7月の新作アニメに関する情報が揃うまでに、放置しているネタの方を……
ありがたいことに
「日本のネット小説の商業化が活発になっているが、それに関して中国の反応は?」
という質問をいただいております。

そんな訳で今回は中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本のネット小説」
に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のネット小説系ラノベについて語ろう。
最近日本のネット小説系ラノベがどんどん話題になっている。漫画化、アニメ化されるというのも珍しくは無い。そういった作品に関して情報交換しよう。

ファンサブや公式の翻訳とか無くてもいいの?あと商業化してweb連載読めなくなっていてもいいの?

そこは適当で問題ないよ。日本語ができる人向けでもOK。

日本語で読めるなら基本的に「成為軽小説家」(小説家になろう)というサイトを見ていけばいいと思う。
あそこからデビューした作品にはアニメ化された大作も多い。例えば4月アニメの「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」もそうだし、「魔法科高校の劣等生」や「ログ・ホライズン」もそこの出身だ。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」もネット小説出身だったのか。

そうだよ。ただ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」はネット小説を連載→出版社に投稿して新人賞受賞というパターンだから、ちょっと経路が違う。
日本のネット小説の商業化は、連載作品を投稿するのと、連載作品がスカウトされて商業化の2つのケースがある。現在はスカウトされるケースが多い印象だ。
他にも最近は出版社によるネット小説向けの新人賞的なものを開催してそこから商業デビューっていうのもあるようだ。

私は「転生したらスライムだった件」が好き。
設定も面白いけど、それ以上に主人公への萌えを感じる。モンスター娘のアニメも来たし、この作品にも流れが来るんじゃないかとひそかに期待している。

「転生したらスライムだった件」は漫画もあるな。小説の量に追いつけそうにないが。

「幼女戦記」は良いぞ。幼女という言葉に騙されて読み始めるとタイヘンなことになる。軍オタ的な要素があるなら、結構いけるのではないだろうか?

「この素晴らしい世界に祝福を!」とかはどう?

初級クラス止まりな主人公にもの凄くダメなヒロイン3名という設定が良いよな。放映時期は未定だがアニメ化は決定していたっけ。

俺は「無職転生」を挙げよう。
異世界転生だしオタクな主人公が転生して俺TUEEEE系ではあるが、それだけではない。主人公の前世と転生後を振り返っての内面描写が良い。あと作中の大体の局面において主人公が最強ということはない。
この作品、章ごとに物語が大きく動くんだが特に中盤からの転換、メインストーリー突入後がスゴイ。あと主人公の内面描写や嗜好に、中国と日本の違いを感じる。

ところで日本語のサイト名は「小説家になろう」だから、中国語だと「成為小説家」じゃないか?「軽小説」(ライトノベル)作家専門ってわけでもない。

まぁそれで検索すれば普通に引っかかるし、中身の方向性がラノベ向けだからな……
ところで「勇者互助組合 交流型掲示板」ってどう?ある意味、極めて「オタク向き」な小説だと思うんだけど。

私は好みだけど、知り合いに勧めたら「全く面白くない」とバッサリやられたから、オタクでも好みが分かれると思う。

「マギクラフト・マイスター」はストーリーの出来は普通だが工芸系の旅行系作品とか言えそうな、面白い設定の作品だと思う。
あとキャライラストは商業版を参考にするのを勧める。

ちょっと古いけど「死神を食べた少女」なんかも面白いよ。
少女という言葉から感じるイメージとは違う硬派な戦記系の内容。主人公に萌えがあるのも間違いないけどね。

最近だと「賢者の弟子を名乗る賢者」も悪くなかったな。方向としては、能力隠し系で萌え系の女性主人公といった所かな?

「Re:ゼロから始める異世界生活」はどうよ?

私も「Re:ゼロから始める異世界生活」、あとは「無職転生」とかが好きだけど、確かに「Re:ゼロ」はあんまりウチの国の方では人気ないね……台湾では翻訳刊行されているんだっけ?

「Re:ゼロから始める異世界生活」は鬱系というか読んでいてストレスたまる所があるのがいかんのかも。
私は「シュタインズ・ゲートっぽい」という情報から読み始めたんだが、死に戻り、ループ系的な設定は非常に面白いし、ストーリー展開にも意味はあるんだけどね。

それにしてもウチの国では最近文庫ベースで出るラノベのファンサブ翻訳をあまり見なくなった気がするね。ネット小説の方はどんどん増えているのに。

翻訳スタイルの違いによる影響もあるんじゃないか?
文庫ベースのは昔からの一人による作業という事が多いし、どうしても遅くなる。それに対してネット小説は多人数による作業だ。絶対的な量の差が出るのも当然。

日本のネット小説のファンサブ翻訳って、翻訳サイトや翻訳ツールで訳してそれを脳内補正するというやり方が主流だろう?テキストでコピペできるからその辺りの作業が楽。ちゃんとした、質の高い翻訳はなかなか見つからないけどね。
恐らく文庫ベースの作品も、もしテキストデータがあったならそのやり方により翻訳のスピードが上がるはず。

7月の新作アニメにもなっている「オーバーロード」もネット小説系作品だ。正統派な世界設定と、正統派な能力隠し系の群像劇。もちろん俺TUEEEEは標準装備。
ただアニメの方は小説の血腥い展開がどこまで描写できるのかが心配だったりする。

「オーバーロード」はサブキャラクターの設定が魅力的なのは間違いないが、一般的なイメージの群像劇を期待して読むとちょっと外すかもしれない。あと商業化版のイラストも良い。

「オーバーロード」がアニメ化できるなら「無職転生」もアニメ化できるんじゃないかと思っているんだが……

しかし、日本のネットって「転生」が好きだよね。私はこれが好みじゃない。あとできれば未完の作品の推薦は勘弁してくれ。

そのまま行くんじゃなくて、死んでから生まれ変わるのが日本のネット小説の基本的な特徴だよね。あと未完については文庫のラノベにもあるし、そこはどうしようもないな……web連載版完結しているのもあるにはあるが。
あ、それと私は「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」を勧めよう。やや低めのテンションで異世界を旅するという作品。目立たずに暗躍したがる俺TUEEE系って所かな?あと美食と幼女も特徴。

「盾の勇者の成り上がり」は俺TUEEEEな復讐劇に思える。しかし読み進めていくと、仲間の育成といった面が強く出ているようにも感じられる。
伏線的な部分もわりと上手く回収しているから、引っかかる所があっても読み進んでみてほしい作品。

復讐劇というか、勇者じゃない主人公が勇者を見返す的な話だと「異世界魔法は遅れてる!」「金色の文字使い」なんかも悪くないんじゃないかな。チート能力が漢字の意味によるパワーだから、そのまま入っていけるはず。

イロイロと参考になるスレだ。
実際の所、日本でもネット小説が流行してからかなりの時間が経っている。そういった作品が商業化、文庫化されてウチの国でも話題になり、ついでに「日本のラノベがネット小説化している」と不満の声をあげる人間も増えたが、実は「ネット小説の影響」という点に関しては結構前から起こっている流れでもあるんだよね。

ネット小説はつまらない作品も多いけど、母数が大きいから面白い作品や自分の好みに合う作品と出会える可能性が高くなっているんじゃないかな。
あと読み応えのある作品も多い。もっとも、中途半端な所で作者が行方不明になったり、迷走してしまう作品がこれまでの一般のラノベよりも多い気がするが。

ウチの国のネット小説はランキングのために引き伸ばしに走る傾向が強いが、日本は引き伸ばしはあるがそれ以上に作家が力尽きるという印象。
ウチの国と違って、ネット小説を一人で書いているケースが多いようだし。複数人が分業で作品を書くネット小説家って日本にはいないのかな?それとも表に出ていないだけ?



とまぁ、こんな感じで。
ネット小説に関しては商業出版となった作品が翻訳されたものや、ファンサブ翻訳されたものが広まっている模様です。それとさすがに小説家になろうのランキングを参考にして直接読む、という人はそんなにいないみたいですね。

また上で紹介させていただいた中には入っていませんが、この手のやり取りを見ていくと「ネット小説について」というスレであっても、頻繁に日本の非ネット小説出身のラノベの名前が挙がったりしていました。
ネット小説系というか、なろう系的な小説に関する情報は中国オタク界隈にそこまで広がっていないようですし、認識に関しても曖昧な所がある模様です。

それから今回の反応を見ていると、どうやらarcadiaの方は中国オタク界隈であまりは知られていないようです。幼女戦記などに関しても書籍の方から話題が広がっているようでした。(そもそも、現在arcadiaは海外からのアクセスできましたっけ?)


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


7/7修正:誤字脱字誤訳を修正しました。ご指摘ありがとうございます。