中国でどのように「マクロス」が人気となっていったかを紹介させていただいた前回前々回に引き続き、中国におけるマクロス事情について書かせていただきます。
今回はキャラやメカ、ゲームといった個別の内容についてを。


まず、マクロスキャラの人気についてですが現在中国オタク的に最も人気のあるヒロインは「マクロスF」の
「シェリル・ノーム」

だそうです。
中国オタクの間では「女王」などとも呼ばれているそうですが、最新作でのキャラということでファンの印象も強く、「F」で増えたライト層のファンから古参のファンまで幅広く人気となっているようです。
最近中国で行われるようになってきている、
日本のアニソンアーティストをお呼びしてのライブでもシェリルの歌は非常に人気が高いですね。

それからご質問を多くいただいているマクロス初代ヒロインとも言える
「リン・ミンメイ」

についてですが、人気そのものに関してはそこまで高いというわけではないようです。
作中での扱いや日本のアニメにおける屈指の有名中華系ヒロインということで非常に知名度が高いのですが、中国オタク内での扱いは「象徴」といったような所にとどまっているようです。

リン・ミンメイは作品ごとにキャラの設定が異なりますが中国オタク内での一般的な認識は最初に入っていった「Robotech」におけるイメージが強いそうで、日本のテレビ版マクロスのイメージに近いようですね。
また「愛・おぼえていますか」の設定は中国オタク的にあまり感情移入できずイマイチ好まれていないという話もあるそうです。

そして男性キャラの方では「ロイ・フォッカー」や「オズマ・リー」のような頼れる兄貴的隊長キャラの人気が高いそうです。それ以外ではマクロス系メガネキャラ(割れる方も割れない方も)も人気があるとか。

逆に「一条輝」や「早乙女アルト」といった優柔不断な主人公はイマイチ好かれていない不人気キャラになってしまっているそうです。


次にメカの人気ですが、最も人気が高いのは「VF-19」系列の機体だそうです。

VF-19系列は「7」のファイアーバルキリーことVF-19改や「プラス」で活躍する試作型YF-19、更にはゲームのVF-Xシリーズでプレイヤー機として活躍するVF-19Aなど、中国オタク的に非常に印象深いものとなっている模様です。

それからカルト的な人気があるのが「VF-4」だそうで、中国オタク内のディープなマクロスファンの間では昔から非常に美しい機体として評価されているそうです。「VF-4」については映像媒体ではほんの少し顔を出しているだけというのもマニア的にはたまらないのだとか。


最後にゲームの方の紹介を。
最近こそネットゲーム大国になっている中国ですが、90年代〜00年代半ば辺りまでの頃は中国オタクの間におけるテレビゲームの影響はかなり大きなものでした。

当時の中国はまだ娯楽が少なく、テレビゲームはその中でかなりの存在感がありました。ゲームは一旦ハマると非常に多くの時間を使って遊ぶことになりますし、ある面ではアニメ以上の影響力があったかもしれません。当時の中国のゲーム事情として特殊なのは、日本の感覚に比べると女性のプレイヤーもかなりいたという点でしょうかね。

中国で大ブームとなった「ときめきメモリアル」にも多くの女性プレイヤーがハマったりしていましたし、ゲームでの露出によって女性ファンを獲得することができたというケースも少なからずあったそうです。

そしてマクロスのファン獲得に関して影響の大きかったゲームの筆頭は
「スーパーロボット大戦シリーズ」

だそうです。なかでもαシリーズの影響は大きく、初代αでは多くの古いファンが昔の記憶を思い出し、第三次αでは「マクロス7」に関する情報が中国オタクに刻み込まれのだとか。

他に中国オタク的に影響のあった作品ですと、ドリームキャストで発売された
「マクロスM3」

があるそうです。実はこの「M3」の情報が出た当時は中国ではドリームキャストの普及の頂点とも言える時期だったそうで、当時中国のゲーム雑誌でもかなり大きく取り上げられたそうです。

ちなみに、中国に最初に入ったマクロスのゲームは恐らくファミコンの「超時空要塞マクロス」だそうで、90年代初頭のファミコンのコピー機が中国で大流行した頃に一緒に入ったようです。
ただ、当時はほとんどが海賊版ソフトでしかも1本のROMカセットに数本から数十本のゲームが入っているものが主流でした。

そんな訳でパッケージにマクロスの絵が描いているわけでもなく、また「超時空要塞マクロス」という名前が知られているわけでもなかった当時はゲームとマクロスに関連性を見いだせた人間は非常に少なかったそうです。
それは後年マクロスにハマるような人間にとっても例外ではなく、遊んでいた当時はゲーム中の変形機能やミサイル(反応弾)の意味が分からなかったそうです。


中国のマクロス事情についてはだいたいこんな所でしょうか。

それとマクロス関連のついでにもう一つ。
以前質問をいただいたこともあるのですが、中国オタクのマクロスファンも
「ゼントラーディ語」
を覚えようとしちゃったりしたことのあるのが結構いるそうです。

例えば
「ヤック・デカルチャー」
は普通中国語では意訳して
「难以置信」
などとされるそうですが、音を無理やり漢字で表記すると
「雅酷爹咔麓恰」
といったものになったりするそうです。




今回のことを調べていて印象深かったのは「マクロス」が中国オタクにとって非常に重要な作品であると共に、中国オタクの趣味の広がりに合わせて中国に入ってくるマクロス関係の作品も広がっていたことです。

これは言い方を変えれば、
「マクロスの中国での広がりを追いかければ中国オタクの変遷を追いかけられる」
ということでもあります。そういった背景があるので、マクロスは中国オタクにとって様々な意味で重要な作品となっているのでしょうね。

長々と書いてしまいましたがとりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


「マクロス」は中国オタク的「心のアニメ」 その1 中国におけるマクロスとRobotechの関係

「マクロス」は中国オタク的「心のアニメ」 その2 中国オタクの発展とマクロス