「トンデモ本の世界」でコラムを書かせていただのもあってか、ありがたいことに中国オタク関係の埋もれた怪作(?)的なモノを教えていただいたりしております。

そんな訳で今回はその教えていただいた情報、
中国で昔作られたアニメ
「我為歌狂」
について大雑把に紹介させていただこうかと思います。

この作品は2001年に制作された作品で、今回教えていただいた話によれば、当時グダグダな状態になっていた上海美術電影制片廠が力を絞って作った作品だそうで、一応日本のアニメを意識していたり、中国で大人気になった「スラムダンク」に対抗しようという方向性で作られたもの……といった背景があるそうです。

探してみたらOPはyooutubeにもありましたのでご参照ください。


ここに出てくるイケメン(と言う設定)の高校生達がバンドを組んで音楽への理想と情熱をぶつけ合いながら成長していく作品だそうです。

当時の中国における「カッコイイ若者的な要素だと思われるもの」をイロイロと詰め込んでいるっぽいのが何とも言えない味を出していますね。

ストーリーや設定においては、軽音楽部どころか部活動もなく、バンドを組んで活動するような場所もほぼ無い中国の学校生活において、主人公達のバンドを学校の音楽隊である「校楽隊」という形にして学校の代表にしたり、そこから更に「高校音楽祭」で行われる大会的なものを設定するなど、結構強引な勢いではあるものの中国の学校生活とバンド活動を組み合わせてしまっているそうです。

また他にも第一話の最初の学校の場面が「広播体操」(中国の学校では全校生徒が校庭に出て体操を行います)から始まったりするそうで、中国の学校で一般的な習慣や行事とすり合わせを行おうとイロイロ頑張っている模様です。

それからストーリー以外にも作中における主人公達のバンド
「OPEN楽隊」
の歌として6曲ほど劇中歌が作られていたりするなど、当時としてはかなり意欲的なことをやっていたそうです。

そんなこんなで「我為歌狂」は当時ちょっとした人気になっていたそうですし、03年にはドラマ化されたりもしているそうです。この作品が制作されたのは中国のアニメ産業が3DCGアニメの方向に急展開する前の時期ですし、現在の感覚では厳しい部分が見受けられたりもするかと思いますが、こういった方向性の作品が中国で作られていたことがあるというのはイロイロと興味深いものがありますね。


ただ……恐らく今の中国ではこういった方向性の作品を作る、テレビで放映するのは難しくなってしまっているかと思われます。

この作品においては主人公達が普通にバーに入ったりそこで歌ったりしているシーンなどもあるそうですし、高校生がバンドをやるのはともかく、盛り場に行く高校生が出るアニメを「子供の見る時間帯」に流すのは厳しくなっています。

それ以外にも主要キャラ同士の恋愛、すれ違いの描写もあるそうで、当ブログの記事などでもちょくちょく書いている通り、中国のアニメではタブーな要素の一つとなっている恋愛描写が入っているのも今となっては難しい部分になってしまいます。
(恋愛描写に関してはやってやれないことは無いものの、批判の対象になることもあるのでリスクが大きいことから回避され易くなっています)

この作品自体は「トンデモ」というレベルではありませんし、放映当時は普通に人気になっていたはずなのですが、こういう内容の作品が現在の中国ではまず作れなくなってしまっている状況に関してはトンデモな状態と言えるような気も……


ちなみに、私も今回教えていただいた情報で初めて知ったのですがこの作品、
「夏日彩虹 我為歌狂」
というタイトルでPCゲーム化もされているそうです。

システム的には当時中国で大人気になっていた「サクラ大戦」の影響が強いそうで、メインストーリーとなるAVGパートと途中で挿入されるアニメ動画、ミニゲーム、そして戦闘パートといった流れなっているようです。

ゲームの流れとしては
「南の海に遊びに来ていた主人公一行が、剣と魔法のファンタジーっぽい異世界にトリップしてしまう」
といったものらしいのですが、アニメ本編の音楽活動とか投げっぱなしで(一応キャラ立てやストーリー上の小道具くらいには残っているようなのですが)ギャルゲーファンタジー的な展開になっているとかなんとか。

売り文句の中には
「新たな形の青春アイドル恋愛アドベンチャーゲーム」
「50人以上の個性の異なるキャラ、100種類以上の魔法、十数種類のマルチエンディング」

といったものもあるそうですが、こちらもどんな方向に行っているのかとても気になりますね。


何やら調べれば調べるほど混乱してしまうような所もありましたが、とりあえずこんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。