ある文化の中で育った人間にとっては見慣れたものでも、その文化の外にいる人間からすれば不思議に見えるものは少なくないと思います。
中国オタクは一般の中国人に比べてかなり日本の文化に詳しいという傾向があるのですが、そんな彼らでもたまに戸惑ってしまうアイテム出てきたりするようです。

そんな中国オタクから見ると不思議に思えるアイテムの一つが
「ししおどし」

のようです。
ししおどしは中国オタクの見るアニメや漫画などの作品にもちょくちょく出てきますが、それがどういったモノなのかはいまいちハッキリしていなかったようです。

先日私の巡回先でこの「ししおどし」についてのやり取り、しかも議論の方向が妙な方向にいってしまっているのを見かけましたので、今日はその辺についてを。

それでは以下、中国のソッチ系の掲示板で見かけたやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のアニメとかにたまに出てくる、一本の竹から水が流れてもう一本の竹に落ちて音が鳴るやつ。アレいったい何なの?

ああ、アレか。私も昔から気になってた。なんで日本のアニメで男女の関係が発生すると竹から水が流れて音が鳴るの?なんか特殊な意味があるのかね?

私もよく分からんが、アレはなんかのイメージというか比喩表現の一種なんじゃないの?

ぼく子供だからよく分からないや。

なんとなく分かるんだが、ちょっと不思議だよね。竹を男女間の合体行為に見立てているんだろうか?

うむ、あれだ。きっと両方とも液体を流し込むからだろ。

うーん……何か深い意味がありそうな気もするんだが。誰か日本文化に詳しいヤツ来てくれ!

あれは日本の庭園に設置されている手洗い鉢だよ。
竹から水を流すことによって清涼さを演出している。
あそこで手を洗うのは日本の茶道の礼儀の一つ。男女関係の描写とはまた別だと思う。

あの竹って時間を計るものだろ。竹に水がたまって傾いて音が鳴るまでの時間を一定のものとしているんじゃないかな。

あれは最初農村で使われていたものだよ。水の流れを利用し自動的に音を出すようにして雀とかの鳥を追い払っていた。
その後日本の庭園の景観のために利用されるようになって、その音と竹と水が清浄な状態の象徴となったり、自然を感じさせる上での一つの表現にもなった。

私はあれを水琴みたいに音を楽しむための流水設備だと思ってたんだが違うのか?

自分は特に気にしていなかったが、考えてみれば不思議な設備だよね。アニメでもよく目にするし、日本のドラマや映画なんかでも出てくる。

アニメや漫画に出てくる日本の伝統的な家屋って水や山や竹があるという印象。あの竹もその中の一つかな。

うーん……あれはどういった形で水が入ってきて、出ていくんだろう?
考え始めたらすごい気になってきたなぁ……

あれは「添水」、「僧都」或いは「鹿威し」などと言われているものだよ。
もとは田畑の害獣を追い払うためのものだったが、後に日本の庭園の装飾の一つになった。
あの設備があるということは伝統のある庭園を備えた場所ということになるので、作中でアレが出てくるということはある種の特別な場所という表現でもある。また、そこで男女の関係が発生することの特別性も演出している。

あの竹でエロシーンをごまかすのは制作コストを下げるのと規制を回避するためだろ。暗示的な意味も見て取れるし、作画的にも楽だからうまいやり方だと思う。

うーむ……言われてみればなんとなく分からなくもないが……日本の想像力はやはりスゴイ。

あれはもとは普通の設備であとからエロの比喩表現として使うようになったと考えればいいのかな?
自分はかなり好色というかエロに染まっていると思ったが、まだこんな世界があったとは……!

そうか。流れる液体に長い竹……そういうことだったのか!
気付かない俺はまだピュアだったんだな。あと気づいてしまった俺はもう昔に戻れないかもしれない。

そうか。エロシーンを描いたら問題だし、コストもかかるからああいう表現で終わらせるのか。想像力が豊富だな。

アニメや漫画もそうだけど日本の作品にはこういった暗示は結構多いね。
竹の他にも花が落ちるとかいうのもあった。

事後については次の日の朝鳥が鳴くというのもあったはず。これは中国の映画でも使われているから分かり易い。

おお、そうかアレはそういった意味を持つ設備だったのか。言われるまで気が付かなかった。
日本の作品は含蓄のある描写がうまいわ。あと日本はやはりエロい。

いやいやいや。アレはそっち方面での話だけのものじゃないだろ?確かスラムダンクとかの一般作品でも見かけたぞ!?
単純に日本の家の付属物の一つだろ?

あの竹は比喩的な表現手法に使われることもあるアイテムの一つで、日本では一般的なものと考えればいいのかな?
それにしてもこういった表現方法を見ると、日本は表現が自由だから多くのモノを描写できるわけではなく、表現の手法が多いから多くのモノを描写できるということが感じられるね。



とまぁ、こんな所で。
何やらイロイロな方向に誤解が広まっているような気もしますが、中国の感覚だとししおどしはちょっと不思議な装置に見えたりもするようですね。

最近はネットのおかげでモノを調べるのが格段に便利になりましたが、それでも全く分からないものを調べるというのはなかなかに難しいようです。

あとエロシーンとししおどしを関連付けて記憶しているのがわりといるような感じでしたが、その辺についてはエロシーンで出てきたということで印象に残ってしまったのでしょうかね。うーむ。

それにしても、こういったやり取りを見ると自分も似たように勘違いして間違って覚えているようなことがあるんじゃないかなーと不安になってしまったりもしますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。