今回は軽いネタで一つやらせていただきます。
先日、中国のソッチ系の掲示板を巡回していた所
「なぜ日本の武士は刀を二本持っているのか?」
という疑問に関するやり取りを見かけました。

考えてみれば、中国の場合は剣を佩くとしてもたいていは一本ですし、あえて二本差しにする日本の武士はちょっと不思議に思えるのかもしれませんね。
それでは以下、その辺のやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の武士ってなんで刀を二本持っているの?
宮本武蔵くらいしか二刀を使うことは無いのに、なんでわざわざ余計なものを常に携帯しているんだ?

そういや、腰に二本下げるスタイルって改めて考えると不合理な気がしてくるな……何か理由があるのだろうか。

短い方の刀って切腹に使うために持ち歩いているんじゃなかったっけ。

あれ?日本の武士って二本半持ってたような?
確か長刀と小太刀と小刀を携帯していると聞いたおぼえがある。

短いのは切腹用のだよ。自殺するためにわざわざ装備を追加して重量を増やすなんてヘンな民族だよな。

切腹の時ってもっと短い刀を使っていたような……切腹用の刀と脇差は別なんじゃないの?

短いのは確か長い方が壊れた場合の予備だったはず。
実際の日本刀ってアニメや漫画のなかみたいにほぼ無制限に使えたりはしない。結構壊れる武器。

やっぱ日本刀ってそんなに強い武器じゃないのか……ちょっと夢が壊れた……

日本刀って斬る武器としては優秀だけど耐久性の高い武器ってわけじゃないからな。日本の戦国時代だと槍の方が重視されていたし。

戦国時代に剣豪将軍と呼ばれた足利義輝は最後には力尽きて暗殺されてしまったが、そのとき所蔵していた天下の宝剣を取り換えながら使いまくって数十人の剣豪を叩き切ったらしいな。
手入れすれば使い続けられるんだろうけど、一度に続けて何人でも切れるってわけではないんだろう。

そういや、ゲームの「侍道」だと結構刀壊れたな……

そりゃ刀身で押し合いするようなことやったら刀なんかすぐ切れなくなるだろ。

刀身で押し合いはしないだろ。日本刀でやるのは刀の鍔の上の方でやる「鍔迫り合い」だ。

まぁ、刀の使い方や効果に関しては色んな演出上の関係もあるんだろうな。ウチの国の武侠系の作品でも剣は主に刺すべきなのに刀のようにバンバン切ったりしちゃっているし。

俺は長いのは決闘用で短いのは奇襲用だと思っていたが。

短いのは切腹に使う。長いの二本持ってるのは宮本武蔵だけ。

宮本武蔵の二天一流は長いのと短いのだぞ。
あと宮本武蔵は必ず二本使っていたわけではない。佐々木小次郎との戦いの時とか一本で戦っている。

二刀流といっても長いの二本は無理だろ。中国の武器でも双武器で使うのって基本的に短い武器だぞ。双刀もあるにはあるけど、有名どころは短鞭や短錘、鐗とかだ。

(訳注:短鞭は金属で作られた棒状の打撃武器で竹の節のような突起がついています。鐗は短鞭に似ていますが柄があり短鞭のような節は無く打撃部分は円柱ではなく三角か四角になっていて短鞭よりシンプルな武器です)

戦争の時が両方とも長い刀で、戦争状態にない通常が長いのと短いのじゃなかったっけ。

うーむ……やはり日常的に二本持つというのはどうも余計に思えるんだよな……平常時に重装備をし続けるということだし。日本は儀礼的なことを重視するから、そういった所が残ったんだろうか。

日本の武士って文官としての役割もあったはずなんだが、それがずっと刀二本もって武装しているってのは必要とされたからだろう。当時の日本って結構危ない所で街中での切りあいとかもあったみたいだし、武士はそういった騒動において自分の武力を示せないと重い処分を受けたらしいから武装する習慣が続いたんじゃないかと。

私が聞いた話では刀を二本持つのは武装の予備と、携帯上のバランスを取るためということだったと思う。日本の刀は中国の剣のように「耳」が無いから武士は刀を帯で挟むけど1本より2本の方が安定するらしい。

(訳注:「耳」というのは中国の剣の鞘にある二つの穴のことです。ここにひもを通して腰帯から剣を吊るしていたそうです)

確か「るろうに剣心」だといっぱい刀持ってるのいたような。やっぱ予備武器なんじゃないの?日本の武士って戦闘関係の能力が重視されていたはずだし。

短い方の刀は予備の武器に使ったり投げたりするなど、多用途に使うはず。
日本の武士って刀以外にも手裏剣のような投擲用の暗器を持っている。大きい方の刀も中国の刀で言えば刀盤の部分にあたる「鍔」に穴が開いていて投擲用の小剣が装備できるようになっていたりする。

長い武器って場所によっては使うのが難しくなるし、長いのと短いのを持つのは合理的な理由によるものだと思うが。戦国時代が終わった後の江戸時代では都市部、更には屋内での戦闘が主になるだろうから刀が長すぎるとうまく戦えない局面も少なくなかったんじゃないだろうか。

刀を二本持っているのは日本の戦闘に関する環境や歴史が影響しているんだろうね。
ウチの国だと両手持ちの大型の剣はとっくの昔に淘汰されちゃったけど、欧州では前線の重要な兵器だったし、日本では武士のメインウェポンになっている。日本は平地での歩兵の大集団の戦闘や都市に対する攻城戦が少ないから弩や手持ちの盾も発展しなかったなんてこともあるしね。

基本的には短いのは予備の刀と考えればいいのかな?
それにしても、「戦国BASARA」の伊達政宗は6本持ってるし、「ONE PIECE」のゾロは3本だし、「サムライスピリッツ零」の徳川慶寅は7本だったから2本は別に多くないと思っていたが、考えてみると不思議だよなぁ。



とまぁ、こんな感じで。
中国オタクの面々も二本差しの侍系のキャラは見慣れているようですが、改めて「二本差し」な理由を考えてみるとちょっと不思議に思えてしまうのかもしれませんね。

そしてやはりこういったことに興味を持つのはディープな人間が多いのか、何故二本差しかということについて、私が知っているようなことなんかよりも深い考察をしている発言も見受けられました。


ただ使う場所や時代背景などについてはイロイロな考察がなされていましたが、大小の二本差しが「武士の象徴」であったことや、武士の正式な差料が大小二本に定められていたこと、また殿中などの二本差しではない場面があるといったことなどについてはあまり伝わっていないようでした。

この辺の習慣的な物についてはアニメや漫画などの作品でもあまり詳しく描写はされませんし、なかなか伝わらないのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。