ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。
近頃は中国で人気になる日本のファンタジー作品が続いていることもあってか、中国オタク界隈では日本のファンタジーの定番要素やありがちな展開に関する考察で盛り上がることも増えているそうです。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「勇者であっても全ては守ることができないという展開」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
勇者、英雄であっても全ては守れない展開、或いは強大な敵が弱点地域や後方を攻撃しない矛盾を解決して爽快感を維持するにはどうすればいいのか
見せ方やストーリー展開で皆が納得できたものを教えてほしい
全方位攻撃から守るにはどうするかという話か……話の規模が大きくなってリアリティを考え出すと避けて通れない問題だな
まともにやるなら戦線と後方の距離が離れている、魔王側に瞬間移動で戦力投下はできないとか制限をかけるのが無難かね
こういうのって話を引き伸ばすネタに困ったと思われる時にやって見ている読者がイラつく、設定に対する批判が加熱状態になるというのも少なくないな
個人的には敵側がやっても嫌がらせにしかならない、みたいなバランスにしておくのが好みではある
リアリティ重視、世界観演出でやるのは分かるけど主人公が強くなったのを盤外戦術で無意味にされるのはやはり面白くない
憤怒からの覚醒イベントの材料にするのが無難
これは故郷や友人だけでなく、弱い仲間に関しても使える
クリリンは便利なキャラだった
そういうのを重視した世界観にした場合、被害を無しにするのは現実的ではないしイベント的に扱うのがいいんじゃないかな
あとは無辜の民が死ぬことをシステムに組み込んでしまうとか
「ランス」の勇者システムみたいなのか
あれはえぐいけど皆が評価する勇者の設定だよなあ
結局は主人公が十分に強ければ良いだけの話では?
なぜ主人公一人で全て対応できないと考えるのか
俺もこの問題の解答は一人で敵や敵集団を制圧できるようにすることだと思う
ラスボスの世界規模の超範囲攻撃を無効化するとかは燃える展開だ
それでどんどんインフレさせて「はい全知全能」みたいになっても今度は作品の特徴や強みが消えてしまうという問題が発生する
俺TUEEEEEで上位存在になるとか、国産作品ではよくある展開だし俺も好きではあるが二次元に全て適用するのが正しくないのも分かる
戦闘するだけならまだ良いんだが、問題は主人公のいない場所をどう守るか維持するかだろう
この辺はふわっとしている作品もあるし否定的に見ればみつかる穴も少なくない
役割分担を明確にするのが無難かね
勇者が倒さなければいけないのが魔王だとして、魔王以外の戦力に関しては対抗できなくもないバランスにして勇者以外にも複数の戦線が存在するとかで
囲魏救趙みたいに勇者の役割、戦略的な目標を明確にしておけば犠牲に関してはざっくりとした描写で済ませてストレス無しでいけそう
そもそも勇者、主人公が全部守れるほど強くなければいいのではないかと
このテーマはある意味では俺TUEEEEEEな主人公を推し進めたことにより発生した問題と言えるかもしれない
「ガンダムSEED」の頃から最強のキラ・ヤマトの戦っている所以外はどうなるんだ占領政策はどうなるんだとは言われていたからな
そっちはラクスのカリスマでなんとかなるみたいになったようだが……
ストーリー上の大部分で主人公?勇者?がそこまで脅威ではないように見せればいい
敵側の攻撃対象にはならない、少なくとも戦略的に排除するようなレベルではない、敵としてはもっと優先する目標があるといった形にね
上で言われている「ランス」の勇者ほど極端じゃないけど、勇者の糧にするとか?
勇者がそこまでやらないといけないわけではないし、政治要素入れて勇者の価値を宣伝するなら情報操作もセットでやるのがリアリティ的には普通だろうしね。
小細工抜きで考えるなら戦いの連続でストーリーとしては長いけど実際の時間は短い(敵味方共に十分な分析、対処の余裕が無い)という方法がある
JRPG系の正統な勇者作品である「ダイの大冒険」は途中で一度敗北と世界崩壊まであるのに実は作中時間は約3か月しか経っていない
敵が一つの街を滅ぼす間に勇者は一つの重要拠点を攻略する、費用対効果では勇者側が有利、敵側としては主戦力や火力を勇者に集中させないといけない……というのもアリだと思う
敵側に理由付けをするのも一つの手だろう
世界滅亡させたい邪悪な組織ではないとか、邪悪な組織でも高級幹部に強さを求めるバトルジャンキーが混じっていて組織の方針そっちのけで主人公ばかり狙うとか
こういうのは演出による印象や主人公側の精神的なダメージ描写、頼りにならないどころか英雄に責任転嫁する味方や一般人などが見ている側を嫌な気分にさせるけど、スルーできる作品(と主人公)なら問題にしないこともできる
既に甚大な被害が発生しているんだから更に何かを破壊された人が死んだとかを気にして行動を制限する必要はないといった感じでね
やはりここは「必要な犠牲」だったということで
世界を救うのを優先する、そして「必要な犠牲」アピールを周りにやらせて主人公は悩むというか、その犠牲を背負っていくアピール!
守る範囲次第だけど、敵の攻撃で拠点放棄からの新拠点始動はわりと手堅いし心機一転アピールできるやり方だと思うのだけど
自前の勢力を強化して他所を救援しにいく程度の描写でいいんじゃないかな
関係ない所まで守るのは現実感が薄れるし「聖母キャラ」とか嫌われるから、仲間や守るべき(実際に守れる)味方の範囲を強調しておく
内政系なら被害は出たけど対抗できた、準備が活かされたとかいう話にするのがあったな
避難所や防空壕などの設備を作って避難手順を構築し日頃から訓練もしておくとか
これなら被害が出ても主人公側の功績として肯定的に描ける
これはアメコミでも昔からずっと続いている問題だし、制作側の事情も含めて簡単に解決できる問題ではない
まぁ二次元の場合、民衆のレベルがアメコミほどヒドイ作品は多くないし好きな作品なら心の薄目を開けて見るくらいがちょうど良い
こういう問題をカバーするために仲間やチームメイトがいるんだけど、近年は俺TUEEEEEが極端になってきているからチートな主人公と周りのバランスが逆に難しくなってきている
俺TUEEEEEが求められている作品においてここで討論されているような展開をリアリティ方面や話の引き延ばしなどで安易にやって荒れる、グダグダになることも珍しくない
勇者、英雄にも仲間は必要だし全ての敵を主人公一人で何とかする必要はないはずだけど、今はそういうのを求める空気もあるのがヤヤコシイ
元々「勇者」って防衛するよりも攻めるのが役割な斬首戦術の特殊部隊だからね
既に言われているけどこのテーマに関しては勇者の地位やチート能力などによって役割が変わっていった結果の矛盾という面もあるのだろう
全てを守り切れなかったことによる悲劇や責任を突き付けられる展開に対するモヤモヤって、本来敵の軍団や組織を全部相手にするのは無理だから刺客として戦いに挑んでいるのにそんな責任まで負わせるなよ……というのもあると思う
やはり世界全てを敵にするべきだ!
守るべきものなどいらぬ!!
守るものが無い状況にするのもアリといえばアリだな
言ってみれば「私有財産」が増えた結果、遊牧生活がうまくいかなくなったようなものだ
シューティングゲームの世界崩壊直前で自機発進みたいなシチュエーションもあるね
JRPG世界観、勇者ネタの源流である「ドラゴンクエスト」では最初に勇者の村が燃えて廃墟になる展開が多いし最初に大事なものを失って戦い、復讐に全力を投入するようになるのが本来の勇者の定番設定なのかもしれない
とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の見方も含めてイロイロな話が出ていました。
ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国の作品では武侠や仙人といった方向での強化が多いです。これは万能、上位存在になるという強化なので日本のファンタジー作品の強化と比べてかなり強力です。こういった強化に慣れているので私は良い悪いは別として日本の作品におけるキャラの強化とその活躍に対してもどかしいと感じる時もありますね」
などといった話もありました。
主人公がどこまで強くなれるか、当然できるだろうことは何かなどといったことに関するイメージにも日中の微妙な違いというのはありそうですね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
5/31修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。
近頃は中国で人気になる日本のファンタジー作品が続いていることもあってか、中国オタク界隈では日本のファンタジーの定番要素やありがちな展開に関する考察で盛り上がることも増えているそうです。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「勇者であっても全ては守ることができないという展開」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
勇者、英雄であっても全ては守れない展開、或いは強大な敵が弱点地域や後方を攻撃しない矛盾を解決して爽快感を維持するにはどうすればいいのか
見せ方やストーリー展開で皆が納得できたものを教えてほしい
全方位攻撃から守るにはどうするかという話か……話の規模が大きくなってリアリティを考え出すと避けて通れない問題だな
まともにやるなら戦線と後方の距離が離れている、魔王側に瞬間移動で戦力投下はできないとか制限をかけるのが無難かね
こういうのって話を引き伸ばすネタに困ったと思われる時にやって見ている読者がイラつく、設定に対する批判が加熱状態になるというのも少なくないな
個人的には敵側がやっても嫌がらせにしかならない、みたいなバランスにしておくのが好みではある
リアリティ重視、世界観演出でやるのは分かるけど主人公が強くなったのを盤外戦術で無意味にされるのはやはり面白くない
憤怒からの覚醒イベントの材料にするのが無難
これは故郷や友人だけでなく、弱い仲間に関しても使える
クリリンは便利なキャラだった
そういうのを重視した世界観にした場合、被害を無しにするのは現実的ではないしイベント的に扱うのがいいんじゃないかな
あとは無辜の民が死ぬことをシステムに組み込んでしまうとか
「ランス」の勇者システムみたいなのか
あれはえぐいけど皆が評価する勇者の設定だよなあ
結局は主人公が十分に強ければ良いだけの話では?
なぜ主人公一人で全て対応できないと考えるのか
俺もこの問題の解答は一人で敵や敵集団を制圧できるようにすることだと思う
ラスボスの世界規模の超範囲攻撃を無効化するとかは燃える展開だ
それでどんどんインフレさせて「はい全知全能」みたいになっても今度は作品の特徴や強みが消えてしまうという問題が発生する
俺TUEEEEEで上位存在になるとか、国産作品ではよくある展開だし俺も好きではあるが二次元に全て適用するのが正しくないのも分かる
戦闘するだけならまだ良いんだが、問題は主人公のいない場所をどう守るか維持するかだろう
この辺はふわっとしている作品もあるし否定的に見ればみつかる穴も少なくない
役割分担を明確にするのが無難かね
勇者が倒さなければいけないのが魔王だとして、魔王以外の戦力に関しては対抗できなくもないバランスにして勇者以外にも複数の戦線が存在するとかで
囲魏救趙みたいに勇者の役割、戦略的な目標を明確にしておけば犠牲に関してはざっくりとした描写で済ませてストレス無しでいけそう
そもそも勇者、主人公が全部守れるほど強くなければいいのではないかと
このテーマはある意味では俺TUEEEEEEな主人公を推し進めたことにより発生した問題と言えるかもしれない
「ガンダムSEED」の頃から最強のキラ・ヤマトの戦っている所以外はどうなるんだ占領政策はどうなるんだとは言われていたからな
そっちはラクスのカリスマでなんとかなるみたいになったようだが……
ストーリー上の大部分で主人公?勇者?がそこまで脅威ではないように見せればいい
敵側の攻撃対象にはならない、少なくとも戦略的に排除するようなレベルではない、敵としてはもっと優先する目標があるといった形にね
上で言われている「ランス」の勇者ほど極端じゃないけど、勇者の糧にするとか?
勇者がそこまでやらないといけないわけではないし、政治要素入れて勇者の価値を宣伝するなら情報操作もセットでやるのがリアリティ的には普通だろうしね。
小細工抜きで考えるなら戦いの連続でストーリーとしては長いけど実際の時間は短い(敵味方共に十分な分析、対処の余裕が無い)という方法がある
JRPG系の正統な勇者作品である「ダイの大冒険」は途中で一度敗北と世界崩壊まであるのに実は作中時間は約3か月しか経っていない
敵が一つの街を滅ぼす間に勇者は一つの重要拠点を攻略する、費用対効果では勇者側が有利、敵側としては主戦力や火力を勇者に集中させないといけない……というのもアリだと思う
敵側に理由付けをするのも一つの手だろう
世界滅亡させたい邪悪な組織ではないとか、邪悪な組織でも高級幹部に強さを求めるバトルジャンキーが混じっていて組織の方針そっちのけで主人公ばかり狙うとか
こういうのは演出による印象や主人公側の精神的なダメージ描写、頼りにならないどころか英雄に責任転嫁する味方や一般人などが見ている側を嫌な気分にさせるけど、スルーできる作品(と主人公)なら問題にしないこともできる
既に甚大な被害が発生しているんだから更に何かを破壊された人が死んだとかを気にして行動を制限する必要はないといった感じでね
やはりここは「必要な犠牲」だったということで
世界を救うのを優先する、そして「必要な犠牲」アピールを周りにやらせて主人公は悩むというか、その犠牲を背負っていくアピール!
守る範囲次第だけど、敵の攻撃で拠点放棄からの新拠点始動はわりと手堅いし心機一転アピールできるやり方だと思うのだけど
自前の勢力を強化して他所を救援しにいく程度の描写でいいんじゃないかな
関係ない所まで守るのは現実感が薄れるし「聖母キャラ」とか嫌われるから、仲間や守るべき(実際に守れる)味方の範囲を強調しておく
内政系なら被害は出たけど対抗できた、準備が活かされたとかいう話にするのがあったな
避難所や防空壕などの設備を作って避難手順を構築し日頃から訓練もしておくとか
これなら被害が出ても主人公側の功績として肯定的に描ける
これはアメコミでも昔からずっと続いている問題だし、制作側の事情も含めて簡単に解決できる問題ではない
まぁ二次元の場合、民衆のレベルがアメコミほどヒドイ作品は多くないし好きな作品なら心の薄目を開けて見るくらいがちょうど良い
こういう問題をカバーするために仲間やチームメイトがいるんだけど、近年は俺TUEEEEEが極端になってきているからチートな主人公と周りのバランスが逆に難しくなってきている
俺TUEEEEEが求められている作品においてここで討論されているような展開をリアリティ方面や話の引き延ばしなどで安易にやって荒れる、グダグダになることも珍しくない
勇者、英雄にも仲間は必要だし全ての敵を主人公一人で何とかする必要はないはずだけど、今はそういうのを求める空気もあるのがヤヤコシイ
元々「勇者」って防衛するよりも攻めるのが役割な斬首戦術の特殊部隊だからね
既に言われているけどこのテーマに関しては勇者の地位やチート能力などによって役割が変わっていった結果の矛盾という面もあるのだろう
全てを守り切れなかったことによる悲劇や責任を突き付けられる展開に対するモヤモヤって、本来敵の軍団や組織を全部相手にするのは無理だから刺客として戦いに挑んでいるのにそんな責任まで負わせるなよ……というのもあると思う
やはり世界全てを敵にするべきだ!
守るべきものなどいらぬ!!
守るものが無い状況にするのもアリといえばアリだな
言ってみれば「私有財産」が増えた結果、遊牧生活がうまくいかなくなったようなものだ
シューティングゲームの世界崩壊直前で自機発進みたいなシチュエーションもあるね
JRPG世界観、勇者ネタの源流である「ドラゴンクエスト」では最初に勇者の村が燃えて廃墟になる展開が多いし最初に大事なものを失って戦い、復讐に全力を投入するようになるのが本来の勇者の定番設定なのかもしれない
とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の見方も含めてイロイロな話が出ていました。
ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国の作品では武侠や仙人といった方向での強化が多いです。これは万能、上位存在になるという強化なので日本のファンタジー作品の強化と比べてかなり強力です。こういった強化に慣れているので私は良い悪いは別として日本の作品におけるキャラの強化とその活躍に対してもどかしいと感じる時もありますね」
などといった話もありました。
主人公がどこまで強くなれるか、当然できるだろうことは何かなどといったことに関するイメージにも日中の微妙な違いというのはありそうですね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
5/31修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。