中国本土で角川系ライトノベルが正式に発売される件についての情報と質問をいただきました。ありがたやありがたや。
そんな訳で、今回はそれについて少々書かせていただきます。

今年の10月から角川系列の資本が入った中国現地の合弁会社、
広州天聞角川動漫有限公司から正規の中国語翻訳版ライトノベルが発売されるそうです。

初回の刊行ラインナップは
「灼眼のシャナ」「サマーウォーズ」「半分の月がのぼる空」「生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録1」「デュラララ!!」「罌籠葬」
だそうです。「罌籠葬」は台湾で出版されている中国語ライトノベルですね。

またその発売を記念して、
10月の国慶節(建国記念日)の連休に行われるイベント
2010ACG穗港澳動漫遊戯展(公式サイト)
で、高橋弥七郎先生と葵せきな先生のサイン会も行われるそうです。

公式サイトによれば、サイン会の開催日時は10月2日に高橋弥七郎先生、10月4日に葵せきな先生だそうです。
コチラの東北網の記事(中国語)には今回発売される中国語版ライトノベルのカバー画像も掲載されています。

この件についての中国オタクの反応もちょっと調べてみましたので、
中国のソッチ系の掲示板で見かけた反応を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


サイン会は嬉しい、しかし今からでは10月の連休に合わせて移動するのは無理だ……

広州在住で生徒会の一存ファンの俺は勝ち組。

広州は近いから嬉しいね。買いにもいける。
香港から本を取り寄せる日々がやっと終わるのか。

噂は本当だったのか……ウチの国では無理だと思っていたよ。
以前角川の合弁会社が設立されたというニュースを聞いた時は海賊版対策が主目的だと思ってあまり期待していなかったがいたが、やってくれたか!

サイン会というのがスバラシイ。
広州にいるからにはぜひ行かねば!

うーむ、今回のラインナップにある作品は我慢できなくて海賊版で装丁のそこそこキレイなのを買っちゃったんだよなぁ……
どうしようかな……うーむ……

俺も台湾版を何冊も持っているが、サイン入り本となるとまた別。
コレクションとしてぜひ欲しい。

非常に喜ばしいことだ。
願わくばサイン会が成功して更に多くの作品が入ってきて欲しい。

正直どうでもいい。作家が来てもあまり嬉しくない。

私はその場で買ってサインしてくれるってのはかなりいいイベントだと思うけどね。サイン会に行きたいが、広州は遠いな。

「デュラララ!!」の刊行は嬉しいニュース。しかし最初は1巻だけか……続きはどうなるんだ!?

私はサイン会に行くのは無理だけど本は欲しいね。
ネット販売は何時になるんだろ。

中国語にしちゃったらダメだよ。やはり日本語で読まないと。
日本の原著を買うのが一番だって。

電撃や富士見が角川グループってのは理解しているが、角川スニーカー文庫からの作品は無しかよ!?

サイン会の行われるアニメフェアの別のイベントではイラストレーターのPOP先生も来る予定だったけど中止になっちゃったな。高橋先生と葵先生は本当に来れるのだろうか。

沈陽在住の私はまた無力感を味わっています……

上海在住の俺も今回はガックリきてるわ。ただ、これはいい流れだから歓迎するよ。

海賊版の本を買って満足してるからいらない。

文字は縦書き?横書き?縦書きの原著に慣れているから横書きだとちょっとイヤだね。

(訳注:中国語の本は基本的に横書きです)

良い流れではあるが、これだけ海賊版に溢れたウチの国でどれだけ効果があるか……正直心配だ。もし失敗したら希望が消える。

実際、どれも有名な作品だからこっちのファンは既に読んでいると思うんだよな。どれだけの人間が買うのか、ホント分からない。
ファンサブ翻訳や海賊版はあてにならないし、質も一定しないから正規版がちゃんと続いてくれると助かるんだが。

私はとりあえず、シャナとデュラララと生徒会は買う。
半月と罌籠葬は様子見かな。

この流れが進んで国内でイロイロ買えるようになると嬉しいね。
あと気になるのは翻訳の質と刊行ペースか。
まぁ最悪コレクションとして持っておくと思えば悪くないか。



とまぁ、こんな感じで。
なんだかんだでライトノベル最大手の角川が動いたのは嬉しいようですね。

中国では青少年向けの娯楽小説が不足しているようで、日本のライトノベルに手を出す若者も少なくないようです。
私の知り合いの中国オタクにもラノベ読みがいまして、日本に来ると毎回ラノベを大量に購入して帰ります。

ただやはり日本語の原著を直接読める人間は少なく、
中国オタクのラノベ読みの多くは中国語に翻訳されたものを読んでいます。
しかし中国本土で正規に翻訳刊行されるライトノベルの数は香港や台湾に比べると非常に少ない状態が続いていますので、角川の資本が入った会社が中国本土で本を出すという今回のニュースは朗報になったようです。

それから個人的に気になるのは
今回のラインナップの中で唯一の中国語ライトノベルの「罌籠葬」ですね。

この作品は第一回台湾角川ライトノベル&イラスト大賞の金賞を獲得した作品です。(台湾角川ライトノベル&イラス大賞の賞は上から順に金銀銅なので、金賞は日本の感覚では大賞にあたるかと思います)
「罌籠葬」は角川ビーンズ文庫で2011年春に日本語版が発売される予定があるそうですが、台湾での評判はかなり良いそうですし、私もまずは中国語版をどうにか手に入れて読んでみようと考えております。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク的「初めてのライトノベル」

角川が中国広州に合弁会社設立の動き、中国オタクの反応は(今年3月の記事です)