「武侠小説」は中華圏を中心に非常に人気が高く、中国においては娯楽コンテンツの基本的なジャンルの一つと言っても過言ではありません。
日本でも金庸作品などを中心にイロイロと出回っているかと思います。


そんな武侠小説ですが、日本のアニメや漫画をよく見る中国オタク内でも「一般教養」のような扱いとなっています。しかし武侠小説が日本ではどういった受け取り方をされているのか、人気はどうなのか、といった辺りについてはハッキリしないものになっているようです。

先日、中国のソッチ系のサイトで
「武侠小説の日本での人気はどうなのか?」
といったことに関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本では武侠小説ってどうなんだろう?三国志みたいに人気はあるんだろうか?
金庸なんかは「世界的に有名」とかよく言われるけど、実際に外国でどうなのかは分からんし、日本だと更によく分からん。

ウチの国の作品で、日本でも人気のものというと……三国志ネタは簡単に思いつくが、武侠だとちょっとすぐには出てこないな。これは私も気になる。

そう言えば、「惡の華」のアニメの中で出てきた書籍に、金庸を元にしたであろう「土庸」とその多くの作品が並んでいたな。ああいうネタが出るくらいだから、それなりに知名度があったりするんだろうか?

日本にだってウチの国の小説は入っている。扱いとしてはウチの国で読まれる日本の小説とそう大して変わらないんじゃないだろうか?そして、中国の小説があるなら金庸が無い、人気が無いってことはないだろう。

三国ほど明確ではないけど、武侠小説は日本のコンテンツに確かな影響を与えているよ。例えば最近の人気クリエイターの中では、虚淵玄が武侠小説好きを公言している。

虚淵玄の「鬼哭街」とか、明らかに武侠小説を意識して作られた作品だよな。

おいおい、香港映画と武侠小説は世界的に人気なんだから当然日本でも人気だよ。

武侠系の映画は日本でも大人気になったって聞いたことがある。実際、日本のアニメや漫画でも中国武術や気功は「強い」描写をされるからね。

良いモノはどこでも人気になるんだから、日本でも武侠小説を見ている人はいるだろうし、人気になっているだろ。

でも、日本では武侠小説市場ってどのくらいあるんだ?
ウチの国でも段々と市場が縮小したり、見る人間が減ったりしているように感じるくらいだ。日本での知名度が無いってことは無いだろうが、人気ということになると不安だ。

見る人間が減ってきている?
そんな訳ないだろ。金庸の武侠小説を読まない人間がいるわけがない!

金庸作品は最近もドラマになったりしているし、ウチの国での人気が落ちているってことはないだろうし、コンテンツのパワーは変わっていないと思うぞ。

私の小さい頃は老若男女問わずみんなハマっていたし、それは今でも変わらないでしょ。昔は金庸でイロイロなものを学んだりしていたわけだし。今でも実本の全集がきちんと売れているはずだよ。

俺は金庸でNTRを学んだ……!
そういえばアニメは日本と香港の合作による「神雕侠侶」とかもあるぞ。もっとも、その出来に関しては……何と言うか……

「惡の華」で出てきた金庸ネタの本はずらっと揃っていたし、アニメの中でわざわざパロディネタな名前にして出るくらいだから、やはり日本でもそれなりに有名で、読者がいるのは確かなんじゃないだろうか?

以前、日本でも金庸原作のドラマが大人気になっていると聞いた覚えがあるぞ。

ドラマは知らんが、映画はそれなりに人気なのは確かだよ。ジャッキー・チェンやジェット・リーも人気だし。

日本に留学している自分が答えよう。
日本には武侠系の映画や小説は少なくない。本屋でも金庸小説が間違いなく売られているぞ!日本でも数少ない国外で自慢できる上に語ってウケるネタだぞ!

日本で武侠小説が知られているというのは疑う余地は無いだろう。
てかさ、言っちゃなんだけど「外国」の武侠ファンの方がウチの国の武侠ファンより古参になることも珍しくないんだぜ。ウチの国で武侠小説が広まったのは改革開放より後だから、せいぜい80年前後以降だ。ウチの国の武侠ファンはまだ「若い」所があるから「熱い」部分もあるけど、国外ではもう少し落ち着いたものになっているし評価の方向性も異なるから、ウチの国の人気のイメージを海外にそのまま当てはめようとするのはやめた方がいいよ。

日本は三国志だけとか言われているけど、実は結構武侠系の作品好きだよ。日本の書店や図書館に普通に中国の武侠小説の日本語訳版が置かれたりしている。あと歴史関係では春秋戦国に関しての本もわりと見かけるかな。

日本での武侠の人気についてはまぁいいんだ。自分が気になっているのは武侠小説に欠かせない「武功」をどうやって翻訳しているかだ!

そりゃ日本語に関してはそのまま漢字使っちゃえばいいから翻訳の必要すら無いぞ。これに関して日本語は他の国の言葉に比べて絶対的な優位さがある。日本のアニメの必殺技名とかがこっちに入って来るのと逆の流れをイメージすればいい。

日本での武侠小説の評価に関して心配なヤツは、とりあえず「Gガンダム」を見ておけばいいと思うんだ。



とまぁ、こんな感じで。
武侠小説は中国では言わずと知れた大人気コンテンツなだけに、逆に日本での人気については想像し難くなったりもしているようでした。

ただ、日本では「中国武術」などに関しては広く知られていますが、「武侠」の感覚についてはあまりきちんと伝わっていない様にも思えますね。
この辺りの違い、日本でよくイメージされる「カンフー」と、中国で一般的な「武侠」の違いといったようなものについては意識されることは少ないのかもしれません。

それと、武侠小説に出てくる必殺技は日本の感覚でもカッコイイの多いですよね。「降龍十八掌」とか「独孤九剣」とか、なんとも心ひかれるものがあります。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国的(たぶん)カッコイイ技の名前