ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので、今回はそれについてを。
中国オタク界隈ではアニメやマンガにありがちな展開、定番要素に関する考察で盛り上がることも多いそうで、定期的にああでもないこうでもないといった討論が行われている模様です。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「二次元作品に主人公の両親がきちんと出てくることが少ないのは何故か」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
二次元作品に主人公の両親がきちんと出てくることが少ないのは何故だろう?
両親揃って出てくる作品もあるけど、大多数は両親が揃っていない或いは出てこない作品だ
死別しているとかでなくても、出張でいないから主人公は一人暮らしみたいなことになるよね
オタク向け作品に限った話ではなく、昔の一般向けのアニメでも親は片方しか出てこないというのは少なくないんだよな
出てこないけど設定上明確に死別しているケースもそこまで多くないはずだけどね
言ってみれば舞台装置として両親キャラってあまり使いやすくないんだよ
出すとしても片方だけ、そして片方だけならその理由をストーリーや主人公の背景に連動させられる
同意する。役割分担させるならともかく「親」という舞台装置が欲しいなら片方で良い。
これは二次元に限った話ではない
昔から親に関しては設定上は存在してもいないのと変わらないような扱いの作品も少なくない
キャラを増やすと描写が増えて手間がかかる、読者の注意も逸れるから削ってしまうんじゃないかな
キャラを一人増えるとストーリー描写もそれだけ増えるから、省けるなら省いた方が良い
特にアニメやマンガは使える時間、ページ数が限られているかあまり必要性のないキャラを増やして描写が必要な要素を増やすというのはプラスよりマイナスが多くなりがち
基本的にはメインストーリーに関係ないキャラは削った方が良いからな
デザインするキャラクターが一人増える、呼ぶ声優も一人増える
昔のアニメはその辺は一人で何役もやることも多かったから……でも現代の作品は話数が少なくなって謎のオリジナルエピソードやったり野球やサッカーやったりして話数を稼ぐこともなくなっているから重要ではない家族キャラは出さなくなっているんだろうね
父母の片方だけなら逆に話は作りやすくなるのではないかと
うーむ……最近見ていた作品だと両親がキャラとしてきちんと出ていたのは「宇崎ちゃん」くらいしかすぐに思いつかなかった
あれは話に困ったときに両親ネタで進められるという利点があったから、日常系ならそれなりにあるのでは?
日常系、オタク向けだと最近は「母親キャラ」というジャンルで稼げるから母親の方が便利そうだな
女性向けだとその辺違うのだろうか?女性作品は詳しくないので「宇崎ちゃん」や「ガルパン」のような人気があって収入源になる父親キャラがいるのか私は分からん
「ガルパン」の西住家も設定上は父親いるぞ?薄い本どころか公式でも扱いはアレだけど!
普通は女性主人公なら母親不在、男性主人公なら父親不在になると思っていたんだが稼ぐなら主人公と同性の親の方が良いのかな
主人公と対立させる、超えるべき障害として出すなら同性の親の方が良いし、オタク向けで「商業的に」主人公と同じ場所で活躍させるのにも同性の方が良い……はず
「スパイファミリー」のように家族が主人公、メインキャラとしての役割が親キャラにもあるようなタイプなら両親揃うかな?
少年マンガだと家庭描写はともかく両親からの愛情、一般的な常識による親からの保護の描写が必要になる、需要がある作品というのは珍しい
普通の親なら日常の裏側の伝奇バトルとか命がけの冒険とかいかせない
必要になるのは概ね「それを失った或いは奪われた」という背景だ
古い例えになるが「ドラゴンボール」のチチが母親の立場になってからどうなったかというのが良い例かも
よく孫悟空は父親失格と言われるが、まともな父親をやっていたら話は面白くならないし見ている側にも余計なストレスがたまる
理解できる話だ。バトル、冒険要素が中心に繰る作品だと親はいない方が良い。
いわゆる「三大民工漫」の「NARUTO」「ONE PIECE」「BLEACH」のどれも親がいないからこそのストーリー展開、キャラクターの動かし方ができた。
不幸な家庭というわけではないんだろうけど「ポケモン」でも親が両方出てくることはなかったよね
作品の主人公にする場合、現実と違って一般的な満ち足りた家庭環境で育った少年少女は不向きなんだよ
バトル系だと弱点になるだけでなく、話にブレーキをかけて嫌われることもあるからな
それだったら両親共に海外出張で一人暮らしの方が良い
家にクラスの友達、ヒロインが来るような展開で、両親がいると描写や説明、イベント発生の条件整備がめんどくさいことになる
特に異性キャラとの恋愛描写では親がいると話を進められない!
ウチの国の家庭ならともかく、日本だと子供の部屋があって独立した空間でのイベントにできるからそこまで問題無いと思うが
めんどくさければ「今日は家に親がいない」にすればいいんだし
日本の家庭は原則として子供のプライバシーは尊重するからな。以前日本人に「実家にいた頃は親が子供の部屋や郵便物を調べていたのがめんどくさかった」と話したら本当にドン引きされたことがある。
日本の二次元の定番の母親がお茶とお菓子をもって入ってくるイベントも基本的には子供のプライバシーを尊重しているから成立するネタという見方もできる。これに限らずラブコメ作品だと両親キャラにイベント発生装置的な役割をさせることも多いから完全に不要というわけではない。
どちらにしろ日本の作品解説を見ていると作者、制作側はかなり明確な意図によって「両親を出さない」ということにしているのは感じられる
序盤は主人公と同性で先達となるような存在がいると主人公の目的も定まって何かと便利だけど、それは二次元だと師匠や先輩、憧れの兄貴やお姉さまキャラとかで親ではない……
百合系作品だと画面に出てくるキャラ全部女なので当然両親も片方しかいないということになったりするな!
なるほど、ターゲット層の好みを想定してということもあるのか。
ところで以前きらら系作品は男は父親キャラすら消しているという話を聞いたことがあるけど、これは本当なのだろうか?
「ぼっち・ざ・ろっく!」とか父親が出ているきらら系のアニメは幾つかあるのでそれは違うかと
非日常と対立する普通の家庭、普通の生活を強調する必要がある作品なら両親揃って出てくることが多いと思う。
例えば魔法少女系作品は「CCさくら」や「クリィミーマミ」は両親がきちんといるし「プリキュア」や「おジャ魔女どれみ」も両親キャラが出ていて家庭の問題も描写されている。
もっともオタク向け、百合やバトル系路線になるとその限りではない。「魔法少女にあこがれて」なんかは親キャラの存在感皆無だ。
百合でBLでオタク向けだが「プリズマ☆イリヤ」は両親きちんといるよ!
イリヤに関しては元ネタが明確なので、IFとして両親を健在にする意義があるケースだろ……
物語的には親のポジションって師匠や兄貴分でいいわけだからね
そして「親代わり」の方が何かと使えるし、キャラが被るなら親キャラを出す必要は無くなる
冨樫は明確に両親はストーリー展開の邪魔になるというのを意識しているという話をどこかで見た記憶がある
そしてその考えに沿って「HUNTER×HUNTER」のジン=フリークスという父親失格なキャラを出したのだとか
結局、サブキャラ的に親は一人いれば十分、必要なら追加すればいい舞台装置ということなんだろう
基本的に主人公に必要なのは「住む家」と「ヒロイン」、そして「両親の不在或いは死亡」だ……
とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の認識も含めてイロイロな話が出ていました。
ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国の家庭と親は何かと子供を管理しようとするので、中国では中学生高校生主人公の現代伝奇バトルは設定の段階でかなり難しくなります。大学生主人公にするか、穿越(トリップ)してしまうのが話を作る上では楽でしょうね」
などといった話もありました。
中国の子供と親の管理に関しては過去記事の
中国オタク「ウチの国は子供の恋愛が問題視されるけど、実際にそれが問題になったとか、親に怒られて別れさせられた人っている?」
などもよろしければご参照ください。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
中国オタク界隈ではアニメやマンガにありがちな展開、定番要素に関する考察で盛り上がることも多いそうで、定期的にああでもないこうでもないといった討論が行われている模様です。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「二次元作品に主人公の両親がきちんと出てくることが少ないのは何故か」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
二次元作品に主人公の両親がきちんと出てくることが少ないのは何故だろう?
両親揃って出てくる作品もあるけど、大多数は両親が揃っていない或いは出てこない作品だ
死別しているとかでなくても、出張でいないから主人公は一人暮らしみたいなことになるよね
オタク向け作品に限った話ではなく、昔の一般向けのアニメでも親は片方しか出てこないというのは少なくないんだよな
出てこないけど設定上明確に死別しているケースもそこまで多くないはずだけどね
言ってみれば舞台装置として両親キャラってあまり使いやすくないんだよ
出すとしても片方だけ、そして片方だけならその理由をストーリーや主人公の背景に連動させられる
同意する。役割分担させるならともかく「親」という舞台装置が欲しいなら片方で良い。
これは二次元に限った話ではない
昔から親に関しては設定上は存在してもいないのと変わらないような扱いの作品も少なくない
キャラを増やすと描写が増えて手間がかかる、読者の注意も逸れるから削ってしまうんじゃないかな
キャラを一人増えるとストーリー描写もそれだけ増えるから、省けるなら省いた方が良い
特にアニメやマンガは使える時間、ページ数が限られているかあまり必要性のないキャラを増やして描写が必要な要素を増やすというのはプラスよりマイナスが多くなりがち
基本的にはメインストーリーに関係ないキャラは削った方が良いからな
デザインするキャラクターが一人増える、呼ぶ声優も一人増える
昔のアニメはその辺は一人で何役もやることも多かったから……でも現代の作品は話数が少なくなって謎のオリジナルエピソードやったり野球やサッカーやったりして話数を稼ぐこともなくなっているから重要ではない家族キャラは出さなくなっているんだろうね
父母の片方だけなら逆に話は作りやすくなるのではないかと
うーむ……最近見ていた作品だと両親がキャラとしてきちんと出ていたのは「宇崎ちゃん」くらいしかすぐに思いつかなかった
あれは話に困ったときに両親ネタで進められるという利点があったから、日常系ならそれなりにあるのでは?
日常系、オタク向けだと最近は「母親キャラ」というジャンルで稼げるから母親の方が便利そうだな
女性向けだとその辺違うのだろうか?女性作品は詳しくないので「宇崎ちゃん」や「ガルパン」のような人気があって収入源になる父親キャラがいるのか私は分からん
「ガルパン」の西住家も設定上は父親いるぞ?薄い本どころか公式でも扱いはアレだけど!
普通は女性主人公なら母親不在、男性主人公なら父親不在になると思っていたんだが稼ぐなら主人公と同性の親の方が良いのかな
主人公と対立させる、超えるべき障害として出すなら同性の親の方が良いし、オタク向けで「商業的に」主人公と同じ場所で活躍させるのにも同性の方が良い……はず
「スパイファミリー」のように家族が主人公、メインキャラとしての役割が親キャラにもあるようなタイプなら両親揃うかな?
少年マンガだと家庭描写はともかく両親からの愛情、一般的な常識による親からの保護の描写が必要になる、需要がある作品というのは珍しい
普通の親なら日常の裏側の伝奇バトルとか命がけの冒険とかいかせない
必要になるのは概ね「それを失った或いは奪われた」という背景だ
古い例えになるが「ドラゴンボール」のチチが母親の立場になってからどうなったかというのが良い例かも
よく孫悟空は父親失格と言われるが、まともな父親をやっていたら話は面白くならないし見ている側にも余計なストレスがたまる
理解できる話だ。バトル、冒険要素が中心に繰る作品だと親はいない方が良い。
いわゆる「三大民工漫」の「NARUTO」「ONE PIECE」「BLEACH」のどれも親がいないからこそのストーリー展開、キャラクターの動かし方ができた。
不幸な家庭というわけではないんだろうけど「ポケモン」でも親が両方出てくることはなかったよね
作品の主人公にする場合、現実と違って一般的な満ち足りた家庭環境で育った少年少女は不向きなんだよ
バトル系だと弱点になるだけでなく、話にブレーキをかけて嫌われることもあるからな
それだったら両親共に海外出張で一人暮らしの方が良い
家にクラスの友達、ヒロインが来るような展開で、両親がいると描写や説明、イベント発生の条件整備がめんどくさいことになる
特に異性キャラとの恋愛描写では親がいると話を進められない!
ウチの国の家庭ならともかく、日本だと子供の部屋があって独立した空間でのイベントにできるからそこまで問題無いと思うが
めんどくさければ「今日は家に親がいない」にすればいいんだし
日本の家庭は原則として子供のプライバシーは尊重するからな。以前日本人に「実家にいた頃は親が子供の部屋や郵便物を調べていたのがめんどくさかった」と話したら本当にドン引きされたことがある。
日本の二次元の定番の母親がお茶とお菓子をもって入ってくるイベントも基本的には子供のプライバシーを尊重しているから成立するネタという見方もできる。これに限らずラブコメ作品だと両親キャラにイベント発生装置的な役割をさせることも多いから完全に不要というわけではない。
どちらにしろ日本の作品解説を見ていると作者、制作側はかなり明確な意図によって「両親を出さない」ということにしているのは感じられる
序盤は主人公と同性で先達となるような存在がいると主人公の目的も定まって何かと便利だけど、それは二次元だと師匠や先輩、憧れの兄貴やお姉さまキャラとかで親ではない……
百合系作品だと画面に出てくるキャラ全部女なので当然両親も片方しかいないということになったりするな!
なるほど、ターゲット層の好みを想定してということもあるのか。
ところで以前きらら系作品は男は父親キャラすら消しているという話を聞いたことがあるけど、これは本当なのだろうか?
「ぼっち・ざ・ろっく!」とか父親が出ているきらら系のアニメは幾つかあるのでそれは違うかと
非日常と対立する普通の家庭、普通の生活を強調する必要がある作品なら両親揃って出てくることが多いと思う。
例えば魔法少女系作品は「CCさくら」や「クリィミーマミ」は両親がきちんといるし「プリキュア」や「おジャ魔女どれみ」も両親キャラが出ていて家庭の問題も描写されている。
もっともオタク向け、百合やバトル系路線になるとその限りではない。「魔法少女にあこがれて」なんかは親キャラの存在感皆無だ。
百合でBLでオタク向けだが「プリズマ☆イリヤ」は両親きちんといるよ!
イリヤに関しては元ネタが明確なので、IFとして両親を健在にする意義があるケースだろ……
物語的には親のポジションって師匠や兄貴分でいいわけだからね
そして「親代わり」の方が何かと使えるし、キャラが被るなら親キャラを出す必要は無くなる
冨樫は明確に両親はストーリー展開の邪魔になるというのを意識しているという話をどこかで見た記憶がある
そしてその考えに沿って「HUNTER×HUNTER」のジン=フリークスという父親失格なキャラを出したのだとか
結局、サブキャラ的に親は一人いれば十分、必要なら追加すればいい舞台装置ということなんだろう
基本的に主人公に必要なのは「住む家」と「ヒロイン」、そして「両親の不在或いは死亡」だ……
とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の認識も含めてイロイロな話が出ていました。
ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国の家庭と親は何かと子供を管理しようとするので、中国では中学生高校生主人公の現代伝奇バトルは設定の段階でかなり難しくなります。大学生主人公にするか、穿越(トリップ)してしまうのが話を作る上では楽でしょうね」
などといった話もありました。
中国の子供と親の管理に関しては過去記事の
中国オタク「ウチの国は子供の恋愛が問題視されるけど、実際にそれが問題になったとか、親に怒られて別れさせられた人っている?」
などもよろしければご参照ください。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。