「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

2010年05月

中国オタク的「マイナーだけど俺は好きな作品」

「中国で人気が出て知名度の高い作品以外だと、どんな作品が中国で知られていますか?」
といった質問をいくつかいただいております。ありがたやありがたや。

以前の記事で
中国オタクの心の中に残っているマイナーな「神作」は?
というのも書きましたが、もう2年前になりますし状況もかなり変わっていると思われます。

そんな訳で、中国のソッチ系の掲示板で見かけた
現時点で中国オタクが
[マイナーだけど俺は好きだ」
「有名じゃないけど心に残っている」

と感じているっぽい作品について語っているやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳でざーーーっと紹介させていただきます。


俺はここ十数年くらいずっとアニメをみているが、マイナーな作品にも結構面白いのが有るよね。とりあえず俺は「今、そこにいる僕」を挙げさせてもらう。

誰か「KURAU Phantom Memory」を知っているやつはいないか?
俺はとてもよく覚えている作品なんだが。

マイナーな作品ということなら、俺は「バッカーノ!」が好きだわ。
2期やってくれないか、今でも期待している。

「愛してるぜベイベ」。
周りに知っているヤツが誰もいないよ。

「スクールランブル」とかどう?
最近見てハマった。

「スクールランブル」はちょっと前に人気でたからマイナーじゃないぞ。
ところで、私は「初恋限定。」とか悪くないんじゃないかなーと思うんだが、どう?

古くなったからみんな話さなくなったのか、それとも元から知られていなかったかは判断に迷うよね。「フルーツバスケット」とかは今ではあまり話されていないけど、過去の名作という位置だと思う。
しかし「GA 芸術科アートデザインクラス」なんかは知られていない方に入れるしかないんだろうなあ……

ヘンな方向で話題になることが多いが「こどものじかん」は結構良いよ。
名前だけ知っていても実際に見ているヤツは結構少ないように思う。

「BLOOD+」は結構良いと思う。問題は50話以上あるということか。

「ガン×ソード」は一本で様々な要素を楽しめる名作だし、もうちょっと知られても良いと思うんだけどなぁ。

「MURDER PRINCESS」は結構いいぞ。
アニメも6話でさっくり見ることも出来るからオススメ。

私が知っている中で比較的マイナーだけど印象的な作品は「ぼくらの」かな。

「ちょこッとSister」はホントに良い作品でした。

マイナーなのだと「BECK」が好きだね。

個人的には「奏光のストレイン」。作画崩壊とか言われたりしてるけど、私は好きだ。

「みなみけ」
癒し系アニメでは最高クラスの作品じゃないかと思うんだが……

ギャグ漫画日和はスゴイ作品だと思うんだが、なかなか見ようとするやつがいない。
やはり画が問題なんだろうか。

「ストラトス・フォー」と「ロケットガール」
この二つは

忍者作品が好きなら「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」は良いよ。
戦闘シーンはNARUTOよりスバラシイ。

ここしばらくの間で面白いけど知られていない作品の最高峰は「電脳コイル」だと思うんだ。

私の心に残っているマイナー作品といえば「イリヤの空、UFOの夏」かな。
まだ見たこと無い人には是非見て欲しいよ。

スポーツ系の作品はあまり見てる人がいないんだよね。
「イナズマイレブン」とか「MAJOR」とか見たことあるヤツいる?

「ヒロイックエイジ」とかどうだい?
ウチの国ではそんなに知られていないけど、他の国では結構な評価が高いらしい。

みんなに見て欲しいと思うのは「R.O.D」だね。
ストーリーが最後の方でちょっとグダグダになっちゃったのが遺憾だが、キャラや演出など非常にスバラシイ作品。

じっくりみるつもりなら「ゼーガペイン」だ。
後半の展開はすごいぞ。序盤で諦めないでくれ!

「バッカーノ!」と「半分の月がのぼる空」は良い作品なんだよ。ホント。
もっと知られても良いと思うんだが。

「シスター・プリンセス」は印象深い。
大量の妹という設定に驚愕した覚えがある。

すごい良いってわけじゃないんだけど「スクラップド・プリンセス」はそこそこ面白い作品だと思う。
気軽に見れるしね。

俺は「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜」を薦める。
この作品でマジ泣きしてしまったよ。

「フリクリ」。ガイナックスで、しかも良い作品なのに最近の連中からは反応が無い。それにしても2000年以降はアニメの番組数が格段に増えたように思う。



とまぁ、こんな感じで。
比較的新しい作品が挙がっている感じもしますが、相変わらずよくチェックしているもんだと思ってしまいますね。

中国のネットではここしばらくの間で日本の情報が更に多く、速く入ってくるようになってきているのですが、その影響はかなり大きいと感じられます。
中国オタク層における作品の人気と、その反応というか評判と言うか感想については以前から「日本における評価」に引っ張られるところがあったのですが、最近の情報の増大の影響で中国オタクの面々の感想も日本とあまり変わらなくなってきています。
「日本の評価」という「公式回答」を参考にしてしまう傾向があるのですよね。

しかし、ちょっと前の作品だったりトップクラスの人気ではない作品になると日本の情報に引っ張られることが少なく、中国オタク独自の感じ方が前に出てくる傾向があります。
そういった反応は日本の感覚とはちょっと違う意見もあったりするので、私も見ていて面白かったりしますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタクの心の中に残っているマイナーな「神作」は?

中国オタク達が初めてみたアニメ作品

初音ミクのアルバムがオリコン1位になったことへの中国オタクの反応

初音ミクのCDアルバム
「EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat. 初音ミク」
がオリコンウィークリーアルバムランキングの1位になったそうですが、この件についての質問をいただいております。ありがたやありがたや。

初音ミク、初のオリコン1位に輝く、コンピアルバムが週間ランキングで
(朝日新聞)


初音ミク“ボーカロイドアルバム”が徳永を押さえ、初首位
(ORICON STYLE)


ボーカロイド、特に初音ミクは中国オタクの間でも既に確立されたジャンルとなっていますので、このニュースについても早速反応が出ているようです。
それでは以下、中国のソッチ系の掲示板で見かけた反応を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ミクの人気スゲェ!
この成績はとてもスバラシイ。

オリコンに入っただけでも凄いのに、まさかトップになるとは。

ボーカロイドが武力をふるいまくっているな。
それにしても、日本の男のオタクって金あるんだなぁ……

初音ミクはもうある種のムーブメントになっているのかもね。
それにしても、日本のオタクってちょろいね。簡単に金を騙し取れるんだから。

これは嬉しい。
ただ、バーチャルな歌声がトップになっちゃっていいのかと、ちょっと心配も感じる。

ミクの人気に疑いの余地が無いことが証明されたな!

日本ではどこかの学校で初音ミクの歌が歌われたりしてているんだっけ。
そこまでの扱いになっているから、オリコンの1位にもなれるんだろうね。

金星探査機あかつきにミクが乗ったらしいからな。
宇宙へのメッセージにするなんてホントにすげぇよなぁ……

日本のオタクってスゴイのか、それとも何かおかしいのか。
バーチャルなキャラをオリコンのトップにしてしまうなんて。

初音ミクの人気がどんどん高まっていくのは嬉しいね。
このオリコン1位も祝うべきことだ!

うーむ、ミクのパワーはスゴイな。良い作品もいっぱい出ているということか。
それにしても、俺はねんどろいどの雪ミクを手に入れられなかったことをずっと後悔したまま生き続けないといけないのだろうか。

雪ミクはネットオークションに海賊版が50元くらい(約650円)で出ていたぞ。
中国産のパワーも恐ろしいな……

さすがにここまで売れるというのは予想外。
ニコニコ動画で聴ける曲ばかりなのに。

特典つきにひかれるんだろう。
関連商品に金を騙し取られる日本のオタクが単純なんだろうよ。

日本のオタクってホント金あるよなー。
これは一人が幾つ買っているんだろう。

この順位には驚愕したが、いったい何が原因なんだろうね。
オタク層の出す資金が多いとか、日本のオタクを騙して金を吸い上げるのが簡単だというのが理由だとしても、そういうのがずっと続くもんなのか?
日本のオタク市場はやはり不思議だ。

さすがに「けいおん!」には勝てないけど、ボーカロイドが既に重要な地位にいるのは確実だ。

とあるソフト会社の作ったソフトがここまで大きくなったのか……

なんか最近急に人気が上がったようにも感じるね。原因はなんだろう?

順位は高いけど、販売数はそれほどでもないから他のCDの売り上げが下がっているんじゃないか?あと、有名アーティストの作品が発売にぶつからなかったからというのも大きいと思う。

初音ミクが凄いのか、オタクが狂っているのか。どちらだろう。



とまぁ、こんな感じで。
初音ミクが評価されているのを喜んでいる反応が多かったですが、それ以外にも
「なぜ初音ミクがここまで売れるのだろうか」
と首をひねる反応も見受けられました。

このアルバムが「何故売れたか」については、
初音ミクの人気や他のCDに元気が無いということ以外にも理由があるかと思います。

CDのターゲットとなる層に合った宣伝をしていますし、
アルバムで特典付きでありながら2000円というやや安価な価格、
ニコニコ動画などでアーティストの存在が身近に感じられる、
などの強みとなる要素が多いことも影響しているのではないかと思います。

また更に、現在のボーカロイドの人気曲のアルバムということでボーカロイドのコアなファンだけでなく、ライトな層の「とりあえずチェックしておこう」的な興味にもバッチリハマっているのではないかと。

こういった諸々の要素が影響しての
「買おう」
「買ってもいいか」
といった感覚については、日本のCD販売の環境というものが体験なり知識なりで必要だと思いますし、なんだかんだで日本とは距離の有る中国オタク層へはちよっと伝わりにくいのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


新ボーカロイドLilyへの中国オタクの反応

初音ミクカラー新型新幹線、中国オタク的にも「はつね」になったらいいなーと思われている模様

中国オタクのヱヴァンゲリヲン新劇場版:破Blu-ray&DVD発売についての諸々の反応

先日「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」のBlu-ray&DVDがついに発売となりました。

私も無事入手できましたし、気になっていた特典のフィルムも碇ユイの出るシーンだったのでとりあえず当たりだと一安心です。
この件について、ありがたいことに中国オタクの反応はどうなのかという質問を幾つかいただきましたので、今回はそれについて書かせていただきます。

まず多かったのはやはり日本における盛り上がりについてですね。


各販売店の盛り上がりが凄いね。
それにしても、日本はショップの飾りつけを行うのが本当に速い。
よくイベントの度に入れ替えられるね。

やはり売れ行きは良いみたいだね。さすがはエヴァだ。

ああ、日本がうらやましい。
ゲーマーズの店員さんの綾波コスプレとか、実際に見てみたいよ。

関連商品とか露骨に稼ぎに来てるような感じだけど、この盛り上がりは正直楽しそうだ。

エヴァは大好きな作品だから売れて欲しい。
販売数で新記録を打ち立ててくれ!

もう発売になったのか!
こっちに入ってくるのは何時頃だ?ウチの地元の店で手に入れば良いんだが。

俺の注文したDVDが届くのは1週間後だよ。
日本のこの盛り上がりに参加してみたいもんだ。

ついに出た。しかしこれを見たらきっと次のQまでの苦しみも強くなるに違いない。
まぁ俺はそれでも買うという選択しか無いのだが。

特典のフィルムは良いアイデアだね。
最近の関連商品の動きはあまり好きじゃなかったが、これなら納得できる。

エヴァは凄いなー。
やはり日本のオタク文化のフラグシップ的な存在なんだね。

パッケージもカッコイイね。
俺も注文したんだが早く届かないかな。

やはり買うことに決めた。
あとはDVDかBlu-rayかという選択が問題だが……どうしようかなぁ



といった感じの発言がイロイロと。
それから、例によって早くネットに動画をアップしろとかそういった発言についても


今出てるのは動画ファイルだけ?Blu-rayのリップファイルはまだかよ!

ここ数日は発売日が待ち遠しくてしょうがなかった。
早くDVDがダウンロードできることをずっと祈っていたぜ!

字幕版はまだか?頑張れ字幕組!

(「字幕組」というのは字幕加工した動画ファイルをネットにアップしちゃう中国オタクのファンサブグループの通称です)

この盛り上がりならRAWファイルの質にも期待できるな。
みんな、HDの準備はできてるかい?

DVD版を見おわった。早く続きが見たい。
あとは字幕版を待ながら考察をしよう。

俺はBlu-rayの動画に字幕がつくのをじっくり待つよ。
俺にはオリジナルを買うのは無理だからね。

さっきからBitTorrentのまとめサイトを更新しまくりだぜ。



こんな感じで頭の痛くなる発言もかなりの勢いで飛び交っています。
それから、中には日本滞在中で既に入手したのもいるらしく戦利品画像をアップして見せびらかすヤツもいたりします。


今日の発売日に早速Blu-rayを手に入れることが出来たので、記念にパッケージやパンフ、特典の画像をアップします。
特典のフィルムはどのシーンか今すぐは分からないけど、初号機かな?

うーん、いいな。俺の手元にはまだ届かないというのに……

気分の悪くなる行為をするんじゃない。

今回はこっちでもそこそこの値段で買えるみたいだね。
私は520元(約7000円)で買えた。

俺の手に入れた特典フィルムのシーンがやっと分かったよ!
せっかくだから、特典フィルムの写真とそのシーンのキャプ画像をアップしよう。



とまぁ、こんな感じの自慢なんかも飛んでいました。
動画のアップロードについては例の如く頭の痛い話なんですが、エヴァは戦利品の見せびらかしのための画像アップも多い作品で、ネット上の見せびらかしスレでは殺伐とした空気が漂っていたりします。

昨年の劇場公開の時も「俺は3回も見ちゃったぜ」「公開初日に見ちゃったぜ」とかいう感じでチケットの半券をまとめてアップしたり、当日の整理券をアップしたり、更にはその画像を自分のアイコン画像にして掲示板に発言しまくるヤツが出たりと、ちょっとアレな行動もイロイロ見受けられます。

「破」の発売に関しては、なんかこう非常に典型的な中国オタクの反応が一気に出ていますが、とりあえず中国オタクもイロイロと盛り上がっているのは確かなようです。
私の知り合いの中国オタクの面々もBlu-ray版を近々入手予定だそうで、皆で集まって鑑賞会を開くとか。
中国のネットでは破の考察スレなども加速していますし、この盛り上がりはしばらく続きそうな気配ですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

エヴァ劇場版「破」への中国オタクの反応やらなにやら
(昨年の公開時の記事です。ネタバレあり)

Googleトップページのパックマンに盛り上がる中国オタクの面々

先日パックマン三十周年を記念してGoogleのトップページに実際に遊べるパックマンロゴが公開されました。
当初は5月22日と23日の限定公開でしたが、ユーザーからの要望が多かったために引き続き公開となっているようです。
現在はhttp://www.google.com/pacman/で引き続きプレイできるようになっています。

中国オタクの面々もこれには喜んでいたようで、中国のソッチ系の掲示板ではパックマンについて盛り上がっていました。
でまぁ、私もうっかりこのパックマンにコインと一緒に時間を投入してしまったので今回はこのネタで一つ簡単な記事を……

それでは以下に、その反応を例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


おい、Googleのトップページが遊べるようになってるぞ!

Googleさすがだ!
Insert Coin押したらマジで遊べるとか、すごすぎる。

うお!?これ単なる画像じゃないのか。
Googleはセンスありすぎ。

これ、30年前のゲームだったのか。
懐かしいなぁ。子供のころ遊んだよ。

これ、一体なんなんだ?
誰か詳細を教えてくれ。

パックマンていうナムコが昔作った名作ゲームだよ。

Googelもつまらないことするね。もっとやることがあるだろうに。

おお、マウスじゃなくて二人プレイまで出来るのか。
当時は同級生とケンカしたもんだ。

俺の方からはアクセスできない。
何が起こっているんだ……

Googleも香港に飛ばされちゃったから寂しくなるな。

こりゃいいや。面白い!

何このショボイゲーム。

俺もこれは全く知らない。有名なものなの?

お前らは何も分かっちゃいない。
Googleのトップページのロゴで実際に遊べて、しかもこの再現度。
これがどれだけスゴイか理解できないとは本当にもったいない。

いったいどれくらい遊んでなかったのか分からんが、自分の腕前がむちゃくちゃ落ちているのは分かった……

これ、難しくないか?
それとも俺が下手になっただけなのか。

マウスでやるよりキーボードでやった方がやり易いぞ!

とても懐かしい気持ちになった。
子供の頃に親戚のお姉ちゃんとテレビの前でずっと遊んでいたよ。

こういう面クリアタイプのゲームって久しくやってなかったから楽しいわ。

懐かしくて面白い、これはやはり良いものだ。
昔ファミコンでずっと遊んでたんだよなあ。



とまぁ、こんな感じで。
ちなみにパックマンの中国語名は
「派特」「派特人」「吃豆子」
といったものになっているようです。

中国では90年代にパチモンファミコンが爆発的に広まっちゃった過去があります。
そしてそのときに一緒に広まっちゃった海賊版ソフトの中にパックマンもあったため、そこでパックマンにハマったという人も結構いるそうです。

それから、海外サイトを検索するのに便利なのでゴタゴタがあった後でもみんなGoogleは使っているようですね。
中国国内のサイトの検索についてはイマイチらしいですが、中国国外サイトの検索の場合はやはり便利だという話です。
検索結果が表示できなかったりサイトにアクセスできなくなったりすることもあるようで、海外で使うのに比べてイロイロと不便らしいですが、それでもまだ充分役に立つとか。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国で最も売れたゲーム機 「小覇王」(パチモンファミコンについての記事です)

中国オタクは受験で一度死ぬ

今回はちょっと、中国オタク独自の事情について書いてみようかと思います。

中国と日本の若者のオタク事情における大きな違いの一つとして
「大学受験」
の影響があります。

大学受験に参加し高校から大学に進学するということ自体は日本だろうが中国だろうが変わりません。
また、高校生活と大学生活で学生を取り巻く環境や生活が変わり、人間関係に変化が出るところも同じです。

しかしその変化の度合いについてはかなり大きな差があります。
中国の学生の場合、大学に進んだ際に今までの人間関係はほとんど白紙になり、断絶されてしまいます。

大学受験は中国オタクにとって受験のために趣味を断つといったことだけでなく、それまで一緒に趣味を楽しんでいた人間関係がほぼゼロになるということでもあるんですね。

なぜここまで大きな変化になるかというと、
中国の学生は大学受験の結果で
「住む世界」「その後の人生のランク」
の大部分が決まってしまうからです。

中国の大学受験は年々進学率が上がるために受験者が増え、
増加のピークが過ぎているとは言われているものの、
現在1000万人以上が参加し大学に入れるのはその6割程度です。
更に、中国の大学はランクごとの違いがわりとハッキリしています。

こういったことから受験者の学生とその親御さんにとっては
「試験の成績で行ける限り良い学校に行く」
という傾向が強く、
「自分が行きたい、或いは自分の特徴に合った志望校を選ぶ」
というのはあまり一般的ではありません。
その為、中国の学校生活においては、クラスで仲の良い友達や恋人同士が同じ学校を目指すというのは現実的ではなかったりします。

それからもう一つ、中国の大学生活の特徴として
「学生はほとんど全てが寮生活」
というのがあります。

なかには実家から通ったり部屋を借りたりということも無いわけではないのですが、中国の学生は基本的に大学の宿舎で暮らします。
中国の学生はここで初めて親元から距離を取ることになり、また同じ学校の学生達との寮生活という新たなコミュニティでの生活となります。
別の言い方をすれば、中国の学生はこの段階で実質的に高校までの友人関係が消失し、新たな人間関係の場に放り込まれるといったところでしょうか。

このように中国の学生は大学受験による交友関係の断絶というものがある訳ですが、
「それでも一応連絡を取り続けることはできるのではないか?」
と思われる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、距離以外にも大学進学後も高校の時の関係を続けるのが難しい理由があります。
それは中国では進学した大学によってその後の人生の方向性と「ランク」がほぼ決まってしまうということです。

中国の学生には受験戦争でドロップアウトしたり下位に落ちてしまった場合の
「人生のリカバリー」
が非常に難しいという事情があります。

日本でも良い学校に行った方が手堅い人生を送れるのは確かですが、
学校だけが人生じゃないという言葉もあるくらいですから学校以外の道というのも少なくありません。

しかし、中国では進学の道に入った時点で、
「ランクの高い大学に行けるかどうか」
のみでその後の生活レベルと言うか人生のランクが決まってしまうようなところがあります。

ようは学校に入った時点で
「良い大学に行く以外に良い人生は無い」
といった感じですかね。

大学の違いが人生の違いとなるということで、
それまでの友人関係を続けるのは非常に難しくなります。
幾ら仲が良くても、段々と疎遠になってしまうことがほとんどです。

最近ではネットも携帯もあるので交友関係の維持は楽になりましたし、以前ほど簡単に縁が切れるわけではなくなっているようですが、「住む世界」が違ってしまうので関係が消滅し易いということについては変わっていません。

私も中国の高校に通っていたときはオタク趣味を共有できるかなり仲の良い友人も出来たのですが、大学進学をきっかけに何時の間にかその関係は消滅してしまいました。誰が悪いというわけではないのですが……

このように中国の学生にとって大学受験は
「それまでの友人関係の消失」
「その後の人生のレベルの違いが確定」

というイベントでもあります。

またその結果、
それまで同じ趣味と時間を共有していたオタク仲間を失うということから、
「中国オタクは受験で一度死ぬ」
ようなものです。

中国オタクは大学に入る前と後で趣味についての対応や趣味に関する人間関係が大きく変化し、オタクとしての質も変わります。
中国のオタクの主な層が大学生だというのは、こういった理由も大きいかと思われます。

アニメや漫画などに出てくる日本の学生生活は、
中国オタクにとって「自分達の過ごす学生生活」とは異なる部分も多く、
「ファンタジー」
「ストーリー上の都合による作中の設定」

だと思われていることも少なくないのですが、
高校の付き合いがそのまま大学やその後の人生に続いていくということもそういった「ファンタジー」の一つとなっているようです。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


日本の学生ってホントにアニメや漫画みたいな生活をしてるの?

中国では天下一武道会も部活の全国大会も似たような感じかもしれません

「恋人と一緒の学校に進む為に頑張る」という話は中国でどうなのか

自衛官募集の萌えポスターに中国オタク困惑

ちょっと前に話題になりましたが、徳島の自衛官募集ポスターに、アニメ会社がデザインしたものが使われているそうです。
自衛官募集ポスターについて、詳しくはにゅーあきばどっとこむさんの記事などをご参照ください。
ユーフォーテーブルが徳島の自衛官募集ポスターを手掛ける

この件について質問をいただいておりますので、今回はそれについて一つやらせていただきます。ありがたやありがたや。

このポスターは「自衛隊」というのはやはり中国では微妙な話題ですし、それに「萌え」を組み合わせてしまったということで、中国オタクの間でもちょっとした反応が出ているようです。

そんな訳で、中国のソッチ系の掲示板で見かけた反応を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


これは……いいのか?
兵士になるという気分をぶち壊されたりしないのか?

何かのネタかと思ったら本当の話なのか……
あの国は本当に理解できない……

笑い死ぬかと思った。
オタクという生物の繁殖力や生存力に期待しているのだろうか。

国防の宣伝ということなら悪くない方法にも思えるが、徴兵となると……
許可を出した理由が分からん。

軍に入ったらフィギュアとか抱き枕のようなグッズは持ち込めないだろうし、オタク趣味に時間を使うことも出来ないんじゃないか?
萌え系のオタク趣味の場合、軍隊というのはありえないんじゃないだろうか。

オタクと軍隊って、組み合わせが悪いものの典型じゃないか。

さすがにこれは無いわ。軍に入ってオタクをやめろという話かよ。

オタクって一つのことに打ち込むから、案外何とかなるんじゃないかとも思う。

いったい何がやりたいのかよく分からん。
日本ではこういうことが一般社会に受け入れられているのか?

むちゃくちゃ驚いた。
まさかヤツラはこの方法で世界征服するとかじゃないよな?
最近は痛戦車や痛戦闘機なんてものがあるらしいし。

オタクが軍隊に入るわけないじゃないか。

本気でやっていることなのかな……理解に苦しむ。
オタクが軍隊やっても戦闘力なんて無いだろうし。

どういった意図なんだろうかね。
単純にオタク層を狙った募集ということでいいんだろうか?
それとも、何かしら他の考えがあるんだろうか?

まぁ、これで日本の自衛隊の戦力がどうなるか想像できるから俺たちにとっては悪くないんじゃないか。

自衛隊が萌え化したら戦闘力無くなって俺たちも嬉しいぜ!

マジメな話、軍隊って人間を鍛える場所だから入れてしまえばオタクかどうかなんて問題にならないだろうね。
これはむしろ脱オタさせるための社会的な罠だと思う。

この広告で軍に入った人間が、後にガンダム部隊を作るというわけですね。

さすがにこれで軍に入るオタクはいないだろう。
そもそも、何で自衛隊はこんな広告を許可したんだ?
オタクな男を捕まえる罠という狙いなのかね。

萌えで世界征服を狙っているのだろうか……まぁ少なくとも、俺はフィギュアを人実にされたら抵抗できない自信があるしな。

やはり自衛隊は人がいないんじゃないか?
日本にはオタクな男が多いし、そういった層を狙っているんじゃないだろうか。
しかし、軍事オタク以外は役に立たないんじゃないかなぁ。

しかし、正直日本のこういうところはうらやましい。
色んな所に萌えを使うことができるなんて……俺の周囲は灰色な環境なのに。



とまぁ、こんな感じで。

萌えと自衛隊員の募集というのは中国オタクの想像の彼方な組み合わせだったようで、ネタ半分に受け取っているものの、ちょっと困惑気味という感じでした。
やはり軍とオタク組み合わせちゃって良いのか?というのがあるみたいですね。

自衛隊についてはこんなCMこんなCMが既にありますし、
今回のような募集ポスターにするのは珍しいかもしれませんが、
自衛隊とオタクっぽいものの組み合わせはそれほど珍しいわけではないかと思います。
しかし、中国オタクの感覚だと自衛隊とオタクというのはなかなか結びつかないようです。

中国は学生に軍事訓練が義務付けられていますし、軍事関係のことについては中国オタクにとって日本などとは比べ物にならないほど、日常的に意識されています。
そういったことから、中国オタクの間にはミリタリー要素のある作品には比較的食いつきが良かったりする傾向があるようで、最近だと戦場のヴァルキュリアなんかが中国オタク的に「共感し易い要素のある作品」だったとかなんとか。

しかし、「軍のこと」については社会や教育における扱いから、やはり「マジメ」にしなければならないものと捉えられています。
またそういったことから、日本でも受け入れられない反応が出るようなこういった話は、中国においては尚更「ありえない」と思われるのでしょうね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国の学校生活における重要イベント「軍事訓練」

最強武将伝・三国演義の日本での評判を知った中国オタクの反応

今期ようやく日本での放映となった日中合作アニメ
最強武将伝・三国演義(テレビ大阪公式サイト)
ですが、日本での放映について中国での反応はどうなのかという質問を幾つかいただいております。ありがたやありがたや。

この作品は大評判というわけではないですが、正統派三国志を求める層などにそこそこ評価されているように思います。
最近日本では珍しくなった正統派の演義ですし、中国的な感覚に基づき作られた三国志ということで、日本の三国志マニアからすればイロイロな見方が出来ますしね。

中国のソッチ系のサイトの中には日本のオタクの反応ややり取り(たぶんソースは2ちゃんねるのアニメ板のスレだと思うのですが)を翻訳して紹介する、ウチのブログの反対のようなことをやってらっしゃる方もいるようで、そういった紹介を見て中国のソッチ系の掲示板でもちょいちょいと反応が出ているみたいです。そんな訳で、今回はそういった辺りの反応について一つやらせていただごうかと思います。

それでは以下に、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


なんかウチの国で作った三国演義が日本で評判良いらしいぞ。

日本で評価が高いのは本当に意外!
これはもしや良い作品なんじゃないか?

ワンピースと同じ時間に放映だから視聴率はかなり低いらしいね。
虐殺じゃないか……

中国のアニメが日本で放映されるってのがいまいちピンとこないなぁ。
まぁ、ちょっとでも視聴率が出れば成功なんじゃないかね。

日本の視聴者って偏向というか過激だから、中国制作ということでボコボコにされるんじゃないかと想像していたが、別にそんなことはなかったのか。

俺は罵声一色とかでなければ十分だと思っていた。
まさかこんなに評価されているとは。

日本の視聴者ってかなり細かい所まで見るんだなぁ……

よくあんな速いストーリー展開で理解できるな。俺はストーリーのあまりの速さに切ったよ。

日本人がアニメの三国演義の展開が速すぎると言っているのには同意だが、俺は日本の三国志のストーリーがなかなか前に進まないのにイライラすることが多いわ。黄巾だけでものすごい長かったりするし。

日本の反応を見たら俺も見たくなった。

中国で放映されたときは全く気にしてなかったな。まさか日本でこんなに評価されるとは。

こっちで放映してた時はそれほど面白いと感じなかったから追っかけなかったけど、ちょっとダウンロードしてみるかね。

あの三国演義って中日合資で作ってたのか。つまり日本の技術が入っていたのか……国産最高のアニメだと思っていたのに……

基本的に中国で作ってるみたいだからいいんじゃないか?
中国で放映された時は結構良かったし、俺は最近全部ダウンロードしてもう一度見た。
ウチの国もマジメにちゃんとやれば良いものを作れるんだと実感できたよ。



とまぁ、こんな感じで。
ざっと見た感じでは、日本で評価されてるのが結構意外に思われているようでした。

以前アニメ版三国演義が中国で放映された時、
数少ない視聴者の共通のものとして
「中国オタクの多くは興味が無い、みんな見ていない」
といった嘆きの声が出ていました。

当時はキャラデザや演出もなかなかで、「悪くない作品」だと評されていました。
また問題点として挙がっていたのはやはり「ストーリーが駆け足すぎる」というところで
「孟獲の七縱七禽くらいしかまともな描写がねぇぞ!」
「最後の二話は特にヒドイ」

といった声も。

まぁこの辺は52話で三国演義終わらせなきゃいけないこともあって、しょうがないのかもしれませんね。
1話が桃園、2話で董卓と、黄巾の乱も1話で終わらせているくらいですし。
私も後ろの方はまだ見ていないのですが、第50話で五丈原のはずなので、ラスト2話で晋までもって行くとなるとそうとう駆け足にならざるをえないのでしょうね。
あと、こんなペースなのになぜか孟獲で3話使っていたりもするそうですが、これは後半で数少ないコミカルなシーンだからなんですかね。

ちなみに、
「中国のファンサブグループは、日本で放映されているアニメ版三国演義にまで、あえて字幕をつけたりするのか?」
という質問もいただいたのでちょっと調べてみたのですが、
現在日本で放映された「日本語版」に中国のファンサブグループが字幕をつけて放流したものがP2Pに流れているようです。
中国国内には、既に放映されたオリジナル言語のバージョンがあるはずなのですが……

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


日中合作アニメ「三国演義」今度こそ放映開始……信じて良いんですよね?

おっぱいマウスパッドに手を出した中国オタク達の反応

立体マウスパッドというか、おっぱいマウスパッド(最近は胸に限らずイロイロあるようですが)といえば、日本が世界に誇るダメオタクグッズかと思います。
そして、なんだかんだでそのグッズも中国オタクのところに流れているようです。

先日中国のソッチ系の掲示板を巡回していた所
「おっぱいマウスパッドに手を出してしまった」
ということについてのダメでナイスな(?)やり取りを見かけたので、今回はそれで一つ。

それでは以下に、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


その存在を知ったのはかなり昔のことだが、ついに手に入れた。
おっぱいマウスパッドを!
使った感じもスバラシイ。もう昔には戻れそうに無い!

興味は有るし欲しいとは思っているんだが、今住んでいる大学の寮の部屋が一人部屋じゃないからなぁ。

俺は実は初音ミクのおっぱいマウスパッドを持っている。
買うときに非常に勇気が必要だった、しかし使うのにはもっと勇気が必要なのだと手に入れてから気付いてしまったよ。

オークションだとそこそこ手に入れるのは楽そうだが、やはり踏み出せない……

客観的に見ると変態でしか無いのが問題だよね。
使っている所を他人に見られるというのは想像もしたくない。

おっぱいマウスパッドはいいぞ!
使うと新世界への扉が開く!

マウスパッドは操作感の方が重要だろ。
おっぱいマウスパッドは観賞用でいいんじゃないか。

おっぱいマウスパッドは手首に来る感触がとても良いし、長時間使っていても疲労を感じないぞ!
最近はマウスの方の性能が上がっているから、マウスパッドを趣味で選んでも問題ない。

俺も最初は躊躇したけど、一度使ってみたらとてもキモチイイので止められなくなった。そのうち慣れるよ。

俺はちょっと合わなかったなぁ。
なんか腕にマメが出来たみたいな引っかかりを感じた。

ルームメイトに見られるのが怖くて、買ったけど使っていません。
ルームメイト全員アニメや漫画は見ているけど、さすがに自分がおっぱいマウスパッドを使っている所を見せるのは……

普通の平面マウスパッドだと、絵があってもそれほど問題に思わないのだが、立体になると危険度が大きく増加するように思える。なぜだろう。

勢いで買ったはいいが、結局しまったままだ。
やはり使う勇気が出ない。

実際に使っている人間の勇敢さには敬服せざるをえない。

うーん、おっぱいマウスパッドの画と構造には非常に惹かれるものがあるんだが……
大学の寮ならともかく、実家でとなると……

実際に使うとなると、美少女の顔の上にマウスを置く形になるのがちょっと残念だよね。

俺は1日のうちかなりの時間をPCの前で過ごしているから、その間ずっと使用中の姿を晒してしまうことになる。そう考えるとさすがに使えないわ……

私はコレクションとして手に入れたから実際に使うことはないね。
たまにナデナデするくらい。

私はずっと使用しています。
絵のおかげか、立体構造のおかげか、それともその両方のおかげかは分かりませんが、とても気持ちよくPC操作が出来ます。

知り合いが買ったんだが、こっそり使っている時に部屋に入ってしまって空気が凍ってしまった。
悪気は無かったんだ……

以前に何回か使ったことがあるけど、そんなに良い感じじゃなかったから使うのをやめた。
やはり中国の海賊版だからいけなかったんだろうか。
日本の純正は非常にキモチイイらしいが。



とまぁ、こんな感じで。
やはりと言うかなんと言うか、使用を躊躇うのが多いようですね。

中国オタクの主な層である大学生は学校の寮生活というのがほとんどなので、個室に住めることはかなり少なく、また仮に個室に住めたり学校の外に部屋を借りたりしても、学生同士で部屋の出入りがしょっちゅうあります。そういったことから、キワモノグッズを「周りの人間に見られずに」使うのは結構難しいようです。

特にマウスパッドはPC使用中に常に出しっぱなしになります。
中国オタクはPCの前にいる時間がかなり長いですし、その間ずっと生き恥をさらし続けるのを想像すると非常に恐ろしいのでしょうかね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国のネットと日本のアスキーアートについて少々

先日の記事のコメントで和製アスキーアートは中国でどうなのかという質問をいただきました。ありがたやありがたや。

実は日本のネットでよく使われるアスキーアート(以下AAと略)については以前から質問をいただいていたのですが、書きかけでそのまんま放置という状態でしたので、思い立ったがなんとやらということで、今回は日本のAAについてを。

さて、まず中国のネットにおける日本のAAについてですが、中国で日本のネットの情報に一番近いと思われるオタク系のサイトやBBSでも
「日本のAAは中国のネットではあんまり知られていないというか、意識されていない」
という感じだったりします。

中国にも細々と顔文字やAAっぽいものを使っている人はいるようですが、
日本で使われているAAについては直で日本のサイトを見る人間でなければ目にすることは無いため、
「AAというものが日本のネットではポピュラーらしい」
ということを知ってはいてもあえて注目する人はいないようです。

そもそも中国オタクの大多数は、中国のオタクコミュニティに投下される情報や、中国のオタク系ニュースサイトに掲載される情報を通じてオタク関連のニュースを受信しています。

そういったことから、2ちゃんねるをはじめとする日本のBBSのやり取りを実際に目にすることは少なく、AAのやり取りについても意識されないままになっているのではないかと。
ただ、たまーにAAを見かけて驚いてスレを立てるのもいるようで

日本のネットでスゴイAAを見て驚く
→どうやって作るんだと聞く
→知っている人間がそれは日本の習慣だと教える
→どうやって作るんだ、なんでこんなもん作るんだと質問
→あやふやな答えが返ってきて何時の間にか終わり


といった流れのスレを中国のソッチ系の掲示板で定期的に見かけたりもします。
AAについての大まかな反応としては

「すごいけど、何だかよく分からないモノ」

というのが多く、イマイチ理解できない日本のネット特有の謎の習慣と思われているような印象も受けます。
またAAの作成方法にしても

「恐らく作成ツールが存在するのではないだろうか」
「絵描き関係の人が作っているのだろうか」
「まさか手作業ではないよな?」


といった感じの憶測混じりの発言が多く、ハッキリとは分かっていないようです。それから
「なぜ直接画像を貼らないでAAを使うのか」
というのも疑問に思われているようです。

この辺は日本と中国では権利関係についての意識が異なるのもありますが、
BBSのプラットフォームの違いと、そこでの交流についてのイメージが日中で異なるのも大きいかと思われます。

中国ではブロードバンド環境の普及後にBBSのユーザーが一気に増えたので、
テキスト+画像を使用できるプラットフォームでBBSを本格的に使い始めたという人がほとんどですし、中国のBBSでは自分の発言に画像を貼り付けることが可能な所も多いです。

日本がパソ通やダイヤルアップの時代における交流から段々と発展していき、現在はテキストベースの2ちゃんねるが主流となっているのとは異なるので、
「AAを使う理由」
「AAが使われるようになった経緯」

などについてもいまいちピンとこないみたいですね。

それに加えて、
中国の一般的な中国語PC環境では
「全角スペースが無い」
「MSPゴシックフォントがデフォルトの表示ではない」

といったことから、中国のネット環境では日本のAAの表示がずれたりしますし、コピペしてそのまま使うことも難しかったりします。
日本の感覚だと手軽で便利で改変もし易いAAですが、
中国の一般的な環境だとあまり使い勝手の良いものでもないようです。


どうもうまくまとめられませんが、
オタク文化が作品や関連情報を通じて比較的伝わりやすいのに対し、
AAなどのネット文化は当地のネット環境や背景に影響される部分も大きいので伝わりにくいということなんでしょうかね。

例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国語の顔文字で、漢字一字のいい表情が(?)

新ボーカロイドLilyへの中国オタクの反応

中国におけるボーカロイドに対する反応についての質問をいただいておりましたが、
先日中国のソッチ系の掲示板を巡回していて新ボーカロイド「Lily」についての反応を見かけたので、今回はそれについて紹介させていただきます。
ありがたやありがたや。

Lilyについて詳しくはすごもりさんの記事
金髪の新ボーカロイド「Lily」をDTM MAGAZINEがスクープ
をご参照下さい。

それでは以下に、中国のそっち掲示板における反応を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


おお、新キャラ出るのか。
今度の声は誰だ?

新キャラは金髪か。
なんか亞北ネルっぽいね。

これは良い新メンバーだ。

ボーカロイド家がどんどん強大になっていくのはとても嬉しいです。

Lilyっていうことは……百合か?それともロリか!?

日本人の名前じゃないのか。外国人ボーカロイドとかだったりするのか?
ちょっと気になるね。

デザインは姉御っぽいな……俺は少女タイプが良かったのに!

Lilyのデザイン、俺は悪くないと思うよ。あとは声だね。
どんな感じの歌になるのかも重要だ。

ロックっぽい格好をしているから、低音系の声になるのかね。
どちらにしろ今までのボーカロイドにはなかったタイプだし、面白いんじゃないかな?

お姉さま系のキャラか。
しかし、俺は弱音ハクが好きなんでちょっと好みから外れるタイプだなぁ。

新キャラのデザインは悪くない。
あとは声優が誰かということだ。自分の知っている声優だと嬉しいんだけどね。

巡音ルカとどういう区別になるかだね。
ルカもお姉さま系のキャラだし。

巡音ルカのファンとしてはルカのポジションとかぶらないかが心配だ。
とりあえず、ファンとしてはルカに忠節を尽くすのみだ。

さすがにマグロに乗ったりタコになったりはしないだろうから大丈夫じゃないか?

個人的には炉心融解のように大きくなった鏡音リンと似てるという印象かな。

私の印象は自信に溢れた少女という感じかな。
今までに無かったタイプのキャラだから期待。

発表された絵の後ろの方にいる白髪のスピーカー男も気になる。

ボーカロイドもキャラ増えたよなぁ。さすがに多すぎない?

俺もそろそろ把握しきれなくなった。
ボーカロイドがまとめられた一覧表をよく参照する。

創作のキャラとして考えたら多いかもしれないが、ツールとして考えたら多くて損はないんじゃないか?

それにしても、何時になったら中文環境対応のボーカロイドが出てくれるんだろうか……



とまぁ、こんな感じで。

やはり中国オタク的にボーカロイドへのイメージはツールとしてよりも、キャラとしてのイメージが強いようですね。
どんなキャラになるのか、キャラ付けをされるのかということが気になるという反応が多かったです。

中国オタク内ではボーカロイドを自前で使いこなせる人間は少ないようで、
中国オタクコミュニィテにおけるボーカロイドの扱いは、
「日本のオタク文化における有名キャラ」
といった位置付けになっている感もあります。

中国オタクの中にはニコニコ動画をチェックしているのも結構いるようですし、
今後ボーカロイド「Lily」のキャラがニコニコ動画で固まっていくにつれ、
そのイメージが中国にも伝わっていくのでしょうね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


初音ミクカラー新型新幹線、中国オタク的にも「はつね」になったらいいなーと思われている模様

「初音」とは誰でしょうか?アニメや漫画ですか? 中国の質問掲示板より

中国の人気オーディション番組に男の娘(?)が出場

中国の人気オーディション番組に男の娘(?)が出場して話題になっているとのタレコミをいただきましたので、今回はそれを紹介させていただきます。ありがたやありがたや。

その番組は湖南衛星テレビによる男性オーディション「快楽男声」という番組だそうですが、その番組は年々人気と規模が拡大しているそうで、今年は3月末から海外も含めた地区予選を行い、9月に最終的な優勝者が決まるとのことです。
快楽男声公式サイト(中国語)

番組は現在各地方ブロックで50人まで参加者が絞られた段階だそうですが、
そのなかで成都ブロックの劉著という参加者の方が話題になっているそうです。

快楽男性は「男性」オーディションということで、
当然ながら男性ということが参加条件の一つなのですが、
劉著は番組にロングヘアにワンピースとストッキングにハイヒールという明らかに女性の出で立ちで表れ、しかも見た目だけでなく歌声や喋り方までも女性のように聴こえました。

中国オタクの間では女装キャラや男の娘といったカテゴリのキャラを
「偽娘」(中国語発音はウェイニャン)
と言っているのですが、この劉著を見て

「これはまさに偽娘(ウェイニャン)だ!!」

と思う人間が続出し、中国のネットではリアルな「偽娘」が出現したと大騒ぎになっているようです。
その影響はオタク層だけにとどまらず一般層まで広がっているとか。

現在中国のネットで
「著姐」
という愛称で呼ばれている劉著については
中国のポータルサイト網易で公開されている写真や、

youtubeで見ることのできる
劉著オリジナル曲

オーディション番組快楽男声の劉著が出た部分

オーディション番組成都ブロックのパフォーマンス
(劉著は後の方に出ます。別の「偽娘」の参加者も紹介されてますが、そっちは単にネタで女装してるだけっぽいですね)

といった動画などをご参照下さい。

また百度版wikiの「百度百科」にも
劉著の項目(中国語)
が既に出来ている模様です。

現在中国のネットでは劉著についてまさに話題沸騰という感じで、
劉著に関する話題や応援が飛び交うだけでなく、オーディション番組中で劉著の格好や性別の疑惑について辛辣な質問を浴びせた審査員に視聴者から批判が殺到するなどといったことも起こっています。

劉著の容姿については顔の角度や写り具合によっては男だと思えるものもあるのですが、歌や喋り方が非常に女性っぽいということが大きな衝撃をもたらしているという話もあります。

実は今回このオーディション番組には他にも複数の「偽娘」がエントリーしていたようなのですが、現在残っているのはこの劉著だけらしいです。劉著の歌やパフォーマンスがそれだけ群を抜いていたということなんですかね。

このオーディション番組「快楽男声」では今後もどんどん参加者を振り落としていき、9月に最終的な結果が出るそうです。劉著が今後勝ち残っていけるかどうかは分かりませんが、劉著の出現により今年の「快楽男声」では
「偽娘」
が注目キーワードの一つになっているそうです。

それにしても、「偽娘」という言葉が中国の一般のニュースサイトでもバンバン使われているので、このまま中国の一般層に認知される言葉になってしまうかもしれませんね。今後の展開次第では中国における今年の流行語入りの可能性なんかもありそうです。

日本では女装キャラや男の娘といったジャンルについては二次元の話がメインですが、中国では今回の件でもう三次元というか一般層も含めてのネタになっちゃったような印象も受けます。

中国の一般層や中国オタク層の多数派に受け入れられるかどうかは分かりませんが、今後中国の「偽娘」というジャンルは日本の「男の娘」や「女装キャラ」のようなジャンルとは違った、独自の方向に発展をしていくのかもしれません。
気になるというか、恐ろしいというか、何ともいえない気分になってきますな。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国のアニメイベントで「女装コスプレコンテスト」開催

中国オタク的にオトコの娘マガジンはさすがにまだキツイらしい

なぜ上海万博はオリンピックよりも微妙な盛り上がり方なのか

GW中に悪化した風邪もようやく治ったのですが、まだ身体が本調子ではないので、今回も調べたり翻訳したりしないでもどうにかなるネタで一つやらせていただきます。

先日上海万博がスタートしましたが、それについて

「事前の予想に比べてイマイチ盛り上がっていないのは何故でしょう」
「上海万博は中国オタクにとってどうなんですか?」


といった質問を幾つかいただいておりますので、
知り合いから聞いたり私が思いついたりしたイイカゲンな内容ではありますが、
ちょっと書いてみようかと思います。

まず、
「思ったより盛り上がってないように見える」
ということについてですが、これはまぁしょうがないのではないかと。

これについてはイベントの内容だけでなく景気や国際関係など、様々な要素が影響しているかと思いますが、私が感じているのは上海万博が「国民全員が体感できるイベントではない」ということですね。

今回の上海万博については北京オリンピックがセットで語られたり、
比較対照として出てくることも多いようですが、
中国の多くの人の感覚では上海万博と北京オリンピックはかなり違うもののようです。

テレビなどで自国の代表を応援したりできるオリンピックと違って、
万博は上海まで行かなければ体験することは出来ませんし、
上海在住でもなければあまり身近に感じられるイベントではないという話もあります。

極端な言い方をすれば、両方とも中国が外国にアピールできる国際的なイベントと考えられてはいるものの、
北京オリンピックが「中国全土の人間のイベント」だったのに対し、
上海万博は「上海の人間のためのイベント」といった感じかと。


私の知り合いの中国の方と話しても、上海出身でない方は
「中国にとっては悪くないだろうけど、あれは上海の話だから」
とかなり距離があるというか、他人事のような反応が多かったりします。

外国から見れば、中国は一枚岩に見えることも多いようですが、実際の所中国は地方同士の壁のようなものがかなりあったりします。
余所者には厳しいところがありますし、更には特定の都市同士の仲が非常に悪いなどといったこともあります。
なかでも上海は中国で一番発展しているだけに、周囲との摩擦も多い模様です。

実際の所はどうだか分かりませんが、上海人(上海の人間を中国ではこういう言い方をします)は
「上海のやり方が一番だと周りに押し付ける」
「他の地域や都市に対し常に上から目線」
といったことを理由に、他の地方では結構嫌われていたりするとかなんとか。

上海万博について海外の人間の想像したものと、実際の盛り上がりに差が生じているのは、こういった背景と上海万博の「上海限定」的な要素なも影響しているのではないかと思います。


それから、中国オタクにとっての上海万博なのですが、
中国は9月に新学年が始まるため現在学年末に向かってのスケジュールが絶賛進行中というのが大きな問題だったりします。

中国オタクの多くを占めるのは学生ですし、その学生にしてみれば上海万博どころじゃないという人がほとんどだとか。
テストやレポート、更には受験などで上海と上海近辺の人間以外にとって今の時期に上海万博に行くのは難しいようです。

学生にとって今の時期は長距離遠征が難しいので、
オタク関連のイベントでもこの時期に開催される場合、
参加者の顔ぶれは現地の人間ばかりになるそうです。

そんな訳で、中国オタク的には7月頭辺りから始まる夏休みになってからでないと上海万博についてもあまり考えられないようです。
本格的な反応についても夏休みになってからでないと分からないという感じでしょうか。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


坂本真綾×菅野よう子の遣唐使船再現プロジェクトテーマソングへの中国オタクの反応

上海万博へ「らき☆すた神輿」が来るかもしれないという話に中国オタクの反応は

中国オタクの「けいおん!」オリコン1位2位独占への反応

「けいおん!」のCDがオリコン1位2位独占となりましたが、この件について質問をいただいているので、今回はそれについてを。ありがたやありがたや。

「けいおん!」が史上初アニメキャラ首位、聖子以来26年ぶり1、2位独占も記録
(ORICON STYLE)


けいおん!のCDについては私もきっと売れ行き良いだろうなーと思ってはいたんですが、実際に1位2位独占というのを目の当たりにすると驚いてしまいますね。
中国オタクの面々の間でも、日本のアニメDVD、BDやアニソンCDの売れ行きに注目しているのが結構いまして、今回のオリコン1位2位独占は結構な話題になっているようです。

それでは以下に、中国のソッチ系の掲示板で見かけた反応を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


けいおん!が1位2位独占!
これは本当にすごいことだよね。

日本のニュースでも結構大きなことになってるみたいだね。
朝日新聞やYahooJapanとかでも報道されているし。

テレビにも出ている。タモリがけいおん!について何とも言えない表情をしていた。
けいおん!の二期の盛り上がりはすごい熱さだ!

実際のCD売り上げに基づく数値というのがスゴイよね。
amazonの予約を話題にして誇張というか誤解を促すいつものニュースとは違う。

けいおん!関連のニュースも随分と一般的になったみたいだね。
ところで、僕の好きなAngel Beats!のニュースは?

俺はけいおん!好きだからコレは嬉しいけど、プロの歌手をやっている人からすればキツイんだろうなぁ。

売れ行きはOPの方が良いのか?
こっちの評判はEDの方が良いし、私もそう思うんだけど、なぜなんだろう?

けいおん!の人気の凄さを改めて実感した。
日本の音楽業界はアニメを無視できないんだろうね。

これだけ売れて、しかもニュースで報道されるとは。
日本はアニメが社会的に認められていていいね。
中国はいまだに子供向けで止まっているよ……

別にプロの歌手が圧力を感じているとか言うわけではないだろ。
けいおん!のブランドが無くなれば売れるような面子じゃないし、そもそも毎年新シリーズを出せるわけじゃない。
プロの歌手なら年に数曲のペースでシングルを出せるわけだしな。

これ、オタクが一人3枚ずつ買ったからすごい数字になったとかじゃないよな?
日本のオタクの購買スタイルには大量購入というものがあるからなぁ。

大型の人気歌手と発売日がかぶっていないってのも大きいんじゃないか?
B'zとかBump of CHICKENなんかとぶつかったらそこまで上位にいかないだろ。

10年前のB'zとかだったらそうだろうけど、今の状態だったら何とも言えないんじゃないか?
あくまで現段階での話だが、けいおん!は今年発売された女性アーティストの初週売り上げでも2位だ。他の歌手がどれだけ下にいるんだか。

日本ではブームが燃え上がっているというのもあるんだろうね。
ただ確かに曲は良いと思う。

これは祝うべきことじゃないかい?
あとコレを機にAngel Beats!の信者はけいおん!を叩いてばかりいないでちょっとは作品を見るべきだと思う。

わけわかんねえ。
何であんな電波ソングが1位になるんだよ。

けいおん!は確かにスゴイ。
だが、Angel Beats!はどんどん面白くなっていくからまだ勝負は分からない。

なんでこんなに売れるのか分からない。
2期の曲は1期ほど良くは無いだろうに……

売れ行きについては先行してブームがあるからだろ。
けいおん!の曲を聴いたあとにAngel Beats!の曲を聴くと違いが分かる。
そもそもAngel Beats!の曲は麻枝准が全部作詞作曲しているんだからレベルが違うぜ。

うーん、やはり俺はOPが良いとは思えないんだよな。
でもこのランキングについては祝うべきだと思う。

俺はOPも好きなんだがな。
二期のOPは歌うための曲と考えるんじゃなくて萌えるための曲だと考えれば良いと思う。

けいおん!がこんなに上位に来るということは日本にはオタクな男がいっぱいいるということなのか、それともけいおん!がブームで一般的なものになったということなのだろうか……



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク的にも今回のランキングは嬉しいようですが、それと同時にいくら「けいおん!」がスゴイとは言えなぜここまで売れるのかいまいち分からないといった声もちらほらと見かけました。
また、基本的に中国オタクの間ではOPよりEDの方が人気が高く、OPの方が1位ということに納得がいかないという反応も。

また、それとは別に何やら「けいおん!」ファンと「Angel Beats!」ファンの間における衝突の口実になっちゃったりもしているようですね。
「けいおん!」も「Angel Beats!」も中国オタクの間で熱心なファンが多い作品なのですが、なかには「自分の好きな作品の方が優れている」とやりたいようなのも出てきてしまうみたいです。

それにしても、
今回の「けいおん!」の1位2位独占についてはベタなところですが、
ここ最近の様々な原因による音楽CDの売り上げの落ち込みと、
オタク層という強い固定客が以前よりも広がっていることと、
そこへけいおん!というビッグタイトルがぶつかった結果といった感じに解釈すればいいんですかね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

餃子でご飯を食べる日本の人ってありえない

GWも終わりになりますが、私はカゼひいてしまってほとんど家でグダグダしておりました。
体調が本格的に悪化したのがGWに入ってからだったのは良かったのか悪かったのか。

GW中にブログの記事を書き溜めておこうと思っていたのですが、
逆に貯めておいたのを使い果たすといった事態になってしまっています。
そんな訳で、今回はオタクに全く関係ない話で一つお茶を濁させていただきます。


先日、日本で生活している中国オタクの面々と遊んだのですが、その時に
「中国の人間から見て日本の食生活で慣れないものは何?」
という話になりました。

中国の人の中には納豆や刺身などの生魚がダメという方がいるので、
私はそういったものの名前が出てくるのかなーと思っていたら、
その場の人間全員一致で出てきたのは
「餃子定食」
でした。

彼等曰く
「日本の餃子もご飯も美味しいし、一緒に食べようと思えば出来なくもないが、やはりキツイ」
とのことで、ようは「餃子でご飯を食べるのがキツイ」ということだそうです。
日本生活がそこそこ長い人でも、餃子でご飯を食べるというのには慣れることができないとか。

考えてみれば中国では餃子は主食の位置にある食べ物なので、
中国の一般的な感覚からすると餃子定食は
「チャーハンをおかずにご飯を食べる」
「肉マンをおかずにご飯を食べる」
といったような感じなのかもしれませんね。

また、中国にも一応日本の焼き餃子に近い
「鍋貼」(グオティエ)
というのがありますが、一般的に食べられている餃子は水餃子です。

水餃子は水気が多く皮も厚めでモチモチしていますし、
日本の焼き餃子よりも「主食っぽい」「炭水化物寄り」な食べ物です。
そういった餃子を食べて育った人間からすれば、餃子をおかずにして主食にご飯を食べるというのは考えられないのかもしれません。

日本で食べられている餃子は、ラーメンほど中華からかけ離れていないとは言え、作り方や食べ方などのローカライズを経て今では日本食のようなものになっちゃっているんでしょうね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

風呂上りの牛乳がウマそうに見えてしょうがない中国オタク達

風呂上りに何か冷たいモノというのは非常に気持ちが良いものですが、日本では風呂上りに飲むものといえばまず牛乳が出てくると思います。
アニメや漫画でも銭湯や温泉などの入浴シーンでは風呂上りに瓶牛乳を飲むというシーンが少なくないですよね。

風呂上りに牛乳を飲むというのは中国では一般的ではないそうですが、それでも日本のアニメや漫画を見ている中国オタク達には作中で飲まれる牛乳が非常にウマそうに見えるとか。

中国のソッチ系の掲示板を巡回していた所
「風呂上りの牛乳」
について実際に試した報告をしたり議論をしたりしているのを見かけたので、今回はそれで一つやらせていただきます。
それでは以下に、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


アニメでよく風呂上りに牛乳を飲むシーンがあるんだが、あれは非常にウマそうに見えるが実際はどうなんだろう?

私はシャワーを浴びたら冷えた牛乳を飲むようにしている。
これは非常に気分が良いよ。

俺は試したことが無いが、なんでアニメや漫画では風呂上りには牛乳なんだろう?

俺も夏になったら試してみるかな…・・・

風呂上りの冷えた飲料ってのは何飲んでも爽快だというのは分かるんだが、アニメの中の牛乳にはそれ以上のものを期待してしまうなぁ。

まぁ感覚は個人差があるから合わない人は合わないんじゃないかな。
ただ、アニメの中で飲んでいるものは本当に牛乳なんだろうか?
たまに色が違うのとか見かけるんだよね。

今住んでいる所はバスがあってお湯につかれるから試してみたことがあるが、量が多すぎてキツかったなぁ。飲み終わったときは喉から胃までが冷えちゃったし。

一瓶飲むのってかなりきついよな。
500ml一気に飲むとか、アニメや漫画によくある誇張表現なんじゃないだろうか。

牛乳を飲むというのは、おっぱいを大きくするためという意味もあるからそちらと一緒に量を誇張しているのかもね。
とある魔術の禁書目録の小萌先生も風呂上りに牛乳を飲んでいたし。

俺もさっき試したが、結構気持ち良いぞ。
量を調整すれば爽快な気分になれる。

作品によってはフルーツ牛乳とかコーヒー牛乳というのを飲むよね。
中国にも果汁やコーヒーを足した乳飲料はあるが、同じような味と思って良いんだろうか?なんか味が想像できない。

私がやってみた所、確かに悪くなかったがアニメで見るほどではないように思う。飲んだのが栄養加工した牛乳だからダメなのかね。
それともガラス瓶の牛乳という点が重要なんだろうか?

よし、俺もちょっと試してみよう
最近はメラミン汚染の牛乳とかあるからテストも命がけだぜ!

まぁ、風呂上りに冷たいものが悪くないのは確かだ。
問題は牛乳が一番良いものなのかということだが……アイスとかじゃダメ?

私は牛乳を試して結局ハラを壊しました……

アニメや漫画でしょっちゅう風呂上りに牛乳を飲んでいる描写を見かけるよな。
どうやら風呂上りの牛乳は日本人の伝統文化らしいぞ。

やはりあれは習慣的なもので、慣れているから気分が良いものなのかな?
俺の住んでいる北方だと冷たい牛乳の一気のみとかバスにじっくりつかるとかいうことが無いしなぁ。

風呂上りに牛乳は飲んだこと無いが、ビールとかじゃダメかね?

すまん、俺はやはり牛乳よりビールの方がいいわ。ミサトさんの教えに従う。

試した。やはり一気飲みがキツイ……気分が悪くなってしまった。
炭酸が無いから同じ量の500mのlコーラ一瓶よりは楽だろうけど、一息で全部というのは無理だ。

うーん、俺も試したがイマイチだった。やはり暖まり方が足りないのかな。
アニメの中のキャラは発熱しそうなくらい温まって汗を流したあとに飲んでいるし、失った水分が補給されるから非常に美味に思えるとかじゃないだろうか。

俺もアニメで見た感じほど美味しくなかったのは暖まり方が足らないからだと思って、入浴時間を延ばしたんだが、結局飲んだ後にのぼせて倒れてしまったわ……

個人的には夏場に汗をかいて冷たいモノを飲むときの感覚を更に爽快にしたようなものだと思えるんだが、なかなかそのレベルに達しない。いったい何が足りないんだろう。



とまぁ、こんな感じで。

全般的に
「確かに悪くないが、作品の中で描写されているほどではないように思える」
といった感想が多かったですね。
飲む牛乳の種類や温まり方の問題じゃないかと試行錯誤しているのもいるようです。

中には一気飲みをする量を誤解して小さめとは言えペットボトル一本にチャレンジしてしまったというケースもあるようですが、考えてみれば中国では200mlの瓶牛乳って無かったように思います。
中国では牛乳は1回で飲み終わる程度の量だとビニールや紙のパック、1L程度だと日本でも一般的な牛乳パックやプラスチックボトル、それ以上の量だと大容量のプラスチックボトル等で売られていることが多いかと。

また、上の訳文では便宜上「風呂」としていますが、中国では日本のように湯船にしっかりつかるということは少なく(そもそも湯船が無いことも多い)シャワーだけというスタイルがほとんどです。

そんな訳で、中国オタクにとって日本のアニメや漫画に出てくる
「風呂上りに飲む牛乳」
というのは近いようで遠い存在のようです。

しかしそれだけに、中国オタク的に風呂上りの牛乳については未知の味(?)、未知のスタイル(?)ということで、
「実際はこんなもんだろう」
と割り切るのがなかなかに難しかったりするみたいですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク的に「気になる」食べ物 続き

坂本真綾×菅野よう子の遣唐使船再現プロジェクトテーマソングへの中国オタクの反応

上海万博の開催を記念して「遣唐使船再現プロジェクト」が立ち上がったそうですが、そのテーマソングを菅野よう子プロデュースで坂本真綾が歌うというニュースについて、中国オタクの反応はどうなのかと言う質問をいただいております。ありがたやありがたや。

坂本真綾15周年企画第2弾で菅野よう子と「遣唐使」タッグ(ナタリー)

遣唐使船再現プロジェクト(公式ページ)

坂本真綾と菅野よう子はともに中国オタクの間では非常に有名で、関わった作品も中国で人気の高いものが多く、まさにトップクラスの人気のアーティストだったりします。
そんな訳で、中国オタクの面々からも結構な反応が出ている模様です。

それでは以下に、中国のソッチ系の掲示板で見かけた反応を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


菅野よう子と坂本真綾か。これは嬉しい組み合わせだ!

坂本真綾と菅野よう子本人は上海に来るのか?
それが一番重要だ!

菅野よう子作曲での坂本真綾の歌は最近だとマクロスF以来かな。
スゴイ期待してしまうな。

残念ながら私は遣唐使船が来る時期に上海に行くのは無理だな。
上海の人間がウラヤマシイよ。

最近、坂本真綾の音楽方面の動きが少なかったから楽しみだね。
アニメに出演しているのはそこそこ見かけるけど音楽も聴きたかった。

まだニュースで発表されているのはテーマソングが菅野よう子と坂本真綾ということだけだし、二人が来るのは未定なのかな?早く詳細を知りたい。

遣唐使船って随分ヘンなデザインの船だな。
とりあえず万博の日本館に行けば見れるということなのかな。

そもそもこの船、実際に航海できるのか?
見た感じかなりバランスが悪そうなんだが……

日本が船を送ってくるなんてどういうつもりだ。
明の時代の倭寇は暴虐の限りを尽くしたというのに。

隋と唐の時代の船を日本が作るだと?
これは中国に対する挑戦か!?

坂本真綾が上海に来てくれるのか?
もし本当なら感激だ!
更に菅野よう子まで来てくれるとなると俺はいったいどうすればいいんだ!?

万博でイベントがどんどん増えているし、上海の人間はホントに幸福だな。

日本館に俺たちの望むものが有るというのがやっと確認できた。

菅野よう子と坂本真綾の歌なら充分な価値が有るよね。

日本館がアニメ・漫画のミュージアムになってくれていると嬉しいんだが。

声優としても歌手としても坂本真綾はスバラシイ。
しかもテーマソング作曲は菅野よう子。これはもう興奮してしまうね。

って、来るの6月11日なのか?
こっちは期末直撃だよ……

(訳注:中国の大学は5月末〜6月中旬辺りが期末で忙しい時期になります)

テーマソングは5月から聴けたりしないかな?
私は6月は忙しくて行くのは難しいから、万博には5月中に行くつもりだったんだが。

夏休みの始まる7月までやっててくれるのだろうか……
俺も夏休みに入ったら万博見に行くつもりなんだが。

もうちょっと金に余裕があれば上海に行くんだがなぁ。
上海に住んでいるやつはいいなー。

ウチの国に来ても、俺のいる場所との距離はまだ遠いな……

坂本真綾は来るのか!?
まったく…・・・テストさえ無ければ……

俺はうまくいけばちょうど大学受験終了直後かな?
しかし例え坂本真綾が来るとしても実際に見れるかどうか……人が多すぎるしなぁ。



とまぁ、こんな感じで。
やはりと言うかなんと言うか、中国オタク的には遣唐使船よりも
「菅野よう子作曲で坂本真綾が歌う主題歌」
「坂本真綾と菅野よう子が上海に来るのか?」
といったことの方が重要なようです。

また、そもそも中国では「遣唐使」というのがいまいちピンと来ないようで、
上で紹介した発言のなかにもありますが、唐代に大陸で作られた船を日本が再現するとかいった感じに早とちりしている反応なんかも見受けられました。

私は一応中国の学校で中国人と一緒に中学高校と勉強したのですが、
遣唐使については中学のときに「隋唐時代に中華文明が世界に与えた影響」みたいなところでちょろっと触れられていたくらいだったように思います。
当時の一朝貢使でしかなかった日本からの遣唐使については特に意識されるというものではないのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


上海万博へ「らき☆すた神輿」が来るかもしれないという話に中国オタクの反応は
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

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ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

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