ありがたいことに前回の記事
中国オタク「日本で娘の学費のために青眼の白龍を売った父親が出たらしい」「私も売れるもんなら売りたい」「その辺の海賊版だと価値は無いぞ」
に関して、追加でネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

前回の記事の話題が中国では
「オタク趣味が金になった実例」
「子供のためにオタク趣味を金にする」
更にそれが
「一昔前に中国でも海賊版カードが大流行した遊戯王だった」
といったことなどからイロイロと話題になっているようですが、それに関して昔と今の中国の遊戯王カード事情のようなものも出てきて面白いことになっています。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「自分が昔持っていた遊戯王カード(たぶん海賊版)は価値があるのか」
といったことなどに関するやりとりを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


俺が子供の頃に集めていた遊戯王カードの中に実は高額のレアカードが混じっていたなんてことはあるのだろうか?実家を探せばたくさん出てくると思うんだが。

青眼の白龍とか、昔は何十枚も持っていたからあんな高額になるなんて驚いた。あのカード、今ではどこにやったか分からない。俺はもしかして大きな損をしてしまったのではないかという気分になるよ。

心配するな。損も何も無いぞ。
あの当時のは全部海賊版。価値があるのはお前にとっての思い出くらいだ。

当時のカードは1元か0.5元で10枚だっけか。

自分の所では1パック0.5元だったね。
冷静に考えて見ろ。当時簡単に何十枚も手に入ったようなカードに高い値段が付くか?もちろん可能性は0では無いだろうけど貴重になるような理由が無いと高額になることはあり得ない。

全部ブルーアイズとか全部エクゾディアとか全部レッドアイズとかいうのも売ってたしな。

この間の「ブルーアイズ・ホワイトドラゴンを売って子供の学費にした」ニュースから、こういう話をする人増えたよね。

家の中に眠っていた骨董品が高額に……みたいな夢を見てしまうのだろうか。

なんで遊戯王カードやってるヤツラはそこまで断言するのか。
もしかしたらという可能性もある。自分も中国語のブルーアイズを十数枚持っていたけど、もしかしたらと思うくらいはアリだろ。

そういう考えでいるのは別に構わないけど、
「高いの?」「売れるの?」
的な発言が多過ぎてちょっとね……それに関してはツッコミ入れたくなるのよ。明らかに間違いだから。

同意。小さい頃に買ったとか、中国語版だとかはほぼ海賊版。
「小さい頃に1パック0.5元で売っていたアレにもレアがあったのか?」
「小さい頃に集めた遊戯王カードのコレクションの中に高いレアがあったらどうしよう」
「母親に捨てられたカードの中にもしかしたら高額なレアがあったかもしれない。悔しい」
といった疑問がかなり出ていて微妙な気分になるわ。

そういった疑問に関しては、
「金銭的な価値は無いから安心しろ」
と断言できるのにな。

ふーむ……ちょっと詳しく教えてもらえるか?興味が出てきた。
検索してもちょっと分かり難くてな。

簡単に言えば、俺達が「小さい頃」というような時期の中国には正規版の遊戯王カードは存在しなかった。それから「中国語版」の遊戯王カードというのも2014年以前は基本的に存在しないという事実があるんだよ。
だからウチの国で遊戯王カードの正規版に触れた事があるかというのはかなり判別し易い。

正規版の遊戯王カードはアジア版、つまりこっちで言われる香港版もあるがそれも日本語表記。中国語では無く日本語だというのが知らない人にとっては引っかかる所だろうね。
それに中国語版は繁体字版の一部だけ。つまり、中国語正規版をうたって昔のレアカードがオークションに出ている「販売された」カードは基本的に偽物ってことだな。この辺りの見極め、そして「日版」と「港版」の区別は遊戯王カード価値の見極めにおける初歩の一つだろう。

こっちのネットでも海賊版を正規版と偽って売っていたり、他所はニセモノだが自分の所はホンモノと言って売っている所もある。そういう所のサンプル画像が国産の海賊版カードのロゴ付きをどうどうと載せてたりする……

昔のカードだと正規の中国語版って高額で有名なジャンプのプレゼント企画のブラックマジシャンとブルーアイズ、それから「STRUCTURE DECK−海馬編−」に入っていたKA版の中国語版ブルーアイズだけのはずだからな。
高額になるレアカードで「中文正版」をアピールしてきたらまず疑うべし。

言ってみれば、「1パックが0.5元」で手に入れていた人のカードは全部海賊版。時期的に正規版の繁体字中国語版に触れることもあり得ない、となる。

そういうのは知識が無いと分からないからね……私もガキの頃はカードの裏側に遊戯王のロゴがついているかどうかで本物かどうかを判断しようとしていた。結局どれも偽物だったんだけど、ガキの頃は見事に「自分の買ったものは本物」と思い込んでいたよ!!

さらにややこしいことに、中国語テキストは正規版が一番怪しいんだよね。
中国人からすると語感がヘンだというだけでなく、翻訳ミスも少なくなかった。

あのニュースと一緒に、「もしかしたら、高額レアを捨てちゃったのかもしれないよ!」という釣りタイトルなネットニュースも見かけるが、捨てたものに金銭的な価値は無い。間違いなく。

ちょっと考えればガキの小遣いで正規版買えるわけないのが分かると思うんだが、案外そうでもない人がいるのか。

昔はマンガとかCDとか海賊版に混じって廃棄処分になったと思われる正規版が流れて来ることもあったしそういうのを知っていると、「もしかして」と思っちゃうんじゃないか?

正規版と海賊版の判断基準がハッキリしていない人が多いし、キラだとかホログラムだとかの加工もあってカード自体は子供の感覚で「しっかりしたもの」に見えていたわけだからね。
「正規版かどうかは分からないけど子供の頃にたくさんカード買ってた!」
みたいなことになるのかも。

あと中国語版だけじゃなく日本語のそのままコピーしていたのも流通していたし、「本物っぽいのを買った」みたいな記憶のある人も少なくないんじゃないかな。

よくある中国人は海賊版に関する意識がどうこうという話じゃないような流れなのがちょっと興味深いね。
ちょっと調べてみれば「もしかしたら」という可能性も0だと分かる話だと思うんだが。

恐らくこのニュースで遊戯王カードのことを忘れていた人が釣られているってのもある。
今はさすがにウチの国でも遊戯王カード界隈だと海賊版で遊ぶのは無理。ゲームコミュニティから弾かれる。

随分と変わったもんだよね。俺が中学の頃は人気が凄かったけど海賊版カードだけで、学生のコミュニケーションツールとしてもわりと重宝していた。
でも今では仮に海賊版カードで遊ぼうとしたらボロクソに言われるだろうね。

TCGで海賊版掴まされないためにはプレイヤーのコミュニティに行くのが一番だと言われているしね。
遊戯王ならばある程度の都市であればカードショップやプレイヤーのグループがあるし、小さな都市でもネットのコミュニティがあったりするからそこまで難しい話ではない。

「無いだろうな」とは思うけど、昔々に香港から来たという話で買ったのは正規版だったんじゃないか、と思ってしまう。確認しようとは思わないけどね!

しかしあんなに高いカードが出てくるってことはそのレアカードを大量にコピーして儲けようという動きは無いの?
過去に大量に流通した海賊版遊戯王カードを考えると、そういうことして儲けようというヤツが絶対に出ると思うんだが。

偽造カードとかも存在するよ。ただこういうのって偽造防止をごまかすにはそれなり以上の印刷技術がいる上にコストも高くなるからね。大量生産には勝てない。
一部のレア以外偽造するほどの価値は無いし、高価なレアカードは収拾する側がその手の偽造チェックをかなり厳重にやっていて、ホログラムの違いとかでも判別されたりしている。偽造が無くなることはないだろうけど、大量にやっても割に合わない。

仮に偽造したとしても金と違ってまずマニアに売らないといけないから、偽札とは違うわな。
ウチの国の過去のように国内が全部海賊版しかなくて、刷ったら普通に売りまくれるというなら商売として成立するんだろうけど、偽造とはまた別の話だからね。

遊戯王の偽物作るならMTGの偽物作った方が儲かるだろう。たまたま貴重なレアが話題になっただけで、遊戯王自体はTCGの中では安い部類に入る。

こっちの業者は偽造するくらいなら勝手にカード作るDIYをやるぞ!
俺の子供の頃とか、業者が勝手に作った「アニメや漫画にあるキャラや効果のカード」が人気で、アニメや漫画に出ないカードはみんな見向きもしなかった。あとで正規版での価値やルールにおける強さを知って複雑な気分になったカードもある。

こっちでは海賊版カード作ってる業者同士が商標やら権利やらで争っていたからなあ……
日本よりレートは低そうだが、当時ウチの国で遊戯王カードの海賊版をやってた業者も「金を刷っているような感覚」だったのだろうか。

なんだかんだで主要都市以外に、それこそ我が国の全国レベルで遊戯王が広まったのはあれ作ってた業者のおかげではあるんだよな。アニメや漫画とか全く話題にならないであろう三、四級の都市でさえ海賊版遊戯王カードは売られていた。

そういうのも過ぎ去った日々の話になったな……今では金があるとかコレクションしたいとか言う人間は正規版をやるし、金が無い人間はオンラインで遊ぶ。
海賊版カード自体は消えていないが、オフラインで安いカードを何も知らない子供に売りつけるという商売が通用しない。対象になるのはスマホ持っていない子供くらいになっている。

とりあえず、遊戯王のカードに関しては「小さい頃」にどうこうと言う場合は間違いなく正規版のカードでは無いから、カードの価値について語るのはやめた方が良いだろうね。



とまぁ、こんな感じで。
昔の海賊版カードに関する認識や当時の状況に関する話がイロイロと出ていました。
また中国では海賊版カードが大流行していた頃のイメージと、最近のプレミア価格になっているカードのイメージが重ならず混乱している人も出ているようですね。

上の発言にもありますが、海賊版遊戯王の広まりはかなりスゴかったようで、日本系のアニメや漫画があまり伝わっていないような中国の地方都市でも普及していたような状態だったそうです。新疆とかでも普通に扱われていたそうで、なんだか逆に想像し難いレベルになっている気もしますね。

またこの辺りに関しては流通や情報の速さの影響から
「オタク的に遅れた場所ほど遊戯王は強かった」
という話を中国オタクの方から教えてもらったこともあります。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。