今回は知り合いとグダグダ話した内容のメモみたいなものを一つ。

中国はその長い歴史とそれにともなう様々な文化など、
面白いコンテンツの宝庫だと言われています。
しかし、アニメ分野では中国が自国文化のコンテンツを有効活用できていないとも言われています。

日本のアニメや漫画における中華系の題材を使った作品や、
最近のCGアニメではカンフー・パンダのような中国の文化をもとにした作品など、
海外で中華系文化の要素を含んだ優良なコンテンツが作られているのに、
本家の中国ではなかなか出てきません。
海外から見れば不思議ですし、中国国内でも疑問の声があがっています。

これについては色んな意見が有ると思いますが、
とりあえずの原因の一つとして
中華系のコンテンツを活用する方法、
言わばアニメ向けにアレンジするためのノウハウが圧倒的に不足している

という点が有るのではないかと。

中国に現在有るのは「素材」だけで、それ自体は
「中国の歴史」や、「中国の古典」、「色んな中華文化」
と非常に魅力的な「素材」ではありますが、
それを元にしてどのようなコンテンツを作るかといったノウハウがものの見事に欠けています。

乱暴な例えになりますが、
材料は素晴らしいものが有るのに、
焼いたり煮たり蒸したりといった調理法が無いので、
「アニメ」という料理ができない、
といった所でしょうか。

その素材の内容を把握してアニメ向けの構成にしたり、
面白い要素を抽出してストーリーをアレンジするなどといったノウハウが不足しているといったことが、中国が自前のコンテンツを活用できない原因のかなり大きな部分を占めるのではないかと思われます。

そしてそういったことの参考というか元にできるもの、
日本で言えば漫画や小説のようなものも中国では不足しています。
日本のように有象無象の様々なコンテンツの蓄積が無いので、
豊富な伝説や歴史、古典作品という「素材」を前にしても、
どうすれば面白くなるのか分からないといった状態とでも言いましょうか。

日本からしてみれば何で活用しないんだと不思議でしょうが、
アレは活用しないのではなく、活用できないという部分がかなり有るのではないかと。

多くの有象無象のコンテンツの中から、一握りの名作が出てくるわけですし、
この問題を解決するためには様々なコンテンツの蓄積が必要かと思います。
しかし、残念ながら中国はそのコンテンツを蓄積するために必須となる「発表の場所」も不足しています。

現在の中国ではアニメの元に成り得る、
子供や青少年向けの漫画なり小説なりを発表する「場所」の不足は深刻です。
漫画雑誌は壊滅していますし、小説もかなり厳しい状況。唯一調子が良いのはネット小説くらいでしょうか。
中国ではネット小説の書籍化、ネット小説原作のゲームやドラマが多くあります。
もちろん商品化されるネット小説のレベルが高いのは確かですが、
これはネット小説以外の有力な選択肢が無いということも影響しています。

そんな訳で、
中国における自前のコンテンツの活用に関しては前途多難な所が少なく有りません。

中国のアニメ産業では
「表現の規制が有ることや事前審査制度などが立ちはだかり良い作品が作れない」
とよく言われますが、
アニメ向けのコンテンツの蓄積が無い、
アニメ向けのストーリーを作れる人材がいない、
アニメの元に成り得るコンテンツの発表の場が無い
という現在の状況は表現の規制をうんぬんする以前の話にも思えます。

宮崎駿や富野由悠季が出れば中国のアニメは世界レベルになれるという話を良く聞きますけど、ただ待っているだけでそんなスゴイ人材が出てくるわけはありません。
アニメを作るための箱物の整備以外に、クリエイター育成への整備をやらなければ中国のコンテンツ事情はなかなか良くならないのではないかと。

現状のままでもそのうち結果が出るとは思います。
ただ、中国産のアニメでしかも中華系の内容で面白い作品を、
私自身が見ることができるのは何時になるのかなどと考えた場合、
ちょいとばかり暗澹たる気持ちになってしまいますね。

とりあえず、こんな所で。
今回は私の独断と偏見が何時にも増してヒドイので、
ツッコミ&情報提供大歓迎でございます。