ありがたいことにネタのタレコミと質問をいただきましたので、今回はそれについてを。
最近の中国では、幼児向けではない国産アニメの制作に関してイロイロと盛り上がっていますし、中国オタク向けになっていると思われます作品の数も随分と増えてきています。
ただそういった作品の内容や傾向について、特に
「中国らしさのある作品」
といったことに関してイロイロと考えてしまう人も出ているようです。
中国のソッチ系のサイトでは
「中国らしさと現代を舞台にした作品」
に関するやり取りが行われていましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
改めて考えてみたんだが、もしかして中国らしさと現代の舞台は両立が難しかったりするのか?
なんか最近の国産オタク向け作品の批判で「中国らしさが無い」「中国風じゃない」というのがよく出るけど、それに対する反論として挙げられる作品はどれも「仙侠」関連で舞台は古代かファンタジー世界の作品で、現代を舞台にした作品が見当たらないように思う。
そんなの別に気にしないで良いんじゃないか?
その手の批判をするのは、大体海外からの目を気にする連中だ。俺達が面白ければいいだろうに。
現代とのすり合わせが上手くないってのには同意かな。
現代社会で活躍する仙侠系作品が無いわけじゃないが、なかなか大人気とまではいっていないかも。
あまりにも中国風を目指す、海外での評価を目指すのはジャンルの迷走を招くと思うんだが……
良いのはあるし、webアニメ化されたりもしてもいるけど、一般向けの大作としてきちんとしたのが出ていないって所はあるかもね。
イロイロな「上手く活用した例」は挙げられるけど、広範囲で認識された人気作品ってのはなかなか無いんじゃないかな。オタクだけとか、そのオタクの一部だけとかで。
作ろうと思えばいくらでも作れるよ。
足りないのはカネと勇気。
仙侠系を除くと、その手の中国文化的な要素を現代向け、現代の視聴者向けにうまく翻訳できていない、或いは現代要素に組み込めていないのがなあ。
例えば山海経を研究すれば中国風なものはできるだろうけど、それを現代に合わせて面白くする方法やフォーマットが不足している気がする。
ネット小説のトリップやMMO系システムの導入みたいにはいかんのよね。
逆にそう言うのができれば安定した量産が出来る気もするが。仙侠系はそういった量産向きのフォーマットとして成立している面もあるのかな。
歴史ネタで作れば普通に中国っぽい作品なんてのはできるし、わざわざ現代向けにしないでもいいと思うが。みんなが求める中国らしさってそういうのじゃないの?
古代関連で良い題材が有るんだし、あえて現代でやる必要もないだろう。
正直、私は古典系はちょっと食傷気味。現代とか近未来で、自分とのつながりが感じられるものが見たい。
問題は視聴者が面白いと感じる、感情移入できる中国的な要素が何かというのが俺達の間でも分からんということだ。
ネタに関しても通じるかどうかという問題があるからな。「十万個冷笑話」とか、分からない人にとってはどこで笑うのか本当に分からない作品になっている。
あれも一種の中国風だと思うけど、ああいうのが量産されたらそれはそれで困るな。俺も嫌いじゃないんだが。
もう水墨画と歴史建造物、あとは大量の漢字の広告の風景とか出しておけよ。そうすれば中国だって分かってもらえるからさ。
今の所、中国らしさ=古代風なことになっているのがなあ。
別に中国らしさが古代だけってことはないだろう。
国産作品でも現在の中国の街並みをきちんと描写していて、画面からくる印象が中国っぽくなっている作品はあるぞ。
分かり易いアイコンが仙侠系か歴史系になっちゃっているからしょうがないね。
これって辮髪とかお団子頭が海外で「中国の特色的シンボル」になっちゃっているのと似たような状態なのかもしれん。
現代の中国社会と、いわゆる中国らしさ、中華系ファンタジーのお約束的要素が連続していないのが……
現在のウチの国って歴史はあるけど、それを感じる場所が観光地くらいになってないか?欧州はもとより、アメリカだって近代からの流れを感じられる場所がある。ウチの国はそれこそ現代だけだ。それが悪いわけじゃないが、創作や受け手の共鳴といった方面では少々難しいことになってしまっている。
実は中華ファンタジーもそこまで伝統的な中国風ってわけではないんだよね。古代の格好のキャラ出して、古詩や古詞を適当に挿入したり、そこからとった名前を作中に出したりして、仙人と武侠をミックスする。これってせいぜいここ4,50年くらいの話だろう。
でも「実は最近成立したジャンル」であっても、国内国外でそれを中国風だと受け取る人間が多いのも間違いないはず。こういったイメージをうまく活用して、現代の舞台とすり合わせれば中国風にできると思うんだが。
その国っぽさを表現する上で、伝統文化が影響するのは避けられないと思う。
日本のアニメや漫画も伝統的な服装や祭礼関係のイベントが作品に組み込まれている。そしてウチの国ではそういうのを現代においてうまく活用できていない……
中国的な要素を打ち出すこと自体は、古代の伝統文化や名所旧跡などの中国特有の部分を混ぜれば難しくない。でも現代との両立になると途端に厳しくなる。
なぜかと言えば、現代の中国社会は西洋のスタイルになってしまっているからだ。もし中国的な要素や空気を前に出したいなら、現代は避けた方が無難だ。
でも現代の西洋から来ているものであっても、独自に発展してウチの国の大多数が中国の特色だと認識すればいけるんじゃないか?
例えば今の学校教育なんかは確かに西洋から来たシステムだけど、そこにウチの国の科挙からくる社会的な受験関係の概念や対応策が混じり、ある意味ではウチの国独自の運用によるものになっているし、それを体験した私達にとっての共通の文化になっているのだから。
「中国らしさ」がいったい何なのか、批判している側も期待している側もハッキリしていないのがヤヤコシイ。いったいどの時代の、どの要素なんだ?
そうだよなあ。受け手の間にある、共通認識、中国らしさのお約束が一定しない。かろうじて最大公約数的なものがあるのが古典か。
現代になると時代や地方ごとの変化が大きすぎて大変だ。古い世代のおじさんおばさんの考える近現代中国のイメージと、俺達の世代が思い描く現代中国のイメージは異なる。それに若者でさえ、80年代、90年代、00年代、そして住んだ地方や都市でかなり変わるからな。
中国の都市部、城管ネタとかで作れば中国らしさは出せるよ!共通認識も有るよ!
(訳注:「城管」というのは大雑把に言うと中国の治安維持組織です)
そんなの作れるのか?
安全な題材というか、敏感な問題にかするネタが出て来るのも現代モノのリスクだな。古代寄りに振り切った方が安全に作れる。でもそればかりだとなあ
うーむ……改めて考えてみると、日本のアニメや漫画、ラノベの学園モノって便利なフォーマットだよな。学校という枠組みだけ堅持すれば現代ものになる。学校外部との整合性とかはそんなにきっちりしないでもいいってのが便利だわ。
ウチの国でも開き直って学園モノでやっちゃってもいいんじゃないか?量を作ればなんか独特なのが出て来るだろ!
一応近現代でも建国から改革開放まで辺りだとそれなりに特徴はあるが……「面白さとは別のセンス」が必要になるからな。
現代社会だとなんだろう。上のレスにもある受験は悪くないかもしれん。
受験をテーマにした国産ギャルゲーは既に出てるし、それでもいいかもしれんな。
アニメや漫画でやるなら、作中の時間の進行に合わせてキャラを入れ替えるか、受験勉強を意識するタイミングの高一か高二でぐるぐるまわせば長期連載なんかもやれそうな気がする。
とまぁ、こんな感じで。
なにやら最近こういった中国らしさに悩む中国オタクの方が増えているような気もしますね。
この辺に関しては、中国国産の若者向け、オタク向けのアニメが増えてきたのも影響しているのではないかと思われます。
以前からマニア寄りの層ではこの手の議論が行われていましたが、ライト寄りの層の間でも、若者向けの具体的な作品を挙げてああだこうだと議論が加熱、拡大するようになったのは最近の話なのではないかと。
恐らく作品数が増えて、面白い作品が出てくれば状況も変わるかと思いますが、現時点ではなかなか開き直れないみたいですね。個人的には面白ければ別に中国らしさに拘らなくてもいいと思うのですが……
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
最近の中国では、幼児向けではない国産アニメの制作に関してイロイロと盛り上がっていますし、中国オタク向けになっていると思われます作品の数も随分と増えてきています。
ただそういった作品の内容や傾向について、特に
「中国らしさのある作品」
といったことに関してイロイロと考えてしまう人も出ているようです。
中国のソッチ系のサイトでは
「中国らしさと現代を舞台にした作品」
に関するやり取りが行われていましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
改めて考えてみたんだが、もしかして中国らしさと現代の舞台は両立が難しかったりするのか?
なんか最近の国産オタク向け作品の批判で「中国らしさが無い」「中国風じゃない」というのがよく出るけど、それに対する反論として挙げられる作品はどれも「仙侠」関連で舞台は古代かファンタジー世界の作品で、現代を舞台にした作品が見当たらないように思う。
そんなの別に気にしないで良いんじゃないか?
その手の批判をするのは、大体海外からの目を気にする連中だ。俺達が面白ければいいだろうに。
現代とのすり合わせが上手くないってのには同意かな。
現代社会で活躍する仙侠系作品が無いわけじゃないが、なかなか大人気とまではいっていないかも。
あまりにも中国風を目指す、海外での評価を目指すのはジャンルの迷走を招くと思うんだが……
良いのはあるし、webアニメ化されたりもしてもいるけど、一般向けの大作としてきちんとしたのが出ていないって所はあるかもね。
イロイロな「上手く活用した例」は挙げられるけど、広範囲で認識された人気作品ってのはなかなか無いんじゃないかな。オタクだけとか、そのオタクの一部だけとかで。
作ろうと思えばいくらでも作れるよ。
足りないのはカネと勇気。
仙侠系を除くと、その手の中国文化的な要素を現代向け、現代の視聴者向けにうまく翻訳できていない、或いは現代要素に組み込めていないのがなあ。
例えば山海経を研究すれば中国風なものはできるだろうけど、それを現代に合わせて面白くする方法やフォーマットが不足している気がする。
ネット小説のトリップやMMO系システムの導入みたいにはいかんのよね。
逆にそう言うのができれば安定した量産が出来る気もするが。仙侠系はそういった量産向きのフォーマットとして成立している面もあるのかな。
歴史ネタで作れば普通に中国っぽい作品なんてのはできるし、わざわざ現代向けにしないでもいいと思うが。みんなが求める中国らしさってそういうのじゃないの?
古代関連で良い題材が有るんだし、あえて現代でやる必要もないだろう。
正直、私は古典系はちょっと食傷気味。現代とか近未来で、自分とのつながりが感じられるものが見たい。
問題は視聴者が面白いと感じる、感情移入できる中国的な要素が何かというのが俺達の間でも分からんということだ。
ネタに関しても通じるかどうかという問題があるからな。「十万個冷笑話」とか、分からない人にとってはどこで笑うのか本当に分からない作品になっている。
あれも一種の中国風だと思うけど、ああいうのが量産されたらそれはそれで困るな。俺も嫌いじゃないんだが。
もう水墨画と歴史建造物、あとは大量の漢字の広告の風景とか出しておけよ。そうすれば中国だって分かってもらえるからさ。
今の所、中国らしさ=古代風なことになっているのがなあ。
別に中国らしさが古代だけってことはないだろう。
国産作品でも現在の中国の街並みをきちんと描写していて、画面からくる印象が中国っぽくなっている作品はあるぞ。
分かり易いアイコンが仙侠系か歴史系になっちゃっているからしょうがないね。
これって辮髪とかお団子頭が海外で「中国の特色的シンボル」になっちゃっているのと似たような状態なのかもしれん。
現代の中国社会と、いわゆる中国らしさ、中華系ファンタジーのお約束的要素が連続していないのが……
現在のウチの国って歴史はあるけど、それを感じる場所が観光地くらいになってないか?欧州はもとより、アメリカだって近代からの流れを感じられる場所がある。ウチの国はそれこそ現代だけだ。それが悪いわけじゃないが、創作や受け手の共鳴といった方面では少々難しいことになってしまっている。
実は中華ファンタジーもそこまで伝統的な中国風ってわけではないんだよね。古代の格好のキャラ出して、古詩や古詞を適当に挿入したり、そこからとった名前を作中に出したりして、仙人と武侠をミックスする。これってせいぜいここ4,50年くらいの話だろう。
でも「実は最近成立したジャンル」であっても、国内国外でそれを中国風だと受け取る人間が多いのも間違いないはず。こういったイメージをうまく活用して、現代の舞台とすり合わせれば中国風にできると思うんだが。
その国っぽさを表現する上で、伝統文化が影響するのは避けられないと思う。
日本のアニメや漫画も伝統的な服装や祭礼関係のイベントが作品に組み込まれている。そしてウチの国ではそういうのを現代においてうまく活用できていない……
中国的な要素を打ち出すこと自体は、古代の伝統文化や名所旧跡などの中国特有の部分を混ぜれば難しくない。でも現代との両立になると途端に厳しくなる。
なぜかと言えば、現代の中国社会は西洋のスタイルになってしまっているからだ。もし中国的な要素や空気を前に出したいなら、現代は避けた方が無難だ。
でも現代の西洋から来ているものであっても、独自に発展してウチの国の大多数が中国の特色だと認識すればいけるんじゃないか?
例えば今の学校教育なんかは確かに西洋から来たシステムだけど、そこにウチの国の科挙からくる社会的な受験関係の概念や対応策が混じり、ある意味ではウチの国独自の運用によるものになっているし、それを体験した私達にとっての共通の文化になっているのだから。
「中国らしさ」がいったい何なのか、批判している側も期待している側もハッキリしていないのがヤヤコシイ。いったいどの時代の、どの要素なんだ?
そうだよなあ。受け手の間にある、共通認識、中国らしさのお約束が一定しない。かろうじて最大公約数的なものがあるのが古典か。
現代になると時代や地方ごとの変化が大きすぎて大変だ。古い世代のおじさんおばさんの考える近現代中国のイメージと、俺達の世代が思い描く現代中国のイメージは異なる。それに若者でさえ、80年代、90年代、00年代、そして住んだ地方や都市でかなり変わるからな。
中国の都市部、城管ネタとかで作れば中国らしさは出せるよ!共通認識も有るよ!
(訳注:「城管」というのは大雑把に言うと中国の治安維持組織です)
そんなの作れるのか?
安全な題材というか、敏感な問題にかするネタが出て来るのも現代モノのリスクだな。古代寄りに振り切った方が安全に作れる。でもそればかりだとなあ
うーむ……改めて考えてみると、日本のアニメや漫画、ラノベの学園モノって便利なフォーマットだよな。学校という枠組みだけ堅持すれば現代ものになる。学校外部との整合性とかはそんなにきっちりしないでもいいってのが便利だわ。
ウチの国でも開き直って学園モノでやっちゃってもいいんじゃないか?量を作ればなんか独特なのが出て来るだろ!
一応近現代でも建国から改革開放まで辺りだとそれなりに特徴はあるが……「面白さとは別のセンス」が必要になるからな。
現代社会だとなんだろう。上のレスにもある受験は悪くないかもしれん。
受験をテーマにした国産ギャルゲーは既に出てるし、それでもいいかもしれんな。
アニメや漫画でやるなら、作中の時間の進行に合わせてキャラを入れ替えるか、受験勉強を意識するタイミングの高一か高二でぐるぐるまわせば長期連載なんかもやれそうな気がする。
とまぁ、こんな感じで。
なにやら最近こういった中国らしさに悩む中国オタクの方が増えているような気もしますね。
この辺に関しては、中国国産の若者向け、オタク向けのアニメが増えてきたのも影響しているのではないかと思われます。
以前からマニア寄りの層ではこの手の議論が行われていましたが、ライト寄りの層の間でも、若者向けの具体的な作品を挙げてああだこうだと議論が加熱、拡大するようになったのは最近の話なのではないかと。
恐らく作品数が増えて、面白い作品が出てくれば状況も変わるかと思いますが、現時点ではなかなか開き直れないみたいですね。個人的には面白ければ別に中国らしさに拘らなくてもいいと思うのですが……
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。