「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

2022年07月

7月の新作アニメ配信は現在ほぼ壊滅状態?中国の2022年7月新作アニメ公式配信状況

様子見を続けているうちに例によって遅くなってしまいましたが、中国で配信されている日本の7月新作アニメの状況についてまとめさせていただきます。

昨年の規制管理強化以降、中国国内における日本の新作アニメの配信はかなり不安定になっていましたし
「いつまで配信できるのか?」
「来期は日本の新作アニメの配信は消える」
などといった話も度々聞こえてきていましたが、7月の新作ではついに配信作品の大幅減少となった模様です。

これまで毎シーズンなんだかんだで多くの新作を配信してきたbilibiliでも
このブログを書いている時点で配信されているのは、

オリエント
黒の召喚士
ちみも
東京ミュウミュウ にゅ〜♡
ブッチギレ!


の5作品のみだそうで、この中で「ちみも」は他にも複数の動画サイトで配信されているとのことです。

ちなみに現時点で7月新作の目玉になっているのは、
日本とスケジュールのズレがほとんど無いまま始まった
「ウルトラマンデッカー」
だそうです。
(中国では特撮とアニメがほぼ同じジャンルとして扱われています)

一応bilibiliの香港澳門台湾限定で配信されている作品を見ると「オーバーロード」や「リコリス・リコイル」などの中国でも期待されていた作品が配信されているのでライセンスを獲得していないわけではなさそうですが、中国国内向け配信はかなり難しいことになっているのかもしれませんね。

また4月の新作は「SPY×FAMILY」をはじめ多くの作品の配信開始が遅れたことから、7月に入ってからも配信が終わっていない作品が出ており、現在も更新が終わっていない7月新作がそれなりにあるそうです。
その為、この配信の遅れをそのまま時間稼ぎに使っているのでは……?という見方もあるとか。
(配信開始後もスケジュール通りに更新されるとは限らない、審査や修正作業の影響なのか不定期の更新になることもあるそうですし、逆に数話まとめて更新されることもあるそうです)

そして例によって新作アニメの配信の有無や遅れに関して、プラットフォーム側の公式アナウンスはほぼ行われないので、現地では疑心暗鬼を通り越して諦めムードになってしまっているといった話も聞こえてきます。

私の中国留学が始まったのは1993年からで、当時の中国ではテレビではじめてウルトラマンが放映され大人気になっていった時期でした。
中国で新作アニメの配信が厳しいことになって、またウルトラマンが新作の期待作として真っ先に出てくるような状況に戻ってきたのは何とも言えない気分になってしまいますね。

とりあえず、こんな所で。
日本からは現地での配信状況に関して把握しきれない部分も多いので、いつも以上にツッコミ&情報提供お待ちしております。

追記:その後の7月の新作アニメの配信状況の変化に関しては以下の記事をご参照ください
中国オタク「異世界おじさんがやっとこっちで配信される!どこまで無事かは分からんが」中国で7月新作アニメの期待作がようやく配信に?

中国オタク「巨大な学園を舞台にした作品を知りたい。学園都市みたいな設定が以前はかなりあったと聞く」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では「何々な作品はないか?」といった質問が頻繁に飛び交っているそうですが、そういった質問の中には内容や作品ジャンルだけでなく、特定の設定が有る作品というのも少なくないのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「巨大な学園を舞台にした作品を知りたい」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


巨大な学園を舞台にした作品を知りたい。学園都市みたいな設定が以前はかなりあったと聞く。
私は最近そういう作品を見るようになって、ストーリー以外にも、世界観や設定がなんだか面白くて……!

学園バトル系作品が流行った頃はそういう作品多かったね。
代表的なのは「禁書目録」「超電磁砲」の学園都市とかだが、それは見てるんだよね?

それは知っている。ただどんなものでも情報は大歓迎だ!

ラノベでちょっと特殊な学校が舞台になると学園で生活すべてが完結する、社会と遮断されている=都市機能的なのも備える規模になるね。
この頃の作品なら「ようこそ実力至上主義の教室へ」とか。

その辺はウチの国の大学も同じような所があるからなんか感情移入してしまうんだよね。
学校で全てが完結……とまではいかないが日常生活は賄えてしまうし、実際学校の外に出ないで数か月なんてのも珍しいことではないし。

数年前まで流行っていた超能力や特殊能力で学園バトルするような作品は大体この方向じゃないか?国家レベルや世界レベルで特殊能力持ちの人間を学校とその周辺地域に集めるということで。

SFというか雑に近未来系になると大体こっちの方に行くよね。
「IS」や「学戦都市アスタリスク」とか。

あるある。「ストライク・ザ・ブラッド」もそうだった。

そっちの方向で極まっているのは「境界線上のホライゾン」だろう。
学校の役職に大人も当てはめる世界観が徹底している。

あの作品の原作者はその前の「終わりのクロニクル」や都市シリーズの一部作品のように学生身分のキャラ達が世界を動かすシステムの作品を書いているし、日本の二次元或いはラノベの伝統なんだろうか?

巨大学園を舞台にするのは日本の作品の伝統と言ってもいいんじゃないか。学生世代が主人公なのも定番だから使い勝手は良好だ。
あと「遊戯王」のようにシリーズが続くとどこかで学園都市的なのが舞台になるという説もある。今度のガンダムの「水星の魔女」も最初は学園が舞台のようだし。

昔々、CLAMP学園という汎用性の高い学校があってな……

学園を舞台にした生徒数数千人数万人とかの作品は昔からありそうな気もする。

昔海賊版で読んだ「コータローまかりとおる!」というマンガは学校の生徒数2万だったな。
今調べたら作者体調不良からの消息不明で連載中断らしいがわりと最近まで続いていたのに驚いた。

「ハヤテのごとく!」はどうかな?
都市レベルの機能は無いが巨大で普通の学校とは明らかに違う設備も備えているような学校ではあった。

白皇学院か。言いたいことは理解できる。

具体的な数字までは覚えていないが「マケン姫っ!」の学園もかなり大きかった気がする。

これって一昔前の特殊能力バトル作品で好みだった作品を思い出せば大体該当しそう。
特にライトノベル原作は該当し過ぎ。

人数が多いのは珍しくないが、実質都市機能まで備えているレベルになるとそこまで多くないのでは?

そのレベルだと私は「禁書」以外だと「ガルパン」の学園艦とかしか知らないかも。

思いつくのは「大図書館の羊飼い」かな……ラノベやエロゲーでは学校だけを舞台にすることが多いので結果として学園都市みたいなのが出てくるのだろう。

このテーマにどの程度該当するかは分からないが「鋼殻のレギオス」を俺は真っ先に思い付いた。

そう言えば「鋼殻のレギオス」もそのまま「学園都市」が出ていたな。設定から期待されるような心躍る学園生活と世界の真実が見えてくるバトルという方向にはいかなかったが。

「禁書」の前で代表的なのは「ネギま」の麻帆良学園じゃないかな。
二次元的な魔法とSFベースの学園都市というのはとても魅力的で後半魔法界に行ってしまってその魅力が消えたのは残念だった。私の周りにもそこで脱落したファンは少なくなかったように思う。

赤松健はその麻帆良学園を「UQ」では流行りの某「劣等生」モデルな階級差別のヒドイ場所にしちゃったからなあ……それだけでもう「UQ」を嫌いになる、赤松健を許せないと感じる人が出たのは理解できなくもない。
ただ流行りをパクる赤松健がそういうことをやっているのを見ると、日本の二次元ではワクワクする巨大学園を舞台にした作品というのは消えているのだろうと思ってしまう。

現代社会の感覚だと学園のみで完結する世界は「ガルパン」のように開き直った世界観じゃないと厳しいのかもしれない。
他にも「キルラキル」のように最初から極端に誇張した巨大学園なら見ている側も受け入れやすいしね。

自分は「少女革命ウテナ」で。
昔の作品だとセカイ系と言われていたような作品も探せば該当するのが出てきそうだ。

ソシャゲは学園が主な舞台、拠点になっている作品では巨大学園みたいになっていることが多いんじゃないか。生徒という括りでキャラを出しまくれるし季節イベントや衣装スキンも増やせるから。

それにしても学園ネタというか学園特殊能力バトルや学園伝奇バトルは減ったよね……今はどれも異世界だから学校が舞台にならない。

いやいや、日本の作品は異世界に行っても学校に行くよ!!

「無職転生」のように学校が舞台のエピソードを挟んだり、「魔王学院」みたいにファンタジーでも学校があってそこに通って……みたいな展開はある。そして学校の場合は貴族学校的な扱いになるし戦闘スキル教える(そしてチートで俺TUEEEEEする)ので規模は大きくなりがち。

異世界に転生しても冒険者やって途中から学校に行く展開はあるな。作者にとってやはり書きやすいんだろう。

書きやすいけど人気を維持するのは難しい展開でもある。個人的には日本の異世界系作品の幼児で始める展開と学校に入る展開については作者が書きやすくても作品の将来性的にはリスクが高いと感じている。
幼児主人公は指示するだけで良いという理由付けやチートの凄さを強調しやすいが子供状態が終わらずイベントばかり続くとヘンなキャラになるし、学校エピソードは定番の各種学校イベントが使えるけど話が長くなり過ぎるとチート持ち主人公がそんな狭い場所で何やってんだということになる。

バトル要素は無くなるかメインの扱いではなくなったりするが、悪役令嬢系も基本的には学校が舞台の作品だろう。
日本の二次元は異世界でも学校大好きだ。しかしスケールの大きさに関しては学校という舞台を拡張するより異世界で担当するようになっている感じだから、巨大学園を舞台にする品は流行らなくなっているのでは。



とまぁ、こんな感じで。
昔の作品を思い出したり、最近の作品の学園ネタの扱いについて考察したりとイロイロな方向に話が飛んでいました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「日本の作品の学校ネタの基本となる部分や展開はラノベのSFでもネット小説で異世界に行ってもあまり変わらないので抵抗なく見ていくこともができます。ただ個人的には世界観が小さくなってしまうので異世界系の作品で学校を舞台にした話が長くなり過ぎるのは好みではありません……」
などといった話もありました。

それから巨大学園ネタに関してもう一つ。以前
「蓬莱学園は中国で知られているのか?」
という質問をいただいておりましたが、私が見たり聞いたりした限りではそこまで把握している人はいないようでした。私自身、蓬莱学園に関しては昔ドラゴンマガジンで読んだくらいでプレイバイメールの方は知らないので詳しく調べるのは難しそうです。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「今では死に絶えたとも聞くハーレム系作品だけど昔大人気だった理由、その後廃れた理由って何だったの?その時代を知っている人がいれば教えて欲しい」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では日本のオタク向けコンテンツの定番ネタに関する様々な話題が飛び交っていますが、人気ジャンルの流行り廃りやそれに関する考察も定期的に盛り上がる話題だそうです。

中国のソッチ系のサイトでは
「ハーレム系作品が昔大人気だった理由、その後廃れた理由」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


今では死に絶えたとも聞くハーレム系作品だけど昔大人気だった理由、その後廃れた理由って何だったの?その時代を知っている人がいれば教えて欲しい……

ヒロインといちゃいちゃしたいという欲望を満たすものが少なかったからかなあ

昔の二次元はヒロイン少なかったからね。

そうそう。オタク向け作品が増えた今では想像し難いかもしれないが、明確に主人公にとって都合の良い恋愛感情のあるキャラは少なかった。

人気に関しては昔から異性キャラにチヤホヤされる作品は需要があったことや、ハーレム系はそれを大幅増幅して売り物にしていて当時は競争相手がいない或いは少なかったことを考えれば分かりやすいと思う。
廃れた方は……時期によって違うが、ハーレム要素が複合要素の一つ程度になった結果じゃないかな。単純なハーレム作品は現代の環境では商業的に勝てない。

単純なエロ要素は常に需要がある。ただエロいサービスシーンのあるラブコメは減ったし、それがハーレム系の減少にも関連しているかと。
原因としてはハーレム系のテンプレが飽きられたのと、人気や流行が変化したのと、社会的な規制の強化とかが考えられる。一つの原因で消えたというわけではないだろうね。

ツンデレが流行らなくなったと感じられるようなものじゃないかな。ハーレム系ですとアピールするような作品は消えたが、作品の備える要素としては現在も普通に混じっている。

ハーレム系って女性を物扱いするから視聴者からの批判を受けやすいし常に新しいキャラを出し続けなければ人気を維持できないのでキャラ寿命も短くなる。今考えてみると、生き残るには意外と難しいジャンルだった気がする。

自分の印象だと、ハーレム系作品の主人公に感情移入できる人が減って、批判が増えていったのも衰退の原因の一つだったように思う。
主人公が合わないと、それに惚れるヒロインも合わなくなるというか単純に萌えられなくなるからね。

当時何故流行ったかは自分もよく分からないが、ラブコメにファンタジーやSFなどの非日常的な要素を混ぜたのが面白く感じたんだよね。
今ではそういうのに新鮮さは感じられないし、キャラとしても主人公との一方通行的な関係より多方面で相互作用する方が面白く感じるようになってしまった。

本当に恋愛モノを見たいならハーレムじゃなくて純愛が良いし、背徳感を求めるならドロドロの恋愛モノが良いから……

ハーレムの衰退は流行の移り変わりみたいなものだよ。次に何が来るかまでは分からないが、とりあえず今は異世界が流行の前線だ。

ハーレム系はキャラが記号化し過ぎる、或いは属性を深くし過ぎて廃れていった気がする。それに現代の環境では話数も足りないし。

日本市場については知らないが、ウチの国の人気で言うならハーレム系が流行っていた当時の作品で本当にハーレムだった作品は少ないというのも問題になった。最後に1人を選ばなければいけないなんて偽ハーレムだ!と不満を感じて離れていった人も少なくないはず。
後は既に言われているようにキャラの記号化もあったし、視聴者が合理性を求めて「ヤサシイ」以外に取り柄のない無能なキャラが好かれることに納得できなくなっていったのもある。

実の所、ハーレム系作品は国産だと見なくなっただけで、ハーレム要素はまだ普通に活用されているんだけどね。
ヒロイン複数出して党争やるような作品はそういう要素もっているのがほとんど。

異世界系でもハーレム要素アリな作品は珍しくない。
ただハーレムがメインテーマになっている作品は珍しくなったし、ハーレムだけの作品は絶滅しかけていると言っていいかもしれない。

近現代を舞台にして設定をきちんとやるとハーレム作れないし異世界にいくとかじゃないとダメだよね。あとリアルに真面目にハーレムやろうとすると閨閥の闘争が始まって萌えとか関係なくなる……ここだけの話だが日本の異世界が奴隷大好きな方向になるのも分からんでもない。

単純に考えるならハーレム系のテンプレが飽きられて、今は異世界のテンプレが流行っているといった所では。

見方を変えれば現代は最もハーレム作品が多い時代とも言えるよ。昔「ハーレム系」が流行っていた頃は最後に個別ルートに入る偽ハーレムばかりだったが、今は異世界で本当にハーレム作る作品が量産されている。

人気になった理由は当時満たされていなかった需要が満たされたから、廃れたのは視聴者や読者が「本当のハーレム」「雑に欲望を満たしてくれるもの」を求めていたのに、作り手がそこまで割り切れていなかったからじゃないかな。
話が進む、話をまとめる際に偽ハーレム化した作品は少なくなかったし、そこでかなり批判も出ていたはず。

今の方が異世界できちんとハーレムになっているという見方には同意せざるを得ない。
ハーレム展開を維持できた作品で当時人気になったのって「To LOVEる」や「そらのおとしもの」くらいだった気がする……

今は異世界の皮をかぶったハーレム作品は多いし、オタクは相変わらずハーレム好きだと思うよ。現代ベースのハーレムは飽きられたし現実感が無いし話を進めるとハーレムじゃなくなってしまう。それに対して異世界は設定や倫理観を好きに設定できるから作中のハーレムの形成に関する問題もなくなる。
もっとも、現実社会からの批判で大炎上しちゃった「無職転生」みたいなケースもあるから人気作品として大々的にやるのは難しくなっているし昔より目に触れる機会が減っているのも間違いないだろう。

現在廃れたのは「ヤサシイ」しか特徴が無い主人公によるハーレムだろう。
異世界系作品に限らず、強いキャラがたくさん嫁をもつこと自体はむしろ納得されている。そして異世界系は個人のチート能力とモンスターや悪人退治で強さを表現できるからハーレム形成過程の説得力も相対的に楽。
これが現代だと個人戦闘力より金と権力になりかねないので多くの視聴者から歓迎されるのは難しくなる。

時代の変化というヤツだ。かつてのハーレム系ヒロインのような、萌え属性と萌えデザインを搭載しただけのヒロインを出すだけではもう人気になれない。
そんな出し方をするならソシャゲでいいし、キャラを掘り下げるなら雑なハーレム作品の構成では厳しい。

日本のハーレム作品って言ってみればキャラクターを売る」作品だからね……それだと現在の環境ではソシャゲにかなわないし、余計な異性キャラが入ってこないアイドル系、或いは百合やBLの方が良くなる。

昔のハーレムアニメはエロゲー原作やラノベ原作、その後ソシャゲ原作が来て今は異世界ハーレムだから内容まで見たらそこまで減っていない。

私のやってるソシャゲの75%がハーレム系だし、ソシャゲが今は雑なハーレム作品を担当しているのかもしれない。そしてソシャゲ原作アニメはあまり目立たないわけで……

アニメだけ見てるとハーレム系は死んだように感じられるのかもしれないがラノベ見てるとそんなに減ったようには感じられない。
調べたわけでは無いけどアニメ化作品としては減っているとしても、総数としては増えているんじゃないか?

環境の変化とも言えそうだ。
現代の環境ではハーレム系を前面に出すと社会的な批判を浴びるしオタクからもバカにされるから昔と違って隠れている。前面に出す欲望と隠す欲望が変わったんだよ。

そう言えば昔は世界を好き勝手にできる俺TUEEEEEな展開というか欲望は隠されていた気もするね。どこかでブレーキがかかっていたというか。

妄想を満たしてくれる娯楽の方向性が変わったというのもあると思う。
しかし個人的にはハーレム系だと言われた日本のラブコメが実は全然ハーレムじゃなかったことによる負の影響が積み重なった結果なのではと考えている。

そして異世界でハーレムを……となったわけか。
ラノベだと相変わらずヒロインたくさん出すのが有利になるという判断になっているようだしハーレム系ファンタジーは多いからな。

今の状況に関しては「学園系ハーレム」が衰退して「異世界ハーレム」が盛り上がっているという言い方ができそうだ。

でも最近の人気作品である「五等分の花嫁」や「ぼくたちは勉強ができない」は学園系ハーレムと見ても良いんじゃないか?

あの二作品はちょっと違うような……いやでも、ハーレムでも良いのか?
あと上でも言われているけど今のアニメって13話くらいで終わりだからハーレムでヒロインたくさん出してる余裕が無いんだよ。少年マンガ原作なら話数多いから「五等分」や「僕たちは勉強ができない」みたいなのがやれるのだろうけど。

今やるなら正室キャラを固定して、サブヒロインをばらまいていく感じでは。
これなら批判も避けやすい。

ハーレム系作品も細分化していって単純なハーレムは淘汰されていったのだろう。現在生き残っているのはハーレム系作品というよりもハーレム要素のある作品だから。

ある意味では進化の結果なのかもね。旧来の学園系ハーレムはヒロインレースを楽しむものとして割り切って見ている人が多いし、ハーレム系を見るなら現代の偽物ではなく最初から異世界の本のものハーレム作品を探している。



とまぁ、こんな感じで。
大人気だった頃の話から現在の状況に関する分析までイロイロな意見が飛び交っていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「ハーレム系作品が人気だった頃の中国では軽蔑されるのが怖くてハーレム系作品が好きだと言い難い空気が有りましたが、今はそういうのをあまり気にしなくなっています」

「しかしそれとは別に価値観の問題などによる批判と通報が活発になってしまっているので、作品としての扱いは昔よりも難しくなっていると感じます」

などといった話もありました。

ハーレム系作品に限らず、中国オタク界隈における好みの変化と環境の変化は日本より速いですし、その影響の受け止め方や評価についても数年でガラリと変わるで定期的に追いかけてみようかと思います。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本の作品のキャラ名で読めない漢字や名前に使われるのに違和感のある漢字ってあるよね」

中国における7月新作アニメの配信についての質問をいただいておりますが、現時点ではbilibiliでも四作品しか7月の新作アニメは配信されていないようですし、ほとんど動きが無いまま夏休み入りして今後もどうなるのか分からない状況です。
この調子だと中国本土で正規配信される7月新作の目玉作品は唯一スケジュール通りに配信されている「ウルトラマンデッカー」になりそうな気配も……

それはさておき、ありがたいことにネタのタレコミをいただいておりますので今回はそれについてを。

日本と中国で意味や使われ方に違いのある漢字が少なくありませんし、和製漢字なども存在することから日本の作品に出てくる漢字、特にキャラクター名に使われる漢字に関して、読めなかったり違和感を覚えたりする人も少なくないそうです。

中国のソッチ系のサイトでは
「日本の作品のキャラ名で読めない漢字や名前に使われるのに違和感のある漢字」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の作品のキャラ名で読めない漢字や名前に使われるのに違和感のある漢字ってあるよね。そういう漢字や感覚を教えて欲しい!

日本で作られたいわゆる和製漢字は大体そうだな。
例えば「凪」とか初見で読めないし違和感あってもしょうがないとは思う。

でも「凪」に関してはその名前が流行っていた時期もあるからオタクやってると慣れるよね。
中国語でも普通に使う漢字だけど人名に使わないような、例えば「介」や「助」とかが名前にあると引っかかる。

和製漢字だと「雫」や「畑」とかも定番だろう。二次元だといつの間にか慣れるようなレベルで常用されているけど。

私が初見で違和感があったのは「院」というか「ナントカ院」というやつ。
これもいつの間にか慣れていたけど。

和製漢字はなんとなく読み方が形成されるからハッキリしない時もあるよね。
大体はつくりの方の発音になるようだけど例外も多いし、辞書調べても読み方が複数提示されていて結局どれだよ!?名前だから文脈で判断できないよ!?となったりするからなあ

厳密に言えば和製漢字は中国語における「標準読音」が存在しないからな。
場合によっては「凪」を「nagi」とローマ字表記にしているケースもあるが、その表記にする気持ちは分からなくもない。

和製漢字ではないが「咲」も初見で読める人はまずいないね。読めるのは大体二次元系に触れた経験のある人間だと思われる。

「咲」や「雫」は昔使われていた漢字だから、中国人の名前に使われていても問題は無いんだが……問題無いから使うわけでもないよね。初見で読めない、意味が把握できないのは実生活で困る。

「雫」は和製漢字と、こっちの古典に昔存在した死字と、霞の簡化字が独立して存在するのがヤヤコシイんだよ……

「雨」の部首に「下」だからそりゃどこかで思い付くよな
そして「雫」はこっちの古典に字体はあるがどう使われていたか今となってはよく分からないので、やはり初見で読めない、慣れるまで引っかかるから名前では普通無い、無いはずなんだが……実際にはいるのが困惑する。

名前が雫の中国人は現実に存在するよ。中学の同級生に一人いた。
あれって親が二次元好きで持ってきたのかな……いざとなれば改名もできるから雑に名前が変わる子供もいたから勢いでやらかす保護者はいるのだろう。
(訳注:中国では日本と比べてかなり気軽に改名が行われています。その辺りの事情については過去記事の中国では「改名」が日本よりも気軽などをご参照ください)

「昴」が読めない或いは「昂」と読み間違えるのはありがち

読むのは問題無いんだけど「奈」がなんだか引っかかる。日本の女性の名前でよく使われているけど、こっちでは男女共にほとんど見かけない字だ。

「奈」は日本人の名前では意味よりも音として使われているらしい。こっちの感覚で例えるなら「娜」が近いのではないかと。

自分の記憶を遡って思い付いたのは「隼」かな。日本人はかなり好きらしいというのは感じる。日本以外にも隼の人気が高い国はあると聞くが……

読めないわけじゃないし名前としてもあり得ないわけじゃないんだが、「郎」が日常系のキャラの名前に使われているのは結構引っかかったな。

「郎」は中国人の姓にもあるにはあるはず。調べれば出てくるけど現実の交友範囲で出会える確率は低いよね。そういうのだと俺は「介」も初見では違和感みたいなのがあったなー

そういった読めるけど名前に使われるのは珍しいような漢字なら「佐」や「透」も。
調べれば出て来るとか世代によっては使われているとかの可能性は知らない。

私は仕事先で名前に「介」がある人にあったことがあるけど、同世代では確かに見たことが無い。
現実でも二次元でも名前の流行り廃りはあるので昔と今では「名前に使うには違和感のある漢字」の感覚もそれなりに変化してそうだ。
あと私が近頃の二次元でよく見かける初見で読めずに戸惑った漢字は「湊」だな。

今でもネタにされる時はあるけど、「栞」は一時期こういう話題で本当によく見かけた。

「霙」は初見で本当に読めなくて作品関連のページから文字コピペして調べたよ!

とてもよく分かる。
私は日本人にキャラ名でこんな漢字使うとか、かなり中二病入っているのではと聞いてみたら日本語だと「みぞれ」というひらがな表記だった。「霙」という漢字は日本でもほぼ使われない、まず読めない漢字だと教えてもらった……
ちなみに中二病度については「ちょっとあるかもしれない」とのことだった。

私も「霙」が近頃の二次元人名では印象に残る読めない漢字だ。某京アニ作品にも出てくるから特に。

「榊」は読めなかった……二次元では昔から比較的頻繁に出てくる姓だが。

和製漢字は名前に使われることも多いから初見で戸惑うことも多いよね。
それに「榊」以外にも「畠」「塚」のように姓に使われていることが多いと呼びかけにも使われるのでスルーし難い

以前見た名前に使われる珍しい和製漢字では「辻」というのもあったな。あまり見かける機会は無いけど。

「辻」は二次元ではなく現実の方でよく出てくる姓だよ。
辻希美や辻仁成や辻政信とか。

「野」は中国人の名前でも「田野」みたいに使われるから珍しいわけでは無いんだが、日本のキャラ名では姓に使われることがほとんどなので違和感ある。

中国人の名前や中国の創作とかを探せば出てくるのかもしれないけど、日常的な感覚では引っかかる、見た記憶が無いので驚くみたいなのはあるよね。

そう言えば「子」もそんな扱いかな。最近はあまり人気が無いから二次元で出てくると不思議な印象になったりする。

確かに。日本の女性の名前の「子」とは違うが、「子」自体はウチの国の名前でも昔は良く使われていたはず。

時代による感覚の違いは結構ありそうだ。名前に使われる花の名前にも流行り廃り、時代感はあるし。例えば「菊」とかは日本のキャラ名にはまだそこそこ出てくるが、ウチの国ではあまり見かけなくなっている。

私が二次元の影響がありそうだと感じているのが「葵」
植物系は何となく子供の名前に使われることも少なくないので、「葵」に限らず二次元っぽい名前の子供がウチの国に増えているような……?

まだ組み合わせによる珍しさ、違和感は出てないな。
例えば「沙織」はどちらの漢字も珍しくないが、並びに違和感はある。

「沙」は「傻」と音が似てるので、組み合わせ的にちょっと訛ったら意味が……
(訳注:「沙」と「傻」は四声が違いますがどちらも「sha」です)

組合わせなら「春日」が引っかかる。あれ中国の感覚だとダサ過ぎるよ。
当時と現在では条件も環境も違うのだろうけど、「涼宮春日」(涼宮ハルヒ)シリーズとかあの名前でよく流行ったね?

流行った理由についてはさておき涼宮春日」はは訳の問題でもあるらしい
日本人の感覚では「春日」だとまず姓の方の「かすが」と読むそうだ。あと「ハルヒ」は漢字で書くなら「春姫」「春陽」「晴陽」とかがあるとか。

この話を追いかけていて思い付いた漢字は「尻」
ずっと読み方が分からない漢字だったが、その後読み方と一緒に意味を知って更に驚く、そして忘れられなくなる

「尻」は和製漢字じゃないんだよな……あんな意味の漢字を名前に入れるとか正直信じられない……

日本でもさすがに名の方に尻は使われないらしいけどね。「名字」としてずっと使われていた地名や自然関係の名称が使われた結果だという話を聞いたことがある。そういう日本の名字だと「我妻」や「我孫子」もよくネタになる。



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈における感覚での話がイロイロと出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「ネットでは基本的に文字でやり取りすることが多いですし、口頭でキャラを指すときも髪の色や役職と代名詞で済ませてしまうのでキャラ名の漢字の読み方について間違って覚えている或いは読み方に自信が無いというケースはかなり多いと思います」
といった話もありました。

漢字については日中で意味や使われ方の違いがあると同時に、読み方での失敗など日本でも中国でも似たような悩みというのもあるのでしょうね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタクが読み間違う漢字と名前

中国オタク「アニメの劇場版はファンサービスで大団円的になるのが多いと思っていたんだが本編よりヒドイことになる、メインキャラ死なせるような劇場版もあるってホント?」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国には昔から正規非正規問わず様々なルートで日本のアニメが入っていきましたが、現地に入る過程において日本のTVアニメと劇場版アニメとOVAの区別、扱いの違いのようなものがほぼ無くなるそうです。
また中国オタク界隈ではその辺りに関する知識はあるものの、実感をもったものではないことから時折混乱する人も出ているそうですし、疑問に関する話題で盛り上がったりもしているそうです。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとしては
「アニメの劇場版は本編よりヒドイことになる、メインキャラを死なせるような作品もある」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
(話題の性質上ネタバレがかなり混じっていますのでお気を付けください)


アニメの劇場版はファンサービスで大団円的になるのが多いと思っていたんだが本編よりヒドイことになる、メインキャラ死なせるような劇場版もあるってホント?

普通にあるよ。劇場版は最後の稼ぎ時だけど、同時にクリエイターが好き勝手にやってしまえる場所でもあるから……分かりやすいのはエヴァやガンダムじゃないか?

エヴァは旧劇場版か。ガンダムは何があったっけ?

ガンダムは「逆襲のシャア」と「00」の劇場版でメインキャラ死んでるね。

「コードギアス」でルルーシュ復活させたみたいに、言い方は悪いが私もファンに媚びた展開が多いと思っていたが、案外そうでもないのかね?

ファンサービス重視の劇場版が多いというのも間違いではないよ。
個人的に特にスゴイと思ったのはストーリーではなくライブシーンだけで劇場版を作ってしまった。「うたのプリンスさまっ♪」だな。ストーリーは全く無くて、本当に男性アイドルキャラによるライブシーンだけ。
でもクリエイターが好きにやって暴走する劇場版だってある

「イデオン」は劇場版でヒドイことになった本編が更にヒドイことになったからね……

昔ならテレビ、今ならネットの無料配信或いはサブスク配信など基本的にタダやおまけ感覚で見るのと、映画館まで足を運んで金を使って見るのでは作品の内容における商売のやり方が違う。
含蓄があるとかバッドエンドにするだとかの方が需要が出る作品もあるんだよ

劇場版じゃないが「蒼穹のファフナー」はOVAでTV版を生き残ったキャラまで死んだ。そうなるんじゃないかとは思っていたが……

「そらのおとしもの」は劇場版でキャラのほとんど死んでる。なぜそういうことをしたのかいまだに疑問なのだが、当時の日本では萌えハーレムアニメでもああいう展開にする方が需要があったのだろうか?
それとも作者やアニメスタッフが実は含蓄のある作品を作りたくて仕方が無かった、或いは自分が萌えアニメ作っているだけじゃないとアピールしたかったとかなのだろうか?

劇場版でキャラ殺すというなら「鬼滅の刃」の無限列車編ってどうだろう?主人公たちの成長イベントとは言え炎柱を使い捨てにするとは思わんかった。

あれは原作通りだから違うのでは。
このテーマで該当するのは基本的に劇場版でのオリジナルストーリーについてだと思う。

「あしたのジョー」も原作あるし確かアニメと劇場版がほぼ同時進行だから違うかな?

「トランスフォーマー」のG1の劇場版は古いキャラ殺しまくって最後はコンボイまで死ぬのは衝撃だった。後で新シリーズの展開と玩具販売のためと知って、アメリカの商業主義はあまり信用しないようにする考えが自分の中で固まった。

「トランスフォーマー ザ・ムービー」は当時日本で公開されなかったので日本のファンが混乱するからとゲーム版でストーリーをつなげようとしたら伝説のクソゲーが誕生してしまったという話が面白い。キャラの代わりにたくさんの日本の小さなお友達の心が死んだとか。

特撮の劇場版にもそういうのありそうだと思っていたが自分の知っている範囲だと思いつかない。客演でかませになるとかはあるんだが。
ハッキリ劇場版で死ぬのは「仮面ライダーオーズ」くらい?

特撮はシリーズ系作品だと番組終了後も客演で活躍させるから劇場版で死なせて終わりというのは少なくなるのかもね。
本編でメインキャラが死ぬ展開は珍しくないんだが。

このテーマで私も「逆襲のシャア」を思い付いた。しかし「逆襲のシャア」は最終回みたいなものだからちょっと違うような気も……

死んだというのをアピールして話を盛り上げるのもあるよね。
「機動戦艦ナデシコ」は劇場版の最初にいきなりTV版の主人公が殺される。それでやはり死んでないんだけど、ある意味では死んだ方がマシな状態に……

「劇場版マクロスΔ」も劇場版でヒロイン死んでるからな。
劇場版だからといって油断はできない。

「オーズ」の話が出ているけど仮面ライダーは劇場版に限らずTV版の続きを作ったら大体ろくなことにならない印象が。ライダーの能力に代償が必要だったり社会の中に戻れなかったりというのが多いのでTV版が続いている時の主人公補正、ご都合主義を消してリアルに描写しだすと……

続編で思い出した……劇場版ではないがファン向けの続編だから許してくれ。
「ゲートキーパーズ」という昔の作品だが、公式の続編小説とその続編のOVAで主人公達の基地が壊滅するわ主人公とヒロインをはじめメインキャラ死ぬわとヒドイことになる。OVAで主人公とヒロインの娘が主人公になるにしてもそりゃないだろと。
個人的には見た記憶を消したい続編の一つだ。

バトル要素がある作品、特にロボ系は死者が出ることが多いような?

こうやって考えると安心できるのはTV版と同時に原作連載があるような作品、今で言うなら「ONE PIECE」や「名探偵コナン」くらいなのかもね。「コナン」は死人でるけど連載続いているうちはメインキャラは死なない安心感がある。

「セーラームーン」は普通に劇場版で殺していたような?今度の最新の劇場版でも普通に死人出そう。
まぁTV版からしてオリジナルストーリーでキャラ死亡させまくっていたし復活という手段があり得る世界観だったが。

復活が有る世界観だとそこは楽なんだろう。「ドラゴンボール」の劇場版では味方も敵も死んでも生き返っている。

世界観やキャラの連続性などを考えると難しい所だね。
今考えてみると、「少女革命ウテナ」は劇場版がほぼ別物の単独作品だからキャラの退場に関しても好きにやれたんだろうな

興味深い話題だった。私はなんとなく劇場版用での死亡演出は「ドラえもん」や「デート・ア・ライブ」のようにゲストキャラを出して死亡も含めた別れにする(本編に影響無し)もんだと思っていたがメインキャラが死ぬこともかなりあるんだな。

そもそもオタク向けアニメの始まりとも言える「宇宙戦艦ヤマト」からして劇場版はバンバン死んでなかったっけ?

俺は以前劇場版に関しては最後だから続きを考えないで良い、テレビ放映などで付いて回るスポンサーとの関係を考えないで良い、といった背景もあるからむしろキャラの死亡は歯止めがかからないという話を聞いたこともある。

でも商業的に生き返らせるというのもよくやるんだよね。
そう言えば「マクロス」を劇中劇という設定にした理由の一つがそういう事態に対応するためだという説もある。



とまぁ、こんな感じで。
所々で脱線しながらイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「私が小さい頃は日本のアニメの劇場版やOVAに関しては海賊版ディスクの枚数が違う、内容の濃度が違うというくらいの認識でしたね。TV版との関係や設定の違いといった情報まで手に入れるのは難しくその情報の正しさに関しても判断できなかったので、勘違いしていた部分にかなり後になってから気付いたこともあります」

「日本の情報を翻訳して紹介する人、或いは雑誌での紹介があっても常に個人の主観による情報の取捨選択や強調というのが混じるので完全な正確さを期待するのは難しかったです。これは現代のネットの情報に関しても似たような事情があります」

といった話もありました。

近頃の中国オタク界隈は一昔前と比べて格段に情報が増えていると感じられますが、作品の周辺事情や制作背景まで含めて把握するとなるとやはり難しくなる部分もあるようですね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「モルガンはアレで終わりなの?納得できない……」中国版FGO第二部第六章後半への反応

ありがたいことに
「FGOの第二部第六章後編の中国の反応は?」
といった質問やそれに関するネタのタレコミを複数いただいておりますので、今回はそれについてを。

中国版FGOで第二部第六章は7/14からの実装となったそうで、現地のユーザーからはイロイロな反応が出ている模様です。
中国版公式告知ページ(中国語)

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻(後編)」
などに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
(今回はネタバレ情報がかなり混じっていますのでお気を付けください)


モルガンはアレで終わりなの?納得できない……

前の方は良かったのに後編最後はなんかとてもガッカリした。
いくらストーリーの都合とはいえモルガンあんな形で殺すとか何考えて話作ったんだよ

ウッドワス自身が強いのと、モルガンが躊躇したってのがあるときのこが日記竹箒の方で解説している。ただそれで納得できるかというとねえ

ハッキリ言って非常に不満の残る結末だった。
しかも死んだふりとかではなく本当にここで終わり、何の救いもないなんて。

妖精国のストーリーはちぐはぐ過ぎて良い所もあるが引っかかる所が多過ぎる。
ロジックやキャラの行動基準や動機に納得できないし、モルガンに限らず強さのバランスもなんかおかしい。

型月世界では基本的に妖精が危険な存在で、妖精国は特に危ないことになっているという前提があるからな。サーヴァントの方のトリスタンが強い危険を感じていたように、実は下級の妖精でも普通のサーヴァントが勝てる相手ではない。
急に放り込まれたからピンと来ないかもしれないが、第二部第五章より平均的な戦力は上だとかになりかねない、かなりインフレした世界なんだよ。

後編でモルガンがストーリーの都合でデバフかかって殺される展開は何かと悪趣味で冷めたよ。敵キャラだからそういう風に扱っても良いという判断なのだとしてもね。

そう思うのも間違いではないんだが、真のボスのアイツが頑張ったのと運が良かったというのがある。なんて言えばいいか……戴冠式をお楽しみに!ってことで。

24節のモルガンの殺し方は本当に心から失望させられた。あれだけ強大な敵だと煽っておきながらあんなに雑に殺すか?

あのシーンについて私はそこまで気にはならなかったが、引っかかる人多いんだな……私もどうやって倒すのか分からないキャラだと感じていたし、直接対決無しで終わらせるのは贅沢な使い方するなと驚いたけどね

直前まで圧倒的に強かったのが急にモブ妖精にリンチされて死亡だからそりゃ納得できないよ。そんなことができるならなぜ今までやらなかったのかと。
あまりにも悪趣味過ぎる殺し方だしプレイヤーだって強敵に対する期待を裏切られてガッカリもするさ。

あー……分析できるネタは少なくないんだが、結局の所モルガンはその愛を利用されて殺されたというのが妖精の悪辣さ、この特異点のゴミクズぶりをとてもよく表していると言うこともできる。この後もイロイロとヒドイぞ!

後編終了でまた次の更新まで待たされるのも良くないんだろう。
この後の戴冠式も含めて全体を通して見るとモルガンの死亡退場についてはその前の描写も含めてかなり計算通りなのは分かるんだが、現時点ではモルガンがあっさり死んだという印象ばかりが強くなる。
それに中途半端なネタバレ情報があるのも負の効果がありそうだ。日本では予想で盛り上がれたようだが1年後に実装のこっちではラスボスが誰かということ自体は既にバレている。そして戴冠式シナリオはネタバレ情報だけでは把握しきれない部分も少なくない。

実は型月的にはこういう最強級のボスが途中退場は昔からやっている。中ボスの方がラスボスより強いとかも珍しくないし。

モルガンにはトネリコ時代もあるのがなんとも。それにこの後モルガンがどういう存在だったかというのが更に明らかにされる……一応後の方にちょっとした救いが無いわけでは無いが、完全に救われるというのは無いのでモヤモヤは残る。

今回のシナリオではぐだ側(マシュですら別)が傍観者、実際に目にしていない部分、介入しないで進んだ部分が多過ぎるのが他の特異点とは違うんだよな。ぐだの視点から想像される印象とプレイヤーの印象がかなり違うものになってそうなのも興味深い。

マシュもなんかよく分からないキャラになっている時期が長いし、俺はモヤモヤする部分が多かった。そもそもカルデア側のメインストーリーと妖精国の事情が基本的に関係無いのはダメだろう。
モルガンの扱いが分かりやすく象徴的だが本当にひどい出来のシナリオだ。

ストーリーの都合で殺されたというのはあるだろうけどモルガンを「殺せる条件」を満たすこと自体はそこまで難しくはない。上の方で言われているように上級妖精はモブであろうとかなり強い。そしてモルガンの耐久ステータスE、ウッドワスによる負傷、バーヴァン・シーが人質にされたことによる動揺、更に玉座から離れている。
そして型月はフルスペックを発揮できない、発揮させないようにされて死ぬキャラは少なくないんだよね。本気になった金ぴかの活躍が滅多に無いように。HPで耐えられない当たれば死ぬ攻撃や特殊能力も多いし。

その辺は後から言われてみれば納得できなくはない。
ただモルガン側が妖精を信用していない、好意を期待していない状態なのに自分を守るための措置を取っていなかったのは疑問に思う。

そこは本人が投げやりだったのもありそうだし、黒幕側の謀略が今回は上手くいったというのもあるかと。

そういう方向での疑問なら、私は妖精トリスタンがモルガンにとってあそこまで大事な存在、自分が抵抗をやめるほどの存在なら、なぜ妖精トリスタンを大事にしているというアピールや保護のための行動をとっていなかったというのが分からない。

そこは言葉が足りない、説明不足なのがモルガンなわけで。それができていたならウッドワスが奸計に引っかからなかった。トネリコ時代の件で妖精に期待しなくなっていたようだしね。

問題なのはそれ以前の部分でモルガンの最強ぶりがアピールされまくっていたことだよ。分身で無限に出てくるとか全知全能な扱いで。それなのにボロボロの犬に重症負わされるとか、出来の悪い娘で動けなくなるとか、最後にはリンチ受けて雑兵にやめてとか命乞いだぞ?
戦闘力的に玉座の近くにいた連中なんて秒殺で薙ぎ払えるだろうに、なぜそれをしない?という疑問ばかりが出る。話の都合でデバフかけられたら興ざめ過ぎるわ。

存分に文句を言うと良い。きのこはそういう強いキャラがあっさり負ける、死ぬ展開を平気でやる。そして困ったことに設定上(表に出てないのも含めて)はつじつまがあっているんだよ……
俺も昔ヘタクソな日本語で頑張ってFate/stay nightを遊んでいた時にHFルートであっさり死ぬ強サーヴァント達に納得できなかったものだ……

全般的に説明不足な所が多いんだよね。
モルガンがなぜ人質程度で動きを止めたかということについては、バーヴァン・シーがモルガンにとって妖精圏を維持する数少ない理由の一つ(唯一かも?)だったというのがあるわけだが、それを把握して考察する機会が……

しかし本当に何なのだろうな、このぶん投げた終わり感は。最後はギャグにでもしたかったのか?

きのこが余計なことして広げた話を収集できなかっただけ。
そもそも異聞帯モルガンとか最初にブラックバレルぶっ放せば終わってしまうわけだが、それを使わせないようにマシュを記憶喪失にしてブラックバレルも無くしてしまうとか雑に縛り入れてきて最後も無理矢理終わらせる。そんなの見せられ方はやってられん。

こんな終わり方にするシナリオを3ヶ月もかけて配信するとか何を考えてんだ。第二部第五章前半のアトランティスの出来の良さと比べるとヒドイもんだ。全く及ばないと言っていい。
唯一評価できるのは新キャラだが日本ではそれで稼げたんだろう。それにしたって本編での扱いがヒドイもんだからゲーム全体として見たら全く評価できない。

私はそこまで言うほどのものではないと思うが現時点で文句が出るのも無理はないとは感じる。これはアニメやマンガでもよくある話だろうけど、日本では話の最後でコケても評価してもらえるらしいがウチの国は最後でコケたら作品全体の評価が急落する。
特に第二部第六章はこっちでの配信前にむちゃくちゃ持ち上げられていたから落差が……

ギャグというか、寓話的風刺的な演出でギャグ描写に見えかねない路線を狙っている所はあるんだろうね。あと現時点で感じる疑問については伏線になっている所と後で更にひっくり返される所と……きのこが途中で書き直したせいで本当に投げっぱなしになった所がある。
マップの謎のオブジェクトも謎なままのがかなりある。そして言ってしまうがモルガンとバーヴァン・シーに関しては恐らく書き直しで投げっぱなしな所だ!

評価に関わるほどではないんだが、事前に聞いていた話と違うと感じたのは妖精についてだな。あれだけボロクソにクズだ何だと言われていたがそこまでヒドイとは感じなかった。確かにクズではあると感じたが。

私もそういう印象だよ。キャストリアの村の連中とかヒドイのもいるけど、まだ分かりやすい悪い連中というか……むしろハベにゃんやウッドワス、妖精ガウェインとか評価できるキャラの方が目立つ。

妖精関係ではノクナレアも良いキャラしている。メイヴは好きじゃなかったが、こっちはかなり刺さった。
これで終わりではないんだろうけど、この後また大きくひっくり返されるような展開が来るの?構成的にもガチャのピックアップ的にもまだ何かあるのは分かるが。

うーむ……ネタバレを避けるのもだが簡単に説明するのが難しいな。ひっくり返されるという単純なものではない。

まだ詳しいネタバレ情報しらないならそういう話をしない、その手のスレを見に行かないようにする方が良い。戴冠式以降のシナリオをネタバレ無しで楽しめる機会を失うのはもったいない。

妖精キャラに関しては今見えている物が全てではない、見えている形が正しいわけではないというくらいしか言えない。

そう言えばオーロラに関してモルガンとキャストリア両方にいい顔をして有利になるように立ち回り、最後は妖精王になるためにキャストリアを裏切って刺してくるのではと予想している発言も見たな……

そう考えるのも無理はない。私もオーロラは権謀術数に長けた女だと思っていたし。

前提が違うというか人間の行動原理、現実社会の感覚で見るのが間違いなんだよな。「妖精の国」で登場人物はほぼ「型月世界の妖精」だから。

現時点でもモルガンの死や断章の内容を組み合わせるとそれとなく妖精のヤバさが描写されていることはいるんだ……
許されよ、許されよ、我らが罪を許されよ

ネタバレを避けながらだからハッキリしない所もあるが、モルガンの出番がこれで終わりなのは本当のようだ。
いくら話の都合だと言ってもこんなツッコミ所しかない非合理的なキャラの殺し方ないだろ……ユーザーにモルガンを召喚したいなら課金しろと煽るためか?

問題はモルガンピックアップは前編の方で既に終わっているということだ……課金しても意味が無い!!

実はモルガンはこの後すぐ、第二部第六章完結記念で復刻するんだ……大体この時期からFGOの幹部が入れ替わって運営方針も変わって良くも悪くもガチャに商売っ気が強くなる。そしてオベロンも一緒に実装されるから大変なことになりそう。

実の所、モルガンを救うならガチャ引いて夫か妻になるしかない。
しかも召喚された後は異聞帯の経験引継ぎっぽいので何かと面白い。バレンタインもある……これは本当に卑怯だ!!

モルガンを幸せにするにはバーヴァン・シーも召喚しないとダメだぞ。忘れるなよ。



とまぁ、こんな感じで。
後編の終わり方に関しては不満たらたらの人も少なくないようでした。

ちなみにこの辺りに関して、今回のネタを教えてくれた方からは
「中国では設定上は優秀なはずなのにストーリーの都合で能力を発揮させてもらえない『不合理』な展開がとても嫌われます。中国の国産作品でもそういった『不合理』を感じた読者が批判して炎上することはよくあります。後編のモルガンに関しては直前まで多くの非常に強い、優秀なボスキャラという印象を与える描写が有りました。話の都合でそれまでの描写や設定を捻じ曲げて殺されたと感じた人も多かったと思います」

「今回のシナリオは長いので現時点で最後まで到達した人のうち深く読み込んでいる人の割合は少ないはずです。表面的な印象で反射的に不満や批判の発言をする人が目立つのも仕方が無いです」

などといった話もありました。

ここしばらくの間の中国版の実装スケジュールは順調に消化されているようですし、特にトラブルが無ければ戴冠式シナリオの実装は7月末辺りになりそうですね。
ちなみに中国版でも周年イベントは8月初めの開催なので現時点では光のコヤンスカヤは未実装だそうです。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「キャラデザは良いと思うのに不思議と色気やエロさを感じない、そういう目で見れないキャラについて語ってみたい」

中国本土での7月新作アニメに関する質問を複数いただいておりますが、配信の始まった作品がいまだに少ない上に現地における話題作の配信の可否についても例によってハッキリしないので紹介するのが難しい状況です。ダメで元々くらいの気持ちでお待ちいただければ幸いです……

それはさておき、ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。
中国オタク界隈でも18禁方面の二次創作、エロパロの需要はかなりのものがあるらしく、人気作品や人気キャラに関してそういった話題で盛り上がっているのも頻繁に見かけます。しかしキャラによっては「人気は高いし好きなデザインのはずなのにそういう目では見れない」と感じる人が多数出ることもあるそうです。

中国のソッチ系のサイトでは
「デザインは良いと思うのに不思議と色気やエロさを感じないキャラ」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


キャラデザは良いと思うのに不思議と色気やエロさを感じない、そういう目で見れないキャラについて語ってみたい。
たまに不思議とそう感じるキャラっているよね?

ここしばらくだと「ウマ娘」のゴールドシップが分かりやすいのでは。皆大好き銀髪美女なのは間違いないのに。

ゴールドシップは喋らなければ動かなければ美人というのには深く同意する。
あと私が逆に妙なエロさを感じたのはキタサンブラック。ゲーム内ではトウカイテイオーと似た(同じ?)走り方をするんだがレース場のカメラ視点で見ると衣装の構造と走り方で絶対領域がとても気になる……

色んな場所で昔から言われているが、これは両儀式だろう

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のヴァイオレットはそんな感じの扱いじゃないかな。薄い本も同人絵もあまり見かけない。

私もヴァイオレットを思い付いた。
ただ薄い本が少ないことについてはエロさの需要が無いのか人気が無いのかそれとも公式が上手すぎて同人の需要を吸収しているのかが分からないとも思う。

二次元モデルのVtuberはキャラ知ってるとそんな気分になるよ。人気になるだけあってモデリング自体はとても狙ったデザインが多いのに。

こういうのはエロ妄想が阻害される原因がキャラごと個人ごとに違うから難しい。
例えば汚したくないからエロい目で見れないのと、ひどいキャラだからエロい目で見れないの二種類、或いはその混在になったりするから難しいね。
個人の経験がかなり関係する。

それはあるかも。私は「FF10」のユウナがそんな感じだ。
他人がエロ同人を求めるのも否定はしないけど。

分かるぞ。私も作品をきちんと見る前は「このすば」のアクアをエロい目で見れたが、見た後はダメになった……
あとデザインの良さとは逆に藤本タツキの女性キャラは色気が無いデザインのはずなのに妙に色気を感じるキャラが少なくないと思う

デザイン関係ではないのでテーマから外れるかもしれないが、私は母親や妹のように肉親属性がつくとそれだけでダメになる。

どういう理由でも構わないので好きに語ってくれ!
個人の好みや考え方を否定するつもりは全く無い!あくまで皆の話を聞いてみたいだけなんだ!!

昔見た「アホガール」のヒロインがそんな感じだったね。

汚したくないというわけではないが、ストーリーを思い出してしまうから「WHITE ALBUM2」はもうエロ関係で考えるのが困難になっている。

暁美ほむら。悪魔になって露出度上がってもそっちの方面では来なかった。「まどか☆マギカ」の絵柄がそもそも……というのもあるんだろうけど。

まどかの方もだそうだよね。あれは最初からかなり狙って作られたデザインなんだろうけど。

特定のキャラではないがエロ漫画家の袁藤沖人の作品はエロ本なのにエロ目的で使えない……性癖が合わないのもあるんだけど……

最近だと「SPY×FAMILY」のヨルのデザインは個人的な好みにかなり合っているはずなんだが、本編見たらエロ目線はなんか消えてしまったなあ

ヨルに関しては私もとてもよく分かる。薄い本やそういうイラストも少なくないのに全然引っかからない。デザインは良いと思うのに。

ファルコムのゲームの女性キャラは何かとエロ方面が強調された格好のばかりだけど、たまに自分のまだ綺麗な心に刺さってエロい方面で考え難くなるキャラに出会うのが困る。

分かる。俺にとっては「イース8」のダーナがそうだ……

ゲーム関係だと「FF7」のエアリスがそうだね。そしてなぜかティファに関してはずっとそういう目で見ている……これもキャラデザとストーリーの影響なのだろう!

エロ同人がたくさん存在するのは知っているが、東方はエロ関係の目線で見れないキャラが結構いる。

「葬送のフリーレン」のフリーレン。エルフ系は美形が基本だけど肉感的なキャラが相対的に少ないからそういうの多いんじゃないかと。

でも日本系エルフの原点のディードリットのエロ同人は昔から多いと聞くぞ?

そうなの……?私は正直エロ方面では守備範囲から外れるかな……

そこはどの媒体、どのキャラデザかによると思う。最新の左デザインは色気あんまり無いけどアニメ版というか結城信輝デザインだと色気があるし、その後更にそっち方面の強化版としてダークエルフも出した。それに初期のPC版でディードリットは明確にお色気担当のキャラでもあったらしい。

よく考えてみたが俺にとってはfateのセイバーがそんな感じだ
同人の絵だと悪くないんだがオリジナルの社長の絵だとなんかダメ

型月系なら私は両儀式の他に久遠寺有珠も。

自分の場合は「ソードアート・オンライン」の紺野木綿季。明らかにストーリーの方の影響が強過ぎるのは自分でもよく分かっている。

自分はそんなでもないが、知り合いに「アイドルマスターシャイニーカラーズ」のキャラにハマってエロ方面で見られなくなっているのが数人いる。
こういうのってやはり後天的、作品の内容にハマったからというのが多いんじゃないか?外見だけでなく内面の情報まで深く知ってしまったことによる弊害……ではないか。恩恵とも言えそう。

こういう話題では昔から綾波レイが言及されていたように思う。実際私も昔からそういう人を見かけている。
恐らく二次元の歴史上最もエロパロの多いキャラの一人だろうに、そういう環境でどういう気分で過ごしてきたのか単純に気になる。

近年だと「かぐや様は告らせたい」はベッドシーン展開でやたらとファン界隈が荒れていたが、あれも「エロ目線で見れない」ということが原因の一つだったのかもしれない。

言われてみれば「かぐや様」は私もエロ方面の刺激は感じないな。綺麗なキャラは多いけど。
スカートが長いからなのか、ギャグ描写が多いからなのか……作品の内容自体は普通のラブコメよりもかなり過激で直接的な部分も多いはずなのに。

いつからなのかは分からないが初音ミク
昔はパンツ見えるのが嬉しかったはずなんだが

かなり古いが「ARIA」のキャラが……

個人的な感覚でいいのならば「犬夜叉」の桔梗がずっとそのカテゴリになっている。

私はエロパロ大好きな下品な人間なのでストーリーやキャラの美しさ、深さのせいでそうなることはほぼ無い。
でもギャグ系になり過ぎるとダメだな……アクアとかゴルシとか

まだ出ていないのなら、雪ノ下雪乃はそういうキャラになっているんじゃないかと。

「俺ガイル」は公式でいまだにヒロインにエロ衣装着せた商品出し続けているからどうなんだろう……?実際はエロの需要がかなり高いんじゃないか?

「俺ガイル」はエロの需要高いのかもしれないが、独占したい方での需要も高い。そして逆にNTR大歓迎なのもいる模様。

色々考えてみたが「NARUTO」の白かな。
ある時、実は男だと知ってダメになった……

なぜそこで諦めるんだよ。もう一歩踏み出せば新たな嗜好に開眼できるはず。



とまぁ、こんな感じで。
中国オタクの面々にイロイロな意味で刺さったと思われるキャラの名前があがっていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国のオタクはすぐにエロネタの話をしたがる、そういう話題でオタクアピールをしたがる傾向があるのは否定できません。しかし思い入れの強過ぎる人の割合が非常に高い作品や百合ジャンルなど場合によってはそういう話をするのを嫌がる、避ける空気が強くなったりもしているようです」
といった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「バッドエンド好きな二次元関係のクリエイターって誰が有名?バッドエンドなのに評価されるのって逆に凄いと思うのだが」

管理人の艦これイベントはどうなったか?という質問をいただいておりますが、お陰様で最後は甲甲乙甲乙ですがなんとかクリアできました。今回は何かと時間が無くて危なかったです。

それはさておき、今回の更新を。
ありがたいことに
「中国のオタクの間ではバッドエンドや鬱展開が日本よりも更に嫌われているという話を聞きます。しかし中国では虚淵玄の人気が日本より高いという話やバッドエンドで有名な昔の作品が評価されているという話も聞いたことがあります。中国ではバッドエンドや鬱展開でどのような作品やクリエイターが評価されているのでしょうか?」
といった質問をいただいておりましたが、先日それに関係しそうなネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「バッドエンド好きな印象が強いが評価されているクリエイター」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


バッドエンド好きな二次元関係のクリエイターって誰が有名?バッドエンドなのに評価されるのって逆に凄いと思うのだが。

今の時代はバッドエンドやるだけで厳しい評価になるけど、昔はバッドエンドにする方が評価される時代もあったからバッドエンドになるのに仕事が続く=有能ではないぞ。

前世紀のロボアニメとか逆にバッドエンドが普通、明るいノリにすると低評価だったらしいからね。ただそれとは別に黒い方の富野由悠季はまず挙げておかないといけない気がする。

ハゲはガンダムでもよく考えたらバッドエンドっぽい終わり方多いし、他のロボ作品でもバッドエンドをたくさん作っているからな……

バッドエンドならば虚淵玄だ!!

うん、まず愛の戦士の名前が出てくるのは納得。
関係者に名前があるだけでどんなジャンルでもバッドエンドや鬱展開を心配されるのは流石だ。

古い世代のオタクとしてはCLAMPが大体バッドエンドになる印象だね。ファンは多かったけど、終盤までついていける人はそこまで多くなかった気がする。

確かに一時期はCLAMPはバッドエンドになるというイメージあったな。

例えば井上敏樹はどうだろう?評価する人も少なくないが、その手の悲鳴があがるクリエイターだと思うが。

確かに井上敏樹が関わるとヒドイ展開になることは多いけど、バッドエンド系とは少々違う気がする。特撮系作品で見ることが多いからバッドエンドにまで行くケースは案外無いからね。

私自身が直接確認したネタではないんだが、野島伸司はアニメに関わったのは「ワンダーエッグ・プライオリティ」だけど、過去のドラマの傾向からバッドエンドばかりの作家だと聞いたのを覚えている。アニメの方は思ったよりマシだったけど、日本のドラマに詳しい人によると昔の作品はかなりえぐい反人類的なバッドエンドが多かったとか。

私は「101回目のプロポーズ」くらいしか知らないけど、えぐいのは本当にえぐいらしいな

古い世代のクリエイターなのであまり意識されることは無いが、「ギャグマンガ日和」の監督の大地丙太郎はギャグ系に強いクリエイターだが、それとは別に「今、そこにいる僕」というとても凄いバッドエンド作品を作っている。自分の中ではバッドエンドの可能性アリなクリエイターとして認識されている。

黒い富野と白い富野のように、時期によって傾向が変わることもある。
個人的には初期の入間人間の書く作品はバッドエンドになっていく傾向が強かったのが、後になって変わっていったように思う。

虚淵玄も絶対にバッドエンドじゃないはずなのに、人気になったのがバッドエンドしか書けなくなっていた時期の作品だからバッドエンドクリエイターというイメージで語られてしまう部分はあるよね。

虚淵玄はバッドエンドもだけど、鬱になる展開も多いのでバッドエンドにならなくてもダメージを受ける可能性が高いという事情も……アニメでもゲームでも小説でもどこかにそういうのが潜んでいる。

虚淵玄ほど目立たないけど、黒田洋介が関わる作品はかなりバッドエンド率高くなる印象があるな
作品がつまらなくなるわけではないけど、心の準備などで個人的に警戒対象になっているクリエイターだ

今も「ファフナー」でバッドエンドを配布している冲方丁はバッドエンドクリエイターとしてなかなかの存在だと思う。

型月はバッドエンド大好きな会社。毎回たくさんのバッドエンドをゲームに仕込むしネタにする。

いや、それはここで語られるバッドエンド好きクリエイターとは違うような……?例えばFateは選択肢バッドエンドが多いだけで基本的に何らかのグッドエンドやハッピー要素のあるトゥルーエンドに行きつくような?

奈須きのこというか型月は月姫やFateで人気になった当時は比較的珍しいハッピーエンドに着陸するライターだったらしいよ。
当時のエロゲーは泣きゲー鬱ゲーも多くて今ならバッドエンド判定になりかねない死別や死亡展開に放り込まれるのも多かったとか。

ギャルゲーはそういうの多いから逆にハッピーエンドの方が印象に残るというのは何となく理解できる。
単純にイチャイチャする作品の方が多いんだろうけどシナリオ重視になると重くなることが多いような……

ゲームのバッドエンドは選択の結果と言うのも多いから他のメディアのバッドエンド展開とは扱いが違うと思う。

うーむ……ゲーム会社の傾向としてメインストーリーにバッドエンド的なのが多いというのはちょくちょく出てくるが、クリエイターだと意外に思いつかないもんだな。

エロゲーライターならやはり虚淵玄と丸戸史明がバッドエンドにするけど面白いから困るという評価だよね!

自分の中では丸戸史明がバッドエンドよりの作品を手掛ける作家という印象になっているが、昔の作品も含めるとハーレムラブコメの方の印象が強くなるらしいね。

ゲームのバッドエンドなら「ドラッグオンドラグーン」や「ニーア」の横尾太郎が分かりやすい該当例だろう。どのルートに行ってもバッドエンド、作品によっては進めば進むほどヒドイことになる!

それで思い出したが瀬戸口廉也はどうだろう。「キラ☆キラ」とか一時期かなり評価が高い?バッドエンドだったように覚えている。

「キラ☆キラ」作ったゲーム会社は前身のGROOVERの頃から今ならバッドエンドだと判定されるような展開多かったはず。まぁ「キラ☆キラ」は飛びぬけているけど昔のエロゲーはそういう作品が潜んでいられる、評価されるジャンルだったんだろうな……

時期によって印象が変わることはあるよね
ここまで新海誠の名前が出てこないという時点で、現在の彼のイメージがどうなっているか分かる

新海誠に関してはバッドエンドよりもビターな終わり方というイメージも強いのもありそう。「君の名は」以降の影響も否定はしないが。

他に出ていないのだと……「皆殺しの田中」こと田中芳樹とか?アニメ化作品多いしここで語っても良いよね_

田中芳樹はアルスラーンでやらかした以外はキャラ死亡が多いだけでバッドエンドというわけではないような?「銀英伝」の終わり方をバッドエンド判定はしないだろうし。

「ぼくらの」や「なるたる」の鬼頭莫宏がまだ出ていない。面白いんだけど気分をえぐってくる漫画家だよ……

鬼頭莫宏に関して最近は随分白くなっているとも聞くな。バッドエンドにならない自転車マンガ描いたそうだし。

俺はアニメはともかくマンガは大した数を読んでいないけど、鬼頭莫宏はとても印象に残っている人類に何か怨みでもあるのかというレベルで話が進むけど、その辺のバッドエンドとは違う読後感を与えてくれた。

昔ので思い出したが手塚治虫は実はバッドエンド率かなり高い。「鉄腕アトム」なんか複数のバッドエンドがある。昔の作品の評価基準やクリエイターの考え方についても興味深いものがあるね。



とまぁ、こんな感じで、
近頃の中国オタク界隈で思い付く名前がイロイロと出ているようでした。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国のオタクの間でもバッドエンドだから直接評価が下がるというわけではないのですが、今の環境ではバッドエンドに納得できない人が騒いで炎上する、評価サイトに低スコアを投票しまくるといった展開になりがちなのでバッドエンド作品が高評価を獲得するのは難しくなっていると思います」

といった話もありました。
時代が変わると作品展開の好みに関しても変わっていくものですし、そういった変化に関してもどこかで調べてまとめてみたいですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「なぜ日本のラノベは一人称で書かれている作品が多いのだろうか?あれは量産に向いてないと思うし書き難くないのだろうか?」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では日本のラノベを追いかける人も多く、最近では日本のネット小説出身のラノベについての知識も増えているそうです。しかしネット小説に関しては中国独自の国産コンテンツとして発展したものがありますし、日本の作品事情と比較した際に混乱する所も出ているようです。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「なぜ日本のラノベは一人称で書かれる作品が多いのか」
といったことなどに関するやり取りが行われていたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


なぜ日本のラノベは一人称で書かれている作品が多いのだろうか?あれは量産に向いてないと思うし書き難くないのだろうか?

それは自分も気になっていた。
一人称作品はこっちのネット小説でも別に珍しくないが、一人称は長編小説だと失敗しやすいから読む前の大まかなハズレ判定の際にちょっと警戒する要素になったりもしているのに。

確かにそうだ。
一人称で書くのは分かりやすいように見えて実は難しい、一種の罠みたいなことになってる気もする。

日本では昔から私小説がジャンルとして活発だったからじゃないか?
近代文学でも有名な一人称作品があるし。

その話は分かるんだよ。私も「吾輩は猫である」「人間失格」などのように普通の日本文学でも一人称の名作がパッと出てくるからラノベに限らない……と言おうと思った。
でも確かに最近読んだ日本のラノベはほぼ一人称だったりするので不思議に感じるのも確かだ。

そういう伝統があるから、というくらいだと思うのだけど。
あとネット小説以前のライトノベルからの影響もありそう。昔のライトノベルは長さだけみたらネット小説よりも短くまとまるのが普通だから。

「涼宮ハルヒ」とか一人称だったよね。「ゼロの使い魔」はどうだったかな……一人称固定ではなかったように思うが。

「俺は某々、どこにでもいる普通の高校生」みたいなのは昔からあったけど最近は本当にそういうの多いよね。

一人称でも広い範囲の説明や世界観描写ができないわけじゃないんだけど、突然本人の独白で説明が始まるのは慣れるまでヘンな気分になったりしたな……

最近のは分からないけど以前の日本の人気ラノベランキングでは一人称と三人称どっちが明確に多いということは無かったけど。

近年はネット小説出身の作品が増えていて、そっちは一人称が主流。
日本のネット小説プラットフォームのランキング上位で一人称でない作品は珍しい部類になる。

日本のラノベは一人称でキャラを切り替えた視点変更を行うこともあるけど、そんなヤヤコシイことやるなら三人称にしてしまった方が良いのでは?と思ってしまう。
日本のラノベで流行っている悪役令嬢系作品もこれがあるからあまり好きになれない。

作家の力量的に心理描写が三人称だと上手く書けないとかなのかね。
同じイベントをキャラ切り替えて別の一人称視点で描写するけど、同じセリフが繰り返されるしアホらしく感じてしまうこともある。

恋愛メインだと一人称切り替えは便利だと思うけどね。ギャルゲーでも別キャラ視点が入ることで伏線が判明して面白くなることもあった。

一人称は感情移入させやすいというメリットがあるから恋愛要素、ハーレム要素とかがあるとかなり強いと思うよ。過去の規制や炎上の結果、恋愛やヒロインについてはウチの国のネット小説ではプラットフォームからも読者からも好まれない要素になっているが、日本の作品では堅実な強みを発揮し続けている。

題材の関係はあると思う。ウチの国のネット小説って大きな世界観と大きなイベントにするのが好まれるから一人称の限定的な視点できっちり描写するのは難しい。
それに対して日本のラノベは異世界に転移しても基本的に主人公周辺の話に終始するから一人称でも対応しやすいし、一人称で主人公の感じたことを積極的に提示していくのが好まれるのではないかと。

三人称じゃないと主人公の周辺以外の別の場面で発生した内容を書きにくいからね。超長編や群像劇的なキャラの多い作品には向かないのは、やはりウチの国のネット小説だと厳しい。

一人称だと主人公視点で獲得できる情報が有限だからネット小説向きではないと思えてしまうよね。三人称、神の視点で全体的な情報を提示して話を進めていくことができないから、複雑でつじつまの合ったストーリーにするのも難しい。

あまり長過ぎない作品なら一人称になるのも分からなくはないんだけどな。ネット小説では見かけないが国内作品でも中短編では一人称作品は珍しくない。
でも長くて読みごたえがあるのが人気作品になれる理由の一つであるはずのネット小説で、長編に不向きな一人称が主流になっているのはやはり不思議。

同意する。ネット小説って長いことが人気につながるし、日本のネット小説もウチの国ほど極端ではないが長編がとても強い傾向はあるはずなんだけどなあ

文学の一人称作品と違って、ネット小説の一人称って没入感を作り出すのに向いてないから俺TUEEEEE的な作品に向いていない。書き手の能力が低いと更にヒドイことになる。
もちろんウチの国のネット小説にも一人称で書かれた良作が無いわけではないが……

以前知り合いに聞いた話では、日本では一人称の方が分かりやすくて感情移入しやすい、楽に書けるという考えらしい。ネット媒体で展開される小説でも、中日で読者の好みや作品評価の傾向が微妙に違う、それにより作品が成功するための攻略法も違っているように思えるんだよね。
私は日本のラノベ作品は小説ではなくマンガやアニメで読むことの方が多いので詳しいことまでは分からないけど。

日本のネット小説はJRPG系ファンタジーのふわっとした共通認識を前提に書かれている作品が多いので作者と読者の認識している世界観がかなり重なっているらしい。
ネットの一人称作品で問題になる作者の認識と読者の認識のズレ、価値観が合わないという事態が少ないのだろう。

長さと言えば日本のネット小説は設定や攻略解説で文字数を稼ぐことをあまりやらない。それをやると逆に「余計なことをするな、本編進めろ」とマイナスになると聞いたこともある。
この辺りも三人称ではなく一人称で突き進む作品が多い理由なのかもね。

日本のラノベの一人称視点はむしろ細かく説明するのを避けるための技法じゃないか?
日本の異世界系作品って雑な設定なのが多いし、雑な世界観や矛盾、価値観の問題に対して批判が殺到するウチの国の作品とは違う。

設定よりもストーリーを重視する、良くも悪くも簡単なストーリーだと一人称の方が良いのは間違いないだろう。ウチの国のネット小説でちょっと前まで人気だった複雑なストーリーと世界観だと一人称で書くのは難しい。
でも最近こっちでも増えている爽快感に特化したテンプレ作品だと一人称が向いていると感じられる。

日本のラノベ、特にネット小説系の作品がテンプレを省略の方向にも活用してきたというのが大きいと思われる。日本のネット小説は説明する労力、説明を読む労力を省いて人気を獲得できる引きの強いシーンに到達しようとする傾向があるんだよ。
例えば後になって書かれた作品になればなるほど転生の切っ掛け、最初にトラックにはねられて神様にチート貰って転生させてもらう展開をどんどん省略していくようになっているとかね。

確か日本のネット小説プラットフォーム独自の事情も影響しているんだっけ。
日本では文字数課金ではなく、プラットフォーム上では無料でランキングにのって商業化されないと稼げない、そして文字数の水増しは時間を浪費させるということでウチの国よりかなり嫌われているとか。

ウチの国のネット小説でも近頃は文字数水増しは嫌われているけどね。ただ心理描写で水増しするのが嫌われるから、やはり一人称は相性が悪い。

うーむ……日本とは心理描写の好みの違いもあるのか……

日本のネット小説はside某々と区切って視点変更する形で別キャラからの説明、内面描写、主人公の外部評価を描写することも多いね。一人称とは言っても、キャラを切り替えるから主人公以外の情報も案外入ってくる。

上でも言われているけど日本の作品だと一人称を別キャラに移してあっさり心理描写の回答を提示することも多い。
恐らくこれが日本の読者に歓迎される分かりやすさなんだろう。私が読んだ幾つかの人気作品でもこの視点変更があったけど、長くは引っ張らないから意外に印象は悪くならなかったよ。

日本のネット小説って同人小説からの影響も大きい。同人小説だと読者側に一定の知識がある前提で書かれることも多いが、これは既に言われている序盤のテンプレ展開の省略にもつながる。
一人称はそういった知識、ネタの認識をベースに楽に書く手法の一つとして発展したという面もあるんじゃないかな。

多いか少ないかは別として、日本のラノベは昔から一人称で主人公の視点と口癖で話を進める作品があるので私は伝統的な面もかなり影響していると思う。
日本のラノベの開祖の一つである「スレイヤーズ」から続いている流れなわけで。

口癖や一人称をキャラに合わせて書くんだよね。中国語になると一人称はほぼ「我」になるし、口癖もかなり消えてしまうが。例えば女性主人公なら当然それに合わせた口癖と感性にしないといけない。
私は以前それを知った時、日本のラノベ作家というのも難しい所がある職業なんだと色んな意味で感心したよ。



とまぁ、こんな感じで。
大まかな印象からきちんと読み込んでの感想までイロイロな話が出ていました。

近年の日本のラノベはネット小説出身の作品も増えていますし、作品を発表する環境による人気獲得のための手法の違いが作品のフォーマットにも影響しているようなのは面白いですね。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「日本のネット小説の人気獲得戦略を見ると、ネット小説ビジネスのプラットフォームの違いが作品に影響しているのを感じます。日本は基本無料で商業化されないと稼げないので、課金で稼ぐのも目的になる中国のネット小説よりも人気獲得に全力になっているようですし、作品の引き延ばし方やそれに対する読者の評価にも違いがあるように思えます」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「赤松健が参議院で本当に当選した模様。可能性はあると聞いていたが実際に当選したと聞くと驚く」

先日の参院選で赤松健先生が当選しましたが、ありがたいことにこの件に関する質問やネタのタレコミを複数いただいておりますので今回はそれについてを。
『ラブひな』赤松健氏、当選確実 漫画家として国会議員に「日本が変わります」(ORICON NEWS)

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「漫画家の赤松健が参院選で当選」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


赤松健が参議院で本当に当選した模様。
可能性はあると聞いていたが実際に当選したと聞くと驚く。

本当に成功するとはね。
でもマンガの仕事の方はどうするんだ?最近どうなのかは知らないが「UQ HOLDER!」の連載が飛び飛びになっていたのでは?

連載終了させて選挙活動に入っているからそこは準備万端のようだ。
もし落ちていた場合は政治活動から身を引いてまた漫画描くつもりだったらしい。

落ちたら落ちたでネタになるし、漫画家としては何かとおいしい活動だったのかもしれない。

欧米の議員は俳優だとかスポーツ選手だとかの人気を背景に政治家になるのも珍しくないとは聞いていたが、日本ではオタク向けマンガの人気と知名度で政治家になれるのか。良いのか悪いのか自分にはよく分からないが、なんだかスゴイとは感じる。

一気に偉くなったみたいだけど、ウチの国で例えるなら何級くらいなの?

参議院の議員だからウチの国の官員とは違うぞ……ウチの国で強引に例えるなら人民代表大会代表の方だ。

そんなことになっていたのか……しかし彼は結局どういう方向で政治活動すると言って当選したの?

基本的にはクリエイターや作品の保護、創作に対する規制強化の流れを食い止めるといった方向のようだ。
しかし規制全面解除、エロの制限なしやモザイク除去みたいな方向ではない。あと赤松健は海賊版とずっと戦っているからこっちのオタク界隈の空気で想像されるような方向とは違う所も少なくないかと。

赤松健は海賊版対策の一環として「ラブひな」を公式無料配信していたりするからね。
ただウチの国は無料配布が権利放棄ではない、再配布や翻訳しての配布を勝手にしていいわけではないというのを理解していない人間も多いから、たぶん赤松健の活動の意図が把握しきれていない人もいるんだろうな……

まだ当選しただけ。今後どういう活動をするかを見ないと判断できないだろう。
選挙に当選した後に公約を実現できない政治家はたくさんいる。

全て実現できるわけが無いとは言え、それでもやらないと規制って強まるばかりだ。オタク票を背負ってクリエイターの現場とつながっている議員を送り込めたということ自体は悪いことじゃない。他の所はさておき、これに関しては日本社会の良さと言ってもいいんじゃないかね。

私は赤松健の秋葉原の街頭演説を聞いたことがあるけど、言っていることは悪くなかったよ。どれだけ実現できるかはさておき、少なくともクリエイターやオタク界隈に対してはプラスになりそうだと感じた。

でもなあ……彼を信用できるのか?こういうのって権力握ったらかつてのファンを否定する、敵みたいな存在と化すケースばかりが思い浮かぶんだけど。

「ネギま」で求められていた学園ラブコメ要素切り捨て、「アンケートと業界の動向を知っている自分が正しい」とバトル路線突き進んでぐっだぐだにした過去の事例があるから信用しにくいよな!

近年の赤松健は「UQ」でファンを裏切り続けたからオタクからの印象悪過ぎないか?
正直に言えばよく当選できたと思ってしまう。

「ネギま」までならともかく「UQ」は好きじゃない人多いよね。こっちのフォーラムでも批判ばかり目にする。
まぁその前に二つ名作があるからそっちのイメージを活用したのかな?選挙カーもラブひな仕様だったらしいし。

そしてラブひな選挙カーは事故で大破……俺はこのニュースを聞いた時点では当選とかではなくネタ枠だと思っていた。動画サイトで見かける日本の選挙番組の演説もヘンな人多いからね。

ところで「UQ」の前の二つの名作って「ラブひな」と、あと一つは「A・Iが止まらない!」と「ネギま」のどっちだい?
「ネギま」に関しては路線変更でかなりアンチ増えたし最後の投げっぱなしエンドで評価ガタ落ちだった記憶もあるんだけど!

「UQ」の方は作品の内容よりも過去の作品の世界観やキャラをぶち壊してきたのが本当に忌々しい。しかも途中から「ネギま2」をタイトルにつけるとか読者をバカにし過ぎだ、政治でも似たようなことやるんじゃないかと不信感しかない。

バトル路線のアレは赤松健がやりたかったけど向いてなかった、センスが古くなっていたことによる問題もあったから……
それはともかく赤松健の規制反対運動に関しては周辺部分の主張がわりとコロコロ変わったりしているけどマンガ図書館Zとかで権利保護と無料配信と絶版作品の復活を並行して行うなどの実績はある。
現時点では業界の権利保護に関して良い方の人材ではあるのも確かだ

こういう作家が政治の世界に入るというのは難しいね。
「作品の方で裏切られた」というかなり強めの実体験があると信用できない!!

作品を見ると昔からロジックで人気要素を組み合わせる、センスよりも流行りを分析して流れに乗るタイプだからわりと政治の方に向いてそうな気もするな。著作権関連の制度に関する経験、手続きについての知識も近年の活動で豊富なようだし。

個人的な印象で語ってしまうが、赤松健ってアンチや見下している人間も多い漫画家だったからオタクからの支持で当選したのは意外だった。

日本でも近年は青少年への悪影響とかではなく、非実在青少年キャラの保護という意味不明な理由で規制が入るなど楽観的ではいられなくなっているからな。作品とは別に赤松健の活動を支持するオタクは増えていると聞く。

規制反対派の議員としては自民党の山田太郎がいるけど(こっちでは「エロアニメのモザイク廃止で当選「というネタで有名なのが悲しいが」、彼とも協力した上で政治活動に入っているから恐らく俺達が想像しているよりもかなり正攻法の政治活動をやっていると思われる。

私は良い悪いで言うなら間違いなく良いことだと思う。あと赤松健は日本漫画家協会の幹部やってる時も基本的に問題無かったと記憶しているから方針転換でオタクの敵になるとかはあまり心配しないでよさそう。

赤松健自身の活動は良いとしても自民党にもらった地位というのが不安だ。組織として規制推進してくる可能性は否定できない。

同感だ。自民党から出馬ということでは何も期待できない。

比例での当選だが自民党内でも上位の当選なので彼に投票する支持層が存在するのを証明したと言える。もらったというほど一方的ではないかと。
今後の赤松健による影響、自民党からの扱いもそこそこ良くなるみたいだ。

日本では直前にAV規制の法律(これも自民党がやったものだけど)が成立してしまったので赤松健の当選に関してはそれに対する不安と反発からの後押しもあったらしい。
それから自民党は党内派閥が複数あるので活動の方向性も一つではない。今の日本において本気でオタクの権利保護やるなら与党の自民党でやるのが現実的だという事情もあったと思われる。

以前同じく創作の自由を訴えて当選した山田太郎も自民党所属で出馬していたしね。
それに今の日本の左派はウチの国と同じようにフェミニズムが強くなっているのでオタクの保護は期待できないらしい……

実際、日本の表現の自由とやらもヒドイことになっている。
結局上の方の関係者、お偉いさんの認める「正しい価値のあるもの」に金を注ぎこむための表現の自由はあるが、正しい価値の無いもの低劣なものは規制すべきという思想も強いから文化的な創作の基礎になる部分を雑に一掃して結果的にコンテンツ業界全体へのダメージが発生している。

自民党の名前を背景に選挙に出た=自民党というわけではないよ。無党派であっても自民党などの党が応援するやり方がある(ただし活動費などの支援はない)
言ってみれば政治的な同盟関係だな。山田太郎もこれで当選した。

赤松健は今回「自民党から立候補」だからさすがに自民党と関係無しではないぞ。比較的軽い関係ではあるんだろうけど。
山田太郎は複数の党を渡り歩いての当選と落選を経て現在は自民党所属で議員やっているね。

この件に関しては赤松健が信用できるのかという疑問に関しては作品と分けて考えるべきだろう。彼は今回オタク層、二次元クリエイター層を支持基盤として当選したわけだから裏切るも何もない。

作品の内容や制作とかとは別の話だからね。創作の権利保護に関してなら赤松健は現在最も積極的な人間の一人だったのは間違いない。

まぁウチの国にはネット小説でのし上がったくせに、作家協会入りした後はネット小説などの娯楽方面の規制推進に協力するようになり昔自分が昔書いてた作品まで規制しだした人気作家とかいるからね……
赤松健が議員になってから「ラブひな」と「ネギま」を否定する、規制しようとする可能性を考えてしまうのも分からなくはない。

言ってることをどれだけ実現できるか信用できないというならともかく、単純に規制強化に回ることはさすがに無いと思うが。日本の議員は次の選挙があるから掲げた選挙公約をあまりに無視すると地位を失う。上だけ見てればいいわけでは無い。

こっちの協会とかにありがちな呼ばれた推薦されたで入るのではなく選挙で入ったからな。色んな意味で今後の評価に影響するから、好き勝手できる権力を手に入れたというわけではない。

それにしても日本でついに漫画家出身の政治家が出たのか……政治ネタを扱う漫画家は少なくなかったが、実際に政治に飛び込むのはやはり珍しいんだろうね。

漫画家では畑健二郎や朝凪から祝福の声が出ているのも見かけた。漫画家からしてみればやはり赤松健の活動自体は歓迎されるものなのだろう。ラブコメエログロ暴力描写等々、規制しろと言われる部分はいくらでも出てくるからね。

プロの漫画家からの声といえば、私は久米田康治の感想を知りたい!!



とまぁ、こんな感じで。
日本の政治方面になると興味の有無や知識の量や方向性に個人差があるので、やはり受け止め方にもかなり幅があるようでした。

ちなみにこの件に関するネタを教えてくれた方からは
「外国の政治制度の現場やそれに対する一般庶民の感覚というのはやはり把握しきれない所があります。正直に言えば私も日本の選挙制度に関して、例えば公認と推薦の違いや選挙における実際の影響などを完全に理解できている自信はありません!」
などといった話や
「今回の赤松健先生の当選に関してもどの程度真面目にとらえるべきなのか迷っている人も出ている」
といった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「日本でエロアニメモザイク廃止政策で当選した議員が出たぞ!」「この人はネタではなく本当にアニメマンガゲーム界隈に対して大きな貢献をしている政治家だよ」

中国オタク「ウチの国でBLEACHの人気ってどうだったの?NARUTOやONE PIECEと並ぶ三大作品的な扱いだったという話もあるけど実感がわかない」

ありがたことにネタのタレコミをいいただいておりますので、今回はそれについてを。

中国でもオタクの世代交代が進んでいることから一昔前の中国オタク事情や作品の人気といったものに関する認識のズレがそこかしこで発生しているそうです。またそういった事情に関する話題でもりあがったりもしているのだとか。

中国のソッチ系のサイトでは
「三大民工漫と呼ばれた昔の大人気作品NARUTO、ONE PIECE、BLEACHの人気」
「BLEACHの当時の人気はどのくらいだったのか?」

などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ウチの国で「BLEACH」の人気ってどうだったの?「NARUTO」や「ONE PIECE」と並ぶ三大作品的な扱いだったという話もあるけど実感がわかない。本当に「BLEACH」が「NARUTO」や「ONE PIECE」と並ぶレベルだったのか、当時を知る人に聞きたい。

人気作品ではあったよ。ただ「三大民工漫」とか言われていた頃なら「NARUTO」が一番人気であとは「ONE PIECE」>「BLEACH」だった。「BLEACH」が「ONE PIECE」レベルだったことは無いと思うが。

10年くらい前でも「ONE PIECE」>「BLEACH」だったよね。「ONE PIECE」と比べて「BLEACH」は一つ格が落ちるくらいだったよね。

難しく考えなくても分かる。ネットのフォーラム見ても明らかに「ONE PIECE」の方がファン多いだろ。

三大民工漫については「ONE PIECE」が相対的に一番下だった時期はあるよ。「BLEACH」は最初人気が高くて徐々に下降、それに対して「ONE PIECE」は徐々に上昇していっていつの間にか入れ替わっていた。
それと「BLEACH」はオサレ的なネタや中二病的な刺激はが強いので今でも忘れ去られたわけではないのが面白い

私の個人的な印象でも最初の頃は「BLEACH」の方が人気高かったな。今では「ONE PIECE」>「BLEACH」な期間の方が遥かに長いけど。「NARUTO」は作品が続いている間はずっとトップだった。

そうか?tiktokの話題のデータ見ても「BLEACH」だけ桁が二つは少ないんだが……話題の向き不向きを考慮しても差があり過ぎる。中国国内で「BLEACH」が大人気とか話を盛り過ぎているようにしか見えない。

tiktokのデータはこの話題に関しては意味が無いんだよ。
「BLEACH」の人気の頂点ってtiktokリリースより10年は前でtiktokユーザーのメインの世代とはほぼ重ならないから。更に言えばウチの国だと人気が膨れ上がってから急落したタイプの作品だから今の国内のネットリソースだと当時のデータがなかなか見つからない。
今になってこういう話題が出てくるのも無理はない。

でも「BLEACH」ファンの自分でも「BLEACH」が「NARUTO」や「ONE PIECE」レベルの人気だと感じたことはない。フォーラムの盛り上がりでも、同人創作でも全く及ばない。

俺も「BLEACH」が「NARUTO」や「ONE PIECE」レベルで語れる作品だと思ったことは一度も無いな。正直に言えばオタクになった頃は三大民工漫で「BLEACH」だけよく分からない作品くらいの印象だったよ。

「ONE PIECE」はオタク以外の層からの支持が強かった印象。
私は2010年くらいに「NARUTO」から徐々に二次元作品を見るようになっていったけど、周りの人間は「NARUTO」や「ONE PIECE」を見ている人が多くて「BLEACH」はオタクになってからようやく知った。

2010年代に入るともう三大民工漫を呼ぶ「死火海」の「死」がよく分からない、それになんで「火」と「海」より前に来てるんだ?みたいな話は出ていたからな。「BLEACH」の人気はウチの国のオタク界の初期を知っているかどうかでかなり印象が違う。
(訳注:当時中国で一般的だったそれぞれの中国語タイトルが「BLEACH」は「死神」、「NARUTO」が「火影忍者」、「ONE PIECE」が「海賊王」でした)

俺も国内では「NARUTO」が圧倒的に強くて次に「ONE PIECE」が不動の二番手。あとは普通の人気作品位だと思っていたんだが……「BLEACH」の人気は「ONE PIECE」の亜種みたいな「FAIRY TAIL」と同じくらいじゃないかと。

10年前の時点で三大的なのは「NARUTO」、「ONE PIECE」にもう一つは「家庭教師ヒットマンREBORN!」だった気がする。クラスのアニメの話題がそれだったよ。

オタクだけじゃなく一般の人気もということなら三大扱いは「NARUTO」と「ONE PIECE」、あと一つは「名探偵コナン」では?と言ってみる。

その見方を否定するつもりはないが、一般人気とオタク人気を意識するようになったのもそれなりに最近の話だよ。
二次元(昔はこの言葉は使われていなかったが)で考えるなら「BLEACH」の人気と影響力がかなり大きくてオタクの基礎知識になってた時期は確かにある。大体00年代の半ばくらいだ。

00年代半ばって自分のイメージしていた時代よりかなり前だ……私はその頃まだ小学生になるかどうかだ。
中学になってからは友達と三大民工漫について毎日語り合っていたけど「NARUTO」や「ONE PIECE」は問題無いが「BLEACH」については語れる人が少なかったね。当時の私も何番隊隊長とか藍染がなんだか分からなかったし。

この話題は「昔」でいつをイメージしているかでかなり変わるね。10年前或いは15年前かで。
さすがに20年前になるとウチの国にまだ明確にオタクという存在が確立されていない時期になってしまうけど、オタク界が形になっていく最初の時点では「NARUTO」や「BLEACH」の影響はかなり大きかった。他にも「涼宮ハルヒ」や「鋼の錬金術師」とかの影響はあるけどこっちは主にコアな層からの支持が多くて誰もが見ている「民工漫」ではなかったな。

それは当然だね。当時は含蓄ある作品を見ているオタク(と自認している人間)が見下すのが「民工漫」だったのだから。
現代では民工という言葉が昔の言葉になりつつあるし、オタク界隈で使われる「民工漫」からも毒が抜けているし当時の人気の実情と現在の作品評価や人気から来る印象の隔たりは小さくない。
(訳注:民工漫に関してはよろしければ過去記事中国オタク用語「民工漫」の変化、この言葉は蔑称なのかなどをご参照ください)

自分が中学生の頃はクラスの男子全員「NARUTO」は見ていて「ONE PIECE」と「BLEACH」はそれぞれ半分〜三分の一くらいが本格的にハマっているといった所だったような。「ONE PIECE」にハマるのが徐々に増えていった記憶もある。

ウチの国のアニメ雑誌だと00年代半ば、たぶん06年か07年くらいまでは「NARUTO」と「BLEACH」が主要な扱いだった。あと「BLEACH」は虚圏突入篇の頃はもう「ONE PIECE」の方が面白いという扱いだった気がする。

こっちのネット小説サイトの同人小説だと「NARUTO」>「ONE PIECE」で「BLEACH」はそんなに多くない。たぶん「名探偵コナン」とかの方が上なのでは。

「BLAECH」の作品人気が頂点だった頃は同人小説を書くという意識すらなかったから仕方ない。オタクとしての「最新のカッコイイ創作活動」がコスプレ劇だった時代だ。
ネットが発達していなかったとまでは言わないが、今のようにSNSが発達しきっていたわけではないしオタクの交流もフォーラム頼みだったからかなり限定的だったのも間違いない。

興味深い話で勉強になった。
しかし実は私は「NARUTO」が「ONE PIECE」より人気が高かったという話からもう分からなかったり……

考えてみればかなり昔の話になるからな。「NARUTO」は完結するまでウチの国では一番人気の高い作品だったと見て良いだろう。評価はさておきファンの規模が莫大だった。
「BLEACH」と「ONE PIECE」は時期によるけど今では「ONE PIECE」の方が人気な期間の方がかなり長くなっているし「BLEACH」が人気だった頃の記憶がある人も相対的にかなり減っているはず。

勝手に作っちゃったと思われる格ゲーBleach VS Narutoとかもあったよね。確かこれが出たのが08年だからその頃までは「BLEACH」の人気はかなり高かったはず。
ネットに浸るようになる前だと私の周りでは「BLEACH」の方が「ONE PIECE」より人気高かったね。ここでの話を見た感じではその頃は既にネットだと「ONE PIECE」の方が人気高かったようだけど。

私の観測した範囲の話だけど「BLEACH」は藍染を倒した辺りまでは何とか人気の大幅低下は防いでいたけど、そこでガクッと落ちた。その頃に「ONE PIECE」はマリンフォード頂上戦争で人気急上昇、キャラ人気の方も男女どちらからも支持されるようになっていった。
あと国産アニメ雑誌は「NARUTO」「BLEACH」が中心で「ONE PIECE」はその次だった。ネットの力が本格的に強くなり雑誌も衰退していくのは2010年前後だけどその頃はちょうど「BLEACH」の人気が急落して「ONE PIECE」の人気が盛り上がっていった時期だから「ONE PIECE」人気の印象もかなり強い。

「NARUTO」の原作完結が2014年でこれがウチの国のオタクにとって一つの時代の区切りだったが「ONE PIECE」はこの頃は普通に大人気作品という感じだったね。「BLEACH」はもう過去の作品位な扱い。
ただ「ONE PIECE」がその後人気上昇し続けたかというとそうでもなくて、他の2作品が落ちていったという感じだ。

ウチの国では基本的にアニメが終わった作品は人気が急落するので無理もない。日本で原作のマンガが続いていてもウチの国では大した影響力は無い。
「BLEACH」はアニメが終わるの早かったのでウチの国では人気が落ちていった、それに対して他の二作品は続いていたから相対的に差が拡大していたという見方も可能だろう。

確かに。アニメ終わってからも原作は20巻くらい続いたけど、人気維持の効果は無くアニメが終わったらそのまま人気も下降していったしファンも別の作品に移っていったように思う。

後の方では「家庭教師ヒットマンREBORN!」がライト層で大人気になっていたし、一時期は新人の入門作的なポジションにもなっていたから「三大民工漫画」がずっと「三大」だったわけではないんだよね。

「ONE PIECE」は最初の頃は絵柄がウチの国のオタクにとって分かりやすい美形、カッコイイキャラではなかったので苦戦した部分がある。その後ストーリーで持ち直していったわけだが、「BLEACH」はこれと正反対だったな。

「BLEACH」に関しては上でも言われているように虚圏突入篇辺りでストーリーに対する批判がかなり目立つようになっていた気がする。
その辺で二番手人気の地位も「ONE PIECE」と入れ替わっていたかな。



とまぁ、こんな感じで。
かなり昔の話も混じるので、中国オタク界隈でも人によっては話がかみ合わなくなるようでした。

考えてみれば中国で「BLEACH」の人気が特に高かった時期は私がこのブログを始めるかどうかという頃のはずですから、中国オタク界隈でも当時の記憶がある人はかなり少なくなっているでしょうね。
「NARUTO」「ONE PIECE」「BLEACH」は時期によってはオタクの基礎知識的な扱いになっていたのですが、今では中国オタク界隈でも知識や実感にかなり個人差が生じているというのも興味深いです。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「BLEACHは分かりやすいカッコ良さ、日本の作品独自の雰囲気がありました。当時のオタク活動の中心だったコスプレ劇でも活躍していました。当時の人気コスプレは他にもNARUTOやKOFなどがありました」
という話もありました。

そういえば当時の中国のオタク向けイベント(まだあまり専門的なものではなかった)に関しては
「現地のコスプレイヤーが集まったら普通に護廷十三隊の隊長や副隊長が揃ってしまった」
「会場の近くにいけば会場に向かう人の流れがあって、大体NARUTOやBLEACHのコスプレイヤーが混じっているので分かりやすい」

などという話も聞いた覚えがあります。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク用語「民工漫」の変化、この言葉は蔑称なのか

中国オタク「後輩に子安武人は古い世代の声優だと言われて驚いたが、それが間違ってないのに気付いてまた驚いてしまった」「私のオタク歴よりも段違いに長く活躍している声優だ」

中国の7月新作アニメの配信がどうなるかを睨みつつ、今回もありがたいことに以前いただいたネタのタレコミでやらせていただきます。

近年の中国オタク界隈では日本の声優がかなり意識されるようになり関連知識も蓄積されているそうですが、一昔前の作品に出演した声優に関する知識にはムラがあるそうで意外な所で驚きが発生していたりもするそうです。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「子安武人さんはかなり昔から活躍していた」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


後輩に子安武人は古い世代の声優だと言われて驚いたが、それが間違ってないのに気付いてまた驚いてしまった。
俺はオタクになってもう十数年経ったけど、子安武人は俺がオタクになる前からずっと声優として活躍しているんだよな……

自分がオタクになった時期の作品を思い出してもどこかで子安武人の演じるキャラにぶつかるよね!

そうなんだよ。子安武人は私のオタク歴よりも段違いに長く活躍している声優だ。私がオタクになる前からずっと一線級で活躍しているしアニメやゲームでいつも聴く声。

上手くて存在感があるので出てくればすぐにわかるよね。
最近演じたキャラでは個人的には「かぐや様」で会長の父親役がとても印象に残っている。作中の胡散臭いキャラとカッコイイ声が合い過ぎていた。もう彼の声以外ではイメージできない。

近頃はさすがに主役キャラは少なくなっているけど、中級悪役ポジションとかで頻繁に出て来る印象だ。

主役級は流石に少なくなっている……と思いきや「異世界おじさん」でおじさん役になっているのには笑う。そしてやっぱり上手い……!

子安武人の世代の声優はギャラも高いしイベントで長時間拘束するのも難しいから新作で主役級のキャラを演じることが減っていくのも当然なんだけど「異世界おじさん」で主役を演じるということは、あえて彼に演じてもらいたいということでリソース投入したんだろうね。

既に子安武人の息子が声優としてデビューしていて親子で出演なんて話題も出ているんだから普通に「老声優」ではある。イメージと一致しないのはとてもよく分かるけど。

子安武人は1960年代に生まれたわけだからね。それに声優としては若い頃からずっと一線級の所で活躍してきたのだから当然芸歴もトンデモナイことになっている。

そんな昔だったのか……もう同期で活動している人はいないんだろうな。

いるよ!!声優は長くやる人は本当に長くやってるから

同期については分からないけど子安武人より10歳は年上の田中真弓が現在も主役やってるのが日本のアニメ界だから……

私も声優としてのデビュー時期までは把握していないが、確か石田彰や中井和哉や三木眞一郎と同い年、女性声優だと三石琴乃が同い年になる。ちなみにウチの国でもよく知られている声優では緑川光が一つ下、森川智之や林原めぐみが一つ上。

なるほど、まだ現役という印象の声優も多い……というか1967年生まれの声優って凄いな!?その中でも子安武人は新作にも常に出ている印象なのはさすがだ。

自分の中では石田彰や関智一が同期というか重なる時期に活躍しはじめたイメージかな。調べたらたぶん違うんだろうけど。

自分の中の古い世代の声優となると古谷徹とかになるので子安武人はまだそこまで上ではないという感じだったが、冷静に考えてみると「老」つける方が普通になるわ。

私の場合、古谷徹に加えて銀河万丈や若本規夫かな。ガンダムとかの印象が強いかもしれない。

私は古い方の「銀河英雄伝説」に出ている声優で大人の役を演じている声優は大体古い世代みたいな雑な考えです!

考えてみれば銀河英雄伝説に子安武人は出ていないのか……
銀英伝は当時の日本声優業界の中堅以上の声優をかき集めているので銀河声優伝説だというネタもあるんだっけ。

私の中でも子安武人はスパロボに出てくる古めの作品に出ているわけではないから古い世代ではないみたいな印象はあるかも……

スパロボというかガンダムだとムウやゼクス、あとギンガナムのイメージだし中堅の上の方くらいで認識してた。

ガンダムだと一番古いのでは「F91」で主人公の同級生キャラで出ているね。いかにもな脇役なのが逆に新鮮
それ以外にもVやGにも脇役で出ているのでガンダムシリーズの出演回数はかなり多かったりする。

この話題で初めて知ったけど、子安武人って私の父親と同い年だ……

95年の「ガンダムW」の頃はもう既に一線級、年齢的にも若手ではなかったはず。デビューは88年だから。

エヴァの青葉シゲルも95年だよね。
昔は子安武人の代表作の一つが青葉シゲルみたいに言われていたけど、調べてみるとその時点でも他にたくさん主役やメインキャラを演じていたのが分かって驚く。

ウチの国のテレビでも放映されて過去に大人気になった作品、子供の頃の思い出の作品に関して吹替え版でしか知らないから元の声優誰だろうと調べたら「子安武人」とか普通に出てくるからな

非常によく分かる。関俊彦や森川智之とかも出てくるよね。
その辺りと比べても子安武人は現役最前線の印象強いな。

子安武人の声優としてのエピソードで、転換点になったキャラとして相場シンヤ、テッカマンエビルの名前が出ていたのには驚いた。私が子供の頃にテレビで繰り返し見たアニメだよ!

俺は子安武人の演じたキャラですぐに思いつくのが「SEED」のムウだ。自分が日本のアニメと声優を意識するきっかけになった作品だしね。
でもあの時点で子安武人って大ベテランだったのか。

実は「SEED」の時点でもかなりネタ系のキャラや悪役もやっていたというのが凄い。
ウチの国のオタクの場合、声優のイメージに対して人気キャラのイメージが投影されて実像とのギャップが生じていることも珍しくないが(例えばラクスと田中理恵のように)、子安武人に関してはかなり早い段階でムウとかではなく子安武人になっていた気もする……

当初は美形悪役のイメージが強い声優だったと聞く。そして徐々に変態やネタ系の役でも当たり役が出るようになっていった。

92年の「テッカマンブレード」で変態レベルがなかなかに高い弟系ボスキャラを演じているからな。

改めて調べてみたが子安武人のデビュー作が88年なのを知って驚いている。
今ここで語っている人達でまだ生まれてもいない人の方が多いだろ……もちろん俺もだが。

私はなんとか生まれているかな……でも子安武人の出世作「天空戦記シュラト」や初期の代表作「テッカマンブレード」はこっちでも昔大人気だったから、実は出演作品自体はかなり昔から中国に広まっている。
まぁ当時のテレビ放映は吹替え版だったから子安武人の声までは入ってきてなかったけどね。

なんだか納得してしまう話もたくさんあった。
それにしてもウチの国で子安武人の声が広く意識されるというか、聴く機会につながった作品ってなんだろう?
昔のテレビアニメは基本的に吹替えだったから、子安武人の世代の声優の昔の出演作品って知識はともかく実体験は少ないよね。

「スレイヤーズ」とかじゃないか?吹替えもあったが原語版も流れてたらしい。子安武人は最初のシーズンのボス役。当時はこの作品で石田彰を把握したお姉さま方も多かったというし、日本の声優体験的には無視できないとか。
男性のオタクではそこからかなり遅れてやはり「ガンダムSEED」じゃないかと。あとはやはり「エヴァ」?



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈における日本の声優に関するイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

近年の中国オタク界隈では下手な日本のオタクよりもよほど詳しい人を見かけますが、「声優に関する知識」に関してはやはり個人差が激しいという話です。
特にこの十数年以前の作品や出演声優、声優としての活動に関してはあまり把握されていないそうで、日本ではオタクの基礎知識的な扱いの声優ネタが通じないことも珍しくないのだとか。

今回のネタを教えてくれた方からも
「ボボボーボ・ボーボボやビーストウォーズメタルスでの演技まで把握している中国のオタクは少ないので、中国では子安武人さんの凄さはまだ十分に知られていないように思えます」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「FGOに張角?妙な所が来たな……」「日本でも三国志の人気高いのは知っているが張角とは」
(後ろの方でFGOの張角役の千葉繁さんに関する話が出ています)

石田彰に見るこの十数年の中国の声優人気の盛り上がり方

中国オタク「なぜGガンダムみたいなヘンなガンダムの評価がウチの国でも高いのだろう」

7月の新作アニメも始まる時期になってきましたが、中国における配信はやはり動きが鈍いようですね。
それはさておき、ありがたいことに以前
「中国ではGガンダムの評価はどうなっているのでしょうか?中国のガンダムファンがどう見ているのか気になります」
といった質問をいただいておりましたが、その後これに関係しそうなネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

「機動武闘伝Gガンダム」

は中国のガンダムファンの間でも比較的安定した評価になっているそうで、作中のネタも含めてイロイロな所で語られている模様です。
しかし現在の中国オタクの面々にとっては古い作品なのもあってか、人気の成立過程や評価の背景については把握し難い所もあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトでは
「なぜGガンダムの評価が高いのか」
といったことなどに関するやり取りが行われていたので例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


なぜGガンダムみたいなヘンなガンダムの評価がウチの国でも高いのだろう。
以前は武侠ネタだからと考えていたけど明らかにウチの国のガンダムファンの評価の傾向からは外れるし、武侠ネタも実はそこまで好まれてないように感じる。もちろんつまらない作品ではないとは思うのだけど。

ガンダムファンの間でGガンダムだけは完全に別の扱いだからね。
不思議に感じられるのも理解できる。私も気が付いたら評価していたが、どこからだったかな……

今の感覚で見るとGガンダムって全然ガンダムじゃないよな。
受け入れられたのが不思議。

当時は香港のTVで放映されていたのを見た人もいたんだろうけど、それができる地域と放映時期考えると限定的だろうからな。

今と違って当時はロボアニメが大人気だったんじゃないの?
熱血で分かりやすいガンダムなら普通に人気になりそうなものだけど。

その熱血の内容がガンダムファンの好みからズレているって話だろ。ZからZZの変化でさえ反発が出る界隈だからな。
ちなみに日本市場ではそれまでのガンダムとあまりに違うので実際にとても苦戦したとのこと。

こっち国でアニメの影響でガンダムの評価が上がったのはSEED以降の作品だから、GガンダムやUC以外の宇宙世紀作品はアニメではなくゲームの方が影響大きいと思う。

「G」はトンデモ誇張展開も多いけど、ストーリーもキャラも王道だから分かりやすいのは確かなんだが、宇宙世紀系ガンダムの次にガンダムという名前だけで出されたら困惑するよね。

当時は「G」「W」「X」と新しいガンダムを模索していたので迷走するのは仕方が無い。

Gガンダムは今川泰宏ガンダムではあるけど、岡田麿里ガンダムよりはまだガンダムだったからロボアニメ的には受け入れやすいとも言える。なんだかんだでロボが主役だから。

確かに。その辺のMSより明らかにガンダムファイターの方が強いし必殺技で目立つけど、それでも人型ロボの戦闘だからね。
人型ロボの戦闘と関係無い部分でメインキャラ殺したり、人型ロボの意義を否定する長距離投射兵器で終わらせるとかはやってない。一見ガンダムっぽくないように見えても、ロボアニメの基本からは外れていないのは重要。

自分の印象だと当時は今よりも更にゲームの影響が強かった。
スパロボ経由、第2次スパロボGやスパロボFだね。特に第2次Gは中国語化された海賊版で回っていたから当時の影響はかなりある。

普通にアニメからという人は少なかったろうな。当時はまだ国内のテレビで繰り返される再放送作品でなければ海賊版VCDの時代だったし。
海賊版でもゲームと比べてアニメは割高だった。

ウチの国ではVCD時代というか90年代〜SEEDまではガンダム人気どれもそんなに無いよ。まとめて見る手段が国内では海賊版くらいで、海賊版もシリーズ全話だと24~26枚とかになるのでかなり高かった時代だからね。
あえて言うならWと08小隊の人気が高かった。Wは純粋に機体もキャラも主題歌も人気あった。当時の印象だとGは分かりやすかったので知名度はそこそこ?

08小隊はディスク枚数少ないから安く手に入るし内容がミリタリー色強くて分かりやすいから人気だったな。あと今思い出したがTWO-MIXの海賊版CDも当時かなり売られていたな……俺も実家を探せば出てくるはず。

今の感覚でウチの国のSEED以前の人気を語るのはあまり現実的ではない気もする。香港や台湾とは環境が違う。そもそもあの頃ロボ作品はマクロスの方が国内人気高かった。テレビで放映されてた「robotech」の影響で日本のマクロスとrobotecの区別がついてない人も多かったけどね!

Gガンダムはむしろウチの国向けのガンダムだと思うんだけど。香港武術作品の影響が濃い作品だから分かりやすい。

同感だ。それに加えてガンダムのブランドを使えて内容自体も悪くないんだから中国向けで失敗する方が難しいのでは?

SEED以前はガンダムシリーズも浮き沈みが激しいから日本市場でさえガンダムなら売れたわけではないぞ。子供向けのSDで食いつないでいた時期もかなりあるし。

日本でもGガンダムは放映当時の売上がかなり苦戦している。時期的に「V」が失敗してガンダムブランドが迷走していた時期だからね。
「G」は日本だと内容で持ち直したけどガンダム人気そのものを立て直したのはやはり次の「W」だ。そして「∀」でまた失速した後に「SEED」で人気爆発。

ガンダムは当たり作品が一シリーズ出ればその作品と、その作品と過去シリーズをコラボさせた作品でしばらく食っていける。またそれによって過去のシリーズがMSや厳選されたエピソードの再登場によって評価されることもある。
特にウチの国だとGガンダムはこのルートで人気になった部分も少なくないと思う。

Gガンダムはロボの操縦システムにおいて最もリアル寄りで、更に最もロボが人型であることの意義があるという説がある作品だぞ!メインテーマとなるロボがリアルということは、つまりリアリティのある作品ということだ!!

限定された部分だけ抜き出して結論を出すのはズルいぞ。
意外な所で科学的にも練られた設定があるのは否定しないけど。

合理的な設定だけど、劇中では馬に馬ロボの操縦担当させる合理的だかなんだか分からなくなる運用をしてくるのがGガンダムらしくて好き。
Gガンダムはバカバカしいと切り捨てる人も少なくないがハマる人はその熱さと勢いの虜になる、常に一定のファンを獲得し続けている作品だ。ガンダムというジャンルは各シリーズがそれぞれ特定世代に強く、世代間の衝突の側面もあるシリーズファン同士の分かり合えない戦争が発生しているわけだがGガンダムはそういうのが比較的少ない「分かり合えるガンダム」なのも評価が高く見える理由なのでは。

私は「G」にはロジックや合理性にこだわった批判を熱さと勢いで押し切ってしまうパワーがあるのも人気や評価の理由に思える。ガンダムファンでも「G」にハマった人は「G」だけはそういう考えで見なくなる。
個人的な印象だが「G」はウチの国では近年の作品のように新作扱いの時に爆発的な人気になるのではなく、徐々に人気と評価が積み重なっていった作品だ。

今のネット視聴で作品が広まり評価される環境と違って当時はテレビと玩具の流通がメインだったから今の感覚で人気になった過程を想像するのは厳しいと思う。私も以前ウルトラマンの日本社会における人気を調べた時に混乱した覚えがあるよ。

アニメを最初から見れば分かるけどGガンダムって最初の10話(つまり現実で約70日経過)くらいは面白くないからね。実際放映当時もかなり問題視されたと聞くし、今だったら絶対に視聴者から切られている。

新宿で東方不敗が出てもまだ迷走しているからな……そこから開き直って話が進んでいきストーリーの矛盾など関係無く思えてくる熱い展開になるけどリアルタイムで週一ペースの視聴だったら私も脱落していたかも。

GWXの平成三部作はタイトルに「機動戦士」を使っていないことからも明らかなように、旧来の宇宙世紀ガンダムからの脱却を目指したシリーズなのでガンダムっぽくないと感じるのも当然ではある。
ただ自分の印象だとGやWは良いんだけど、XはNTの否定をやったのが嫌う人からはかなり嫌われていた。あれは宇宙世紀と同じNTという言葉を使わなければ反発はもう少し小さくなったのでは。

Gガンダムはメインの部分が異質過ぎて逆に受け入れやすいんだと思う。そして作品自体は面白いし細かい部分の設定は意外にしっかりしているから見ているうちにハマっていく、勢いにのまれることになる

熱い師弟関係に熱い兄弟のストーリー、更にヒロインレースもある。そして最後はラブラブ天驚拳だ。
キョウジとの最後の会話の時にドモンの一人称が「僕」になっていることを理解できたのは個人的に日本語を学んでよかったと思うことの一つだ。

あえて問題を指摘するならMSデザインがちょっと変なの多過ぎということくらいかな?シャイニングやゴッド、マスターのように良いのもあるけど。
そこを上手く洗練させたのが「W」なんだろうな。

必殺技的な部分で何かと入りやすかったのは間違いないね。
スパロボでもGガンダムは必殺技と格闘寄り能力で差別化できるし、能力面だけでなく演出的にも強いから印象に残る。既に言われているけど、当時はアニメよりもゲームの方が低コストで効率的に作品に触れられる環境だったからその影響は無視できない。



とまぁ、こんな感じで。
他の作品や昔の中国においてオタク系コンテンツに触れる環境なども含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに
「昔の私はGガンダムの武侠ネタはあまり意識していなかった気がします。考えてみれば元ネタからの魔改造も多かったのも原因かもしれません。ただ実写の影響で美形、女装(偽娘とは違います)キャラの印象があった『東方不敗』が熱い爺さんの師匠キャラの名前になっているのに慣れるまでは時間がかかりました……」
などといった話もありました。

上のやり取りにもありますが、確かに昔の中国ではゲーム経由で日本の過去作品に触れてハマる人もかなりいたように思えます。
私が現地の高校に通っていた時も、クラスメートがPSの新スパロボやGBの第二次G経由で日本のロボ作品にハマっていったことがありました。あの頃「サクラ大戦や魔神英雄伝ワタルはスパロボに参加できないのか?」という質問をしてきた彼は今何をやっているんでしょうかね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本人は朝飯を外食で済ますことは少ないの?アニメやマンガ、ドラマでも朝食で外食するシーンがない」

もう少しで現在のゴタゴタが終わりそうですが、連日の猛暑と接近中の台風で体調も含めて復活するには少々時間がかかりそうな気がする今日この頃です。

それはさておき、ありがたいことに手頃な食べ物ネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本では朝食を外食で済ますことは少ないのか?」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ふと思いついた疑問なんだけど、日本人は朝飯を外食で済ますことは少ないの?
さすがにパンくわえて走るのはネタだと知っているけど、アニメやマンガ、ドラマでも朝食で外食するシーンがない。大体は家で食べるか途中でパンやおにぎりやゼリー飲料を買うかで、朝食の屋台やスタンドのようなものが出てくることも無い。

ドラマなら「孤独のグルメ」で築地市場での朝食回があったな。
あと日常的っぽいのだと喫茶店のサンドイッチとかも出ていたはず。

日本では朝食を外食でとるという習慣が無いんだろ。私の知り合いの日本人は平日は大体コンビニでパンやおにぎりを買って休みの時は自分で料理して朝食にすると言っていた。

有るか無いかで言えば有るよ。
喫茶店の「モーニング」のように朝食限定のメニューもあるしハンバーガーだけでなく和食系ファストフードもモーニング限定のメニューがある。
でも日本では学生が朝食で利用することは多くないのも確かだ。

和食系ファストフードの松屋は朝食の時間帯に結構人が入っていたし日本で朝食の外食の需要や習慣が無いわけでは無い。

私が日本旅行にいった時に見た感じでは、日本ではマクドナルドやKFCがウチの国の朝食スタンド的な位置になっていた。日本の伝統的な和食セットを食べられる和食系ファストフードもあったけど飯も店もしっかりし過ぎてなんか違う……という感じになったなあ

俺が仕事に行く時の朝飯は朝日を浴びる道を歩きながらだな……何を食うかどこで買うかはその時その時でスタンドの時もコンビニの時もあるけど。
日本もそういう人が普通にいるように思っていたんだけど、考えてみればアニメの描写ではあまり見かけないね。

ウチの地元だと朝飯を歩きながら食っている人ばかりだから日本のアニメのパンくわえた女の子とか太子的にならない。やるならカップ麺食いながらとかでなければネタにならん。

日本のレストランはほとんどが11時前後に開店して昼、夜に稼ぐ形式で屋台でさえもそれに合わせているので朝を主なターゲットにする店はほぼ無い。
対応しているのは24時間営業のファストフードくらいだね。

朝メニューはチェーン店系のファミリーレストランもやっている。ただこれも私の感覚からはちょっとしっかりし過ぎてるように感じた。旅行で行ったときとか、もうちょっと安くて簡単なので良いのに!と思ってしまったな。

こっちの朝食スタンドや屋台で売られているようなのは日本だとコンビニが担当している。日本のコンビニは軽食の品揃えがかなり豊富。

俺が日本に留学している時は牛丼屋で朝食を食べてる人をたくさんみかけた。一人暮らしで朝食を外食にする人間は少なくない。
でも中国みたいに安く簡単な朝食をすませられる場所は無かった。まぁそういうのはコンビニでパンでも買えば良いんだけど……

日本の生活をネタにした動画で日本の朝食専門店を見たことはあるが、場所も価格もウチの国みたいに手軽で便利なものではなさそうだった。

日本は普通に食べるのならば種類だけでなく安くて美味しいとかたくさん食べられる飲める店の選択肢は多いんだが、朝簡単に食べるとなるとウチの国のような選択肢は期待できない。まぁ日本以外の国にもそういうのは無さそうだが……欧米は外食自体が高いしね。

日本の朝食はかなりしっかり食べる習慣だから、外食には向いていない所もあるのでは。逆に昼飯は軽めで簡単。

どの食事を重視するか、何を食べるかの違いはあるだろう。
以前聞いた話では日本の感覚だと朝食をお粥や豆乳にするのは選択肢としては理解できるけど多くの人にとっては軽すぎて足りないという認識になるということだったかな。

もしかして日本人は朝食に豆乳や油条は食べないの?

そこは「食べない」とハッキリ言える。0ではないだろうけど日本では特殊な好みだよ。
油条とか日本では中華街か専門性の高い中華料理店じゃないと食べられないし、そういう店は日本だと朝食の時間帯に空いてない!
肉まんとかは探せばあるけどやはり基本的に朝食に食べるものにはなっていないようだ。

ウチの国の感覚でも分かりやすいのは立ち食い蕎麦じゃないかな?
日本では電車の駅の近くや中にあることが多い。日本人はそこでかなりの速度で食事を済ませて仕事に行く。

日本社会では朝飯的な外食ならコーヒーショップが良く使われている。ただ正直、高いし美味しくないしで自分の好みでは無かった……

日本で俺が住んでた所の駅の近くのコーヒーショップは通勤時間帯人でいっぱいになっていた。
自分の見た範囲だが日本人はコーヒーショップやファミレスで朝飯食ったり仕事の準備をしたりしている人が多いように感じる。あとは途中のコンビニで買って食べる(歩きながらではなく座れる所で食べたりコンビニのイートインスペースで)

アニメやマンガだとそういうシーンは描かないというか描く必要が無いんだろう。
日常生活描写ではあるがパンくわえて走るようなキャラ付け描写やイベントのシチュエーションではないし。

でも日常描写で日本の朝食が少し出てくると、なんだか不思議な気分になったりするね。朝からそんなに食べるのかというのも含めて。

同意する。例えば「衛宮さんちの今日のごはん」に出てくる朝食(その回のメインテーマの料理ではない!)とか、一般的なモノより豪華なのは頭で分かってはいるが自分のいつも買ってる夜食が微妙なものに思えてきたり……

日本の典型的な朝食として出てくるセットはウチの国だと重い。
例えば焼き魚セットだと基本的に米の飯とみそ汁に焼き魚、それに小鉢の副菜と海苔や生卵がつく。

日本人は朝から米を食べることが多いんだっけ。
私は正直朝から米はきついな……おかゆやマントウが良い。

俺は普通に朝から米の飯食べるよ。米以外にもちまきとかも。
朝食に炭水化物系を食べるのはどこでもありがちだけどウチの国でも形態や味付けは地方や家庭ごとに結構違う。

日本の朝食はしっかりと食べるんだろうけど、それでも広東の方の早茶とかに比べれば簡単だと思う。

早茶はもう一般的な朝食とは違う何かでは……

広東の方ほどしっかりしたものじゃないけど、私の地元も麺やワンタンや肉まんなどをしっかり食べるし、地域の社交の一部になっているな。ただ時間が無い時は雑に食ってたりはする。

上の方でも言われているが現在の日本で朝食関係の役割はほぼコンビニが占有している。特色のある店や立地的に有利な店でもなければ味も種類も価格も紺に日にと勝負するのは厳しい。

ウチの国の朝食スタンドやキッチンカーは基本的に商品並べるだけ、温めるだけだし日本だと独自商品と流通が使えるコンビニには勝てなそう。アニメに出てくるキッチンカーがクレープとかばかりなのもそういうことなんだろうね。

ウチの地元の朝食屋台は爺さん婆さんか夜のお店の人達が多いな。
現代は普通に仕事している人間はゆっくり朝食を食べているヒマが無いし、朝食にかける時間があるならその分眠っていたい人の方が多い

それは間違いない。私も仕事をするようになってから朝食を外食することは無くなった。家で買っておいたものを食べることがほとんどだ。

日本社会のことはよく知らないけど、ウチの国も一線級の都市では朝食の屋台やキッチンカーはどんどん減って外で朝食を食べる人も昔と比べてかなり減っている。
新型コロナもあったし朝飯を外で食べる習慣が国内でもどうなっていくかは分からないかと。

確かに。上海も昔は良く見かけた朝食の店が絶滅しかけているからな。なんとなく食べたくなっても店が見つからない。
ウチの国も日本と似たようなスタイルになっていくのかもな。

北京でも似たような感じだね。現代の都市生活では朝食を外食する習慣(伝統といえるほどなのかは私も分からない)は消えていってしまうものなのかもしれない。



とまぁ、こんな感じで。
各自の好みや体験なども含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「朝食は自分が慣れたものを食べたいですね。特に仕事があるような時は」

「私は朝にお粥を食べたい時も多いのですが、日本のお粥は味が付いていない、味を足しても薄味なので私が好きな中国のお粥とは違います。でも日本では朝食に簡単なお粥を食べられる店はほぼ無いので苦しみました」

などといった話がありました。

朝食は自分の体調や習慣に合うようなものを食べたくなりますよね。
私も中国留学時代、苦労したというほどではないのですが自分の許容範囲にある好みのものが見つかって落ち着くまで朝はやる気になるのに時間がかかった覚えがあります。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本の作品でよく出てくる正義の味方という言葉にはどんな背景があるんだろうか?元ネタになった作品、影響の大きかった作品みたいなのはあるの?」

猛暑と身の回りのゴタゴタが重なってグダグダな状態が続いております。
それからありがたいことに攻略情報もいただている艦これイベントですが、管理人は現在E4をだらだらと進めており今回は甲甲乙甲乙になりそうな気配です。

それはさておき、ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。
中国オタク界隈では日本の作品の定番要素についての考察で盛り上がったりしているそうですが、中には改めて現在の感覚で見ていくと昔の印象とは違ったものになる要素もあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「正義の味方」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の作品でよく出てくる正義伙伴(正義の味方)という言葉だけど、ああいう言い回しが使われるようになったのにはどんな背景があるんだろうか?
やはり元ネタになった作品、影響の大きかった作品みたいなのはあるの?

元ネタか……文学とか宗教、民間芸術とかを遡ったら出てくるのだろうか。それとも比較的最近の作品なのか。

「仮面ライダー」とかじゃないの?
二次元だとFateでもよく出てくるというか、テーマとして扱われてはいたが概ね流れ的にはその辺りに思える。

元が子供向けの特撮ヒーローで、その影響を受けて憧れるキャラが二次元の作品に出てくる。ただ二次元だと扱いは微妙。ウチの国のオタクの間だとハッキリ言って評価されない、嫌われる属性だった。
でも最近はウチの国でも特撮の人気が高くなっているから昔よりマシになっているようにも感じる。

「正義の味方」はFateとかでかなり強調して使われるけど、皮肉な意味の方が強い感じだしな

現代の作品だと「正義の味方」が良い意味で使われることは少ないのではないかと。ふわっとした正義と単純な悪者という作品は厳しいし、正義を口実に何かするのは胡散臭い。

まぁそこはファンタジーでパラディンや教会組織、異世界で勇者が悪役や踏み台になりがちなのと似たようなものだろう。

特撮系作品だとまだわりとマシな意味で使われているはずだけど、仮面ライダーでも平成だと明確な「正義の味方」タイプは少ないかもしれない。

自分は特撮を見ていないから正義の味方という言葉をハッキリ意識するようになったのは「Fate」からかな。それまでも見かけていなかったわけじゃないはずだけど……

私は「ブギーポップは笑わない」の霧間凪からだった。
子供向け作品ならともかく、ある程度現実的な世界観の作品だと道化的な扱いになるのは避けられない属性だと思う。中二病的な価値感だと、正義をかかげることはバカにされるから。

奈須きのこはブギーポップの影響を受けたと聞くし「Fate/stay night」もその流れなんじゃないかな。そしてブギーポップの前には仮面ライダーなどの特撮ヒーロー作品がある。

元ネタは特撮で、背景としては仏教関係も入っているというのを以前見た気がする。誰も正義そのものになることはできないがその手助けになることはできる……とかだったかな?

影響に関しては特撮ヒーロー系と見て間違いないだろう。日本社会ではアニメやマンガ以前に子供向け作品で影響が大きかったのは特撮で、特撮の影響を受けた人間によって広がったのが日本の二次元界隈だから。

正義を名乗るには格が足りない、説得力が無いみたいな部分もあるのでは。
個人ヒーローでも組織に属するヒーローでも、設定ではそんなに強くない、立場が下の方というのはあるだろうしね

確かに雑に正義を掲げるようなスタンスよりも「正義の味方」の方が汎用性はありそうだな……

天使だとか宗教勢力による絶対的権威ではないのも興味深いね。

日本でも警察ドラマが大人気だった時代があると聞いていたから私は警察関係のネタかと思っていたが、そうでもないのか。

特撮などのヒーロー系作品の基本的なターゲットが子供だからというのも理由だろう。正義の「味方」なら子供でもできそうだと感じるし上手い言葉だよ。

私がこの言葉を初めて見たのは藤子不二雄作品、たぶん「ドラえもん」だったかな……?
実はのび太本人がタイムマシンで演じていたというネタの。

俺もたぶん同じのが初めて見たのだ。あれ元ネタは仮面ライダーなんだろうけど、ガキの自分は正義の味方という言い回しも含めて不思議に感じた。
ストーリー自体はロジックもオチもしっかりしていて理想的な展開の短編コメディだったね。

あれはたぶん仮面ライダーじゃなくて更に昔の「月光仮面」が元ネタだと思う。
あと中国語版では「正義伙伴蒙面侠」と訳されていたけど日本語だと「正義の味方セルフ仮面」で「セルフ」(self)という自分自身だというネタも含めた名前になってる。

その「月光仮面」が最初に正義の味方という言葉を使った作品だよ。1958年の作品。
実写テレビドラマのヒーローなので特撮とは別ジャンルだが、日本の仮面ヒーローの元祖なので仮面ライダーなどの源流と言うこともできる。

正義の味方という言葉自体はもっと昔の、1947年から始まった「黄金バット」で使われているから月光仮面が元祖ではないよ。

正義の味方がいつから使われていたかは私も知らないけど広めて定着させたのは「月光仮面」と見ても問題無いだろう。社会現象レベルの大人気になった作品で、決め台詞や主題歌で「正義の味方」という言葉が強調されているから。

正義の味方の原作、脚本の川内康範が仏教徒で月光菩薩からのアイデアで主人公や「正義の味方」のスタンスを創作して、劇中の「正義の味方」の言葉の使われ方にも仏教の考え方が入っている。
その後の使われ方でどこまで残っているかは分からないが、よく言われる宗教的な背景については恐らくこの辺りから来ている。

どの作品が最初というのはハッキリしないが、今の二次元の正義の味方ネタの流れとしては初期の特撮ヒーロー作品で多用されて広まり、その影響で型月作品のような作品でも使われるようになったということで良いの?

それで問題無いと思う。あと特撮に限った話ではなく、ヒーロー系で全般で使われる言葉だったようだ。昔のアニメやマンガでもよく見かける。

日本の二次元界隈で長年の蓄積により形成されたイメージに関してはその見方でも良いはず。
現代の作品では現実的ではない、あやふやなイメージの正義の味方を目指してしまったキャラが出てくる。例えばFateなら切嗣はそれに失敗するバッドエンド、士郎は各ルートや赤アーチャーの姿で矛盾を突き付けられることになる。

正義の味方は異世界ネタの「勇者」よりはマシな扱いだと思うよ。
正義の味方を冷笑することもあるけど、矛盾や現実的な問題を認識しつつ理想として掲げたり取捨選択する展開があるから。

背景に関してはイロイロとあるけど、現在の使われ方に関して大雑把に言えば自分自身が正義だとするのは傲慢過ぎるという考え方があるんじゃないかな。

大体そんな感じだろうね。
実際日本の作品では自分が正義と言うヒーローはあまりいない。やってること自体はそういうヒーローとそんなに変わらないけど。

「俺が正義だ」という「サクラ大戦」の大神一郎のようなキャラは珍しいわけか。

たぶん探せば見つかるくらいだと思う。常にネタ不足でキャラかぶりを避けたがるジャンルだから。
正義の味方という言葉の源流である特撮作品でも自分が正義というのはいる。「巨獣特捜ジャスピオン」は主題歌でも自分が正義だとアピールしてる。

特撮ヒーローは司法組織や平和維持組織の系列という扱いが多いし、作中世界観的に正義の執行者という立場をとれるので自分=正義になりそうなもんだが、そうじゃないのか。

仮面ライダーを見れば分かるけど戦闘行為が社会のルールからは外れるので警察と友好関係ではない個人だったり、司法組織とは別の超法規的な存在だったりすることも多いから何とも言えない。

まぁアメコミでもYour Friendly Neighborhoodな有名ヒーローがいるからね……



とまぁ、こんな感じで。
時折妙に詳しい人も出現しながらイロイロな方向に話が飛んでいました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「最近は少し落ち着いていますが昔は中国のオタクは大学生から本格的に活動し始める人が多かったのと、昭和ウルトラマンのような子供向け作品がとても嫌われていたので『正義の味方』の概念やそれを目指すキャラに対してはかなり批判的な扱いをされていました」

「昔の中国で衛宮士郎が伊藤誠と並んで人渣(人間のクズ)と言われてとても嫌われていたことの主な原因は06年版のアニメの頭が悪くて無能な熱血キャラという演出でしたが、正義の味方という概念が見下されていた当時の中国のオタクの空気が影響していた部分もあったのかもしれません」

などといった話もありました。

十数年程前の中国オタク界隈における衛宮士郎に対するヘイトはすさまじいものがありましたが、少し時間が経った今の感覚で考えてみると当時はあまり意識されなかった部分が見えてくるのも興味深いですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「衛宮士郎の蔑称『土狼』って昔とてもよく使われていたらしいがどんな感じだったの?」


7/4修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。



ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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北京留学日中交流

日本からだと存在そのものを疑われる事も有った北京の漫画喫茶B3は現地の制度変更や地価高騰の影響で伝説の彼方の存在となってしまいましたが、中の老板は相変わらず活発に動いてらっしゃいます。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

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