「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

2009年01月

中国の新聞でライトノベルが青少年に悪影響を与えると報道

さて、今回はタレコミをいただいたネタの紹介を。
ありがたやありがたや。

最近中国本土でも中国語翻訳済みの日本のライトノベルが売られているそうで、
日本のラノベを読む層が増えている模様です。
ただ、中国本土で売られているラノベは正規ルートの出版と台湾または香港系の翻訳ラノベの海賊版が混じっていてかなり混沌としているという話も。

そんな中、
ラノベが学生(中学、高校生)に悪い影響を与えるという報道が中国の大慶晩報という新聞に載ったそうです。
中国語ですが、コチラがその記事です。

それから、記事の画像がコチラ新聞報道







記事の内容は大雑把にまとめると

学校の近くの文房具屋で誘惑的色彩に満ちた内容の本が売られており、
これらの本には女の裸の画や暴力的な場面が有る。
これを学生が見たらきっと悪い影響を受けるに違いない。
こんな内容の本が学校の近くで売られているのに、なぜ取り締まらないのか。
記者が見に行ったら「かのこん」(ラノベか漫画版かは不明)という作品等が売られていたが、これはけしからん内容だ。
学生によれば、こういった本はとても流行っているらしい。
大人の皆さんは
「こういった本は子供に悪影響を与える。自分の子が持っていたら没収する。きちんと取り締まるべきだ」
としている。
また、売られていた本自体は違法出版ではないが

(出版コードの有る正規ルートという意味か、著作者の許可を得ているという意味かは不明)
内容的にはポルノ、暴力等法律上禁止されている描写が見受けられる。

といった所でしょうか。
記事内で触れている作品は「かのこん」ですが、
記事の写真に出ているのは「狼と香辛料」ですね。

こういった批判は人気が出て広まっていく中でいずれ出てくるとは思っておりましたが、
ついに来たという感じでしょうか。
この記事に対する中国のネットでの反応は

狼と香辛料の内容はすばらしいのに、画だけで批判するとは何事だ!

かのこんと狼と香辛料を同一で語るな!

問題なのは挿絵だろ?内容的にはそれほど極端なものではない。

武侠小説と比べて考えてみれば内容的には問題ないだろ。

かのこんならしょうがないな。

あれはエロイからな


といった様なものが有りました。
やはり挿絵がバッチリ有ると批判の対象となり易いのでしょうかね。
まぁ正直、「かのこん」については色々とアウトな気もしますが。


それにしても、
昔の中国本土での海賊版にはエッチなシーンに修正が加えられていたりしたのですが
(ドラゴンボールでブルマに修正が入ったり等)
最近売られているラノベは挿絵にそういった修正をやっていないのですかね。

そもそも海賊版じゃないのかといった類のツッコミはさておき、
ラノベは挿絵も作品を構成する要素なので、
挿絵を無しにしてしまうのも寂しいかと思われます。
また、日本のラノベの挿絵が中国の親御さん基準ではアウトなのも確かですが、
読みたい側からすれば見るなと言われて納得できるものでもないでしょう。
この辺については、簡単に解決できるようなものではありません。

そんな訳で、ここはもう中国の学生の皆さんには、
ちょっとエッチな挿絵はこっそり隠れて見る
という事で頑張ってもらうしかないと思うのですよ、うむ。

「他人に見られるとまずい」
「他人に見られると恥ずかしい」

ものをこっそり隠れて読むからこそ、ドキドキ感も増すわけです。
この際、ネットで簡単にエロ画像が手に入ってしまう最近の中国の青少年達に、
そういった事を体験して欲しいものですな。
作品への思い入れもきっと高まるに違いありませぬ。


なんか話が脱線したような気もしますが、とりあえずこんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

回答などをちょっとまとめて・・・・・・

えー、今回は申し訳ありませんがいつもの更新ではありません。
いただいた質問等で、
通常の更新では書き難いものを纏めてお答えさせていただきます。


同人誌について

「当ブログで紹介させていただいた同人誌で今でも購入可能なものは有るのか」
ということについてですが

ss-squareさんの中国オタク的理想生活を描くノベルゲーム
二次元文化、中国にて!
がダウンロード購入可能です。

それから通販ですと
「オタク的中国学入門」の作者、明木茂夫氏が出されている同人誌
オタク的翻訳論
開田裕治氏と開田あや氏のサイト
開田無法地帯の同人誌販売処の方で
既刊(一〜四)が全て購入可能です。


このブログのまとめについて

いや、その、
「ゴチャゴチャして読み難い」
「書きっぱなしがヒドイ」
「オススメ記事のまとめくらい作れ」
と最近よく言われておりまして、何とかしないといかんとは思っているのですが
・・・・・・思っているだけの状態が続いておりますorz

レイアウト変えるのもちょっと気が重いので、
「まとめ」のカテゴリでも作って昔の記事で比較的好評だったものにリンクを貼り付けてお茶を濁そうかなーとかなんとか考えております。
どうか、ご容赦を・・・・・・

とりあえず、こんな所で。
次回は普通の更新に戻りますので、どうぞよろしくお願いします。

日本側が中国動画共有サイトの取り締まり強化を要求した件について

今年のはじめに
日本の番組を無断使用、中国動画共有サイトの取り締まり強化へ
(レコードチャイナ)


という記事が報道されましたが、
この記事について現地の反応はどうかという質問をいただいております。

レコードチャイナのソースとなった環球時報では共同通信社発の記事ということで報道しています。
その元になったと言う共同通信の記事も探してみたのですが日本語版は見つかりませんでした。ネットには無いんでしょうかね。
中国語版の記事は有りましたので、一応こちらに。

この件については、
その後中国側のサイトが日本からのアクセスを禁止したりする等の動きが報道されたりもしましたが、今回は中国国内の反応の方の紹介ということで。

それでは以下、中国のソッチ系の掲示板におけるニュースに対する反応を


や、やめてくれ!オンライン視聴派の俺はこの後どうやって暮らしていけばいいんだ!?

ダウンロード派の俺は勝ち組

アニメが潰されなければそれでいいんだが、範囲に含まれるんだろうな・・・・・・

残念だが、どうしようもない。好きにやってもらおう。

そんなに大きな影響ないんじゃないの?現実的に考えたら全て取り締まるのは難しいだろう。

これは、国産アニメを見ろという政府の命令なのか

現在の状況だと、やらないわけにはいかないんだろうな。儲からないし。

どうでもいいよ。勝手にやれば?俺はダウンロードするし。

対策としては悪くないんじゃないか?
ただ、オタクはダウンロードで見るのがほとんどだから根本的な解決にはならないだろうな。

国産アニメ保護のためかもしれない。
一般の連中も国産アニメ見るくらいなら動画サイトで日本のアニメ見るからね。

日本人め、なんて残酷なことを

てか、ここに来る連中で動画サイトで見てるやつなんているの?
あんな粗いの見れるかよ。

やらせとけばいいよ。
マイクロソフトがどれだけ海賊版対策をやってるか知っているだろ?

日本人が見に来る事も多いし、大きくなりすぎたか・・・・・・

中国政府がまじめに仕事をするとは思えん。

日本の狙いはアニメよりもドラマじゃないか?
NHKの古いドラマなんかはかなりアップされている。
利益回収がコンテンツを売る方法しかないそっちの方が大きな問題だろ。

P2Pを消さない限り変わらないよ。

俺、最新のアニメを見るのはニコニコ動画なんだけど・・・・・・

これはお前らがアニメから脱出できるいい機会じゃないか。
日本はお前らの事を考えてくれてるんだよ。



とまぁ、こんな感じで。
私の巡回先がオタク系に偏っているというのも有るかと思いますが、
アニメについてどうなるのかという話題が多かったです。
またこれについては、マニア層が多い所ではダウンロードするから問題ないという反応も多いですね。
それから、
このニュースが今ここで出てきたのは「国産アニメ普及という目的」が裏にあるという説についても色々と。

個人的に興味深かったのは、昔に比べて
「違法視聴している」
という概念が出てきていることでしょうか。
日本の感覚からすると、これで良くなったのか?と言いたくなるとは思いますが、
昔は文字通り「皆無」だったのですよ・・・・・・

ネット上に流れている違法なコンテンツへの対策で、
決定的な効果を出せるものは無いかと思います。
しかし、やらない訳にもいかないのが何とも。

「探す手間が少なく簡単に見ることができる」
ために影響が大きいと思われる動画共有サイトについても、
対策を進めていかなければいけないのでしょうな。

例の如く、何とも難しい問題だという言葉で〆させていただきます。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

宇宙をかける少女の変態AIレオパルドが中国オタクに注目されている模様

今期の新作アニメも出揃ってきました。
そんな中、ちょっと意外な伏兵だったのが
宇宙をかける少女(公式サイト)
らしいです。

舞-HiME等が中国でもわりと人気が有ったのでその流れも関係するかと思いますが、
大きかったのは作中の変態AIレオパルド(CV:福山潤)ではないかと。
この変態AI、かなり注目されている模様です。
更に作品のやらかしちゃっている描写についてもかなりの反応が。

それでは、以下に作品についての反応の紹介を。


レオパルドはスバラシイ福山だ!

ルルーシュの欠点だけを抽出したようなキャラ、良いね!

帰ってきた!僕らのゼロが帰ってきたんだ!

俺は妹子ちゃんに萌えた。この作品、見るの決定。

レオパルドの声は、任せたら絶対にミスをすると確信できる声だ。

ルルーシュ大人が転生なさっていたとは・・・・・・

コミカライズされた作品でレオパルドの擬人化=ルルーシュというネタが出たらしいぞ!このネタはオフィシャル公認だ!

畜生、これはサンライズの罠だ!!

あれの中身はルルーシュだろ?

美少女モノだから大した内容じゃないと思っていたけど、レオパルドのせいで追いかけるの決定。

結構面白いよね。ただ、猥褻すぎるのがどうかと思う。

やはり日本は恐ろしい国だ。十二国記の様な作品が出ているのに、こんなダメな作品も出てくるなんて・・・・・・

二つ並んだ球で、当たると物凄い痛くて、発射した後はやり遂げた満足感・・・・・・
あれか!あれなのか!?

日本語では、金の球は睾丸という意味らしいぞ!

変態だ!この作品は猥褻すぎる!

発射はヒロインが手動で発射か!?これは猥褻としか言えない。

直接的な描写じゃないのに、ここまでエロくするとは。
日本の変態文化のパワーを見たよ・・・・・・



なにやらギアスからの流れで見ているのがかなりいるみたいです。
ルルーシュのダメな部分に特化しているとも思えるレオパルド、
ダメなところがかなり良い感じのキャラ(?)ですな。

宇宙をかける少女は
第1話:ルルーシュだ!ダメ人間ルルーシュが帰ってきた!
第2話:美少女も悪くないが、やはりルルー・・・ではなくレオパルドンだ!
第3話:変態だ!猥褻だ!

という流れで、
中国オタクの一部の人間のハートをガッツリわしづかみにした模様でございます。

とりあえず、こんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

女性の中国オタクから嫌われている女性キャラ

前回の記事
中国オタクに嫌われている女性キャラについて
では中国で嫌われていると思われるキャラを紹介させていただきましたが、
その理由については不明な点が有りました。

特に、女性から嫌われているっぽいキャラについてはその理由がイマイチ分からないという話も来ております。
その辺について現役の女性中国オタクの方に聞いてみた所、
かなり詳しく教えてもらえたので今回はそれに関して一つ。


まず、逆ハーレム系作品の主人公的なキャラはかなり嫌われやすいそうです。
この系統のキャラは作品の性質上存在感が薄い「空気」になりがちですが、それだけにちょっとダメな行動をしてしまうとかなり嫌われるとか。

ただ、中には好かれているキャラもいるそうで
「遥かなる時空の中で3」の春日望美
「桜蘭高校ホスト部」の藤岡ハルヒ
「金色のコルダ」の日野香穂子

といったキャラはOKだそうです。

前回の記事を書く時に「嫌い」と言う発言を比較的多く見かけたフルーツバスケットの本田透も好かれている方のキャラだそうで、
本田透については「アンチも多い」ということみたいですね。

女性の中国オタクに好かれるキャラというのは基本的に
強くてまわりに迷惑をかけないキャラとのことで、
逆に弱弱しいキャラは嫌われるそうです。

例えばガンダム00のマリーは当初憧れられるキャラだったものの、
第二期になってからの一連の流れで「弱くなった」と見られて現在人気下降中だそうです。
また、まわりに迷惑をかける嫌われキャラの例としては
スクラップド・プリンセスのパシフィカなどが該当するそうです。

他に嫌われる傾向のあるタイプとして細かい所では
無神経なキャラ
馬鹿なキャラ(月野うさぎ等)
理由も無く何故かまわりに好かれるキャラ(逆ハーレム系全般)
作中で女神的な存在のキャラ(ラクス・クライン等)
暴力的なキャラ(成瀬川なる、千鳥かなめ等)
甘え上手なキャラ(テレサ・テスタロッサ等)
冷たいキャラ(綾波レイ等)

というのも有るそうです。


この中の「暴力的なキャラ」というのはちょっと面白いですね。
これは感情移入するキャラによる視点の違いも有るとは思いますが、
「ツッコミ描写に対する認識」の違いも影響しているかと思われます。

漫画やアニメにおけるツッコミの描写に慣れている人間からすれば、
ヒロインにぶっとばされるというのはギャグの一種として受け入れられますが、
馴染みが無い場合はかなり暴力的に感じられるのかもしれませんな。


それからもう一つ、かなり重要なポイントとして
男子キャラ同士の「本当の恋愛」を邪魔するキャラは、
全般的に嫌われるとのことでございます。

ガンダム00のマリーの人気下降は、
作中のポジションの変更もさることながら、
アレルヤにちょっかいを出しはじめて
彼の「本当の恋愛」を邪魔するようになったのも大きいとか何とか。


とりあえず、こんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタクに嫌われている女性キャラについて

中国オタクに嫌われている女性キャラについて

先日の記事で、
中国で嫌われている男性キャラのなかで特に有名な「四大人間のクズ」を紹介させていただきました。

その後、コメントなどで
「女性キャラの方はどうなのか?」
という話が出ましたので、その辺についてちょっと中国のオタク系の掲示板をまわってみました。

と言っても、サイトによって集まる層やその嗜好も異なりますから、
これが中国オタクの嫌いなキャラを正しく反映しているかは分かりません。
例によって私の独断と偏見に基づくものということでお願いします。
以下あっちの方であがっていた「嫌いなキャラ」をざっと書いてみます。

春野サクラ
本田透
竜崎桜乃
日暮かごめ
フレイ・アルスター
ラクス・クライン
ステラ・ルーシェ
ニーナ・アインシュタイン
シャーリー・フェネット
ユーフェミア・リ・ブリタニア
C.C.
夕城美朱
毛利蘭
カテジナ・ルース
ニナ・パープルトン
井上織姫
朽木ルキア
塚本天満
西園寺世界
桂言葉
弥海砂
壱原侑子
城戸沙織
天道あかね
リン・ミンメイ
黒主優姫
涼宮ハルヒ
シャナ
リナリー・リー
ハーレム系の作品に出てくる女性キャラ全て
逆ハーレム系の作品の主人公全て



とまぁ、こんな感じで。
女性キャラについては男性キャラの「四大人間のクズ」のような誰もが認める嫌われキャラというのは確定していない模様です。
ここであがったキャラには一般的に人気が有るとされているキャラもいますし、嫌われているというよりもアンチがいるという感じかもしれません。

比較的多く見かけたのは
フルーツバスケットの本田透、NARUTOの春野サクラ、
テニスの王子様の竜崎桜乃、犬夜叉の日暮かごめ
といったキャラでした。
それからBLEACHはメインの女性キャラにどれもアンチがついている模様です。

どんな作品やキャラであろうと、
全ての人間から好かれたり、それとは逆に嫌われたりというのは有りませんし、
好き嫌いについての問題は中国でもなかなか難しそうですね。


とりあえず、こんな所で。
今回は何時にもましてあやふやな話なので、
ツッコミ&情報提供大歓迎でございます。


WHITE ALBUMへの中国オタクの反応

女性の中国オタクから嫌われている女性キャラ

中国で紅楼夢のギャルゲー化が進行中

中国の古典名著「紅楼夢」のギャルゲー化というネタを教えていただきましたので、
今日はその紹介をさせていただきます。
ありがたやありがたや。

日本ではちょっとマイナーかもしれませんが、紅楼夢と言えば四大名著言われるくらいの作品です。
その作品をもとにしたギャルゲーが開発中だそうです。
公式サイトはコチラ

キャラ名は基本的に紅楼夢と同じっぽいですが、どのくらいアレンジされているんでしょうかね。
林黛玉はいわゆるツンデレ系、薛宝釵は活発系のキャラとかになるんでしょうか。

そして、ちょっと気になるのが
紹介されているゲーム画面のコチラコチラ

右端のキャラが個人的に結構好みなデザインなのですが、
これもしかして賈宝玉(主人公)の乳母の「李嬷嬷」ですかね?
私が昔読んだ日本語訳だと「李ばあさん」になっていた、あのキャラ。

確か原作だと息子が賈宝玉の従僕になっていたはずなので、結構な年齢のキャラです。
そのキャラがこのデザインとなると、かなりのアレンジが加えられていると思われます。
これは期待できるかもしれませぬ。

ストーリーの方はハッキリしませんが、
TOPページでは前世の縁とかいう言葉が有りますし、ストーリー紹介の所にも前世の夢がとか書かれていますので、前世恋愛モノっぽいですね。
久遠の絆とか、痕の楓ルートみたいな感じだと個人的にかなり嬉しいのですが。


中国は自前のコンテンツの活用ができていないと、常々言われていました。
三国志、西遊記に封神演義等、魅力的なコンテンツには事欠かないのですが、
そのコンテンツをアレンジして活用するといった動きが乏しく、
はたから見ればかなり「もったいない」状態でした。
原作をいじると言いますか、大きく改変したりする作品がなかなか無かったのですよね。

そんな中に現れたギャルゲー紅楼夢、これはちょっと期待したくなります。
個人的にはギャルゲーに限らず、今後もこういった中国系コンテンツをモトネタにした作品が中国で増えていくと面白い事になると考えたりしています。

とりあえず、こんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

WHITE ALBUMへの中国オタクの反応

今期の新作アニメ「WHITE ALBUM」、
アニメに備え、先日久々に原作のゲームを引っ張り出してみたらwindows95対応だったりして、時代を感じてしまいました。
原作のゲームが出てからもう10年経ったのですな。

さてこのアニメ版WHITE ALBUM、中国ではわりと注目されています。
これは原作ゲームを作ったLeafの知名度も有るのですが、
大きな理由は
主人公の藤井冬弥の悪名
だったりします。

実は中国のオタクの間には
四大人間のクズ
と呼ばれている有名嫌われキャラがいまして、
藤井冬弥もその中に入っているのですな。

その四大人間のクズですが
鳴海孝之(君が望む永遠)
伊藤誠(School Days)
土見凛(SHUFFLE!)
藤井冬弥(WHITE ALBUM)

の四名。
日本で「ヘタレ主人公」と言われているカテゴリに近いですね。
土見凛が入っているのは、アニメ版の影響らしいです。

中国オタクの大多数はアニメから作品に入るので、
アニメ作品の有無が知名度に大きく関わります。
しかし藤井冬弥だけはアニメへの露出が無いのに、
なぜかこの人間のクズにずっとランクインしていました。
この辺については、どうやら
日本におけるヘタレ主人公の元祖
ということで有名になっていたというのが大きかった模様ですね。

そんな訳で、
「長年人間のクズに君臨していた謎の男藤井冬弥の実態が今回のアニメでついに明らかになる」
ということで、結構注目されているっぽいです。
では、以下に中国オタクの反応の紹介を。

作品の名前はよく聞くけど、結局どれくらいの人間がストーリー知っているんだ?

原作は98年に出た作品だっけ?それを意識して古い作風になっているのかな。
とりあえず人間のクズを見せてもらおう。

公衆電話にウォークマン、昔は単純でよかったなぁ。とりあえず視聴決定

水野と平野の戦いか・・・・・・

俺、原作発売の時まだ中二だったよ

四大人間のクズの藤井冬弥はどんな感じなんだろうね。
誠が一位だとは思うが、その先輩はどうなんだろう。
原作遊んだのがいたら教えてくれ

ハッキリしているのは、原作では流血とかない事かな。
なんというかダウナーな話だ。あと、NTRの神作。

男主人公の恋人が寝取られるのか?
なんか人間のクズというのと違う気がするんだが。

NTRって・・・・・・最近オタクに傷を負わせるような作品が増えているような気がするんだがorz

平手打ちがスゴイと聞いたんだけど。

NTRだったら、見るの止めようかなぁ。アニメだと由綺ルートになるんだろ?

噂に聞く芸能界の枕営業というやつか?

デタラメ言うなよ。実際のNTRなんてほとんど無いぞ?
NTRっぽく見えるのは、全部主人公が他の女を選んだ結果だし。

作品の時代設定が86年?俺まだこの世界に存在していないよ。

君が望む永遠みたいに、クズな男のせいでヒロインがヒドイ目に遭う作品になっちまうのかね

悲劇になるとしか思えない雰囲気の作品なんだが。

眼鏡で速水の社長がボス?こりゃあNTRっぽいぞ!
社長が由綺を寝取るのにちょっと期待。

第一印象だと、伊藤誠みたいな感じではないな。まぁ誠も第一話ではそんなにひどくなかったけど。

ギャルゲー原作のアニメって鬱な展開ばかりじゃないか?
原作のゲームは簡単に幸せになれるのに、なんでヒドイ話ばかり作るんだよ



とまぁ、こんな感じで。
全体的に見ると、今後の鬱展開に期待半分恐怖半分という反応が多い様です。

それから、やはり古いゲームという事で原作の内容がちゃんと伝わっておらず
断片的な情報や間違った情報が飛び交っていたりします。
葉鍵信者だった過去の有る私としては、思わず訂正の書き込みをしたくなる事も多々有りました、はい。

中国でずっと生活していた私は慢性的に日本語の読み物に餓えていまして、
色んなネット小説を読み漁りました。
その時、葉鍵系のSSもかなり読ませていただきましたので、
Leafのビジュアルノベル三部作とWHITE ALBUMはかなり印象に残っています。

そんな訳で私にとってWHITE ALBUMは昔を思い出してしまうアニメですね。
ちなみに、私は原作ゲームでは篠塚弥生が好きでした・・・・・・


例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

ヘタリアに対する韓国の抗議、中国でも報道

韓国からの抗議がネタとして話題になっているヘタリア。
この抗議について、回り回って中国でも報道されております。
しかも、「環球時報」という人民日報の国際問題専門紙のサイトで。

韓国のネチズンが日本のアニメに抗議 原因は韓国人が中国人を兄と呼んでいるから
(中国語)

この記事、
中国の色んなニュースサイトに転載されまくっている模様です。

ヘタリアのアニメは1月25日から放映予定ですが、
この作品への中国オタクの反応についての質問をいただいておりましたので、
私もぼちぼちと調べていました。

ただ、アニメ放映前という事でそれほど大きな反応も無く、
また反応をしているのが主に腐女子層ということで、
調べるのが難しいといった状態でした。
正直な所、アニメ放映後の反応を待とうかとも考えていました。

そんな中でのこの報道。
おかげで、
現在ヘタリア関連の話題はこの記事に関する事ばかりになってしまっています。
作品そのものに対する反応もこの流れに飲み込まれてしまったっぽいですなorz

なんかもう、
どうしようもないので今日はその記事の反応を紹介させていただく事にします。

まず、一般の反応。
かなり過激でアレな発言が飛び交っていますが、
とりあえず比較的穏当なものを選んで紹介させていただきます。

アメリカと日本に頼るだけでなく、中国を兄と呼ぶ?
更になんでも韓国が起源だと主張する?とても正しい描写じゃないか。

兄だと?父と呼んでも言い過ぎではないと思うが。

ほほう、日本人は南朝鮮人をよく理解しているな!

また韓国人かよ。
やつらは自分の文化に自信が無いから盗むしかないんだよね。

中国人としては、韓国人が中国を兄と呼ぶのは正しくないと思う。
父と呼ぶのが正しい。

小日本の漫画はすばらしいな!
しかし朝鮮を中国の弟にするのはいただけない。あんな弟いらない。

韓国人は謙虚な民族なんだよ。中国を兄と呼ぶのは恐れ多いとね!
やつらはきっと中国を父と呼びたいのさ!

日本人も寿司や相撲が韓国人の発明だと言われて苦労しているらしいな。
韓国のイメージ通りの設定だ。悪くないと思うよ。



次に、オタク系サイトでの反応。

また日本鬼子どもが何かやらかしたらしいぞ!

結構いいキャラデザじゃない?何となく国が分かる。

中国はおさげ付きか。まぁまぁかね。

しかしこのアニメについて、まさか韓国人が噛み付くとは制作側予想しなかっただろうな。

おい、ベラルーシの女の子はちゃんと生物的に女なんだろう!?
女装じゃないよな!?
あと、メイドだったりする?

アニメは1月25日からケーブルテレビの、キッズステーションで放映?
子供向けで第二次世界大戦ネタって日本でやっていいの?

キャラデザGJ
ホントの韓国人腹黒傲慢キャラだろ。

で、これは子供向け?それとも腐女子向け?

第二次世界大戦の時、韓国無いだろ!
あと一つ言わせてくれ。第二次世界大戦の時は五星紅旗じゃないんだ!
(中華人民共和国の国旗の五星紅旗は1949年制定)

中国語に翻訳されてるのを見ても、いまいち理解できないなぁ

それで、中国の擬人化はどうなっているんだ?

どうやら天然系のキャラらしいぞ

女装キャラ萌えのオレはポーランドに萌えた!

Webの漫画を見た感じだと、中国が日本を育てて、ある日突然大きくなった日本が中国をバッサリとやるとかになってる。そこそこ笑えた。
2ちゃんねるを見た感じだと、韓国の連中は韓国が無能な変態という描写になっている事に抗議しているらしい。

俺はあふがにすたんの方が好きだ

これ、原作の翻訳はされてるの?

一応二つのバージョンを見た事が有る。

ネタのニュースだと思っていたら、マジかよ!?
日本では読売新聞で報道されているのか・・・・・・

いつもと同じで、このアニメに対してマジメな反応したら負けなんだろうな。
だから韓国は負けたわけだ・・・・・・


とまぁ、こんな感じで。
作品そのものへの反応の紹介は、
別の機会にやれたらやるという事でお願いしますorz

例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国と日本の「三国志一般常識」についての差

前回の記事が三国志ネタに関係していた事もあり、
コメント欄が非常に面白い事になっております。

私自身も勉強になる事が多く、ありがたい限りです。
その勢いのまま、前回の記事でも書いたように日中間の「三国志ネタ」の知識の差についてを、例によって私の独断と偏見に基づき書かせていただきます。
とは言え、大体はコメントの方で既に出ちゃっているような気もしますが・・・・・・

さて、日本ではもう一般教養に近い気もする三国志。
前回の記事のコメントで「もはや義務教育状態」と書かれている方がいらっしゃいましたが、まさにそんな感じですよね。

日本でこれだけ有名なのだから本場中国ではさぞや・・・・・・
と考える方もいるかと思いますが、そんな事は無く
中国では「日本人で何かしら三国志をかじった事の有るレベル」の知識を持つ人はわりと珍しかったりします。

確かに中国では「三国演義」が「中国が世界に誇る作品」とされていますが、
ストーリー全体を通してきっちり理解している人はそれほど多くないです。

この原因ですが、前回記事のコメントの方でも書かれている様に、
中国には吉川英治や横山光輝の様な、
手軽に触れる事ができる「三国志」が無かった

というのが大きいのではないかと思います。

当然ながら中国では伝統的に三国演義の人気は高く、
敷居の高い伝統芸能から民間レベルまで、三国演義を題材にしたものは多いかと思います。
ですがこれは個別のエピソードが元になっているものですし、
全体を通して把握するとなると、やはり原著にあたらなければいけません。

いくら「白話小説」と言われる口語体の小説とは言え、このハードルはかなり高いです。
日本と同じ様に三国演義の翻案小説が有る訳では無いですしね。

また、子供向けのコンテンツが少ないのも影響しているかと思われます。
中国では少し前まで子供や青少年向けの三国演義関連のコンテンツは、
主に連環画(絵本の一種。中国漫画のプロトタイプとも)くらいしか無いという状態だったそうです。

それ以外ですと学校の語文(国語)の教科書くらいですが、
(私は学校の古文の授業で諸葛亮の出師表を勉強したりしました)
これはあんまり楽しいものではないでしょうし。

そんな訳で、
三国志関連のコンテンツに触れる機会は子供の頃から非常に多く、
漫画、小説、人形劇、アニメ、ゲーム等多岐に渡って優良なコンテンツが有り、
基礎知識レベルになってしまっている日本と比べた場合、
いかに発祥の地とは言え厳しいものが有るかと。
中国で三国演義のドラマが作られたのは94年、アニメに至っては昨年です。

ですから、
中国に来て、
現地の人と三国志について語ろう!
とやって、ちゃんと「分かる」相手をみつけるのはかなり難しい事なのではないかと思えます。

中国に来た日本人留学生で
「三国志について話しませんか」
と中国人学生に持ちかけたものの、こちらのネタを相手がホトンド分からなかったという話も有りました。

蜀関連の武将についてでさえ
王平について語ろう!
徐庶について語ろう!

といった辺りはもうダメだったとか。

いきなり王平を出すのはちょっとどうかと思いますが、
徐庶がダメとなるとかなり厳しそうですね。

三国志についての日中間の認識のギャップは、先日の記事で書いた
「オタク系コンテンツについて日本人留学生と語りたい中国人」
と似た様な感じなのかもしれません。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


真・恋姫†無双への中国の反応

わがオタク的青春の北京 その4

真・恋姫†無双への中国の反応

今回も頂いている質問をネタとして使わせていただきます。
ありがたやありがたや。

三国志の武将を女性化してしまうという、日本ならではの(?)キャラクター利用を行ったエロゲーの新作
真・恋姫†無双(公式サイト。18禁作品のサイトなので、一応お気をつけ下さい)
が昨年の年末に発売されました。

それに関して
真・恋姫†無双の中国での反応はどうなのか?
という質問をいただいておりますので、ざっと調べた事を書かせていただきます。


前作の恋姫†無双の時はかなり話題になってしまい、ゲームと関係ない所で少々燃え上がったりしていました。
しかし、真・恋姫†無双については、何と言うか
反応がホトンド無い
状態だったりします。

知り合いに聞いてみたところ、
エロゲを遊ぶ層が、三国志がモトネタということで
「引いちゃっている」
ので手を出しているのがかなり少ないらしいです。
モトネタが三国志の武将でハァハァするのが難しいのか、
それともネタゲーとして回避されてしまったのか。

更に、出た時期も問題だったようです。
最近は年末年始に3日程の休みが有るものの、中国では春節(旧正月)に合わせて長期休暇に入るので、12月下旬〜1月上旬は非常に忙しくなります。

企業は当然忙しくなりますし、学校もこの期間に試験等が重なります。
中国オタクの面々もさすがにこの期間は遊ぶ余裕が少ないですね。
そして更に日本の冬コミも重なる訳ですから、中国オタクのリソースに真・恋姫†無双に振り分ける余裕が無かったのではないかという話も。


ちなみにこの作品、
私もネタ目的で買ってしまったのですがボリュームも有るし内容もなかなかで、
個人的には「当たり」でした。

現代社会から異世界召喚された主人公が、その知識によって歴史を動かしてしまうというジュブナイル的に王道な展開、
はっきりとしたキャラ立ち(元ネタとなったキャラがしっかりしているというのも大きいと思いますが)等が良い感じですな。

また、
自分(プレイヤー)の参加により「オレ三国志」とも言える世界というか歴史ができてしまうのも、日本らしい内容かなーと思ったり。

それと、これはゲーム自体の出来とは関係ないのですが
このゲームに出てくる三国志ネタが一般の中国人に対してはちょっと高度すぎると感じたりも。

中国の人間の三国志に対する知識の深さは、
日本で一般的に考えられている程ではないです。
これは中国オタク層でも変わりません。

日本で考えられている「三国志を知っている」レベルと、
中国で考えられている「三国志を知っている」レベルには結構な差が有るのですが、
この辺については別の機会にでもまとめてみようかと思います。


今回は大した事を書けず申し訳有りませんが、
とりあえず、こんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

それから、
中国の鉄道についての質問のメールやコメントでの書き込みも頂いているのですが、
私は鉄道関係については専門外なので、ムリですorz
このブログの親玉である北京の漫画喫茶B3に鉄子の旅を入れるように暗躍したことは有りますが、鉄道そのものについては語れるほどの知識を持っていませんので、
どうかご容赦を……

ガンダム上海地下鉄に立つ!

今期の新作アニメの感想で、面白いのが有ったら紹介しようか等と考えながらソッチ系の掲示板を巡回していたらヘンなものを発見しました。

行為芸術01行為芸術011







行為芸術012行為芸術013











行為芸術014行為芸術015











これ、どうやら上海の地下鉄での風景らしいです。
見ての通りガンダムと思われるコスプレ(?)をしているのがいます。

このガンダム(?)は中国のニュースサイトにも掲載されているようで、
「ロボットが出た」
「コンボイが出た」
といった感じで紹介されていました。
「ガンダム」という表記は掲示板以外出ていないんでしょうかね。
どちらにしろ、かなり混乱しているっぽいですな。

聞くところによれば、
最近中国では「行為芸術」(パフォーマンスアート)というのが流行っているそうで、
この地下鉄コスプレイヤーもその一種かと思われます。

上海の地下鉄ではこの類のものがわりと頻繁に出没するみたいです。
行為芸術02





こんなのや、他にも鶏のかぶりものやミイラ男、ストーム・トルーパーなんかも出たとか。

この「行為芸術」、地下鉄コスプレイヤー以外にも
現代社会を皮肉ったものから女子大生が着ているチャイナドレスを自分で切り刻むという謎なものまで、イロイロと出ているようです。

とりあえず、こんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国のオタク向け雑誌「二次元狂熱」

昨年末にちょっと北京へ行って来たのですが、
その際に中国初の(?)同人、エロゲ等も含むオタ関連全般の情報雑誌
二次元狂熱
の最新号を入手することができました。

という訳で、手元の雑誌が最新号なうちに急いで内容の紹介を。
この雑誌は現地の中国オタクもライターとして参加しているのが特徴でして、
非常に濃い内容の記事が多いですな。
画像なんかを勝手に使っちゃってるのは何時もの通りですが、
一々ツッコミを入れていたら終わらないので、今回その辺の話は無しでいきます。

第2号については
中国初エロゲ雑誌「二次元狂熱」第二号全解析(笑)(ニトロサイボーグ)
にて紹介をなさっていますので、ご参照を。

ちなみに、ここではエロゲ雑誌として紹介されていますが、
この第3号の冒頭でこの紹介記事に触れておりまして
「この記事のおかげで知名度上がりました。でも、マジでウチはエロ雑誌じゃないよ!?」
と書いてあったりも。
また、知名度が上がったせいで第2号が完売(編集部にすらもう1冊も無いとか)、
オークションサイトで定価の3倍以上で取引されているらしいです。

この第3号、まず表紙ですがこんな感じです。
二次元狂熱01二次元狂熱02











表紙の画の出所については、ツッコミ待ちということでいいですよね?
裏表紙の方は中国のコスプレイヤーさん。

では以下に内容紹介を。

まずオタク系ニュースの紹介、
ゲーム等の新作紹介(各見開き2ページ)
となるのですが、
新作紹介最初の一本が
TMAのCLONNAD
だったりします。
他に今回紹介されているのは
ライアーソフトの漆黒のシャルノス
オーバーフローのCross Days
エンタ―ブレインのアマガミ

です。

その後は記事が続きます。

裏表紙の中国のコスプレイヤー琥珀牙牙さんのインタビュー
Okama特集
鉄道むすめ特集
東方Project特集
Sound Horizon特集
魍魎の匣特集
上海のメイド喫茶「美萌」紹介
上海で行われた各同人イベントの紹介
大槍葦人&Littlewitch特集
日本アニメの外注先スタジオ所属のアニメーターによる、主にGONZO関連の覆面ぶっちゃけ話
中国同人サークル紹介
小林源文特集


といった内容となっております。
どれも才能の無駄使いをしている記事ばかりですが、
特に才能の無駄使い著しいのは魍魎の匣特集ですかね。
14Pにわたる内容は、作品を理解する上で必要な知識解説や、時系列の整理等、
作品の副読本といった感じになっています。

それから、小林源文特集について、
日本関連の軍事モノって中国でやっていいのか?
という疑問が有るかと思いますが、
表立っては言えないものの、
実は日本軍の兵器が好きというのが結構いたりします。

また、日本発の軍事コンテンツのファンも多く、
中でも小林源文は有名で軍事漫画家として人気が有ったりします。

それから誌面ではエロゲ関連の記事等、色んな画像を勝手に使っている模様ですが、
どの画像もせいぜいパンチラまで、乳首やらそのものズバリな画像というのは有りません。
この辺が中国的自主規制ラインなのかなーと個人的に思ったりも。

内容についてはこんな所でしょうか。
正直、よくもまぁここまでの内容のモノを作ったなーと。

しかしこの雑誌、出版コードも有るので正規ルートの商業出版という事でしょうし、
画像等の使用について以外にも色々と問題が有りそうなのが難しい所ですね。
とりあえず、私は例の如く生暖かく見つめていこうかと考えております。

とりあえず、こんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国における日本軍の兵器の人気は

中国でもうすぐスタートする「聖闘士online」について

年末年始のまったり生活も終了し、
残念ながら平常運行に移らなければならない時が来ました。うーぬ。

今年も当ブログは2、3日に一回更新となるかと思いますが、
思い出した時にでも見に来ていただければ幸いです。

さて、今回はコメント欄で質問をいただきました、
どう見ても聖闘士星矢以外の何ものでもない、謎のネットゲーム
聖闘士online(公式ページ)
をネタにさせていただきます。ありがたやありがたや。

とは言え、
中国オタクの層は、ネトゲのユーザー層とは重ならない上に私自身ネトゲは専門外なので、
ざっと調べた感想程度になってしまいます。
どうかご容赦ください。

この件について、
日本ではレコードチャイナの記事で報道されているそうです。
パクリに限界なし!?今度は「聖闘士星矢」のオンラインゲーム登場!

そしてこのゲームの現地の反応ですが、
私がざっとネット上で見た限りでは一応
またパクリかよ!
版権的に問題あるだろ

といった声も有りますが、
今のところそれほど大きな反応は無い様です。
広告をちゃんと打っている様なので、
そこそこ注目はされているとは思うのですけどね。

それと、今回調べてみて感じたのですが
この聖闘士onlineが普通に許可を取って中国で開発された作品
だと思っているのも多い様です。

実は2007年の4月に中国のゲーム系ニュースサイトで日本のセガが中国で聖闘士星矢のネットゲームを開発していると報道されていたそうで、そのニュースの延長線上にこの「聖闘士online」が有ると考えられている模様です。

↓が2007年4月に報道された記事(中国語)です
聖闘士星矢秘密開発、企画要旨判明

記事によれば、
セガは既に開発の権利を得て2006年末にはプロジェクトを計画し、2007年の3月には開発プロジェクトチームの主要人員が確定していたとの事です。
記事が掲載された時点での開発地点は上海で、開発チームは中国本土、日本、香港、台湾の人員から構成されているそうです。
そしてサービス開始は2009年春を目標として開発が行われているとあります。

更に、この記事を載せているゲーム系ニュースサイトの17173.comは他にも聖闘士onlineについての記事を紹介していまして、
最近では1月4日の記事で開発元の夢工場にインタビューを行っています。
インタビュー記事はこちら(中国語)

このインタビューを読んで感じたのは、
開発元もインタビュー側も「聖闘士星矢」のネットゲームとしてこの「聖闘士online」を扱っており、パクリだとかインスパイアだとか、影響を受けたといったものではないとしているという事です。

また、セガは以前中国でネットゲームを担当する現地法人
世嘉(中国)網絡科技有限公司--Sega Networks(China) Co.,Ltd.
が有ったのですが、この会社は2007年5月の時点で解散し、
中国のネットゲーム事業から撤退しているとの事です。

中国のネットではこの撤退により、リリースが予定されていた
「サクラ大戦online」「三国志大戦」「聖闘士星矢online」
も立ち消えになったと考えられていたそうです。

結局の所、背後関係がはっきりしないので権利うんぬんについては何とも言えませぬ。
公式HPを見ても版権関連を前に出してないのでよく分かりませんし。

この「聖闘士online」、
思ったよりもゴタゴタしていそうですが、
もしも権利関連で問題が有る場合は、昔の香港映画に有った
映画化権未取得で日本の漫画を映画化しちゃった
とか、そういった位置づけの作品になるんでしょうかね。

ちなみに、聖闘士onlineは1月10日からクローズドテスト開始との事です。

何とも判断に迷う話となってしまいましたが、
とりあえずこんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

わがオタク的青春の北京 その4

こんなに長くなるとは思わなかった、
私自身のオタク的中国生活についてのネタ。
今回の大学編で終わりとなります。

とは言え、大学では中学、高校のとき程大きな事件は有りませんので、当時の事をざっと紹介しつつ、感想というかまとめみたいなものを。


留学生としてそのまま中国の大学に進んだ私ですが、そこには日本人留学生の方々もいました。ここで小学校以来久々の多くの日本人と接触する生活というものを体験する事になります。

年に1,2回のペースで一時帰国はしていたので特に困る事は無かったのですが、やはり日本人と接触するとなるとオタク趣味は表に出せなくなります。また、大学の勉強にくっついていくのが大変だった事もあり、オタク趣味はぼちぼちと続けているといった状態が続きました。

この時期の中国については中国で流行したSARSや反日デモについてなど、日本でも報道されていると思います。
また、小泉首相(当時)の靖国問題などで誰の目にも日中関係が冷え込んでいくのが分かる時期でした。

ただ、個人的には問題が「靖国」「慰安婦」「教科書」「南京大虐殺」というのに集約してくれたので反日関連の対応が楽になった時期でもありますね。事前にどのネタで攻撃されるか分かっていれば準備できますし。


私の大学時代について書くとするなら日本人留学生と中国人学生との交流会、そしてそこで出会った大学のアニメ・漫画サークルの連中についてでしょうか。

大学の授業についてある程度要領良くこなすことが出来る頃になると私も日本人留学生の中では古株になっていました。
中国の大学の日本人留学生の多くは中国語を学びに来た半年〜1年くらいの短期留学の方で、私の様に本科に入って中国人と一緒にカリキュラムをこなすというのはあまりいません。だいたい2年を超えたらもう古株ですね。

中国語学習が目的で来られる方は基本的に外国人向けの中国語の授業に出ますから中国の学生と接触する機会はそれ程多くないです。
そこで、それをどうにかしようと大学の日本人留学生の集まりで中国人学生との交流会を開く事にしました。
それまでも何度か交流会は行われていたのですが、ほとんどは日本語学科との交流で、他の学科の学生との交流はほぼ個人任せといった状態でした。

毎回同じではつまらないだろうと、
私も主催側で参加したその時は日本語学科に限らず
「日本や日本語に興味のある方」
へ呼びかけ、ちょっとしたお茶会を開く事にしました。

反日問題でこじれるのではないかという懸念の声も有りましたが、
実際にやってみるとなごやかな雰囲気でワイワイと盛り上がりましたし、
交流会は成功に終わりました。

しかし、
この時私は日本側と中国側の「話題」のギャップを深く実感しました。

日本側は中国のいわゆる「文化」についての話題や、中国の生活、更には歴史問題なんかについても話すつもりだったそうなのですが、
中国側はもう、「アニメ」「漫画」「ゲーム」だらけ。

交流会で出てきた中国側の話題は

NARUTOについて
ONE PIECEについて
犬夜叉というか高橋留美子作品について
新撰組について
エースコンバットについて
グランディアについて


といった感じでした。

アニメや漫画がきっかけで日本語を勉強したという方がほとんどでしたから、
作品への思い入れもハンパじゃなかったです。
コンテンツ発祥の地である日本の人と、作品について語りたいという訳ですな。
しかし日本側は文化交流でこんな「オタクな話題」がメインになるとは夢にも思いません。

当時の日本では、
まだオタク文化が海外へ与えた影響というのがほとんど知られていませんでしたし、
中国に出てくる方で現地の中国人と積極的に交流しようとする方はオタクなんざ見向きもしない方ばかりです。

そんな訳で、
中国側の話したい話題に対応できる日本側の人員が非常に少ない
という状況も発生してしまったのですね。


この交流会は、私がかねてから考えていた

中国の学生と交流する場合、
中国関連の有名人の名前やイベント、文化の中国語読みを覚えておくより、
漫画のタイトルとキャラクターの中国語読みを覚えておいた方が役に立つんじゃないだろうか


という仮説を証明する事となりました。
そして、私自身の大学生活もまた昔のようにオタク方向へ傾く事に。

これ以降、
私は中国の大学に留学される方で中国人学生と交流しようとされる方には

「とりあえずNARUTOの漫画かアニメを見て、キャラクターの中国語名を把握しておくと非常に使い勝手の良い話のネタとして重宝します」

とアドバイスする事にしております。


またこの時、中国側の参加者にとんでもないのが混じっていました。
その男は、数百人の参加者を有する大学第二位の規模のサークルである、日本アニメ漫画研究のサークル「次世代」を引っ張っていた人間でした。

なごやかな会話の流れの中、彼はふと思いついたようにこう言いました(しかも日本語で)

日本には三種の神器ってものが有るんだよね。
スク水
ブルマ
セーラー服
という3つが!


私は頭を抱えました。
日本のダメ文化の汚染がこんな所まで及んでいるという事に・・・・・・!

彼らとのアホな交流は今に至るも続いておりますが、趣味が高じて日本語を覚えてしまうというのがゴロゴロいるのには驚かされます。
そして、ソレに伴って吸収したダメな知識もスバラシイものがあります。「才能の無駄使い」を体現しているようなのがいっぱいいますね。

受験戦争を勝ち抜いて難関大学に入った明晰な頭脳が、
ダメな方向に活用されてしまっているのを見るにつけ、
私は
文化侵略という言葉もあながち嘘じゃないかも
と思ったりしております。


とりあえず、私の大学生活についてはこんな所でしょうか。

この後については大体このブログにも書いたりしておりますが、
そんなこんなで私のオタク生活は、
「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む
という状態が続いて今に至っております。


しかし今回のネタを書いていている時に改めて思ったのですが、
私が中国生活を乗り切れたのはオタクだったおかげですね。

残念ながら、私は特に優れた能力は持っていません。
運動もダメですし、勉強も得意じゃない。
外見についても人に褒められた事は無いです。

そんな私が中国での生活を乗り切れたのは、
ただオタクだったからという以外に無いです。

オタクだったから耐えられた
オタクだから楽しめた

というのが、私の中国生活でしょうか。


正直な所、中国関連で体験した事は良い事ばかりではないのですが、
それでも封印したり、無かった事にするのも、それはそれでもったいないですし、
何よりつまらない。

私は中国の全てを肯定する気はさらさら有りませんが、
全てを否定するのもまたそれはそれで違うような気がします。

とりあえず、
私が座右の銘にしている言葉

それはそれ!!これはこれ!!
(出典:島本和彦 逆境ナイン)

に基づいて、これからものんべんだらりと
オタクの視点から中国を生暖かく見つめていこうかと思っております。

ダラダラと続く駄文に付き合っていただきまして、まことに有難うございます。
今回も例の如く、ツッコミ&情報提供大歓迎でございます。


わがオタク的青春の北京 その1

わがオタク的青春の北京 その2

わがオタク的青春の北京 その3

わがオタク的青春の北京 その3

それでは前回前々回に引き続きまして私自身のオタク的中国生活についてを。


中学時代とは違い私の高校生活はかなり順調なものとなりました。
ゲームやアニメ、漫画等の話題というとっかかりでクラスにバカ話の出来るヤツが見つかり、やっと学校生活というものを楽しめる様になりました。

中学時代にも一応ゲームやアニメ、漫画等のコンテンツの話を当時のクラスメートとした事は有るのですが、反日ムードの波に埋もれてしまっていましたね。

これは私が中学から高校へ進む間に日本のオタク系コンテンツが中国に浸透したという事なのかもしれません。
娯楽の少ない所へ急に日本の洗練されたコンテンツが飛び込んできたわけですから、かなりの影響を与えたのではないかと思われます。

この時期から段々と中国における日本へのイメージが変わっていきます。
侵略者&経済大国というイメージは常についてまわりますが、それに加えてアニメ、漫画、ゲームの国というものがかなり混じってくる様になります。

私の周りの雰囲気もかなり変わりました。
この時期に育った若者、いわゆる80後(80年代生まれ)世代は日本を「いけ好かない国」だと考えると同時に、オタクコンテンツの国であり、興味の対象としているというダブルスタンダードを持つ世代と言えるかもしれません。

さて説明はとりあえずこの辺にして、私個人の話に移らせていただきます。
順当にアホな高校生活を楽しんでいた私ですがオタク的に非常に大きな事も有りました。

それはまず、
「ときめきメモリアル」の大流行
です。

当時の中国ではPCを所持するのが一つのステータスとなっていた時代で、
子供の勉強のためという名目でPCを買う家が増えていきました。

しかし、PCを買ってもらった方の子供が勉強をちゃんとする訳は無く大抵はゲーム機になってしまった様です。
今でこそ中国はネットゲーム大国ですが、当時はまだ中国国内向けのゲームというのはかなり少なく皆さんがご存知の通り、海賊版ソフトに頼っている状態でした。

海賊版ですから当然中国向けでは無いゲームばかりです。
当時はまだインターネットも普及し始めたばかりですから、今のように勝手に中国語化パッチを開発したりしてローカライズするというのも、無い訳ではないのですが非常に少ない。
一応台湾や香港で製作されたゲームやローカライズされたゲームも有った様ですが、中国の若者にとって面白いゲームはそんなに無かった模様です。


そんな中、ときめきメモリアルの中国語版が上陸します。
ときメモは日本で異常とも言えるブームを巻き起こした怪物作品です。

恐らくこのソフトがなかったらその後のギャルゲーは無かったでしょうし、
美少女的な要素を除いてゲーム本体だけを見ても、非常に優れた作品です。

このゲーム自体の出来に加え、

PCの爆発的な普及
中国語の面白いソフトの不足
中国の学校では許されない「恋愛」をテーマにした作品


といった要素が加わります。
これだけの条件が重なれば流行るべくして流行ったとも言えるでしょう。

ちなみに中国の学校というか子供に関して恋愛はご法度です。
小中学生の様な若い年代の恋を中国では「早恋」と言うのですが
「早恋」は

学生にとって害毒であり、
心身の健康を害し、
勉強を妨げ、
常軌を逸した行為を促しやすく、
犯罪を誘発する可能性が有る


といった感じでハッキリと「悪」であるとされています。
中国で制作される子供向けの作品において基本的に恋愛要素の描写は許されません。

ですから日本のアニメや漫画は中国の学生が触れる事の出来る希少な
「恋愛要素の有るコンテンツ」
となっていた面もあります。作中の恋愛要素は当時の中国の人間が日本のアニメや漫画に強く惹かれる大きな理由の一つにもなっていました。

さて中国本土では「心跳回憶」と呼ばれる事になった「ときめきメモリアル」ですが、
私の周りのクラスメートも心を鷲掴みにされるヤツが続出しました。
免疫の無い所にいきなり最高級の作品が来てしまったわけですしね。

しかし彼等はこういったゲームに不慣れな事もあり苦戦しました。
今のようにネットが発達しておらず、攻略情報もほとんど有りません。
ですが藤崎詩織が攻略できない、あのヘンな髪型の女は誰なんだなどと嘆く彼等の前に救いの手が伸びます。

そう、それは
中学時代ときめきメモリアルをやり込みまくった「私」
でございます。

ソフトを読み込むときのレンズの駆動音でその後の展開を予想できるくらいまでやりこんだ私にとって、彼等の悩みを解決する事などたやすい事でした。

たぶん当時の北京では中国語が分かる人間で私以上にときメモに詳しい人はいなかったんじゃないでしょうかね。中学時代に蓄えたオタクの知識によって、私は彼等のヒーローとなってしまいました。


またその後、PCの普及が加速し海賊版の充実度も加速していくというアレな時代となっていくのですが、ある日クラスメートが一つのゲームを入手します。

中国語にローカライズされていたので恐らく台湾か香港から来たものだと思われるそのゲームの名は
「同級生2」

プレイした事の有る方はご存知でしょうが、
同級生2は現在主流のノベルゲームとは違い、フラグ立ての厳しい、
かなり難しいゲームです。

鳴沢唯はどうやったら攻略できるんだ!
水野友美がデブにとられてしまう!!


という悲痛な嘆きをあげる彼等の前に、また救いの手が伸びます。

そう、それはPC−FXを買ってしまったがために遊ぶソフトに困り、同級生2もバッチリやりこんでいた「私」でございます。
エロゲにより蓄えたオタクの知識によって、私は彼らの救いの神となってしまいました……


とまぁこんな感じでゲームみたいな高校生活ではなかったものの、ときメモ等のオタ知識のおかげで、私はそれなりに楽しい高校生活を送ることができました。
まぁ、残念ながらゲームのような女の子とキャッキャウフフな体験は無かったですが!


今回はとりあえずここまでとさせていただきます。
この後の大学では大した話題はないのですが、予想より長くなってしまったので区切らせていただきます。

その4(多分これで最後)に続きます。


わがオタク的青春の北京 その1

わがオタク的青春の北京 その2

わがオタク的青春の北京 その4

中国の学校生活と恋愛と学園モノ

わがオタク的青春の北京 その2

新年あけましておめでとうございます。
今年も当ブログをどうかよろしくお願いします。

今年最初の更新は前回に引き続き、私自身のオタク的中国生活についてを。
前回の「中学時代編」は私が大ピンチ状態な暗い話だったので、
「年末最後の更新がこれかよ!ヲイ!」
とツッコミを受けたりしましたが、
まぁその、私のオタク的中国生活を語る上で、
説明しないわけにはいかない前置きの部分でして・・・・・・
実質今回からが本編ですね。

「中学時代編」から読んでいただけるならそれに越した事は無いのですが、
あんまり読んでいて気分のいい話ではないですしパスしたいという方はとりあえず、

私が中国の現地校の中学校に通っていて、
日本人ということでいじめられまくって大ピンチな状態が続き
楽しみも無いのでオタク趣味にはまった。

というあらすじを知っておいていただければOKでございます。


さて、私も悪夢の中学時代が終わり高校時代へと進む事になりました。
クラスメートも一新(中学3年間はクラス替えなしでした)、新たなスタート・・・・・・と言える様な、良い気分ではありませんでしたね。相変わらず現地校に通い続けることになっていましたし。

そして高校生活が始まりましたが、早速とあるクラスメートが

「お前は日本人か?」

と聞いてきました。
どうせ放っておいても何時かは分かる事だし、隠せる事でもないので

「そうだ」

と答えましたが、私の内心は中学時代の続きかと暗澹たる気持ちになっておりました。
しかし、その次に彼の口から飛び出した言葉は

「なら・・・・・・土星机(機)って知ってるか?」

というものでした。
てっきり日本についてのいちゃもんだと思っていた私は頭の中真っ白。
どうにか意味を理解しようと彼の言った「土星机」なるものを脳内検索します。

日本関係で、土星・・・・・・そうだ、アレだ!アレに違いない!
「セガサターン!!」

何故かとっさに導き出した内容がコレ。半信半疑で聞き返す私。
「ゲーム機の事?」
「そう、それ!知ってるんだな!」

そしてそれが大当たり。
そしてそれに続いて出てきたのが

「なら・・・・・・龍之力量というゲームを知っているか?」

サターンで龍之力量・・・・・・龍は恐らくドラゴン、ならば・・・・・・力量は・・・・・・
そうだ!
シャイニングフォースの中国語名は確か「光明力量」
ならば、これは「ドラゴンフォース」だ!

「ああ・・・・・・知っている。そのゲーム持っているぜ・・・・・・」
「そうか!実は日本語だから分からない所多くてさ。ちょっと教えてくれないか?」


と、こんなやりとりに。
中学の頃の私は毎日をどうにかやり過ごすのに必死だったもので気付いていなかったのですが、実はこの時期、日本のゲームがかなり広まっていて、PSやサターンといった次世代機が都市部の若者の憧れになっていました。

しかし当時はまだインターネットもやっと出てきたかどうかという時代。
日本のオタクコンテンツに関する情報は限られていました。

しかも海賊版が爆発的に流行る前ですから、情報がそれほど出ていなかったので、高校生にとっては香港や台湾で翻訳された雑誌のそのまた海賊版くらいしか情報源は無かった時期でした。

そして彼らがオリジナルにしろ、海賊版にしろ、どうにかゲームを手に入れても、日本語が分からないままなんとなく遊ぶ事になります。
手に入れたゲームのジャンルによってはちょっと厳しいことも有りますし、楽しんだゲームの事をちゃんと知りたいというのは人情です。

そんな中、新しい情報を大量に持ち(ゲーム雑誌定期購読)、ゲーム機を持っている(PS、サターン、PC-FXを持っていました)私は非常に嬉しい存在だった模様です。


これはオタク分野全般について言えるのですが、
オタク趣味を持っている中国人とのやり取りでは私の「日本人」という属性と「オタク」という属性両方を見た上で、「オタク」としてのやり取りが出来るようになる事が多いです。

彼らにしてみれば、日本という国については色々言いたい事もあるが
「それはそれ、これはこれ」
と分けて考えているといった感じで「日本人」や「日本」という記号と切り離してちゃんと個人として話をすることが出来ます。
今まで「日本人」という記号でしか扱われなかったのですが、ここに来てようやく「私個人」としてのやり取りが出来るようになりました。

日本のコンテンツが大好きな中国オタクであることが日本びいきという事に即繋がるわけではありません。
しかし、日本のオタク系コンテンツが好きな人間は少なくともまともに話の出来る相手ではあったのですね。

個人と個人での話し合いが出来るようになればそこから先は普通の流れになります。
この時話しかけてくれたクラスメートとドラゴンフォースやサターンの事で盛り上がりながら、
私は高校生活というものが期待できるのではないか
と感じておりました。

それにしてもこの時セガサターンとドラゴンフォースいう答えを導き出した私のオタク脳を褒めてやりたいです。

ちょうどいいので、今回はこの辺で一区切りを。
その3の「高校、大学生活編」(多分)に続きます。


わがオタク的青春の北京 その1

わがオタク的青春の北京 その3
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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日本からだと存在そのものを疑われる事も有った北京の漫画喫茶B3は現地の制度変更や地価高騰の影響で伝説の彼方の存在となってしまいましたが、中の老板は相変わらず活発に動いてらっしゃいます。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

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