?
てか、そもそもこれだけ量があると見たい作品がちゃんと手に入るかどうか……


とかそんな感じの声もありました。
まだ混乱中で当面の評価も定まっていない感じですが、
とりあえず人づてに聞いたところでは、まず「ひぐらしのなく頃に」が話題を持っていっているようです。これは原作が同人ゲームの傑作ということで、そのファンが宣伝をしているのも有るみたいです。アニメ自体の評価が定まるのはもうちょっと先でしょうか。
「ああっ女神様」「ARIA」「スクールランブル」は順当に評価されているようです。前作の評価が高いですし、続編も悪くないという声が。

他には「うたわれるもの」「涼宮ハルヒの憂鬱」が高評価みたいです。
作品の質が高い、さすが京都アニメーションといった感想が出ていました。

あとは

ストロベリー・パニック
桜蘭高校ホスト部
女子高生 GIRL'S-HIGH
いぬかみ
ガラスの艦隊


等に好意的な評価が出ていました。
あと期待作だけどまだ様子見というのが
「西の善き魔女」「彩雲国物語」
ただ「彩雲国物語」は十二国記と比較されがちなせいか苦戦する可能性が。

とりあえず現状ではこんな所でしょうか。
ある程度落ち着いたらどんな評価になるのか、これからどう評価が変わっていくのか等、ちょっと楽しみです。

銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーの中国語表記は?

今年は黄砂の当たり年だそうです。
ここ数年、少なくとも21世紀に入ってからは北京に飛ぶ黄砂も少なくなってきたと感じていたのですが。
私が大学に進学した99年とその次の年は文字通り空が見えない状態で、外から帰ってくるとまず顔を洗わなければならず、洗った水は真っ黒という有様でした。
ここしばらくは北京の空の色が変わるといえばスモッグのせいでしたが今年は黄砂の影響も出そうですね。

とまぁ、気候についての問題は毎度毎度何かしら必ず出ますが、田中芳樹の作品もなかなかスムーズにはいきませぬ。←強引な転換
とりあえず、銀河英雄伝説の中国語正式版の出版でのゴタゴタはまだ継続中のようですが今回は銀河英雄伝説の中文化についての小ネタを。

銀河英雄伝説の同盟側の主人公ヤン・ウェンリーは中国系の名前ですから彼の名前は外国人名風の音訳表記ではなく中国人風の漢字表記が可能になります。銀河英雄伝説のキャラクター名は帝国側がドイツ系の名前だったりで漢字表記がとんでもないことになってたりするので(例:ラインハルト=萊因哈特)中文化した場合彼の名前は作品の中でかなり目を引きますし、覚えやすかったりします。
ですが、簡単な(?)彼の名前にもちょっとした問題が有ります。
元の名前がカタカナ表記なのでどの漢字を当てるかハッキリしないそうです。

現在最も広まっている表記は「楊威利」で、これでOKなのかと思いきや、この名前の場合アルファベット表記が「Yang Weili」。アニメの中でヤン・ウェンリーがサインした「Yang Wenli」とは違います。そんな訳で「楊文理」や「楊温利」といった表記も出ています。
今度の正式版の出版で実質的にオフィシャル表記が決まると思うのですが、どんな漢字になるんでしょうかね。

テニスの王子様の吹き替え声優を公開募集

日本で人気が出たスポーツ系のアニメは中国でも結構やっています。
スラムダンクなんかはその筆頭でしょうか。
私が中学の時には既に入っていたようで、流川楓の歩き方を真似する生徒が出て困るとか、主人公の桜木花道は不良だから子供に悪い影響を与える可能性があるとかそんな感じの記事が当時現地のの新聞に載っていたような覚えも。
他にもあだち充の野球漫画(タッチやH2)が結構人気だったりと侮れません。というか、中国だと普通に生活している限り野球をする機会はまず無いのですが野球漫画も結構入ってきてます。この辺結構不思議な感じが。あだち充の作品は青春漫画という面も持っているのでその辺りも理由なのでしょうかね。

そして、今回「テニスの王子様」が正式に版権を取って放映されることになるそうです。聞くところによると5月から放映だそうですが今ちょっと確認が取れません。
テニスの王子様は原作漫画の方は既に正式ルートで中国に入ってきています。売れ行きも良好の模様。アニメは…まぁ例によって海賊版DVDやP2Pを介してですがこっちも結構な人気。私が大学の講義に出た時、前に座っていた女の子がノートPCで資料を参照するふりをしながらテニスの王子様のアニメを見ていたなんてこともありました。

そんな中、今回のChinaJoyのコスプレ大会の上海地区予選が5月初頭に行われ、その会場でテニスの王子様の「公式吹き替え声優」の公募を行う模様です。
今回の上海予選は100以上のコスプレチームがエントリーしたそうですが、声優公募も行われるとなると非常に大きなものになりそうです。
具体的なオーディションというか選抜方法はまだ分かりませんが中国でも声優という職業への憧れは日に日に強まっているように思えます。
いつぞや見た人民大学のサークルが発行した同人誌では塩沢兼人の追悼をやっていて、私は素で感動しました。また、それとは別口ですが中国オタクとだべっていてふと話が声優のほうにとび、塩沢兼人なんで死んだんだ……と一緒に嘆いたなんてことも。
中国オタクの間で輸入アニメの中国語吹き替え声優の質の問題は悩みの種ですがこういった活動から少しでも状況が変わっていくといいですね。

三国志や水滸伝の商標登録は更に紛糾

以前にも書きましたが、中国の四大奇書が日本のゲーム会社に商標登録されちまう!というので中国の一部で大きな議論を呼んでいます。
で、南方動漫网では
こんな感じのまとめ?サイト
もできています。
おなじみコーエーの三国志と、既にコナミが商標を取っている「幻想水滸伝」が一番多く槍玉にあがってるんでしょうかね。あとはG-modeの携帯アプリ。

日本企業側としてはとりあえずやっとかないといけない自己の権益保護というか、やっといて損は無い程度の感じがしますが中国側はこういった事態はまさに寝耳に水だったようで大混乱。しかし、中国のこういったアニメ漫画関連のページではおなじみなんですが権利保護をうたっている横で引用の範囲を超える引用やら無断転載がポコポコ有るのも何と言いますか。
権利保護にも鈍感ですが、権利侵害にも鈍感だと感じられたりしますな。
この辺、コンテンツ開発の立ち上がりで遅れている中国では仕方ないのかもしれませんが。

それにしても、この話題に関連して思うのが中国は三国志や西遊記などの自前(?)の素材を活かせていないということでしょうか。
世界各国で原作になったり翻案されている事からも、非常に魅力的な材料というのは明らかです。
ですが、中国国内では結局素材そのままで放置して「名作古典」の位置から抜け出ていなかった様に思えます。

日本では私の年代なんかだと三国志は横山光輝やコーエーのゲーム、西遊記はドラゴンボール等から入っていったりしたわけですが中国だと例えば西遊記は西遊記、とかで終わってしまう事がほとんどのように思えます。西遊記を元ネタにしたドラゴンボールや三国志を元ネタにした龍狼伝なんてのがなかなか無い。更には藤崎竜による封神演義の様に原作をうまく漫画にアレンジした作品というのも見かけません。中国伝統の連環画ではどうも「名作古典」から抜け切れませんし。
紅楼夢の漫画化など、いくつかの動きは有るので今後変わってくるとは思いますが現状を見る限りではではまだ十分に活用できていないんじゃないでしょうか。

効果的な規制について、というか手間をかけたい人は少ない

私も日頃から利用させていただいている中国関連ポータルサイトのマンボ!チャイナが中国から閲覧できなくなってしまっています。
今回は効果的な検閲、というか規制についてぼちぼちと。

インターネットが広まってからも中国は情報規制を頑張っていますが、最近結構コツを掴んでいるのではないかと感じます。
中国は主に情報発信を規制していますが、情報の流入の方も規制しています。最近この規制のやり方がうまくなってきたと。
以前は問題のあるサイトをしらみつぶしにやっていたのですが、最近はむしろそういった情報を整理するポータルサイトやニュースサイトの規制に力を入れているように思えます。
これは非常に効果的なやり方ですね。今の時代、情報の流れを完全に規制することは不可能です。ですが情報を入手し難くすることは可能です。特に中国で規制したいのは幅広い層への、いわゆる「老百姓」への情報の浸透ではないかと。情報の入手の難易度はそのまま情報の浸透する広さに関わってきます。特に探しもせずに簡単に手に入るならあっという間に広まります。それを探そうという人以外にも。
逆に探さなければ手に入らない、更には探すコツを知っていないと見つからない場合は余程熱意がある人でもないと手に入れることは出来ないと思います。

それから、もう一つが情報の集積。
ネット上に流れている情報はどれも断片的なものですがそれを集めて整理してみるとかなり「使える」情報になります。
例えば「地方で暴動が起こった」というだけでなくそれに伴ういろいろな事も分かってしまったりします。
ポータルサイトやニュースサイトがあるとそれを纏める作業が非常に楽になりますので、そういう観点からもこういったサイトへの規制は効果的かと思います。
第二次世界大戦中にイギリスで各国の軍備に関する本が出版され、中でもドイツに関する項目は実に詳しく、これを読んだヒトラーは情報の出所を押さえるためゲシュタポに命じ、著者をスイスの出版社の名をかたっておびき出してドイツへ連行までしたという事があったそうです。
ヒトラー自らが著者に情報について尋問したところスパイや特別な資料に頼ったものではなく、毎日の新聞や雑誌、ラジオニュースや催し物など誰の目にも触れる情報の中からスクラップを作り細かく系統的に分析することにより指揮官の名前はもちろん、その家族や友人関係更には本人の癖まで、ほとんど完全な資料を作成していたそうで。
そんなこんなで、情報を集積するというのはある意味非常に効果の有るものだったりします。

しかしまぁ、何と言いますか、情報の規制という事については良い事ではありませんが、この手法というか考え方は他にも色々と使えると思います。
現在のP2Pネットワークを利用した海賊版の広範囲への伝播やエロ関連などのあまりおおっぴらに広まっては困るものなど、どれも「手間がかかる」ようにすれば結構変わるのではないかと。
もちろん、具体的な方法、例えば「P2Pに大量の偽ファイルを流してみる」とかそういう手段自体の問題や、「果たしてどれだけ効果があるのか」「0にできるわけではない」などの問題も有りますが、こういった方面から考えてみるのもアリではないかと思えたりも。
とりあえず今日はこんなところで。

中国生活による感覚のズレ

今日は漢方薬の調合をしてもらいに中医系のところに行くのでお休み。
花粉症でこそ無いですけど、春先は気候が一定しないので体の調子がズンドコ悪くなって困ります。

それはともかく、私が以前から買っている本に「トンデモ本の世界」などのと学会シリーズがあります。
会長の山本弘氏の書いていたライトノベルの読者だったのと、当時創刊されたばかりの電撃文庫の折り込み広告を見て興味を持ったのがはじまり。
世の中にはこんなすげぇモノがあるのか!という事も面白いですし、良いか悪いかはともかくと学会側の視点や挙げられている作品の著者の視点など様々な視点があるのが面白くてついつい買ってしまいます。

特に、視点については「ある事」の中に入ってしまってそれが「常識」という世界で過ごしているといわゆる「一般的」なものとずれが生じてしまうというのを痛感させられます。中国で生活していれば常識のことが日本の一般的な考えではおかしいとかそんな感じですね。私もそのギャップに現在進行形で苦しんでおります。

それで、先日そのと学会関連書籍の最新刊
「と学会年鑑yellow」
を購入したのですがその中で中国の海賊版というか版権をとらずに勝手に日本のアニメや漫画のキャラを使った本についてふれています。
具体的にはヘンな日本語で書かれている海賊版のVCD
「ショムニ」が「シムニョ」になってたりするようなあれですね。
それと、エヴァのキャラクターが表紙を飾る参考書など。

これを見たときにも感じたのが上でも書いたギャップ。
中国だとこんなのそこら中に溢れているのでそんなに気にしていなかったのですが考えてみるとかなりアレですね、うむ。
北京師範大出版社の英語の参考書で表紙にエヴァとか、数学に「逮捕しちゃうぞ」とか作文の参考書になぜかガンダムWとか会考の問題集で金田一とか!

……見た当初はいろいろツッコミを入れていましたが、だんだんと疲れ、麻痺していった自分を思い出してしまいました。

えーと、そのとりあえずいろいろ難しいというありふれた言葉で今日は〆させてもらいます。

ちなみに、この海賊版やら無断使用についての文章を読んで
「しまった…!よくよく考えてみればモノスゴイおもしろいものだったじゃないか……!ネタで確保して、その後荷物になるからと捨ててしまった……!無理してでも少しくらい持って帰ればよかった……!!」
などと思ってしまったのはヒミツです。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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日本からだと存在そのものを疑われる事も有った北京の漫画喫茶B3は現地の制度変更や地価高騰の影響で伝説の彼方の存在となってしまいましたが、中の老板は相変わらず活発に動いてらっしゃいます。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

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