ここしばらくの間、日本では都の条例などでアニメや漫画といったオタク系コンテンツの規制問題が持ち上がっていましたが、そういった問題は中国でも他人事ではないようです。

そんな中で特に難しい状況になっているのがいわゆる
「BL小説」
だそうです。

このブログでは以前の記事でも中国でBL小説をネットにアップした人間に有罪判決が下ったという話を紹介させていただきましたが、今度はBL小説サイトが摘発されサイトの管理者とサイトの契約作家数十名が捕まったそうです。


この件については中国国内のニュースサイトでも報道されていますし、中国のソッチ系の掲示板でも話題になっているようです。こちらが騰訊網の記事(中国語)です。


今回の事件は以前紹介させていただいた事件と同じく「わいせつ物伝播罪」での摘発だそうですが、サイトの管理人の他に32名の契約作家が捕まり、しかもその多くは20歳前後の女性だったことからイロイロな騒ぎになっているようです。

ちなみに知り合いの女性の中国オタクの方に聞いてみたところ、摘発されたサイトはオリジナル系のBL小説をメインにやっていた所だそうです。
更にこのサイトは有料会員用のコンテンツもあったそうで、今回は公安の捜査がそこまで入り込んで来たというのも衝撃の一つとなっている模様です。

それから、BLなどの事情を知らない一般層からしてみると
「男同士のエロ小説ばかりだったので作者はてっきり男だと思っていたら、サイト管理人が男だったくらいでその多くは若い女性だった」
ということでかなりの衝撃となっているようです。

BL系の所は私も守備範囲外なのですが、今回の件は一般の中国オタクの間でも話題になっているようですね。
私のいつもの巡回先でもこれに関するやり取りを見かけましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


おいおいおいおい。こんなんでも捕まるの!?
なんで小説書いて捕まるの?これはさすがにやりすぎだろ。

全くだよな。でも……これがウチの国だからねぇ……

今回の事件について、専門家の意見によればBLというのは変態心理の一つであり、こういったものをずっと見ているとその影響により精神面の変化が起きるという話だ。
まぁ、最近ではBLネタとか普通になってきてるし確かに影響は受けてるよな!

青少年に有害で、社会的な活動にも悪影響を及ぼすといういつもの説明か。
残念ながらもう手遅れだぜ!!

個人的には「専門家の先生方」や警察が驚愕しているってのが逆に不思議だ。
ウチの国の専門家はこんなことも把握していないのか。

まぁ上の人間とかは知らないだろうし、若者文化を知らない人間もこういったことは分からないだろうね。だからこそ、こういったニュースは話題になる。しかもこういう人間は捕まえやすいから簡単に評価を稼げるわけだ。

なんでBLだけ狙い撃ちにするのかね。他にもウチの国のネットにはエロ小説がたくさんあるのに。
捜査関係者がエロ小説さがしていてうっかりBL小説見ちゃって逆切れしての取締りとかじゃないよね?

ウチの国の社会はまだ「萌え」に慣れてないし、腐女子のサブカルチャーも知られてない。専門家達はライトノベルすら知らないんだろうねぇ。

VIP会員用のコンテンツまであり、警察の人間はどうにか方法を見つけてそこに入り込んだという話だな。警察はそこまでやるのか……

私は取締りのあった鄭州に住んでるんだけど、今すごい不安だ……

これは悲劇だ。規模的にはそれほどでもないし、ちょうど取締りをやろうとしたときに目立っていたくらいのものなんじゃないか。

実際の状況はハッキリしないけどサイトの会員が60万ってのはかなり多いと思うよ。一気に拡大してたとかなのかなぁ。

良いニュースだ。この話を聞いて何か嬉しくなってしまったぜ。
腐女子は最近やり過ぎているから取り締まるべき。

取締りの対象が腐女子の次はどこに行くか考えてみるんだな。
「唇亡ぶれば歯寒し」っていう言葉があるだろ。
正直俺も腐女子は好きじゃないが、この取締りには納得できない。

男と男がもうダメとなると、次は女と女がダメになるって流れかもしれないんだぜ?

なんかモノスゴイ不安というかプレッシャーを感じる。
この程度で捕まるなんて……悲劇としか言いようがない。

さすがにやりすぎじゃないの?百度(バイドゥ)のスレとかこれ以上にヤバイのがあるってのに。

この腐女子が捕まり耽美やBLすら許されない社会に絶望した!
腐女子な自分としてはもう不安でしょうがないわ……

これで捕まった契約作家の最年少は17歳か。私と同い年だ……かわいそうに……

警察側がBLは男性向けのモノだと思い込んでいたというのがなぁ……
ホント何も知られていないんだね。

耽美小説というかBL小説は腐女子がメインだろ。昨年あたりはネット流行語に入るくらいだったし、ネット使う人間はそれなりに知っている。
ただ警察はそういう人間が非常に少ないんだろうね。

警察は今後は百合小説の調査で似たような認識の違いに直面するかもな!
女同士は女性に需要があると思ったら、捕まったのはオタクの男ばかりだったという展開になるんじゃね?

警察のおじさんの見ている世界は一般とはちょっと違うんですよ。

ウチの国は男が余ってるんだから、BLネタは資源の有効活用なんじゃないの?国情にあったジャンルだと思うが。

問題はBLで満足するのが主に女ってことだろ。資源の浪費だから捕まってしまったんだよ!

社会における一般的な「腐敗」の取締りがイマイチな現状から考えると、もしやウチの国の反腐敗キャンペーンって、こっちの方の「腐敗」の対応に力入れることだったんだろうか?

現在の専門家は何かっていうと悪影響が出るという理論を掲げるけど、現実感ないよね。ウチの国の人間はどれだけひ弱なんだろう。

ウチの国も、どんどんやりにくくなるなぁ……



とまぁ、こんな感じで。
中国オタクの面々も、今回の件ではイロイロと不安や不満を感じたりしているようです。

また、知り合いの女性の中国オタク(守備範囲にBLあり)な方に今回の件について聞いてみたところ、

「この件については怖いと感じている腐女子もいますが、みんなそれ以上に怒っています」

「上の人はBL関係のことや、同性愛を精神病だと思っている節があります。それはさすがにどうかと思います」

「ただ、今回の件を受けて今後は組織的に内容の分類をきっちり行うなどのこともするべきではないかと考える人も出ています」

「若い世代は大人が大人向けのモノを見ても別に問題はないと思っていますが、上の方ではそういった考えは認められていないようです」

「ちなみに、今回の事件で腐女子を嘲笑う男子のオタクもたくさん出ましたが、そういう人は女子からものすごい反撃を受けました。男のオタクと腐女子が仲良くなれる日が来るのかしら」


といった話を教えていただきました。
また、こういったことについてすぐにできる対策は
「中国国外にサーバーを置く」
ということらしいです。
実は現在も中国の有名な腐女子系のBBSのサーバーはたいてい中国国外にあるので、そこでは過激な投稿をしても捜査から逃れやすいのだとか。

現在、女性の中国オタクを中心に「耽美」「BL小説」といったジャンルはかなりの規模になっているそうです。
私の実感でも昨年あたりから中国のネットでは非オタクな一般のサイトでも、
「腐女」(中国語でも腐女と婦女は四声以外は同じ発音になります)や、
「耽美」「BL」
といった言葉が使われたりすることが増えてきているように思えます。

ただ、中国ではまだオタクネタがOKな人間の多い若い世代と、そういうのが全くダメな人が多い上の世代の認識の差は大きいままです。
日本でもこういったことに関する世代間の認識の差は小さくありませんが、中国の差は日本よりも更に大きいです。
またその「差」によりイロイロな摩擦や問題が起こったりもしているそうです。

BLに関しても規模が拡大して表に出てくるようになったがゆえの問題に直面するようになっているようですし、今回の摘発もそういった流れの中で起こってしまったことの一つなのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


3/29修正:「中国オタクの間でも」を「中国オタクの亜大でも」とタイプミスしておりました。ご指摘ありがとうございます。


中国でBL小説をアップした女性が有罪になった件についての中国オタクの反応