以前の記事
中国の三国志系バトル漫画(?)「侍霊演武」がstudioぴえろと静野孔文監督によりアニメ化と発表される
などで
「侍霊演武」(ソウルバスター)
について紹介させていただきましたが、その後なぜか日本上陸発表会にご招待いただき、お話を聞いたりなんだりしてまいりました。

「ソウルバスター」は1話10分の全12話という、中国の動画サイトの配信を意識した形式になるそうなのですが、わりと気軽に見れる長さなので10月に始まったら原作からどう変えてきたのも含めて追っかけていこうかと思います。

発表会での話によれば
「作中で周瑜だけが女性なのには意味がある」
「それがアニメの中で明かされる」
とのことなので、少なくとも原作そのままということは無いようです。
うろ覚えですが、私の読んだ原作の範囲では周瑜が女性である理由についての話は無かったはずなので……


さてそんな訳で(?)今回は三国志ネタで一つ。
これまで当ブログでは武将についての評価などを通じて魏や蜀に関する中国オタク界隈の反応は紹介してきましたが、考えてみれば呉についてはあんまり触れていなかったように思います。

先日中国のソッチ系のサイトで
「三国志系創作における呉の扱いが微妙」
といったことに関するやり取りを見かけましたので、その辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


呉って三国志系作品でいつも微妙な扱いになる気がする。
オタ向けの多い日本の三国志系作品においてさえも、呉のストーリー面で微妙なことになっているような。

呉はずっとグダグダな上に、受け身、横から殴る的なイメージも強いからな。

ウチの国は魏を持ち上げて、日本は蜀を持ち上げている。どこでも呉の扱いは微妙になる。

どこの国でも三国志は蜀が主流だろ……ウチの国の魏に対する持ち上げっぷりはここ最近の新講談の影響だ。賈詡や郭嘉といった辺りの魏の軍師に対する評価もその影響による所がある。それまではずっと蜀ばかりだったよ。

呉は演義のメイン視点になかなかならないからな。
演義の幕引きも蜀の滅亡だ。

コーエーのゲームでも、呉はキャラは前に出しているがストーリー面の扱いは微妙だよな。

無双シリーズとか、どの武将キャラもカッコ良く描くことに重点を置いているから単体のキャラとして見れば悪くないどころか、かなり良いんだよね。
でもストーリー全体の扱いで見ると微妙になる。

ウチの国の曹操伝MODで孫策伝とか無かったっけ。

無双シリーズだと初期から呉をかなり持ち上げているね。女性キャラ多いし、特典っぽいのでアピールしたりというのもあったはず。

呉は好感度の高い孫堅と孫策があっさり死ぬからな。孫権になるともう……

演義だと蜀、正史だと魏が主役扱いだ。
呉は特殊イベントしか存在感をアピールできない。ストーリーに絡めて描写できる優秀な武将も周瑜、それから孫策くらいしかいねえ!

あと三国鼎立以降になると、初期の有名武将が消えてしまうし、個人の活躍が減って爽快感も減る。そこで更に呉はずっとグダグダな状態を続けているから、良い扱いになるのは難しいだろう。

呉は孫家で孫策が死亡していない時期を「主役」にすればいける。
「一騎当千」はどの陣営に対しても等しくヒドイことをしているが、扱いという面では孫策を主人公にするのは呉を中心にする場合の正解の一つだったとは思う。
あとは……大都督になった武将を中心にすればどうにかなるのではないだろうか。

呉はストーリーを孫権中心にしてしまうとマズイことになる。明らかに主人公にしてはダメなキャラだ。本人の晩年のやらかしがそのまま衰退につながってるし。

劉備も曹操も、死ぬ時のドラマチックなネタがあるが孫権は老害化。
それに孫権は猜疑心が強過ぎるのもあまり主人公向きじゃないよ。

国を衰退させる大失敗に関しては劉備も夷陵の戦い関連でやらかしてはいるが、あれはストーリー的にも、状況的にも理解できる所はあるし、なによりドラマチックだからね。孫権はボケが入っているとしか……

魏は覇道、蜀は仁義といったイメージがあるが呉はそういうのがない。あえて言えば家族ゲーム友達ゲームみたいな所はあるが、三国志という世界には合わないよ。

孫権時代の呉が好かれてないからってのもあるだろう。
まだ司馬一族の晋の方が良いんじゃないか?晋は才と野心がハッキリしている。

呉は創作だとキャラ的には強く見えるけど、ストーリー上で扱うと厳しくなる。

だから孫策を主人公にすればいいんだよ。
俺は小さい頃から孫策が大好きだったが、孫策を嫌う人は少ないぞ。

でもあっさり死ぬ。
三国志という大河ストーリーを描く場合、「活躍したと描写できる時期」が少ないのはかなりのマイナス。

本筋に絡んだ面白い武将エピソードが魏や蜀に比べると少ないからね。元ネタが少ないのはそれだけで厳しい。

呉は武将をキャラとして妄想するにはいいが、ifを妄想するにはイロイロと問題がある。
孫堅や孫策が死なない場合とか、天下二分の計とかもあるが、どれも呉という国のたどった道を見ると……

呉のストーリーはめんどくさいことになるのが容易に想像できてしまうのがな。ifで魏と蜀を倒して統一したとしても、その後がなあ。

呉はストーリーが飛び過ぎなんだよ!
孫堅も孫策も出てちょっと活躍したら死ぬし、すぐにクズの孫権になってしまう。

曹操は全部持っていくパワーがあるし、劉備は仁義から見ることも梟雄として見ることもできる。呉はそういうのが無い。呉内部だけで話が進むならいいが、三国時代なんだから……

道徳、正統性で見ても呉は劣る。
ツッコミ所はあれど魏は禅譲を受けているし、蜀は劉姓だ。
呉はなんだ?孫堅が盗んだ玉璽か?

ストーリーもそうだが、広い範囲で知名度の高いカッコイイ武将がいないのも痛い。
良い武将なんだとマニアが知っている、叫んでいるだけだと厳しいよ。

蜀と比べると魏も曹操以外の武将に関しては微妙だが、曹操本人が万能だから、ボスとその取り巻き的な扱いとかでやれるるんだよね。それに軍師関係は近年急速に知名度が上がっているし。

他の陣営との人間関係でキャラを立てるのも難しいからね。
「鋼鉄三国志」のようなことをやると「三国志作品」として無理が出るし。

結局呉を中心にストーリーを描写する場合、孫策とか呉のキャラや、キャラの人間関係だけ持ち出して活用するのがベターなのかもな。

そもそも、武将をきっちり描写すると大体やらかす内容が入ってしまうからな!

呉は孫権や張昭のような長生きしたのがやらかして汚点を作るからね。
内部のゴタゴタが多過ぎる上に、戦いに関しても輝くイメージのものが無いからどうにもこうにも。

荊州を取ったのも、呂蒙というよりも関羽の失策、糜芳の裏切りによるものだしね。陸遜もきらびやかに登場するが、その後はすぐに「もうあの頃には戻れない」状態になってしまう。

演義ベースで見ると、周瑜も結局は諸葛亮を引き立てるために設計されたキャラだからね。最近は史実ベースで考えられた作品が多いけど、それでも演義の影響はなかなか消せない。諸葛亮が登場する段階になると、作り手も見る方も意識せざるを得ない。

もういっそのこと、呉に関しては後期の権力闘争だけで作ろう!他の三国志とは違う話が作れる!
孫亮を主人公にすればショタキャラとしてもいける!バッドエンド確定だがな!



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈でも呉のイメージは微妙なようです。

近年の中国では「品三国」のブームなどにより各陣営の評価が変化し、曹操の評価が大幅に上がったりしていますし、若い世代の間では「三国殺」を通じて武将に関する知識が一昔前に比べて上がっているのですが、勢力として見た場合の「呉の印象」がパッとしない状態なのは相変わらずのようです。

それに加えて孫権が随分と嫌われるようになってきているらしく、近年の中国のドラマなどでも孫権の扱いは微妙だそうです。実際、今回のやり取りを見ていても孫権に対する評価はズタボロ気味でした。

中国では近年の曹操を持ち上げる流れの中で他の陣営の武将や君主は叩かれ易くなっている傾向があるのですが、一応劉備に関しては叩いている人達の中にネタ込みでやっている人もいるのが見て取れます。しかし、孫権に関しては本気で嫌っているっぽい人がかなり多いような印象ですね。


とりあえず、こんな所で。
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