「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

2017年04月

中国オタク「主人公がサブヒロインとくっ付く作品ってどんなのがあるのかな。ファンもある程度納得する作品で」

毎年この時期はGWに関する日本と中国のスケジュールのズレに振り回され混乱しているような気がします。そんな訳で今回は簡単なネタで一つ……

中国ではラブコメ要素のある作品に関して、
主人公が最終的にどのヒロインとくっ付くのか
「勝者はどのヒロインか」
というのが日本よりも更に注目の集まる話題になっているという話を聞きます。

先日、中国のソッチ系のサイトを巡回していて
「主人公がサブヒロインとくっ付く作品は?」
といったことに関するやり取りが行われていましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。(ネタバレ要素も混じっているので、お気を付けください)


主人公がサブヒロインとくっ付く作品ってどんなのがあるのかな。
できればファンもある程度納得する作品が良い。

三角関係の結果ではなく、メインとサブがハッキリしている作品ってこと?

そこまで厳しく無くても良いが、できれば設定や描写、フラグ的にメイン扱いがハッキリしているヒロイン以外で……というのでお願いしたい。

「NARUTO」のアニメの終わり方でこの話題がちょこちょこ出るようになったな。しかし、「NARUTO」みたいなのは極めて珍しい例じゃないか?

「NARUTO」のヒナタ勝利に関してはもちろん反発もあるが、全体的に見ればファンが納得していたのは確かだろう。

NARUTOはサクラの人気が微妙なのも手伝った所があるな……あとはサスケがメインヒロイン枠として目立っていたのもあるし!

私が見始めた時はもうヒナタがヒロインという空気だったが、考えてみればサクラがメインヒロイン枠か……

自分が真っ先に思い付いたのは「ハリー・ポッター」だったが、アニメや漫画だと何だろう。すぐに出て来るかと思いきや、意外に思いつかない。

初代「マクロス」は……三角関係だから違うか?

マクロスは三角関係がお約束だからなんか違う気がする。
あとゲーム原作系も、原作に各ヒロインのルートがあるからちょっと違う気がする。

ゲーム関係ではあるが「true tears」はアニメの方は完全なオリジナル展開だし、扱い的にメインヒロイン枠だったほうが負けている作品だろう。

伝説の「いちご100%」を挙げなければいけない気がした。
今度、負けたメインヒロインでまた外伝が始まるらしいな。いろんな意味で心配だ。

最近だと「四月は君の嘘」とかかな?
ストーリー上では想定される展開だったし、必然性もあったから悲しいけど納得はできた。唐突な路線変更や迷走が無ければメインヒロイン以外とくっ付く、或いはそれを予想させるような終わり方でもいけるのでは。

ストーリー上の必然性があってもNTRだと炎上した「僕だけがいない街」という作品もあるよ!

どういう形ならばサブヒロインとくっ付いても許されるのだろうか?

サブヒロインの人気が高い、少なくともメインヒロインと同等以上の人気とかのケースじゃないか?作者の好みや贔屓だけだと納得されるのは難しいだろうし。

もし「名探偵コナン」のエンディングで灰原哀が選ばれなければ、ウチの国では確実に大炎上するね!

サブヒロイン選ぶくらいなら、いっそのことハーレムエンドにしろよと思う。
作品の世界観によっては難しいのかもしれないが。

「僕は友達が少ない」はメインヒロイン敗北の物語じゃなかったか。

あれはサブヒロインではなく、全滅エンドじゃなかったっけ。「俺妹」とかと同じで。

星奈の方はフラグ残ってるし、そっちの方のエンドと見ても良いと思う。
ストーリー展開はともかく、キャラ人気的には分からなくもない。

ラノベだと「鋼殻のレギオス」がサブヒロインとくっ付いたはず。あと「ココロコネクト」とかもヒロイン関係がそんな感じだったような?

「とある魔術の禁書目録」では御坂美琴が大勝利しているぞ。

「禁書」はメインヒロイン大敗北確定しているだけで、サブヒロインとくっ付くとは限らないような

サブヒロインどころか、全滅エンドみたいなのもあるからなあ……日本の二次元作品の恋愛要素は期待し過ぎるとダメージが来ると学習した。

「アルドノア・ゼロ」とかは恋愛メインではないけどかなりガックリ来たわ。
なんで唐突に出たモブキャラみたいなのとくっ付いて終わるんだ。

ロボットでは「Zガンダム」と言おうと思ったが、よく考えてみたらメインヒロインが誰なんだという話になるか……

ストーリーの最初から出て来て主人公と一緒に行動するメインヒロインが有利なのは当然だ。
しかし複数主人公だったり、群像劇的な要素が強いと視点が入れ替わってメインヒロインとの絆の描写が薄れるし、サブヒロインの勝ち目のようなものも出て来るのでは?

話がそんなに長くない作品もメインヒロインが負けるという流れにできるんじゃないか?

それは俺も考えたけど、あまり短いと誰がメイン扱いなのか曖昧にならないか?それに例えば「心が叫びたがってるんだ。」とかはお約束展開、見る方の予想を外した作品な気もするし。

「アカメが斬る!」もサブヒロインエンドじゃなかったかな。
個人的な印象だが、漫画は女二号(サブヒロイン)とくっ付くことが比較的多い気がする。

でも最近のラブコメだと「ニセコイ」も結局はメインヒロインとくっ付いたし、サブヒロインの勝利は滅多に無いよね。

いや、少なくなるのは確かだが滅多に無いわけでは無いと思う。
少年漫画系、特にジャンプ系はメインヒロインの絶対的な強さが無い。
「NARUTO」や「BLEACH」を思い出してみろ。

なるほど。確かに我が国で一時代を築いたジャンプ系作品のうち二つはサブヒロイン勝利な作品か……「ONE PIECE」もどうなるか分からないし、「銀魂」も神楽とくっ付かないだろうし……

ルキアが気の毒で気の毒で。ヒロインなのかさえ怪しい扱い。

「ドゴンボール」を忘れてないか?ブルマはメインヒロインだろ。

そういやあっさりチチとくっ付いたっけ。

ブルマは恋愛関係のあるヒロイン扱いかどうか分からんぞ。
初期の「ドラゴンボール」の看板娘的なキャラだったのは間違いないが、恋愛面ではかなり早い段階でヤムチャとくっ付くような展開になってたし。

「BLEACH」はルキアルート消滅ではないんじゃないか?
連載終了後の関連商品展開ではルキアと一護のセットも出続けている。

「地獄先生ぬ〜べ〜」もメインヒロインというか、当初のヒロインとはくっ付かなかったな。
ジャンプ系作品のメインヒロインは苦戦しがちなのか!?

ジャンプ系以外も、漫画原作アニメだとわりとあるんじゃないか。
例えば「神のみぞ知るセカイ」とかもそうだ。

漫画は長期連載作品だと、人気獲得のための路線変更やキャラエピソードの補強を行うから、メインヒロインがその地位を失うことも珍しくは無いんじゃないか?

なるほど。
そう考えると、媒体によってはメインヒロインであっても人気を獲得できないと負けるといった展開を予想できる……のかな?



とまぁ、こんな感じで。
イロイロな作品が挙がっていました。

中国のソッチ系のサイトではどのヒロインが勝っただのなんだのというスレをわりと見かけますし、キャラ評価に関してもその手の「勝ち負け」の話題が頻繁に出て来ます。
この辺に関して日本以上に重視されているというか、ストーリー展開におけるヒロインの扱いというのが、キャラを語る上で欠かせないものとなっているような印象も受けますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国語の「女二号」とは


4/29修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「けものフレンズ効果でオタクが動物園に押し寄せたらしい」「何が起こっているんだ」

ありがたいことにネタのタレコミ&質問をいただきましたので今回はそれについてを。

アニメの放映が終了してからも話題に事欠かない
「けものフレンズ」

ですが、東武動物公園とのコラボイベントが開催され話題になっているとか。

【現地情報】けものフレンズ×東武動物公園 フレンズ達による初日レポまとめ

フレンズがいっぱいだね! 東武動物公園「けもフレ」コラボイベントに行ってみた(Excite Bit コネタ)

この件に関して
「中国での反応は?」
という質問をいただいておりますので、以下に中国のソッチ系のサイトで行われていたその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


けものフレンズ効果でオタクが動物園に押し寄せたらしい。
やはり日本の「けものフレンズ」の人気は理解し難い……

何が起こっているんだ!?

えっ……なに?日本のオタクのヤツラって本当に動物園に行ったのか!?

これは動物園がアニメとコラボしたかららしい。
以前もオタクの一団がサーバルキャットを見に行ったなんてニュースはあったが、これは本当に大量のオタクが押し寄せている。

とりあえず、日本は狂ってるシリーズの実例がまた一つ増えたな!

あの連中は一体なんのフレンズなんだろう。

単純な餌に釣られるオタクなフレンズじゃないの

肯定的に見れば経済活動を活発化させるフレンズだね!

動物園かあ……もうずっと行ってないなあ。

これはちょっとさすがにどうかと……オタクが批判されるのも理解できてしまう。

今動物園に行けば大量のキモオタのフレンズが見れるわけか!!

確かコラボやってない動物園にも大量のオタクが流れ込んだニュースがあったよな。
コラボしたらそりゃ大変なことになるな……

これは本当にキモチワルイ。
動物園側はこんなことも予想できなかったのか?

いや、普通はオタクが大量に動物園に押し寄せるとか想像できんだろ……子供向けのアニメなんだし……

しかもあるのは板だけなのにな。
アニメの車に改造したカートが走るとかでもない。

なんでこんなので客を呼べるんだ?理解できない。

コスプレイヤーがいるとか、等身大の人形があるとかでもないんだよな……日本人はこの程度のもので満足できるのか。

こんなレベルで満足して他に何も要求しないなんてチョロ過ぎないか?
商売する側にとっては都合が良いんだろうけど、愚か過ぎてバカにするより先に心配になってしまうレベルだ。

元ネタを見に行くと考えればそんなに不思議なことではないだろ。聖地巡礼なんかと同じ方向だ。それに東武動物園は番組内の解説パートで協力していた動物園の一つで、出演した解説のおにいさんおねえさんもそこの職員だ。
ファンにとってはちゃんとした価値がある場所とイベントのはずだ。

正直な所、自分も見に行きたい。
けものフレンズに出ていた動物は一通り見れるんだろ?コラボイベントだからちょっとした解説もあるだろうし。

ボード立てただけで客が爆発的に増えるんだから動物園側はウハウハだな。経済活動として見れば悪いわけではない。

現地の写真を見ると凄い人出になっているようだな……
ところでアカカンガルーの所の写真に写っている黒人のおっさんはなんなんだ……?日本の動物園ってあんなエキストラ使うの……?

あれは本物の人じゃなくて作り物だな。たぶんオーストラリア原住民の生活を表しているとかじゃないか?
でもそれがアカカンガルーのフレンズと一緒に並ぶと本当に意味不明な光景になるな。

これって板だけじゃなくてグッズ販売、アライさんの声優による放送も行われているし、結構しっかりしたコラボイベントみたいだよ。

最大の問題は東武動物公園にはサーバルキャットがいないことだろう。キャラのパネルで代用しているらしいが。
ちなみに東武動物園で有名なのはホワイトタイガーだと。

サーバルキャットいないのかよ!?
きっと日本の動物園業界ではサーバルキャットの価格が跳ね上がっているんだろうな……

日本のアニメって、こっちの予想から外れる作品が人気になって、予想もしない形で経済を活性化させるよね……

オタクが騒いだとは言っても結局は子供向けアニメのはずなのに、なんでこんなことに。

そして動物園に来るのは子供じゃなくてオタクと……

とりあえず俺もなんか動物園に行きたくなった、というか行ってきたよ!!
アニメでは動物園職員の解説による動物紹介もあるし、動物園に行ってみるかという気になるアニメなのは間違いないぞ。

でも大量のどっから来たのか分からないオタクの男が動物園に溢れるってのはどうなんだ。さすがに子供連れの親子とかが心配になってきます!

ところで動物園の写真を見て気付いたんだが、日本の動物園って動物も檻の中もかなりキレイなんだね。

そこは差があるな。日本はゴミを投げたり檻を蹴って挑発するような客は少ない。パンダも白い部分の汚れが無くてちゃんと白黒になってる。

こっちの動物園は本当に客のマナー悪いからな……一応ゴミを捨てるなとかの看板もあるけど何の効果も無し。

実は自分も「けものフレンズ」を見て地元の動物園に行ってしまったのだが、動物の上に食べかすを投げまくるヤツがそこら中にいた。それどころかゴミを動物に投げつけて注意をひこうとするのまでいた。そもそも人多過ぎで動物ゆっくり見れないし。
それから考えると、オタクが増えるくらいなら全然マシなんじゃないかなーと思ってしまう。

そうか……その辺も合わせて考えると、この商売のやり方は日本の環境あってのものと言えるのかもしれない。案外真似し難いものだったりするのか?

アニメ作品を作る際にも仕込が必要だし、前提としてアニメ自体が大人気にならないといけないわけだからな。アニメと町興し関係のニュースを見ると上手くいっていないケースも少なくないし、オタクを巻き込んで商売するのもそこまで簡単なものではないのだろう。



とまぁ、こんな感じで。
なぜ動物園になるのか困惑している人も出ているようでした。

中国のソッチ系のサイトを巡回していると日本の「けものフレンズ」人気に関して、中国オタク界隈では困惑や嘲笑混じりのスレをちょこちょこ見かけますが、どのスレでも日本の人気の大きさや方向性が理解し難いという空気は共通しているように感じられます。

近頃は中国で、中国語で手に入る情報も増えていますし、日本のオタク界隈のやり取りも中国からリアルタイムで追いかけられるようになってきてはいますが、「けものフレンズ」に関しては現在の環境でも拾い切れない部分が少なくないというのが、イロイロと興味深いですね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本のラノベ作家って儲かるのか?家をあっさり買えるほどなのか!?」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので、今回はそれについてを。

中国の動画サイトでも配信が行われている
「エロマンガ先生」

ですが、作中に出て来る日本のラノベ業界事情がイロイロと話題になったりもしているようです。

そんな中、先日放映された話において登場人物の一人、
大人気ラノベ作家の山田エルフが
「キャッシュでポンと家を買った」
というのが中国オタク界隈の一部では衝撃的な話だと受け止められたとのことです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「ラノベ作家は家を買えるほど儲かるのか」
といったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


「エロマンガ先生」の山田エルフが若くしてあっさり家を買っていたが、日本のラノベ作家ってあんなに儲かるものだったのか!?家をあっさり買えるほどなのか!?

あれには驚いた。
作品の方向的にある程度の二次元的な誇張はあっても、基本的には現実ベースの、日本の読者が説得力を感じるもののはずだし……

人気の高い作家であれば不可能ではないことなのは理解できるが、ラノベ作家でしかも萌えアニメで出て来るとはね。

あの家って呪われた屋敷とか噂されてて安かったという事情もあるはずだぞ。

そうだな。日本は死人が出た事故物件の中古住宅ってかなり安くなる。

普通に家が安かったんだろう。
安くてラノベ作家の収入でも手が出せたと想像できる説明も作中にある。

長年売れていなかったという場所だったわけだしな。
不動産価格の安い地方で、死人が出た呪われた屋敷ということでどんどん値段が下がった結果だろう。

それにしたって、あの規模の家だぞ……都市部の……

呪われた屋敷呼ばわりってことは安いだろうけど、二階建ての洋風建築だ。
しかも山田エルフは仕事の打ち合わせのために引っ越してきたわけで、交通が不便なわけがない。周囲に学校があるということはそれだけで評価も上がるから、極端に安くなるとは思えないんだが。

さすがに上海や北京よりは安いだろうけど、東京の不動産価格も高いからな。キャッシュで購入できるというのはやはりかなりの収入と見ていいはずだ。

ヒロインが家を買ってるなんて補正が強過ぎる!
マジでどこのラノベの主人公だよ状態だ!

血のつながらない妹がいて、家を持ってるヒロインがいるとか、とても現実を意識したあざとい設定……!!

山田エルフの作家としての活躍というか売り上げのモデルって誰?
やはりSAOの川原礫?

アニメ化もある作家だから恐らくそうだと思うが、「俺妹」全盛期の伏見つかさ自身のネタも混じってそう。

まずは落ち着け。日本で年間どれだけのライトノベルが出版されているか考えてみろ。
日本のラノベ作家でクリエイターの収入上位に入れるのって鎌池和馬くらいのはずだし、ラノベ作家が大儲けってのは現実的な話ではない。もちろん極めて僅かな成功者は存在するのだろうけど。

創作で稼ぐ業界ってのは目に付く華やかなクリエイターの下敷きになっている、膨大な数の稼げないクリエイターがいるわけだからな。

日本のラノベ業界に関する景気の悪い話は探せばいくらでも出て来るぞ。
打ち切り作家の話とか、ラノベは金にならないといった話が

ラノベの発行部数は漫画に比べると小規模だからね。

日本のラノベよりウチの国のネット小説家の方がよほど稼げるだろう。
ランキング上位にいるのは文章だけで少なくとも月に十万元以上は稼げるし、権利関係で更に大幅アップだ。

ウチの国のネット小説家って、トップレベルだと映像化のライセンスで数千万元だとかになるからな。

でも日本のラノベ作家って個人でやることが多いから、複数人体制の分業で文字数を稼いでその上ランキング対策や読者サービスもしないといけないウチの国のネット小説なんかよりは手堅くやってそれなりに当ててそうな気もする。

私の中ではラノベ作家って漫画家に比べるとかなり小規模という印象なんだが。

「ログ・ホライズン」と「まおゆう」の作者が数千万円脱税できるくらいには儲かるはず。

日本の漫画家の稼いでいるトップクラスは凄過ぎて逆に想像し難い。
特にウチの国のそれほど儲かってないのに権利だけゴタゴタしたり搾取されたりな漫画業界を見ると……

ラノベは知らんが日本の漫画家はスゴイのがいるよな。俺も高橋和希になってみたい。

ウチの国はトップクラスのネームバリューでも漫画家は商売として微妙だからなあ……漫画家も映像化の権利販売で一発の夢はあるが、文字に比べて作業量やPV数の関係で厳しくなる。
新作よりも話題性で有利な一発当てた作品の引き伸ばしで稼ぐのばかりだが、それにしたって出版で稼げないし、webのPV数で稼ぐしかないという環境のせいだという面はあるからな……

ラノベは漫画に比べると発行部数が小規模になるしね。
「禁書」の鎌池和馬でも小説とアニメだけではせいぜい数百万元、日本円で年収が億超えは無いだろうとされていたし。

鎌池和馬は関連商品で更に稼げるから、クリエイターの収入ランキングでも上位に入れたんじゃなかったっけ。

そうそう本を売っても大して稼げない。権利の方で稼ぐ。

でもアニメ化では作家は儲からないとも聞くが。
ウチの国と違って、作品の映像化の権利収入が作家にはほとんど入らず出版社が持っていくとかで。

山田エルフが家をキャッシュ一括で買ったのってアニメ化での権利収入じゃなかったっけ?

あれは「アニメ化フェアの印税」だから、本を売ることによる収入のはずだぞ。ライセンス関係での収入では無い。
日本では確か漫画でも基本的にはこの方向での扱いじゃなかったかな?アニメ化で増刷がかかって印税収入が作家にとっての主な利益になる。関連商品が増えるとそこで収入が跳ね上がる。

混乱してきた。
結局ラノベ作家って儲かるのか、どれくらいで食っていけるのか、家を買うとかのレベルで儲けられるのか……どうなっているんだ!
しかも最近では日本もネット小説出身作品が増えているはずだし、もう何が何だか。

「エロマンガ先生」に関しては、どこまでが元ネタのある業界の話で、どこからが二次元特有の誇張なのか分かり難くて混乱する時がある。
自分の知識で二次元のネタだとハッキリ判断できるのは作家もイラストレーターも萌える美少女だって所くらいかもしれない……

そ、そんなことは無いはずだ……SAOのabecは女子高生イラストレーターのはずだし!BUNBUNなんて近所のおっさんではない!



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈では日本のラノベ作家の収入モデルに関する情報はあまり広まっていないようですが、
「さすがに一山当てた中国のネット小説家よりは稼げないだろう」
というイメージもあるようです。
そんな中で唐突に出て来た
「家をポンと購入できる」
という人気ラノベ作家キャラはなかなかに衝撃的だったようです。

上の方に出ていますが、中国ではハーレム系主人公の都合の良い設定の一つに「家がある」というのがよく挙げられますが、中国の都市部の不動産事情は非常に厳しい状態が続いていますし、中国の若者にとって住宅問題というのは身近な難しい問題となっています。

そんな背景もあるので、自分の見ているアニメに出て来た人気ラノベ作家のキャラが、家をポンと買えるような存在だったというのは、結構な衝撃になったりしたのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


5年ほど前に書いた似たようなネタの記事ですが、当時の中国のネット小説家の収入のイメージも出ているのでよろしければご参照ください。
中国オタク「日本のラノベ作家ってウチの国のネット小説家より儲かるの?」

中国オタク「アニメや漫画に納得のいく帝王的なキャラっている?」「アニメや漫画には良い帝王が少ない」

以前の記事
中国で求められていた始皇帝のサーヴァントとは
における
「始皇帝は皇帝という概念を創った存在であり、全ての帝王像の基礎なので特別な解釈はいらない」
といった部分に関して、
「中国オタク的に理想の帝王像的なキャラって例えば誰?」
という質問をいただいております。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「アニメや漫画における良い帝王キャラは誰か」
といったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


アニメや漫画に納得のいく帝王的なキャラっている?
テンプレ的な帝王的地位の悪のキャラはいるけど、納得のいく帝王、良いと思える帝王がいない。

なるほど。言われてみて気付いたが確かにそうかも。
アニメや漫画には良い帝王が少ない。

ジョジョのディオとかは?

えーと……「鋼の錬金術師」のキング・ブラッドレイは良い帝王だろう。

ブラッド・レイはそうだな。
独裁者系でカッコ良いのを探してみるか。王や統治者だと明君的な所が強調されるキャラになることが多いだろうし。

ルルーシュは?終盤で皇帝になってからの彼はなかなかのものだ。

帝王!歴史!大河!ということから「銀英伝」のラインハルトに辿り着いたが、あんまり帝王という感じでは無いな。キャラとしてはスバラシイのだが。

私も大好きな作品ではあるが、「銀英伝」は帝王としてしっくりくるキャラはいないと思う。
ルドルフ大帝がボロクソに評価される存在として設定されている世界だし、帝王的な方向のキャラは良い方向で存在できないのではないかと。

十二国記の王の中にはわりと良い感じのがいたように思うが。

言われてみれば日本のアニメだとしっくりくる帝王っていないね。
自分の見ている作品数が少ないのかもしれないけど。

私もアニメや漫画の中の帝王と言われて、印象に残っているのがほとんど無いというのに気付いてしまった。

悪の帝王ということなら「ドラゴンボール」のフリーザはどう?
好き嫌いはともかく、味のあるキャラになっているのは間違いないだろう。

よく帝王的なイメージに使われる「北斗の拳」のラオウはどうだ?

あれはビジュアル面では良いけど、実際の言動は……崇拝するのは北斗ファンだけじゃないか?

やはりルルーシュかな。
発端の動機は妹のためだったが、その動機を残しつつ最終的に帝王になったのは評価できる。

アニメや漫画だと統治者として良いと思えるキャラならばそこそこいるんだが、デカい国の帝王となるとちょっと違う感じになってしまう。

私の好みも入っているだろうけど、マクドナルドっぽいファストフード店でバイトしている魔王は帝王として悪くない。

「グレンラガン」の螺旋王ロージェノムは良いぞ。生存のために、あえて責任を負うのはまさに帝王。

「オーバーロード」の帝王であろうとするアインズ様が好き。

やはりアニメや漫画では帝王のイメージに合う、理想的なキャラって見つからない……
主人公が帝王になることが珍しいし、帝王が主人公視点以外から描写されることも少ないというのもあるのだろうが。

だからブラッドレイを見てみろって。敵ではあるが、彼は素晴らしい帝王キャラだ。

ちょっと変わった方向だと「境界線上のホライゾン」の葵・トーリとかはどう?

「マギ」のシンドバッドは帝王的な方向で求められるものを満たしているキャラではないだろうか。

Fateのイスカンダルとかは?アンチも多いけど。
まぁ、あの世界では他の統治者やリーダー格の人間がどれもヒドイので相対的にマシに見える所もあるかもしれんが。

Fateだと三人の王のうち、まともなのはイスカンダルだけだからね……初めて見た時はやっと帝王的なキャラが出たかと感じた。

帝王の肩書付きのキャラってテンプレ的なクズの王や、下が腐敗しまくっている組織のトップみたいな感じだからな。それかやはりテンプレ的な魔王。

だからそのテンプレ以外を探そうって話題だろ。
結果的に良い感じの帝王になってるキャラはいないか、って話だ。

歴史上の帝王をモデルにしてキャラを作ればいいだけだと思うんだがな。

まぁ現実でも良い感じの帝王って少ないからな……ウチの国の皇帝も若い時は良いが大抵は年老いてから統治に関してボンクラになる。悪評が無いのも短命だからだったりするし。
最初から最後まで悪いイメージが無いのって光武帝くらいか?

光武帝だと逆に勝ち過ぎるからな……
仁君を探しているわけじゃないし、そこはもうちょっと範囲を広げても良いんじゃないか?

日本人は三国志好きだし、曹操をモチーフにした帝王キャラとかは出さないのだろうか。それとも既に曹操元ネタのキャラがいるけど、自分の見た範囲が狭いか見たのに気付かなかったとかなのだろうか。

帝王としての完成度が高いのはクビライとかじゃないかな。
チンギス・カンがいるから題材的にあえてクビライを使う作品は珍しいだろうけど。

現実をモデルにしても面白くなるとは限らないし、単純になぞるだけではも商業的に成功しない。
参考にするとしても、背景や環境から作りこまないといけない上に、アニメ的な活躍をさせないといけないから難しい。SLGのプレイヤーとは違うわけで。

アニメや漫画だと使える時間や情報量の関係もあって、キャラを強調するための極端な存在になりがちだからね。なかなか理想の帝王キャラは作れない。

ゲームなら「DARK SOULS」の太陽の光の王グウィンなんかは悪くない。

ゲームのボス敵の方が帝王的な存在としてはしっくりくるかも。実際、洋ゲーで幾つかすぐに思いつくし。

あえて言うなら「鬼畜王」のランスはいろんな意味で帝王としてしっくりくるかな。

アニメだと個別のキャラやその人間関係を重視するし、帝王的なキャラの良さを描写するのは難しいんじゃないかな。
これは大河系や戦記系であっても変わらない難しい問題のように思う。



とまぁ、こんな感じで。
中国オタクの面々のお眼鏡にかなう帝王キャラというのは案外少ないようです。

中国オタクの理想的な帝王像に関しては、歴史上の人物で人気が高いのを探せば……とも思いましたが、始皇帝の件でもそうだったように前提となる認識が異なる可能性も考えられるのでちょっと判断に迷ってしまいますね。

また「帝王」という言葉から想像されるものや、帝王に求める中二病感的なモノに関する感覚の違い的なものもあるようなので、この辺りに関してはそのうちまた調べてみようかと思います。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「最近は魔法だけで接近戦はできないというキャラを見かけなくなった」

前回の始皇帝関係の記事、当ブログ的には久々の大量アクセス、具体的には過去の四川ガンダムレベルになったのでちょっと驚いております。

それはともかく、ありがたいことにネタのタレコミをいただいておりますので今回もいつも通りのイイカゲンな記事で一つ。

最近の中国ではアニメや漫画に対して
「動漫」
という言葉を使わなくなり、かわりに
「二次元」
という言葉がオタク分野全体に対する総称的な意味も含めて使われるようになってきています。

中国オタク界隈ではそんな二次元のお約束的な要素に関する話題もイロイロと飛び交っているようですが、そんな話題の一つ
「最近の魔法使いは接近戦もこなせるキャラばかり?」
といったことに関するやり取りが行われていましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近、魔法だけで接近戦はできないってキャラ見かけなくなったよね。

近頃の魔法使いは接近戦ができないのは無能扱いされかねん!

今でも魔法専門系はいるけど、大体は接近戦もこなせて……というパターンな気もする。

最近は魔法しか使えないキャラって、お荷物枠や未熟枠になってきているかも。

魔法の重要性が落ちたからだろう。今では魔法がスキルの一つでしかない。

魔法のロマンって、大火力による砲撃だと思うんだけどな……最近そういう扱いが少なくて……

あー、理解できた。
最近は魔法使いのカテゴリなのに、みんな接近戦やってるってことか。
Fateなんかでも魔術師で強いキャラはだいたい接近戦も強いな。

ゲームではもうそういうキャラの方が使い易いからね。
ビルトの組み方で魔法だけでなく接近戦も上げた方が安定することが多い。特化は周囲の協力があってこそ可能なスタイル。

ゲームでも昔は魔法使いに厳しい装備やステータスの制限があったけど、スキルや装備効果の変化から近年は接近戦のできる魔法使いとか普通に存在するようになったよね。

ゲームは役割分担やキャラの方向性がしっかりしているから、魔法専門系のキャラの存在感自体は消えていない。
どっちも使えるキャラが珍しくは無くなったが。

ファンタジー系のネタにおいて、魔法使いと僧侶の区別が曖昧になったという観点はどうだろうか。
僧侶系は現実を見ても武装集団だし、接近戦のできる魔法能力持ちのキャラにしても違和感はない。

でも魔法使いって魔法だけってイメージも強かったのは間違いないだろう。
今みたいな魔法も格闘もみたいなキャラが普通という感じになったのは結局どの辺りからなんだ。

とりあえず二次元、アニメや漫画だとどの辺からなんだろうか。

オタク向けだと「リリカルなのは」、一般向けだと「プリキュア」が魔法使いの接近戦じゃないか?

接近戦自体は「セーラームーン」でもやってるし、「プリキュア」も接近戦ばかりでは無いように思う。

接近戦もこなせる魔法使いなら、それよりはるか前の「スレイヤーズ」のリナがいるわけだが。

でもリナの頃はまだガウリィとの役割分担があったし、本人の接近戦は雑魚敵用くらいでしかなかったぞ。重破斬とかもあるけど。

魔法剣士とかは昔からいる。ただその手のキャラはメインが剣での戦闘で、魔法は補助か武器への付与とかだ。
最近は通常戦闘で両方使って、必殺技(物理攻撃+魔法)も使って、更にクラスは魔術師系みたいなキャラが目に付く。

むしろ最近は純粋な魔法剣士的なキャラが減ったかもなあ……中途半端だし。

「ネギま」とかになると、明確に強い魔法使いは接近戦もできるような扱いにしていたな。
伝統的な魔法だけの魔法使いも作中に出してはいたが。

演出や戦いの距離のイメージによる需要じゃないか。
遠くからドッカンで終わりというのはあっさりし過ぎて強さの演出的に微妙だ。

戦闘の距離と演出の問題は銃や弓と共通する問題かもね。
ロボでさえ銃ではなく主に白兵戦用の武器で戦う。

戦闘機の戦いだって、遠くからミサイルとステルス効果の勝負で終わりだとつまらないからなー

ファンタジー系創作における魔法使いの第一人者、「指輪物語」のガンダルフからして名剣持ちで接近戦も強いキャラなんだが。

魔法使い像を遡っていくと分かるが、別に接近戦が出来ないわけでは無かったはずなんだよね。

魔法使いが長距離砲台のイメージになったのはいつ頃かというのも気にはなるね。初期の頃は万能系キャラだったようにも感じられるが。
それはともかく、魔法使いが接近戦もできるようになったのはどの辺りかという話題に戻るか。

魔法って攻撃にも防御にも機動にも使える万能な存在だからね。
強キャラに持たせるとなんでもできてしまう。

魔法使いが魔法しか使えなくなってしまったのはバランスの問題もあるだろう。
それこそボス敵ではなく、成長する主人公達に持たせたら弱点や制限も付く。
そしてこれはキャラをたくさん出す際に、キャラ付けや活躍のさせ方に影響するから、その後の作品では役割分担的なことになるのも容易に想像できる。

魔法使いの接近戦の貧弱さはゲームのクラス分けに始まって、近年のスキルでのバランス付与によってクラスの意味が薄れ消えていった要素のような気もする。

それにしても「リリカルなのは」や「まどか☆マギカ」の武装を見ると、魔法ってなんだっけと不安になってくる

剣だけじゃなく、色んな武器を使うようになってるからな。
斧やハンマーなどのゴツイ武器、或いは飛び道具と一緒に魔法なんてのもあるし。

銃と魔法、精霊魔法と弓、みたいなのは昔からあるぞ。

イロイロと考えてみたが魔法が他の特殊能力に組み込まれたってことじゃないか?
ファンタジーも剣と魔法だけじゃなくなった。

仙人なんかは昔から仙術と武術でやり合ってたわけだしな。そのカテゴリに魔法や魔法使いも入ったとか。

自前でバフとエンチャントをかまして、優れた武術による接近戦を挑む!ってキャラに関しては魔法じゃなければ昔からいたな。
魔法の効果や対象の変化の結果という見方はどうだろう?

そもそも魔法使いに接近戦ができないというのがおかしい。
なぜ魔法と武術の両方を鍛えないのか。

その考えに同意だ。なぜそこで肉体を鍛えて武術を使わないのかという話になる。
英雄補正や主人公補正があるなら、その才能で両方できる、少なくとも明確な弱点を残しておく必要は無いのだから。

魔法使いの魔法が戦闘において重点的に使われるようになってきているから、接近戦能力にもリソースを振り分けるべきという話になってきたのではないだろうか。それが必要とされるから。
戦闘しないでいいなら別に武術にリソースを割かないでも構わない。魔法だけ強化していればいい。俺達だって受験のために学科だけ鍛えて体育は重視してこなかったんだから。

主人公キャラに求められる最強感や万能感の向上ってのはどうだ?
ラスボスってのは武術も魔法もこなせるというのが定番だ。その方向の能力を持たせるとなると、魔法と武術の達人というのも当然の結果だ。

まぁ世の中には弓を使うアーチャーが出てファンに衝撃を与える作品もあるし、そのうち魔法しか使えない魔法使いが出てファンが驚く作品も出るのかもしれない。



とまぁ、こんな感じで。
海外から中国オタク界隈に入る作品については発表された順番に沿って入っているとは限らず、まとめて入ったり、前後が入れ替わったりしていることも珍しくないので、この手の考察を行う際には結構混乱してしまうのだとか。

中国オタク界隈でもファンタジー的なキャラクター、魔法系のキャラというのは普通に扱われるようになってはいますが、同時に武侠系キャラとの対比的な面からの変化がありそうな気もします。

それにしても、魔法使いや魔術師の看板を掲げて「特技は接近戦です」といったキャラがメインで活躍するような作品ってどの辺りからなのでしょうかね。
とりあえず私も「魔術士オーフェン」などが思い付きますし、魔法剣士的な看板のキャラは昔からいたように思いますが、魔法使いの看板で戦うキャラとなるとちょっと迷ってしまいますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


4/22修正:「魔術士オーフェン」のタイトルを間違っておりました。ご指摘ありがとうございます。寸打とかエドゲイン君にトキメキを覚えた時もあるのに恥ずかしい間違いを……

中国で求められていた始皇帝のサーヴァントとは

カルデアエース掲載の東出先生の荊軻と始皇帝の小説の件ですが、前の記事
中国オタク「始皇帝を怪物にするなど許されることではない」「始皇帝がアーサー王ごときに匹敵だと?ふざけるな!!」
にもあるとおり中国オタク界隈では非常に強い反発が出ており炎上中のようです。

実際、私の知り合いの中国オタクの方からも
「始皇帝を醜い肉の塊にする意味が分からない。全くの説明不足で作者の力量を疑う。描写する力量が無いならこういうものを書くべきではない」
などといった、極めて強い反発が出ました。

私も反発が出るかもしれないとは考えていましたが、ここまで強烈な反発が出るというのは予想外だったので、ついでにちょっと
「では始皇帝はどのようなサーヴァントなら良かったのか?中国で求められているのはどういったサーヴァントなのか?」
と聞いてみた所、以下のような返答をいただきました。

・始皇帝は皇帝という概念を創った存在であり、全ての帝王像の基礎なので特別な解釈はいらない

・装備やスキルも戦車や長剣、弩、兵馬俑などオーソドックスなものであればいい

・不老不死への追及は国家と万民を自分が全て背負わなければならないといった思考によるものなどにすればいい


ちなみに、理想実現のための不老不死に関しての話はマキリ・ゾォルケンっぽい所を感じたので、あの方向はどう思うかと聞いてみた所
「マキリ・ゾォルケンは悪の博士っぽくて帝王感が足りない」
とのことでした。

さて教えていただいた話によると
「余計な解釈はいらない」
「オーソドックスにやってくれればそれでいい」

という点が強調されていたのですが、ここから既に食い違いのようなものが出て来て私も少々困惑してしまいました。

もしも「日本のイメージでオーソドックスに」やってしまったら功績の評価も結構アレなことになるような……
中華統一して皇帝の概念を創り様々な改革を打ち出したことは凄いものの、改革を急ぎ過ぎ、土木工事やり過ぎて民を疲弊させて、しかもオカルトにハマって水銀中毒で自分の寿命も縮めて更に全国巡遊中に死亡して趙高の専横や後継者問題勃発させて国も項羽と劉邦に滅ぼされたとかになるけど、それでいいのだろうか?
功績の部分を強調して、暴君的な面や不老不死の追及に関する解釈の修正を入れていくとかしないでいいんですか?
司馬遼太郎の「項羽と劉邦」の始皇帝みたいなの出しても大丈夫なんでしょうか?と……


私自身もこの炎上まではあまり意識したことは無かったのですが、日本と現在の中国では始皇帝の評価や捉え方に結構な違いがあるのではないかと思われます。
きちんと調べたわけでは無いのでハッキリとは言えないのですが、現代中国ではイデオロギー的な面からも含めて始皇帝の再評価が行われたりしているようですし、日本では項羽と劉邦など楚漢時代の人気と知名度が高く、漢の資料ベースによる評価の影響が強いといった辺りも理由として思い浮かびます。

また、文化や社会的な背景の違いが始皇帝のエピソードの評価に影響していることも考えられます。
例えば上でも出ている不死の追及やそれにまつわる水銀中毒などに関しても、聞いた話によれば
「世界の頂点である皇帝になったならば不死の追及をするのは当然」
という所もあるようですし日本のようなやらかしたイメージ、尽きぬ欲望による愚者的な面が強調されるものでは無いとのことでした。

この永遠の命を求めたことに関しては、仙人関係の扱いや永遠の命に関するイメージの違いも影響しているような気もしますね。
中国オタク「永遠の命って死ぬより怖いことなの?」
国オタク「仙人が題材の作品って日本人には理解できないんじゃないの?」「日本人は修仙で何やるかも知らんだろ」

ちなみにこの件について相談した中国オタクの方も、今回の件で知った日本の始皇帝事情のイメージに関して意外なことがあったようで、例えば
日本のソシャゲの中華歴史ネタ系レアキャラとしての始皇帝や、ぼくのかんがえたサーヴァント wikiの始皇帝などは中国のイメージで見ても問題無かったものの、日本のネットで出回っている始皇帝に関するまとめ情報には
「功績が殆ど出てない」
と面食らったりもしていたようです。

中国でも古典の時代から始皇帝が反面教師的な扱いにされることはあるものの、現在の中国においては学者の間では始皇帝の功績を肯定的に評価する人も多く、理屈好きなオタク層の間でも突出した英傑のイメージが強いとのことです。

そんな訳で始皇帝に関して中国では多大な功績のある凄くて偉大な英傑といった扱いになる模様ですし、強調される功績や、ネガティブなエピソードの扱いと受け止め方などに関しても日本との違いがあったりもするようです。

中国でも始皇帝が悪役扱いにされることはあるので別に善玉にする必要は無いらしいのですが
「悪役扱いはともかく、重厚な強さや凄さの描写は欲しい」
「邪悪な存在といった扱いは違和感がある」

のだとか。

そしてそういった英傑である始皇帝には異質、異形な怪物というイメージも無く、東出先生の作品における描写に関しては
・醜悪さが付けたされる理由も無い
・そもそも説明が足りない説得力が無い
といった強烈な反発が発生した模様です。

ちなみに中国では始皇帝のキャラ認識的に、TYPE-MOONでの異形形態持ちのキャラや存在と結びつくことも無かったようです。


実は私は始皇帝に関しては中国における人気サーヴァントや出て来る名前の頻度的にギルガメッシュやイスカンダル的なキャラが求められているのかとも考えていましたが、今回の反応や教えていただいた話から考えると求められているのはオジマンディアス的な方向だったのかなーという印象も受けました。
(中国オタク界隈ではオジマンディアスの知名度はまだ低いようなのですが)

そんな訳で今回の炎上に関しては
「(中国の感覚で)普通に考えてオジマンディアス的な方向のFate屈指の強力さを持ち、偉大さのある正統派サーヴァントだろうと想像されていた所に、イメージと全く関係が無いような怪物的存在を出されて大炎上」
といった所もあるのではないかと……


今回の件における中国の反応に関しては最初は私もあまり気分の良いものではなかったのですが、イロイロと調べていった結果、始皇帝に関しては政治的社会的な背景も含めて日中で評価やイメージが違うというのを意識させられることになりました。

怪物化という点で地雷を踏み抜いてしまった感もありますが、
「日本における始皇帝の評価やイメージ」
で始皇帝を描こうとする限り、どこかで炎上する案件だったのでは……という気もしてしまいますし、中国の歴史ネタを現在の中国市場向けに展開することの難しさを改めて実感させられる非常に興味深い事件のようにも思えます。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。




以下、個人的な話なので読み飛ばしていただいても問題ありません。

今回の件が中国オタク事情的な方向から見れば炎上する理由も理解はできるのですが、私は東出先生のファンなので、理解されるとか楽しむとか以前の段階で止まってしまったような所も見受けられたのは非常に残念に思ってしまいます。

しかし正直な所、東出先生の作品の話の膨らませ方で中国の歴史ネタを扱った場合、過去の作品や発言の傾向から考えてFateの公式ライターの中では最も中国で炎上する可能性が高いというのも認めざるを得ません。これはもう良い悪いではなく、創作の傾向と受け手の相性の問題かと……

現在の中国において、中国の歴史ネタは史実からの話の膨らませ方、独自解釈や創作のはさみ方、表現などに関しては制限がかかる所もあります。例えば石川賢的なノリやホラー映画的なノリはわりとアウトだとか。
言ってしまえば歴史的な事実から外れるのは許されない、こうあるべき歴史的評価から外れるのはけしからん、といった感じなのかもしれません。もちろんここでの「歴史的」なアレコレは現在の中国のものであって、過去の中国のものでも日本のものでもありません。

これが中国以外の国の歴史ネタならばそれほど知られていないのもあり、まだ大きな問題にはなり難いのですが、中国の歴史となった場合、「自分達中国人が一番知っている」という考えも加わってイメージ(中国の)から外れる、特にネガティブなモノや異質なモノに対する反発がかなり強くなるようです。

それに加えて中国では「Fate以前の作品」「Fateに影響を与えた作品」が意識されることは少ないですし、Fateそのものに関しても「Fate/Zero」から始まったという人が多いので、日本のファン向けであれば理解されるネタも中国では通じない可能性があり、それどころか「自分達の知っている正しい話」と違うということで拒絶されたり爆発炎上する可能性も考えられます。
面白さを追及したりサービス精神を発揮すればするほどリスクが高くなりかねないというか……


私がオタクになる過程で最も影響を受けたクリエイターは間違いなく東出先生です。
作品も楽しませていただきましたし、中国に留学していた当時は日本のオタク事情を知る上で東出先生のサイトには大変お世話になりました。

月姫や葉鍵系作品を知ったのも東出先生のサイトからでしたし、一時帰国した際に半年〜一年分の日本のコンテンツを仕入れる上でも非常に参考にさせていただきました。
恐らく東出先生のサイトが無かったら、私も中国オタク事情にここまで踏み込むことは出来なかったでしょうし、このブログも無かったでしょうね。

そんな訳で今回の件で東出先生の創作活動に影響が出てしまうのではないかというのが、個人的には一番心配です。

中国オタク「始皇帝を怪物にするなど許されることではない」「始皇帝がアーサー王ごときに匹敵だと?ふざけるな!!」

今回は長くなってしまったので二本立てです。

先日発売となった
「カルデアエース」

に掲載された東出祐一郎先生の荊軻短編ですが、そこに出て来る始皇帝が醜い怪物として描写されているということで、中国では大炎上している模様です。
この件に関しては複数の質問をいただいております。

この件に関しては作品の内容に加えて、東出先生がtwitter上で中国のユーザー向けに「Fate/GO」荊軻短編に関して語った一連のツィートの中の
「それではまず、私自身の始皇帝の解釈からです。始皇帝が偉大な皇帝である、というのは私自身ももちろん承知しております。戦乱に明け暮れていた一国を統一した、という点で騎士王(アルトリア)に匹敵するものでしょう。 」
という発言が更に火に油を注いでしまった感もあるそうです。

中国オタク界隈において求められていたと思われる始皇帝のサーヴァントに関しては次の記事
中国で求められていた始皇帝のサーヴァントとは
にまとめてみましたので、そちらもご参照ください。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていたこの件に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


東出祐一郎が書いた荊軻と始皇帝の小説がヒド過ぎる。
始皇帝が意味不明に醜悪な怪物として描かれている。どういうことだ!?これが型月公式の始皇帝なのか!?

きのこが東出にこのように始皇帝を書けと指示したのか?
さすがにそうではないと思うが……もしそうでなくとも、東出は何なんだ。ここまで能力の無い作家だったのか。

日本は資本主義国なのにどうしてこうなった。
中国市場で儲けようとか中国人から金を巻き上げようとかいった目的があったんじゃないのか?始皇帝をこんなに酷いものにするなんて、商売を放棄したとでもいうのか?

始皇帝を怪物にするなど許されることではない。

不快だ。ゲーム削除した。

東出は始皇帝を暴君として描写したかったのかもしれないが、あまりにも稚拙だ。
ウチの国でも学校の授業では暴君的な面は教えられているが、それでも化物なんかにしない。

中国のFateファンのことを何もわかっていない。
始皇帝を暴君だとするならともかく、悪ふざけで怪物にするなんて!創作能力が足りないにしたって超えてはならないモノがある。東出はその愚かさゆえの報いを受けるべきだ。

この話を大きくしようという活動には私も賛成だ。東出が死ぬか中国版サービスが死ぬかだ。
始皇帝を怪物にするというのは許されない。
もうこれはキャラを実装しなければいいという話では無い。

twitter上で弁解しているけど認識が根本的におかしい。
「始皇帝は騎士王、征服王に匹敵する存在である」
と言っているが、歴史上において始皇帝の功績は騎士王なんかとは比べ物にならないほど大きなものだ。

始皇帝がアーサー王ごときに匹敵だと?ふざけるな!!

全くだ。アーサー王ごときに匹敵とかなめてんのか。
東出は領土の統一でしか始皇帝を判断していないようだが、その他の功績を考慮していないのか?

アーサーがあれだけ無能に描かれている型月世界で、始皇帝の例えにされてもな。

アーサーと同格とか東出が言い出したのには乾いた笑いが出たよ。

アーサー王なんて伝説でしかないのに。
歴史的な地位で語れるような存在ではない。
始皇帝と比較しようと考えることがまずおかしい。

東出は愚かな発言を重ねている。
イスカンダルやギルガメッシュと同格と言って置けば別にみんな反発はしなかったのに、よりにもよってアホ毛なんかと一緒にするとは……

ギルガメッシュであれば歴史的な根拠もあるしまだマシだが、アーサー王なんざ実際に合ったとしてもどこぞの小島の村長の規模とかになる話でしかないってのに。あほくさ。

まぁ西洋や東洋、現在の国際的な知名度とかどこに重きを置くかという話なのかもしれないが、それにしたってアホ毛と同レベルとされたらこっちでは荒れるよな……

東出にはガッカリだ。
全部妄想で書いているなんて。

歴史とか創作をモチーフにしてもこんなもんにはならないだろうに。
あいつは自分が何を書いたか分かってるのか?

始皇帝を怪物にするということがどれだけヒドイ影響を及ぼすか……
始皇帝が気の毒でならない。これによって始皇帝は不気味な怪物として記憶されてしまうことになる。TYPE-MOONと東出は自分達のしでかしたことをきちんと認識して公式に釈明をするべきだ。

騒ぎを大きくして現実を認識させてやらないとな。
東出に釈明させるよう考えさせないと。

東出から小説とTYPE-MOON作品は関係ないという発言も出たようだし、始皇帝に関しては今後変更されるだろう。TYPE-MOONも中国が扱い難いのは分かっただろうが、商売で中国市場を無視することもできまい。

いいかげん、奈須きのこが中国びいきという話を信じるのはやめよう。
中国のサーヴァントでカッコ良いのは出ていない。
始皇帝ですら怪物にされるのだから、型月は公式で中国アンチだ。

日本人は人の心が分からない。
国を代表する歴史的人物を醜悪な怪物にされたらどう思う?
例えば中国で信長が化物にされたら怒らないのか?

真偽不明で改変されまくりの伝説でしかないアーサー王と、歴史的な地位のある始皇帝を一緒にするとか。そんなことを考えて作品を作っていることに驚いたよ。

アーサー王なんざ実態は村長レベルなのに、歴史上皇帝の概念を定めた始皇帝と比較するとか……

「アルトリアに匹敵」なんてのはあまりにも始皇帝を過小評価しているよ。
どこからそんな発想が出て来るんだ?始皇帝の功績のどこがアホ毛に劣るんだ?同レベルなんだ?どんな三流作家にしたってもっとマシなものを書ける。

なんか東出は話せば話すほどこっちを怒らせる例えが出て来るな……

東出もヘンなことをしなければよかったのに。
普通にwikiとかを参考にしてクラスとパラメータとスキルと宝具を設定して、ヘンなデザインにしなければみんなそれなりに納得しただろうに。

村長だなんだと言ってアーサーを見下す連中は、伝説や創作の扱いや、それが与える影響、創作作品における個々の設定やそれに基づく改変というのを見ないのか見たくないのか。

ギルガメッシュでさえも、ようはきのこの中二病パワーが爆発した結果のカッコ良さなわけだしな。あとアーサーに関してはZeroで王としてはイスカンダルやギルガメッシュより下だという描写があったのにアーサーと始皇帝が同格みたいにされたのも今回の炎上の原因の一つかな。
作家の脳内設定による評価なんて俺達の知ったことじゃない。

「鉄血のオルフェンズ」の第二期にスタッフから次々出て来たダメな設定の数々みたいな話だなあ。

東出の釈明も出たけど結局これどうなんの?
修正すんの?放置すんの?

本出ちゃったし変えようがないんじゃないの?
もしやるなら回収してネットに修正版をアップするとかじゃないか?

修正なしかよ……これだと始皇帝は実装しない方がいいんじゃないか……

実装しない方が良いと思う。
こういう問題が発生するから、最近はFGOに中国の要素は少ない方が良いと思うようになってきた。

みんなにとって不快な設定だというのも理解できるし、私もその意見は支持する。
だが始皇帝の扱いはどうするべきなんだろうね。

普通にやれば良かったんだよ、普通に。
それで問題無かったはずだし、もし中国から課金させたいならグランドクラス入りさせれば中国のユーザーは喜ぶ。



とまぁ、こんな感じで。
今回の炎上を見ていくと
・始皇帝が怪物化されたこと
・東出先生のツィートで出たセイバー(アルトリア)との対比による不満
といった辺りへの反発が多いような印象を受けました。

それからまた興味深いというか、改めて意識させられたのが中国オタク界隈におけるセイバーというキャラに対する認識ですね。
中国オタク界隈においてセイバーは萌えキャラや看板娘としての評価は高いそうですが、日本と比べるとキャラの強さや格、重要さについてはあんまり認識されていない、かなり格下に見做している人も多いという話も聞きます。

この辺りに関しては中国におけるFate人気が実質的には「Fate/Zero」から始まり、「Fate/Zero」における描写をベースとしての知識と認識が圧倒的に強く、人気が本格的に盛り上がる過程も中国独自なものだったという背景も影響しているのではないかと。

それに加えて中国オタク界隈の反応を見ていくと、Fateの世界観におけるアーサー王や円卓の騎士関係の重要性と、現実世界の中華ベースによる歴史認識を分けて話すことが難しいというか、サーヴァントに関しても個別の伝説や歴史ネタベースのキャラとして認識されていて、Fateの世界観におけるキャラという認識はそれほどでも無いような所も感じられます。

一昔前と比べて中国語によるTYPE-MOONやFate関係の情報は格段に増えてはいますが、それが広まっているか、日本と共通する解釈はどの程度なのかとなると難しいものがあるのかもしれませんね。


反応に関してはとりあえず、こんな所で。次の記事で始皇帝ネタと炎上に関する分析のようなものをまとめさせていただきます。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国で求められていた始皇帝のサーヴァントとは

日本と中国、Fateファンの違いとは(2年ほど前に書いたコラムです)

中国の人気ソシャゲ、荊軻が女は許されないのでキャラの名前修正

ありがたいことにネタのタレコミをいただいておりますので、今回はそれについてを。
以前の記事
中国オタク「荊軻の女体化くらいなら問題無くなった」「歴史的な人物の改変ネタってどこまでいける?」
に関して、中国の歴史人物のアレンジの一例として挙げた中国国産ソーシャルゲームの「王者栄耀」ですが、女性キャラ荊軻の名前が修正され「阿軻」となったそうです。
中国のニュースはコチラ(中国語)などをご参照ください。
公式サイトのヒーローユニット紹介(中国語)
SNKのキャラも参戦していたりします。

このゲームの荊軻は始皇帝暗殺を企てたあの荊軻本人ではなく、荊軻の名を継いだ妹という設定だそうですが、最近中国のメディアでユーザーに悪影響を与えると批判されていたことによる修正ではないかという話も出ているそうで……中国では荊軻の名前の女性キャラというのはやはりダメだったようです!

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていたこの件に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


荊軻が今度のバージョンアップだか正式実装だかで改名されてしまうそうだ。
改名後の名前は「阿軻」だってさ。

最近批判が巻き起こっていたからな。

人民日報の影響力からは逃れられないってことかい。

これは正しいよ。
なぜ荊軻という名前でやるのか。金のために露骨すぎる。

なんでだ……どこがダメだというんだ……

基本的には社会への影響や子供の歴史観に悪影響を及ぼすという、いつもの批判ではあったかな。

なんでこの修正に反発するんだ?
とても良いことだと思うが。

これは支持すべき処置だ。王者栄耀は歴史上の人物を毀損しまくっていたし、嫌な思いをしていた人もいるだろうからな。

同意。私もあの作品に自分の好きな歴史上の人物が出たら嫌だとずっと思っていたからこれは朗報だ。
既に他の作品、ドラマとかでヒドイことになっていたとしても、更に増えたり影響力が増したりするのは楽しいもんじゃない。

さすがに人民日報とかの一般ニュース枠での批判になったらそりゃ空気読んで修正するってことか。

私もこの処置には賛成。ストーリー設定では荊軻本人じゃないんだから帰るべきだった。

結局どこが歴史的に悪いんだ?別に矛盾があるわけでもないんだろ?
設定上は荊軻の妹で、荊軻の名前を継いだという話で、歴史上の荊軻を女にしたわけでは無いはずなんだ。

ストーリー設定上はそうだが、別に荊軻の名前を使う意味は無いとも言える。
言っちゃなんだが性転換させるためのこじつけでしかない。ウチの国で通じる話じゃなかったってことさ。

こういうのは歴史を傷つけている、ということで怒られるんだよ。そう判断された時点でどうにもならない。

キャラの背景設定の変更は無いし、荊軻の一族で妹ということ、名前的にも設定的にも問題は無いんだがやはり違和感あるな。荊軻で認識していたキャラだし。

この荊軻がダメということは、次はFGOだな!覚悟しろ!!

王者栄耀は歴史をひどい扱いにしているが、FGOは架空の世界の架空の歴史だろ。こっちとは別の話だ。

そんな区別が通用するなら炎上なんかしないよ。
始皇帝を化物にした件で大炎上しているんだし、どうなるやら。

東出の件の炎上でかなり危険なことになってきているよな。

この荊軻の対応はスバラシイ。
東出の始皇帝を見た後では、本当に良心的な対応に思える。

歴史ネタを悪ふざけで扱うにしたって限度があるからな。金儲けのためにやられると本当に気分が悪くなる。

歴史上の人物をアレンジするにはきちんとした根拠と理由がなければならない。特に根拠も理由も無いアレンジは遅かれ早かれ批判されて潰されるもんだよ。

王者栄耀は公式で歴史のモデルやら古詩やらの解説が入るようになったみたいだ。ゲームのネタに関するエンサイクロペディア的な機能を強化するのは悪いことではない。

あれ自体は良いよね。シヴィロペディアとか見るの好きだし、私は歓迎する。

しかし王者栄耀レベルの内容でさえこんなことになるなら、他のゲームはどうなんだ?
FGOに限らず国産ゲームでもあるぞ。そっちは良いのか?

テンセントからしてみれば、リスクを一つ減らした程度で別に痛くも無いって所だろうけど、やったこと自体は悪いことではないし否定することもないな。

いつもの取締りだろ。
一番目立つ所を取り締まってあとは圧力をかけて自粛させる。

むしろ歴史ネタに興味を持つきっかけになると思うんだけどなー

ゲームやる連中はそんな興味持たないよ。学校の勉強だって別に熱心にやるわけでもないし、ゲームしている時に興味を持つか?

興味を持つきっかけ?そういうのは一般社会やメディアには通用しない。
正しいとされる歴史知識を正しいルートで届けるべきとなるのさ。

結局は「誰が見るか」「誰が訴えたいか」って話になるからね。
これはファンだろうが一般社会だろうが変わらない問題だ。



とまぁ、こんな感じで。
しょうがないと感じる人や、肯定的に受け止める人もかなりいるようでした。

それにしても、こういうニュースを見ると日本と中国の歴史ネタの扱いの違いの大きさを感じますね。この辺りに関してどちらかに合わせるのも無理な話でしょうし、そこそこの距離でやっていくしかないような気もします。

それと質問を複数いただいているカルデアエースの東出先生の小説の炎上に関しては、カルデアエースkonozama状態なのでもう少々お待ちください。
それに私は東出先生のファンなのでこの件に関しては気分の良いものではないですし、冷静になるために時間が欲しいので……


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国の2017年4月新作アニメ公式配信状況

今回は中国の動画サイトにおける4月の新作アニメの配信状況を。
4月は日本の新作アニメに関して、中国オタク的に気になる話題作というのはあまり無いというのもあってか、1月に比べると反応も比較的おとなしいようですし、作品数もやや少なめとなっている模様です。


楽視(leTV)
アイドルタイムプリパラ
王室教師ハイネ
世界の闇図鑑
信長の忍び 第2期
BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS


最近は独占作品で動画サイトの傾向が出るようになっていますし、楽視はオタク向けの日本のアニメに関してはそこまで力を入れないという感じになっているのでしょうかね。


愛奇芸(iqiyi)
アイドルタイムプリパラ
アリスと蔵六
王室教師ハイネ
少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん 第2シリーズ
進撃の巨人 Season2
世界の闇図鑑
夏目友人帳 陸
信長の忍び 第2期
覆面系ノイズ
フレームアームズ・ガール
BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS
Re:CREATORS


独占配信
アイカツスターズ!
冴えない彼女の育てかた♭
終末なにしてますか? 忙しいですか?救ってもらっていいですか?
ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝
武装少女マキャヴェリズム
ロクでなし魔術講師と禁忌教典


aiqiyiは今期も独占配信作品は有料会員が1週間先行で視聴可能という扱いになっているようです。
それとちょっと意外だったのが「アイカツスターズ」が有料独占配信枠に入っていることですね。「アイドルタイムプリパラ」などもそうですが、夕方に放映されるアニメのアイドル系は、オタク枠としても扱われている所があるようです。


優酷土豆(youkutudou)
ID-0
アイドルタイムプリパラ
王室教師ハイネ
少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん 第2シリーズ
スタミュ-高校星歌劇- 第2期
世界の闇図鑑
夏目友人帳 陸
信長の忍び 第2期
BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS
ラブ米-WE LOVE RICE-


独占配信
有頂天家族2
境界のRINNE 第3期
サクラダリセット
僕のヒーローアカデミア 第2期


youkutudouは新作アニメは広告無し、独占配信の新作は非有料会員でも期間限定で視聴可能という形になっているようです。また「銀魂」や「僕のヒーローアカデミア」など一部の独占配信作品は非有料会員視聴可能になっているそうですし、有料会員向けのモデルをイロイロと模索しているのかもしれません。


bilibili
ID-0
アイドルタイムプリパラ
アイドルマスター シンデレラガールズ劇場
アリスと蔵六
王室教師ハイネ
少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん 第2シリーズ
進撃の巨人 Season2
スタミュ-高校星歌劇- 第2期
世界の闇図鑑
夏目友人帳 陸
信長の忍び 第2期
つぐもも
覆面系ノイズ
フレームアームズ・ガール
BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS
Re:CREATORS
笑ゥせぇるすまんNEW


独占配信
アトム ザ・ビギニング
エロマンガ先生
カブキブ!
クロックワーク・プラネット
サクラクエスト
ゼロから始める魔法の書
月がきれい
ひなこのーと
まけるな!! あくのぐんだん!
Room Mate 〜One Room side M〜
恋愛暴君


今期も最大の作品数となっているbilibiliですが、テンセントの流れと思われる国産アニメの配信も話題となっているそうです。
国産アニメをどんどん拡大しているテンセントですが、今期の中国国産アニメとしては「マスターオブスキル」、それから「兄に付ける薬はない!」は中国国産アニメ枠でありながら、テンセントとbilibiliで第一話のみ無料の有料会員限定向けで配信が行われているようですし、それ以外にも「銀の墓守り」がテンセントとbilibiliで配信されているそうで、中国国産アニメで対象年齢の高い作品はこちらのルートが活発になってくる可能性も考えられるとか。

ちなみに中国国産アニメ枠をどんどん拡大しているテンセントですが、今期は「マスターオブスキル」が話題作として注目を集めているようです。
「マスターオブスキル」は少し前に行われた日本展開はパッとしませんでしたが、原作小説の中国国内における評価は中国のオタク層の間でも男性女性ともに非常に高く、キャラグッズの展開なども盛り上がっていたそうで、アニメに関しては満を持しての登場ということになったそうです。そして原作人気に見合ったクオリティの高さと共に、4月の注目作品として中国オタク界隈では話題になっている模様です。
中国の人気ネット小説「全職高手」、日本でも商業出版に

それから前期開始時点では配信されるのかハッキリしなかった「リトルウィッチアカデミア」ですが、現在はbilibiliで配信されているそうです。


PPTV
独占
GRANBLUE FANTASY The Animation

現時点でハッキリしている新作アニメが「グランブルーファンタジー」だけらしいのですが、何やらPPTVアニメチャンネルの公式weiboの背景も含めてグラブル推しになっているということなので、4月新作はバッサリとやっていくのかもしれません。
1月新作アニメとして「青の祓魔師」の独占配信もありますし、独自の勝負をしかけている印象も受けますね。


とりあえず、こんな所で。
気を付けてはいるのですが、配信状況リストに関しては毎度毎度抜けや間違いが出ております。そんな訳でいつも以上にツッコミ&情報提供をお待ちしております。

中国オタク「今度は実の妹じゃない!安心だ!!」 エロマンガ先生に対する中国オタクの反応

ぼちぼち4月の新作アニメも出揃ってきましたが、
ありがたいことに
「『俺妹』コンビ原作の新作アニメ『エロマンガ先生』の反応は?」
という質問をいただいておりますので、今回はそれについてを。

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」

は中国オタク界隈で一時代を築いた作品で、当時は様々な反応が出ましたし、
「肉親系ヒロインに対する強烈な反発」
「エロゲーという趣味の危うさが理解されない」
などの日中のオタク感覚の違いが浮き彫りになったりしたのも印象に残っています。
俺妹最終巻の展開に発狂する中国オタクが出ている模様
「俺妹」は中国オタク事情的にもスゴイ作品でした オタ中国人の憂鬱アップデート

そしてその「俺妹」からの流れもあってか、現在bilibiliで配信されている
「エロマンガ先生」

に関してもイロイロと盛り上がっている模様です。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていたその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


第一話から良い出来だな。
アニメで動くことの意義、原作小説には無かった表現が加わる良いアニメだった。

まず一言。
今度は実の妹じゃない!安心だ!!

その言葉、とても理解できるぞ。
実の妹設定のせいで、俺妹はある意味では全滅エンドだったからな……

ちゃんとカワイイ妹系ヒロインだ……しかも血がつながってないとか。スバラシイ!

ヤバイわ……紗霧が萌え過ぎてヤバイ……最近はストレートに萌えられるキャラが続いて嬉しい。

紗霧が桐乃より可愛過ぎて危険ですよ。どうしましょうか。

ふぅ……
しかし紗霧は妹という部分を除くと、キャラの属性的には黒猫寄りな印象も受けるがどうなるやら。

実際、俺妹の作者と絵師の作品として考えると党派の争いが発生するのかは気になる所だ。俺妹の時、ウチの国では黒猫とあやせも含めてファンが分かれた感があったが。

天下三分の状態だったから、本当に盛り上がったよな。
恐らく単独、メインヒロインだけだったらああはならなかったろう。もちろん最後の悲劇も……

原作小説で出ている他のヒロインって、紗霧の対抗勢力としてはどんな感じなの?

紗霧が突出しているから俺妹ほど強力なヒロイン揃いって感じでは無いかな。
ただ山田エルフは紗霧とやりあえるレベルではある。

俺はエルフが見たいんだ!早く出てくれ!全裸で!

アニメも始まったしまた追っかけてみるか。キャラも良い感じなのは間違いないし。

今の所、今期新作の中では一番安心して見れる作品という印象。画もキャラデザも安定しているし、今後の展開が楽しみだ。

時間軸的には俺妹との関係もあるんだよな。その辺りのサービス展開も期待できるのか?

会話のネタも良い感じに飛ばしているし、第一話から楽しめた。

ところで結局、アニメの正式な中国語タイトルはどうなったんだ?
「エロ」「漫画」をそのまま意訳で「黄色漫画」や「情色漫画」+老師か?

残念ながらそこは空気を読んで音訳の方になった。
「埃羅芒阿老師」がこっちの配信のタイトルだ……

あー……しょうがないか。
ほんのちょっとだけ漢字の「工口」とかも期待してしまったが!
(訳注:この発言の「工口」は漢字です。中国のネットではカタカナの「エロ」を漢字の「工」と「口」にするネタ表記があります)

こっちのネットで作品関連スレが消されたり違法入りして使えなくなったりもしているからな。あれって「エロ漫画」の意味で直訳した名前だったり、それにつられてヘンなレスや業者が集まったからだろ。

元ネタとされているのはバヌアツのエロマンガ島だっけか。日本ではそのまんま「エロ漫画」と同じ発音表記に見えるということで昔からネタになっていたそうだが。

俺妹よりヒロインがカワイイ。
桐乃の性格は受け入れ難かったが、紗霧は普通に萌えられる。
ただ題材がマニアックなのは心配だな。

ラノベ作家業界とかオタクのコアな部分だし、ツールやコミュニティも日本特化だからな。自分もどこまでついていけるかは不安。

キャラも作画も良いんだけど、ストーリー的にはいまいち入り込めない。
主人公が今後動いてくれるのだろうか。

俺妹も設定が現実寄りと見せかけて実はファンタジーの多い作品だったが、エロマンガ先生の方がより極端だね。みんなの反応を見ると、それが原因で入り込めない人も出ているように感じる。

第一話から良い出来だったけど、俺妹ほどは流行らないだろうと感じた。
なぜなら設定が万人向けではないからだ。

ラノベ作家とイラストレーターってかなりコアな題材だからね……私もキャラ萌えはできたが、原作小説のラノベ作家事情、ラノベ執筆に関する部分は面白いと思えなかった。

日本ではどうだか知らないが、こっちではラノベ作家っていうのがイメージし難いから感情移入し難い気もする。漫画家ならば問題無かったのに。我ながら不思議だ

それってラノベ作家というのが創作のキャラの持つ職業としては比較的新しいものだからかもね。イメージが固まっていない、テンプレになっていないといった感じで。
漫画家以外にも恐らく普通の小説家とか、ミステリー作家とかだったらそこまで引っかからないのでは。

それにしても「ラノベ主人公」って罵倒語としても使えるのか。

そういった言葉の選択はかなり面白いな。字幕付きキャプ画像も捗るぜ!

ラノベ主人公と言えば、この作品はハーレム持ちで家持ちではあるけど両親が死亡済みってのはちょっと珍しいというか、伝奇系とか別のジャンルに行きそうなことになってるな。

私は両親死んでいるようだというのはちょっと引っかかったな、悪い意味で。

両親に関しては複雑なので後の展開を待ってもらうとして、家はあるけど親がいない(援助なし)というのはハーレム系では珍しい気がするね。
ラノベ主人公ではあるが、作家の仕事持ちということで生活面からのプレッシャーも付け足されているということなのかも。

何はともあれアニメとしても楽しみだが、俺妹の時のようにヒロインに関する党派の争いをやりたい。



とまぁ、こんな感じで。
「俺妹」が人気だった頃を思い出して、イロイロと比較して考える人も多いようでした。

また第一話からヒロインの評価はかなり高いようですが、それと同時に主人公関係の設定、特にラノベ作家というのがやや高めのハードルになっているような所も見受けられました。
中国オタク界隈では日本のオタク業界ネタはそれなりに話題になるようですが、そういった方面に興味を持つのはやはりマニア寄りの層なので、題材的にはちょっと難しいと考える人も出ている模様です。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「どうしてこうなったと言いたくなる作品、例えば作り手によって崩壊してしまった作品ってどんなのがあるかな?」

ありがたいことに
「中国でも鉄血のオルフェンズの第二期にガッカリしている人が出ているようですが、中国ではどんな作品がガッカリした作品とされているのでしょうか?」
という質問をいただいておりますので今回はそれについてを。

中国では毎日放映で一気に見るスタイルが主流ですが、日本のアニメを見ている中国オタク界隈でも新作アニメを週一ペースで「追っかけて」話題にすることに抵抗は無いようです。

ただそれだけに話題にして盛り上がっていたのに
「期待していた方向とずれて行く作品」
に関してガッカリしてしまうこともあるようです。

中国のソッチ系のサイトでは
「どうしてこうなったと言いたくなる作品」
といったことに関するやり取りが行われていましたので例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


鉄血のアレの第二期に関して複雑な気持ちになる人は少なくないと思う。特に第一期から追っかけていた人は。
そこで聞きたいんだが、どうしてこうなったと言いたくなる作品、例えば作り手によって崩壊してしまった作品ってどんなのがあるかな?

ハマったのに、楽しみにしていたのに……というヤツか。
最近だと「遊戯王ARC-V」かな。

そういうのって、もったいない作品が多いよね。だから余計に制作側に対する憎しみが……

原作付きで、原作ファンの期待を裏切ったとかでもいいの?

アニメのオリジナル要素入れて結果的にコケたような作品はアリかな。
例えば「くまみこ」みたいな。

「くまみこ」も最初はよかったのにな……原作のストーリーを作り手の演出次第で不快にできるというのは恐ろしい。

どうしてこうなったと言いたくなる作品か……グダグダに終わった作品はそういうの多いね。
個人的には「甲鉄城のカバネリ」とかだな。最初の数話はほんとにワクワクしたのに……なぜ終わりの方が微妙な作品がこうも目に付くのか。

最近は最初に盛り上げすぎて墜落していくよね。この1年、そんな作品が少なくないからネットでよく言われる「今期の覇権作品!」的な話は信用しないことにしている。

鉄血の終盤は確かにアレだったが、面白い所もあるしどうにかオチをつけることはできたような気がしないでもない。
近年のアニメで作り手がやらかした作品で大きいのは「艦これ」だろう。他の関連漫画やラノベは悪くないのに、アニメだけが本当にダメ。

艦これってファンの耐久力も高いし、アニメも普通に作れば大外れは無いはずなのにやらかしたからね。ストーリーもキャラの扱いも迷走分裂状態だったし、制作者は一体何をやりたかったのか。

爆発力なら「惡の華」だろう。キャラデザだけで全てが壊れるという事例を残した。

「惡の華」のキャラデザは見た人間の心に刻み込まれる、記憶に残る作品になったし方向はともかく「名声」的には成功だったかも……?

原作が好きでアニメ化も期待していたけど、出てきたのは……というのでも良いかな?「魔法先生ネギま」が自分にとってはどうしてこうなったと言いたくなる作品だ!
今度のアニメ化はどうなんだ、さすがに失敗を繰り返すことは無いと思いたいが。

あったなあ、「魔法先生ネギま」
俺はあの作品でダメな時の新房昭之を理解したよ。

「魔法先生ネギま!」は原作も迷走して投げっぱなしな終わり方しちゃったからね。続編も結局そこから挽回できていない。過去編やるのかと思ったらまた説明投げっぱなしだよ!!

漫画の方まで影響が出ると言えば、瀬尾公治作品はキツイね。

「ギルティクラウン」とかはどう?

「ギルティクラウン」は期待したほどではなかったが、最初からあんな感じだし、終盤の展開もアレだけど鉄血の落差と比較して考えると判断に迷う所もあるかな……

原作は良かったのに、というなら「新世界より」かな。
作画崩壊でストーリーが評価される以前の扱いになってしまったのが残念。

最初はとても楽しみにしていたのにという作品なら「LAST EXILE」だな。OPからもうこれは凄い作品だ!と思ったんだが。

GONZOの作品はだいたいどれも後半で頭を抱えたくならないか?

私にとっては「ムシウタ」のアニメかな……大好きな原作だからつらかった……でも原作アリのアニメはそういうのが多い時代だったからな……
「くまみこ」みたいなのもあるが、なんだかんだで最近のアニメ派原作ファンを重視する流れになっているし良い時代になったと思う。

鉄血もそうだが第二期、第二クールでやらかす作品も少なくないと思う。
ジャンルはかなり違うが「中二病でも恋がしたい!」の二期はなんで作ったんだと言いたくなる。第一期は本当にきちんと終わっていたのに。

第二期の失敗と言えば「東京喰種」かな。第一期で凄い盛り上がったのに、第二期で大惨事。ファンは崩壊するし、元々いたアンチの燃料にされるしで散々だ。

作り手がオリジナル要素を入れまくったといえば「喰霊-零-」なんかはどうなの?
これも作品を壊していると言えるが。

あれは原作も更に面白くする作品だったからちゃんとした成功例だろ。そういうのであれば何の問題無いんだよ。

しかし鉄血のオルフェンズの第二期ってどうなんだ?
第一期を台無しにしてしまっただけなのか?

下には下があるから作品崩壊ってほどではないかもしれないが、第一期から期待されたものでは無かったな。特に最後の迷走がイカン。

鉄血の第二期が壊したのは主にキャラじゃないかな。

ラフタとかマクギリスとか、なんでああいうことにしてしまったんだろうか。

でもここ最近のガンダムって後半〜終盤の失速がお約束になってるような。

ロボアニメ自体が昔からそんな感じなんじゃないか。
「アルドノア・ゼロ」も第二期でガッカリした。

マクロスとかは昔からそんな感じだ。プラスだけ特異な完成度だが、たまにそういう作品が出て来るから離れられなくて困る。

「エウレカセブンAO」だな。
普通のSFロボアニメとして見れば悪い作品ではないと思うが、エウレカセブンの続編としては前作の良い所の多くが台無しになる残念な作品。

なんかロボ多いな!
世界観的にリアルさも合わせて描こうとするとまとめにくくなるんだろうか?
ロボ以外だと「うたわれるもの」の第二期が残念だった。こっちの理想が高過ぎたのかもしれないが……

アニメ単体だとそこまでヒドイと感じない作品もあるよね。
「うたわれるもの」とか「月姫」とか。
そこから入門して、ゲームに手を出して、戻ってみるとヒドイと感じる作品になってしまった。

直接的なのだと「ココロコネクト」だろう。
制作スタッフの嫌がらせじみた不快な悪ふざけのせいで視聴者からボイコットを受けてしまった。まさしく作り手によって壊された作品だ。

「生徒会の一存」の第二期。
権利関係や事務所関係のゴタゴタまで発生した……

「生徒会の一存」に第二期なんて無いだろ。何言ってんだよ。

スタッフの実力や相性、資金に時間と様々な原因があるんだろうけど、こうしてみると安心感のある作り手って本当に貴重だよな。
「けものフレンズ」の監督が絶賛されるのも分かる気がする。



とまぁ、こんな感じで。
なんだかんだでこの手の経験も蓄積されている模様です。

体験を語り継ぐ(?)人がいるのもあってか、近頃は尻すぼみになってしまう作品に関して中国でも評価が厳しくなっていますし、そういった作品を手がけた制作会社やスタッフの関わる作品に関しては警戒されている模様です。

また最近は中国の動画サイトで配信される日本のアニメに関して、中国における「実際の人気」を考慮して名指しで買い付けに来る所も増えているらしく、作品の終わり方やそれによる話題が中国でも様々な所に影響していきそうだという話も聞きますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「荊軻の女体化くらいなら問題無くなった」「歴史的な人物の改変ネタってどこまでいける?」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので、今回はそれについてを。

中国ではソーシャルゲームなどイロイロなメディアでキャラクターを重視するコンテンツが増えているのもあってか、最近は
「歴史上の人物をキャラクターとして活用する」
動きが非常に活発になっている模様です。

現在も中国では歴史関係の扱いが日本に比べてかなり厳格ですが、一昔前に比べてイロイロと緩くなっているのは確かだそうで、ゲームやアニメ、漫画などで様々なアレンジを加えられた歴史上の人物やストーリーが出て来ているとのことです。
(それと共にアレンジの内容や方向性に関する議論も)

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「歴史的な人物の改変に関する許容範囲」
についてのやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


歴史的な人物の改変ネタってどこまでいける?俺は女になるくらいならもう大丈夫な気がするんだが。

そう言えば、いつの間にか歴史的な人物が女性になったくらいでは驚かなくなったし、抵抗も無くなったよね……

ちょっと考えてみたが、ダメなのはお色気アレンジと無能化、他キャラの踏み台化とかだな。他はわりといける。

ウチの国の歴史でさえも、最近は反発少ないかもね。

荊軻の女体化くらいなら問題無くなった。

自分も荊軻が女とかでも、今では何ともないかもしれん。

ウチの国のメディアで歴史人物改変、荊軻の女体化が批判されていたけど、FGOじゃなくて王者栄耀の方だったのには笑った。

王者栄耀の荊軻は国内で見るとスマホゲーのセルラン1位突っ走っているから影響でかいよね。LOL的な流れだから一般のゲーマーも多いしで。
他にもロボに乗るショタ劉禅だとか、歴史人物をかなり極端に変えている。

王者栄耀の荊軻は一応設定上は荊軻の妹になっているし、ある程度の予防線もはっているんじゃないか。

でも「荊軻」の名前でキャラ展開しちゃっているから反発を減らす上では役に立ってない気がする。

歴史上の人物の魔改造は歴史上の人物に関する価値観を変えないことが最低限のラインだな。例えば悪人を聖人として出すとかは受け入れられない。

そんなこと言い出したら創作のキャラ全滅だぞ。
史実だって切り取り方や解釈次第、時代ごとの扱いでどうとでも変わる。紂王や王莽だって名君や改革者として見ることのできる側面が存在するのだから。

まぁ私も悪人が「実は良いヤツだった」というのは抵抗あるかな。
それならばまだ女体化の方がマシな気もする。

そこは難しい所だね。感覚的に受け入れ難い部分だし、作品内で説得力のある描写が行われていたとしてもほとんど伝わらないしで。

極端な例としては仮に「ヒトラーを萌えヒロインにする」とかがどうなるかといった所かな。

そこで萌え要素を前面に出すと反感が爆発しそうだね。
私の場合、ジャック・ザ・リッパーみたいな都市伝説的な存在を独自解釈と改変を行うとかならいいんだけど、有名な歴史人物だと引いてしまうか、反感を覚えてしまうケースはあるかも。

ジャックちゃんは「そう来たか」と感心した。デザインもボイスも含めて。

ある程度人物の特徴が保持されていれば、装備や戦い方をファンタジー化させたりSFっぽくしたりゲーム的な表現にするのはアリかな。

女体化してヒロインにして、「良いヤツ」にしてしまうのは受け入れられない。Fateで言うなら、ネロを持ち上げまくってカエサルをあんなのにしたのは許せん。

ネロに関してはキリスト教の影響を排除した再評価みたいなのもあるし、単純に判断できないと思うぞ。
デブのカエサルについては私も弁護せんが。

そうだよ。なんでハゲじゃないんだ!!

元ネタが少なくて特徴の無い人物についてはやり過ぎなければいいという感じだけど、有名な人物だとイメージが固まっているから受け入れられないこともある。

主要キャラ全部性転換で女性とか男性とかならいける。ただ程度にもよるけど一部の人物だけ性別改変で、それによって人間関係が変質するのはキツイかもしれん。

だいたいこっちの予想を上回る……いや、下回るのが出て来るからいつの間にかなんでも受け入れられるようになった。

お色気関係はちょっと……他はなんとか。

女体化はお色気路線に行くと反感を覚えるし、悪意も感じる。FGOだと三蔵や牛若丸がキモイ。

その感覚は理解できる。ただ私はアルテラみたいにカッコイイと露出度高くても気にならんし、最後はデザイン次第な気もする。

デザインは重要だよな。
FGOの荊軻のこっちでの微妙な評価についてはデザインのウケが悪かったってのもあった気がする。あと源頼光みたいなクセのあるデザインも受け入れられ難いと思う。

やはり思い入れがあるかどうかかなー
自分はアーサー王については薄い知識しか無かったから、セイバーとかの女体化のエロゲヒロインでも大丈夫だったし。

改変に根拠があればそれなりに許容可能。
改変の根拠なしで名前とキャラのつながりだけ使って、キャラ自体は元ネタとかけ離れたりするのはダメかな。東方のキャラとか、一部好きになれないのもいる。

あとは作品の空気、設定次第な所もあるかな
キャラだけ活用だと、ヒドイ改変でなければわりと許せる。

キャラにもよるけど、オリキャラの手頃なかませになるとかはキツイと思うことが多い。
歴史上の人物で名前と功績が現代に伝わっていて人気が高い人物は、それ相応に有能に、魅力的に描写して欲しい。

現実の歴史とは違うというのを明確にしてくれるなら、独立した世界としての描写なら大丈夫、むしろ好みかな。

あまりにも歴史的な事実とかけ離れていなければ受け入れられるんだが、トンデモナイのも少なくないからな……

でも歴史ネタに関してはこっちの認識が結構曖昧だからな。
物語ベースで広まったのではない史実や、新しい研究や学説を元にした魔改造キャラなんてのもいるし、作る側がしっかり調べた上でエピソードや伝承を活用しているケースもある。
私達は「歴史と違う」というのではなく、「イメージと違う」と言うべきなのではないだろうか。

評価が固まっている、特に有能さや善悪方面で固定している人物ほど難しいのかもね。
一般的なイメージとの違いが大きければ大きいほど反発も出る。

曲解とか推測を極端に行う、作者の好みや見方を強調し過ぎるのは苦手。最近の国産西遊記系の作品はそういうのが多いからキツイ。
FGOで言えばイアソンの改変がギリギリかな。あれはどうアレンジしてくるのか気になるキャラだ。

私もイアソンをネガティブなキャラにしたのは予想外で面白かったが、反発する人が出るのも理解できる。
そう言えばイアソンに関しては、日本のTYPE-MOON信者の間で大炎上したらしいね。

悪者を単純に良いヤツにしたら魅力も消えてしまう。もちろんその逆パターンも。
Fateはそういうの上手くやってるキャラもいるから、期待したくなるかな。エリザベートなんかはちょこちょこと過去の罪がクローズアップされるから良い。

自分は初めて「恋姫無双」に出会った時は良くも悪くも衝撃的だったが、その後はゲームと歴史は区別して楽しむようになったかな。最初がアレだと免疫が付く。

この手の改造に反発する人は多いけど、実はウチの国は宗教系とかに魔改造が多いんだけどね……そういうのを調べていくと、現代の魔改造にあまり文句言えなくなる。

仏教なんかはもう魔改造だよね。観音とかウチの国では女扱いだし……
歴史や古典、あと民族文化系は改変しちゃいけないみたいな空気あるけど。

この手の改変に関しては「自分のもの」「自分が正しいと思っているもの」を改変されるのが嫌だ、気に食わないっていうのも理由なんじゃないかな。特に中国歴史ネタの炎上については。
外人の改変には当然文句が出るし、国内で改変すると今度は「歴史を尊重していない」とかになる!

そしてそんなこと言っているうちに、国産でも女体化が目に付くようになってきたと……



とまぁ、こんな感じで。
一昔前と比べて、イロイロな意味で慣れが生じている模様です。

ただそれでも、「別の解釈」を入れることに対する反発は日本よりも強いように感じられます。
この辺りに関しては、社会や政治的な背景も含めて、歴史関係の物事や文化に関する扱いの違いというのも影響していそうな気もしますが、どうなのでしょうね。

以前の記事
日本人がいなくても和風作品は作れる!? 中国国産和風ソシャゲ「陰陽師」が中国の業界に与えた衝撃
にも書きましたが、中国では
「自分の文化も他所の異文化も、アイデンティティ維持や摩擦のリスクを考えると慎重な扱いにならざるを得ない」
といった所があるようなので。

ちなみに上でも出ている、現在中国で人気のスマホゲー「王者栄耀」ですが、中華系キャラのヒーローユニットは現在の中国で若い世代の間でもよく知られている、創作関係でも頻出するキャラなのではないかと思われます。
かなりゲーム的なデザインにアレンジされているので、歴史人物改変の許容範囲の参考にもなるのではないかと。
王者栄耀公式サイトの英雄紹介(中国語)
このゲーム、SNKのキャラも参戦しているようで右京とナコルルと不知火舞がいますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

4/11修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「日本のスタバで痛車批判と痛車集合イベントが勃発したらしいんだが、なにがなんだか分からない」

ありがたいことにネタのタレコミや質問をいただいておりますので、今回はそれについてを。

日本にも中国にもあるものというのは珍しくありませんし、オタク関係の用語や概念に関しても日本と中国でほぼ共通なものというのは珍しくありません。
ですがどちらも単体ならば問題無くとも、それが組み合わさって何かが起こると分からなくなってしまうケースがあるようです。

先日、日本のネットで話題になった以下の件が中国のネットにも伝わり、ちょっとした話題になっているそうです。
痛車でスタバに乗り付ける遊び流行 「スタバの景観損ねる」発言に反発(エキサイトニュース)

意識高い系がスタバに痛車で来るオタクを批判→炎上→痛車でスタバが流行に(痛いニュース(ノ∀`))

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていたその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のスタバでオタク叩きとそれに対抗しての痛車集合イベントが勃発したらしいんだが、なにがなんだか分からない。

なんか全てが意味不明なニュースだな。
なぜスタバに痛車を停めたら炎上するのか、オタクがそれに怒って痛車を集合させるのか。

店が拒否したとかでは無く、別の客が批判して晒したのか?
痛車乗っていた方も客だろうし、別に自分の家の駐車スペースでもないのに、なにがダメなんだ?

オタクだから叩いてもいいと叩いたら反撃が出たってことじゃないの?
日本のオタクは被差別グループのはずだし。

痛車がキモイという人が晒したということだから、そこに対する反発もあるのではないだろうか。人にもよるが、痛車ってオタクのアピールの中では反発が大きいというか、身内にしか通用しないネタみたいなものだからね。

もっと高級な場所とかなら分からくもないがスタバでなぜ……マクドナルドとかとそこまで差があるわけではないだろうに。

そこはスタバの日本における扱いの違いじゃないかな?
日本におけるスタバって独特な地位にあるという話だし、基本的には優越感によるものでは。

日本におけるスタバの優越感とはどのようなものなのか。
お金?カッコ良さ?アメリカ崇拝?

車持ってて痛車改造して、スタバにもいけるようなヤツは金持ちだろうに。
そういうのをダメなオタクとして叩くのは何かが違う気がする。

確かにスタバってコーヒー一杯で30〜50元と価格的に高めではあるが……別に手が出せないってほどでもないのに、なんでスタバで優越感なんだ……?

痛車をやれる人って懐具合に余裕がある人間だ。それに対してスタバ程度で優越感を抱けるのが意味分からん。

スタバのタンブラーを持っているだけじゃ貧乏人がカッコつけているようにしか見えんし、ちゃんと金持っている人間からはバカにされるぞ。

もしや日本ではスタバで高貴なステータスを気取ることができるのか?
階級的なアレで考えるとスタバってKFCとかと大して変わらないと思うんだけど……

スタバとかそこら中にあるマクドナルドやKFCとそれほど違わないだろ。
金の無い自分でもスタバにはちょくちょく行くし、そんなにカッコイイとも優越感を覚えるとかも無いがなあ

きっと、スタバは日本ではまだ陳腐化していないんだよ。
恐らく、「一昔前の」ウチの国のマクドナルドやKFCみたいなもんじゃないかな。

スタバってwifi使える長居できる店だろ。
店も多いしコーヒーも飲みやすく店内の環境も良いからスタバにPC持ち込んで仕事しているのも多い。そっちのイメージからの優越感じゃないか?

ふーむ……エリートとかホワイトカラー的な何かってこと?

そう言えば日本の地方に新しくできたスタバに長い行列ができたってニュースがあったな。
スタバは日本ではどういった方向で特別なのか。

日本は珈琲文化の地域差が大きいんだよ。
そのニュースで重要なポイントは、珈琲文化の無い田舎にスタバが出来たってこと。

日本には喫茶店文化はあるし、コーヒー文化が無いってことはないと思うんだけど。

確かそれ、鳥取県の話だっけか。
コーヒーに詳しくないか、それまで興味の無かった人が多い地域なのかね。

あれは限定カップだかのグッズがあったんじゃなかったっけ?
限定商品に踊らされるのはいつもの話。

ウチの国でもスタバファンはいるし、タンブラー購入のために並ぶ人もいるから共通している部分もあるとは思う。

しかしこれ、ウチの国だったら営業用アカウントの陰謀が疑われるな!

それは私も考えた。この炎上もスタバの関係者の陰謀を疑いたくなる。現にオタクが痛車で大挙して来てくれるわけだし、話題としても我が国まで伝わるレベルになっている。

この痛車とスタバで揉めたというニュースも日本の地方の大分県の話らしいし、コーヒーに関する感覚が違うんじゃないかなあ。

この痛車の騒動って、オシャレな空間に空気読まない不良が入ってきたみたいな話なのかも。

こういうニュースを見るたびに思うが、日本人にとってスタバってどんな扱いなんだろう。二次元ネタでは「注文の仕方が分からない」というのがよくあるが……

あのネタは、「スタバでは日本人にとっても一般的ではない外来語を羅列して注文する必要がある」という強迫観念がネタになっているから、中国語に翻訳すると面白さが抜けるな。

飲んでるのはコーヒーじゃなくてカッコ良さ、信仰だというネタは聞いたことがある。

そんなに難しく考えないでもいい。
日本人は昔からアメリカ好きだから、スタバのシアトル系コーヒーも歓迎されるんだよ。

こっちでもスタバはちょっと金ある人が使うというイメージや文学青年っぽいイメージ、PC持ち込みで仕事するエリートみたいなイメージがあったりはするが、日本だとどうなんだろうね。

オシャレさを演出している場所ってのはありそう。
金持ってない引きこもりのオタクは排斥されるだろうし、そのうちオタクと犬は入るべからずみたいな看板出来るんじゃないの?

我が国においては、プチブルどもに占領されている場所だ!

台湾でもカッコイイ扱いだけど、同時に貧乏人がカッコつける場所的な扱いにもなっちゃってるらしいね。

日本は伝統的に舶来のものを崇拝する。スターバックスに関してはブランドのイメージが良いんだろう。そして日本土着のオタク文化や痛車とは対立関係にあるのも不思議ではない。

なんか関連ニュースや扱いを見ると、ウチの国のアップルに並ぶ人達と似たようなものを感じる。

日本のスタバの公式サイト見たが、中国のよりも随分豪華だ。メニューやタンブラーも多いし、コーヒー豆とかもこっちには無いのがある。日本向けのスタバはかなり力入れているようだし、その辺りもイメージの違いを生んでいるのかもしれない。

確かに日本のスタバはウチの国のよりも美味しかったし、サイドメニューもしっかりしていたな。

以前仕事であった日本人にもいたが、一部の日本人はコーヒーにすごいこだわるからね。痛車でもめた件は、コーヒーオタクと二次元オタクの衝突とも言えるのでは。

いや、日本のコーヒーっていわゆる喫茶店文化からの流れも強いから、スタバとかのシアトル系コーヒーとはちょっと違うんだよ。
スタバ支持者は若者を中心とした外来文化好きとかで、日本のコーヒーマニアとは対立関係にある。スタバのコーヒーにイロイロと足して甘くするのが認められないというのを以前読んだことがある。

なるほど。じゃあこの件は日本のコーヒー文化を分けて考えるべきか。
日本のスタバがどんどん不思議な存在に思えてきた。



とまぁ、こんな感じで。
スタバに関するイメージの違いだけでなく、オタクや痛車に関するイメージの違いも加わってなかなかに混乱している模様でした。

この手のチェーン店は世界的に展開されているとは言っても、やはり国ごとに営業方針やその国におけるイメージの違いが出るのが面白いですね。

中国ではスタバに関してはその価格帯から「小金持ち的なステータス」のようなものもあるそうですが、それに加えて中国の都市で不足している「比較的どこにでもある、手軽に座って喋ったり仕事したりすることが可能な落ち着いた場所」として重宝されている所もあるそうです。

実際、私も北京にいた時は外で人と会って話す時などにはスタバを重宝した覚えがあります。私がいた頃の北京ではちょっと座って話すのに使える店がなかなか無く、当時はスタバ以外で手軽に使える場所となると上でも出ているマクドナルドなどのファストフード店になってしまっていたのですが、今はどうなんでしょうかね。
そんな環境だったので、日本に帰ってきてからは「その辺の喫茶店やファミレス」の便利さをしみじみと感じたりもしました。

ちなみに上にも出ているマクドナルド、KFC、スタバに関しては
マクドナルド<スタバ<KFC
の順で日本と中国のイメージの違いが大きくなっているような気がします。
中国のKFCに関しては以前の記事
中国人「なんで日本だとクリスマスはケンタッキーフライドチキンということになってるの?」
などもよろしければご参照ください。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「ウチの国のブラウザゲーのウソ広告、なんとかならんもんか。虚偽の内容に素材の盗用など無法地帯過ぎる」

ありがたいことに
「中国のネットで表示されるゲームの広告を中国のオタクはどう思っているのか」
という質問や、それに関係しそうなネタのタレコミをいただいておりますので今回はそれについてを。

中国のサイトを見て回ったことのある方は、やたらと表示される胡散臭いゲームの広告を御存知かと思いますが、中国オタクの面々もあの手の広告には辟易しているようです。

中国のソッチ系のサイトでは
「ブラウザゲーの虚偽広告はなんとかならないのか」
といったことに関するやり取りが行われていましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ウチの国のブラウザゲーのウソ広告、なんとかならんもんか。虚偽の内容に素材の盗用など無法地帯過ぎる。

ああいうのって、盗用されている会社は知らないのか、それとも手の打ちようがないのか。どっちのケースもありそうだが。

ウチの国の関連部門の取締りがイイカゲンだからね。
一応国内企業同士であれば圧力がかけられるから、パクリは海外からというのが多いようだが。

取り締まられることなんてあるのだろうか?みんなもうすっかり慣れちゃっているし……

もういったい何年あの状態が続いているのやら。
宣伝と中身が全く違うのに、全く誰も取り締まらない。本当に。

ウチの国のゲームの宣伝に関してはヒドイというレベルをはるかに超えている。

取り締まらないどころか広告と中身違うじゃねーか!というツッコミ動画をアップしたら圧力かかって消されるとかいう環境だからな……

誇張してるんじゃなくて、全く関係ないゲームというパターンばかりだから、鬱陶しいだけだな。引っかかるヤツもいるのだろうか。

入ってみたらいつものブラウザゲーかよ!というパターンばかりだからなあ

国産ゲームがついにここまで!→はい、いつものキャラがごちゃごちゃやって稼ぐだけのアレでしたー!というのは誰もが通る道。

動画使ってる広告は大体信用できんな。
他の家庭用ゲームからパクって来たり、どっかのエンジンのサンプル組み合わせたりで。

他所のゲームのモデルやCG、BGMを盗用するのがありふれているんだよね。

広告までもが海賊版だ

最近は国内の盗用は怒られるから、海外のをパクリだしたんだっけか。

海外からだと自分の所の権利保護が難しくなるからね。手続きだけで一苦労だからコストに見合わないケースばかりだろうし、具体的な対処は非常に難しい。
それが分かっているから大っぴらに使う。

あの手の広告が業界の中で常態化しちゃっているからね。ネットの広告はそういうのばかりだが、目に付く所で派手にやられるのは本当に鬱陶しい。

羊頭狗肉という言葉があれほどしっくりくるものは無いと思うわ。

誰もが「せめてゲームと関係ある素材使え」とツッコんだが、いまだにああいう状態だからなー

キャラの絵柄や頭身が全然違う!とかいうのがまだマシに思えるおかしな状態。

「飛ばされた先のゲームの画面」を広告に使っている、少なくとも中身との関係は正しいと言うだけで良心的に思えるよ。

全くだ。大人気作品のIP使っている作品であっても信用できないのがウチの国のブラウザゲー

中には良心的なゲームもあることはあるんだけどね……でも虚偽広告に埋もれる。

0じゃないってだけだろ!
国産ゲームで虚偽の宣伝をしていないゲームなんてあるの?

そりゃ遊べるゲームはあるけど、こういうウザい広告経由で遊べるゲームにたどり着くのは難しい。

国産ブラウザゲーもスマホゲーも別の所の素材の盗用多いからね。特に3D系のムービーが入るとダメ。

分かり易いのだとマビノギ英雄伝とか、無双シリーズやDOAとか、あとはお姉チャンバラなんかもあったな。セクシー系で釣ろうとするのはほぼパクリ。

こういうのって宣伝する側よりも金払う側に問題があるだろ。
儲けがなければ誰もやらないんだから。

この手の虚偽広告がなぜ続くのかは私も疑問だ。クリックして飛ばされた先を見れば、広告と全く違うのが分かるのに、なぜそれでも遊ぶ人間が出るのか、金を払う人間が出るのか。
課金する人間の頭って普通の人間とはつくりが違うのか?

バカが多過ぎるんだよ。詐欺師の方が足りなくなるくらいに。

大昔のゲームをずっとやり続けて課金し続けているのもいるんだし、広告に引っかかって課金するのもいるんだろう。
課金を煽る手段だけはどんどん進化しているしね。

引っかかった経験が無ければ引っかかるし、引っかかった経験のある人間に対しても騙す側は更に先を行く。
後は人数が少なければトップに立って覇王になれるからとか。

面白いゲームがやりたいんじゃなくて勝ちたいからゲームをやるって人もいるしね。

お偉いさんのマネーロンダリングという説もある。

その可能性も否定はしないが、やはり一部の「引っかかり易い」ターゲットを狙っているんじゃないかな。その手の連中は金に困ってないし。
この手の広告とカネの流れって、遊興方面の産業がウチの国の市場に入って変質した結果でもあると思う。本来のゲームを遊ぶ層は考慮されていない。

そうだな。娯楽に関する無駄なカネの流れの一環という説はあるな。

最近はパクリの効果が薄くなったのか夢いIP買って、有名人をイメージキャラクターにしてというのも多いかな。でもゲームに関してはなかなか「浄化」されないね。

最近は大手のゲーム系フォーラムも広告が鬱陶しくなってるから、自分はそっちを見るためのブラウザではflashとかも切ってるわ。



とまぁ、こんな感じで。
ブラウザゲーの広告の無法っぷりに呆れている人も多いようでした。

ちなみにブラウザゲーの虚偽広告に関してはイロイロな所がやっているそうです。
例えば「刀剣乱舞」の中国国内版のサービスを行っている遊族なども、「盗墓筆記」のゲームの広告に関する件で炎上していたそうなので、先日の「刀剣乱舞」の炎上に関する現地の反応にも影響があったのでしょうかね。
「盗墓筆記」のゲームの広告と関連するゴタゴタについてはコチラ(中国語)などでまとめられているようです。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「今の時代に後から人気が出るアニメってどれくらい成立するのだろうか?」

ありがたいことに「けものフレンズ」関係でネタのタレコミをいただいておりますので、今回はそれについてを。

アニメ人気の動向は中国オタク界隈でも非常に重要な話題となっていますが、
1月のシーズンにおける
「けものフレンズ」

の中盤からの人気大爆発はとても衝撃的なニュースとなったようです。

人気の高さに加えて、中国オタク界隈ではアニメの人気は初動が非常に重要という認識が日本以上に強い感もあることから、序盤で完全に埋もれた作品が中盤になって盛り返してトップに躍り出るという展開は予想外過ぎたとかなんとか。

そういった状況の中、中国のソッチ系のサイトでは
「今の時代に後から人気が出る作品はどれだけあるのか」
といったことに関するやり取りが行われていましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


今の時代に「後から人気が出るアニメ」ってどれくらい成立するのだろうか?
1月の「けものフレンズ」は近年非常に珍しいペースでの人気の爆発だったが、そういった作品は珍しくなっていて、新作アニメのほとんどが序盤に人気を稼ぐ、稼ごうとしている作品だ。

「けものフレンズ」を例として考えるなら、その「後から人気が出る」っていうのは「原作党」などある程度の固定ファンが付いている作品は無し?

それでも構わないよ。全く知られていない、ファンがいない作品てのは今の時代珍しいだろうし。
ただそれなりの人気が大人気になるとかではない、人気が出る前と出た後の差が激しいので頼む。「けものフレンズ」なんかは0どころかマイナスからの爆発だったわけだからね。

確かに近年はどれも先行逃げ切り、最初は高くあとは落ちるだけみたいな作品多いな。

「甲鉄城」のことはなかなか忘れられん。
本気で期待したんだけどなー

みんな一応「3話まで見て判断する」とは言っても、実際に3話になる前にはだいたい見切りが付いてしまうし、最初に制作のリソースと驚きを集中させるのは間違ってはいない。

ウチの国のネットドラマみたいに、お試しで見れる冒頭数分で予算の多くを使い尽くすレベルじゃないからまだマシさ!
でも段々と面白くなる作品っていうのも欲しいな。

自分もちょっと考えてみたが、漫画の路線変更での人気というのならともかく、放映が短期間になる近年のアニメでそういうのはほとんどないんじゃないか?

最近はスケジュールや競争環境のせいもあってか、最初に全力で後は落ちていく作品が多い気はするね。「けものフレンズ」のように最終回に向けて盛り上がる、大詰めの展開でドキドキさせる作品は貴重になっているのかもしれん。

「鉄血のオルフェンズ」はどんどん迷走していったからな……

近年の「遊戯王」も、最初の人気が高くてあとは……

「遊戯王」は「ARC-V」は弁護できないが、「ZEXAL」は途中から人気出たタイプだろ。その人気のまま「ARC-V」に行ったからこその悲劇拡大があったわけで。

今でも人気の作品って、放映当時は後から人気が出た作品も少なくないよ。
「エヴァ」も初代の「ガンダム」も最初は人気無かった。

エヴァはともかく、ガンダムは再放送だから事情が違うだろう。
ここで考えるのは、放映の途中で人気が急上昇した作品じゃないか。

ウチの国限定だが、「アカメが斬る!」はどうかな。
日本ではそんなに人気にならなかったし、こっちでも一部を除いてマニア層の興味は薄れたが、後から一般層で大ウケした。2クール目に入る時には本命の一作扱いだ。

作画崩壊アニメとしてバッサリやられていたのが、ファンタジートリップネタとアホ女神で急上昇した「この素晴らしい世界に祝福を!」とかは?
アニメ第一期終了後も第二期まで評価が安定して話題も続いたのは珍しい気がする。

「月刊少女野崎くん」は段々と人気が高まっていって定番クラスの大人気になったけど、不人気からの大人気というわけではないかなあ。

後から爆発する作品なら「シュタインズ・ゲート」をなぜ挙げない。
俺の周囲の連中、前半は脱落寸前でどうにかやり過ごしていたが、後半になってからは一気に引き込まれて深くハマっていたぞ。

あの作品に関しては作品の構成であって、人気や評価の変化とは違わないか?
日本の評価は伝わっていたしこっちでも強烈なファンがいて、後から面白くなるからと宣伝しまくってた。

ここで考えるのは、「後から面白くなった」じゃなくて「後から人気になった」だからな。

「けものフレンズ」とか、後になってから最初の数話(俺達が切った所)を見返しても楽しめる作品になっているらしい。俺にはいまいち理解できない作品だったが、そこは凄いと思う。

でも今年の1月はいつもよりスロースタートな作品が目に付いたよね。日本のアニメも戦法が変わって来たんじゃないか?

そうだな。「メイドラゴン」も「幼女戦記」も第一話の評価はそこまででは無く、2話以降に人気が爆発した。もっとも、その後で日本から「けものフレンズ」が来たわけだが……

「けものフレンズ」の人気の出方はまさに驚きの大逆転だった。
1月のシーズンが始まった時に、誰も予想していなかったはずだ。

逆に言えば、最初から大人気で人気を維持できる作品って珍しいのか?

1クールだと難しい気がするが……どうなんだろう。2クールだと途中で人気になる、或いは先行してファン層を構築していることにより次のクールの新作との競争が有利になるケースもあったが。

そう言えば、「ガンダムBF」は間違いなくこっちでは後から人気が出たタイプの作品だな。当初はこっちのガンダムファンから大反発が出ていた。

「けいおん!」なんかはどう?
あれも最初と最後でかなり人気の高さが変わったが。

あれは元々京アニブランドで、「涼宮ハルヒ」、「らき☆すた」、「CLANNAD」の流れの延長線上にあったから、人気作品から大人気作品になっただけで埋もれた状況からの爆発ではないんじゃないか。それに主題歌での人気の拡大もあったから比較的早い段階での人気爆発だし、第二期になってからはこっちでは徐々に失速していった。

まだ「ガールズ&パンツァー」の名前が出ていないじゃないか。あれは途中から人気爆発した作品だろう。

あー……言われてみればそうか。
最初の方は作品独特のノリにドン引きするとか、戦車の扱いもなんかついていけないとかで回避されてたかな。

ガルパンは第一話が出た時点で、ウチの国でも一部のミリオタやゲーマーが食いついてたよ。ただ一般層に広まったのは時間差があるから、途中から人気が出た作品としてもいいんじゃないか。

近年の我が国における最大の人気作と言っても間違いではない「ラブライブ!」はまさに途中から人気が爆発した作品だぞ。第一期の頃なんかほとんど話題になってなかった!!
確か日本でも初期のディスクの売り上げはパッとしなかったはず。

確かに。「ラブライブ!」は二期と一期では人気が違うな。

第二期って大体が第一期の人気を食いつぶすという印象だったんだが、そうでもないのか。

「コードギアス」とかも人気自体は第二期で本格的な爆発じゃなかったっけ?
評価や面白さはそれぞれだが、第二期や続編を「きちんとやれた」作品は長期的な人気になれる。

最近の日本のアニメだと時間が足りない。「けものフレンズ」に関してもこっちではSF好き、考察したがる連中が間に合ったが、人気が爆発する上で必須の一般層には広まらなかった……

「異能バトルは日常系のなかで」なんかは、中盤で強烈なネタが出て盛り上がるかと思ったら時間切れになったような印象があるな。

でも多くの人間が設定や考察で楽しめる作品だと人気が広がる可能性は高いと思う。「けものフレンズ」もよく考えたら怖い世界観というのが人気の理由になっていたのだから。

うーむ……途中からの人気に関してはこっちでも国産アニメだと宣伝やステマでの勝負になるから難しいかも。段々と人気が出るというのはあり得るだろうけど、埋もれた中からの人気爆発ってのは非常に困難なのでは。

ウチの国のアニメって最初に人気出なかったらあっさり見捨てられて宣伝もされなくなるからね。
でもよく分からない所から、制作している側も分からない人気の出方が発生する可能性は0ではない、「けものフレンズ」も作り手が予想しなかった不思議な人気とされているのだからね。

制作者の予想しなかった人気ってのは結構ある話だね。「君の名は。」だって新海誠の予想外の人気だったわけだし。

極めて難しいのは分かるけど、そういう作品に出会ってみたい。
そして人気が出る前からその作品を追っかけていて、人気が出た後に入ってくる連中に対してデカい顔をしてみたい。



とまぁ、こんな感じで。
探してみれば無いわけではないものの、近年の作品では人気に関する序盤以外での逆転はかなり珍しいという印象になるようです。

実際、ここ2〜3年程の間に中国で正規配信された作品に関しては、中盤から面白くなる作品の場合、一部のマニア層の評価は出ても人気や話題の面ではパッとしないまま終わってしまったケースが結構あったように思います。

中国のこういった初動勝負的な状況は日本よりも更にハッキリしているような所も見受けられますが、これについては中国のアニメ視聴者の好みやアンテナの傾向に加えて、日本と比べるとアニメ以外のオタク系のコンテンツやメディアに触れる機会が少ない、関連情報も出回り難いといった中国の環境も影響しているのではないかと思われます。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「けものフレンズの面白さってなんだったの?」

ぼちぼち4月の新作アニメも始まる時期ですが、ありがたいことに
「けものフレンズの終了後の中国オタクの反応は」
という質問やそれに関するネタのタレコミを複数いただいておりますので今回はそれについてを。

「けものフレンズ」

は以前の記事
日本の「けものフレンズ」の人気に困惑する中国オタク
でも書いた通り中国では日本のアニメを正規配信している主要なサイトの全てで配信されていたものの、当初は全く注目されず日本で人気大爆発というニュースが入って困惑の空気が漂ったりもしていました。

その後は徐々に作品に対する注目も集まり、中国オタク界隈では主にマニア寄りの層を中心に高い評価となった模様ですが、ライト寄りの層では最後まで人気はあまり広まらず、時折「日本で大人気」的なニュースが輸入され話題になるといった程度だったとのことです。

とりあえず以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた「けものフレンズ」終了後のやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


「けものフレンズ」が終わってしまった。
みんな幸せに終わって嬉しいけど、サーバルちゃんとかばんちゃんにもう会えないのは寂しい。

11話から12話までの間の不安がきれいさっぱり無くなった!
良い気分で仕事ができるわ。

劇場版は無いんですか!?

なんか日本では続編の噂はあるようだし、期待して良さそう。

作品の規模やこれまでのプロジェクトからして、二期や劇場版は難しいんじゃないかな。OVAとかドラマCDが現実的なのでは。

大団円なんだけどよく考えると怖い。かばんの指とか、他の世界はどうなっているのかとか

あれフレンズに伴う再構築とかじゃないの。
なんでも鬱展開にしたがるのは良くないぞ。

いやもう、この1週間は鬱展開になるんじゃないかというのを否定できず心配でしょうがなかった。
SF的な世界観だし、「作り手の考える作品の完成度」を高めるためにキャラを殺すとか全滅させるとかがしょっちゅう行われているわけだし。
ハッピーエンドにしてくれてありがとうございます!!

ああ……もう来週はフレンズが見れないのか……そっちで鬱になってしまう。

世界観とかも気になるけど、演出や構成も良かった。
最終展開で木に登るかばんちゃんと、火のついた紙飛行機を投げるサーバルちゃんには二人が旅で築き上げたものが感じられた。あそこはなんか泣ける。

たーのしー!
いや本当に面白かったし、構成もスバラシイ作品だったと思う。
最後の紙飛行機は見た時に感動した。とても良い伏線の回収だった。

終わり方も良いね。
お別れと旅立ちと思ったらサーバルちゃんの船が出発していくところとか、また電気が切れた所に合流してそこでまた新しいフレンズとの出会いだとか。
ずっと追っかけていた人の中に蓄積された作品の思い出を刺激してくれる。

今全部まとめて見て来たけど、なんか聞いていた話から想像していたのと違ったというか、ここまで高評価される理由がいまいち理解できなかった……俺の理解力が足りないのだろうか?

自分も同じだ。最後にまとめて見たんだけど、今年最高の評価とされる理由がよく分からなかった。
けものフレンズの面白さって何だったの?

最初はみんなそんなもんだよ。クオリティを語る作品では無いけど、みんなで議論するのが楽しい作品。ファンになっている人間の作品対する態度の変化を見るのも面白いぞ。

関連スレとかを遡ってみればいいの?

そこまでは別に必要ないのでは……この作品が面白かったのって、作品を追っかける過程だったわけだし。

この作品はまとめて見るのとリアルタイムで追っかけるのでは感じる面白さの差、体験の差が大きい。
だからまとめて見た場合あんまり面白くないというのも間違ってはいないと思うよ。

劇中ではハッキリしない部分がたくさんあるし、それに関して妄想したり、他の人の発表する同人作品を追っかけるのも面白い所だった。

まとめて見ても分からないかもね。予想や考察をしたりして、それがどうなるかを楽しむ作品だったかと。

週一更新の日本のアニメの視聴スタイルが必須になる作品と言えるかもな。

私が特に良いと感じたのは、この作品が近年珍しい安心感を与え続けてくれる作品だったということだ。
最近の新作アニメを見ている時、自分は予想を超える驚きや面白さを与えてくれるのを期待するよりも、作り手が予想を裏切ろうと暴走して作品を壊してしまうのではないかという不安の方が大きかった気がする。11話の展開でもドキドキはしたが監督を信じることができた。
この作品を作ってくれた監督に心からの感謝を。

最後の全員集合は本当に胸が熱くなった。こういう王道が見たかったんだ。

悪い作品だとは言わないが、ここまで評価されるのもよく分からん。
12話はニコ動で来場者が22万越えでとても良かったが98.3%という史上最高記録になったのはどう見るべきなのだろう。

最終話までで世界観の維持に一定の伏線回収にハッピーエンドと全部こなしたから、そんなに不思議じゃないだろ。

これに関しては日本のネットの盛り上がりとその体験を抜きにして考えるべきではない。史上最高の高評価の数字を単純にそのまま受け取るのは間違い。
日本のネットで毎週作品を追いかける体験をした結果なわけだからね。

私は最終話に関しては微妙に不完全な印象になったかな。全部終わった全て解決したでは無いというか。

未回収の伏線とかも多いしね……この作品はロードムービーだったのかな……このままシリーズ化になるのかな?

肝心な情報と、確定情報が無いのが残念。
考察や想像の余地を残すのは構わないが、それにしたって考える材料が少なすぎる。ジャパリまんとかボスの構造やシステムとか、謎が多過ぎる。

そんな難しく考えるなよ!
俺は終盤の情報量の増加に考察するのをあきらめて気楽に見ることにしたがとても楽しかったぞ!なんだかんだでハッピーエンドは良いものだ!!

作品に何を求めるかで評価にかなり違いが出ると思う。
こっちのフォーラムでは含蓄のある作品、凄い世界観の作品という方向からこの作品を評価したがる人間が多いが……

日本人のやり取りはだいたい「たーのしー」「なんとかのフレンズ」みたいなのが混じるからな。考察はするけどそれだけじゃない。
これに関してはオタクの傾向の違いなのだろうか。

こっちだとマニアックな所ではSF的な考察とか実はヤバイ世界観だとかで極端に評価が高くなっているが他ではほとんど盛り上がっていないんだよな……正直寂しい……

理論的に分析したがる、その方向で宣伝したがるのはマニアの悪い癖だよ。

だってウチの国はスゴイ作品を見て語れるのがスゴイ的なのが昔から根強いわけで。もちろんそれが悪いわけでは無いけど、この作品に関してはもっと楽に楽しむ、IQ下げて楽しんでも良いと思うんだけどね。

「けものフレンズ」は我が国のオタク界において作品を考察したい意義を求めたい人間と、暇つぶしで軽く楽しみたい人間の空気の違いを際立たせた作品なのかもしれない。


とまぁ、こんな感じで。
最終回の展開を喜んで感謝している人もいれば、不完全燃焼的な気分になったり、作品の高評価の理由に困惑している人もいるようです。

この辺りに関しては翻訳というフィルターを通すことに加えて、作品の体験やそれに関するコミュニティが日本のネットとは異なるというのも影響しているとかなんとか。

以前にも書きましたが「けものフレンズ」に関しては、作品自体の面白さに加えて、久々に出現した日本と中国の反応がくっきり分かれる作品だったので、当ブログ的にはイロイロな面で面白い作品でした。
そういった意味でもしばらくしてからまた振り返ってみたくなる作品ですね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


4/2修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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北京留学日中交流

日本からだと存在そのものを疑われる事も有った北京の漫画喫茶B3は現地の制度変更や地価高騰の影響で伝説の彼方の存在となってしまいましたが、中の老板は相変わらず活発に動いてらっしゃいます。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

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