お陰さまでこのブログにも色んな質問やネタの提供などをいただいておりますが、ウルトラジャンプで連載中の中国人漫画家夏達(シャアタア)先生について今までに無いスピードと量の質問が来ているので今日は一つそれについてを。
(中国では女性に対しては「女士」、男性に対しては「先生」とするのが一般的なので少々違和感もあるかと思いますが、ここは日本における漫画家ということで「先生」とさせていただきます。)

夏達先生が話題になったのは、にゅーあきばどっとこむさんや痛いニュースさんの記事などがきっかけらしいので、そちらの記事もご参照下さい。
日本の雑誌でも連載中の中国人漫画家・夏達がかわいい(にゅーあきばどっとこむ)
ウルジャンで連載中の中国人漫画家がめちゃくちゃ可愛いと話題に(痛いニュース)
日本語の作品についてはこちらで試し読みが可能です
s-manga.net「試し読み 誰も知らない〜子不語〜 1巻」

経歴や作品については私もwikipediaの夏達先生の項目以上のことは知らないのですが、とりあえず簡単なところでは

高校時代からマンガの創作をはじめ、中国のマンガ雑誌「北京カートゥーン」に短編「成長」を発表してデビュー。
第一回中日青少年交流漫画節新人賞
第三回中国連環漫画短篇ストーリー漫画優秀賞
第五届金龍賞最優秀少女漫画賞
を受賞。
デビュー後中国の様々なマンガ雑誌に作品を発表し、単行本は現在までで中国で4冊、日本で1冊。
日本では現在集英社の月刊誌「ウルトラジャンプ」に「誰も知らない 〜子不語〜」を連載中。

といったところでしょうか。
私が初めて読んだ夏達先生の作品はチェロを習う14歳の女の子の夏の日の一幕を描いた「初夏」という作品だったのですが、レベルの高さに驚いた記憶があります。
それから個人的には別作品にあった幻想的な作風の絵も良かったなーといった印象もありますね。「遊園驚夢」などの中華系ファンタジーな世界観の作品は見事で、さすがは中国の作家だと思いました。


中国ではアニメやマンガなどのコンテンツ産業を国策として推進しているのですが、アニメについてはかなりの資本が投入されていてそれなりの成果を生み出しているのに対し、マンガは海賊版の氾濫や売り上げの減少によるマンガ掲載媒体の減少などでマンガを取り巻く環境はお世辞にも良いとはいえません。
夏達先生がデビューした「北京カートゥーン」も2006年に一度発行停止(昨年復刊したそうです)となるなど、中国のマンガを取り巻く環境は厳しいままです。

中国ではイラストの方ならまだ多少はやっていけるそうなのですが、漫画家としてやっていくのは実力があっても非常に難しいそうです。
中国オタク関連で同人活動をやってらっしゃるクリエイターさんの中にはプロのイラストレーターやデザイナーの方もいるそうなのですが、プロの漫画家という方はほとんどいないそうです。(いてもイラストレーターとの兼業だそうで)
また、イラストに比べてマンガは手間がかかるので続けていくのも難しいとか。
そういった環境の中で、夏達先生は日本のウルトラジャンプで連載というところにまでなっているのですから、これはもうスゴイとしか言いようがないですね。

夏達先生について、私が知っているのはこんな所でしょうか。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

(注:文中の雑誌名「北京カートゥーン」は、カートゥーンにあたる部分の言葉「ka通」の「ka」部分の字が日本語に無く文字化けしてしまうので「カートゥーン」とさせていただきました。「ka通」は「カートゥーン」の音訳です。)