「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

2013年05月

中国オタクの間でも「何かヘンな25〜34歳男性に聞いた好きなヒロインランキング」が話題に

最近出た
人気漫画のヒロインから学ぶモテ力 (web R25)
において紹介されている「25〜34歳男性に聞いた好きなヒロインランキング」が何かおかしいと話題になっているそうです。
25〜34歳男性に聞いた好きなヒロインランキングがおかしいと話題に(痛いニュース(ノ∀`))

こういったランキング自体はよくある話だとは思いますが、
ランキングの対象とされているのが
「25〜34歳男性」
だというのに、ランキング結果が
1位「ラム」(うる星やつら)、2位「峰不二子」(ルパン三世)、3位「メーテル」(銀河鉄道999)、4位「音無響子」(めぞん一刻)、5位「浅倉南」(タッチ)
というもので、明らかに「25〜34歳男性」より上の世代のランキングになっているのは確かに不思議です。

私もちょうどこの「25〜34歳の男性」(しかも後ろの方)ですが、自分の印象からはかなりズレていますね。
例えば「うる星やつら」は一応テレビアニメ放映時期にもかぶってはいるのですが、当時まだ小さくてその前にやっていた「Dr.スランプ アラレちゃん」は見ていましたが、その次の「うる星やつら」はいまいち分からなくて見ていなかったように思いますし、私の中で高橋留美子作品及びヒロインで印象深いのは、やはりリアルタイムで追っかけた「らんま1/2」の方になります。

また「ルパン三世」と「999」を見たのは再放送でしたし、「タッチ」はアニメをきちんと見たのはかなり後になってからでしたから、ヒロインに関してもそこまで強い思い入れがあるというわけではないですね。あだち充作品では、「H2」がサンデーで連載を読んでいたので個人的に一番印象深いです。

この何やらズレているランキング、日本のネットで比較的大きく取り上げられているのもあってか、中国オタクの方にも伝わっているようです。
そんな訳でこのランキングに関する反応を例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本で不思議なアニメランキングが発表されて話題になっている。
「25〜34歳の男性」を対象とした人気のヒロインランキングだそうだが、その結果がかなり意外で話題になっているようだ。

えーと……1位「ラム」、2位「峰不二子」、3位「メーテル」、4位「音無響子」、5位「浅倉南」って……これは……何か違わないか?さすがに日本でもネタになっているっぽいな。

上位5名は名前は聞いたことあるけど実際に作品を見たことは無いな。自分は若すぎるのか。

上の方のキャラだけを見れば年代を間違えて書いているんじゃないかとも推測できるが、5位以降に「NANA」の小松奈々が入ったりしているからわけが分からんな。「NANA」はヒロインという面では男性人気が高い作品ではないはずだし。

私は「スラムダンク」の赤木晴子がランクインしているのが更に意味分からんわ。「スラムダンク」は名作だけどヒロインがスゴイ魅力的な作品というわけではないだろ!?

ラムと南ちゃんは大好きなんで、私の場合は一応納得の結果かな。「タッチ」はウチの国では日本で人気が高い時期から十年くらい後になっての放映だったし。

自分はナミと赤木晴子以外分からん……
これって時代を代表する作品なのは明らかなんだが、私のような今の若いオタクの多くは見たこと無いんじゃないかな。

綾波レイがいないのはいくらなんでもおかしいと思うんだが。
あと、25〜34歳の男性ということなら「ああっ女神さまっ」のベルダンディーとかも入ってそうな気がするんだが。

俺はもう三十代後半なんだが、やっぱこの上位のキャラって「一昔前のお姉さま」って感じだね。アニメや漫画に興味を持ってイロイロ見始めたときには「既に完結している作品」「前の時代の作品」という感じだったし。

それはお前がオタクになるのが遅かっただけだろ。
このランキングは普通の結果だぞ。このランキングが分からないヤツはオタクとして浅すぎる。5位までのキャラはどれも当時の女神だぞ?

自分はまだ20歳にもなってないけど、このランキング結果はどれも私の好きな作品だしとても正しいものだと思うが。

いや、これ日本でも疑問が出ているランキングだぞ。
問題なのはキャラ人気というよりも、調査対象の年代と人気キャラの不一致についてだな。

自分の印象だと、どれも古い作品のキャラと感じる程度なんだがどうなの?
「うる星やつら」のラムとかはオタク内での歴史的評価からして普通に1位でも良さそうなキャラだと思うんだが。

日本だとヒロインが「古すぎる」というのがツッコミを受けている。別にヒロインの人気が否定されているわけではないんだよ。
考えてみろ、昔の作品は入ってくるまでに時間がかかったわけだから、俺達が「古い」と感じる作品は日本だと「更に古い」わけだ。

私はちょうど25〜34歳の男性という範囲になるんだが、私の心のヒロインの鮎川まどかがいないとは。

確かに好きなキャラではあるが、他の様々なキャラを押しのけての上位となると疑問はあるなぁ。

「めぞん一刻」の音無響子に関してだけは同意かな。私は今30ちょいだけど、私の年代は彼女が好きな人は多いよ。

ラムが1位というのはさておき、高橋留美子作品だとウチの国で人気高いのは誰だろう。知名度的には「犬夜叉」が一番だろうから、その場合は桔梗になるのかな?
高橋留美子作品はどの作品のヒロインにもファンはいるけど、たぶんウチの国でラムが突出して人気が高かった時代は無いだろう。人気が無いわけではないんだが。

25〜34歳が見るには古すぎるというツッコミは分かるわ。さすがに時代的に遠すぎる。

そうか?一応私も25〜34歳の範疇にいるんだが、ツッコミ所が自分にはイマイチ分からん。
確かに私の心のヒロインリストとは違うが、有名な作品ばかりだし理解できないわけではないと思うんだが。

古い作品ということで10年前と20年前を一括りにして考えるような場合ならともかく、このランキングは対象の時代を明確にしているのに出ている結果と現実とのズレが明らかなんだよ。この上位のキャラが出るアニメって90年代どころか80年代前半や70年代後半だったりするし、日本でも25〜34歳のハマる作品ではないはずだ。

これに関しては具体的な計算をしてみると分かり易いよ。「25〜34歳の男性」となると大体は80年代生まれと考えて良い。
恐らくその世代の日本のアニメファンが大体小〜中学の辺りで出会ったヒロインが「初恋」「初めての女神」的なキャラになるだろうから、80年代後半から90年代半ば辺りまでの人気作品の人気ヒロインがこのアンケートを取った場合の上位にくるのが妥当。私もすぐにたくさんの作品を挙げることはできないが例えば「セーラームーン」や「エヴァ」とかが入るはず。

25〜34歳ってことなら影響力が高くヒロイン人気も高そうなのは「幽遊白書」「るろうに剣心」「エヴァ」ってところじゃないか?

ウチの国ではアニメにハマったタイミングが人によって結構違うし、日本とは異なるタイミングで古い名作に触れたりするから、日本の同年代とは違う結果になるかもしれないが、それでもこういう結果にはなりそうにない。
これ、実際はランキングの元になるデータをきちんと調査していないか使ったデータが古い、或いは選択式のアンケートで選択肢にあるキャラが古かったとかじゃないの?



とまぁ、こんな感じで。
中国オタクの感覚でもちょっと引っかかる所がある結果になっているようでした。

古い作品で一括りにしている人の場合、このランキングにも「有名なキャラが上位だしそんなもんなんだろう」と思ってしまったりもするようですが、リアルタイムでの記憶が残っている人からするとこれらの作品の順番には違和感を覚えてしまうようです。

昔は日本の作品が中国に入るのにタイムラグがあったと言っても、人気作品に関しては比較的早い段階で香港や台湾のテレビで放映されたりしたのが入っていたようですし、作品の情報や漫画の海賊版に関しても人気作品ならばそれなりに入るわけですから、分かる人には分かる違和感なのでしょうね。

ちなみに、このランキングには入っていませんが、
昔私が北京の現地の高校に通っていた時に私の周囲で人気の高かったアニメや漫画のヒロインは、
「きまぐれオレンジ☆ロード」の鮎川まどかや、「I”s」の葦月伊織

といった辺りだったかと思います。

中国の25〜34歳のヒロイン観に影響のあった作品については、
以前の記事の
90年代前半に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート
90年代後半から00年代前半にかけて中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート
なども参考になるかと思います。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「アニメや漫画でまともに宿題やっている作品ってあるのかな?」

中国の学生は熾烈な受験戦争を送っているというのはよく知られているかと思いますが、それに伴った毎日の宿題もとても大変なものになっています。

中国は日本のように学習塾に行く習慣やシステムが無いので、日本では塾で向上させるような部分の学力を、学校の補修と宿題、人によっては更に家庭教師などによってで向上させているような所があります。

そしてそういった環境にあるため、中国の小学校から高校までの学校の宿題も日本の感覚に比べるとかなりトンデモナイ量や難しさになってしまうようです。
外国人の子供が中国の現地校に通う場合、この宿題への対応が子供にとっても親御さんにとっても非常な難題として立ちはだかるなんて話もありますね。

そんな過酷な宿題生活を過去に体験した、
或いは現在進行形で体験している中国オタクの面々ですが、
「アニメや漫画の中では宿題やっている描写が少ない」
ということに関してちょっと考えてしまう人もいるようです。

そんな訳で今回は中国のソッチ系のサイトなどで見かけたその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のアニメや漫画って学園が舞台の作品が多いけど、その中でまともに宿題やっている作品ってあるのかな?ふと疑問に思ってしまったら頭から離れなくなってさ。
私も演出の都合なのは分かっているんだけど、宿題に苦しんでいるというか、きちんと向き合っている作品とかがあったら見てみたいんだよ。

確かにあんまり無いかも。まぁ、主人公が宿題やっているシーンに時間を費やすのはほとんどの作品のストーリー構成上であんまり意味が無いだろうし、描写が省かれているのだろうとは想像できるが……
バトルメインのストーリーに移行して学校描写がほとんど無くなるケースはとりあえず無しにしておいて、日常の学校生活描写に絞って考えてみるかね。

ちょっと前の作品なんでうろ覚えだけど「ダ・カーポ」なんかはそういうシーン無かったっけ?

そういやエロゲ原作系の学園アニメって、案外勉強や宿題のシーン出るよね。ただ主人公がきちんと積極的にやるわけではなく、だいたいは頭の良いヒロインがいたり、或いは頭の悪いヒロインの面倒見たりといったパターンになるような気がするが……

アニメや漫画の中の日本の学校生活が楽しそうに見えるのは、宿題が無い或いは宿題に苦しむことが無いように見えるというのも大きいよな……
「ラブひな」とかは?あれは受験がメインテーマに含まれるし、勉強関係が結構クローズアップされているけど。

ああ、そうか。「ラブひな」は主人公とヒロインの関係で宿題関係の話が出るね。
今になって分かったが、当時自分が「ラブひな」にハマっていたのは、勉強漬けの日々でもヒロインとのハーレムな日々が送れるかもしれないという妄想に感情移入していたからなのかもなぁ。

「フルメタル・パニック」の相良宗介はとても宿題に苦労している主人公だぞ!

わりと最近の作品だと「生徒会役員共」は宿題ネタが結構出ていたかな。

学園モノだと、学校の授業が始まる前に「宿題やっていなかった、写させてくれ!」みたいなやり取りはちょくちょくあると思う。ただ、宿題に取り組んでいるシーンはほとんど無いよね。

「ドラゴン桜」みたいな勉強がテーマにある作品なら宿題関係もあるんじゃないの。
ただそれにしたって、二十数分間ずっと因数分解やら化学変化やら英文法に悩んでいるアニメなんてのは誰も見たくないし恐らく無いだろうな。

毎日苦しんでいる宿題を、アニメの中でまで見たくないわ!
宿題に苦しみ、一時の安らぎのためにアニメを見てしまい、更なる苦しみと最悪な結果に至るのはまぁよくある話だが。

「金色のガッシュベル!!」の高嶺清麿なんかは、かなりしっかりと宿題や勉強をやっていたんじゃなかったっけ。

勉強に関して努力するようなキャラ、優等生的な態度のキャラが中心になる「彼氏彼女の事情」や「となりの怪物くん」は宿題の描写があったよ。
ただ、アニメの中で頭の良いキャラって大体は天才のキャラだし、そういったキャラの場合は宿題に時間をかけるようじゃ描写的にダメ、宿題なんか一瞬で終わらせる或いは関係無いレベルということになるから結果的に宿題の描写が無くなるんだと思う。

実は「ドラえもん」が案外宿題にきちんと向き合っているんじゃないかな。のび太は忘れたりさぼったりしてはいるが、宿題の存在を強く意識させられる作品なのは間違いないと思うよ。

「デスノート」は宿題とポテチが熱い作品だぜ!!

ふと昔の作品を見返して気付くことがある。「こいつら、部活や恋愛ばっかで全然勉強してねぇ!」「恋愛で時間使い過ぎ。いつ勉強しているんだ!」と。まぁ実際の所、現実世界において宿題に苦しんでいるのに、アニメの中で間で宿題シーンを見たいとは思わんが。

「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンドレスエイトは遊んでばかりだけど、話が進展するきっかけは夏休みの宿題だよ。

でもあれって遊びまくり、最後にちょっと宿題だからな……
ウチの国だと夏休みの宿題はあのペースではまず終わらんよな。まぁ、涼宮ハルヒは天才系のキャラだし長門の頭脳もあるからどうにかなるんだろうとは思うが。
そもそも、アニメや漫画の中では夏休みの宿題を数日或いは休み終了直前の徹夜でどうにか終わらせられるケースが多いのがね。

日本の学校の宿題がウチの国より少ないってのもあるんじゃないの?ウチの国ほど宿題の多い国は無いだろう。
しかしアニメや漫画の中でも夏休みなどの長期休暇の宿題に関してはわりとよく出てくるよね。これに関してはそんなに珍しくない。

アニメの中に試験勉強はあるが、宿題は無いのではないだろうか?
一応、勉強関係でアニメの中にもそこそこ出てくるのは、テスト前の勉強、場合によっては徹夜、補習、進学、留年、選択科目くらいかね。

お前ら、二次元世界になに持ち込んでんだよ!宿題なんてものに苦しむのは三次元だけでいいじゃないか!!
そもそも、学生の生活を現実的に描写したからって面白い作品になるわけではないんだぞ!

ストーリーを作る上では、取捨選択や演出、誇張表現といったものが必要だし、宿題ってのは多くのアニメ作品のテーマではあまり必要とされないんだろうね。
ところでふと思ったんだが、試験の緊張や宿題の苦悩をテーマにした作品とかは悪くないんじゃないか?短編でもいい。様々なカットで試験や勉強をする空間や人間を描写し、思考やテクニッククを誇張した一種の競争というかバトルにするのはどうだろうか?



とまぁ、こんな感じで。
中国オタクの面々も設定や作劇上の都合などがあるというのは理解してはいるようですが、それでもふと、なんとなく納得いかないものを感じてしまうことがあるのかもしれませんね。

ちなみに試験をテーマにした作品に関して、私は
「とどろけ!一番」

なんかを真っ先に思い浮かべてしまうのですが、さすがにコロコロ系、しかも昔の作品となると中国オタク内でもほとんど知られていないようですね……


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


90年代後半から00年代前半にかけて中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート

ちょっと時間があいてしまいましたが、中国のテレビで放映された日本のアニメについての続きをやらせていただきます。

3回目で最後になる今回は、90年代後半から00年代前半にかけて放映されたアニメに関して紹介させていただきます。

この辺りから、中国では海賊版VCDが普及するようになり、テレビ以外のルートで広まる日本のアニメ作品がどんどん増えていきます。
テレビの影響力は依然として大きいままでしたが、テレビ以外のルートで見れる作品は種類も多く、入ってくるスピードも速いということで、海賊版経由で作品にハマる人もどんどん増えていった時期ですね。

今回の記事を書くにあたってイロイロと教えてくださった方も、この時期になってくると記憶があやふやになってくるそうで、特に00年以降はハッキリしなくなってくるそうです。

そんな訳で今回紹介させていただく内容に関しては、ある程度の抜けやズレがあるかと思いますし、ちょっとした参考程度に考えていただければ幸いです。


96年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「ジャンケンマン」
「What's Michael?」
「魔法陣グルグル」
「名探偵ホームズ」
「とんでぶーりん」
「逮捕しちゃうぞ」
(OVAも含む)
「B'T-X」
「うしおととら」
「チロリン村」
「ハクション大魔王」
「タッチ」
「勇者エクスカイザー」
「ドラゴンボールZ」(
劇場版)
「勇者警察ジェイデッカー」

香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「ふしぎ遊戯」
「機動武闘伝Gガンダム」



この辺りでは、新しい作品と古い作品が混在していますね。
またOVA作品もわりと放映されているようですし、日本の放映と時期的にそう離れないで放映、視聴されていた作品もあったようです。

それから、この辺りで「Gガンダム」が香港や台湾で放映され、中国本土でも場所によっては視聴されていたそうですから、「Gガンダム」が実質的に「中国本土で初めてテレビ視聴されたガンダム」ということになるんでしょうかね。


97年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「セーラームーンシリーズ」
「熱血最強ゴウザウラー」
「ちびまる子ちゃん」
「新世紀GPXサーバーフォーミュラ」
「勇者指令タグオン」
「天地無用!」
(TV版に加えてOVA版もあったそうです)
「魔法騎士レイアース」
「太陽の勇者ファイバード」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「らんま1/2」
「新機動戦記ガンダムW」


エルドランシリーズ三部作の三作目「ゴウザウラー」が前作前々作からちょっと間を置いてこの時期に放映されたそうです。それと勇者シリーズは放映する順番が日本とは違ったものになっていた模様です。

それから、「ちびまる子ちゃん」は香港や台湾のテレビでも放映されていましたし、主題歌の「おどるポンポコリン」の中国語版が90年代前半〜半ば辺りに中国で人気になっていたなどということがあるので、恐らくこれより早いタイミングで入っていたのではないかと思われますが、この辺に関しては具体的な時期がハッキリしなくて申し訳ありません。


98年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「キャッツ・アイ」
「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」
「名探偵コナン」
「剣勇伝説YAIBA」
「クレヨンしんちゃん」
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」
(OVAの「11」と「ZERO」だったそうです)
「魔動王グランゾート」
「快傑ゾロ」
「中華一番」



ここで「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」「中華一番」といった、現在の中国でも非常に影響の強い、或いは現在もファンが増え続けている作品が入ってきます。
現在中国のネットで話題になり易い「心の名作アニメ」とされるような作品はこの時期から数年の間の作品が多いように思えます。

また「キャッツ・アイ」が放映されていますが、90年代の中国では北条司作品の人気が非常に高かったのが影響しているのかもしれません。北条司作品では「シティ・ハンター」の漫画も人気が高かったのですが、そちらのアニメはテレビの方には入っていない(或いは広まっていない)ようです。

それとこの頃から規制が厳しくなり、香港、台湾のテレビを中国本土で見ることが出来なくなってしまったそうです。


99年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「Dr.スランプ」(81年から放映された古い方だったそうです)
「新世紀エヴァンゲリオン」(「福音戦士」という中国語タイトルで、訳語も基本的に香港台湾版を元にしていたそうです)
「カードキャプターさくら」
「黄金勇者ゴルドラン」
「ポケットモンスター」
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」
(OVAの「SAGA」だったそうです)


00年頃
「新世紀エヴァンゲリオン」
(こちらは「天鷹戦士」という中国語タイトルで放映されました)
「神風怪盗ジャンヌ」
「吸血姫美夕」
(テレビアニメ版)
「愛天使伝説ウェディングピーチ」

エヴァは2つのバージョンが放映されたそうで、中国本土でエヴァファンが広く広まるきっかけになったのは「天鷹戦士」の方だったそうです。ちなみに「天鷹戦士」は数々の迷訳迷セリフ、妙にチープになっちゃった主題歌、多くの修正削除など、ネタ方面でも様々な伝説を生み出してしまいました。


01年頃
「勇者王ガオガイガー」
「デジモンアドベンチャー」
「超魔神英雄伝ワタル」
「万能文化猫娘」
(テレビアニメ版)
「スレイヤーズ」


「デジモンアドベンチャー」と主題歌の「Butter-Fly」は人気が高く、特に「Butter-Fly」はアニソンの名曲となるとほぼ必ず挙がる曲です。現在の若い世代の中国オタクにとっては、小さい頃に心に刻まれた名曲なのだとか。


02年頃
「星界の紋章」
「ドラゴンボール」
「蒼き伝説シュート」
「サイボーグクロちゃん」
「頭文字D」(
その後04年、06年頃に続きが放映されたそうです)

03年頃
「ロスト・ユニバース」
「釣りキチ三平」


04年頃
「ASTRO BOY 鉄腕アトム」
「ジャングル大帝」
(第何作目かは不明です……)


長々と書いてしまいましたが、
中国で放映されたテレビアニメについてはこんな所ですね。

00年代に入ってから作品数が少なくなってくるのは、この辺りになってくるとテレビで放映されたのか、海賊版VCDで見たのか記憶があやふやになってくる人が多く、テレビ放映だと断言できない或いは放映時期がハッキリしないというのも原因の一つです。
そんな訳で、その時期に関しては今回紹介させていただいた作品以外の作品も放映されていたかもしれません。

この後しばらくは日本のアニメの人気が続くわけですが、
後の方になると中国のテレビでは
「ビデオクリップの紹介」
というような形で実質的に放映してしまうようなやり方も出て来たそうで、どんな作品が入ったのかということと、どんな作品が見られているのかということに関してはいよいよハッキリしなくなってくるようです。(そもそも、海賊版という形で大抵の作品が入っていた時期でもありますし)

そしてその後06年に外国製のアニメがゴールデンタイムでの放映禁止となり、日本のアニメは実質的に中国のテレビでは流せなくなってしまいます。

しかしその頃になってくるともうネットの環境も整い、日本のアニメを見て育った世代もテレビ以外の非正規ルートを使いこなすようになっていましたから、テレビ中心の時とは違う流れで日本のアニメのファンが増えていくことになります。

この時期になると、日本のアニメ作品に関する情報は一通り中国に入るようになっていましたし、人気になるかどうか、広い範囲で知られるかどうかはともかく、とりあえず新しい日本のアニメ作品に関しては中国にもほぼ入っていくようになっていましたね。


今回の記事を書くにあたっては、非常にありがたい情報を教えていただくことが出来ました。この場で再度、お礼の言葉を述べさせていただきます。


とりあえずこんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


80年代に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート

90年代前半に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート


5/27修正:タイトルの間違いと誤字脱字諸々を修正しました。ご指摘ありがとうございます

2019/4/11修正:96年頃に放映されていたのは「H2」ではなく「タッチ」だったようです。ご指摘ありがとうございます。。

中国オタク「お前ら、もしオタクにならなかったら今何をしていたと思う?」

ありがたいことに
「中国のオタクな人達は、自分のオタク趣味についてどう考えているんでしょうか?」
という質問をいただいております。

中国では、様々な背景がある若者達の間でオタク関係の作品や話題が「使い勝手の良い」話題や交流ツールとなっている感もありますし、日本よりも随分とオタクに肯定的というかオープンな所があります。

しかし、やはりオタク趣味にハマってしまったことによる生活や進路への影響というのはありますし、中国オタクの面々も自分のオタク趣味や趣味に沿った生活に関してイロイロと考えてしまうこともあるようです。

先日、中国のソッチ系のサイトをまわっていて
「もしオタクにならなかったら、今どうなっていた、何をしていたと思う?」
という事に関するやり取りを見かけたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近はオタクになって長い、「死宅」なんて称する或いは他人から称されるようなヤツも少なくないと思うが、自分がオタクにならなかったら……と、考えたことはないか?
お前ら、もしオタクにならなかったら自分は今何をしていたと思う?

うーん……正直、別のルート、オタクにならない自分は想像もつかない。
テレビアニメにハマってそのままオタク一直線だったから、オタクになるのは時間の問題だったように思えるし……

オタクにならなかったらもっと努力して勉強して、いい成績をとれていたのではないかと思う。

勉強して、ゲームして、あとは……

親に用意してもらったルートを通り、紹介してもらった会社に入ってもみくちゃになりながら通勤する毎日だったんじゃないかと思うわ。

ヒマな時の時間の使い方の想像がつかん。
とりあえず考えられるのは、図書館に行って本を読んだり、映画見に行ったり、見るドラマはアメリカのドラマとかで……えーと、あとは旅行好きになって、旅行先の風景をデジカメで撮影するのを趣味にしたり……

お前の考えるリア充のイメージの限界がなんとなく分かったから、無理するな。
でも、私もオタクにならなかったら彼女出来たのかなーと思わなくもない。オタクになって二次元に慣れてしまった結果、三次元の女の子への興味が薄れてしまったのは間違いない。

ネトゲ廃人になっていたと思う。いや、マジで。
私の昔の友達と自分が、ネトゲ廃人になったかならないかの違いは、アニメや漫画のオタクになっているかだった。
オタクになるのもアレな話ではあるかもしれないが、相対的に見てこっちの方がまだ社交的になったりイロイロと活発になったりするのでマシだったかと実は安心している。

ネットでグダグダとヒマを潰している時間が増えたんじゃないかなー

微妙なブラウザゲーを遊んでヒマつぶしていそう……

オタク趣味が無いとなったら、他に遊ぶものはネトゲくらいしかないからそっちにハマることになっちゃったろうなぁ。今だったらアラド戦記とかか。

私はオタク趣味にハマってからネトゲあんまやらなくなったね。昔は日本の家庭用ゲーム機にハマっていた時期もあるんだが、そのまま本格的なオタクの道に入らなかったらネトゲに沈んでいたと思う。
今はアニメやラノベが主なオタ関係の趣味になっているけど、比較的コントロールの効く趣味で助かっているってのはあるなぁ。

オタクになっていなかったら、成績もよくて推薦とれていたはず……

リア充になれていたはずだ!なれていたはずなんだ!!
もしオタクになっていなかったら、親の期待通りの成績で、リア充と成功の道を歩んでいたはずなんだ!

オタク趣味にハマっていなかった自分ってのは何とも言えないな。
元々ひねくれた性格なんで、自暴自棄になってなんか問題起こしていたかも。一応普通に勉強して大学受験になった可能性も考えられるが。

バスケットを趣味として、暇なときには女の子と遊びまくる日々だったと思います、はい。

オタク趣味があるのは悪くないんだが、オタク趣味にはまらなければヒドイ近眼にもならず、もっと楽に暮らしていけたのではと時折思ってしまう。

成績が落ちることも無く、もっと多くの人に歓迎され、給料の良い仕事に就き、気立ての良い女の子と付き合えていたんじゃないかな……

目を覚ますんだ!その妄想は危険だ!
オタクにならなかったからって自分が優秀になってリア充になれるわけじゃないんだぞ!!

オタクになる前は「美しかった」と思う人は多いのかもな。
しかし実際のところ、学校の成績はともかく他の部分はオタクにならなかったからってそこまで変わるような気はしないが。しかし、考えてみたら自分の場合オタクにならないタイミングって言ったらどんだけ前に戻ればいいのか分からんわ。

私の場合はもっとつまらない日々を過ごしていたろうし、社交性も無かったと思う。

受験前に本気でオタクになっちゃっていた人間はオタク関係にかなり時間を取られちゃっているだろうし、もっと良い成績を取れて良い大学に入れたと思うかもな。それに大学入ってからでも、勉強時間とオタク趣味の矛盾に関する話はそれなりにあるし、それを時間の浪費と考えてしまう場合は複雑な話になりそうだね。
ちなみに自分は受験の前にエヴァにハマって大変なことになったよ!!

愛する彼女がいて、一緒に旅行に行ったり映画を見たり……あと、友達もこんなに少なくは無かったはず。

私は社交的でも話題が豊富な人間でもないから、オタクになっていなかったら友達付き合いに苦労したろうし、今より孤独だったんじゃないかと思う。

ゲームに耽溺していたか、家庭の事情に困り果てていたか、ぶっちゃけた話もうこの世にいなかった可能性が高い。

デジカメ持って旅行に行ったりして風景の写真を撮影して楽しんだり……とかかな。オタクな現在では、遠出の際には暇つぶしの本は欠かせなくなったし、写真のためにフィギュアも欠かせないという状態だ!

この問題、結構キツイな。もしオタクにハマっていなかったらもっと簡単に気楽に日々を過ごして、外に遊びに行ってまじめに勉強して、そして物理学者に……

俺みたいなつまんない人間はオタクになって楽しみが増えただけマシ。オタクにならなかったらもっとダメな人間になっていたか、やけっぱちになっていたかだろうな。

オタクになって後悔はしていないけど、オタクになったために成績が悪くなったというのは間違いなくある。あと自分が過去にアニメや漫画の影響でやらかした黒歴史的行為をふと思い出して叫びたくなるというのも無かった、はず。

遅いか早いかの違いはあっても結局オタクになっていたと思う。正直言って、オタクやる以上に楽しい趣味に私の人生ではまだ出会っていないんだよね。

オタクやっていなかったら、自分はその他大勢の中で埋もれていたと思う。

三次元で自分の選べる範囲には自分にあう趣味は無いし、性格も良いわけでもない。オタクにならなかったらと思うとゾッとする。たぶん、外に出ずに引きこもっていたんじゃないかなぁ。

私は得意なものは無いし、勉強に関しても可もなく不可も無くな人間。今の時代に生きている自分は、もしオタクにならなかったら大して知識も増えず、交流する機会にも不足して、社会的な圧力に負けて潰れていったんじゃないかな……

物心ついたころからアニメや漫画にハマっていたんで、正直オタクになった自分が想像できない。とりあえず確かのはこういった話をする場所にはいないだろうというlことくらいかね。



とまぁ、こんな感じで。
オタク関係に使った時間を別の事に使っていたら……という考えが浮かんでしまうようですね。

そういった中でも特に、
「勉強時間がもっと多くとれた」「成績が悪くならなかった」
というのが多かったですが、この辺についてはどこでも変わりませんね。

また、あくまで今回の反応を見ていて感じたものですが、オタク趣味以外の趣味、娯楽と言うのがそれほど出ていませんでした。
考えてみれば現在の中国ではオタク関係の趣味以外の娯楽、別の手頃な趣味というのがあまりないのかもしれませんね。

それから「オタク趣味が無かったらネットゲームにハマっていた」というのがそれなりにありましたが、最近の中国ではネットゲーム等のゲームとオタク趣味というのが離れて認識されているようにも感じられました。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタクの「ONE PIECE」SNH48などによる中国語吹き替え版への反応

中国の捜狐で配信されるという
「ONE PIECE」

ですが、その中国語吹き替えではSNH48のメンバーなどが声をあてるそうです。

詳しくは以下のニュースをご参照ください。
人気アニメ「ワンピース」中国語版 声優にSNH48など(人民網日本語版)

それと、コチラが新華網の記事(中国語)です。
それから、収録の風景としてアップされている動画が
コチラコチラです。

ありがたいことに、この件に関して
「中国オタクの反応はどうなのか?」
という質問をいただいておりますので、今回は中国のソッチ系のサイトなどで見かけたその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


噂のあった「ONE PIECE」の中国語吹き替え版の情報が出た!
で、楊幂やSNH48が声をあてるようなんだが……みんなどう思う?

オリジナルの声が普通に好きなんで、正直あんまり嬉しくないなぁ。
ウチの国で上映されるアメリカ映画でちょくちょくぶつかる微妙な吹き替えみたいなことになってしまうんだろうか。

なんか最近、どんどん二次元の方が良くなってくる……
なぜ三次元に絶望するような事件ばかり起こるのか……

声をあてている女の子、アイドルだけあってカワイイね。あとは声がどんな感じかだけど。

自分は吹き替え版なら見るのやめるよ。
オリジナル音声と字幕じゃないと見る気がしない。

どこまで収録しているんだろ?
かなり長い作品だけど、放映だか配信だかの予定がどうなっているのかも気になる。

収録の様子の動画出ているけど、全然心動かされるものを感じない。
昔見たときは感動したシーンだったはずなんだが。

泣いたシーンだったはずなのに、中国語吹き替えになるとなんか笑ってしまうわ。

俺も日本語のオリジナル音声版が好きだから気持ちは理解できるが、そう辛辣に当たるなよ。
小さい子供が見るには字幕と日本語オリジナル音声では難しいし、吹き替え版が出るのは作品の人気拡大のためには仕方がないことなんだからさ。

なんかこう、イロイロと言いたいことはあるが、まだ始まってもいないから黙っておこう。頼むからアンチ増産のきっかけになったり黒歴史になったりしないでくれよ……

ところで、SNH48って何?

日本の人気アイドルAKB48をマネして作ったアイドル。詳しい所は百度に聞け。検索すれば出て来るぞ。

日本のAKB48と公式な関係があるからパクリじゃないよ。どっちかと言うとAKB48の中国向けチームって所かね。

版権獲得の流れで恐れていたケースが現実になってしまった。
版権獲得して配信するのが中国語吹き替え版で、しかも吹き替えがダメなケースだ。独占配信だと他のサイトにアップされている動画はバンバン削除されて見れなくなるだろうし、オリジナル音声+字幕版もその際に消されてしまうだろう……

捜狐が日本語版と吹き替え版の両方を流してくれるとは思えないから、気に入らなければ日本語版見ればいいやとはいかなくなるだろうしなぁ。

今出ている動画だと判断し難いな。感情があんまりこもっていないように聴こえるが、シーンと演技の相性もあるだろうし、今後またうまくなる可能性もあるし。

ダメだ……耐えられない。「ONE PIECE」を台無しにしないでくれよ……
何と言われようが自分は見ない。

結局は慣れじゃないかね。声のイメージは最初にハマった時に見ていたのが字幕版か吹き替え版かということが問題なんじゃないかと。
この間「ドラゴンボール」の劇場版が出たとき、ウチの国のオタクの中には孫悟空の声がおかしい、何てダメな声だとか叩きまくってるヤツも少なくなかったが、実は孫悟空の声優の野沢雅子は日本の声優界の超ベテランだったわけで……

この吹き替え版って、既存のファンは残念ながら対象じゃないと思う。目的は低年齢層まで含めた新規ファンの獲得でしょ。ただ昔のテレビアニメと違ってネット配信だから、新規ファン層、特に小さい子にどれだけ届くのか、届く際にアンチの情報が混じらないかという不安があるわな。

日本語にずっと慣れていたんで中国語の吹き替え、しかも専業ではないとなると楽観的な見方はできない。

今出ている動画の話なんで本番の時にはどうなるか分からんが、現状では台湾の吹き替え版に比べるとかなり微妙だな。

ウチの国の吹き替え関係の人間の技術もダメなんじゃないの?
感情をこめるとかそういうの以前の、バックに流れる音楽や口パクに合わせる技術とかもうイロイロと不安だよ。

「ONE PIECE」が壊される……私の好きなキャラが壊される……

尾田栄一郎が寝込んでジャンプの連載が止まったのはこれが原因だったのかもな!

「ONE PIECE」のファンはもうちょっと冷静になろうよ。
今回吹き替えするのは初めての挑戦なんだから、吹き替えがどうであろうとまずは暖かく見守るべきじゃないの?彼女たちも演じていればきっとうまくなるはずだよ。

SNH48や、声をあてているこの女の子が好きな人は好意的に見れたり「今後よくなる」とか言えるかもしれないけど、自分にとっては現状だと不安の方が大きいわ。

吹き替えするなら日本語の声優の態度を学んでほしい。
私が見たり聞いたりしたいのはそのアニメのキャラであって、声を演じる人間ではない。中国の声優は自分の色を強く出そうとしてキャラを大事にしないケースも多いから不安。

捜狐側が版権取ってこういう風にやるんなら、私たちは黙って受け入れるしかないだろう。私は見ないけど、もしか良かったりネタにできたりするようなら誰か教えてくれ。

今のところは感情移入できそうにないけど、話のネタにはなるかもしれないから自分はたまに見てみようかと思う。

文句言うヤツは一体誰だったら良いって言うんだよ!?
日本の声優に慣れているというお前らは、どんな吹き替え声優だろうといつも必ず貶す部分を探して文句を言う。ならば彼女がやっても問題ないだろうが!
そもそも彼女はまだ学び始めたばかりなんだから今後きっとよくなる!

やらないのが一番いいってことだよ。

ウチの国はアイドルがアニメの声をあてて、日本では声優がアイドルになる。文化の差なのかね。ただ、ウチの国で声をあてるアイドルの人達はちゃんと仕事してくれるのかな。男性ファン獲得を目的にするのは構わないけど、アニメに対してきちんとやってくれないならやめて欲しい。

いやいや、日本もアイドルがアニメの声あてたりしているよ。SMAPとかも声優の仕事をやったことがある。アイドルをもってくる理由はウチの国と似たようなもんなんじゃないかな。
しかしまさか、ウチの国でもそういった事態になるとは思わなかった。これもある種の進歩なのだろうか……?



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国における既存の「ONE PIECE」ファンは基本的に日本語音声+字幕で作品に入っていった人が多数派なので、中国語吹き替え版に拒否感を覚える人も少なくないようです。

またざっと見た所では、SNH48が声をあてるという事に関してどうこうと言う話では無く、中国語吹き替え版になってしまうということが主な反発の理由となっているようでした。

ただ、中国で過去に人気になった作品は吹き替え版だったことも多いですし、中国オタクの面々もなんだかんだで昔は普通に吹き替え版のアニメを見ていたはずですから、ある程度動き出せば慣れや住み分けも出て安定していく可能性も十分にあるのではないかと思います。

それに低年齢層もターゲットにしていく場合、吹き替え版を出すのは自然な流れですし、「ONE PIECE」のような作品が中国で展開される場合に中国語吹き替えになるのも意外な話ではありませんしね。
しばらくはファンの間でゴタゴタしそうな所はありますが、とりあえず今後の動きに関しても引き続き追っかけてみようかと思います。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「数字が含まれるアニメや漫画のキャラの名前って多すぎない?」

日本の感覚では一郎や二郎、或いは一条などのように名前に数字が混じることについては特に違和感はないかと思いますが、中国オタクの中にはそういった名前が「多すぎる」ことに関して引っ掛かる人もいるようです。

先日、中国のソッチ系の掲示版で
「数字が含まれるアニメや漫画のキャラの名前が多い」
ということに関するやり取りを見かけました。
そんな訳で今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


数字が含まれるアニメや漫画のキャラの名前って多すぎない?
数字入りのスゴイ名前とかも多いし、そういうのってどう思う?

数字でインパクトのある名前と言えば「金田一一」と「四月一日君尋」が真っ先に思い浮かんだ。あれって日本語だと名前として違和感のない音になるんだけど、ウチの国だと中国語で理解しちゃうからかなりスゴイ名前になるよな。

「中二病でも恋がしたい!」は数字入りの名前多かったね。「小鳥遊六花」「十花」、「五月七日くみん」、「七宮智音」、「一色誠」、「九十九七瀬」とたくさんいる。

私がパッと思いついたのは「名探偵コナン」だね。
主要な所だけでも「工藤新一」、「毛利小五郎」、「目暮十三」、「白鳥任三郎」といったキャラがいるわけだし。

そういや、どの作品のキャラか忘れたが「一二三」で名前として成立するというのは結構インパクトあったな。作品とキャラは忘れてしまったが、名前だけはいまだによく覚えている。

「金田一一」と「金田一二三」の兄妹じゃなくて「一二三」だけ?そんな名前あるの?

確か「一二三」で「ひふみ」と読んだはず。漢字ではインパクトあるけど、日本語の読みにするとそれほど違和感のある名前ではないようだ。

それって「ダンガンロンパ」の「山田一二三」か「ひぐらしのなく頃に」の「高野一二三」じゃないか?

名前の中に入っている数字が多い名前のキャラは結構印象に残るよね。「朝比奈みくる」とか。

おいおい、それは数字関係無い名前だぞ。
みくるはウチの国のオタクの間での略称が「1096」になっていたりするから勘違いし易いとは思うが、中国語化する時にあてた漢字「実玖瑠」の中国語発音が数字に思えるだけで、元の日本語では数字関係無いはず。

一方、二木、両儀、三枝、三郷、四楓院、四条、五更、六道、七瀬……十文字、百瀬、千反田、万城目、億泰……
数字入りの名字は簡単に思いつくだけでもこれだけ挙げられる。

「一方通行」は通り名みたいなもんだし、違うんじゃね?一なら「一条」や「一色」「一之瀬」とかがあるぞ。あと「両」は日本語だと数字にならんぞ。

(訳注:中国語では数を数えるときに、2つを「二」ではなく「両」で数えるときがあります)

「八雲紫」、「八意永琳」、「八坂神奈子」と自分の思い浮かべる数字入りな名前のキャラって「八」が多い。八は縁起のいい数字だから八の字が含まれる名前が多いのかなどと勝手に思っていたが、他の数字入りな名前もかなり多いようだし八が特別多いってわけでもなさそうだな……

逆にウチの国では意識されない、実は数字入りの名前って何だろ?漢字じゃないケースとかも意外とありそうなんだが。

「ガンダムW」は主要キャラの名前が実は数字だったり数字入りだったりするね。例えばメインの5人のうち「張五飛」しか数字が無いと思いきや、他のキャラもヒイロ、デュオ、トロワ、カトルの順で1〜4の様々な言語における数字の言葉が混じっている。

数字入りか……「めぞん一刻」も主要キャラの名前全部数字入りだったな。

最近の作品では「デート・ア・ライブ」も主要キャラの名前のほとんどに数字が含まれているね。

そういや、恐らく私が初めて接した日本のアニメのキャラの名前からして「一休」だな……

なんでこんなに多いんだろう?実在する日本人の名前に数字が多いとかが理由なのかな?

ウチの国でも数字の入った名前の人いるし、創作中のキャラも数字入りの名前のキャラがいるけど、日本のアニメや漫画の数字率は異常に高いと思う。

実際の話、アニメや漫画に限らず現実の日本人だって数字が名前に含まれていることが多いと思うぞ。「土方歳三」、「斎藤一」、「山本五十六」とか。

日本人は伝統的に名前に数字を使うことが多いように思えるけど、実際の所はどうなんだろうね。ニュースに出てくるような実在の日本人でも、例えば「小泉純一郎」や「安倍晋三」といった数字の含まれる名前だし。

日本人の名前って数字を使っても特に何とも思われない、或いは安易な名前と思われない組み合わせがあるのではないだろうか。ウチの国で数字が入るのって口頭の呼びかけくらいじゃないか?

ウチの国だと張三李四とか言うくらいだしな。数字の名前だとどうも安易に感じる所があるかも。

(訳注:「張三李四」は中国語では不特定な人を指す「誰それ」という意味でも使われます)

結局の所、作者などの制作側が名前をつけやすいからじゃないか?
一二三四五六七八九でつければ手間が省ける。

一条二条三条四条、二ノ宮三ノ宮四ノ宮……数字の数だけ量産できそうだな。

さすがに安易な名前だと批判されるし、それは主な理由にはならないんじゃないか?作品を作る際にあえてツッコミ所を作ることはしないだろう。

大量に数字入りの名前が出て来るとかでもなければ、日本人の感覚では問題ない名前、日本の習慣によるものと考えてもいいんじゃないだろうか。

大量に数字入りの名前が出てくる場合について、私は「視聴者や読者がキャラを覚えやすくなる」というのが理由としてあるのではないかと思う。
「黒子のバスケ」でキャラが色で分けられていることによる識別やキャラの把握のやり易さと同じで、数字でキャラをイメージし易くしているのではないだろうか?

なるほど。「いちご100%」の東南西北中とかのような意図の可能性もあるわけか……!



とまぁ、こんな感じで。
名前の中の数字に関して、日本とはちょっとした違いがあるようでした。

ちなみに、中国でも口頭の呼びかけでは数字入りで呼びかけたりすることも多いです。
例えば「二」ならば、老二(兄弟の二番目)、二哥(二番目の兄)二嫂(二番目の兄の嫁)などの数字入りの呼称がよく使われていたかと思います

これにどこそこの家のといった言葉がくっついて
どこの家の何番目の〜
といった感じで使われることも多いようです。

しかし、きちんとした名前となると数字入りはやはり少ないように思えます。私の中国人の知り合いにも、名前に数字入りの人はほとんどいなかったように思います。

アニメや漫画のキャラ名に関してはキャラ立てのためにダジャレや無理矢理な名前がついていることも少なくないかと思います。
そういったキャラ名のダジャレ的な部分は中国語表記になる、或いは中国語読みをする際に無くなってしまうのですが、使われている数字の漢字の部分に関しては微妙に伝わっているというのは面白いですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク的に「スゴイ名前」だと感じるキャラは

中国オタク「今の時代に三国志や水滸伝が出たら爆死するんじゃね?」

先日の記事
中国オタク「昔の名作が今放映されたらどうなる?どう評価されるのだろう?
に関して、ありがたいことにその後
「中国オタク的には三国志とか水滸伝とかでこういう話はしないんですか?」
という質問をいただいております。

これは確かに面白そうなので、ちょっと中国のソッチ系のサイトなどをまわってそういったことに関するやり取りを探して見ました。
そんな訳で今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


今の時代に三国志や水滸伝が出たら爆死するんじゃね?
いくら四大名著とは言っても、今の時代ではネット小説とかが人気になっているわけだし。

そうとも限らないだろう。我が国の四大名著にはきちんと名著になっただけの理由がある。今の時代でも十分に人気は出るだろ。

うーむ……価値に関しては誰もが認めるだろうが、人気が出て金が稼げるかとなると難しいかもな。

ネット小説なんかと四大名著を比較するとか、正気か?

自分は紅楼夢は一度読んだきりだが他の作品は何度も読んだし三国志なんかは今でも好みだ。
しかし、現在になって初めて出てきたらと言う話になるとちょっと難しいと感じてしまうのも確かだ。誰も読まないのではなく、皆に届かないという意味で。
今の読者の好みや評価の仕方は煩雑なものになっているし、四大名著は歴史を経て評価された名声によって広く知られている。もし今の時代に書かれたとしたら、他の作品に埋もれてしまい我々の目に届かないのではないだろうか。

残念ながら三国志や水滸伝が今の時代のコンテンツの嗜好や消費の傾向から外れているというのはあるだろうな。現代語で出ることによる、読み易さのブーストを考慮してもだ。

私は小学校の頃に三国志、水滸伝、西遊記と十数回は繰り返し読んでいた。紅楼夢も何回か繰り返し読んだし、現代に出ても普通に人気出るだろうし読む人間は多いはず。

四大名著ってのは長い時間の中でふるい分けられた結果残った存在だ。我が国の歴史の中でふるい分けられた小説に勝てるものなんてそうそうあるわけがない。

とりあえず今の感覚で人気にならないかもしれない、売れないかもしれないという原因になる部分を考えてみようか。俺達オタクの感覚で。
まずストーリーが冗長すぎる、ハーレム要素やお色気要素も薄い、主人公の最強感万能感も小さいとか……どうだろう!?

今の本の売り方だとこういう作品は出版してウケるかとなると厳しいかもな。
よし、お色気ハーレム要素が薄いというなら金瓶梅を出そう!

アイデアやキャラの個性に関しては今の時代になっても古く感じないな。封神演義とかもそうだ。しかしストーリーの冗長さに関してはあんまり擁護できないかもしれん。

我が国の四大名著の最も重要な特徴は長い時間を経てそれでも人気が高いということだ。どんなに時が経とうが好きになる人間がいるからこその四大名著だ。
ネット小説やラノベが好きだというのは構わないが、四大名著を貶すようなバカバカしい話をするなよ。

すまん、私は正直言って三国演義とか読むのってめんどくさくて疲れる。
ネット小説やラノベとかにカテゴライズすると反感持つ人多いだろうけど、大衆娯楽として考えた場合どうなるかを考えてみるのはどうだ?

四大名著によくある中盤のワンパターンでグダグダな引き伸ばしとか、現代のネット小説に通じるものが……

言っちゃなんだが自分もその感覚分かるわ。この展開、ネット小説みたいだなーと思ったことある。いや、どっちが先なのかは明らかなんだが。
あと水滸伝の宋江に関してはネット小説のように作者の願望が透けて見えるよな。作品自体は面白いんだけどね。

ハーレム展開が無いとか言うヤツ、間違っているぞ。三国志はリアルに後宮もってる人間ばかりじゃないか。劉備とかでさえ複数の妻と妾がいるんだぞ!

水滸伝は虚淵玄にリメイクしてもらえばきっといける!最後はほぼ全滅エンドだし!

主人公に関しては微妙なものがあるが、ストーリーや設定方面の完成度が高いのは間違いない。しかし今の「消費」には合わないような気もしたり……

今の動画サイトで見るんなら普通にコメント弾幕で楽しめそうだし、腐女子需要も出て来るんじゃね?問題はそういったフォーマットになるかだが。

確かに文学的な価値は極めて高いが、三国演義とかは通俗文学なんだから当時のラノベみたいなもんだと言えなくもないだろ。ネット小説なんかを比べる価値も無いと切り捨てるのもどうかと思うが。

現代に出てきたら、四大名著に関するファンとアンチの想像を絶する戦いが巻き起こりそうだ。ネットに厨や小学生による荒らしとやらせの炎が吹き荒れるに違いない!

時代を越えて生き残っているんだから今の時代に出ても人気は出るでしょ。今の時代、少し人気になった程度では五年も経ったら消えてしまう。今よりサイクルは緩やかかもしれないが、四大名著はそういう流れを生き残ってきたんだぜ。

私自身、四大名著は何度も繰り返し読んだけど周りの反応を見ると人気に関しては何とも言えなくなる。名著、文学的に価値が高い作品は数多いし、今の時代簡単にそういった作品に触れることができるが、一体どれだけの人間がわざわざそれを読むと思う?「自分は楽しめた」「自分は何度も読み返すほど好きだった」というのは現代社会における作品の成功の根拠にはならないぞ。
しかもいくら四大名著であっても現代に突如出現した場合、面白い内容はそのままかもしれないが「歴史的地位」は無いんだぞ?

今の時代の嗜好に合わないとか読者の好みが変わってきているとかいう話もあるけど、需要は確実に存在する。
「徳川家康」がウチの国で人気になったのを思い出してみるといい。ああいった重厚な歴史娯楽小説がウチの国では明らかに不足している。三国演義が大人気になる可能性は十分にある!

どういった層に人気が出るかが読めないな。最悪埋もれることもあるという気もしてしまう。出るタイミングとメディア次第じゃないかな。
最近の人気の出方から考えると、スタートさえうまくいけば悪くない結果につながると思うんだが。

紅楼夢は各ヒロインに関してずっと昔から各ヒロインのファンによる不毛な争いや最萌えトーナメントみたいなことやってるし、普通に俺達みたいなオタク層にも人気が出そうな気もするが。

四大名著に関して考えるときに何とも言えない気分になるのが、ウチの国の文学には四大名著の後継的な作品が存在しないという事だ。これは欧米の名著が影響を与え模倣されその結果更なる名作が生まれていったのとは異なる。
だから現代に四大名著が出たとしても人気になるとは思うが、これはある意味では残念な話なのではないだろうか。

ウチの国では古典ネタの改変だとかは社会的に批判されるからねぇ。ちょっと遊んだ作品が出ると「古典は変えてはいけない」とかいう批判が必ず出る。
しかも現代では政治的にコントロールしようとするから実質的にそういった作品が作れなくなってしまっている。もし関連部門のそういったやり方が無く、色んな想像力の結果を認めることが出来たなら、ウチの国のアニメとかもっと面白い題材が増えていたのではないか……なんて妄想をしてしまうこともあるよ。



とまぁ、こんな感じで。
イメージされている前提条件がまちまちなのもあり一概には判断し難いのですが、イロイロな見方が出ていました。

とりあえずざっと見た所では
「面白いと思うし価値が有る」
というのは誰もが認める所であるものの、
もし今の時代に出てきたらどうなのかという仮定の話に関しては
「普通にいける」
「一般ウケするかというと難しい」
などと見方が結構分かれるようでした。

ただ、以前の記事の「昔のアニメ」に関するやり取りと比べると、
「四大名著なら十分に現代でも人気になる」
と信じている人がかなり多いようにも感じられます。
やはり中国では四大名著にハマった、思い入れの強い人が多いということなのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「昔の名作が今放映されたらどうなる?どう評価されるのだろう?

中国オタク「エヴァ公式っぽい謎のカウントダウン、劇場場Qの中国本土上映か!?」→聖地巡礼ツアーでした

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので、
今回はそれについて紹介させていただきます。

先日、中国のネットでエヴァンゲリオンの公式関係と思われる
「EVANGELION:3.0」
「新世紀福音戦士秘密計画」(「
福音戦士」が「エヴァンゲリオン」の中国語名になります)
というタイトルのカウントダウンが始まり、中国オタクの間でちょっとした話題になっていたそうです。

そんな訳で、今回はこのカウントダウンとその後に出て来たものについての反応を例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
それではまず、カウントダウンが進んでいる時の反応から。


なんかエヴァの中国語サイトが開設され、カウントダウンが始まったぞ!?
これは……ウチの国にエヴァが上陸するというのか?来ちゃうのか!?

3.0……これは劇場版Qの上映か?

カラーの権利マークついているから、公式の動きだと思っていいよな。なんだろう?
一応「序」と「破」は大陸の方でも上映されたことはあるが、あれは学術上映だったから商業での上陸じゃないんだよな。そうなるといきなり「Q」からってのもおかしい気がするが。

しかし「Q」だけ上映しても訳が分からないんじゃないだろうか。

仮に劇場版上映だとしたらどういうことになるんだろう?削除の嵐とか吹き替え版とかだったら、悪いけど俺はダウンロードして見ちゃうよ。

まぁBDも既に発売されてしまっている現時点でのエヴァQ上映にどこまで意味があるのかと言われると何だが……日本と同時上映とは言わんが、香港と同時上映くらいにはなってくれないもんかな……

映画の場合審査の時間や上映館の確保の問題があるから、今このタイミングで上映するのはありえないと思う。エヴァ関連の声優イベントとかじゃないか?
何にしろ、エヴァがウチの国で何かをやってくれるのは嬉しいことだ。

確かに声優や歌手などの関係も考えられるね。それか何かしらの展覧会みたいなものとか。それ以外に考えられるのはエヴァ関連商品とかじゃないだろうか。エヴァは商品展開多いし。

やっぱり中国でエヴァの関連商品が発売されるとかじゃないかなぁ。

最近だとゲンドウの髭剃りはインパクトあったな。
ああいうネタ要素アリなアイテムはともかく、安易な商品展開だとウチの国のファンは乗ってこない。そういうのでエヴァ関係の動きが失速するのは望ましくない。

劇場版を期待したくなるのは分かるが、現実的ではないよ。
ローソンのエヴァテーマショップとかじゃない?

ローソンのエヴァショップとかだったら実質上海限定になるからイヤだな……

私はEVANGELION STOREの上海支店みたいなのが来てくれないかと願っているが、さすがに難しいだろう。ただ一部の商品の販売なら十分可能だよね上海のアニメイトもあるし。
そう考えるとこのカウントダウンは特殊な関連商品か、或いは普通にディスクや画集といったあたりか……

待て。カウントダウンのあるイベントで俺達の想像通りだったり、想像を超えるようなことがあると思うか?あまり期待し過ぎない方がいいぞ。気楽に待つべし。

もし劇場版上映なら、俺は休みを取って見に行くぞ!



そしてこのカウントダウンが終了したのは今月の15日だったのですが、カウントダウンの後に出て来たのは
「日本行のエヴァツアー」
だったそうで……
コチラがカウントダウン後に出たそのツアーの公式ページです。
新世紀福音戦士日本登陸計画!

このツアーは4泊5日で一人9500元〜だそうで、旅程は
日本着、原宿のエヴァストア→秋葉原(自由行動、オプションツアーあり)→箱根で聖地とえう゛ぁ屋巡り、温泉→富士急ハイランド→帰国
となっていて、基本的に聖地巡礼とエヴァストア巡りを予定しているようですね。

予想というか期待していたものとはかなり違ったようで、
中国のエヴァファンにはずっこけてしまった人も少なくないようでした。
以下に発表後のやり取りの訳を。


カウントダウン、日本のエヴァ聖地巡礼ツアーだったのかよ……

旅行の広告か。ガッカリした。

エヴァに乗って使徒と戦えるなら行ってもいいよ!

お前、エヴァは乗って戦ったら実際に痛覚にダメージ来るんだぞ……それでもいいのか?

そんな君にオススメなのはエヴァ参号機!勝手に動いて戦ってくれるよ!

予想とは違ったが4泊5日でエヴァ中心のツアーで9500元は結構安いかもね。今日本に行くなら円安を実感できるだろうし、悪くないのかも。

そうか?1万元近い金で4日だけだぞ?それだけの金があってフリーで動くなら、もっといろんな場所に行けて長く滞在できると思うが。

ツアーで動きがあまりにも制限されるというなら話は別だが、スケジュール予定表を見た限りでは、この内容で4泊5日9500元ならそこまで高くはないと思う。イロイロな手間が省けるしね。

実際この価格ってどうなんだろうね。確か以前あったファン主催のオタク向けツアーだと1週間でもう少し安かった気がするが、その時に出ていた旅程を覚えていないのでなんとも。

私にはパスポートも金も無い。言えることは何もない。

申し込んだら日本の定価4990円のエヴァメガネがプレゼント……うーむ、何と言うか……

やったね!EVANGELION STORE関係のイベントだ!日本に行かないとダメだがな!!

パッと見ではスゴイイベントに思えるかもしれないが、実際はほぼ参加できないものだよな。時間があって金のある学生さんならいけるのかな。

北京や上海の話だろうし自分とは無縁な話だと思っていたら、更に無縁な話だったよ!!



とまぁ、こんな感じで。
カウントダウンとその後の肩透かしという有りがちな話になってしまった所もあったようですね。

しかしまぁ、最近は中国オタク内でも
「聖地」
という言葉がアニメや漫画の舞台やモデルとなった場所という意味で普通に使われていたりしますし、日本旅行の際の目的にされることも少なくないそうです。

結果的に中国オタクの予想や希望とは異なるモノでしたが、こういったツアーの企画が出て来るというのは結構面白いことになってるなーなどと考えてしまいますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国の学術上映で「EVA破」が上映され、北京のオタクが集まりまくった模様

中国オタク「日本式の風鈴を吊るしてみたんだが……」

ここ数日でずいぶんと暑い天気になってきましたが、
何か涼しい話題をということで夏にはまだちょっと早いですが今回は
「風鈴」

について一つやらせていただきます。

風鈴は日本の夏の風物詩ですし、アニメや漫画にもよく出てくることから中国オタク的にもイメージし易いものになっているようです。

風鈴は一説によれば中国から仏教建築と共に入ってきたとされているそうですし、現在の中国にも風鈴はあります。私が以前知り合いに聞いた話では、中国の風鈴は舌の部分がジャラジャラと多くついているものが多いそうです。

また、最近では中国でも
「日式風鈴」「日本風鈴」
といった名前で日本の形での風鈴が出回っていたりもするようです。

先日、中国のソッチ系のサイトなどを巡回している時にこの日本の風鈴に関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本式の風鈴を手に入れたので吊るしてみたんだが、これは良い。現在その音を楽しんでいる。風鈴と青空と白い雲、なんかアニメのシーンの中にいるような気分になれる!

日本のアニメでは風鈴は夏の爽やかなシーンで頻繁に出てくるよね。
手頃な和風のアイテムだから私も一つ持っているよ。

あの音とイメージに惹かれて私も昨年買ってしまった。
ただやはりというか、音の問題があるな。結構響く音だし。

私は買ってみたは良いけど音がうるさくて外してしまった。当然と言えば当然だが風で鳴るものだから、アニメの中のようにはいかないわな。

私の住んでる部屋の窓の向かいで工事が始まっちゃったんでしばらく窓を開けられそうにないんで、窓に風鈴を吊るして気分転換の材料にしている。室内で時折音が鳴るのも悪くないよ。

俺の部屋は風が吹かないから音が鳴らないよ……

私は鳴らしたい時は扇風機を微妙に調整して風が当たるようにしていたり。

日本式の風鈴を買って部屋に吊るしていたら、私の親に「風鈴って魂を呼び寄せる」っていうので微妙な顔をされた。

そういや私はシンプルなのが気に入って白い風鈴を買ったら、周りに縁起が悪いと言われたなぁ……

(訳注:中国で白は葬礼の時に身に着ける色なので組み合わせによっては縁起が悪いとされるときもあるそうです)

風鈴は魂を招くと信じられているし、元々風鈴てそういう用途のものなんじゃないの?

そこん所は習慣の問題だろうね。ウチの国では仏殿や宝塔のイメージがあるし、地方や生活圏によっては魂を招くから置かない方がいいとされているけど、他の所では幸運を招くとされている所もあるそうだ。あと、日本の風鈴は魔除けの意味があったはず。

風鈴には占いや風水、あと警報としての用途もあったらしいな。唐代に日本に伝わった時は占風鐸という形でのものだったらしいが。

風鈴か。私は以前街の店先で綺麗な音が鳴っているのに惹かれて買ったっけな。今も部屋に吊るしてあるよ。

ここしばらくの間、私は風鈴とブタの蚊遣りを準備して夏を過ごしているぞ!

ウチの両親はわびさびの心が分からないから風鈴に文句を言ってくる。あんなに爽やかで澄んだ音なのに

いやでも、風鈴の音はたまに聴く分には良いんだが、ずっと聴いていると鬱陶しくならないか?文句を言う気持ちも分かる。

適度な風の時にだけ吊るして、風が強すぎたり静かにした方が良いときは片づけておけばいいんだよ。人によっては風鈴の音をずっと聴いているとイライラするだろうしね。

まぁ音に関しては気をつけないといかんよね。周りにも聴こえるものだし。
しかし日本の風鈴ってシンプルで良いよね。私は10元(約160円)くらいで手に入れたのを飾っている。

私の持っているのは通販で買った白い陶器のやつだ。とても気に入っている。

陶器やガラスだと壊れやすそうだったから、私は銅でできているのを買ったよ。

銅だともう日本の風鈴じゃ無いような……?

その辺はあんまり厳格に考えないで良いみたいだよ。アニメに出てくる日本の風鈴は透明なガラス細工でシンプルなものがほとんどだけど、調べてみたら日本の風鈴はガラスや陶器以外にも鉄や銅などの金属、炭や水晶で作ったのもあるらしい。デザイン的にウチの国のものに近いのも見かけた。



とまぁ、こんなかんじで。
アニメや漫画を見ている中国オタクの間でも、風鈴に関するイメージは日本とちょっと違う所があるようですね。

また日本でも最近は風鈴の音が迷惑になるので軒先に吊るし難くなってきているという話を聞きますが、中国では日本の風鈴の音が耳慣れない人も少なくないでしょうから、風鈴の音の周囲への影響は日本よりも難しい話になってしまうのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「アニメの中の猫について語ろう。ネコミミ系のキャラじゃないぞ!動物の猫についてだ!」

ありがたいことに
「中国オタク的に動物のキャラってどうなんでしょう?どんなキャラが有名なんでしょう?」
という質問をいただいております。

中国オタクの間でもアニメや漫画等における動物系のキャラに関しては、メインからマスコット的なものまでイロイロと知られているかと思われます。

動物全体とはいきませんが、先日うまい具合に
「アニメの中に出てくる猫」
に関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてのやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


アニメの中の猫について語ろう。ネコミミ系のキャラじゃないぞ!動物の猫についてだ!
アニメに出てくる動物の中でも、猫は特に良い感じのキャラが多いと思うんだ!

猫はいいな。三次元でも二次元でも確実に萌えることができるスバラシイ存在だ。

しかしネコミミは無しと来たか。あれは三次元から二次元になって更に三次元に戻ったスバラシイものだと思うんだがな。
とりあえず私の好きな猫キャラは「チーズスイートホーム」のチーだね。

羽川翼は無しだな……
あずにゃんも無しだな……
そうか、俺は猫じゃなくてネコミミが好きだったのか……

「俺妹」の黒猫も無しか。まぁ、あれは名前だけだしな。
とりあえず、ウチの国で今一番人気があるのは「夏目友人帳」のニャンコ先生だろうね。ニャンコ先生の容姿や性格はとても萌える……!

昔、ニャンコ先生みたいな招き猫は無いかとかなり探したっけなぁ……

ニャンコ先生の日本語の発音に、「娘口」(niang kou)という字をあてて中国語でもそれっぽい音にできるようにしたのは非常に面白いアイデアだと思う。

(訳注:ちなみにニャンコ先生の中国語名は「猫咪老師」となっています)

猫か……そういや昔の私は「カードキャプターさくら」のスピネル・サンを気に入っていたっけな。マスコットとして猫(或いは猫っぽい生物)はよく出て来るよね。最近だと「FAIRY TAIL」のハッピーとかもそうだ。

マスコット的存在の猫キャラなら、ウチの国で一番有名なのは「セーラームーン」のルナとアルテミスじゃないかね。

最近の作品だと「涼宮ハルヒの憂鬱」のシャミセン、「スクールランブル」の伊織、「犬夜叉」の雲母とかかな?

最近では「日常」の阪本さんもわりと有名だろ。

ウチの国の国産アニメでもなんか良いのはいないかと考えてみたが、動物擬人化キャラはよく見かけるけど、萌える動物キャラは案外いないんだよね。なぜどれもこれも微妙な動物人間モノになるのか。猫に限らずきちんとした動物のキャラの出る作品をもっと作ってもいいんじゃないかと思う。

ウチの国アニメってイロイロな事情から人間キャラが描けない、出せないといった所があるけど、実は動物そのものに関してもあんまりうまく描けていないっぽいんだよな……

ネコミミは無しだが猫になる、或いは人間になれる猫キャラというのはアリでいいよね?

そうだな。それはアリだな。しかし評価するのは基本的に猫の部分だぞ。人間状態の時を評価に含めるとややこしくなる。

猫とお姉さま属性というのはとても相性のいい組み合わせだと思う。というわけで自分は「BLEACH」の四方院夜一が一番好きな猫キャラだね。夜一に関しては人間状態よりも猫状態の方が好き。

お姉さまというか姉御属性なら「にゃんこい!」のニャムサスも良いと思うわ。

猫になるのもOKなら、私にとって忘れられないのは「フルーツバスケット」の草摩夾と「らんま1/2」の珊璞だね。小さい頃は猫になる呪いにちょっと憧れていた。

ところで「東京ミュウミュウ」はどうなんだ?ネコミミキャラだが、主人公は完全に猫になったりするぞ。

Keyファンの自分にとって、猫キャラで真っ先に思いつくのは「Kanon」のピロです。

小さい頃に見た「What's Michael?」は良い猫アニメだった。

子供の頃の思い出の猫キャラ、自分の場合は「サイボーグクロちゃん」だったなぁ。

「魔女の宅急便」のジジを挙げないわけにはいかない。黒猫キャラでは一番好き。

ジブリで猫なら「猫の恩返し」をまず出さないと。あれはもう猫が本当にたくさん出てくる、てかメインキャラほぼ猫だし。

ジブリなら「借りぐらしのアリエッティ」に出てくるニーヤもブサイクで結構いい感じのネコだと思う。ただあの子に関しては個人的に一つだけ残念な部分がある。
ニーヤはあれだけリアルっぽい描写をされているのに「尻の穴」が描かれていなんだよ。猫飼っている人間ならば、猫が尻の穴見せて歩いているのは周知の事実のはずなのに。あの描写で自分はジブリアニメも完璧ではないんだと実感したよ。

ジブリならトトロはどう?あれも有名で人気が高い猫だと思うけど

トトロはありゃ猫じゃないぞ。トトロの中国語名は「龍猫」だけど、日本語での名前の「トトロ」は「所沢のとなりのお化け」という日本語の言葉から来ていて、猫とは関係ない。あの作品で猫と関係あるのはネコバスだ。

ネコバスは猫か……?いやまぁ、猫でいいよな。しかしあれは乗ってみたい。本当に。以前日本旅行でジブリ美術館に行った時に実物大ネコバスが展示されていたんだが、子供しか乗れないという規則には心底絶望したよ。

ここまでの発言を見ながらちょっと考えてみたが、猫系のキャラとなると結局はドラえもんが最強だろう。自分も長いことオタクをやっているが色んな意味であれに勝るキャラはいないと思うわ。



とまぁ、こんな感じで。
猫系のキャラをいざ探してみるとキリがないようでした。

上のコメントにもあるように、現在中国オタクの中では
「夏目友人帳」ニャンコ先生

が大人気のようですし、猫キャラと言えばこのニャンコ先生が真っ先に思い浮かぶ人も多いようです。

しかし今回ついでに調べたのですが、
「いなかっぺ大将」

に出てくる方のニャンコ先生やキャット空中三回転については知られていないようでした。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「庵野秀明がジブリの主役!?ネタじゃないのか!?」

庵野秀明監督が、ジブリの新作アニメ
「風立ちぬ」(公式サイト)
の主役の堀越二郎の声をあてるというニュースが流れましたが、ありがたいことにこの件に関する質問をいただいております。

先日発売となった
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」

も、なんだかんだで中国オタク内では大きな話題になりましたし、庵野監督の存在は中国オタク的にも極めて大きなものだと思われています。

しかしいくら庵野監督の活動とは言え、声優、しかもジブリの宮崎駿作品の主役の声優となると予想外過ぎたようで、中国でもこのニュースを聞いて混乱する人間がかなり出ているようです。
そんな訳で今回は中国のネットで見かけたその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ジブリの新作アニメの主役の声優が発表された!
庵野秀明だ!恐らくオタクならば誰もが知っているだろう、「有名」な「声優」だ!

いやマジであの「庵野秀明」なのか!?
「有名」な「声優」になるのは間違いない……知名度的には普通の声優とは段違いだが……!

超大型新人声優庵野秀明、ジブリ作品に現る!

ネタニュースだと思ってスルーしていたが……マジなのか。

私はこのニュース見たときに「なにぃ!?」と日本語で叫んじゃったわ。

自分の見間違いなのではないかと何度もニュースを読み返したし、他の所でも報道されているのか、日本できちんと報道されているニュースなのか確認したが、どうやら本当の事で間違いないようだ。何がどうなってこんなことになったんだ?

驚愕すると同時に笑ってしまった。
あと、そんなことやっているヒマあるならエヴァの劇場版の第四部を早く出してくれよ……

エヴァ新劇場版の第四部公開予定は未定のまま。しかも話がどうなるのか全く分からなくなったからな……声優やるとかいうネタを求めているヤツなんてほとんどいないだろ。

庵野秀明って最近忙しいのか時間があるのか、どっちなんだろう?
確か今度責任編集したガンダムのアニメ原画集出すよね。

「監督不行届」は結構面白かったしオタクとしてもクリエイターとしても庵野秀明がスゴイのは間違いないんだが、声優となると未知数だな。
庵野秀明の場合、多才なのかそれともいろんな分野にとりあえず逃げているのか、どっちなんだろう?

ネタにしか思えないニュースだが、ソースはきちんとしているし本当の事なんだろうな。自分は少し面白そうだと思ってしまったが、実際どうなるんだろうな。あんまりヒドイというか、周囲が失望する結果にならないことを祈る。

宮崎駿がゲンドウ、庵野秀明がシンジでエヴァに初めて乗るシーンを想像してしまった。

庵野秀明が「できっこないよ!」「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」と叫んでいるシーンが自分にも容易に想像できたが……しかし考えてみると普通にやってしまいそうな気もするな。自分自身が出演するのに抵抗があるタイプではないようだし。

エンディングの余韻の中で、キャストのトップに「庵野秀明」と出たら笑ってしまいそうだ。

プロの声優は娼婦の声しか出せないから、監督を呼んでみたというわけか。

最近のジブリアニメの声優って、声優専門でやっている人あんまりいないからね。木村拓哉がやっているくらいだから、庵野秀明がやってもそんなに問題ないだろ。あとは声と演技の質で。

でも木村拓哉は声優としての演技は結構良かったからな……
庵野秀明には監督の経験はあっても演技の経験がほとんど無いであろうというのが不安だ。

ジブリや宮崎駿と庵野秀明の関係ってどんな感じなの?
「巨神兵東京に現わる」はジブリの表示があったから確実に関係はあるんだろうけど。

庵野秀明はアニメーター時代にスタジオジブリの仕事を受けたりしている。「風の谷のナウシカ」にもアニメーターとして参加しているし、ナウシカの巨神兵のシーン描いている。

確か宮崎駿は庵野秀明が師と仰ぐクリエイターの一人。ある種の師弟関係だったはず。

監督としての自分を高めるために、演技をやってみる……そういう話だったりして。
庵野秀明の演技の経験?ウルトラマンがあるじゃないか!

ま、まぁあれだよ、監督兼主演とかはそこまで珍しい話じゃないからな!
庵野秀明の声がどんなのだかは知らんが、さすがに聴けないレベルにはならないんじゃないかと思っておこう。

脚本もってマイクの前に立っている姿はわりと問題無いように見えるが……
著名な声優庵野秀明さんの活躍に一応の期待だ!



とまぁ、こんな感じで。
このニュースに関しては、中国オタク内でもかなり真偽を疑われた模様です。

中国オタク内では最近のジブリ作品がプロの声優をあまり起用しないことに関しては日本に比べると意識されることは少ないですし、批判の対象になることもあまりありません。(もちろん無いわけではないのですが)

しかしそれでも、今回の「風立ちぬ」の主役の声に中国オタクにもよく知られている庵野監督を持ってくるというのは、イロイロと不安になったり、予想外過ぎて混乱してしまうようでした。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「声優だけを理由に見るアニメを決めたりする?」

ありがたいことに
「中国オタク的に、声優はどれくらい重要なものなのか?」
という質問をいただいております。

ここ数年、中国オタク内では声優の存在がどんどん大きくなっています。
現地では日本の声優を招いてのイベントが行われるようになっていますし、中国のオタクコミュニティでも声優関連の話題が普通に飛び交っています。

しかし実際の所、彼らのオタク生活の中で声優という要素がどこまで重要なのかというと、趣味や知識、日本語力などによる個人差もあってちょっとハッキリしない所もありますね。

先日うまい具合に
「声優だけを理由に見るアニメを決めたりすることはあるか?」
といったことに関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近は声優の話題が随分出るようになっているし、声優ネタが通じるようになっているとも感じる。そこで聞きたいんだが、みんなは声優を理由に見るアニメを決めたりする?声優に関してはどれだけ重要だと感じているのかちょっと教えてくれないか?

自分は声優だけで見る作品を決めることは無いなぁ。
一要素ではあるが、まずはジャンルやストーリー、キャラデザで判断する。

私は好きな声優がキャストにいる場合は目にとまるし、興味ない作品でも見てみようという気にはなる。

作品を見る前から声優を意識するってこともないね。アニメは好きだし声優は上手い方がいいけど、声優の生活情報とかは興味ない。

声優は重要だと思う。ウチの国のアニメとか、ヒドイのだと見れたもんじゃない。
日本語があまりわからなくても声の情報は入って来るんだし、アニメのイメージに影響する。私はキャストを見てちゃんと知っている声優がいると安心するね。

自分はファンになっている声優いるし、情報も関連作品も常に集めているよ。

声優はキャラに魂を吹き込むという話はあるが、魂だけではダメだわ。その「魂」でキャラが更に素晴らしくなることはあるが。

声優を作品評価に含める考えについては否定するつもりはないけど、私自身の場合は声優の要素は作品評価と関係無いかな。声優だけしかアピールポイントが無いようなアニメやゲームってのもあるし、声優を宣伝材料にしている作品はちょっと警戒してしまう。

まぁ……声優が良いからダメな作品が面白くなるってケースは無いよね。少なくとも自分は知らない。声優によってよくなる作品は元がそれなりのレベルであるケースばかりだと思う。
自分の選択と評価の基準を振り返ってみたが、声優で見る作品を決めたことは無いね。好きになった作品に関連する情報としての声優については興味あるけど、自分にとってそれは制作事情を知りたいというのと同じようなものだ。

アニメは聴くものじゃなくて見るものだろ。自分はアニメ見ている時は声優については気にしないし、声優のために見るってことは無いわ。

アニメ見ていてキャラの声に惚れるってことはあるけど、声優自身についてはそういうのは無いかな。自分が求めているのはその声によるキャラの再現だから、イベントや声優の情報に関してもあまり興味は無い。

字幕だけ見ている時はそんなでもなかったけど、日本語がある程度分かるようになると声優を意識するようになった。決定的な要素というわけではないが、押さえておくアニメを選ぶ際の判断基準の一つにはなっているね。

私にとっては声優がアニメを見る理由にはなるかな。好きな声優が出る作品はジャンル関係無く可能な限り見るようにしているし、見たいと思っている。役者を理由にドラマを見るのと同じ感覚かも。

ある程度評価の定まっている声優がキャストにいると安心する。字幕で見ていても声は聞こえて来るし、時々不快というか引っかかる演技(新人声優が多いように思う)にぶつかるんだよね。
自分が声優の棒読みとかを理解できているかどうかは分からないが、キャラの声の幅や年齢、イメージ的なものは伝わって来るから、声優についてはチェックしている。

好きな声優のというか、名前を意識している、キャストにいると嬉しい声優ってのはいる。ただアニメを選ぶときに声優が先に来ることは無いな。

自分の好きになったキャラの声優が誰というのは覚えているし、その声優が他のキャラを演じていたら目にとまるってのはあるね。ただ、それをきっかけに追っかける番組を決めるとかは無い。そういった知識は好きだけど。

男性声優の場合、ウチの国のオタクでも強烈なファンがいるから声優で見る作品を決めるケースもちょこちょこあるし、新番組のスタート時の盛り上がりに影響したりするが、女性声優に関してはそういうのあんまり無いかもね。

女性のオタクの場合は腐女子にスゴイのもいる。腐女子層はBLCDとかで欲望に直結するから日本語ヒアリング能力上がるし、声優ファンとしての基礎が男性よりも上になり易いからね。
男性のオタクの場合、声優がそこまで自分の欲望に直結しないし日本語能力も女性のオタクに比べて全般的に下な傾向もあるから、好きな声優や意識する声優がいても熱心に追っかける(追っかけることができる?)というのはあんまりいないような。

日本にいった知り合いがスゴイ声優ファンになっちゃったんだが、彼の話によれば日本だと声優関係のイベントや情報、ラジオなどの関連番組にとても接し易いそうだ。日本国外だと声優のファンになるのは作品のファンになるよりかなり難しいんじゃないかな。
私も好きな声優はいるけど、声優のためにアニメを見たり、自分から積極的に声優の情報を追っかけたりはしないわ。

声優いらないとか言うヤツは一回音を切ってアニメ見てみろよ。印象がまるで別のものになる。キャラとCVの重要性がわかるはずだ。

あー、えーと、実は私はスケジュール的に深夜や早朝にアニメを見る習慣になっているんだが、迷惑にならないように音を小さくしたり切って字幕だけで見ている時も少なくない。でもアニメやキャラにハマったりするんだわ。

声優は必要だ、でも声優の情報はいらないかな……ネタに走り過ぎている声優の場合、カッコイイ役でも「中はアレか」と思ってしまう。

分かる。キャラのイメージをアニメ声優に投影することはあるが、声優のイメージをアニメキャラに投影するのはなんかイヤだ。だから声優の生活情報とか性格とかはあまり楽しい話題じゃないね。
しかも自分はそういった情報を知ったらスルーできないので、最近ウチの国のオタクフォーラムでもそういう話題が目に入り易いのが困る。

まぁ、声優ってアニメの決定的要素にはなり難いかもしれないけど、不可欠な要素ではあるよね。アニメを見るきっかけにはあまりならないけど、アニメを見るのをやめるきっかけにはなってしまうし、アニメを続けてみる理由にだってなるんだから。



とまぁ、こんな感じで。
人によってまちまちな所はありますが、中国オタク内でも日本の声優が昔に比べてかなり意識されるようになっているようです。

それから上の発言にもありますが中国で声優ファンをやるのは、日本国内に比べて難度が跳ね上がるのは確かですね。
声優ファンをやるにはまず一定レベル以上の日本語能力は必須になりますし、それに加えて中国では声優関係の情報も日本に比べてかなり少ないですし、イベントやラジオなどの声優を前面に出したコンテンツに接するのも一苦労です。

そういった背景があるので、私にとっても最近の中国オタク内における声優関係の盛り上がりというのはちょっとした驚きになっていますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「額に肉という字を書くのはどういう意味が込められているんだ?」

顔にいたずら書きをするなら「額に肉」というのは外せないと思いますが、この日本ではお約束なネタが中国オタクの感覚ではちょっと不思議に思えたりもするようです。

考えてみれば「キン肉マン」

は作品人気が盛り上がった時代が中国で日本のアニメや漫画のファンが増える時期とはずれていますから、中国本土ではほとんど知られていません。

「キン肉マン」は「北斗の拳」や「聖闘士星矢」のようにアニメが中国のテレビで放映されて人気になったということもありませんし、海賊版の漫画に関しても本格的に広まるのは80年代末〜90年代初頭辺りからだったそうで、やはり「キン肉マン」の全盛期とはずれてしまいます。
そんな訳で、この「額に肉」というネタに対して日本のような感覚はないのでしょうね。

先日、中国のネットでこの「額に肉」への疑問などに関するやり取りを見かけましたので今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


アニメや漫画でキャラの額に肉という字を書くのはどういう意味が込められているんだ?そこら中で見かけるんだが、なぜあそこまで一般的なネタなのかが分からん。

アニメや漫画で顔に落書きする画像を探すと、極めて高い割合で「肉」と額に描かれたのが出て来るよな。

そのまんま「肉」や「駄肉」って意味じゃないの?よくあるネタの一つくらいだと思っていたが。

いや、ネタにしてはあまりに広範なものになってないか?オタク関係に限らず、そこら中で見かけるぞ。

あ、これ自分も知りたい。
なんでか知らないが、アニメや漫画ゲームのキャラの額に字を書くときって、ほぼ必ず「肉」なんだよね。目の周りに丸とか頬に記号や線、口の周りにヒゲなんてのは分かるが、なぜに肉。

ニコニコ動画とかでも「肉」ネタを結構見かけたな。
それだけでなんとなく面白いとは思うが、この広まり方は確かに疑問だ。

倒したヤツに屈辱を与える、ネタ扱いする場合にも肉って書くよね。

俺はてっきり「肉」な作品に出ている人間(或いはキャラ)だというネタだと思っていたんだが。

ああ、私も「肉を売る」というか、お色気だとか好色だとかそういうものなのだと思っていた。最近だと「僕は友達が少ない」の星奈とかそんな感じの。

(訳注:中国オタク内では、アニメなどの作中におけるお色気サービス展開を「売肉」と言います)

単なる肉の塊、その辺の店で売られるような物体ということなんじゃないかと。

人ではなく、物体としてネタ扱いをするわけか。なるほど。

自分は侮辱やネタ扱いということで、「肉便器」から来ているものだと思っていたんだが……

いやいや、このネタってエロ関係無いような、子供向けの作品でも出て来るぞ。別の意味なんでない?

こいつは単なる肉で頭がおかしいとか、そういうもんだと思っていたが。

普通にデブってことじゃないのか?
子供向けの作品も含めて出ているいたずらだし、俺達のような汚れた心が思いつくような内容ではないはず。

いや、元の意味がデブだとしても二次元におけるエロ関係や萌えネタの一般化でエロ関係の意味になったという可能性は否定できないと思う。エロい身体とかそういう意味での「肉」表記というのもあるのではないだろうか?

しかし「額に肉」って、そんなに面白いか?なんとなくネタとしては理解できなくもないが、日本の作品における一般的なネタになるというのはどうもピンと来ない。

まぁ、顔に落書きするってのは定番のいたずらとしては理解できるが……なんか、日本人の感覚での面白さと、俺が感じている面白さは違っているように思えてならない。

あの「肉」の字、「キン肉マン」って作品の主人公が元ネタなはず。

「キン肉マン」のキャラを調べてみたら、中国系キャラとか額に「中」とか書かれているぞ!?

じゃあ、俺達があの顔に落書きのいたずらをされた場合、「中」とか書かれる可能性があるのか……!

中だと元ネタ分からんから、もしやられたら怒るヤツ多そうだな。まだ肉の方がネタとして受け止められる可能性があるか。

元ネタが「キン肉マン」という作品だというのは理解できた。しかし、調べてみたが20年以上前が全盛期の作品なんだが。今の若者向けの作品、オタク向けの作品にまで頻出するのはなぜだ。

「キン肉マン」はウチの国ではほとんど知られていないけど、日本で昔大人気になった作品。少年ジャンプで連載していた時はトップクラスの人気だったらしいから、今で言えば「NARUTO」や「ONE PIECE」、一昔前なら「スラムダンク」的なものだと想像すれば近いんじゃないかな。そのレベルの作品だからネタとして日本社会に広まっているんだろう。

最近のクリエイター層が昔ハマっていたとかじゃないかな?ただそれにしてもちょっと不思議なほどの浸透ぶりだね。



とまぁ、こんな感じで。
「キン肉マン」がほとんど知られていない上に、なまじ「肉」という漢字は通じることや、中国オタク用語には「売肉」というお色気作品に関する言葉があったりすることなどから、少々混乱した解釈になったりもするようです。

またこの「額に肉」ほどではありませんが、日本の作品でたまに出てくるキン肉マンネタにちょっと困惑したりする中国オタクも少なくないようです。

例えば「銀魂」の作中で出ていたキン肉バスターネタなども、ほとんどウケていない或いは反応が薄かったように思います。(ちなみにキン肉バスターは「筋肉強打」と訳されていました)
中国オタクの「キン肉マンネタ」への反応は
「これの元ネタはキン肉マンという作品」「なるほど」
といったような感じで終わってしまうことも少なくないようです。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

90年代前半に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート

前回の記事
80年代に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート
に続いて、今回は90年代前半に放映された作品について紹介させていただきます。

90年代前半の中国ではテレビ視聴者が増えていった時代であると同時に、VCDによる海賊版の爆発的な普及の前の時期です。中国オタクの上の方の世代の人にとっては、この時期に放映されたアニメが思い出のアニメになっていることも多いようです。

では以下にネットの普及以前の時代のものを中心に、中国で放映されていた、或いは見ることのできた作品をざっと紹介させていただきます。
(地方ごとに放映の時期にはずれが生じている上に再放送も行われているので、年代に関してはあくまで大まかなものということをご了承ください)


91年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「ドラゴンクエスト」
「紅三四郎」
「ミームいろいろ夢の旅」
「聖闘士星矢」
「ゲッターロボシリーズ」
「伊賀野カバ丸」
「へーい!ブンブー」
「ガラスの仮面」
「Dr.スランプ」
「水戸黄門」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「新・巨人の星」

「ドラゴンクエスト」は「神龍之謎」という日本の感覚だとドラゴンボールやそのゲームと混同しそうな中国語タイトルになっていたそうです。また「Dr.スランプ」は20話程度で放映されなくなってしまったそうです。

野球アニメに関しては、この後に入ってくる「タッチ」「H2」の前に香港台湾経由で「新」の方の巨人の星が入っていたというのも、なかなかにスゴイ状況かもしれませんね。

そして見逃すことができないのが、中国オタクの歴史の第一歩とも言える「聖闘士星矢」の放映ですね。「聖闘士星矢」と「北斗の拳」はこの時期の日本のアニメの人気を決定的なものにしました。

この二作が中国に入った時期に関しては「聖闘士星矢」の方が「北斗の拳」よりも先だったそうです。私は93年から中国にいたのですが、当時私の周りでの作品の流行り方や、その後の作品人気の持続具合から、私はてっきり「北斗の拳」の方が先に入ったものだと思い込んでおりました。


92年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「ゴールドライタン」
「若草の四姉妹」
「ワンワン三銃士」
「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」
「ふしぎの海のナディア」
「キテレツ大百科」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「きんぎょ注意報!」

「ふしぎの海のナディア」がこの比較的早い時期から入っていたそうです。
「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」は日本のオリジナルシリーズということでこちらに書きましたが、トランスフォーマーシリーズの前作は88〜90年代頃に中国のテレビで放映され大人気になっていたそうです。

それからこの年はアメリカで「超時空要塞マクロス」と「超時空騎団サザンクロス」「機甲創世記モスピーダ」を編集合体で1つの作品にした「Robotech」の放映が始まり大人気になったそうです。

中国におけるマクロス人気はここから始まったのですが、最初の一歩が「Robotech」だったことからシリーズのつながりに関する微妙な混乱も存在するようです。一応この1年後に香港、台湾では日本の「超時空要塞マクロス」も放映されたそうなのですが、中国本土において「超時空要塞マクロス」と「Robotech」の違いがきちんと認識されるのは90年代後半になってからだったという話です。


93年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「天空戦記シュラト」
「キャプテン翼」
「北斗の拳」
「とんがり帽子のメモル」
「鎧伝サムライトルーパー」
「きまぐれオレンジ☆ロード」
「燃える!お兄さん」
「超音戦士ボーグマン」
「ダッシュ!四駆郎」


「北斗の拳」の人気が本当にスゴイことになりました。また「シュラト」「サムライトルーパー」「ボーグマン」と装着モノが三作品入っていますが、こちらからは「聖闘士星矢」の影響力の大きさも感じられますね。
それと「キャプテン翼」のアニメは私の認識していた時期よりも早く入っていたようです。「スラムダンク」と「キャプテン翼」の関係については以前書いた「スラムダンクが先に人気になっていたのでキャプテン翼は評価があまり高くない」とするのではなく、「スラムダンクが同時期の比較対象になったのでキャプテン翼は評価があまり高くない」とするべきですね。
他にも中国オタクにラブコメ作品を強く意識させることになった「オレンジロード」が入っています。

それからアメリカで「百獣王ゴライオン」と「機甲艦隊ダイラガーXV」編集合体で1つの作品にした「Voltron」がこの時期に放映されていたそうです。


94年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「宇宙の騎士テッカマンブレード」
「星銃士ビスマルク」
(アメリカ経由で「Saber Rider」の名前での放映だったそうです)
「機動警察パトレイバー」(TV、OVA、劇場版)
「忍たま乱太郎」
「トランスフォーマー 超神マスターフォース」
「戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV」
「タイムボカン」
「魔法のプリンセス ミンキーモモ」
(コメントで教えていただいた情報によれば91年の「海モモ」の方だそうです)
「絶対無敵ライジンオー」
「元気爆発ガンバルガー」
「六神合体ゴッドマーズ」
「魔神英雄伝ワタル」
「ロードス島戦記」
(OVA)
「マッハGoGoGo」(アメリカ経由で「Speed Racer」の名前での放映だったそうです。またアメリカ版の方も一緒に放映されたそうです)
「まんが偉人物語」

香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「横山光輝 三国志」
「うる星やつら」
(TV、OVA)
「ドラゴンボール」(劇場版)
「未来少年コナン」

「パトレイバー」はTV版8〜12話ごとにOVAを1話はさむ形で放映されたそうです。またこの作品の吹き替えは非常にクオリティが高かったそうです。
「忍たま乱太郎」はこの後もかなり長い間放映され人気になっています。


95年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「プラレス三四郎」
「Xボンバー」
(特撮人形劇ですが中国ではアニメ枠扱いでした。海外経由の「STAR FLEET」の名前での放映だったそうです)
「メタルファイター・MIKU」
「SLAM DUNK」
「重戦機エルガイム」
「魔神英雄伝ワタル2」
「三つ目がとおる」
「魔法の天使クリィミーマミ」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「たいむとらぶるトンデケマン!」
「超時空世紀オーガス」


「スラムダンク」は中国で最も人気になった日本のアニメで間違いないでしょう。「スラムダンク」の影響により中国のバスケ人口は増大しましたし、作品の影響による社会現象まで起こっていました。
「エルガイム」は放映されるときに何話か抜けていたらしく、カットされていた可能性もあるそうです。


90年代後半以降でもう1回更新するくらいの量があるのですが、このGW中に終わらせるのはちょっと難しそうなのでここで一区切りにして続きは近いうちにまたやらせていただこうかと思います。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


80年代に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート


5/5:追記修正 誤字脱字の修正と追記を行いました。ご指摘ありがとうございます。
5/6:追記 ミンキーモモについて追記。ご指摘ありがとうございます。

80年代に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート

中国のテレビで放映されたアニメ、特に一昔前のアニメに関して調べるのはかなり難しいものがあります。当時放映された内容に関するリストがきちんと残っていることは少ないですし、地方ごとのテレビチャンネルなどになってくるといよいよ分からなくなってしまいます。

それに加えて中国本土にはビデオも普及しておらず、普及した映像記録メディアのVCDは基本的に再生するだけでしたから、テレビで放映されたアニメに関してはどうしても実際に見ていた人の記憶頼りになってしまいます。

またネットを活用しようとしても、現在ネットで活発に動いている中国オタクの主要な層は若い年代になりますから、ネットで見つかる情報に関しても一昔前の情報、具体的には70〜90年代前半に放映されたアニメに関する情報は少なく、あったとしても断片的だったりします。

そんな訳で中国で放映されたテレビアニメの情報に関しては諦め半分でいたのですが、先日お会いした中国オタクであり更にアニメ業界で活躍している方から、昔中国のテレビで放映されていたアニメや、「テレビで見ることができたアニメ」に関して教えていただけました。

この非常にありがたい情報のおかげで、新しい発見とともに私の認識やこのブログに今まで書いていた内容の間違いも見つけることができましたので、今回はそれについて紹介させていただきます。


さて、詳しいリストの前にまず昔の中国のテレビ事情についてを。

昔の中国のテレビは今の状況に比べると随分とフリーダムというかカオスな所もあったようで、視聴率アップのためにイロイロなことが行われていたそうです。
子供の視聴者をガッツリ掴めるアニメもその一つで、なんだかよく分からないルートで入った日本のアニメ番組が放映されたりもしていたそうですし、地方局ではこういった傾向が特に顕著だったようです。

それから中国ではケーブルテレビや各「単位」一括でのテレビ電波の受信を行っていることが多く、テレビの受信状況は日本の基本的に個々の家庭でアンテナを立てるのとは少々違う所もあります。そしてこういった受信の仕方で香港や台湾のテレビを見ることができた家庭も少なくなかったらしく、そのチャンネルでアニメを見たりもしていたという話です。

この香港、台湾のテレビを見れる状況は80年代末から90年代半ばまで続いたそうなのですが、98年頃から管理が厳しくなり手軽に見ることはできなくなってしまったとのことです。現在は一時期ほど厳しくは無くなっているらしいのですが……

そんな訳で「中国本土のテレビでは放映されたことがないアニメ作品」であっても、時期によっては「香港や台湾で放映されていて当時の中国本土でも結構な数の人が視聴していた」というケースがあったそうです。

例えば私は
「中国本土のテレビでガンダムが正式に放映されたことは無い」
と以前どこかで書いたかと思いますが、今回教えていただいた話によれば、
ガンダムに関しては香港や台湾のテレビで放映されていたのを中国本土でも結構な範囲で視聴することができたそうで、96年に「Gガンダム」、97年に「ガンダムW」が視聴されていたそうです。
ですから「中国本土のテレビでガンダムが正式に放映されたことは無い」というのは問題のある言い方になってしまいますね。


そういった話も含めて、以下にネットの普及以前の時代のものを中心に、
中国で放映されていた、或いは見ることのできた作品を紹介させていただきます。
(中国では地方ごとに放映の時期にはズレが生じることもある上に再放送も行われているので、年代に関してはあくまで大まかなものということをご了承ください)

82年〜87年頃

「鉄腕アトム」
「ジャングル大帝」
「龍の子太郎」
「一休さん」
「アストロガンガー」
「グリム名作劇場」
「ニルスのふしぎな旅」
「魔法使いサリー」



88年〜90年頃

中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「リボンの騎士」
「魔法のマコちゃん」
「家なき子」
「アタッカー YOU!」
「花の子ルンルン」
「キャンディキャンディ」
「海のトリトン」
「ムーの白鯨」
「バビル二世」
「銀河鉄道999」
「アタックNo.1」
「エースをねらえ」
「ドラえもん」
「宇宙空母ブルーノア」
「ルパン三世」
「アニメ三銃士」
「破裏拳ポリマー」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「タイガーマスク」
「科学忍者隊ガッチャマン」
「惑星ロボ ダンガードA」
「太陽の使者 鉄人28号」
「SF西遊記スタージンガー」
「魔女っ子メグちゃん」
「宇宙海賊キャプテンハーロック」
「マジンガーZシリーズ」
「勇者ライディーン」
「コンバトラーV」
「鋼鉄ジーグ」



以上です。

90年頃までに放映された作品の中で個人的に驚いたのは
「アストロガンガー」

でしょうか。まさかこの作品が中国に入っているとは思いもしませんでした。

解釈次第な所もありますが、もしかしたら中国本土のテレビに最初に入った日本のスーパーロボット系の作品は「アストロガンガー」になるのかもしれません。
「アストロガンガー」が中国で放映されたのはかなり早い時期だったそうで、科学教育番組の後ろの方で放映といった扱いになっていて、全てきっちり放映されたわけではなかったとのことです。

ちなみに、その次に中国本土のテレビに入った日本のスパロボ系な作品は恐らく「戦国魔神ゴーショーグン」になるかと思われます。日本のアニメ扱いで良いのかちょっと迷ったので上のリストには入れていないのですが、アメリカで「戦国魔神ゴーショーグン」と「亜空大作戦スラングル」を編集合体させて1つの作品にしてしまった「Macron 1」も88年〜90年頃の時期に中国に入っていたそうです。


それから、「科学忍者隊ガッチャマン」は当時香港や台湾のテレビで放映していたものが視聴されていたそうで、その後97年になってから中国本土のテレビ局で放映され、その時はOVA版も一緒に放映されたそうです。

他にも「タイガーマスク」や「スタージンガー」など、なかなかにスゴイ作品が入っていたようですが、当時の視聴者の反応がどんなことになっていたのか非常に気になってしまいますね。
この情報を教えてくださった方も「タイガーマスク」には当時驚いていたそうで、「これはスゴイ作品だがなんでこんな作品輸入したんだろう……てかなんで輸入できたんだろう……」という疑問を感じたりもしたそうです。


結構長くなってしまったので、今回はとりあえずここで一区切りとさせていただきます。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


5/5修正:「家なき子」を「家なき子レミ」と間違って書いておりました。またタイトル及び誤字脱字などを修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「最近ネタが分からないと楽しめないアニメが目立って辛い」

アニメや漫画の中にはパロイディなどの様々なネタ的展開が出ることがあるかと思いますが、最近は中国オタクの間でも随分とこういった「作中のネタ」を理解できるようになっていますし、そのネタを話題にして楽しんだりもしているようです。

「銀魂」などは昔から人気が高いですし、
最近は「這いよれ! ニャル子さん」の勢いが強いですね。


また中国オタク内ではパロディネタや、メタ展開的なネタ、時事社会ネタや業界ネタなどをひっくるめて
「neta」
と表記して楽しむような動きも出ていますね。

ただ、この辺のネタに関してはウケるか、分かるか、といったことに関しては個人差があるものですし、中国オタク内でも皆が皆大歓迎と言うわけではないようです。

そんな訳で、今回は中国のソッチ系のサイトなどで見かけたこの辺についてのやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近ネタが分からないと楽しめないアニメが目立って辛い。
周りにはそういうのを楽しんでいるヤツがいるし「オタクならこれぐらい分からないと」みたいなことを言われる。時々ものすごい憂鬱になってくる。

あー……確かに最近話題になることが多いね、ネタアニメ。
何時の間にこんなに目立つようになったんだろう?
私の印象では「ニャル子」さん辺りからは特に加速しているような気がするが。

いや、ネタ系のアニメ自体は昔から一定の人気はあったよ。「らき☆すた」とか「絶望先生」とかもそうだし、「生徒会の一存」なんかも典型的なネタアニメだろう。

ネタ要素の強い作品で人気の長さで言うならまず「銀魂」だろうな。
ただ、最近はネタ要素が昔に比べて強調されるようになってきているね。「neta」という言葉がわりと広く通用するようになっているし。

ネタが分からないと楽しめないアニメが多くてつらいってのも分からなくないが、分からないならスルーすればいいんでないの?自分はそうしている。

最近のネタの過多な作品はちょっと.勘弁してほしい。
ニャル子さんとか、ネタが多過ぎてネタ以外の部分がどうなっているのかわからなくなっちゃってるし。

言われてみれば「ニャル子さん」以降で結構変わったな。
それ以前もネタアニメはあったけど、分かって当然、楽しむにはネタが分からないといけないから「ネタ知識はオタクとしての基礎知識」みたいな空気がここ最近では確かにあるなぁ。

「ニャル子さん」は第二期になってネタが増えすぎてキツイね。
あれにきっちりついていける人間がウチの国にどれだけいるのか。

「ニャル子さん」は元々ネタが本体みたいな作品だからそこを批判するのは間違っている。そういう作品を理解できないのは、見る側に知識と理解力が足りないだけだろ。

「まさかお前、このネタ知らないの?有名なのに?お前そんなんでよくオタクを名乗れるな」というのが私の周囲にも結構いる。自分が楽しむ以外の、他人との違いや差を強調するためにネタの知識が使われているのはなんとも微妙な気分になる。

「小学生」だとか「民工」だとか「子供向け」だとか言って一般向けのアニメやそれを楽しんでいる人間を見下していたのが、ついに自分に降りかかってきただけじゃないか?
この件については自分が楽しむために見ているのか、カッコつけるために見ているのか考えてみるといい。別に特定ジャンルのネタが分からなくてもいいじゃないか。例えば私は特撮とか全く分からんが、そういうネタのでる作品も普通に楽しめてるぞ。

今後出てくる作品がネタをそこら中に仕込んでいる作品で、セリフにも徹頭徹尾ネタを仕込んでくるとかにならないか、時折不安になる。オタク向けの作品でそういうのがあまりにも増え、評価されるようになるのはイヤだなぁ……

ネタアニメは、コメント弾幕付きで見られる作品だと特に「強い」からね。
コメントによる補助的な解説に加えてそのネタへのツッコミなどで盛り上がれるし、ある意味では現在のウチの国のオタクのスタイルに非常にあった作品だから、目立つようになってきているんじゃないかと。しかし、版権取得合戦で弾幕系サイトでは見れなくなってきているから、今後どうなるやら……

余りにもネタが多かったり、画面上に実は描写されている複雑な設定や伏線とかは鬱陶しく感じる時とかもあるね。ファンサブ字幕やコメント弾幕とかの解説がついていても、一時停止で長文読まなきゃいけなくなったりするし。

ネタは補助的なものだったら別に良いんだよ。楽しい。
でも濫用されるようになったらダメだろ。

ネタが分かれば笑えて楽しめたりするけど、分からないとテンション下がって見る気が無くなる。周りとの温度差も出るし。
ネタが多くなると、どんどんマニア向けになるし、作品の良し悪しについても語れなくなるように思う。

でもネタ自体は別に悪くないよな。作品を面白くしたり特色を出したりするものだし。
「銀魂」からパロディと下品なネタ除いたら面白くなくなるし、「ニャル子さん」からネタを除いたら名状しがたいハーレム作品のようなものしか残らない。

ネタが出る、自分も知っているネタが作中で使われるというのは、その作品の作者や、一緒に見ているファンとの共感のようなものがうまれるし、作品への思い入れも深まるから悪いモノじゃない。
でも、ネタを追っかけるために元ネタを探す、把握しようとしてしまう自分がいるのには我が事ながら何とも言えない気分になったりもする。

自分にとっては守備範囲外な、特定の作品を押さえていなければならないというのは結構キツイな。ありがちな展開やストーリーとかをネタにしてくれるなら分かり易いんだが。
あと表現方法も分かり難いのだったりするとやはりキツイ。

ニャル子さんは第一期と第二期で視聴者の知識の差が広がったように感じるわ。ネタについていける人間といけない人間とでも言うような。
以前の「銀魂」や「生徒会の一存」あたりならまだ大丈夫だったのかもしれないが……これも時代の変化なのかね。

ネタ自体はあって悪いもんじゃないよ。ただ、ウチの国のオタクの間ではあまり通じないってのがイロイロと面倒な事態になっている。

いや、日本のオタクだって作品のネタを全て理解している訳じゃないと思うぞ。「ニャル子さん」とか、元ネタをまとめたサイトができているくらいだ。ネタを全部把握するようなディープなオタクはそこまで多くないだろう。
これに関しては、ウチの国のオタクの方が意識しすぎているんじゃないか?オタクとして理解しなければならないと。

ネタの多い作品に関しても、ネタは分かる人が分かればそれでいいという風にはもうできないのかね。俺がオタクになったばかりの頃にハマった「生徒会の一存」とか、俺はネタが分からなくても楽しめていたんだがなぁ。

作品自体についてもそうだが、私達ファンの空気がそれによって変化しているのも厄介なのかもね。ネタを理解できるかどうかで、オタクとしてのレベル差を見るみたいなところが出ているのは気になる。なんていうかある種の「階級的な矛盾」とでも言うべきものが生じているように感じる。

うむ。「オタクとしてこれくらい押さえておかないと」的な空気はめんどくさいよな。
私はネタに関しては気にしていないが、自分の好きなジャンルに置き換えてみれば十分理解できる。

個人個人で知識の差や理解力の差があるってのは当然の事なんだが、今の時代はその差が如実に分かる作品、自分が「理解できていないことが理解できてしまう作品」が存在するのが問題を大きくしているのかもね。
私がまだ若かった頃、「らき☆すた」が人気だった頃とか、みんなあんまりそういうの気にしなかった。私自身、作中のネタの三分の一も理解できていなかったのに。

結局の所、お色気サービスと同じで、アニメや漫画のネタも多すぎるとダメってことなんじゃないかな。



とまぁ、こんな感じで。
ディープな方面も含めて作品を理解できる、楽しめる中国オタクの数はここしばらくの間でかなり増え、既にちょっとした数になってきているようですが、それによる空気の変化も生まれているようですね。

この辺に関しては日本も似たような所があったりするかと思いますが、中国オタク内でウケるネタというのはどうしても内輪ウケなものになってしまいますし、オタクと言う内輪のコミュニティの中で更に内輪ウケのネタによる断絶が生まれつつある状況のようです。

それから上の反応にもありますが、こういったネタ要素が広い範囲でウケて話題になるのは、現在の中国オタクのアニメの視聴スタイルにおいて、bilibiliなどのコメント弾幕系動画サイトでの視聴が存在感を増しているというのも影響していそうですね。

中国オタク内では、動画に付いたコメントがある種のデータベース的な扱いにもなっているので、その情報によるフォローが、ネタ要素を楽しむというのを手軽なものにしている面は確かにありそうです。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

なぜ中国のテレビで日本のアニメはダメなのにネット配信は大丈夫なのか オタ中国人の憂鬱アップデート

GWの連休に合わせてイロイロとまとめる事が出来たので、
今回は「オタ中国人の憂鬱」のアップデート、

「中国のテレビでは日本のアニメが放映できなくなっているのに、なぜネットでは配信ができるのか」
ということに関して一つやらせていただきます。


中国のテレビや映画はかなり厳格なコントロールが行われており、外国の作品を輸入する際にも輸入の手続きの中に内容の審査検閲などがあるというのをご存知の方も多いかと思います。

また、国内コンテンツの保護政策などから、中国のテレビでは現在日本のアニメを放映するのが難しくなっています。キッズチャンネルなんかは特にそうですね。一応、映画チャンネルの場合は放映が全く無いわけではないといった状態のようですが……

しかし、現在中国のネットでは版権を取得しての日本との同時(或いはほぼ同時)配信や独占配信が行われています。
最近は中国のネット動画サイトでは日本のアニメの版権を獲得して正規配信を行うケースが増えており、この4月などは「進撃の巨人」「とある科学の超電磁砲」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」といった人気作を含む十数作品が配信されています。

その辺りの事情に関して仕事先でもブログでも質問をいただきますので、今回はそれについてまとめて見ようかと思います。


さて、
「なぜテレビはダメでネット配信は大丈夫なのか」ということについてですが、これは言ってしまえば、
「ネットに関してはまだ中国の各政府機関の管轄が錯綜している」
ことにより
「ネットの動画配信がグレーゾーンになっている」
からです。


中国ではインターネットという新しいメディアに関してはまだ管理管轄が明確になっていない所もあり、各政府機関の管轄分野も錯綜しています。

ラジオやテレビ、映画に関しては旧国家広播電影電視総局、通称「広電総局」(日本語ではラテ総局などと呼ばれることもあります)がきっちりと管理管轄しているのですが、インターネット及びネット動画に関しては管轄外な部分もあることから、テレビや映画のようにコントロールしているわけではありません。

ここしばらくの状況におけるネット動画サイトに関しての広電総局の管轄は、
「動画サイトの運営許可証の許可」
までであり、許可証を取得したサイトの細かい運営内容や個々の動画までは管理できません。個々の内容についての管轄を持つとされる工信部(中華人民共和国工業と情報化部)は様々な理由から内容のチェックに消極的です。

そういったこともあり、ネットの動画サイトにある動画コンテンツの規制に関する細かい所に関しては許可証を取得したサイトの自主規制に任されている状態のようです。

ですから現状では政治的にまずかったり、社会的に問題になっちゃったりするなどの大事にでもならない限りはそれほどうるさくやられるわけではないのだとか。
(もちろん動画サイト側も中国特有の事情は十分にわきまえていて、政治的にマズイ動画や明らかなポルノなどはバンバン削除しています)

中国の動画サイトにおける動画コンテンツの扱いがこのような状況にあることから、厳密に考えればマズイ所も出てきそうではありますが、とりあえずは日本のアニメが中国の各種手続きをすっ飛ばして、中国国内において日本と同時(或いはほぼ同時)の配信を行うことが可能となっています。

ちなみに、広電総局は先日の「両会」で出版関係を管理している国家新聞出版総署(版権関係を管理しているとされる国家版権局もここに所属しています)と合併し「国家新聞出版広電総局」となり、ラジオやテレビ、映画と、出版メディアを一括して管理できるようになりました。

しかし合併前の各機関の管轄状態から判断する限り、出版やラジオ、テレビ、映画といったメディアに関しては強い力を持ってはいますが、ネット上のコンテンツに対しては、依然としてそこまで強い力を発揮できないのではないかと思われます。

もちろん、動画サイト全体に方針としての圧力をかけることはできますし、中国の感覚で政治的、社会的にまずいと判断されるような状況になれば一定のコントロールは行われます。
ただ、個別の作品を全てチェックして……というのは現実的ではない上に管轄の関係もあるので、現状ではグレーなままにされているようです。


中国の動画サイトで日本のアニメが日本との同時配信を行えるのは、以上のような背景があるからです。しかしこの「グレーゾーン的なものである」ということは、ある程度簡単に配信ができるのと同時に
「中国の動画サイトにおいては正規ルートでの違法動画対策が難しい」
という状態も引き起こしています。

中国のネットにおける動画関係のサービス関してはここしばらくの間でもかなりの変化があり、youtube型のユーザーのアップするコンテンツがメインとなっているサイトや、hulu的な動画配信サイト、クライアントソフトを使ったP2P或いはP2SP系の動画配信などが混在しています。
また、愛奇芸(iqiyi)などのように基本的に「版権を取得したコンテンツのみを配信する」としているサイトも存在します。

こういった動画サイトの中には日本のアニメの違法動画が流れている所があるわけですが、これに関しての対策、個々の作品の違法動画への対処が現状ではかなり難しくなっています。

本の出版や以前のテレビアニメのように正規の審査検閲及び輸入の手続きを経て入った作品、そしてそれによる正規出版か正規放送、正規上映であれば、広電総局或いは上述の版権局の大儀名分でそれなりの侵害対策を行えるのですが、 ネット配信のような政府機関の目につかないようにやっているケースに対してはそういったルートによる手段がとれず、実質的に裁判以外公的な対抗手段は無いということになります。

しかし中国現地での裁判となると、発生する様々なコストや、現地で権利関係の証明をすることの難しさ、更に根本的な問題として裁判に勝てるのか、例え勝ったとしても日本側の満足する結果になるのかということがあります。

時間がかかり過ぎるとアニメ配信の旬の時期は過ぎてしまいますし、これまでの判例を見ても裁判は長期化し易い上に賠償金も少なく、違法動画配信側には大したペナルティにはなっていないようです。このようなことから、体力の無い日本の版権ホルダーにとっては裁判も現実的な手段とはなり難いそうです。

こういった背景が存在するので、現状では中国のネットの違法動画に関しては、テレビや映画、ラジオ、出版関係とは違い、日本でよくイメージされるような中国政府関係ルートによる強力なコントロールを期待するのは難しい状況ですし、裁判を通じてというのもコスト的に難しいということで、正攻法での対処は
「ロジック的には可能、コスト度外視でやればできなくもない、しかしあまり現実的ではない」
ということになってしまっています。

では、「違法動画対策」として効率の良いものは何があるかと言いますと、
「独占配信の権利を現地動画サイトに売り、現地動画サイトに非正規動画対策を任せる」
というのが最近では比較的効率の高いものとなっているようです。

もちろん現地の動画サイトが日本のコンテンツホルダーの要求全てに対応してくれるわけではありませんし、現地サイドの目論見というのもありますから日本国内のような管理は望めませんが、独占配信と言うのが現地動画サイト自身の利益に直結していることもあり、一定の効果は確実に出ているようです。

現に独占配信権獲得の動きが大きくなってからは非正規動画が削除される、新番組の動画がアップされなくなるといった動きが出ています。
また、行きつけのサイトで非正規コンテンツの視聴ができなくなることにより、中国オタク内でもこれまでのオタクコンテンツの視聴スタイルを変えざるを得ない、といった状況に追い込まれており、「これからどうなるのか」といった不安の声や今後の予想と対策に関するやり取りが行われているなど、様々な影響が出ている模様です。

ちなみに、こういった現地動画サイトによる非正規動画に関する削除要請が効果をあげているのは、中国の動画サイト間での淘汰が進み生き残っている動画サイトが少なくなっているのも影響しているそうです。

現在は中国のネット関連の景気も悪くなり、ネット広告によるビジネスモデルも上手くいかなくなっていますし、どの動画サイトも採算的に厳しくなっています。
また数が減ったことにより話し合いもやり易くなっているので、現状では互いの本格的な衝突を避けるために、お互いの面子を尊重して作品の削除に応じるといった流れが多くなっているそうで、結果的に非正規動画への対応に関しては政府機関を通すよりもスムーズに話が進むようになっている模様です。

もちろんこれもリスク無しとはいかず、グレーゾーンであり不安定な中国の動画サイト事情や、現地との交渉の問題などがあります。
また現状では現地動画サイトにとって版権の獲得及び独占が競合する他サイトへプレッシャーをかける攻撃材料になっていることにより、コンテンツがネガティブなイメージに巻き込まれる可能性もありますし、版権売買のゴタゴタ、更には版権の所在や解釈による混乱なども起こってはいます。

しかし、現状では仮に現地動画サイトに抗議や削除要請を行ったとしても、現地の動画サイトにとっては対応しないことによるリスクがほぼ無く現地の動画サイトが無視を決め込んでしまえばそれまでになってしまいますし、日本のコンテンツホルダーが中国現地で公的な手段を通じて違法動画対策を行うのは様々な面から難しいといったことを考えれば、比較的確実な効果が出ている方法の一つであるのは確かです。

それに版権を売るということでコンテンツホルダー側にも利益が入りますから、この
「独占配信の権利を現地動画サイトに売り、現地動画サイトに非正規動画対策を任せる」
というのは目下の所では比較的クレーバーなやり方になっているのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
LINK


当ブログへのリンクはフリーでございます。

このブログの親玉やネタ元

北京留学日中交流

日本からだと存在そのものを疑われる事も有った北京の漫画喫茶B3は現地の制度変更や地価高騰の影響で伝説の彼方の存在となってしまいましたが、中の老板は相変わらず活発に動いてらっしゃいます。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

記事検索
最新コメント
Archives
  • ライブドアブログ