「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

2023年09月

中国オタク「お前らが納得した、カッコイイと思った強キャラの負け方死に方について教えてくれ」

ありがたいことに前回の記事
中国オタク「少年マンガ作品でたまにメインキャラが死んでもあまり荒れない、人気に影響が出ないように感じられる作品があるけどなぜだろう?」
に関連した質問やネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では日本と比べてキャラの敗北や死亡に関して敏感、反発が出やすいといった話があります。しかし当然ながら中国オタク界隈でも納得できるキャラの負け方や死に様というのはあるそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「カッコイイと思った強キャラの負け方死に方」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


お前らが納得した、カッコイイと思った強キャラの負け方死に方について教えてくれ
今は某五条悟に納得いかない人がたくさんいるようだが逆にどんなキャラの負け方や死に方なら良いと思った、格が落ちないと感じたのかが知りたい。敵味方や師匠などキャラのポジションは問わないができれば見ている側を感情移入させるようなキャラで頼む

「デスノート」のLは死んでも全く格が落ちなかったし理想的なボスキャラとしてずっと扱われているね

キルヒアイスやヤンなど全盛期の田中芳樹はバンバン殺すけどキャラとしてはカッコ良く殺していたな

キルヒアイスのように死んでから更に評価が高まる展開は大好きです
最近の作品なら「葬送のフリーレン」の南の勇者のように雑に死んだキャラと思いきや実は最強級だった、凄くて意味のある戦いをしていたという展開も大好きです

スレ主の考えているのとはちょっと違う気もするが「カウボーイビバップ」のスパイクは死亡エンドまで含めてカッコ良かった
私は主人公死亡エンドはあまり好きじゃないんだがスパイクに関してはあれが良いと思ってしまう

少年マンガ系だと「NARUTO」の自来也はわりと良かったかな。

自来也に関してはリアルタイムだとそこまで評価が高いというわけではなかったが、その後の作品で負けてキャラの印象がわるくなる、格が落ちるキャラが出る度に負けても格が落ちないキャラの好例として評価が上がっていった気がする。

敵側だけど「鋼の錬金術師」のブラッドレイは負けたけど格が落ちないキャラという話題の時にはほぼ必ず名前が出てくるね

そういうのなら「Fate」のギルガメッシュはどう?
実は負け展開の方が多いキャラだと言われているが

いや金ぴかは負けた時は無様だし格が落ちまくっているので金ぴかファンからは拒絶反応が出てるぞ?ウチの国ではZeroから入ったファンが多かったし。
それでも人気が維持されているのは不思議だが……

金ぴかに関してはそれ以上に活躍しているのと負ける時に慢心という汎用性の高いハッキリとした理由があるので気持ちの整理が容易。
それから出番が多い、カッコ良く活躍する場面も多いので格に関しても復活する。

Fateという作品は状況や相性が悪くて負ける相手が普通にいる、サーヴァントという存在なので一度負けたら終わりではない世界観なのでファンをやっていると「好きなキャラの負け」に慣れるという事情がある。
あとギルガメッシュに関しては近年のFateで敵の強さを強調するための便利な相手になっている節もあるのに格も人気も維持しているのが負けの扱い以上にかなり珍しい。

「HUNTER×HUNTER」のネテロはどうかな?
ジジイな強キャラは最初から退場を想定されていることも多いからか、カッコ良く散ることが多い気がする
中には山本元柳斎重國みたいなガッカリ敗北もあるが

「ヴィンランド・サガ」のアシェラッドは死にざまも含めて俺の大好きなキャラだ

「ワンパンマン」のボロスは良かったね。
世界観やキャラのバランスを崩さずに上手くまとめたと感じたよ。しかしこのキャラが上手くいったからガロウで難しくなったんだろうとも感じる。

「キングダム」の王騎はとても良い。イロイロとツッコミ所ばかりな作品だけど、あのキャラに関しては認めざるを得ない。

オタク界隈では何かとネタキャラになりがちなアニメの団長キャラの中で特にカッコ良く死んだと言われている「進撃の巨人」のエルヴィン団長

「進撃の巨人」はエルヴィン団長は良いけど兵長の方の終盤の展開(死んではいないけど戦闘力低下)はアレだったから同じ作品でも当たり外れがあるのが珍しくないというのを実感する……

理解できるよ。人気キャラがそのハズレになると大炎上する、作品のイメージや評価に対する大きなダメージが発生することになる。

ルルーシュみたいに普段から策に失敗して顔芸付きの醜態を晒しているので負けても格が落ちない、カッコイイ所はカッコイイと感じられるキャラはどうかな?

設定やあらすじを見ると微妙に見えても、実際に作品で見たらなぜか妙にカッコイイ印象になるキャラいるよね
FFのセフィロスも出る度にクラウドにやられてカッコ悪い事になっているのに例のBGMと一緒に出てくるたびにカッコ良さが復活する

強キャラが負ける、死ぬときのあっけなさや無様に関してはキャラがぶれている、強さや特殊能力の設定が崩れているという批判はよく聞くけど設定無視でもカッコイイ印象になってしまうキャラはいるからね。特に最期を上手く描けば印象が良くなる
例えば「Gガンダム」の方の東方不敗は登場からずっとキャラも設定もぶれているしドモンがGガンダムに乗り換える時とか典型的な悪党ムーブしているけど皆の心の中に残っているのは暁に散る師匠だ

「ONE PIECE」の白ひげと書こうとしたが、そういえば今ではやらかし評価が主流になっているエースもリアルタイムで見ている分には感動した人が多かったし話の描き方見せ方というのは重要なんだろうな……

近頃のゴタゴタで更によく名前が出てくるようになった「鬼滅の刃」の縁壱
最強の終わり方、格が落ちない展開として非常に上手い

縁壱はまさに最強のまま負けた、死んだキャラだよね
最近の騒動に関してはこのキャラの記憶がまだ残っている時期だったのも厳しかったように思う

「七つの大罪」のエスカノールは制限付きの作中最強で、最後は命を燃やし尽くして最強のまま退場するというキャラだった。最強のまま死亡退場というのもやれなくはないんだよね。

今回のゴタゴタを見てから改めて自分の記憶を振り返ってみたけど、作品にしろキャラにしろ印象に関しては終わり方がとても大事なのだと実感したよ

それは確かに。
だから強敵として相応しい強さの演出が行われるライバルキャラ、敵の大ボスキャラに「負けているのに格が落ちたと感じられない」ようなキャラが多くいるのだろう。

味方側、特に出番の多いキャラだと積み上げた設定や印象と負け展開の折り合いをつけるのが難しいんだと思う
師匠キャラや強いジジイキャラにそういう問題があまり無いのは出番が少ない、退場前提のキャラとして扱われているからという面もありそうだ



とまぁ、こんな感じで。
ここで名前が挙がっているキャラに関して中国オタク界隈では何かと良い方向で語られることが多いように感じます。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「今では評価が高くなっている死亡退場したキャラも当時の死亡回は中国のファン界隈がかなり荒れて、不満や批判をする人が少なくなかったです。しかし良い死に方をしたキャラは少し経てば落ち着いて評価が上がっていきますし、不満や批判がたくさん出た死に方のキャラは話題の量は減りますし出てくるネタも負の方向ばかりになります」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「少年マンガ作品でたまにメインキャラが死んでもあまり荒れない、人気に影響が出ないように感じられる作品があるけどなぜだろう?」

ありがたいことに近頃の「呪術廻戦」の展開に関するネタのタレコミや質問を複数いただいておりますので今回はそれに関係しそうなネタで。

中国でも「呪術廻戦」や五条悟の人気は非常に高く、日本より遅れてではあるものの配信されているアニメ第二期も人気となっているようですし原作の最新の展開に関しても随時広まっているそうで近頃の展開に関してもイロイロと爆発しているようですし、作品制作背景の考察なども盛り上がっているそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「メインキャラが死んでもあまり荒れなかった作品とその理由」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
(直接的な話は避けているつもりますが、イロイロな作品のネタバレが混じっているので一応お気を付けください)


少年マンガ作品でたまにメインキャラが死んでもあまり荒れない、人気に影響が出ないように感じられる作品があるけどなぜだろう?
例えば少し前の「鬼滅の刃」や「チェンソーマン」と現在五条悟関連で大荒れしている「呪術廻戦」を比べると少し不思議に思える。

いや、リアルタイムだとその辺の作品も人気キャラが死んでそれなりに荒れたよ?さすがに近頃の「呪術廻戦」ほどではなかったけどね。

その辺は死んだのは残念だけど作品として見れば受け入れられたパターンじゃないかな。

キャラ死亡はファンとしてとても残念ではあるが割切れなくはない。割り切れないのはキャラのカッコ良さを維持できない死に方をする場合だ。そっちは荒れる。

近頃は呪術関係の荒れ方で「NARUTO」とかが再評価されているのは笑ってしまうよ!

師匠キャラの在り方としてもキャラの退場としてもまぁ、その……「NARUTO」の連載当時はキャラ死亡ではそこまで荒れなかったが、キャラの扱いではかなり荒れていたんだけどね

「NARUTO」は穢土転生があるし死亡フラグ描写もあったからね。

「ドラゴンボール」のように復活前提の世界観だったり「ONE PIECE」のようにメインストーリーでのキャラ死亡がかなり少ないというケースもあるな
「呪術廻戦」はキャラの扱いも含めて独特な所があったからなあ

「ドラゴンボール」は仙豆やドラゴンボールの万能性があるから逆にキャラを殺せない、絶対的なピンチを演出できなくて困っているけどね
ただ今のあの作品のファンはそういう雑な所や設定の矛盾はスルーして楽しんでいるようだから、ヘンな死亡展開に荒れるかどうかはファン層次第な所もあるかと

同意する。そういう意味でジャンプで連載中の作品はファンがまだ新しいから荒れやすいといった所はある。

鬼滅も呪術もキャラがたくさん死ぬタイプの作品だけど鬼滅の方は批判が少ない、ファン全員から反発というわけではなかったのはなぜなのか……

鬼滅はキャラがぶれてないのでファンは受け入れやすかったんだよ。
それに死ぬ展開で回想をはさむとかある種のパターンが成立していてそれがキャラの深みにもつながっていたからね

今話題の五条悟に関しては最初から出ている最強キャラが最強を自称、他称されるまま話が続いて大人気になってしまったのが珍しいわけだが、それで獲得したファンの希望を作者が必要としなかったということなのかね。

「呪術」はファンの期待通りにいかない展開が続いて不満が爆発したとも言えそう
ファンに予想された話を描きたくないのはともかく、その結果ファンの期待を裏切ってキャラまで崩壊させたらダメなのでは

最近の五条悟に関してはファンが求める五条悟と作者の考える五条悟が乖離していた感もあったけどね。私も最近の展開が面白いとは言えないが、キャラに関しては扱い難い存在になっているとも感じていた。

日本の作品はキャラクター重視で人気を獲得しようとするわけだが、そこでキャラがぶれる、崩壊するのはダメだろう
別に死ぬこと自体はファンもそこまで問題視しないと思うよ

「鬼滅の刃」に関しては敵の方が強い、常に味方が死ぬかもしれない戦いが続いたから死亡も含めてきちんとキャラの扱いが固まっていたのが大きいかな。
だからファンも嘆きはするが批判にはならなかった。振り返ってみると最後の無惨の扱いでちょっと微妙な評価が出たくらいだった気がする。

個人的には五条悟は最初に提示された最強キャラで師匠役で敵を出すにもチート過ぎて……というどこかで死亡退場するのが当然のキャラだと思っていたから今のオタク界隈の荒れ方に驚いている。
荒れるだろうけどまさかここまでとは。

教師で最強キャラというポジションだから死ぬのは皆なんとなく予想していたけど、最強キャラとしても教師キャラとしても仕事せずに2.5条になるという予想を下回る展開で感情の処理が追い付いていない感じだろうか。
私も「ここは俺に任せて先に行け」とやるようなタイプではないとは思っていたけどさあ

封印解除前後での盛り上がりやアニメの第二期の人気を見ても「呪術廻戦」という作品は五条悟の作品なのはハッキリしている。そこで扱いを間違った、期待を下回ったのが大荒れにつながったんだろうな

五条悟は話引っ張った挙句にあれだから不満がついに爆発したという面もあるかな
他の重要キャラを死なせた作品を見ると、死亡フラグの描写に加えて話をどんどん進めているのが分かる

言っては何だが上で出ている鬼滅なんかは敵味方問わずキャラを殺すのが上手かったよね
ジョジョもその印象はあるが第七部の承太郎のような失敗もあるから常に上手くやるのは難しいんだろう

似たようなのだと「BLEACH」の山本元柳斎重國だろうか?
ただあっちはメインキャラではなく作品の空気に加えて設定崩壊というわけでもなかったので、不満は出たが大荒れという感じでもなかったな。ファンもオサレバトルの勝敗には慣れていたし。

やはりキャラの設定、イメージが大幅に崩れたのがいけないんだと思う。
似たような大不評案件だと私は村田版「ワンパンマン」のガロウ編の改変を思い付いた。最強だ無敵だと喧伝され活躍したキャラが敗れるには読者側のイメージを壊さない説得力が必要だ。
これに関しては後付けや説明不足の理由、ぽっと出のキャラなどにより敗れるとかだと今度は世界観が崩壊して人気が落ちるし何かと難しい。

クリエイターには人気を意識した場合のストーリーとキャラの動かし方に関する傾向、向き不向きがあるのでキャラの扱いが自分の期待と違うことになりそうだと感じたら距離を置く方がいい
今の「呪術廻戦」ほどではないけど、私は昔「東京喰種」で似たような失速と荒れ方を経験しているから今回もそういう作者だったんだと諦めた

これは日本の漫画家に限った話ではないが、人気が盛り上がった後にストーリーを収束させる、連載中に追加で考えたストーリーに合わせてキャラを動かすことになったら破綻する、キャラがぶれて面白くなくなる漫画家は珍しくない
長編連載漫画を追いかける際にはダメだと感じたら感情移入し過ぎないようにするのも大切だよ

上でも言われているけど少年マンガ系は新人が多くて作品を追いかけた(そして裏切られた)経験があまり無い人が多いし、五条悟の扱いに関しても諦めきれない人が多かったのでは
そもそも五条悟目当てで作品に入ってきたのが多数だろうしね

呪術のアレに関しては設定からズレているという批判が目に付くけど、実際は設定からズレても面白ければ許容されるんだよ。例えばジョジョだって実は設定と違う、後付けな展開は少なくないわけで。

現在の反応を見た感じでは「呪術廻戦」は五条悟中心で見ている人が多かったということなんだろう。
ただそのキャラが死んだから荒れているわけではなく、死に方がひどかったからこんなに荒れている。

キャラが死ぬのが問題じゃないんだ、キャラがカッコ良く思えなくなるのがダメなんだ。
ここ十数話ほどの大決戦自体がグダグダだった上に最後の展開もアレだから死に方ってものがあるだろうが!という気持ちになるんだよ。

そうなんだよ。私は五条悟のファンだけどまともに死んだなら嘆くけど彼を批判することは無かった。

「進撃の巨人」のエレンも終盤のアレ以降急に語られなくなっていったし、五条悟はどうなるんだろうね。ネタにされるならまだマシだが、記憶を抹消したいキャラ扱いになると本当に話題が消える。

私の推していたこのキャラはこんな死に方や死に際の言動をするキャラじゃない、という反発が出るとまずいんだろうな。
これに関してはファン界隈で同人創作含めて形成されているイメージも加わるので、一概に作者の失敗とは言えないケースもあるが。

作者の過去作品、或いはその作品のストーリーやキャラの扱い、描き方を見るとそういうのを期待できるかどうか分かってしまう所はある。
でもそれで諦められる、受け入れられるファンばかりじゃないんだよね……



とまぁ、こんな感じで。
今回は比較的落ち着いている所からピックアップしたものになりますが、現在も何かと荒れているようです。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国ではネット小説などで人気と課金を得るため或いは通報を避けるためにファンの意見を受け入れることが多いですし、ファンの期待を無視できる作家は珍しいと思います。中国のファンはそういう環境で過ごしてきたので、日本の作品を追いかける時も心の底では作者が人気と需要を裏切ることは無いだろう、自分の描きたいものを描いて読者の期待を切り捨てることは無いだろうという考えになっている人が多いです」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「二次元の勇者は世界を救った後に王にならないことが多いけど、なぜだろう?魔王を倒して救った国の王になるというのも定番の展開だと思うのだけど……」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

日本のファンタジー作品に出てくる「勇者」について中国オタク界隈では何かと話題になっているそうですが、そういった話題の中には勇者という存在の扱いに関する分析や討論もあるのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「勇者は世界を救った後に王になるものなのか?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


友達と話していて出てきたネタなんだが、二次元の勇者は世界を救った後に王にならないことが多いけど、なぜだろう?魔王を倒して救った国の王になるというのも定番の展開だと思うのだけど……

確かにJRPGだとそういうの珍しいね。王子が主人公でもすぐに国王と言うのは珍しい。
例えば「ファイアーエムブレム」のマルスも一回世界を救っただけでは国王になってない。

一般的な日本のファンタジー作品の舞台設定だと王子なら主人公キャラとして動かしやすいけど王だと扱いが難しいというのもあるかと。
政治もやらないといけないし、そもそも国の統治を放り出して少人数で戦いに行く国王というのはいくらファンタジー世界観であっても現実的ではない。

日本のラノベは魔王を倒した、世界を救った勇者の扱いに関しては各方向の解釈によるテンプレが出ている
近年の作品で多い勇者を悪役解釈するパターンもその一つだけど、勇者が国王になるパターンはあまり無いか……

言われてみれば悪役側な勇者が国の実権握ろうとする展開は珍しくないが、すぐに国王になろうというのは実はそんなに多くないかも……
勇者が「王になる」なら王国側への復讐で結果として魔王になるみたいな展開の方が多いかも?

私もその傾向は感じる。
王女NTR展開で国を牛耳ろうみたいなのや、汚職で好き放題みたいなのはあっても自分が国王になって統治まで好き勝手にというのは珍しい。

伝統的な流れだと勇者は王女と結婚して次の代の国王になるとかじゃないか?勇者がそのまま国王になる展開はちょっと無理がある。戦記物で国を建てるとかではないのだから。

国王側も褒美としての地位を与えるならともかく自分の権力を積極的に移譲する理由が無いし王女と結婚させて取り込むならともかく、勇者に禅譲する展開はあまり現実的ではない。
勇者の出番になる「魔王の出現で国が危機に陥る」展開は王朝が崩壊して乱世になるのとは違う。

むしろ国王側としては用済みになった勇者を始末する方向に行きそうだよな。そっちのテンプレ展開も珍しくない。

日本ファンタジーの根幹な「ドラゴンクエスト」だとどうなの?
勇者が国王になる作品ってどれくらいあるの?

「ドラゴンクエスト」は大体がそのパターンだよ。
主人公は大体が冒険の中で王侯貴族の血統であったことが判明する。ただ国王になるタイミングは勇者として魔王(ラスボス)を倒した後ではなく途中のイベントで王の身分になる、或いは将来的に王位継承することが確定する展開もある。
中には「4」のように最後まで主人公は悲惨でリメイク版では更に仇のボス敵の方が幸せになるような作品もあるけどね。

日本のファンタジー作品に出てくる勇者の起源である「ドラゴンクエスト」には色んな王が出てくるけど主人公は大体がそれより上の血統、皇室血統的な存在だから王になる魅力はそこまで大きくないのだろう

いや、「ドラゴンクエスト」は「1」の時点で王になるのを勇者が断って旅に出ているから「魔王を倒した勇者が国王になるのを断る」のが定番というシリーズだよ。
ストーリーの都合で「2」では3つの王家が作られているけど、基本的には勇者血統(勇者の装備を使える)はあるが勇者が国王になるという展開ではないね。王になるのは元々王になる責任(血統)がある主人公であって勇者が王になるわけではない。

ドラクエシリーズの仲間の中には王になる義務を放り出して消える王子とかもいる(もちろん陥れられた後に復帰して王になる仲間もいる)
伝統的にあまり王は重視されていない、ありがたいものではない扱いなのかも

有名な「5」もあれは元々主人公の父親が元国王で主人公と結婚した相手が勇者の血統だから息子が勇者になったという話だからな。魔王を倒した勇者が王様になる展開ではない。

こういうのは世界観の設定の他に勇者の戦闘力の設定もあるから一概に「王になるだけの力がある」とは言えない。
例えば「ドラゴンクエスト」だと勇者は強いけど一人で世界征服できるほどではないし魔力もそこそこなので軍を制圧できるわけでもないレベルだ

作品によっては勇者を見つける神のお告げや設備があるのは宗教側なので、勇者は宗教方面から支持されている存在ということもある。そういう設定だと国王になるのは難しそう。

なるほど……日本は伝統的に軍事政権な地域なのに、創作では勇者中心なある種の軍事政権の方にいかないのは興味深いと感じていたがイロイロとあるんだな

勇者に関して日本の歴史ベースで考えていくと王家、統治機構自体は残っているからその中での出世、例えば大名家内での出世で終わるという解釈もできる。
日本の歴史上でも実は下剋上をする時でも何らかの名分は必要なので、いきなり国王に成り代わるというのは難しい。

日本で幕府を作る場合は源氏の血統が必要だから徳川家康は血統を捏造しているし豊臣秀吉に血統が無いのは捏造する時間が無かった結果でもある
そういう背景があるので日本の作品では平民出身の勇者或いは異世界召喚されて血統不明な勇者が国王になる展開は説得力が出ないのだと思う

そもそも勇者の動機として王になりたいから世界を救うわけではないし、王女と結婚が確定しているので急いで国王になる必要が無いという場合もあるだろう
勇者をやる時点でなんらかの奉仕精神みたいなのはあるだろうし、そういうのが無ければ逆にあっさり魔王側に付く方が現実的みたいなキャラになってしまうわけで。

日本の作品のヒーローって無私の奉仕が正しい姿とされがちで女や金の報酬と言うのも強調されないし、地位についても積極的に求めるタイプは勇者にならないという見方もできそうだな。
もちろん変則的な作品、ダークな解釈をする作品の場合はその限りではないけれど。

国を救った勇者が国王になるという話に関してはJRPG世界観だと「ロードス島戦記」の傭兵王カシューが該当するかな。
ただ王になった後は政務に忙殺されているし国内は部族対立が激しいし戦場にカシューが出ないと軍の強さはイマイチだし、第二次邪神戦争が起こってマーモの領土維持も難しくなり結局二代目主人公のスパークに与えて独立させることになったので俺TUEEEEEな勇者のその後としては……

カシューは最初から「王になる」という目的でロードス島に来た(しかもその時点でいわゆるレベルMAXで最強装備に財宝も持ち込み)キャラだし風の部族の族長になってからフレイムを建国したのでいわゆる国王に承認された勇者が次の国王になるのとは微妙に違う所もある。
ロードス島戦記だとたぶん王女を救いその王女と結婚してヴァリス国王になったエトの方がイメージとしては近いかな。(こっちは宗教混じりではあるが)

「ロードス島戦記」関連だと世界観を共有する「魔法戦士リウイ」の舞台のオーファンが勇者(ドラゴンスレイヤー)が国王になった国だな。
これはドラゴンスレイヤーが亡国の王女を娶って建国、仲間の魔術師と神官(その世界ではトップクラスの能力)が政治や宗教を担当したという設定。だから「魔法戦士リウイ」は勇者の息子の話という見方も可能な作品だ。

設定方面から考えるとファンタジー世界であっても勇者が国王になって過去の統治システムや人材を流用できるわけじゃない。
勇者は家臣団を抱えている封建領主でもないから国王になるのが得になると思えないんじゃないか?

設定を真面目に考え出すと国王やるのはそんなに簡単なものじゃない、楽しいものでも無いと思えてくるんだよね……

ラノベやJRPGの対象となる世代を相手にするなら童話的な国王を出して終わりというわけにはいかない。
だから国王で成功することの難しさも意識されることになるし、魔王倒したから国王も上手くいくとはならないのだろう。

玉璽を持っていれば皇帝になれるわけではない、政治の経験が無い人間がトップに立って上手くやれるわけではない。
そっちのチートも持っているとかチートな仲間や部下がいるとかでなければ魔王を倒すようには活躍できないという考えになるよ。

俺TUEEEEEな勇者が一国を自分の武力で支配すること自体は難しくないだろうけど長期的に国家を運営するのは難しい。
軍事だけでなく内政や外交もやらないといけないし、仕事を投げる部下、将軍や貴族や教会等の宗教勢力等との関係もある。統治の根拠となる軍事力だって国王が常に戦場に出て全軍率いてまわるわけにもないかないからチートがあっても楽じゃない。

そういう考えになるよね。
そのまま国に定住するなら適当な地方領主で好き勝手するくらいが良いのかな?統治の難しさも下がるわけだし、好きにやれることもそれなりにあるだろうから。

ファンタジー世界、西洋封建社会ベースの場合は血統がなければ国王になるのは難しいので、王女と結婚するなどの手続きを踏まないとダメだろう
ただ国王に統治能力、政治力が絶対に必要というわけではない。部下に任せてあまり暴走しなければ最強の武力として君臨するというのも一つのやり方だ。

魔王やドラゴンなどの圧倒的な武力に対処する方法がないだけで、たぶん一般的にイメージされているほどファンタジーの国王は無能ではない。
もちろん極端に無能で腐敗した国、或いは勇者的なキャラを奴隷のように酷使するヒドイ国王や家臣と言うパターンもあるけど、そういう国だとそもそも国王になる意味ないからね。

勇者(とそれに感情移入する読者)からしてみれば魔王を倒した後は美女と金だけもらって楽しい生活送りたいということなのでは?日本の作品のチート主人公って自分の周囲の環境と人間関係維持の方を強化したがる、覇王になる気はないというのが多いように見えるしね。

まぁファンタジー世界の国王って中国の皇帝とは違うし、そこまで良いものでも絶対的なものでもないだろうからね。魔王倒した報酬として考えたらあまり魅力はない。
それに魔王倒したら国内復興を始めないといけないから仕事は山積み。

そもそも日本の作品のヒーローって日常への回帰、日常の維持が主な目的だし国王になるとその目的が果たせなくなるから作品のエンディングにするのは合わないのでは……

「国王になる」というのは分かりやすい報酬として出て来るだけで中国の作品だってそんなに皇帝になりたいわけではないだろう
なれるなら皇帝より更に上の存在になりたい

武侠でいくら強くなってもモンゴルには勝てないし、世界を自由にできるようなレベルの上位存在になるしかないんだよね……



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の見方も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「日本ではDQの主人公のイメージはどうなっているのでしょうか?私が以前聞いた話ではDQの主人公は特別なキャラクター性や背景設定が薄い、プレイヤーが自分を投影しやすいキャラだということでしたが、実際は特別な血統、王家の人間という設定も多く普通に主人公補正、特別な主人公としての設定を持っているように見えるのですが」
などといった話もありました。

中国オタク界隈における勇者ネタの扱いを追いかけていくとドラクエ関連の話題にもぶつかりますし、現在の中国オタク界隈におけるドラクエの認識などについてもどこかで調べてみたいですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「サイバーパンク系の作品では妙な魔改造日本要素が混じっていることが多いように感じるんだが何故なのか?詳しい人いたら教えてくれ!」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

近頃の中国オタク界隈ではサイバーパンクがマニア層を中心にかなり注目されるジャンル、要素となっているそうでジャンル全体についての話題や考察も増えているのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「サイバーパンク作品に妙な日本要素が出てくる理由」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


サイバーパンク系の作品では妙な魔改造日本要素が混じっていることが多いように感じるんだが何故なのか?詳しい人いたら教えてくれ!

元ネタ、影響を受けた作品がそうだったからだよ。ジャンルの支持者がそういう要素を求める、作家も人気になって稼げるからそっちの方向が量産されて定着した。

精神的に元になった作品は幾つかあるけどサイバーパンクのジャンル的な流行は概ね「ブレードランナー」から始まった。

「ブレードランナー」には日本的な要素大して無いし、主な影響は「攻殻機動隊」からだろ。

1982年の映画版「ブレードランナー」をきちんと見てないな?
あれに出てくるヘンな日本風の店や広告、謎の日本語に注目すれば影響についてはなんとなく分かるぞ

ああいう日本ネタに関してはサイバーパンクが成立した時期による所が大きい
1980年代に成立したジャンルだから、バブル景気真っ盛りの日本の影響も大きいんだよ

当時の鬱屈したアメリカ社会の影響でサイバーパンクが生まれて、その鬱屈した空気の外部要因の一つがバブル景気の日本だから妙な存在感のある怪しい存在になっているんだよ。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」にもある通り、サイバーパンク系世界の日本の首都はチバシティだしな!

「ブレードランナー」は映画の美術関係で日本と香港をかなりぶち込んだ結果、サイバーパンクのビジュアル的イメージがそれで確定した。
そして商業的な発展に関して、ビジュアル的なイメージの影響はとても大きかったということだ。

言ってみればジャンル成立時点の作品に含まれていた要素だね。サイバーパンク的な解釈の日本要素って。だからその後の作品への影響も大きい。

ついでに聞きたいんだけど私はサイバーパンクの日本関係ネタもだけど、香港関係のネタというのが実はよく分からない
日本のバブル景気については何となく分かるんだが

その辺は当時の香港の街並み、特に九龍城だな
九龍城の混沌とした貧民窟とサイバーパンクのSFで希望が無い世界観と合わさって独特な下層階級のたまり場が定番の舞台として定着した

サイバーパンクが成立した時代は日本の経済発展が世界的に脅威と見なされていた時代だし、日本の芸術家の世界的な活動が増えていた時代でもあったからクリエイターへの影響も大きかった。だから日本要素も増えた。

でも実際の所「ブレードランナー」は日本要素よりも香港要素の方が多い。でも香港は衰退していったから最近の作品には出てこなくなった。

映画版「ブレードランナー」の街並みに関しては当時の日本の歌舞伎町もかなり混じっている。
つまり「龍が如く」をベースにSFを作ればサイバーパンクっぽい何かが出る可能性も?

だから「ニンジャスレイヤー」はあんな内容だけど個別の要素や世界観を分析していくとわりと正統派なサイバーパンクという解釈もできるんだよね……
サイバーパンクの香港ネタは時代の変化に伴って使われなくなっていったけど、魔改造日本ネタは日本で再生産されるし昔より二次元の存在感が増しているから扱いやすくなっているというのもあるんじゃないかな

上で言われている日本ネタの多さに関しては「攻殻機動隊」の影響も間違いではないと思う。あの作品は比較的容易なサイバーパンクの入り口として機能し続けた。

「イノセンス」の「傀儡謡」の各種要素のサイバーパンク的な融合ぶりとかスゴイよね
日本のメインカルチャーだけでなくサブカル的なものも混ざり、更に改造が入るのがサイバーパンクの特徴だ。

サイバーパンクでのヘンな日本要素ネタを日本人が更にネタにしてサイバーパンク系の作品が作られたりするのを見ると不思議な気分になる
ああいうのはどこまで本気でやっているのだろうか……

日本では外国の作品にヘンな日本が出てくると普通にネタとして喜ぶらしいよ
侮辱ネタではない、勘違いや伝言ゲームで歪んだ日本描写を楽しむし「ニンジャスレイヤー」みたいな作品だって作ってしまうと

当時の東洋のイメージを混ぜて尖らせたのがサイバーパンクの街並み。サイバーパンクには中国要素もかなり混ざっているけど、あれは大体香港から来ていて前世紀の香港の社会的な影響に加えて香港映画などのコンテンツ的な影響でもある。

近年のサイバーパンク作品では簡体字の看板が出ていたりするけど、街並みや雰囲気のベースはやはり南方だと感じられるんだよな。

サイバーパンクが出てきた80年代のアメリカでは日本や香港が不思議な国、都市と言う扱いだったからあの独特な世界観が成立したのだよ。

あの時代の日本はバブル景気と合わせて独自の不思議な異文化という扱いで適度に歪んだ情報が流れていたというのが創作において良かったという話を見たことがある。

世界を牛耳る大企業に関して日系企業っぽい名前が多いのもバブル経済真っ最中の日本が世界の富を集めるのではというイメージから来ているからな。あの当時もある意味では凄い時代だったのだろう……

サイバーパンクにおける日本要素や中国要素については、前世紀の終わり頃はアジアにSF的な意味で未来的なものを求める風潮があったという背景も影響している。
それに日本や香港の高度な繁栄とその影での抑圧、極度な効率化や密集化、先進的な技術と経済的な支配といったサイバーパンクの特徴というか美学というかに合致していたというのもある。

1980年代頃は日本の全盛期だったから、当時のカルチャーも日本の影響抜きには語れない。現代の二次元作品などによる文化的な影響とはまた違う、大きな存在だった……らしい

今ではちょっと想像し難い流れかもしれないが、1980年代の資本主義世界では日本のグローバル企業がアメリカにとって脅威だとされていたし、文化的な面でも黒澤明の作品や忍者、武士といった日本文化のアイコンなど脅威と一緒に文化もかなり伝わって、それが当時のアメリカのコンテンツのネタにもなった。

今だから言うけど、ウチの国が経済的に伸びまくって世界的に影響力があるように思えた頃はサイバーパンクにおける日本のような扱いをされるジャンルが出るんじゃないかと考えていたんだよね……

いや、それは無理だったと思う。日本社会では外国の雑な日本観が出てくる外国作品を楽しむ人間が少なくないけど、こっちだと雑な描写や曲解で突き進んだ描写を「正しい中国」「正しい中国文化」ではない、中国の扱いが悪いとその国のプラットフォームまで行って抗議するから

もっと昔であれば中国でもそういうのをネタにする余裕はあった気がする。
だが近頃は国内で政府機関が関わった「公式監修作品」でさえ中国を侮辱しているとかなんとかで炎上するから、外国に伝わったイメージで外国人が作る世界観における中国は受け入れられないだろうな……

確かに。例えばサイバーパンクの中国要素としては文化的なものだけでなく、都市に極端な階層が存在して当時の香港モチーフにした繁栄の裏側に下層階級の吹き溜まり、貧民窟が存在するという世界観もある。
ああいう歪んだ下層階級の描写も現在の「中国要素」に対する要求では厳しいだろうね。

あと上でも言われているように理解できなくはない、想像できる範囲くらいでの「不思議な異文化」といった部分も必要なんだと思う。
今の中国人が世界に宣伝したいのって強国な中国であって中国文化の面白さじゃないからね。そして強国な部分も物質的な部分は現代西洋文化ベースだから世界的な感覚でいえば目新しいものではない。

そういう方向で考えると日本は忍者や武士がほぼフリー素材と化しているけど、こっちは武侠が全然広まらないし外国のクリエイターにとっては世界観含めて使いやすい素材が少ないのかね。

忍者や武士もサイバーパンク的にはわりと重要な要素だからな……裏組織の実行部隊が忍者みたいなのは結構ありそうなイメージだが、サイバーパンクの中国系裏組織は武侠ではなくそのまま香港マフィアになるからキャラとして弱いのかもしれない。



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の認識も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「私は日本人が外国の作品に出てくる間違った自国文化の描写に関して、どこまでネタで楽しんでいるのかよく分からないです。日本人に対してそういう話題の質問をして怒らないかという不安もあるので、ずっと確認できないままです……」
などといった話もありました。

考えてみれば、近頃の空気だと日本の作品でも謎中国要素に関してはかなり使い難くなっているような気がしますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本の二次元作品でたまに出てくるYMCAという歌とダンスが気になる」

中国で新学年が始まり政治的なイベントも続くこの時期は毎年ブログのネタが枯渇しがちですが、今年は更に微妙な空気になっているという話が聞こえてきます……そんな中でもありがたいことにネタのタレコミをいただいたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では日本の作品に出てくる昔の日本の流行ネタに関する話題や考察が盛り上がることもあるそうですが、中には中国国内でも流行していたものもあり思わぬ方向に話が進むこともあるのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本の作品に出てくるYMCA」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の二次元作品でたまに出てくるYMCAという歌とダンスが気になる。全然違う作品、実写作品でも同じメロディやダンスが出てくるんだけど……

あれは前世紀の流行歌だな
二次元で使われるのはあの歌の流行を体験した世代が現在の作り手になっているとか、昔の一般社会を描写するための演出といった事情がある

あの歌はアメリカのVillage Peopleの歌で、世界中でカバーされている。日本でも日本語カバー版が大ヒットしているので、二次元ではなく日本社会全体で通用するネタになっているはずだ。

かなり昔の歌だけど、現代でも何かと歌われている歌だ。
作品内で使われる場合は「時代を代表する歌」としての意味での演出が多いな。

ちょっと調べてみたが、これは良い歌だね。

自分の中ではトランプの入場曲というイメージが強い
二次元で使われるレベルの、昔大人気だった流行歌というのも知ってはいるんだけど。

ディスコが流行っていた時代の曲だっけ?

歌詞を知らずに普通に聴く分には、古いけどシンプルで盛り上がれる良い歌に思えるよね。歌詞や背景を知らなければ。

元はアメリカのゲイをテーマにしたグループの歌なんだけど、大人気になった結果界隈を飛び出して80年代を代表する流行歌の一つになった。
当時の日本社会もその流行の影響を受けているから「クレヨンしんちゃん」なんかにも出てくるわけだな。

そうなんだよ。歌っているグループに関する背景や文化事情を知らなければ、若者を励ます歌にしか思えないという……

ゲイなの?私は宗教的な歌だと聞いた覚えがあるんだけど

そのどっちもあるし、更に言えばYMCA(キリスト教青年会)の経営する宿泊施設の広告という意味もある。
ただ流行っているうちにそういった背景部分は意識されなくなっていったようで日本の作品に出てくる時は80年代の大ヒット曲くらいの扱いとなっている。以前日本時に聞いた話では日本人なら大体カラオケで歌える、合わせられるレベルだとか。

この歌が時代を超えて歌われるというのは何となく理解できるね
サビのYMCAが分かりやすくのれる所なのが特に良さそう

俺の聴いてるJPOPリストに普通にYMCAは入ってる

個人的にはアメリカでトランプが使ってその後ゴタゴタした歌だというイメージもある
とりあえず時代を超えた、現代でも人気の高い歌なのは間違いないのだろう

日本では西城秀樹が「YOUNG MAN (Y.M.C.A.) 」というタイトルでカバーして大ヒットしている。西城秀樹はカバー曲をいろいろと歌っているがどれも独特で面白い。カバー曲で紅白に出たこともあるのも納得できる。

西城秀樹は当時の日本の国民的アイドルの一人だから、日本のアイドル全盛期、近年のジャニーズ系の前のアイドルの象徴と言う意味で使われることもあるね。

個人的にはホテル・カリフォルニアとかと一緒に記憶している歌かなあ
歌詞をあまり理解していなかったのも含めて

私は中国語版も聴いたことがあるけどうろ覚えだ……香港か台湾のだった可能性もある……

こっちのTVの歌番組でかかったこともあるよ。私は「YMCA」という名前では分からなかったが、探して聴いて見たら一時期かなり耳に入ってきていた記憶にある歌だった。

俺の学校の運動の時間にこの歌が流れていた。その後オタクになってから日本の運動会とかでも定番の歌だと知ってちょっとテンションあがったね。
背景に関しては当時皆気にしてなかったので知ってからも「そういう背景もあるのか」くらいだな。アメリカや日本での扱いを見ても普通に当時の代表的な流行歌っぽい扱いだと感じられるしね。

香港のマンガにこの歌のネタあったね。
二次元以外で他に私が覚えていこの歌がネタにされている作品は「ミニオンズ」とかかな。

近年の中国国内では「ミニオンズ」とトランプ関係でネタになったことの影響が大きい気がする。聴けば「なんだかテンションの上がる歌」ということで記憶に残る歌だからね!

トランプでも有名になったし最近は香港マンガの「海虎」でネタとして妙に広まっているから、一部のオタクに限って言えばこの歌が「また流行っている」とも言える

香港マンガの「海虎」の方はこの歌と一緒にゲイ4人組が出てきて凌辱するというネタだから、そっちから入ると昔の人気や扱われ方は分からなくなるかもしれない。

自分がそうだ。元ネタがゲイ賛美の歌だから今の国内で扱うのは少し躊躇してしまう。日本社会のように大流行したわけではないし。

日本については分からないけど、国内でも大人気だったときはあるよ。
今のネットだとコラ画像の元ネタ扱いになっちゃってるけど、大人気だった名曲だからネタになったという面はあるはずだ。

ウチの国でも70年代生まれで都市部にいたならほぼ聴いたことがあるレベルだとは思う。ただ国内は流行の変化が激しい上に昔の歌の記憶はあまり受け継がれない。
その結果、ネタだけが生き残ることになったのかも。

ウチの国で人気になったことはあるし、今聴いても良い感じな歌だ。でも関連する背景が連想されてしまってちょっと微妙な気分になるのも確かだ。

こっちだと一般人の間ではゲイネタでからかわれるし、社会的には同性愛は批判されるものだからね
正直に言えば俺もネタでキャラの関係をBL扱いするのはともかく自分からBLネタを使っていくのはちょっと……

これって色んな意味で昔の、情報が少ない時代だったから流行った歌じゃないかな?
カバーされる際に何かと情報が抜け落ちて、一般的な大流行曲になっていった所もあるだろうから

例えるなら、日本の18禁作品がウチの国に入った時点でネットで一律galgameになって日本と違って外国文化枠になるようなものなのかもね

確かに現代の情報から先に入ると「歌って良いの?」みたいな気分になるなあ。

いい歌なのは間違いない
だが同時に俺はネットの発達と情報化社会の弊害というものを強く実感している。最初に歌の方を好きになっていたならば、流行を体験できていたならば割り切れたんだろうな……



とまぁ、こんな感じで。
中国国内の事情も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「この歌は現在の中国では香港のマンガのゲイネタ及びそれを素材にしたコラ画像経由で広まった部分も大きいので、現在の中国オタク界隈におけるイメージはかなりゲイ寄りなものになっています」

「昔中国で人気になったこともありますし、中国のオタクで上の世代の人間であればどこかで聴いたことがある歌ではないかと思います。ただ若い世代が聴く機会はあまり無いでしょうね」

などといった話もありました。

この歌に限らず若い世代が昔の流行を知る機会や付属する情報によって形成されるイメージなどについても、中国独自の事情というのはありそうですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「ゴジラとウルトラマンどっちが強いの?特撮ファンの認識を教えて欲しい」

今年の夏を連続稼働で支えてくれた部屋のエアコンが壊れて修理よりも買い替えの方が良さそうだということになり、気分的にガッカリ懐的にかなりガックリな状態です。十数年使っていたエアコンですし今年の夏と仕事のピークの時に壊れなかっただけ御の字でしょうかね……

それはさておき、ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。
近頃の中国オタク界隈では日本の特撮作品の存在感が増しており、ウルトラマンや仮面ライダーといった中国で知名度の高い作品以外の作品にも目が行くようになっているそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「ゴジラとウルトラマンはどっちが強いのか?ファンの認識はどうなのか?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ゴジラとウルトラマンどっちが強いの?敏感な問題なのは何となく分かるが、特撮ファンの認識を教えて欲しい
例えばゴジラってウルトラマンに敵として出たらどれくらいのレベルになりそうなどといった話も知りたい

分かりやすく答えるのが難しい、精神的に答えを出すのも難しい問題を……

そもそもこの質問を特撮ファンにしても良いのだろうか?
考えないことにしている問題では?

日本だとめんどくさいことになるのかもしれないが、こっちだと別に敏感という程ではないと思う。
中国にゴジラファンはそんなにいないし、討論する際のウルトラマンファンがどういうタイプかになるかな?

ゴジラはさすがに普通の怪獣よりは強いだろうけど、例えばゼットンより強いかと言われると厳しいな
特殊能力持ちの怪獣や特別な強さの設定をされているのと比べるとさすがにね

ウルトラマン界隈は昔から強さ比較大好きだからめんどくさいことになる可能性は否定できない。
ある程度評価やイメージの固まっている所にゴジラを入れるのを嫌がる人はいるかと。日本の特撮、円谷ではあるがある意味では「異物」でもあるから。

「シンギュラポイント」のゴジラはかなりヤバイけど……それ以外のゴジラだと、ウルトラマンではシリーズの中ボス行けばいい方くらい?

ゴジラは作品の構成上自衛隊を圧倒できれば良い、怪獣同士の戦闘も基本は格闘戦なので対光の巨人は想定していない性能だと思います!

「どっちが強い」というのは解釈の問題になりがちだし明確な答えを出すのは困難だ。
それに国内の特撮ファンからはあまり意識されていないようだが、ウルトラマンに個体差があるようにゴジラだって作品が違えば強さが異なる。
例えば通常兵器で死ぬアメリカのマグロ食ってるようなゴジラを例にして強さ比較しても皆納得しないはず。

ゴジラも後の方になると「無限」だとか「成長し続ける」だとかの要素が出るからね。そうなると解釈次第で強くも弱くもできる

「FINAL WARS」だとゴジラは出てくる怪獣ほぼ秒殺、ボス怪獣を熱戦で宇宙空間まで打ち上げて爆破してるし描写的にはTV版のウルトラマン超えてそうな個体もいる。恐らく中国の特撮好きの間の一般的なイメージよりもゴジラは強い。
ただこのレベルでも新しい方のウルトラマンだと厳しいかな?

現在の設定では昭和ウルトラマンもかなり強くなってるよ。劇中の描写からの能力解釈も積み上がっているしね。
ただ私は設定が盛られているはずのゾフィーがゴジラに勝てるビジョンがなぜか思い浮かばない!

ウルトラマンは設定だと宇宙規模、地球が壊れるレベルのが普通にいるからゴジラの方が強いと判断するのは厳しい。
ただ演出の方で見ていくと、同時代の作品であれば劇場版中心になるゴジラの方が強そうに感じられたりする。大事なのはやはり予算なのかもしれない……!

でも近年の特殊効果が派手な作品だとウルトラマンの方が見栄えが良いし、ゴジラはちょっと厳しいと感じてしまう。

言っては何だが、ゴジラは最強級の幾つかを除けばウルトラマンに出てくる1話で登場終了な怪獣くらいでは?自衛隊相手ならともかく、ウルトラマン相手では通用しない。

作品の関係上ゴジラは通常兵器が完全に無効ではない、何かしら痛みやダメージはあるような描写になっているから防御力はそんなに高くなさそうだし、そこを解釈するとウルトラマンの方が強そうだとは思うが……

ゴジラは個体差や作品ごとの描写を考えると、ウルトラマンではシリーズボス級〜野生の怪獣くらいの範囲になると思う。

その意見に同意する。
弱いというか、雑な作りの作品の時はウルトラマンの話に出てきて倒されるその他大勢の怪獣レベルにまで下がりそうだ

ゴジラは魚食ってる弱いのからマルチバースレベルのトンデモなのまでいるからな……その辺の知識があまり広まっていないのもあってか、強さ談義をするならまず認識のすり合わせが必要になる

設定の方で考えるとゴジラは約300mに対してウルトラマンは約40mだから体系だけで圧倒できそうな気がしないでもない
まぁウルトラマンの方も設定だけなら身長0から無限までいけるのはいるが。

ウルトラマンだと巨大怪獣ほどヒドイ死亡演出になるというお約束が……

初期のゴジラの身長は50mだからウルトラマンとそんなに変わらないよ
時代が進んで高層建築が増えた結果、ゴジラの身長は盛られていった。
(ちなみに着ぐるみも人間が入る以上、大きさとしてはそう変わらない)

大体皆のイメージ通りウルトラマンの方が強いという認識で良いと思うよ
最初のシリーズの時点でウルトラマンがゴジラの着ぐるみを倒しているからな!

エリマキ付きゴジラなジラースか他にもゴメスとか着ぐるみネタで考えるとウルトラマン有利かもしれんな

歴史的な地位があるからゴジラは大ボス扱いになるだろうと思っていたんだが、着ぐるみとは言えそんな扱いなのか……

円谷の着ぐるみ管理はわりと雑。
それに特撮は金がかかる、予算の問題が常について回るジャンルだから着ぐるみの使いまわしや改造は珍しくないという事情がある。

それでもゴジラのIPとしての扱いは別格だろう。
設定だけなら確かにゴジラはウルトラマンと比べたら見劣りするけど、作品に出たらそれなり以上の扱いになるはずだよ。IPも東宝が持っているからハッキリと劣った扱いになることは無い。

制作サイドの話を持ち出すとキリがないぞ
どの個体を比べるかはさておき、とりあえず初代同士を比べたらウルトラマンが強いのはまちがいないだろう

バトル要素のある作品は同ジャンルにおいては強さがインフレし続けるものなので、後発作品有利になるのでウルトラマン有利になるのは当然かもしれない

真面目に強さを考えるならウルトラマン側によく出てくるバリアなどの特殊能力をどう解釈するか、ゴジラの防御力をどう解釈するかだね。特殊能力が普通に有効だとゴジラがウルトラマンに対抗するのは厳しいが、ゴジラの防御が高い場合は逆にウルトラマン側が厳しくなる。

ゴジラに関しては「シンギュラリティ」が強過ぎるので強さくらべは逆に難しくなった気がする。あの突然の強さはどこから湧いてきたのやら。

設定上の強さを万全に発揮できるならウルトラマンの方が強い(シンギュラリティのゴジラを除く)
しかし特撮作品は概ねその作品における主役補正、玩具市場補正がかかるのでウルトラマンがゴジラより強くなれる場面は我々が思っているよりも少ないのではないだろうか?



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈のイメージを含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国オタク界隈で特撮が人気になり真面目に見て語る人が増えたのは最近の話になります。そのため中国では平成ゴジラはほぼ知られておらず、ゴジラが時代に合わせて強くなっているイメージはあまり無かったです。しかし先日のアニメ版で急に神レベルの強さを発揮し少なくない数の人が衝撃を受けました」
などといった話もありました。

近年の中国オタク界隈ではウルトラマン、仮面ライダーなどの特撮を追いかけて語る人が増えていますし、そこから更に日本の特撮全般の話題も増えていると聞くので特撮関係に関しても現代中国独自の事情が増えていくのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「シン・ゴジラが人気になり過ぎるのが不安。庵野秀明がエヴァに戻って来なくなるのではと……」

中国オタク「エヴァのアスカが大人気だった理由が私には分からない。当時の人気の理由を知っている人がいたら教えてもらえないだろうか?」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈は日本よりもかなり速いペースで環境の変化や世代交代が進んだこともあってか、日本と比べて更に世代間の断絶が大きいという話があります。
一昔前の人気作品や人気キャラに関しても知識や感覚が共有されていない所があるそうですし、中国オタク界隈ではそれなりの頻度で「なぜこの作品或いはキャラが人気だったのか」という話題が出てくるそうです。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「エヴァのアスカが人気だった理由」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


エヴァのアスカが大人気だった理由が私には分からない。当時の人気の理由を知っている人がいたら教えてもらえないだろうか?
レイやカヲルが人気だった理由はなんとなく理解できるけど、アスカに関してはどうして人気になったのかが分からないんだ……主人公を罵るばかりのキャラがどうして好まれたの?

当時はそういうのが普通だったというか……暴力ヒロインが人気だった時代だし

アスカに関してはエヴァの操縦の時は見下してきて、宿舎でも圧迫しまくり
シンジが内向的だと言っても見ていて良い気分じゃないよな

うーむ……当時大人気だったのは間違いないし自分も好きなキャラだったはずなんだが、今の感覚でしっかり作品を見ると、なぜアスカが好きだったのか分からなくなった所はあるかな……

アスカは日本のアニメ史上とても珍しい、優れたキャラ造形のキャラだから人気が高くなるのは当然だ。ちゃんと作品を見て調べてみると理解できるはず。

昔のエヴァのテーマ的にレイもミサトも母親、疑似家族的な位置なのでヒロインとしての感情移入が難しい所があった。アスカはエヴァの中では「もう一人のシンジ」的な欠けた所のあるキャラでもあったからシンジとのカップリングがしっくりくる人が多かったんだよ。
まぁその後庵野秀明の女性観が変わったのか、シンジの味方になりパイロットとしても優秀な新ヒロインのマリが出てきてくっつくのは無くなってしまったけどね!

TV版〜旧劇場版では分かりやすくヒロイン扱いできるのがアスカだったから……
強気で傲慢な所と脆さによる今で言う所のギャップ萌え?あとは交流を拒絶して戦うことを押し付けてくる大人ばかりの中で、現場でシンジと愛憎混じった気持ちのやり取りがあるのも感情移入の理由になった

アスカは扱いがマシと聞くTV版を見ても罵倒するだけでなくいきなりシンジを追い出そうとするし、印象無茶苦茶悪いんですけど!

あれはイベントの一種というか当時の感覚だとそこまでヒドイわけではないんだよ。その後のイベントで距離は縮まるわけだしね。
最初の攻撃に関しても、昔の定番だったラッキースケベからの暴力だ。エヴァは時代を変えた作品ではあるが内容に関しては当然ながら昔のまま或いは過渡期的な部分も少なくない。

アスカは愛に餓えたツンデレ美少女だから人気になるのも当然だと思うのだが、今はそうでもないのか?
病んだ所はあるけど、その後の闇キャラに比べればまだマシな方だと思うのだが。

私はアスカは時代を超えたツンデレキャラだと思っていたんだけど現代では通じないらしい。ちょっとショックかも。

アスカはヤンデレどころかツンデレという概念も無かった時代のキャラだし、現代の男性向け作品のヒロイン的な態度を期待したら裏切られるだろう

なぜそうなったのか俺もよく分からないが、現代のオタクの定義だとアスカはツンデレではないらしい。惣流の方のアスカって昔は代表的なツンデレキャラだったはずなのに……

本編ではツンデレのデレに関する描写がほぼ無い、好意的に解釈しなければ見えてこないからね。アスカのツンデレのイメージはTV版最終回から少し、あとは公式の派生作品や同人作品による所が大きい。他に有名で分かりやすいツンデレキャラが出たら除外されるのも無理はないよ。
式波の方はQ以降の描写はツンデレとか以前の問題だしね。

あー……そう言えば国内では某retakeな同人からアスカが好きになったという人が少なくないな。

アスカのキャラに関しては時代が違うことによる理解の難しさがある。
視聴者側も昔は女性キャラに寛容だったけど、今はキツイ対応をしてくる、攻撃的なキャラは強い反発が出る。アスカみたいなキャラは現代で人気になるのは難しい。

あの時代はヒロインは追いかけるものという今で言う肉食系男子が主人公で好色な主人公も多かった。今のような受け身の草食系主人公が女から追いかけられるのとは違うんだよ。
碇シンジは当時だとかなり異端な性格のキャラでしかもロボットのパイロットという伝統的主人公ポジションだったから大きな話題になったしその後の作品に影響を与えた。
そしてヒロインに関してはレイが当時かなり珍しいというか新しいタイプで、アスカは相対的に昔ながらのキャラだった。(なおTV版終盤や旧劇場版の扱い)

まず前提として、当時は現代の作品のような甘い恋愛描写、ギャルゲー的なイベントを含む行為の描写が入る作品は無く、見ている側がイベントを解釈して補完というか妄想するのが普通だった。
当時の感覚で見ればTV版の中盤までだと距離が近くなるイベントやサービスシーン、キスシーンもあったりとアスカはシンジとカップリングするための材料は豊富だから自然とヒロイン扱いになるキャラだったんだよ。そしてエヴァの作品自体の人気と相まって大人気になっていった。

自分の周りだと昔はレイの方がマニアックなヒロイン、一般的な作品であればアスカの方がヒロインという扱いだったかな?言ってみればアスカは大人気作品のメインヒロイン扱いだった。
この辺りはTV版以降の展開、特に新劇場版以降も一気に見た或いはそこから入った場合はと分かり難いかもしれない。

エヴァはレイが一番人気じゃないの?

そこは時期や年代によって違う。個人的な印象では当初は綾波レイの人気が高くて、徐々にアスカの支持が伸びていき気が付いたらアスカの方が人気に思えることも増えていった。
恐らくアスカの方が忠誠心の高いファンは多かったのかもね。新劇場版の最後でそういうファンにとどめがさされたのはちょっと気の毒だった

アスカは現代の新作によくある俺TUEEEEEする主人公の付属物的なヒロインとは違う。シンジとは別の独立した存在だし人格的な欠陥や狂気もハッキリ描写されるなど、何かと当時の視聴者の心に突き刺さる存在だった。
今から作品に入ると分からないかもしれないが、当時の視聴者にとっては長い間引きずるキャラになっているので人気が長続きしたとも言える。

当時はTV版、旧版アスカの表面上の強さと内面の弱さや繊細さのギャップ、内向的な自己嫌悪のシンジと対になるような外交的な自己嫌悪にとても引き付けられた俺みたいな人間もいた
だから新劇場版のクオリティは認めてもアスカのキャラの変遷を魅力が無くなったと感じる人は少なくないのだよ

アスカの人気については内面もだけど外見による所も大きい。アスカの赤いプラグスーツが当時の青少年に与えた衝撃はとても大きかったんだよ。露出自体は無いのでウチの国でも修正なしで放映、出版できたしね

確かに。
私はエヴァのストーリーはもうかなり忘れているけど赤いピッチリスーツだけはよく覚えている……!
それに加えてキャラデザも当時の感覚では「新しくてクオリティが高い」ものだった・

当時はアスカやレイほどキャラデザの良いヒロインってそんなにいなかったんだよね。キャラデザに釣られた人もかなり多かったはず。
エヴァはキャラの内面描写、作品に関して深さ、含蓄を語る人が多いから目立たないかもしれないけど今と同じようにキャラデザの良さによる人気や評価もかなり大きい作品だった。

同意。アスカは美少女だから許容されていた。もしあの性格と言動で男性キャラだったらあの頃であっても普通に嫌われていたよ。

ヤンデレと言われることもあるけど、アスカのヤンデレに関してはその後の極端に属性を強調するキャラと比べればまだ対処可能(と思える)レベルだし、シンジとのカップリングも可能なように見えたからその後出てきた「俺の嫁」という概念の対象にもなれた。
しかし今の感覚だと付き合いきれないとなってしまうのかな……

昔はカップリングできたかもしれないが、現代の感覚で見るとシンジとアスカではいずれ自滅する方向になりそうだと感じる。アスカが変化する、シンジに合わせるツンデレキャラになる世界でもなければ。
だからシンジを受け入れる、最初から好意を示す上にスペックも高いマリがシンジの公式カップリング対象として追加されたのは納得できないが理解はできる。

アスカは人気は高いし時代を代表する記憶に残るアニメキャラではあるけど、その後の作品に対する影響では綾波レイほどではない、
人気に関してもずっと二番手だったから、今考えてみるとエヴァと言う作品の人気がまずあってそこにレイとアスカどっちが好みかという話で、現代の萌えのようにキャラが最初に来るタイプの人気ではなかったのかも。

二次創作の盛り上がり的にアスカはキャラとしても普通に大人気だったよ
そういう作品にはご都合主義的、甘い展開のも多かったから本編ストーリーでの扱いに関しては当時のファンにも納得していない人は多かったのだろう

1990年代(ウチの国だと2000年代前半頃まで)においてアスカは間違いなく突出した、特別な存在だった。
今ではツンデレ罵倒キャラが嫌われるようになったしシンジの評価も反転しているから分かり難いかもしれないが、当時の観客にとってアスカはとても好かれるキャラだった。

時代が変わると昔の感覚は分からなくなるし、分析もその後の時代の知識や価値観ベースになるからズレていくんだろうね。
昔はアスカ=ツンデレみたいな捉えられ方、テンプレ属性分けがなされていたけど、もし今の時代に扱うならアスカ=メスガキみたいなことになるのだろうか……

まぁ当時の感覚だとそこまでヒドイ性格ではなかったし、キャラデザは突出していたからね。人気になるのも当然だ
例えばアスカほど分かりやすくエピソードが集中してはいないけど、同じガイナックスの「ふしぎの海のナディア」のナディアだって今の感覚で見ると結構ヒドイ所がある。



とまぁ、こんな感じで。
昔の感覚も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「エヴァのプラグスーツもですが、中国のテレビで放映された『ふしぎの海のナディア』のヒロインの衣装は当時の中国の青少年にとって非常に刺激的でした。それから私の住んでいた地域ではエヴァのテレビ放映は無かったのですが当時の中国国内のアニメマンガ雑誌ではエヴァのキャラがたくさん使われていました。たぶん私の性癖はナディアとエヴァによって歪みました」
などといった話もありました。

そう言えば私が中国の現地校に通っていたとき、クラスメートからふしぎの海のナディアのヒロインの衣装は「太暴露」(露出度が凄い)だとしみじみと言われたこともありましたね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「ウマ娘が突然ダウンロード停止、予想以上に早かったなぁ……」

8/30から中国国内でオープンベータが始まった「ウマ娘」ですが、9/7の午後に突然アプリのダウンロードが停止となり、ゲームのサービス自体は続いているもののダウンロードに関しては現在も復旧していないようです。

中国版ウマ娘公式サイト(中国語)

ありがたいことにこの件に関する質問や初動の情報をいただいており、私もこの件に関する公式の動きが何か出てこないと待っていました。
しかし、いまだに新しい情報や動きは出てこないようなのでとりあえず現時点までに教えていただいたネタなどで一度まとめさせていただきます。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「中国版ウマ娘が突然のダウンロード停止」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ウマ娘が突然ダウンロード停止、予想以上に早かったなぁ……

やっぱり賭博の宣伝と見られる作品はダメだったか!?
というのはさておき、通報だとか内容に問題があったのが判明とか様々な憶測が飛び交っていつも通り訳の分からないことになってるな。

あとは申請した内容と実装板内容が違ったのがバレてヤバいことになった説も上がってきているね。そして反論が無かった、情報操作だという憶測も出てきている。広告も急に消えたしそっちが意識されるのも分かる。

申請に関しては申請した方の内容が耳と尻尾がついていない普通の女の子の競技だったとか言う話だったか?通報はフェミニズム関係で女を折に入れて見世物にしているだっけ?

どの解釈もやる手間と効果を考えると、やる意味からして分かり難い所はあるが……

毎度のことながら、bilibiliの公式が何も説明しないから妙な予想ばかりが飛び交うことになっているね。ゲーム関係での信頼は崩壊して下がり続けている。

自分が見かけた比較的広まっている説は、人間のレースゲームというバージョンで申請したのにサービス始まったら耳と尻尾が付いた女だったのがバレた(通報されてバレた)、女性のレースを娯楽にするのはどういうことだと通報、亜人のレースを見世物にする良くない価値観を広めている通報、賭博に興味を持つ人間を増やす宣伝になっていると通報、といった所かな。

こういう事件があるとウチの国で自主規制ネタが増えていく過程を実感できるよね!

馬の耳と尻尾は「敏感」な要素だったと?

化生キャラで動物寄りではなくベースが人間なのはリスクが高かったんだろうか?国産アニメのキャラも二足歩行や人間体系にするけど顔は動物だし。

ケモ耳ケモ尻尾を言い出したら今の二次元ソシャゲのほとんどは壊滅するぞ。この手の原因探しは全体的に見ると大体粗が出る……

サービス自体は継続しているし入れるルートはあるとはいえ、ストアから消えて1週間続報なしだから話がどんどん危険な方向になってる印象だ。

他にはテキストとボイスの問題も考えられるかな。あれは結構めんどくさい上に分かりやすい切り抜きデータとして広まると危ない。

ウマ娘の課金的にはキタサンブラックのサポカ実装が最初の山場だと言われていたが、それ以前に配信中止になっているのは笑うしかない

9/12がミホノブルボンとツインターボのサポカ実装だから、日本のスケジュール通りで考えると残り20日無いのか。国慶節の休みもあるから手続き関係でやらかしていたらかなりマズイかもな。

政府機関は週末が止まるし、9月中旬から各所で駆け込みで処理が持ち込まれるからな。予想できない、下手に説明して話が大きくなると困るという事情は理解できなくもない。
しかしそれとユーザーに対する説明が全くないのは別だ。

オープンベータと言っても課金ありの実質正式サービスで今後の運営継続に不安を抱かせるのはbilibiliとしても不本意なはずだし、わざとではないのだろう。しかしbilibiliの見通しの悪さはこの数年で嫌と言う程体験したからね。キタサンブラックのサポカ実装前にこれは……

まぁ本当に今後の見通しが立たずにサービス停止なら返金の話が出てくるだろうし、現時点ではそこまで心配するほどではないのも確かだ。しかし不安やイラつきが出てくるのは避けられないわけで。

まだダウンロード中止になってるけど、中国版はどこかでダウンロードできるの?

Androidの方はいけるのかな?Iosの方はまだ無理みたいだが。あとはAndroidならアプリを直でいれるとかもできるかな?
とりあえずサーバは生きているし課金もできるからサービス中止ではない感じだ

水着キャラさえ実装されていない時点で、どこが修正削除されるのかの話題になっているのがもう何と言うかね!

正直に言えばマルゼンスキーの水着は修正しないとダメなんだろうなーと思っている
あと日本版をやっている人は見慣れているキタサンブラックのサポカの胸とかも修正入るんじゃないかと思えたり

とは言え、今回のダウンロード停止は他の二次元ソシャゲにありがちな修正とはちょっと違う動きにも感じられるんだよな……

他にありそうな問題は何だろう?レース名や地名とか?日本関連だと思わぬ所で敏感な問題につながったりするわけだが。

競馬、賭博を賞賛するという時点で批判の口実にはなるからね。それに歴史的に競馬と軍事のつながりは避けられないし。

天皇賞や高松宮記念がダメだったとか?

そっちは最初から「天王賞」や「中京短途賽」といった別の名前になっているよ
ただ俺もテキストの修正ミスは少なく無さそうだとは感じたな

レース名は分かりやすいから最初から修正入れているね。繁体字版ではそのままだった「安田記念」は名前の由来が軍人だからか「東京英里賽」になってるし

「有馬記念」も「中山大賞賽」だからな
私はこの名前の改変あまり好きじゃないけど、名前の由来の有馬頼寧が戦犯リストに名前が載ったことがある(調査後に関係無しという判定になったそうだが)ということなので扱いはかなり難しいのも間違いない……

サービス開始直後の停止は申請バージョンとの違いの問題じゃないかな。確か以前韓国産ソシャゲの中国版でも似たようなことになっていて原因がこれではないかと言われていた。

ダウンロード中止だけどサービスは継続中というのがよく分からないんだよな。
あくまで過去の別の事例と比較しての話だけど、キャラのモデルやイラストとかが原因だったらすぐに修正入るし、よく言われているようにこっそり別の内容で申請したとかバージョン違いで申請したとかならメンテ入りなどで配信中止状態になるはず。

理解できる話だ。
個人的には賭博だとか女性をモノノのように扱うといった価値観を理由にした通報が入っての一時しのぎに隠れているパターンかもしれないと感じている。
どちらにしろ現在の環境では人気になって儲けたい、課金させたいとかで注目を集めようとしたら別の所から攻撃されるのはさけられない。そして現在の環境では黙っていれば好きに殴られてデマのイメージで定着して終わりになるだけだ。bilibiliの連中はその辺を分かっていないのか、分かっていても動ける人間がいなのか……

ウマ耳とウマ尻尾や作中の名前がダメだったとかは今更な話で修正している所でもあるのにさも事実のように語られているからなあ

あまり注目されていない他に原因になりそうな要素としては乳揺れもあるかな?live2dでエロ売りする国産も多いから忘れられがちだが、3Dモデルでここまできっちりしたのは国内でこれまで無かった気がする。
ダウンロード中止にするのは注目されたらまずい表現や不具合の可能性もあるけど、理由が何であれ説明なしなのは不信感をあおるだけだし「不良」なゲームの印象、情報を強めるだけだよね。

他に気になるのはbilibili側のアカウントの問題だな。ウマ娘のリセマラと合わせて身分証と紐づけしていないアカウント、虚偽情報で登録されたアカウント、そもそも個人情報登録していないアカウントでもゲームを始められるという話題が出ていた。
近頃はまたゲームのアカウント管理、非実名アカウントや身分証との紐づけや未成年ユーザー関連が重点的な取締り対象になっているし範囲次第ではあるけど危ないと言えば危ない。



とまぁ、こんな感じで。
公式のアナウンスが無いこともあってか、ああでもないこういうでもないとグダグダな話が続いているようでした。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「今回のダウンロード中止のような事件は中国では珍しありません。しかしbilibiliは突然の修正や削除、作品の消去などを頻繁に行いその理由をユーザー側に説明することが無いので全く信頼されなくなっています。数年前は中国でやっているから仕方ない、bilibiliは頑張っている良心的な所だという声もありましたが最近はそういう見方をされることは無くなりました。ユーザーに不便を押し付けるだけです。上の方の理由よりもbilibiliの失態、小細工や悪だくみが失敗したという見方をされることも増えています」

「中国のゲーム運営はユーザーを軽視する、パクリゲームで短期間に稼いで逃げようとする、最初は良心的に見えてもすぐに馬脚をあらわすことも多く、その中でbilibiliは比較的まともな方ではあります。しかいユーザーから見ればどれも『悪い』という印象になるのでどうしようもないですね」

などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
今回の件については私もよく分からない所ばかりなので、いつも以上にツッコミ&情報提供お待ちしております。

それから管理人のウマ娘プレイ状況についても質問をいただいておりますが、ぼちぼちと遊び続けてはいます。現在は新シナリオでなかなか評価の高いキャラ、UE評価獲得ができずに苦戦しております……

中国オタク「日本人にとってインドのカレーってどういう扱いなの?人気や需要はどの程度なの?ラーメンのようにカレーもかなり改造が入っているようで気になる」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。
中国でも日本のカレールーを使ったカレーはかなり普及しているようで、日本のカレーに関連した話題がたまに出ることもあるそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本のカレーとインドのカレーの日本での扱いの違いは」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本人にとってインドのカレーってどういう扱いなの?人気や需要はどの程度なの?
ラーメンのようにカレーも日本で国民食扱いされると同時にかなり改造が入っているようで気になる

日本のカレーもやはりかなり日本化されているからな
個人的には香辛料にリンゴや蜂蜜を加えるのを強調するというのにはかなり驚いた

インドや東南アジアの方ではマンゴーカレーとかあるし、果物が入るのはそんなに珍しくないかと
でも初見で香辛料料理とリンゴの組み合わせに驚くのは何となく分かる

こう言っては何だが、中国の「拉面」と日式の「ラーメン」(厳密に言えば中国の麺類全般が源流になるらしいが)の扱いと比べたらインドカレーはかなり健闘している
インドカレーの専門店は日本社会で普通に商売になっている。それに対して中国の麺類は単体で商売にするのは困難だ。

普通の日本人がどの程度の頻度で食べるかは分からないが、コンビニでインドカレーのフェアやるくらいだからインドカレーは日本で結構人気はあると思うよ

日本のカレーは家庭料理、インド系のカレーはレストランで食べるもの扱いだと聞いた覚えがある。
ラーメンと比べるとまだ独自ジャンルとして元の料理が生き残っているんじゃないかな。日本では中華料理が日本向け魔改造済の以外に中国の味付けの店も出ているけど、麺類に限っては中国そのままのは弱いし、中国料理の麺専門店は無いわけじゃないが人気になって生き残れている所は少ないと聞く。

一般的な日本人にとってインドのカレーは辛すぎる、香辛料が強過ぎるので別物になる。香辛料的には概ね日本<中国<インドだから。
日本のカレーは家庭料理、誰でも作れる料理ということは大きいのだろうね。二次元作品内でもカレーは登場人物達がとりあえず作る、調理方法を把握している前提な扱いだし。

異世界に行っても日本の作品のキャラは日本のカレーに拘るしね……

日本のカレールーの汎用性の高さはすごいからな
味の上限はそれなりのレベル止まりだけど下限がかなり高いので失敗しないという意味ではとても便利

基本的にはカレールーを使うけど、それに何かしら家庭や個人ごとの素材を加えるのが日本人のカレーらしい。私が聞いた中ではチョコレートやインスタントコーヒーなんかもあった。
そういう感覚でいると、インドのカレーを同じ料理扱いにすることは無さそう。

日本のカレーが香辛料強化ではなくそっちに行ったのは興味深い。
個人的にはインドのカレーに限らず東南アジア系の料理はスパイスが強烈だから日本の「改造」がなければウチの国でこんなに流行らなかったと思う。

私の中では日本のカレーとインドのカレーはほぼ別物という認識になっている。
インドのカレーは人によって違う手料理、日本のカレーは工業製品。
後はもう個人の好みだろう。

俺にとって日本のカレーは便利な料理というイメージだ。カレールーを放り込めば日本のカレー「風味」にできる。疲れている時めんどくさい時にとても頼りになる。

個人的にはインドのカレーの方が好みだけど、まず好みの店を見つけないといけないからな……それに上海とかでもない限り選べる店の数が少ない。
日本はインド料理系のレストランがかなりあるようだからちょっと羨ましい。

国内だと店で食うならインドや東南アジアのカレーの方が値段に見合った美味しさな印象
日本料理屋のカレーは店ごとの味の違いはあってもそんなにおいしいわけじゃないし、これなら材料とルー買って自分で作る方が、という気持ちになる。その中で比較的マシなのがココイチ。
恐らく日本でもそんな感じなのでは?

日本料理屋のカレーは「値段考えると別のものを頼んだ方が良かった」という気分になることが多い。何かと不便で流通も未発達だった時代ならともかく、現代に店で出すには厳しいと思う。

日本だと日本のカレーの専門店があって有名な所はかなり美味しいよ。これはインドのカレーとは競合するようでしていない別のジャンルだ。
個人的な印象だと中国料理の各菜系くらいには分かれているようだった。あとココイチは日本だと味は平凡でチェーン店による便利さが強みな店扱いだった。

日本だと日本のカレーはある種のファストフードで、蕎麦屋やうどん屋の基本的なメニューに入っている。これはカレーうどんなどの日本料理の麺類で使うのと蕎麦やうどんに使うスープをカレーに流用して和食系カレーを作れるからだ。
私からはインドのカレーとは明らかに扱いが違うし、もう日本料理のお惣菜みたいな扱いになっているように見える。

個人的には香港のカレーが中国の料理にインド風味を取り入れたという感じで一番おいしいと感じるんだが、これは日本だと知られていないんだろうな……

分かる。香港のカレーって美味しいよね。
ちょっと調べてみたが香港のカレーはやはり日本では認識されていない模様。どういう呼び方なのかもイマイチ分からない。

日本ではインドだけでなくインド周辺の国も専門のカレー店を出しているので、日本国内が日本のカレーだけということはないね。
私が行った幾つかの日本のインド料理屋は普通に美味しかったし清潔なのも良かった。ネットではインド料理に関して衛生や見た目をバカにする発言も目に付くけどちゃんとした店なら問題ないと改めて実感したよ。

ウチの国でインドのカレーが微妙なイメージになっているのはそういう所もあるだろうからな……私の周りにもインド料理好きはいるけど、一般の人間に対する訴求力が微妙だと感じるよ。
あと日本ではラーメンの本場中国のイメージを活用して売っているように、カレーの本場インドのイメージを活用して売っている所があるので「インドのカレー」の扱いは悪くない。
あと味や食感に関してカレーはラーメンほど元の料理との違いが大きくないのもインドのカレーが広まる上で良いのでは。

例えばこっちのでネットで「俺は日本のカレーの方がインドのカレーよりおいしいと思う」とか言うとインドカレー擁護やタイカレー擁護が来て日本のカレーよりこっちの方がおいしいと言って、日本のカレーを否定しそこから更にインドカレー叩きが始まったりするが、日本でこういう発言したらどうなるの?

どこの国でもそういうゴタゴタさせる人間はいるだろうけど、結局は個人の好みで終わりじゃないか?
私は日本で日本のカレー(レストランでも自炊でも)とインド料理店のどちらでも食べたけど、カレーの味付け以外に主食も違う、米の種類も違うので単純に比較するのは困難だと感じた。

俺にとっては日本のカレーは福神漬けを合わせるという点だけで別物
俺はあれと一緒にカレーを食うのが大好きなんだ

上でも言われているけどインドのカレーは一般的な日本人には辛すぎるから、好き嫌いが分かれる模様
ただ好きな人は病みつきになると聞くし、日本でも激辛ブームが定期的に発生しているから需要はそれなりに高い

日本人は甘いの好きだからね。カレーも甘くするから自分は正直苦手。

日本のカレーは甘いのもあるからな
インドのカレーは別の食い物扱いになるのは何となく想像できる

私は以前インドのカレーを試したことがあるけど、辛すぎてダメだった。
どうやら私はインドでは辛いの苦手レベルになってしまうようだ。

インドのカレーにも辛くないのはあるけど中国国内の店だと選択肢は少ないだろうな。あと欧米だと辛さがさらに少なくなって、日本のカレーでもあっちでは辛いということになるとか。

中国国内のインド料理や東南アジア料理もかなり中国国内向けにアレンジされているし、最初は元の味でも次に行ったら中国向けに辛さが控えられていた店もあった。
日本のインド料理レストランではどうなんだろう。雑にネットで調べた限りでは人気や評価の高い所はインド人が経営している所も多いようだが。



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国におけるカレーのイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「時間を空けて日本に行くとインド料理の店が増えているように感じますし、日本ではインドのカレーの人気が上がっているのではないでしょうか。それから日本で刀削面や牛肉面などの店も見かけましたが、中国の麺類の店はラーメン店が戦い続ける日本で生き残れますか?」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「なんで日本人はどこでもカレーを作って食うんだろう?キャンプや学校どころかポストアポカリプスでもカレー食ってるような」

中国オタク「なぜ日本では推理小説が現在も人気ジャンル、商業的な市場として成立しているのだろうか?」

ありがたいことに以前の記事
中国オタク「日本の推理小説のアニメ化作品ってどれくらいあるの?最近ドラマはあるけどアニメは少ないのに気付いた」
に関連して推理小説関係のネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「なぜ日本では推理小説が現在も人気ジャンル、商的な業市場として成立しているのか?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


なぜ日本では推理小説が現在も人気ジャンル、商業的な市場として成立しているのだろうか?
中国も欧米も推理小説は市場が縮小して話にならないのに、日本ではいまだに新作が出ているしジャンルとしての人気が維持されているように見える。

現代でも有名な古典的名作はあるしジャンルを知らない人はいない、でも推理小説の新作、特に人気になるような作品はなかなかないよね。
実写作品では推理要素が入る作品、刑事が主人公だとか科学捜査が中心だとかの犯罪捜査系はよく出てくるし、国内でも警察モノは結構あるんだが。

私の中のイメージでも推理小説の新作の供給元は日本になっている気がする。

古典的な、謎解きが主役になる作品が出て商売になっているのはもう日本くらいでは?アメリカでさえ伝統的な推理モノはもう流行らない。

これは自分も何となく疑問に思っていたことだ。
日本社会における近代娯楽文学の盛り上がりと推理文学の盛り上がりが重なったのが良かったんだろうか?
日本の推理ジャンルは何度も変革を経験しながら日本人の需要と共に成長して今に至っているように見えるのだが……

日本では警察が頼りにならないからだよ。流行るものには社会的な理由がある。
日本の警察は事件は解決しないしヤクザとも癒着している。だから日本社会では理想として推理小説、特に探偵の活躍する小説が大人気になる。

日本のフィクション要素満載な探偵小説が現実からの要求だとは思えないのだけど……それに日本の推理小説って新本格のようにトリックが本体な作品は多いし、ストーリー面でも犯人見破ったけどスッキリしないような作品も多いぞ?

日本の推理小説は商業市場として流派ごとの作家、ファンがいるのがなんだかスゴイと感じるよ。
中国のネット小説にも「流派」はあるけど流行りのテンプレみたいなものだし。

前世紀の世界的に推理小説が右肩下がりになっていく中、なんで日本では新しい作家が出て新しい推理小説の潮流が出ていたんだろう?これが不思議だ。日本人が世界的に見て突出した推理小説好きなのか?

中国でも普通に推理小説好きはいるし、ネット小説のランキング上位に探偵モノが来ることもある。ただ質の高い作品はなかなか出ない。

現代でも推理小説好きはどこの国にもいるはず。しかし推理小説に関しては日本ほどの量が毎年出ている国は無いと思う。
中国のネット小説は探せば何でも出てくるけど明らかに人気ジャンルではないし書店を見ても実本で中国の推理小説は日本の推理小説と比べるとかなり厳しい。

一応ウチの国でも推理小説はSFや中華ファンタジーの次くらいには実本で読む人は多いはずだが、通俗小説という形で見るとSFでさえ微妙だからなあ

東野圭吾とかスゴイよね。推理小説なのに現代でも他の通俗小説を押しのけて大人気。
俺の行動範囲にある本屋はどこも彼の本がたくさんある。

ウチの国だと警察関連な話になりがちな探偵モノは審査通り難いので商業的に難しい問題もある!
日本の推理小説って様々な文化、ネタと融合しているのが強いんだろう。日本市場でも昔ながらの正統派というのを求めている人はそんなに多くないはず。「新本格」と言っても現代向けにかなりアレンジが入っているわけだしね。

日本は推理小説原作ではないけど一週間に一話で一つの事件を解決するドラマが定番だし環境的に推理小説に対する興味が形成されているのでは?

日本は映画やドラマ、特に2時間くらいのSPドラマの原作として推理小説がよく使われる。同じ作品が別スタッフで再映像化されることも珍しくない。
日本市場では推理小説が実写化原作として強い、稼げるから作品も作家も作品もどんどん出てくるんだろう。

日本の映像化事情について私は分からないが、中国国内では推理小説の市場が小さ過ぎて作家が食っていけないのだけは分かる。
国内でも警察、犯罪捜査系の作品ならば当たった作品もそこそこあるんだが……

国産ドラマの警察主人公の犯罪捜査モノもたぶん日本的な意味での「推理小説のカテゴリ」には入れられるけど、近年の日本の推理小説では刑事モノはあまり売れていなかったはず。
恐らく殺人事件→正当な捜査で解決みたいなのは現在の日本市場でもそんなに需要が無いんだろう。

そう言えば私が以前読んだ世界の推理小説の歴史みたいな本で半分以上が日本の推理小説の歴史になっていた。
欧米にも推理小説はあるが、それは言ってみれば名作古典だ。この数十年くらいの推理小説の歴史について語る場合、主に日本のことになってしまうのは避けられないのかも。

ネタではなく、日本は推理系のアニメやマンガという入門作品があるからじゃないか?
世界的に考えると、映像作品でも推理小説原作系はハードルが高い。ホームズのように現代風の改変をしたのはあるけど、あれはホームズだからとも言えるわけで。

私が昔どこかで見た話だと確か日本の推理小説に関しては第二世界大戦後に復興していく中で地位を獲得していったということだったかな?
当時の日本で社会的な影響力がある、社会問題に切り込んだ推理小説の名作が出て多くの読者を獲得して市場を形成していったとか。

恐らくそれは1960年代の日本で松本清張から始まった推理小説ブームのことだろう。
ただ社会派推理小説のブーム自体は1970年代には終わっている。もちろん社会派推理小説から続く影響もあるだろうけど、現代日本の推理小説市場に対する直接的な影響ということならその後の新本格ブームの方が大きいと思う。

日本は現代社会要素を入れると主流文化寄りに出来るという話をどこかで読んだことがある。

ウチの国でも過去に当たった推理小説は主に社会派の作品で、紙媒体がまだ元気だった頃にはわりと人気のジャンルだった印象がある。
ただウチの国ではやはりテレビドラマになって人気になるとかでなければ、記憶に残る知名度は獲得できない。

日本では社会派に加えて新本格派が盛り上がったのが大きいと聞く。
1980年代に島田荘司、綾辻行人などからジャンルが発展して成功する新人がどんどん出てきた。この時期にジャンルが盛り上がったのは本当に大きいと思うよ。他の国では衰退するばかりだったから。

日本の推理小説ジャンルは新本格派で盛り上がって新規のファンを獲得した後に東野圭吾や京極夏彦につながったのが本当に強い。ウチの国ではそういう盛り上がりは無かった。

そこそこ勢いのある時でも国内の作品は日本の推理小説作品に埋もれているような状況が続いていたよね。外国でも有名な我が国の作品とかは見つからない。

上でも言われているけど日本の推理小説ジャンルは手頃なジャンルの入り口が整備されているからファンが続いているのだと思う。
欧米の古典を遡らなくても新本格のその時その時の人気作品から読み始めればいいし、もっと簡単なアニメやマンガを見ても良い。
さすがに今の時代にまずホームズやアガサ・クリスティ辺りから見ろと言うのは厳しいからジャンルが衰退するのも無理はない。

日本の推理小説が有利なのは現実的ではない設定の探偵や舞台を出しても問題無い、そういう世界観だと押し通せることだと思う。推理小説ではないが「名探偵コナン」だって日本では設定として大人しい方だ。
そもそもリアリティにこだわると現代社会で推理小説の主人公的な探偵なんて成立しないわけだしね。

日本では「屍人荘の殺人」みたいな作品まで出てくるからな。

犯罪捜査系のドラマは欧米もかなり良いのはある。犯罪の動機が移民だとか国内の階級だとかこっちの感覚ではすぐに出てこない要素とかで見ていて面白い。ただ推理小説系の作品となると、私もすぐに思いつかない。

いわゆる犯罪ミステリー的な作品は原題の欧米でも大きな市場があるし本も売れている。しかし推理小説は……どうなんだろう?
私の中ではやはり現代の推理小説は日本産が輸出されているという印象だ。

欧米の作品でスリラー系とか探偵キャラ主人公での映像作品は定期的に出ているけどそういうのは推理がメインには来ない。探偵がよく出てくるジャンルにはクトゥルフ系作品とかもあるらしいが、そっちはジャンル違うし中国語翻訳はほぼ無い……

私もイロイロ考えてみたけど日本の推理小説は良くも悪くも「大衆娯楽」になっているから生き残れているんだと思う。これには「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」なんかも含まれる。
大衆娯楽だから新しいファンや新しいジャンルも増えるし大元の推理小説も売れる市場になっているのではないかと。



とまぁ、こんな感じで。
近頃の中国オタク界隈の認識なども含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタ教えてくれた方からは
「個人的には日本では『ミステリー系』というかなり許容範囲の広いジャンルが成立していて、出版社側も積極的に関わっているのが現在も推理小説、探偵小説の市場が維持されている理由の一つだと思っています」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
私はミステリー小説方面はあまり詳しくないので、いつも以上にツッコミ&情報提供お待ちしております。

9/11修正:タイトルなど誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「日本語の天地無用って必殺技ではなく日常的に使われる言葉だったんだね……」

以前の記事
中国オタク「アニメやマンガで日本語を覚えたという話をよく聞くけど、それができる人はどれくらいいるのだろうか?実在するのか?」
に続いて日本語関連のネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本語の天地無用は必殺技では無かった」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本語の「天地無用」って必殺技ではなく日常的に使われる言葉だったんだね……

「天地無用」?ハーレムアニメの開祖のことだな!!

検索するとそっちのハーレムアニメの方が多く見つかるよな
一応補足すると、日本語では郵便配達でひっくり返して運んではダメな荷物に対する指定が「天地無用」

私もかなり後になってから知ったけど、日本語ではある種の業界用語だ。
あの字と響きは明らかに必殺技なのに!

漢字の意味で考えると天地どこであろうと無用なものはない、みたいな効果?
一応列子に「天地無用」って言葉はあるようだね。俺も調べるまで知らなかったが、

私は逆に自分以外は全て無用なものだと否定する、絶対的な攻撃とかそんなイメージが。

俺はバフデバフ無効化の貫通攻撃みたいなものだと……

自分はゲームの技かなんかで「天地無用」を見た記憶が……てっきり「唯我独尊」みたいなものかと

実際、こっちのソシャゲのスキルに天地無用ってあったはず

天地無用は「Fate」で言うなら金ぴかが使ってきそうなスキル

分かる。
「天地開闢」みたいなスキルがあるんだから、そりゃ「天地無用」だっていけるだろうと……

これは調べないとちゃんとした意味の分からない日本語の一つだよね。
自分は「問答無用」みたいな言葉と同じで、なんとなく強めの言葉なんだろうなーとか思っていたな。

日本語の「天地」は「上下」の意味もあるからな。実際、日本人も勘違いしている或いはちゃんとした意味を知らない人は珍しくないそうだよ。
日常生活では機会が無ければ把握できない言葉、大人になって学ぶ郵便関係の常識といったものだから。

「天地無用」は日本語のテストで出てきたな。文脈から想像するのが無理なタイプ、覚えていなければわからない言葉だ。

日本の配送業者も今では「天地無用」をあまり使わないらしい。
日本人でも勘違いするのが少なくないので徐々に「この面を上に」みたいな表示になっているのだとか。

オタクやってるとジャンルによっては把握しているはず。
私は東方の逆符「天地有用」と鬼人正邪の能力の元ネタからこの言葉を知った。

私は天地返しをラーメンで知っていたから多分大丈夫

こういう言葉って他に何があるかな。「素敵」とかも漢字の意味だけだと分からないよね。

今では慣れたけど日本語の「麻雀」はちょっと笑う。
(訳注:中国語の「麻雀」は日本語で「すずめ」の意味になります。日本語の麻雀は中国語では「麻将」です)

よくネタになるのだと「怪我」、それの応用である「油断一秒、怪我一生」
これは「手紙」と同じく日本人のあいだでもそこそこ有名な中国語と日本語の違いネタだとか
(訳注:中国語の「手紙」は日本語で「ちり紙」、「油断一秒、怪我一生」は「油を一秒切らしたら私を一生責めろ」といった意味になります)

「油断」がそのまま油を切らすという意味では無いんだよね。「うっかりする」くらいの意味。
私は「油断大敵」を意味的には似ているけど微妙に間違って覚えていた時期がある。

「村八分」という言葉は、なんとなく組織を裏切った人間に対する制裁、腕や指を切り刻むような残酷な罰だろうと思っていた。
実際の意味は社会的に死亡させるという、残酷ではないが結構えげつない罰だった。

「天地無用」みたいに必殺技みたいな日本語なら「帝王切」とかもあるね。
確か古代ローマのカエサルが語源で翻訳を経て日本語の「帝王切開」になって、それがこっちで雑に短縮されて「帝王切」になった感じかな。ちゃんとした翻訳だとこうはならないけど、雑な言葉が飛び交うネットではわりと見かける。

あったあった。俺はそれを日本刀か何かだと思っていたよ。童子切、髭切、雷切、あと槍の蜻蛉切とかが実在するので「帝王」「切」な逸話の日本刀があるんだろうなと。

個人的にヒヤッとしたのが「床」の意味について。こっちだと「ベッド」になるわけだが、日本語の床はこっちで言う所の「地板」だ。
そして日本語の「床上運動」という言葉は……

日本で洪水被害のニュースに「床上浸水」と「床下浸水」という言葉が出てくるんだけど、たぶん自分の中のイメージは一般的な日本人のイメージより被害が大きいものになっているんだろうなと思う。

香港や台湾で広まった使い方として入ってきているし、実際に使って間違うことは無いんだろうけど日本語の「中古」を見るたびにちょっと笑いそうになってしまう。これみんなヨーロッパの歴史関係かよ!みたいに思えてね。
(訳注:中国語の「中古」は日本語だと「中世」の意味になります。)

私は日本語の「大丈夫」の使われ方をしばらく勘違いしていた時期がある。「丈夫」の意味が全く違うんだよね。ピンチの時とかに男女関係なく出てくる「大丈夫」でさすがに気付いたが。
(訳注;中国語の「丈夫」は日本語だと「夫」の意味になります)

「天地無用」の本当の意味を把握して以降も「必殺技」という認識がどこかに残っている。
日本語って色んな小ネタや言い回しを拾って必殺技の名前にするし天地無用が必殺技でも良いと思ってしまう。

同意する。「天地無用」なんて名前だったら重力系の必殺技だと思うよ……!



とまぁ、こんな感じで。
イロイロな勘違いネタが出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「日本語を学んだ後も初見では日本語の漢字をそのまま中国語の意味で把握してしまうことも多いので、中日で意味の違う漢字や日本語で独特な意味を持つ言葉に関する勘違いは少なくありません。私はそういう言葉の中で『朝飯前』という言葉を気に入っています」
などと言う話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

9/11修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「日本の推理小説のアニメ化作品ってどれくらいあるの?最近ドラマはあるけどアニメは少ないのに気付いた」

中国オタク界隈では日本文化枠として日本のドラマや映画、小説などもよく話題になっていますが、そういった作品とアニメやマンガの関係について気になる人も結構いるそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「推理小説原作のアニメはどれくらいあるのか」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の推理小説のアニメ化作品ってどれくらいあるの?
最近ドラマはあるけどアニメは少ないのに気付いた。

名作「氷菓」があるから探せばあると思いきや、推理小説原作アニメってそんなに無いんだよね……ラノベと違って推理小説はアニメ化のルートが少ないのかもしれない

推理小説はドラマ化が多いよね。2時間くらいのSP版にするのに良いのかも。
30分では無理だし、13話だと逆に長過ぎるしネタバレを防ぐのも難しい。

劇場版の予算がつくならアニメより実写の方が一般向けで強そうだしなあ

推理小説作家の綾辻行人の作品が原作の「Another」は推理小説原作扱いで良いのだろうか?こういう話ではあまり出てこないしホラー扱いな気もするが。

推理小説原作アニメでまず出てくるであろう「氷菓」なんかと比べるとちょっと違うような……

宮崎駿も関わっている「名探偵ホームズ」は……このテーマ的には違うよね!

「名探偵コナン」や「金田一少年」のように推理系マンガが原作はあるし、一昔前は推理系アニメが流行っていた時期もあるけど考えてみれば日本の推理小説原作アニメって少ないな
例えば東野圭吾原作のアニメとかあったっけ?

東野圭吾の作品のアニメ化は無かったと思う。実写は結構あるけど。

日本のミステリドラマは一般向けの人気ジャンルだから、子供向けならともかくオタクが中心になる対象年齢層の高いアニメでは市場規模が比較にならない。
原作側がアニメよりドラマを優先するのも当然だ。

推理小説、そしてそれを原作としたドラマってサブカルのアニメとは違ったメインカルチャーに属する作品になる。
推理小説のアニメ化がないわけじゃないけど社会的な作品の扱われ方、商業モデルの違いというの絶対的な部分もあるからアニメ化を期待するのは厳しいのだよ。

現在の日本市場で探偵モノのアニメは名探偵コナンがジャンルを独占しているから、そこに割って入るのは厳しいという現実的な問題が……

そもそも需要がそんなに無い可能性は?
「名探偵コナン」だって稼ぎの主力となる劇場版が推理モノではなく実質アクション作品となってから長いぞ?

「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」もアニメで続き出ないなーと思っていたら実写化になった……

マンガがあるならアニメ化も楽だけど、小説から直接だとコンテにするのが難しいとか。たたき台の有無は大きいということなのでは。

現代を舞台にした推理小説ならアニメでやるより実写でやる方が楽だしクオリティも安定する。それに話数や話の区切りの問題もあるからアニメで推理小説をやるのは簡単ではない。

ラノベで出ている推理小説が原作のアニメはそれなりにあるし、出版社と他のメディアの関係による所も大きいのでは?
日本の推理小説はまず実写の企画が出るんだと思う。

日本のアニメビジネスは玩具やグッズを売る、原作を売るというのが主な目的だ。(現在はディスクを売るというのはかなり小さい)
そして推理小説で「アニメの原作にしたい」という希望が来るような作品は今更アニメ化しなくても十分以上に売れているからわざわざそんなことはしない

最初の方に出ている東野圭吾は年収数億円と言われているしアニメ制作側が東野圭吾を満足させられるような報酬を出せるとは思えん。
推理小説で当てている作家は稼ぎまくっているし、メインカルチャーな実写化とアニメは違うのだよ。

ビジネスモデルが確立されているマンガや儲けるためのルートが無いラノベとは違うからね。
東野圭吾からすればその程度の金で自分の作品を売る気にはならんだろう。メインカルチャーな自分の作品が端金でなぜサブカルチャー領域の宣伝に使われなければならないのかとバッサリやられるということか。

一応過去に売れた作品の映像化、言ってみれば名作の再利用という形はある。
「すべてがFになる」や「魍魎の匣」はこっちの目的も含まれていたはず。

過去に推理小説原作のアニメは幾つかあったけど、正直に言って私はそういう作品はつまらないわけじゃないけど現代のアニメ向けじゃないと感じた。
1シーズン分の話数を使って一つの事件というのは展開が遅いしファン同士の話題も不足するから盛り上がらず厳しかったのを覚えているよ。

アニメでやるなら1話や前後編で終わる「コナン」や3話〜5話くらいの「金田一少年」くらいが良いんだろうけど推理小説原作だとそれは難しいだろう。

推理系作品はアニメ化もマンガ化も原作より面白くならない、退屈になることが多いからね。それに対して実写の場合は役者や演出で独自の面白さを加えることができる。
現代ベースの推理小説は二次元的な誇張のできる部分が少ないから「氷菓」のような作品でもない限りアニメ化には向いていない。

最近結構話題になった「虚構推理」も推理小説原作アニメ扱いはできるけどやや特殊な作品だし、「虚構推理」も退屈だという人は結構いた。

このテーマだと7月新作の「アンデッドガール・マーダーファルス」は該当するのでは?

推理小説原作という紹介もあるけど、小説原作で探偵キャラが出てくる現代ファンタジーはどうなんだろう。
日本で言う「ミステリー」だとかなり範囲は広くなりそう。ラノベやコミカライズされた作品もたくさんあるからね。

こっちでは「推理小説」と言われているけど日本だと「ミステリー」という曖昧な区切りで扱われることも多いらしいな。そしてミステリージャンルの中に「新本格派」などのサブジャンルが存在するとか。
実際日本ではファンタジー系やホラー系の作品も「このミステリーがすごい」にランクインしているし、推理要素のあるアニメや推理小説家が関わる作品自体は定期的に出ている。
ただいわゆる「推理小説」原作のアニメはやはり少ないね。

推理小説原作の場合、アニメ向きに構成する必要があるというのには同意する。
例えばミステリー作家が構成と脚本やった作品なら「ID:INVADED」があるけど、これは最初からアニメの企画として動いていた作品だ。

自分が初めて知るようなことも多かったが、結構難しい問題があるんだな。
私はなんとなく推理小説は登場人物少なくてカップリングがしやすいし、屋内で進む場面も多いからアニメにも向いているとか思っていたんだけど。

それも間違いではない。推理系ラノベみたいな作品は結構あるしね。最近でも「探偵はもう、死んでいる。」とかがアニメ化されたし、ラノベ系では昔にも「GOSICK -ゴシック-」などがある。
ただ私の個人的な印象ではラノベでも推理小説系はアニメより実写になることが多い気がする。「ビブリア古書堂の事件手帖」も実写化だけでアニメ化は無いし。

私は「十角館の殺人」がアニメ化されないかと考えたことがあるけど、よく考えたら難しいという結論になった……
誇張とファンタジー、ストーリーとキャラクターで引き付けるアニメと推理小説の相性はあまり良くない

こう言っては何だが、アニメの大きな目のキャラクターは推理小説の空気に合わない。しかし目の小さい写実的なキャラデザにするとアニメとして一般ウケしない。デザイン方面での相性の悪さというのはあるし推理モノで求められるリアルさをアニメで表現するのが難しいといった問題がついてまわる。
そしてこの問題は実写で良い役者と演出を使えば解決できるし、トリック重視な原作に不足している彩りやら文学性やらを役者の演技で加えることも出来てしまうんだよね。

学園モノならともかく、現代日本を舞台にするならアニメで描くより実写で撮る方が楽だしクオリティ高い。

そうそう。映像のクオリティ、舞台描写の関係も含めてアニメにするより実写の方が良い題材というのはある。例えば警察関係とかね。
推理小説とはちょっと違うが最近だと「ハコヅメ」はドラマ版の方が良かったし、警察がほぼ確実に出てくる推理小説も実写の方が向いているからそっち優先になるのでは。

推理小説の主人公って基本的には成人した大人、学生であっても大学生や院生だから高校を舞台にした「氷菓」のような一部の例外を除くとアニメでやるのには向いていない作品ばかりになる。
そして推理小説のターゲットになっているのは大体が一般人、リア充だからアニメ化してもオタクの興味をひくことができないんだよ。

いや、日本の推理小説の読者はアニメとはまた違った分野のオタクだから推理小説のターゲットはリア充ではない。中国に入ると全部日本文学扱いになるのでメインカルチャーな印象になるが、現代の日本での扱いはややサブカルチャー寄りの娯楽だ。
一般向け、リア充向け扱いになるのは売上ランキングで上位になる、実写化されて人気になった後だよ。そして推理小説は実写化で当てた方が美味しいのでアニメ化よりも実写化が優先されるわけだな。

推理小説原作の名作アニメと言えば「氷菓」があるけど、あれだって当時の京アニだからできた作品だ。
推理小説を原作にした場合、キャラデザやアニメの尺に合わせた改変と演出など普通のマンガ原作に比べてやらなければいけない仕事はかなり多いし、それをやったから人気になるとは限らない。
アニメというのは商業作品だから普通はもっと簡単に作れてアニメ視聴者にウケそうな原作を選ぶよ。

日本のアニメが原作不足だという話はよく出てくるけどそれはアニメにするのが楽で人気のある原作が無いということだからな。
アニメ化が難しくて人気についても予想し難い推理小説を優先して原作に使うことは無いのだろう……



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈における認識なども含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「日本の推理小説は文学作品として読む人も多いので、日本でいう推理マニア的な扱いの人はあまり目立たないような気がします」
などといった話もありました。

推理小説作品の感想もですが、中国での受け止め方や扱われ方というのもちょっと気になってきましたね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「日本のFateファンの感覚が分からない。なぜ妖精騎士トリスタンは日本であんなに人気なんだ?悪いキャラではないと思うけど」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

一時期ほどではないとは言え中国オタク界隈で「Fate」は現在も何かと話題になる存在ですし、日本の最新事情や人気の動向に関する話題で盛り上がったりすることも多いそうです。
ただ近頃はキャラの人気や評価に関して日中の違いが拡大しているような所も見受けられるといった話も出ているのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「なぜ妖精騎士トリスタンは日本であんなに人気が高いのか」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のFateファンの感覚が分からない。なぜ妖精騎士トリスタンは日本であんなに人気なんだ?悪いキャラではないと思うけどこんなに同人創作が溢れるようなキャラでもないと感じる……

確かに妖精騎士トリスタンの人気って、ある意味ではテスカトリポカよりもよく分からないかも。日本のファン界隈を見ると、こっちからは理解が難しい謎の人気がたまに出て来るよね。

キャラデザが良くて、本編ストーリーでも出番が多かったからでは。活躍すれば人気は増える。

キャラデザは良いけどFate界隈の人気の傾向的にキャラデザが決定的な理由にはならんだろ
それだったら妖精騎士ランスロットの方が上だろうし、夏イベのキャラを見れば鈴鹿御前だってクオリティは高いわけで

キャラデザの影響の大きさはウチの国の方が大きいな
日本のソシャゲではキャラデザ微妙でも大人気になるのが珍しくないから驚くことも結構ある

出番が多いというだけなら第二部第六章はオーロラの人気が高くなるのでは?
ストーリー的に考えられるのは、扱いがひど過ぎたので逆に妄想の材料として強くなったとか?あのシナリオってキャストリアとオベロン以外はぐだとの関係があまり濃くないしね。

それは正しいかもしれない。可哀そうだから同人創作で幸せにするというのは、日本の二次創作では非常に強い原動力になる。

そういう話があるのは知っているけど、第二部第六章の妖精騎士トリスタン関係の話って私からすれば説明されない部分が多くて消化不良だったし、人気の原動力になるとは思えないんだけど……

立ち絵の出来が良いことによって人気の基礎が形成され、そのままファンによる同人活動が拡大した流れ……と言うにはちょっと規模が大きいような気はする

第二部第六章のキャラはどれも人気高いから別に不思議な事ではないだろ
キャラデザが良くて性能が良ければ人気になるのは二次元ソシャゲで当然のことだ

その中でバーヴァン・シーも突出した人気になるのが不思議ということだよ
一定の支持者を獲得すること自体は別に不思議ではない

キャラデザが良いというのはマニアなオタクが思っている以上に効果が大きいんだよ。イラストの良さだけで人気にはなるし、ストーリー読まない人が同人イラスト見てファンになるというのも多い。
私もストーリー読んでなかった時でも非常に良いデザインのキャラだと感じていたからね。今年の日本版の水着サーヴァントの中でも一番良いデザインだと感じた。

ストーリーでの扱いが良かったからだと考えたが、別に良くはないよね。結局悪役なまま退場だし説明不足だし。

ストーリー上の被害者ということならバーゲストの方が無辜っぽいのになぜトリスタンの方が人気なんだろうな……

身も蓋も無いが奈須きのこがどの絵師をひいきしているかということだ。妖精騎士トリスタンの絵師の望月けいは菌糸類の寵愛を受けいているからキャラの出番も増えて扱いも良くなる

いやいや、奈須きのこの妖精三騎士の絵師に対する評価はメリュジーヌが突出しているだけで他は大した違いはないよ。それに夏イベントのストーリー上ではバーゲストも自分自身の新たな妖精騎士としての確立に関するストーリーがきちんと描かれている。
バーゲストの人気が一定以上にならないのは絵師の性癖が強過ぎるのと、きのこがその性癖の開放を後押ししたせいで癖の強過ぎるデザインになっているからだよ!

元々第二部第六章の妖精騎士3人はセットで人気高かったし、出番もセットになることが多い。そして妖精騎士トリスタンは人気属性の重装備で活躍の場も多いということで印象に残りやすかった。そこに水着サーヴァントで星5級のイラストを装備したんだからそりゃ大人気になるよ。
元ネタの男の円卓組三人より妖精騎士の方が人気高いけど、トリスタンは特に汎人類史と異聞帯の差が大きい。

妖精騎士トリスタンは本編の終盤で悲惨な目に遭う、なぜか再臨するとひどい状態になる(でも説明なし)ということで被害者みたいに扱われていたけど、ひどい目に遭ったからそれ以上にひどいことを無差別にやるのが許されて人気になるというのはどうかと思ってしまう。

日本の作品だと哀しい過去があったから悪事も許される風潮があるから、日本人なら納得する味方化のイベントの流れがだったのかね

でもウチの国でも桜のHFルートが一番評価高いぞ?

桜と違って妖精騎士トリスタンって第二部第六章では完全な悪役だから桜と同じではない。悲惨な背景があったとしてもあまりにもひどく、積極的にやり過ぎたし、過去を清算するようなイベントも無い。
それでもなぜ人気なのかと言えば、私は妖精騎士トリスタンの人気はイラストのクオリティに加えてモルガンの補正が強いんだと思う。バカな娘を心配する不器用な母親というのは萌える。

別に悪役キャラが人気なのは不思議ではないけど納得できる部分が見えて来ないんだよね。
例えば殺生院キアラはこっちでも大人気だし、昔からFate界隈では金ぴかが悪役ポジションでもずっと大人気だけどこの辺はかなり分かりやすい所があるわけで

クオリティの高いキャラデザインと分かりやすい属性、性格だから人気が出るのは分かるけど、個人的にはあの口の悪さや相手を見下す言動は地雷に感じられて萌えるのは厳しい。
好きな人がいるというのは分かるけど、日本で大人気だという話には困惑している。

妖精国に関しては住民の妖精がひど過ぎるので妖精騎士トリスタンのやった行為の印象がそんな悪いものではなくなるという効果もあるかと。それに彼女のシナリオ上の最期があれだしね……

確かに加害者、悪役ではあるけど実は被害者というキャラは二次元でよくあるタイプだけど、菌糸類の人の心によって描かれた妖精国における被害者はね……妖精騎士トリスタンの被害者であったはずの妖精も別に無垢の被害者じゃなかったし。

妖精騎士トリスタンに関しては本編シナリオでは説明されない部分が多かったからじゃないか?第三再臨の状態は本編ストーリーでは出てこなかったしなぜああなったかも不明。
それが夏イベでフォローされて活躍にもつながったんだから人気にもなるだろう。

いや、あの第三再臨の理由は夏イベ内でも提示されていない。
提示されたのは夏コミで販売されたマテリアルの方で、ファンの間で予想されていた方向のヒドイ設定がたくさん出てきた。
それにダメージを受けた人間が幸せなアフターストーリーを求めてガチャを回した、同人創作をしたという面もあるんじゃないかな。情報公開された時スゴイ盛り上がっていたようだし。

これ自体はあまり複雑な話ではない。根本的な理由はメスガキだから人気が爆発したということだ。
現在流行りのジャンルなのにFGOではざーこざーこと言いそうなのが妖精騎士トリスタンくらいしか該当するのがいなかったからな。

同意する。
恐らくイラストの良さ、メスガキ属性と実は良い子という側面によって薄い本が量産されたのではないかと。

高いレベルのイラストでツンデレ、メスガキ、高身長系ゴスロリ、巨乳なデザインに実は被害者な過去と大人気キャラな母親モルガンの支援。これだけ並べてみると、理性で考えれば人気になるのは不思議ではないと思える。

私が日本版最新回の夏イベントを遊んだ印象だと、妖精騎士トリスタンの今の人気はいわゆる「メスガキ系キャラ」とされていた部分による所は多くは無い。無いとは言わないが。
今年の日本版の夏イベは妖精騎士トリスタンに加えてのクロエも水着サーヴァントで実装されているんだが、どちらも典型的なメスガキキャラのイメージではあるがシナリオ上の言動はメスガキではなかったのでメスガキ属性を期待すると裏切られたはず。

日本版だと妖精騎士トリスタンは夏イベの前の塔イベでも実質主役扱いだからこっちのイメージ以上に出番は多いし、発揮されるキャラの印象も良いから人気が積み重なっているんだと思う。

やはり近頃のFGO界隈で大人気なモルガンとの関係もあるのが強いんだと思う。
そして今年はぐだに対する好感度が高い水着モルガンが周年で実装されてシナリオに登場して、トネリコも含む絡みがあるから妄想の燃料になった所もあるはずだ。

このテーマは自分も少し気になっていたので面白い。
日本における今年の水着サーヴァントのガチャの第二ピックアップで明らかに需要が高い(爆死の悲鳴が多い)のが妖精騎士トリスタンだったのでちょっと不思議だった

ソシャゲは性能でガチャが回るという認識の人が多いし実際そうなんだけど、日本版FGOはそれに加えてストーリーの良さ、バレンタインイベのストーリーを読みたいという動機で回る部分も多いらしい。
見過ごされがちだが、日本版での実装当時モルガンとオベロンのガチャが回った理由としてこれもかなり大きかった。

シナリオ内で出てくる妖精騎士トリスタンはメガネ装備の文学少女衣装追加、シナリオ上で表現される「口は悪いけど実はいい子」というタイプで本家の面白トリスタンやトネリコとの絡みもある。
シナリオを追いかけてみればこれはかなり人気出るなというのはなんとなく分かるよ。



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の認識も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「他のジャンルよりは強いとはいっても、中国のFate界隈では同人的な妄想を共有して盛り上がることは日本と比べてかなり少ないです。日本の絵師の人達が描いたイラストも搬送されてきますが、イラストを楽しんで終わりです。バーヴァン・シーのようにファンの語り合いで人気が上がることを把握するのは熱心なファンでも難しいのかもしれません」

「中国からは日本のファン界隈における性能やキャラデザ以外が原動力になっている人気、特にストーリーと同人創作が人気に与える影響というのが想像し難いのかもしれません。これは中国ではいわゆる『千里眼』という、先行している日本版の実装スケジュールとキャラ性能を把握して回すガチャを決める習慣も原因の一つだと思います。千里眼は性能の方を意識し過ぎる、性能前提でキャラの評価を考える態度になってしまうので……」


中国オタク界隈においてFGOに関する熱気は一時期と比べてかなり冷え込んでいますし情報の流れも遅くなっているようですが、その結果日中の感覚が広がっているようなのはちょっと興味深いですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「アニメやマンガで日本語を覚えたという話をよく聞くけど、それができる人はどれくらいいるのだろうか?実在するのか?」

ありがたいことに久々に日本語学習に関するネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

近年はオタク分野でも正規の中国語翻訳作品が増え、中国語で蓄積されるオタク関連の情報も増加するなど昔と比べてかなり便利になっていることもあってか、オタクをやっていて日本語が必要だと感じる機会は減っているという話があるそうです。
しかしやはり日本語能力があるに越したことは無いので、中国オタク界隈では定期的に日本語学習ネタで盛り上がったりもするのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「アニメやマンガで日本語を覚えられる人はいるのか?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


アニメやマンガで日本語を覚えたという話をよく聞くけど、それができる人はどれくらいいるのだろうか?実在するのか?自分もかなりの作品を見ているのに日本語を覚えられる気が全くしない……

分かる。
アニメやマンガで日本語を学ぶ、そこから日本人とも交流できたという話はそれなりに聞くけど自分にできるかどうかは別の話だ。
本当にアニメで日本語を学んだ人間は存在するのか!?

とりあえず俺の場合、字幕組が元気な頃から見ているから……もう15年以上は日本語のアニメを見ているけど全然日本語はできないな!

アニメを見ていても日本語の文法が分かったりはしないからな
覚えている単語が増えた、とかならあるかもしれないけど

うーむ……日本旅行で使えるあいさつやお礼の言葉くらいなら覚えたと言える、かもしれない。

俺も日本のアニメやマンガ、ゲームで日本語を覚えたという話は全く信じていない。俺が日本語を勉強する過程で補助的な効果はあったけど、根本的な部分を先に勉強しておかなければ日本語能力向上に対する効果は無かったと言うことができる。

ああいう話って極論になりがちで娯楽作品を見る口実にされる所もあるから信用してはいけないと思います!

結局、自分で学習しないと覚えないよね。五十音とか文法とか。
ただ個人的には二次元作品をたくさん見たおかげで自分の日本語の語感が良くなったのは確かだ。

アニメやマンガって学習の動機になる身近な「外国語を使うもの」としては大きいんだけど、何も考えずに見ているだけではダメだろ

日本語学習の効果を求めるなら中国語字幕だけでなく日本語字幕もあると良いとは聞くけど実際どこまで効果があるのやら……

少なくとも私には結構効果的だったよ。アニメを見ている時に発音と文字の関係を意識しやすい。ある時自分が五十音をきちんと耳で判別できているのに気付いたし日本語がかなり覚えやすくなった。

アニメやマンガ「だけ」で覚えられるかと言うなら覚えられない。既に言われているように五十音や文法、作品に出てこないような単語は覚えられない。
ただ私自身に対する効果はあったから、全く意味が無いとも言えない……「ポケモン」のように子供向けでセリフが分かりやすい作品とかは日常的な会話の例として役に立ったという自覚はある。

最低限の基礎は学んでおかないと、入ってくる日本語情報が無意味になるからなあ

この手の話は「学べた」レベルに対する認識に個人差があるのもヤヤコシイ。
私は五十音くらいは覚えたけど、その後様々な日本の作品を見たり遊んだりしただけ。その結果日本のゲームをそのまま遊べるくらいにはなった。もちろん基本的な所が分かるだけでストーリーの深い所は分からないし、書く方も聴く方も微妙なままだけどね。
しかしこういうレベルは「日本語を学べた」ウチには入らないという人が少なくないだろう。

学べたとしても能力が偏ることもある。俺は日本のアニメやマンガ、ゲームと順当に範囲を広げていき今では見たり聴いたりは何とかなるけど、日本語の文章を書こうとする非常に怪しいものが出力される

理解できる話だ
私はアニメずっと見ていてわりと日本語を聴きとれるようにはなったけど、書く方は今でも全然自信が無いのでネットでチェックが欠かせない

たくさんの作品を見たり聴いたりで日本語を覚えてしまうような人はいる。俺の大学のアニメマンガサークルにそういう人が実在した。
ただその人も自分から積極的に勉強していたから、一般的にイメージされる「アニメを見ているだけ」とはちょっと違うかも……

今の日本語ができるオタクの大部分はアニメやマンガを見るのとは別に普通に日本語を勉強しているはずだよ。五十音とか基礎的な部分はアニメやマンガだけで覚えるのはほぼ無理。

肯定的に考えても聴きとれるようになるくらいで「日本語が話せるようになる」というのは才能があるごく一部だけだろうね

これはアメリカのドラマをずっと見ている人間が英語をできるようになるのか?と考えてみれば良い。
英語には学校で長年学んだ基礎があるはずなのに、ウチの国のアメリカドラマ関連のフォーラムでは字幕版が求められているわけで……

日本のアニメやマンガの効果って日本語に興味を持つ、学ぶ動機になるということだろう。趣味分野で強いから就職など実利的な効果が無くても無駄なことをしたという気持ちにならずに済むしね。

一応俺はアニメやマンガだけで基本を覚えたし職場の日本人との日常会話も問題無い。ただかな文字は分からないのでそっちの対応は無理だ。

俺は基礎的なフレーズや単語はアニメやマンガで学んだ部分も多い。ただ日本語の資格試験は普通に授業出て教科書買ってというのをやったよ。

マンガに関してはテキストの漢字部分を眺めているだけで何となく理解できてしまうのでそこで覚えた気になって止まる。俺のように。
日本語を覚えられるのはそこから調べて学習できるタイプなんだろうな。

アニメやマンガを見ていると日本の日常生活でよく使われる一言二言のフレーズ、言い回しなどが頭に入るし、例文的なものも把握できるから教材としては無意味ではない
しかし基礎を学べるわけではないんだよ

改めて考えてみたが、一定の基礎+アニメやマンガで日本語交流はできるようになるけど、資格が取れるようなちゃんとした日本語にはならないから「日本語を学べる」という意味ではどうなんだろう?
俺は日本人とチャットできるけど資格のテストは悲惨な結果になったので趣味と日常会話以外では使えない。仕事は結局英語ベースだ。

そもそもの問題として、アニメの演技って声優によって誇張されたものだから日本人の日常的な喋り方とは異なる部分も少なくないのでそのまま真似すると日本人からすれば怪しい人間になってしまう。
もちろん誇張の方向性を分かっていれば大した問題にはならないが、それもまた作品を見る以外で勉強する必要があるものだから……

結局、勉強しようと思わなければ覚えないよ。私は特撮ファンだから日本人役者の生の日本語だってよく聴くけど全然覚えられていない!

言葉ってのは読み書きだろうが会話だろうが自分から使わないと覚えないものだね。受動的に作品を消費するだけだと日本語を「学ぶ」ことにはなかなかつながらない。

ふと思いついた疑問だけど、現代では翻訳済みの作品や動画が増えて翻訳ツールの性能向上もあるのでオタクをやる上で日本語を勉強しないで済むようになっているが、日本語学習的にはどうなんだろう?初心者向けの学習ソフトやネットのツールとかもあるから環境は昔よりは楽に思えるけど。

昔と比べると中国語でほぼ済んでしまう、大量の作品が見れるから動機という面ではかなり弱くなっていると思う
スレを立ててポイントを稼ぐとか、動画で稼ぐネタのために専門的やってる連中がいるから個人が日本語を学んで最新情報を語ってオタクの間で良い気分になるというのも現代では難しいし

これって二次元的に言うなら「テスト前に全然勉強していないというヤツ」と似たようなネタだろう。軽いネタにするためにバカを装うわけだ。

上の方でも言われているけど、言葉を学ぶなら基礎がある方が格段に速く学べる。どの分野でも系統だった学習方法が一番有効。
私は日本語をきちんと学ぶようになったのは五年位アニメやマンガを見ていた後だけど、その五年間よりまじめに勉強した一ヶ月の方が明らかに収穫は上で更にその後の効率(オタクの活動も日本語能力)も上がった。この基礎を学んでからアニメやマンガを見ればよかったな……と少しだけ後悔した。



とまぁ、こんな感じで。
近頃の中国オタク界隈の日本語事情なども合わせてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「現代の環境では公式で翻訳された作品や情報も多いので中国語だけでも大体問題無くオタク趣味が楽しめます。だから今の中国のオタクは日本語を覚える必要性を感じない人が昔と比べて増えていると思います」

「しかし詳しく、正確に知りたいとなったらやはり日本語をある程度学んで自分から調べる必要があります。中国語で調べただけで満足すると不完全な情報、間違ったまま広まった情報を信じてしまうこともあります。これはオタクと二次元分野に限った話ではなく、日常生活や『敏感な問題』のゴタゴタについても関係する話ですね……」

などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

こちらは2010年の記事になります。
中国オタク的疑問「日本のゲームで日本語はうまくなるのか?」

中国オタク「私の追いかける作品は主人公が空気になってしまう作品が少なくない。なぜそうなってしまうのだろうか……」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では「主人公に感情移入して作品を追いかける人の割合が高い」という話もあるそうで、ストーリー上で長期にわたって主人公の出番がない状態が続くと不満が目立つようになるのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「主人公が空気化する作品が出るのはなぜか」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


私の追いかける作品は主人公が空気になってしまう作品が少なくないんだけど、なぜそうなってしまうのだろうか……なんて言うか作品がつまらないわけじゃないけど、自分が求めているものとズレていくので追いかける気力が減っていく。

仲間の方が人気高い、強いとかだとそうなりがち。
私も最近そういう作品が多いと感じるけどそれはキャラを多くした結果サブキャラの方に力を入れる割合が多くなる、相対的に主人公が目立たなくなった結果じゃないかと考えている。

主人公よりも仲間キャラの方が人気が高いというのは昔からありがちな話ではあるが、主人公が空気化しているとハッキリ感じられる作品は今の方が多いと感じられたり
これは「呪術廻戦」や「BLEACH」みたいな分かりやすい作品の印象が強いというのもありそうだけど

主人公以外の人気キャラから作品に入るなら良いんだけど、主人公に感情移入しているとそういうのつらくなるのは分かる
主人公以外の部分も楽しめれば、推せるようになればいいとは分かっていてもまず見たいのは主人公の活躍なわけで

「呪術廻戦」とかは五条悟が大人気過ぎるけど虎杖の主人公としての活躍を見たい私みたいなのもいるんです……

「ゆるゆり」のようにネタにするような作品であればまだ良いけど、普通に行方不明になっていくのはね。
そういう作品の場合、群像劇というにはキャラごとの扱いの差があり過ぎるし。

そういう展開になる作品って作者が主人公を嫌いだからじゃないの?

作者が嫌いなキャラを主人公にしてどうするんだよ……

作者が主人公を動かし難くなった、仲間キャラの方が好きになったということなら珍しくない
そういう作者の愛情を獲得したキャラの過去編とかが始まると長くなりがちだし主人公はいよいよ存在感が無くなる

作者が書きたい内容が主人公中心だと描けないから……というのもある。
例えば「プリズマ☆イリヤ」は魔法少女が行方不明になって美遊兄による正統派な型月のストーリー展開になってしまった。

まぁ「プリズマ☆イリヤ」はFGOなどのコラボでメイン3人が活動してるしそもそもFate関係から入ったファンも多いからそこまで「主人公が空気」に対する不満は出てないよ。今年のFGO夏イベでもクロエが作者直筆のCG2枚もらうレベルで活躍してたしね。

作者の能力の問題もだけど編集の問題もあると思う。
読者が主人公と関係無いキャラの話を何章にもわたって見ていたいと思うのかなどを考えてみればいいのに……

編集の立場だと主人公より人気キャラをもっと活躍させろって言うんじゃないかな……不人気とまではいかなくても一番人気ではない主人公よりも、強力なファンが付いている人気の仲間キャラを出した方が稼げるし、編集にとっての実績にもできるだろうから。
主人公中心で描いても人気になるとは限らない、下手すれば作品が埋もれて不人気になってしまうわけだからな。

主人公の活躍よりも現在の環境で目立つ、生き残る方が優先される訳だしね。人気キャラが出たらそっちを中心にしようとするのは理解できる。納得できるかは内容次第だが。

含蓄があるなどの方向と同じような感じで群像劇を評価する声はよく見るけど、正直に言えば自分は長編ストーリーは主人公中心で話を進めて欲しいと思っている。サブキャラの話は番外編でやってくれる分には大歓迎。

主人公が空気になることの擁護で「群像劇的な作品だから」という話はよく出る。
でもそういう作品が群像劇として上手くいっているかというと……

群像劇を上手く書くのは難しいし、上手く書いたからと言って一般ウケして大人気になるとは限らない。
例えば「ワールドトリガー」とか良い作品だけどウチの国ではイマイチ人気が伸びてない。

主人公が空気になるのはストーリーよりもキャラ重視な日本の作品だとありがち……と思いきや、ウチの国でも珍しくないのが何とも言えない気分になる。
国産マンガやゲームの有名な作品でも結構ある。

むしろストーリー重視作品の方が主人公の扱いでの迷走、空気化をやらかしがちなのでは。国産のADV、ギャルゲーとかそういうのが少なくない。

国産作品は露骨な再生数、トラフィック重視だから主人公よりも人気キャラの出番をどんどん増やしていく。
当座の人気のために高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に追加されまくるストーリーを見ていると日本の連載作品の整合性の無さを笑えなくなるよ。

日本のギャルゲーだとアニメ化の際に本当に存在そのものが消えることもあるから……!

主人公が出ない話が続いても主人公が空気化しないやり方はある。例えば「ムシウタ」は主人公が出てこない、別キャラ視点のエピソードも多いけど主人公についてよく言及されるので主人公が空気という印象は無い。

長編になると主人公中心の話、キャラの関係だけだとネタ切れになるんだよ。
だからサブキャラでネタを掘り起こす、或いは最初からサブキャラを深く設定しておいてそちらの話を進める。場合によっては作者の愛が明らかにサブキャラの方に注がれているのが分かって微妙な気分になることもあるけどね!

一つの大人気IPを引き延ばして食っていく近年の環境において主人公の空気化が増えるのは避けられない。
作者が主人公のストーリーを書けなくなったとしても作者個人や作品の関係者は人気のある作品を捨てられない、捨てたくない。別の作品を立ち上げるのも能力的に厳しい。ならばその人気作品の知名度と人気のあるサブキャラを活用して食っていくしかない。

主人公が空気になるような作品を群像劇だからと評価する人もいるけど、群像劇ではなくストーリーの配分間違っているだけじゃないかと思うことの方が多い
成田良悟の作品みたいなのはなかなか無い

その意見に同意する。
特にアニメやマンガだと小説と比べてページや時間当たりで描写できる内容が少ないから群像劇はきちんと計画しなければ困難だ。ストーリーが長びいたり迷走したりした結果ではない。

個人的には主人公が空気になるくらいなら水滸伝みたいに章ごとに主人公を切り替えるスタイルにして最後に集合させるようなストーリーの方が良いと思えたり

私はアニメに主人公がなかなか出てこないのになぜ主人公扱いするのか、それならエピソードごとに主人公が変わる体裁にすればいいのにと思ったことはある。

こういうのって「SEED DESTINY」のような不人気主人公の主人公交代とは別の意味で難しい問題だ。
主人公の空気化が失敗につながるとは限らないし、サブキャラ人気で盛り上がって上手くいく作品はある。ただ見ている側には妙なストレスがたまる人も出ると。

このテーマを見て自分の場合はどうなのか考えてみたが、たぶん私は主人公の空気化に関してはジャンル次第だ。バトル系やスポーツ系、恋愛系はそういうのが気になる。
逆にホラー系の作品だとそんなに気にならない。

理解できる話だ。
私はバトル系やスポーツ系もだけど、日常系も作品によっては空気化する主人公が引っかかったりするよ。

ホラー系作品の場合、主人公は視点を提供するのが主な役割だからね。
それに対してバトル系や運動系などは話の中心となって動かす役割を担う、見ている側はそれを期待するわけだから活躍しない状況が続くとモヤモヤする人が増えるのも無理はない

主人公は無難な設定、ストーリーを動かしやすいキャラ設定にするから作者の思い入れが離れることもあるようだね
そして作者とネットの声の大きさとファン全体の認識のズレというよくある問題が……



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の見方がイロイロと出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国ではストーリーが重視されると言われていますが、それは主人公視点で楽しめる、主人公に感情移入できるストーリーと言い換えられる部分も少なくありません」

「中国のオタクは『こうあるべきという正しい形』にこだわる傾向があり主人公には主人公らしい格と活躍を期待します。だから日本よりも主人公の扱いが悪い、或いは期待されたような活躍をしないと不満が出ます。中国で『進撃の巨人』の終盤が炎上したのはそういった例の一つだと思います」

などといった話もありました。

日中のオタクの作品の楽しみ方や感情移入の方向性の違いというのも気になってきたので、機会があればもう少し調べてみたいですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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日本からだと存在そのものを疑われる事も有った北京の漫画喫茶B3は現地の制度変更や地価高騰の影響で伝説の彼方の存在となってしまいましたが、中の老板は相変わらず活発に動いてらっしゃいます。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

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