本を出させていただいてから、中国のオタク事情や中国オタクの様子などについてのご質問をいただくことが増えてありがたい限りです。
ただ、中にはこちらの意図がうまく伝わらなかったのかという話もありまして……

そんな話の一つに
「中国で日本のアニメや漫画のファンが増えると親日派が増えて日本に有利なことをやってくれるんでしょ?」
というのがあったりします。

いや、確かに中国オタクの面々は日本に興味をもってくれたりしますし、反日の印象が刷り込まれている中でアニメや漫画を通じて日本のイメージを考え直してくれたりはしていますが、結局は、
「それはそれ、これはこれ」
なんですよね。
日本のためにどうこうとかいうのとは、またちょっと違ったりします。

先日中国のソッチ系の掲示板で面白いやりとりを見かけましたので、その辺についての参考までに、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


なんだかんだで私達の世代はずっと日本のアニメや漫画、ゲームを楽しんでるんだが、日本に対しての感情はイロイロとあると思う。私自身は歴史については絶対に忘れてはならないものだと思っているし。
そこで聞きたいんだが、結局みんな日本のことをどう思ってるの?
荒れそうな話題だし、ヘンなのが湧きそうだがちょっと語ってみないか?

正直言って、アニメや漫画に出合う前は日本壊滅しろとずっと思ってたな。
今では日本に行ってみたいと思うくらいにはなってる。でも好きか嫌いかだったら嫌いだ。

ぶっちゃけた話、秋葉原以外全部壊滅すればいいと思う。

その感覚、なんとなく分かるわ。
でもオタクの知識が深まるにつれ、秋葉原以外にも池袋やアニメスタジオのある場所、アニメの聖地とか、壊れてはならない場所が増えてきている。

アニメや漫画に関して以外、日本に対しては興味ない。
でも、あそことの間にはうっとうしいことが多すぎるのは確か。

第二次世界大戦の諸々に対する日本の態度やなんかについては今でも思う所はあるが、どっちかというとアメリカの方が嫌い。日本は国が実質的に作り直しになってるしね。
ただ、こういうことについてはどちらも感情的にならずに解決していってほしいと思う。

俺は日本とアニメや漫画は分けて考えてる。だから日本は普通に嫌いだ。

私は日系企業で働いているのである程度日本人とも接触するから、それなりにあの国の実際のイヤな部分を知っているつもりだし、実際日本人の上司はムカツク人間だが、学ぶべきところは学んでもいいんじゃない?仕事へのマジメな態度とか、謙虚さとか。

アニメや漫画を好きだからって日本を好きになる必要は無いだろ。
個別に好きなところがあってもいいとは思うけどね。
日本が南京大虐殺を認めないってのはいまだに俺は許せん。あいつら人数を口実にして存在そのものを否定しようとするしな。

日本がどう言おうが、あそこで殺戮があったのは変わらんのにな。
まぁ、口実を作って認めないのもわからんでもない。日本はアメリカに負けたというのは認めても、中国に負けたというのは認めようとしないんだから。

私の日本に対する感情は複雑だ。何も知らないバカな子供だった頃は単純な「仇」という感じだったんだが、今では違う。アニメや漫画は日本のものだし、そのイメージを俺は強く感じている。しかし同時に日本製品のボイコットをしたいと思うくらいの感情も残っている。

現在は昔と変わってきているんだから、以前のように声高に歴史問題を叫ぶ必要は無いと思う。
あと日本人のマジメで謙虚なところは学ぶべきだし、ウチの国の人間にだって優れた所はある。日本を叩くことによって相対的な優越感を自作自演しないでもいいだろうにと思うわ。

うーむ、俺はどっちかといえば日本が好きなんだが親日と言われるのは抵抗があるな。自分が売国奴になったようにも思えるし。

ハッキリ言って政府間や民族間の矛盾や怨恨なんて俺達庶民には関係ないだろ。そんなことやって給料が増えたり物価が安くなったりするわけじゃないんだから。

でも、気分良く暮らしたいのって無いか?
日本関係ではいまだに不快なことが多すぎる。俺は日本についてはどっちかと言えば好きだけど、歴史のことは絶対に忘れられない。

日本人は好きだけど、日本政府は嫌いだ。

俺は中国を愛しているけど、争いによるゴタゴタは起こって欲しくないんだよね。日本はいつか行ってみたい場所だし、どうにかならんもんか。

日本か……声優と漫画家とアニメクリエイターとアニメ関連の業務人員と投資家以外は死ねばいいと思うよ。ああそれと、フィギュア欲しいからそっちの方も残しといて欲しいね。

普通に暮らしているとそこまで日本人と接触するわけじゃないし、別にどうでもいいとしか。

俺は日本人の友達いるよ。それなりに仲は良い。
ただ、暗黙の了解として抗日ネタだとか中国侵略ネタや領土ネタは無しにしている。
背景の文化的に譲れないものはあるだろうけど、そういうのを個人レベルで持ち出しても何にもならんよ。

ウチの国の人間って不思議なことに対日になると民度が下がるという特徴があるからな。この辺はそうそう変わらんだろうなぁ。

親日派と言われるのはイヤなんだよね。そりゃ日本のもので好きなものやもっと知りたいと思うものはあるけど、日本という国が好きなわけじゃないんで「親日」なんて言われるのはアレだ。
自分では「知日」派くらいの感覚だと思っている。



とまぁ、こんな感じで。
一時期ほどヒドイ訳ではないのですが、中国オタクの面々も日本に対して思うところは常にあるようです。

そんな訳で、
「アニメ好きが増えたからといって中国国内で日本に有利な行動をする人間が増える、日本に有利になるよう働きかける人間が増えるということは無い」
のではないかと。

確かに、日本のアニメや漫画が娯楽として中国を席巻し、日本のイメージを大きく改善したというのは間違いありません。
私自身、中国の学校に通っていた時にクラスの空気が反日一色に染まっちゃってタイヘンな目に遭ったり、その後今度は日本のアニメや漫画、ゲーム等の娯楽に染まり、日本のオタク関係の知識を持つことによりヒーローとなったりということを体験しています。

しかし、日本のアニメや漫画、ゲームが好きになっても、それで日本を嫌う感情が消え去るわけではなく、多くの中国オタクの中では、「日本のアニメや漫画を好きだという感情」と「日本が嫌いだという感情」がごく普通に共存していますから、その辺は分けて考えるべきかと思います。

また、日本のアニメや漫画が中国で広まった理由の中には
「政治的に色がついていない」
「政治的に危なくない」
娯楽だったということもありますし、ファンによる政治関係の方への動きというのはほとんど出ないんじゃないかと思います。


ただまぁ、アニメや漫画で親日な人間が増えたかどうかは分かりませんが、「知日」な人間は着実に増えています。
今の中国の若い世代はオタク関連の話題には食いついてきますし、そういった話題を通じて日本に対しても単純に「悪い国」「嫌いな国」と決め付けずに、イロイロと考えるようになっています。
以前の愛国主義教育で反日一色に燃え上っちゃっていた、まったく話にならなかった頃から比べると、なんだかんだでずいぶんと良い状況になっているとは感じます。

国や政府レベルでどうこうということに関してはともかく、交流や話のネタにするくらいであれば、アニメや漫画などのオタク関連のものも少しは役に立つのではないでしょうかね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
ただ、今回は荒れそうな話題なので、できればお手柔らかにお願いします……