春節になって何もしたくない気分になっていた所、ありがたいことに手頃なネタをいただきましたので今回は軽めの内容で。

「たぬき」

と言えば日本では昔から様々な所で顔を出したり活用されたりするモチーフですし、信楽焼などでも有名な大きな金時計付きのデザインは簡単にイメージできるかと思います。

しかし中国の方では日本におけるたぬきのイメージや、たぬき的要素の扱いに関してピンと来ないそうです。
そもそも中国語の「狸」は主に中型のネコ系の動物を指すものですし、同系統の意味では「野猫」や「山猫」が来る言葉です。また中国語で「狐狸」とした場合は「キツネ」のみを指すことになります。

このように日本のたぬきには日本独自の部分がかなり多いのもあってか、「たぬき」に関する言葉の齟齬やイメージの違いなどに関して引っかかる中国オタクの人もいるのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「たぬきの金時計」
に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の二次元のたぬきの股間のアレってなんであんなに大きいの?

実際はどうなんだろ?
現実の、日本のたぬきってあんなにでっかいのが付いているのか?

さすがに自然にアレはないだろ……

実際の動物と比較すると極端な誇張になっているのは明らかだけど、どういう経緯でアレになったのかね。

あの大きさは昔からある設定なんだよね。神話の時代から、日本のたぬきのたまたまは大きいということになっている。

あれは日本の伝統的なものだな。
日本ではたぬきという動物を描く際に、昔からああいった描き方をする。
ちなみに日本語の「狸」は中国語の「狸」と同じ字だが、指す動物が異なるぞ!

「狐狸精」とかも日本だとウチの国とは別の扱いになるらしいな。狐だけじゃなくて日本のたぬきもセットになっているという、ヘンなカテゴリ。

一応ウチの国にも「日本語の意味での狸」はいるんだが、日本ほど身近な動物では無いしな。「日本語の狸」は都市部にも出没するから昔から様々な伝説や民話の題材になっている。そしてそれらのたぬきは睾丸がでかいという描写が付いて回る。

元ネタがあるのか。
俺はそのたぬきキャラのアソコがデカイという、そのままの意味で受け取っていたよ。

今やってる「戦国鳥獣戯画」のたぬきもデカイが、私はてっきり徳川家康のイチモツがでかかったからああいう表現になっている物だと……

作品の名前は思い出せないが、私の小さい時に見たアニメの動物擬人化キャラで、たぬきのキャラは「デカかった」覚えがある。

「朧村正」に出て来るたぬきはスゴイぞ。本体と金玉の比率がおかしい。

たぬきと言えば、今やっている「戦国鳥獣戯画」で家康がたぬきになっているのがどうも分からんな。あれ、どこから来ているネタなんだ?明らかにイメージに合わないだろ。

いや、あれは日本の伝統的なお約束の結果だ。
日本では徳川家康は最も有名なたぬき系歴史人物なんだよ。家康を動物として描く場合はたぬきというのが常識というレベル。

なんで家康がたぬき?
経歴やのし上がり方を考えると、例えば亀とかそっちの方がそれっぽいんじゃないか?

日本では織田信長や豊臣秀吉に比べて徳川家康の評価が低いので、動物のイメージを当てる時にもカッコ良さや華やかさの無い、たぬきがイメージとして使われているんだよ。

恐らく日本社会におけるたぬきのイメージによるものじゃないかなあ。
日本では人を「たぬき」と形容する場合、考えていることを周囲に悟らせない、権謀術数に長けた人物という意味になる。「たぬきおやじ」は徳川家康の代名詞の一つだ。

日本での徳川家康の評価って、どうもハッキリしないんだよな。
たぬきに例えられているのがネガティブな評価によるものだとは何となく分かるが。

二次元で「たぬき」と形容される、或いはたぬき化されるキャラで有名な所を挙げると、「リリカルなのは」の八神はやてが「たぬき」なキャラだな。同人イラストでもたぬき的なオプションが付くことが多い。
またこれは、たぬきが男性に対してのみ使われるイメージではないという実例にもなるだろう。

しかしなんでたぬきをデフォルメする際にタマタマがでかくなるんだ……日本人はたぬきのタマタマにどんな思い入れがあるんだ?
特別なものがなければあんな形にはならんだろ。

あれって日本だとそれほど特別なイメージは無いらしいよ。性的なのも含めて。
「平成狸合戦ぽんぽこ」関係だったと思うが、日本の社会だとたぬきの巨大な睾丸は一般的に許容されているユーモラスな動物描写になるらしい。

日本では狐狸が「きつね」と「たぬき」の両方を合わせた意味になるから、きつねのイメージと比較して考えると分かり易いよ。
日本のたぬきの化生のイメージって、こっちの狐の化生のイメージと似ている部分も少なくない。睾丸の大きさに関しては、言ってしまえば妖狐の尻尾の数みたいなもんだよ。妖怪として強くなると睾丸も大きくなる。

ということは妖狐の尻尾の数で強大さが分かるように、たぬきの妖怪は睾丸の大きさで強大さが分かるのか……

そんな情報知りたくなかった!
タヌキ系キャラを今までと同じ目で見れなくなったじゃないか!!

「平成狸合戦ぽんぽこ」もそんな感じだったっけな。
たぬきのきんたまの使い方に関してはあの作品はとても参考になるぞ!

でもそれならメスのたぬきが化けて強くなった場合はどうなるんだ?おっぱいが伸びるのか?

化けるのはオスのたぬきだけだからだよ。
近年の創作物ではアレンジされているが、日本の伝統的なたぬきの化生は男だけ。美女になって人を化かすのも、全部オスのたぬきの仕業。

強くなるとたぬきのタマタマが巨大化……じゃあドラえもんの完全体は……!?

あれは青狸じゃないとフォローするべきか?

ちょっと待て……もしや「うどんの国の金色毛鞠」のポコの股間も……?

たぬきの睾丸と化ける能力の関係については様々な説があるぞ。デザイン上の存在だけというパターンも少なくない。
たぬきの特殊能力の発動に関しては睾丸より葉っぱが有名で、葉っぱを使って変身したり、偽物や偽金を作るというのも伝統的に有名な設定。

日本の伝説や創作物だと動物、特にキツネやタヌキが変身する場合は葉っぱを頭に乗せるなどして発動、軽い爆発が起こってそこには……というパターンが多いはず。
たぬきの睾丸に関しては「使う設定の話もある」というくらいじゃないだろうか。

あれに関しては、金箔を作る際にたぬきの皮を使って叩いて伸ばしていたというのが理由とされている。日本語では睾丸のことを金玉というから、金と伸ばすというイメージが合わさって狸の睾丸にもあんなイメージがついたという説が有力らしい。

戯画化されたたぬきのデザインと、化生としてのたぬきの能力はある程度分けて考えるべきか。

戯画化された方のたぬきは商売繁盛の伝統的マスコットとしても有名だな。信楽焼とも言われるあのタマタマのでかいたぬきを飾っている店は結構あるよ。私も日本旅行で何回か見たし、日本ではあのタマタマが本当に一般的なんだろう。



とまぁ、こんな感じで。
日本と中国では「狸」が指す動物が違いますし、日本社会におけるたぬきに関する感覚は、中国オタクの面々にとってピンと来ない所があるようです。

ちなみにこれがキツネの場合、中国でも伝統的に超常的な存在や怪異としての出番が多い上に、最近では萌えキャラとしても人気があるのでかなり理解し易い所(それから微妙に勘違いされ易い所)があるそうです。
中国オタク「気が付いたら国産の娘化が狐系ばかり。どうしてこうなった。猫とかどこいったんだ」

それにしてもこの調子だと、日本におけるキツネとタヌキのイメージの違いや、「たぬきっぽいキャラ」と「キツネっぽいキャラ」の違いを伝えたりするのも難しそうですね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

1/29修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。