日本では中国の古典を元ネタにした作品は少なくありませんが、そういった作品に加えられる日本独自のアレンジの中には、中国の感覚では理解できないようなものもあるようです。

そういった中で「西遊記」はネタ元としても非常にメジャーな作品ですが、中国の感覚で
「これはない」
と思われてしまうような日本の独自の改変がある作品だったりします。

例えば、
「女性が三蔵法師役を演じる」ことや、
「沙悟浄がカッパになっていたりする」
のは中国の感覚からするとかなりありえないもののようです。
今回は、その「カッパの沙悟浄」について一つやらせていただきます。

沙悟浄は中国では「沙僧」「沙和尚」と呼ばれることが多いようで、
中国における沙悟浄のイメージは、
百度版wiki百度百科の沙悟浄のページ
などをご参照ください。中国語ですがイラストや写真もあります。

それでは以下、中国のソッチ系の掲示板で見かけたカッパになった沙悟浄に関するやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近気づいたんだが、日本の沙和尚が謎すぎる。何あの怪物?
孫悟空や猪八戒、唐僧はこっちのイメージとそれほど変わらないが、沙和尚だけかなりヘンなキャラに改変されているんだが。

言われてみて私もちょっと調べてみたが、確かに日本の沙和尚はヘンなことになっているっぽいな。孫悟空の猿、猪八戒の豚はいい、だがなんで沙和尚がわけの分からん怪物なんだろ?

確かに。肌が緑くらいならともかく、クチバシがついていたり頭が禿頭ではないヘンな形状になってたりするよね。

日本における沙僧の神仙キャラ解釈がああいう形になるんだろうか?神仙関係では日本のイメージはウチの国とは別のモノに変化しているとかで。

以前、日本のシルクロードと西遊記をテーマにしたらしいテレホンカードを見たことがあるんだが、そこでも沙僧は緑色でアヒルのクチバシみたいなのがついたヘンなキャラになってたな。

あれは確か日本の妖怪の河童じゃなかったかな?
俺もなぜかは知らないが、沙僧は日本では河童になっちゃっているらしい。

なにぃ!?アレって河童だったのか!?
なんで河童が中国からインドまで旅するんだよ!?

河童は日本原産の妖怪だよな……どこでどうなれば沙和尚が河童という認識になってしまうんだ?

川の妖怪っていうと、日本では河童という認識になっちゃうんじゃないかね。河童は日本で非常に有名な存在らしいし。

それにしたってどうかと思う。河童と沙和尚の共通点って、青黒い色の肌くらいじゃないか。

確か河童ってウチの国の神仙の水伯だか河伯が元になっているという話だ。日本では沙和尚が河伯のイメージだと理解され、それから河童になったとかいう流れなのかね。

属性が水で、ともに人を殺す水妖だから沙和尚を河童と訳したんじゃないかな?固有名詞をそのまま使ったり説明するのではなく、似たようなモノを代用したのでは。

沙和尚が日本の妖怪の河童か……日本の中国古典改変ってさすがにどうかと思うような改変多いよなー

そうだな、この西遊記もりヒドイと思う。唐僧は男の娘にされるし、沙僧は河童なんかにされる。あの国はネタを重視して原作を尊重しない所があるんで、時々ムカッとするわ。

まぁ、日本に限らず他の国でもイロイロと改変やってるんじゃないかね。昔ウチの国で出回っていた「超時空猴王孫悟空」も、沙僧は魚で忍者なキャラになってたし。国外で沙僧のキャラの概念を理解させるのは難しいのかもしれない。

「沙僧はカッパ」ってのは日本の一般常識になっちゃっているんじゃないか?
日本の作品では猿っぽいキャラと豚っぽいキャラがいた場合「ここに河童が加われば西遊記だな」みたいな会話が結構出て来るように思う。

そうそう。日本では「沙悟浄=河童」という認識はかなり強いみたいだよ。
三蔵を女性にするというのは「パロディ」や「演出上の手段」で、一応原作では男性だと認識されている。しかし、沙和尚はごく普通に「河童」として認識されてしまっているらしい。どうしてこうなった。

でも、沙僧を普通に人間キャラにしているのもあるよ。「パタリロ西遊記」とか「最遊記」は普通に人間キャラだったし。

その認識って、いったい何時ごろから形成されたんだろう?
ウチの国のテレビでもやっていた手塚治虫の「悟空の大冒険」では沙和尚は普通に人間っぽいキャラだったと思うが。

78年に日本で制作されたドラマの西遊記ではもう既に河童だったと思う。あれもなんかネタにしか思えない作品だったな。

そういや以前話した日本人留学生が「沙悟浄は頭の皿が乾くと動けなくなるという弱点がある」と言っていて、私は何の話だか理解できなかったんだが、あれはカッパと誤認していたからだったのかもしれない。日本ではマジで西遊記にカッパが出るという認識が主流なのかもな……



とまぁ、こんな感じで。
女性の演じる三蔵法師に比べると沙悟浄のカッパ化というのはあまり意識されていないようですが、それでも「沙悟浄がどうしてカッパになってしまうのか」と、結構困惑しているようですね。

以前の記事のコメント等で教えていただいた話によれば、女性の演じる三蔵法師に関しては78年のドラマ「西遊記」の夏目雅子演じる三蔵法師の影響が大きく、他にも西遊記アレンジで女性の三蔵法師となった作品ではドラマの西遊記より若干早くアニメの「SF西遊記スタージンガー」が放映されているそうです。


しかし、女性が演じる三蔵法師と違って
「沙悟浄=カッパ」
の認識についてはいつから始まったのかちょっと分かりませんね。

私も、物心ついた頃には既に
「カッパの沙悟浄」
というイメージになっていたように思いますし。
以前聞いた話では、講談で西遊記を語る際に、分かり易く日本の河童に置き換えられたのがきっかけということでしたが……


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国的にはありえない「女性の三蔵法師」