ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので、今回はそれについてを。

中国の主にネットでは主人公補正を指す
「主角光環」
というネタ混じりのスラングがあるのですが、様々な作品の主人公格のキャラ、そして主人公補正に関するやり取りが行われています。

そしてそんな主人公補正やそれに伴うご都合主義的な展開の一つに
「敵の頭が悪くなる」
というネタがあるそうです。
中国のソッチ系のサイトではその辺りに関するやり取りが行われていましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近の主人公補正って敵の頭が悪くなるタイプが多い気がする。
でもあれって良い悪いは別として、ツッコミを受けやすいし扱いが難しいよね……

そうだね。キャラのイメージ、設定上の能力から可能だと思われることと、物語内の言動が乖離している作品は珍しくないが、それでも最近は急激に知能が劣化し過ぎじゃないかと思うことがちょくちょくある。

その手の穴は、作品の空気や勢いと違うと目に付き易んじゃないか?

確かにそういうものだとスルーできる作品も存在するよね。とりあえず王道系の作品だったら敵の頭が多少悪くなるくらいなら許容できる。
逆に頭脳戦メインで駆け引きや騙し合いの中で敵の頭が悪くなるのは残念だ。

しかし敵の方が本気で潰しにくる、設定通りに完全な敵だと主人公側も当初から強くないと作品として成立しなくなる。
爽快感も薄れるし盛り上がる形でのバッドエンドや鬱展開の方もやれなくなるぞ。

スタッフのせいで頭の悪くなるキャラが少なくないのは本当に残念だよ。

視聴者を満足させるのはいつも難しいってことですよ。

現在の作品の傾向からして頭が良いキャラを描写するのが難しいという根本的な問題もあるだろう。特に主人公格のキャラ。
昔居たような発明だけしていれば良い博士キャラと違って活躍してライバルを上回らなければならない。

頭の良いキャラの描写で敵の知力を下げる以外だと、実は全部知っていたけど言わなかった系のキャラ、或いはそれを備えた複合系とかもあるね。
ただその知っていたことに基づいて解決してくれる、すでに手を打ってあるケースはあまり多くないし、それはそれで不満が出る。

そうだ!
最初から頭の良いキャラを出さなければいいんだよ!

頭脳戦に限らず、そのシチュエーションに刺さるはずの能力が発揮できていない、情報が入っているはずなのにそれを意識しないとかは気になってしまうかな。
普通のレベルの頭があれば理解できるだろうという感じなのに……と

「ジョジョの奇妙な冒険」はそういうの多い気がする。
いや、別に嫌いな作品ではないんだが。見ている時はそこまで不合理には感じないしね。

作品はともかく、この主人公補正の流れに関しては興味深い。
こういう補正、突然頭が悪くなる、運が悪くなるってのは一昔前は敵じゃなくて味方側、主人公にかかる補正として目立つものだったように思うんだが。

昔は自分の苦難のために、今は敵を倒す爽快感のためにか……

恋愛系だとまだ主人公やヒロインの頭が悪くなる方の補正も少なくないな。ただ一般の、俺TUEEEEE系だとやはり敵の頭が悪くなる

見ている側が知っていることを、作中のキャラは知らないということをなかなか割り切れない人が増えているというのも問題なのでは。

元々読者が神の視点を持っていた所に、近年はネットで作品について語ったり、弾幕コメントでツッコミいれたりしているからね。
予備知識に加えて文句の付け所に関する知識まで入っちゃってるから、作品の表現に関しては過去よりも難しい時代になってきているのかも。

私も今の環境ではどうやって敵の頭の悪さというか、主人公に出し抜かれる失点を表現すればいいのかと考えてしまったことがある。
とりあえず過去の似たようなストーリーを分析するなり持ってくるなりしてやるのはどうだろう。利点も欠点も出ているわけだし。

それはむしろ、テンプレに当てはめるだけだから穴が増えているような気もする。
元ネタの作品や人気になった時代におけるお約束や前提を無視して、強いキャラだけ安易に当てはめると失敗する。

そこは開き直って勢いでやってしまっても良いと思うんだがなー
敵の頭が悪くなるとかでも、面白ければ勝ちなわけで。

最近はむしろ頭の良いキャラ、説得力のあるキャラを描写しようとして制作側がすっ転んだり力尽きたり収集できなくなったりしている。

その意見は理解できる。
例えば「現実的」な「頭の良さ」にこだわり過ぎると失敗するよね。
ロボ作品なんかは作り手が現実やミリタリー的な説得力にこだわり過ぎて、そもそもの前提である人型ロボが有効な兵器になっている無理矢理な世界観でありそれを求めるファンが見ているということを忘れてしまっている本末転倒なケースが珍しくない。

「鉄血のオルフェンズ」のダインスレイヴによるストーリー展開はほんと色んな意味で厳しかったな。世界観でもキャラの知力でも。

一応あれは、敵の知能が下がらなければというパターンの一つではあるが、世界観まで壊したらどうにもならんと教えてくれた。

見ている側に伝わっている設定や、形成されているイメージと実際の展開が違うと反応は荒れるよね。
例えばFateなんかはわりと勢いと後出しで設定を投げてくる作品のはずなんだが、ファンの間では設定や力関係がキッチリしている作品のイメージが形成されているから荒れたり、設定が公式で固定されることを恐れて抗議しようとするのが出てくる。

敵が対主人公だけミスするというか、主人公の策を見破れないとかいうのが引っかかるんだよね。現実的じゃないと感じるし、作品も一気に安っぽく見えてしまう。

でも現実だと地位のある頭の良い人間が信じられないポカをやったりしている。そういうミスも絶対に無いとは言えないだろう。
だが作品として見せられると説得力が生まれ難いのも確かかな……

三次元の世界だと見えている、分かっているのは一部だと分かるけど、創作だとテキストが全てだからね。

上でも言われているが創作だと、基本的に読者が神の視点になり易い。
相対的な強弱や能力の穴に関しても上手く描写されていなければ引っかかる。後出し設定も上手くやらないとルール違反と受け止められて炎上する。

「銀英伝」とかも実は主人公の敵の頭が悪くなるタイプの主人公補正による作品だが、普通に面白いし評価されている。
結局は人物描写のやり方や見せ方次第だとは思うんだが……

理想的な例は三国演義の諸葛亮とかじゃないだろうか。
ただし下手に真似すると敵の頭脳に妙なデバフがかかったように見えてしまう。

現実では強い方が、頭の良い方が必ず勝てるってわけではないんだけど、創作だとその辺りに合理性というか因果関係を求めてしまうからね。
勝つ理由、主人公が相手より優れていたという展開を作ろうとして、結果的に相手の頭が悪くなったように見えてしまう。

現実にあるかどうかと、見ている方がそれにリアリティを感じるかどうかは別だ。
上のレスにもあるが設定からキャラの能力、可能なことのイメージが固まっている場合はギャップを感じてリアリティを感じなかったり、違和感や反発を覚えたりする。

二次元のキャラって設定上はどれも二次元特有の特別な存在、強キャラになるからな。現実を当てはめようとしてもどこかでズレが出るのはしょうがない。

そう考えると能力じゃなくて性格の方に失敗のポイントを置くのがまだ良いのかな?
どのキャラにも使えるわけじゃないが、自分に敗れたみたいな話だったら強キャラ感もそれなりに維持できるような気がする。



とまぁ、こんな感じで。
作品の見せ方やリアリティの受け止め方に関する考察なども行われていました。

中国オタク界隈でもネタにし易い、ツッコミを入れ易い矛盾(に見える所)や、納得できない展開についてイロイロと語ったりする流れが一昔前に比べて速くなってきていますし、場合によってはその方向からの作品叩きや炎上的な展開になってしまうこともあります。

更にそういった反応は中国オタク界隈独自の感覚によるものもありますし、以前とはまた違った形で日本のコンテンツの人気や反応が読めなくなってきている気もしますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。