ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。
中国では翻案やキャラのみの登場を含めて「西遊記」関連のコンテンツがたくさん作られています。
そして当然孫悟空が様々な場面で大活躍しているわけですが、近年の中国の孫悟空の能力、強キャラ的な描写として「大猿、巨大なゴリラ形態になって戦う演出」というのが珍しくないそうです。
しかしこの大猿化、中国の昔の西遊記系作品には無かった演出だそうで人によってはかなり引っかかるのだとか。
中国のソッチ系のサイトでは
「西遊記の孫悟空が巨大ゴリラ形態で戦うようになった原因」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって
西遊記の孫悟空が巨大ゴリラ形態で戦うようになった原因はやはりあの作品なのだろうか?
よく考えたら猿とゴリラかなり違うし原著からの改変がとても大きい。そして自分の中で孫悟空とゴリラというか大猿のイメージは他にドラゴンボールが真っ先に思い浮かぶ。
やはりドラゴンボールじゃないかなあ……私も時々ドラゴンボールの孫悟空の能力と西遊記の孫悟空の能力が曖昧になる時がある
現代の西遊記系作品はCGアニメでもマンガでも孫悟空は巨大ゴリラになるよね
表現として何かと使いやすいのは分かるが、よく考えたら確かにおかしい
私は子供の頃はじめて孫悟空が大猿になるシーンを見た時は驚いて怖くなったが、今の子供の視聴体験ではそういうの無いのかも
金色の巨大ゴリラになるのは元ネタが金絲猴だからセーフ!
身体の光らせ方とか、かなりスーパーな某宇宙人ぽいのもあったり……ただ私もドラゴンボールの影響は大きいと思うがキングコングとかも混じっているように思う
確かにドラゴンボール以外ではキングコングの影響も考えられるね。
ただ中国の作品が直接キングコングの影響を受けたのか、受けたとしたらどのルートなのかという疑問も出てくる。
演出として孫悟空がキングコングになった!これは最強だ!!というのは理解できるが、それとは別に普通に考えたらなぜ猿がゴリラになるんだという違和感も出てくる。
孫悟空自身はゴリラになっていないがオーラとしてゴリラが浮かび上がるみたいな演出もあるな
前世紀までの中国の西遊記の映像化作品がずっと猿だったのは間違いない。
人気の高い周星馳(チャウ・シンチー)の「大話西遊」(邦題「チャウ・シンチーのチャイニーズ・オデッセイ」)でも猿だった
ただ周星馳の作品だと2013年の「西遊降魔篇」(邦題「西遊記〜はじまりのはじまり〜」)だと孫悟空は最後に巨大ゴリラになっていたはず
「西遊降魔篇」は当時も巨大ゴリラ化に対して疑問が出ていて、「単純な思い付き」の他に「周星馳がドラゴンボール好きだから」とか言われていたな。
当時は妖怪の描写などについて原著を尊重している、いやしていないとか解釈が正しいかなど議論になったけど良い悪いは別として中国本土の西遊記ではできない演出という評価があったし、孫悟空の巨大ゴリラ化はまだ定番ではなかったように思う。
私も「西遊降魔篇」を始めて見た時になんで孫悟空がゴリラになるんだ、猿がゴリラになるわけないだろ!とかなり引っかかったな……
昔の作品も孫悟空の性格は作品ごとにかなり違ったけど、猿という設定は同じ。ゴリラにはなっていない。99年のアニメ版西遊記でも孫悟空は猿。
ドラゴンボールよりもキングコングの影響が大きいんじゃないか?
キングコングとオナガザルを合体させたようなデザインの孫悟空が出る作品もあったし。
長い尻尾に関してはまさにドラゴンボールじゃないかな……ウチの国というかアジア圏の娯楽作品がドラゴンボールから受けた影響は本当に大きいわけで
みんなキングコングの影響力を過小評価している。
ドラゴンボールだってキングコングの影響受けているのは明らかだ。
うーむ……私もキングコングの影響の大きさ自体を否定するつもりはないが、中国に対してキングコングの直接的な影響がどれだけあったかと考えると……
鳥山明がキングコングから影響受けてドラゴンボールの大猿を描いて、そこからの間接的な影響というのはどうだろう?鳥山明のイラストを見るとアメリカの映画や文化、アイテムも大好きなのが見て取れるしね。
そもそも、ゴリラをヒーローにするという発想の時点でかなりの飛躍だからなあ
それにしても孫悟空にゴリラ化が取り入れられたのって猿では弱そう、孫悟空の凄さが表現しきれないからもっと強そうなゴリラに……という感じなのかね。
個人的には猿とゴリラではさすがに違いが大き過ぎるように思うのだが。
孫悟空という強キャラを表現する上で猿ではパワーが足りない、猿系のモンスターとしては有名なキングコングが存在したのでそれを取り入れたというのは理解しやすい流れではあるな。
そもそも猿という動物は世界的に嫌われている動物だから、イメージを良くするためにゴリラ要素を入れて猿を薄めたのではないかと。世界向けに売るなら動物から来るイメージは特に重要だ。
ふーむ……アメリカではゴリラがカッコイイ動物扱いされていると聞くが、そっちの影響とかもあるのかな?
国産作品でゴリラ化が進んでいるんだから、イメージに関しては強さに関するものが大きいと思う。今の時代、猿では弱すぎる!
元々孫悟空は巨大化して戦っているんだが……お前らちゃんと原著読んでる?
巨大化はするけどゴリラにはなってねえよ!
新しい方の映画版西遊記では巨大ゴリラになって牛魔王と戦っていたが、当時はツッコミが入っていた
一応孫悟空に巨大化能力はあるけど、多用されているのは縮小化能力の方で、それから分身、身替りとかだよな
孫悟空が「猿」ではなく「妖」ということを重視すればゴリラにするのもそこまで無理な話じゃないというロジックは理解できるが、俺のような昔の感覚の人間にとってはゴリラになる孫悟空はどうしても違和感がね……
現代の作品は直接的間接的にイロイロな作品の影響を受けるからどの作品の元ネタがどれというのを断言するのは難しいけど、遡っていくとやはり「鳥山明のせい」な所がかなり大きいだろうな
日本の二次元の猿、孫悟空系キャラについては鳥山明の影響を無視できないし間接的に考えてもかなり影響ありそうだよね
香港の作品の影響もかなりあるだろうけど、そっちは更に日本のマンガの影響が大きいと思われる。一昔前は香港経由でこっちに広まった二次元的な概念はかなり多かった
まぁあれだよ!ドラゴンボールも香港映画の影響かなり受けてるというか成龍(ジャッキー・チェン)の名前をほぼそのままで使ったりしているから逆に孫悟空がゴリラになるネタを使うくらい構わないよね?
孫悟空をゴリラにした作品ではドラゴンボールより前に日本で1978年に制作されたドラマ版西遊記がある。女体化三蔵法師の方が有名だけどゴリラな孫悟空もなかなかのツッコミ所だ。
原因についてはさておき、孫悟空の強さの描写として巨大ゴリラ化は分かりやすい便利な演出として定着していったんだろう。
今では最初からそういう作品を見て育った人も多いだろうし、大部分の人は猿とゴリラの違いを気にしない、重要なのは「ゴリラの方が猿より強そう」という感覚だろう
とまぁ、こんな感じで。
中国における西遊記、孫悟空の扱いも含めてイロイロな話が出ていました。
ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「孫悟空は現代の感覚だと猿要素を強調するのは微妙で、なかなかカッコ良いデザインになりません。小説などで読む分には問題ないのですがアニメやマンガにすると無視できない問題になります。鳥山明先生が基本的に人間で尻尾だけが猿の孫悟空をデザインしたのは孫悟空というキャラを活用する上でかなり凄いことだったと思います」
などという話もありました。
中国における三国志や西遊記など伝統的なコンテンツの扱いはこの十数年で大きく変化していますし、現在の中国オタク界隈における孫悟空のイメージ、許容される範囲といった事情に関しても気になってきましたね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
中国では翻案やキャラのみの登場を含めて「西遊記」関連のコンテンツがたくさん作られています。
そして当然孫悟空が様々な場面で大活躍しているわけですが、近年の中国の孫悟空の能力、強キャラ的な描写として「大猿、巨大なゴリラ形態になって戦う演出」というのが珍しくないそうです。
しかしこの大猿化、中国の昔の西遊記系作品には無かった演出だそうで人によってはかなり引っかかるのだとか。
中国のソッチ系のサイトでは
「西遊記の孫悟空が巨大ゴリラ形態で戦うようになった原因」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって
西遊記の孫悟空が巨大ゴリラ形態で戦うようになった原因はやはりあの作品なのだろうか?
よく考えたら猿とゴリラかなり違うし原著からの改変がとても大きい。そして自分の中で孫悟空とゴリラというか大猿のイメージは他にドラゴンボールが真っ先に思い浮かぶ。
やはりドラゴンボールじゃないかなあ……私も時々ドラゴンボールの孫悟空の能力と西遊記の孫悟空の能力が曖昧になる時がある
現代の西遊記系作品はCGアニメでもマンガでも孫悟空は巨大ゴリラになるよね
表現として何かと使いやすいのは分かるが、よく考えたら確かにおかしい
私は子供の頃はじめて孫悟空が大猿になるシーンを見た時は驚いて怖くなったが、今の子供の視聴体験ではそういうの無いのかも
金色の巨大ゴリラになるのは元ネタが金絲猴だからセーフ!
身体の光らせ方とか、かなりスーパーな某宇宙人ぽいのもあったり……ただ私もドラゴンボールの影響は大きいと思うがキングコングとかも混じっているように思う
確かにドラゴンボール以外ではキングコングの影響も考えられるね。
ただ中国の作品が直接キングコングの影響を受けたのか、受けたとしたらどのルートなのかという疑問も出てくる。
演出として孫悟空がキングコングになった!これは最強だ!!というのは理解できるが、それとは別に普通に考えたらなぜ猿がゴリラになるんだという違和感も出てくる。
孫悟空自身はゴリラになっていないがオーラとしてゴリラが浮かび上がるみたいな演出もあるな
前世紀までの中国の西遊記の映像化作品がずっと猿だったのは間違いない。
人気の高い周星馳(チャウ・シンチー)の「大話西遊」(邦題「チャウ・シンチーのチャイニーズ・オデッセイ」)でも猿だった
ただ周星馳の作品だと2013年の「西遊降魔篇」(邦題「西遊記〜はじまりのはじまり〜」)だと孫悟空は最後に巨大ゴリラになっていたはず
「西遊降魔篇」は当時も巨大ゴリラ化に対して疑問が出ていて、「単純な思い付き」の他に「周星馳がドラゴンボール好きだから」とか言われていたな。
当時は妖怪の描写などについて原著を尊重している、いやしていないとか解釈が正しいかなど議論になったけど良い悪いは別として中国本土の西遊記ではできない演出という評価があったし、孫悟空の巨大ゴリラ化はまだ定番ではなかったように思う。
私も「西遊降魔篇」を始めて見た時になんで孫悟空がゴリラになるんだ、猿がゴリラになるわけないだろ!とかなり引っかかったな……
昔の作品も孫悟空の性格は作品ごとにかなり違ったけど、猿という設定は同じ。ゴリラにはなっていない。99年のアニメ版西遊記でも孫悟空は猿。
ドラゴンボールよりもキングコングの影響が大きいんじゃないか?
キングコングとオナガザルを合体させたようなデザインの孫悟空が出る作品もあったし。
長い尻尾に関してはまさにドラゴンボールじゃないかな……ウチの国というかアジア圏の娯楽作品がドラゴンボールから受けた影響は本当に大きいわけで
みんなキングコングの影響力を過小評価している。
ドラゴンボールだってキングコングの影響受けているのは明らかだ。
うーむ……私もキングコングの影響の大きさ自体を否定するつもりはないが、中国に対してキングコングの直接的な影響がどれだけあったかと考えると……
鳥山明がキングコングから影響受けてドラゴンボールの大猿を描いて、そこからの間接的な影響というのはどうだろう?鳥山明のイラストを見るとアメリカの映画や文化、アイテムも大好きなのが見て取れるしね。
そもそも、ゴリラをヒーローにするという発想の時点でかなりの飛躍だからなあ
それにしても孫悟空にゴリラ化が取り入れられたのって猿では弱そう、孫悟空の凄さが表現しきれないからもっと強そうなゴリラに……という感じなのかね。
個人的には猿とゴリラではさすがに違いが大き過ぎるように思うのだが。
孫悟空という強キャラを表現する上で猿ではパワーが足りない、猿系のモンスターとしては有名なキングコングが存在したのでそれを取り入れたというのは理解しやすい流れではあるな。
そもそも猿という動物は世界的に嫌われている動物だから、イメージを良くするためにゴリラ要素を入れて猿を薄めたのではないかと。世界向けに売るなら動物から来るイメージは特に重要だ。
ふーむ……アメリカではゴリラがカッコイイ動物扱いされていると聞くが、そっちの影響とかもあるのかな?
国産作品でゴリラ化が進んでいるんだから、イメージに関しては強さに関するものが大きいと思う。今の時代、猿では弱すぎる!
元々孫悟空は巨大化して戦っているんだが……お前らちゃんと原著読んでる?
巨大化はするけどゴリラにはなってねえよ!
新しい方の映画版西遊記では巨大ゴリラになって牛魔王と戦っていたが、当時はツッコミが入っていた
一応孫悟空に巨大化能力はあるけど、多用されているのは縮小化能力の方で、それから分身、身替りとかだよな
孫悟空が「猿」ではなく「妖」ということを重視すればゴリラにするのもそこまで無理な話じゃないというロジックは理解できるが、俺のような昔の感覚の人間にとってはゴリラになる孫悟空はどうしても違和感がね……
現代の作品は直接的間接的にイロイロな作品の影響を受けるからどの作品の元ネタがどれというのを断言するのは難しいけど、遡っていくとやはり「鳥山明のせい」な所がかなり大きいだろうな
日本の二次元の猿、孫悟空系キャラについては鳥山明の影響を無視できないし間接的に考えてもかなり影響ありそうだよね
香港の作品の影響もかなりあるだろうけど、そっちは更に日本のマンガの影響が大きいと思われる。一昔前は香港経由でこっちに広まった二次元的な概念はかなり多かった
まぁあれだよ!ドラゴンボールも香港映画の影響かなり受けてるというか成龍(ジャッキー・チェン)の名前をほぼそのままで使ったりしているから逆に孫悟空がゴリラになるネタを使うくらい構わないよね?
孫悟空をゴリラにした作品ではドラゴンボールより前に日本で1978年に制作されたドラマ版西遊記がある。女体化三蔵法師の方が有名だけどゴリラな孫悟空もなかなかのツッコミ所だ。
原因についてはさておき、孫悟空の強さの描写として巨大ゴリラ化は分かりやすい便利な演出として定着していったんだろう。
今では最初からそういう作品を見て育った人も多いだろうし、大部分の人は猿とゴリラの違いを気にしない、重要なのは「ゴリラの方が猿より強そう」という感覚だろう
とまぁ、こんな感じで。
中国における西遊記、孫悟空の扱いも含めてイロイロな話が出ていました。
ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「孫悟空は現代の感覚だと猿要素を強調するのは微妙で、なかなかカッコ良いデザインになりません。小説などで読む分には問題ないのですがアニメやマンガにすると無視できない問題になります。鳥山明先生が基本的に人間で尻尾だけが猿の孫悟空をデザインしたのは孫悟空というキャラを活用する上でかなり凄いことだったと思います」
などという話もありました。
中国における三国志や西遊記など伝統的なコンテンツの扱いはこの十数年で大きく変化していますし、現在の中国オタク界隈における孫悟空のイメージ、許容される範囲といった事情に関しても気になってきましたね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。