ありがたいことに
「中国のオタクな人達はアニメ化されることの凄さ、難しさに関する認識が日本と違うような気がするのですが、どうなのでしょう?」
という質問をいただいておりました。

先日、うまい具合に中国のソッチ系のサイトで
「二作以上アニメ化された作家って凄いのか?具体的には誰?」
といったことに関するやり取りを見かけましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


漫画家やラノベ作家で二作以上アニメ化された作者って実はとても凄い存在、「大師」だったりするの?
あとそんな複数アニメ化された作品を持つ「大師」について教えて欲しいんだけど。

ウチの国ならそうかもしれないが、日本では違うだろう。
日本にはたくさんの作品があるし、十把一絡げでアニメが作られているんだから。

最近のラノベだと、川原礫や橙乃ままれが思い浮かぶかな。スゴイのは間違いないとは思うが……

二作以上アニメ化と言ってもそこまでスゴイ話じゃないよ。マンガなら雑誌連載を一定期間以上、ラノベならweb連載から商業出版になった時点でアニメ化ってのは時間の問題なんだよ。
日本のアニメは原作アリの作品がほとんどでオリジナルは非常に少ないから、特徴があって一定期間作品を描き続けることができて、一定の読者がついていれば、そしてアニメ12話分に足る長さがあれば、誰かが投資してアニメを作ってくれる。

お前、日本の漫画雑誌がどれだけあってどれだけの作品が連載されているか、ラノベレーベルがどれだけあってどれだけの作品が毎月出ているか数えてみると良いぞ。

バッサリ打ち切られた作品、単行本化までいかなかったような作品はウチの国にまで伝わらないしね。正規、ファンサブのどちらかで中国語化されないと読まない人多いし。

複数の作品がアニメ化……手塚治虫や藤子不二雄は別格として、鳥山明、冨樫義博、小畑健、和月伸宏、北条司とかか。あと井上雄彦も「BUZZER BEATER」のアニメがあるから2作品以上になるね。確かにみんな「大師」レベルだな。

二作品以上アニメ化された作家って結構多い。しかし「一作だけ」で有名になっている作家ほどスゴイわけではないケースも多々ある。
ただ三作アニメ化にまでなったなら間違いなく「大師」レベルだと思う。

鳥山明は二作だけしかないから微妙ってこと?

その基準だと岸本斉史や尾田栄一郎はどうなるのよ。

横から言わせてもらうが、鳥山明は短編もアニメ化されているぞ。
あと上で挙がっていないけど、ジャンプ系の作家なら桂正和もアニメ化された作品多いよ。

アニメに向いている作品かどうかというのもあるだろうし、基準の一つにはなるだろうけど絶対的なものではないだろう。
ちなみに私はアニメ化される作品ということで思いついたのは「CLAMP」だ。アニメビジネス的には間違いなくスゴイ存在だと思う。

ビジネスと言えば「遊戯王」の高橋和希はどう考えるべきなんだろう?

アニメ化の安定感も含めての話なら高橋留美子だろう。
連載作品全部アニメ化。一部は実写化。「境界のRINNE」もたぶんアニメ化される。

日本では多くの作者が自作をアニメ化される機会を得られる。連載が打ち切られなければよほど倫理的にアウトとかでもない限り一度はアニメ化の機会は回ってくるからね。
基本的には運と努力、タイミングによるものだから、運も実力のうちとは言うけど完全な実力とは言えない。しかし二作目となると話は別だ。アニメ化された作品が二つある作者は基本的に「大師」と見て問題無いだろう。

ラノベに関しては二作でスゴイと言うのは少々微妙な気がする。最近の深夜枠、1クールのアニメばかりで長編アニメは少ない。

三雲岳斗は確か三作アニメ化されてたよね。

アニメ化された作品の多い作者だと、恐らく榊一郎が5作でトップクラスじゃないかな?「スクラップドプリンセス」の頃から断続的に数作アニメ化されていて、最新のだと「棺姫のチャイカ」がある。

続編や劇場版、OVAをそれぞれ1作と考えるなら神坂一はかなりたくさんあったはず。

私の場合、アニメ化されている「大師」級のラノベ作家で真っ先に思い浮かんだのは西尾維新だった。
でも、ラノベで「評価が高いアニメ」(原作評価は別)が複数出ている作者ってほぼいないんじゃないか?

小野不由美や成田良悟は複数評価の高いアニメ作品あるだろ。あと賀東招二も「天城ブリリアントパーク」でそうなるかも?

アニメ向きということならPEACH-PITは?
複数作品、しかも続編も制作されたりしている。残念なのは円満な終わり方をしていないのが多いということか。

なぜ「大師」に永井豪の名前を挙げるヤツがいないんだ?
アニメ化作品の数、そして影響力はトップクラスだろうに。

昔の作品だし、ウチの国で永井豪について語られることは少ないからなあ……
あと影響を受けた作品は見ていても、直接永井豪作品のアニメを見た人間ってウチの国だと少ないだろうからね。

石ノ森章太郎がまだ挙がっていないな。アニメになった作品、特撮になった作品は数えきれない。

複数のアニメ化作品のある「大師」なら赤松健もそうじゃない?「ラブひな」以外のアニメは残念だけど。

二作以上で大師ってことになると、「ジョジョの奇妙な冒険」をずっと描き続けている荒木飛呂彦とかどうなるのよ。

荒木飛呂彦はアニメ化が三本あるぞ。ジョジョのTV版とOVA,それから「バオー来訪者」も劇場版がある!

代表作一本だけという印象でも、調べてみると複数の作品がアニメ化されているケースってわりと多いよね。例えば青山剛昌は「名探偵コナン」のイメージが強いけど「YAIBA」がアニメ化されて、短編もアニメ化されている。それに加えて「まじっく快斗」もアニメ化だ。

OVAとテレビ、一般と深夜枠といった要素もあるからアニメ化された作品の数だけで判断するとヘンなことになるぞ。

本編、外伝、リメイクとかも判断に迷うな。

厳密には二作品以上、アニメが人気になった作者とするべきなんじゃないだろうか?それだったら間違いなくスゴイ。一作当てた後はネームバリューで企画が通り易くなるが、作品のパワー、面白さが前の作品と比較できるレベルに達していることは少ないと思うんだ。

そう考えると鳥山明、冨樫義博の凄さがハッキリするな。

その方向で考えた場合、あだち充は間違いなくスゴイ。

アニメ化された作品が爆死してその後続かないケースも多いから、その次、別のアニメ化作品がある作家は実力(解釈は任せる)のある「大師」だと思うよ。でも後世に残る一作だけというのも悪くないよね。



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈における「アニメ化のイメージ」が何となく見えてくるような気もしますね。

現在でも中国オタク界隈で広まる、人気になる作品のほとんどはアニメから、或いは「アニメ化の情報」から本格的な動きが始まりますし、アニメの原作をアニメ化前の連載当時から追いかけている、追いかけることができる人は少数派です。

そういった背景もあるので「作品がアニメ化される」ということに関するイメージについて、日本の感覚と異なる所が出てくるのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「結局日本のTVアニメ化の条件って何なんだろう……?」


11/17追記修正:コメントにいただいたツッコミのおかげで、訳しているうちに高橋留美子先生に言及していた発言をうっかり消してしまっていたのに気付きました。まことに恐れ入ります……