ありがたいことに歴史ネタのリクエストをいただきましたので、今回はそれで一つやらせていただきます。

先日中国のソッチ系の掲示板を巡回していて
「もし信長が生きていたら秀吉の朝鮮出兵はどうなったろう?」
ということについてのやりとりを見かけました。

中国では秀吉の朝鮮出兵は、明の李如松が日本軍を追い返した戦いとして知られているようです。
私も中国の学校に通っている時に歴史の授業で秀吉の朝鮮出兵とその失敗をやりましたし(その時の教室の私に対する空気や先生の勢いがまた何とも厳しいものでしたが)、中国の歴史ではかなり知名度の高い事件だと思われます。

また、織田信長についてはゲームの「信長の野望」シリーズや、翻訳された日本の戦国時代関係の小説でかなり知られています。
そんな訳で、秀吉の朝鮮出兵に関して「信長がもし生きていたらどうなったろう?」というIFの話を考えることのできる中国オタクも結構いるようですね。

それでは以下、その辺のやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


もし信長が生きていたら秀吉の朝鮮出兵はどうなったろう?
信長は生前中国大陸への侵攻を考えていたそうだし、もし本能寺で死ななかったら秀吉の朝鮮出兵とは別の展開になった可能性もあると思うんだが。

案外成功するかもな。そしてそのままちょっと早めの帝国主義時代に入るとか。少なくともその後徳川による長期の鎖国とは違った国になりそうだ。

信長がいても失敗は変わらないだろ。相手は明朝だぞ。
こういう神風がもし吹かなかったら日本は元に征服されたみたいな話はあんまり意味が無い。

歴史のifを考えるのは結構面白いもんだぞ。
あと神風はそこまで大きくない。私も昔は神風で元朝が負けたとか思っていたんだが、調べてみると元朝の軍は上陸戦でかなり苦戦してる。神風は撤退の時のだな。
騎馬の使える平原以外だと元朝も結構苦戦してるんだよ。あとそれと同じで信長がいても明朝軍には勝てないと思う。日本の軍は大陸での戦闘経験が無いからね。

誰が率いようと日本が勝てるわけないって。日本軍は朝鮮の民兵や李舜臣ごときに掃討されてんだから、日本の戦国武将のレベルもその程度ってこと。
今の評価は都合の悪いことを書かなかった記録の上に作られたイメージでしかない。

朝鮮出兵って秀吉の晩年のボケた頃にやったことだろ?
信長が健在なときにやったら結構うまくいったんじゃないかと思うんだが。秀吉の時は戦意低いわ、徳川や前田は行こうとしないわでグダグダだったし。

信長が仮にうまくやっても欧米の市民革命や産業革命みたいなことにはならんだろうから、先進的な状態をちょっと作った後にまた遅れた国になっちゃうんじゃない?明治維新も起こらないだろうし。

当時の明軍の総大将李如松はわずか4万で小西行長率いる14万の日本軍と戦った。明軍はその後一応増援で6万まで増えたけど、それにしたって14万とは比較にならん。で、こんな良い条件のもとで「日本の名将」がどう戦えた?
日本の戦国武将の評価っていうのは結局の所三国演義の武将と似たようなもんでしかないんだから、信長が来たって変わるわけがない。

まぁ当時の明軍には三眼銃といった先進的な火器もあったし、遊牧民に恐れられた鉄騎もあったしね。日本軍の装備ではキツイでしょ。

歩兵の火器なら当時は日本の方が進歩していたぞ。改良型のポルトガル系火縄銃だから、射程も装填速度も日本の方が上。これに朝鮮軍も明軍も苦戦した。
ただ、日本は攻城用の火砲が弱いから朝鮮はともかく明の都市攻略は無理だったんじゃないかな。

戦況の移り変わりを見ていくと、小西行長もそれなりにうまくやってるよ。敗因として大きいのは海上の補給線を断たれたこと。
信長って補給の構築についてはどうだったんだろ?この部分が修正されないなら朝鮮出兵の失敗は変わらないと思う。

小西行長や加藤清正が朝鮮軍を駆逐して北上した後に明の精兵に遭遇して一気に南に押し返されて戦線膠着、明軍も限界っぽくなって追撃しきれない状態になってるのを見ると、朝鮮戦争と似たような感じに思えてくる。信長がいても、同じような展開になるんじゃないかなぁ。

信長が生きているなら朝鮮の占領まではきっと問題ない。
豊臣幕府はサルの死後すぐに崩壊してしまったが、それは信長の死後に四分五裂状態となった織田家の権力闘争によって作られた体制だったという点も大きい。もし信長が生きていたなら織田の体制をそのまま発展させられるから、朝鮮出兵もしっかりとした展開になったはず。

豊臣秀吉が征夷大将軍になっていないから豊臣政権は幕府ではないぞ。
あと日本は海軍関係が弱いから、兵員や補給の輸送で絶対に問題出ると思う。信長にしたってそこは変わらんだろ。短期的にはうまくいってもそのうち失敗するんじゃないか?

信長は対毛利で鉄甲船作っていて、それで第二次木津川口で勝利している。海軍力を軽く見るのはどうかと思うが。

鉄甲船は日本の近海で使う船であって、外洋では使えんだろ……
そもそも、あれは朝鮮の亀甲船と似たようなもんで、実在が怪しい、実在したとしても伝説のスペックにはなりそうにない兵器だろ。

当時の日本と明の実力差が大きすぎる。
第二次世界大戦の頃のアメリカと日本の戦力差みたいなもんだから、どんな人間が率いようと長期的に見れば日本に勝ち目はない。

前提条件についての疑問なんだが、信長は問題なく攻めてこれるの?
日本の東方を制圧している間に信長の寿命が尽きるんじゃないかと……

信長が生きていても日本が今の状態以上に発展できるとは思えん。仮に朝鮮やウチの国の東北地方に植民地を形成できたとしても、その植民地が後の発展の足を引っ張るというのは明らか。

俺のイメージだと、信長は内部改革の方を先に進めるような感じなんだが。体制が整えば攻めて来るかもしれないけど、寿命的に無理じゃないかね。

短期的には厳しい戦いになるかもしれんが長期的に見れば負けないとは思う。あと仮に占領しても統治のノウハウが無いからうまくはいかんだろうね。
ただどちらにしろ明朝へのダメージは出るだろうから、ヌルハチが台頭して清朝になっちゃうんじゃない?

信長が生きていたというifを描いた「夢幻の如く」では、大陸に渡って女真族を配下にしてたな。それくらい無茶苦茶な展開にならんと明に勝つのは無理だろ。

うーむ、秀吉の侵略に関しては日本と中国で戦闘に関するデータがいまいち安定していないから、判断できない部分が大きすぎるんだよね。こっちだと明軍が日本を圧倒したみたいなイメージあるが、李如松とか日本だとかなり軽く扱われている。
李如松が豊富な火器と強力な鉄騎を備えた数千の兵で十数倍の日本軍を撃退したという碧蹄館の戦いも、日本で伝わっていてる情報を調べたらこっちの認識しているのとかなり違った。
まぁどっちも自分に都合よく書いている所があるんだろうけど……

こういうのってどこの国でもやる妄想なんだろうな。
ウチの国でも鄭和が船の設計図を燃やさなければ世界の海を制覇したろうにとかいった感じの話がでるし。

明朝は妄想ネタ多いからね。
日本が信長で妄想するなら、ウチの国は明朝の最盛期で妄想するといった所か。

俺の根拠のない印象による判断だが信長ならまだ大丈夫な気がする。
上杉謙信と武田信玄と毛利元就が攻めてきたらさすがにヤバイ。

ハッキリ言って、信長の反乱されっぷりからして日本国内がまとまるとは思えないんだよなぁ。本能寺の変が無ければ天下統一はもっと後になったんじゃないだろうか?



とまぁ、こんな感じで。
信長の評価がわりと高かったのは、私も意外でした。

ただ、その信長が来たとしても明朝に負けは無いと思われているようですね。
上の発言にもありますが、明の時代は中国の今の若い世代にとっては非常に妄想しやすい、
「強い中国」
の時代と思われています。
歴史のifを題材にしたネット小説などでも明は非常に人気のある時代です。

そういったことも、
「信長は強そうだけど明に負けは無いだろう」
という認識につながっているのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国人的に妄想のネタにしやすい時代は