ダ・ヴィンチニュースの方で
中国のボーカロイド人気とはなんだったのか?
というコラム記事を書かせていただきましたが、ありがたいことにこれに関連して
「ボーカロイドの現地展開の混乱とありますが、中国で展開したボーカロイドチャイナって結局どうなったんでしょうか?」
「ボーカロイド以外の、中国のネットにおけるオタク関連の音楽創作って何かありますか?」

といった質問をいただいております。
記事の方で書ききれなかった部分でもありますので、今回はその辺も含めての補足を……


まず、ボーカロイド以外の中国のオタク関連の音楽ですが、ボーカロイドチャイナ以前の時期の中国のネットでは素材を切り貼りして作られるMAD動画的な作品や、いわゆる「人力ボーカロイド」が結構な存在感を示していました。

「人力ボーカロイド」系の作品ではアニメ関係の素材も使われていましたし、現地の弾幕系動画サイトでもこの手の作品が盛り上がっていて「金克垃シリーズ」などの有名シリーズがいくつも生まれるなど、当時の中国オタク界隈の「音楽関係」はこちらが主流となっていたそうです。

この状況はボーカロイドチャイナが中国に入った2012年頃も変わらず、この流れにボーカロイドチャイナが割って入ることができなかったのも、ボーカロイドチャイナが盛り上がらなかった原因の一つではないかという話も聞きますね。


次にボーカロイドチャイナの方ですがぼちぼち昔の話になってきましたし、今回のコラムを書くにあたって教えてもらった話や過去にあった諸々の話などから書いても大丈夫そうな所を大雑把にまとめてみようかと思います。

ボーカロイドチャイナはスタートの時点で
「中国国内の絵師からキャラクターデザインを募集」
という事を行いまして、これはボーカロイドがついに中国に!というニュースと合わせて、当時の中国オタク界隈では大歓迎されました。

このコンテストの結果自体は「雅音宮羽」がトップと言うことで終わったものの、選考基準に関してゴタゴタしたり、またその後応募者とは別のクリエイターの手が入って商業化ということになったことから、投票参加者の間で混乱が巻き起こったりしたとのことです。

当時の反応に関しては、当ブログの昔の記事
中国オタクの中国版ボーカロイド3キャラデザ発表への反応と、入選基準やパクリ関係の騒動について
などもよろしければご参照ください。
振り返ってみれば、このコンテストを巡るゴタゴタはその後のボーカロイドチャイナに関する混乱をイロイロと暗示していたようにも思えますね。

こんな感じで最初の一歩から微妙な空気が漂うことになってしまったわけですが、コラム記事にも書いた通り、中国では音楽を趣味として楽しむ人間が当時のオタクの主流の世代には少なかったことで、中国のボカロPの出現や、ユーザー主導での盛り上がりといったものはあまり生まれませんでした。

また一応公式の方でも中国のボーカロイドの使い手を育成しようとする積極的な動きはあったそうなのですが、権利関係でゴタゴタしたり、内部管理が混乱したり、そういった問題が外部に漏れまくってしまったというか、暴露文が中国のネットに広まるような事態になってしまっていたそうで……

そんなこんなで公式側の迷走や、中国の環境などからボーカロイドチャイナは現地のユーザーやボカロ好きな層との良好な関係を築くことはできなかった模様です。

今回のコラムに関してイロイロと教えて下さった中国オタクの方からは
「ボーカロイドチャイナに関しては、中国式の一撃離脱的なやり方を考えていた経営陣と、それを阻止したいプロジェクトに関わるPの人達がいて、更にそれに不満を感じる外部のPの人達がいた」
「そして、その全てに煽られる中国のファン達がいた」
「こんな状況で混沌とした戦いが続き、ボーカロイドチャイナは爆発することのないまま、時間が過ぎていった」
という見方も教えていただきました。
この辺に関しては、いつかほとぼりが冷めてから改めてまとめてみたい所ですね。

ちなみにボーカロイドチャイナのキャラや権利などは現在vocaneseの方に移っているようで、そちらの方ではソーシャルアプリなども含めた展開が行われているようです。
ただbilibiliなどとの連動も無いようですし、今後どのような形で動いていくのかはよく分かりませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。